JP4926703B2 - セルトリ細胞および筋様細胞を含有する組成物、並びに細胞性移植における該組成物の使用 - Google Patents

セルトリ細胞および筋様細胞を含有する組成物、並びに細胞性移植における該組成物の使用 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、生物学的因子の欠損から生じる疾患の治療において、哺乳動物被験者中に免疫特権部位を生成し、それによってこうした生物学的因子を産生する細胞の移植を容易にするための、セルトリ細胞および筋様細胞の使用に関する。セルトリ細胞および筋様細胞を含有する薬剤組成物とともに、これらの細胞の使用に関する療法を本発明が提供する。
発明の背景
精巣、脳、および前眼房は、免疫特権部位と見なされ、そしてこれらが細胞性移植片を保護する能力に関して研究されてきている[1〜3]。精巣内に移植された同種組織および調和性(concordant)異種組織は、長期間生存する[4〜10]。
さらに、副甲状腺切除ラットにおいて、精巣中に副甲状腺を同種移植すると、正常カルシウム値に回復し[8]、そして糖尿病げっ歯類において、腹腔内に置かれた精巣に膵島を移植すると、高血糖が是正される[9、10]。精巣の他の主要構成要素であるライディッヒ細胞および生殖細胞を選択的に破壊した後も、移植片がなお保護されるため、精巣における免疫寛容は、少なくとも部分的にセルトリ細胞による[11、12]。さらに、げっ歯類セルトリ細胞は、同種移植片として生存可能であり[13、14]、そして同種膵島または異種副腎クロム親和性細胞は、セルトリ細胞と同時移植されると、免疫が仲介する拒絶から保護される[14〜16]。セルトリ細胞は、哺乳動物精巣の主要構成要素を構成し、そして秩序だった発生および精子の保護に必要な多くの因子を提供するため、「養育(nurse)」細胞とみなされる[17]。生殖細胞は、成熟するにつれて、免疫系が異質(foreign)と認識する表面抗原を発展させるため、精巣が発生中の胚細胞を保護する機構を発展させることが必要になる[18、19]。セルトリ細胞は、血液−精巣関門を生成することによって[20、21]、そして局所免疫寛容につながりうる因子を分泌することによって[13、22〜26]、生殖細胞を保護すると考えられている。セルトリ細胞は、Fasリガンド(FasL)[13]、トランスフォーミング増殖因子b(TGFβ)[27]、およびクラステリン[28]を産生することが知られており、これらはそれぞれ、免疫保護特性[13、29]、抗炎症特性[30、31]、および寛容原性特性[28、32]を有すると考えられている。これらのタンパク質がセルトリ細胞の免疫保護能の原因となりうると仮定される。セルトリ細胞移植の確立されたモデルにおいて、これらの因子をさらに研究すると、局所免疫寛容誘発環境を生成するのに必要な因子の手がかりが提供されうる。
最近、セルトリ細胞をあらかじめ移植することによって、免疫特権部位を生成可能であり、こうした部位は、続いて、同種膵島を拒絶から保護しうることが示されてきている[56]。非免疫抑制ビーグル犬において、再配置した腹腔内精巣中に入れたブタ膵島が長期間生存することが報告された[57]。大網嚢に移植した同系ラット膵島移植片が生存することもまた報告された[58]。膵島発生および異種移植を研究するモデルが記載されてきている[59]。最近の報告から、免疫特権部位であるラット脳において、12週齢のYorkshireブタ由来のセルトリ細胞の生存が示されている[33]。しかし、非免疫特権部位における、不調和(discordant)異種ブタ・セルトリ細胞の生存は立証されてきていない。
発明の概要
本発明の発明者らは、非免疫抑制Lewisラットにおいて、非免疫特権部位である腎被膜下に移植した際に、ブタ新生仔セルトリ細胞(NPSC)が長期間生存することを立証した。驚くべきことに、本発明の発明者らは、セルトリ細胞の長期間の生存が、筋様細胞の存在に依存することを見出した。
したがって、本発明の1つの態様は、セルトリ細胞、筋様細胞および薬学的に許容しうるキャリアーを含有する薬剤組成物を提供する。
好ましい態様において、薬剤組成物中の筋様細胞対セルトリ細胞の比率は、少なくとも約0.5:99.5である。好ましくは、比率は0.5:99.5〜65:35の範囲内である。
セルトリ細胞および筋様細胞を、各々、哺乳動物、好ましくはブタ、そしてより好ましくは60日齢以下のブタ新生仔、そしてさらにより好ましくは5日齢以下のブタ新生仔の精巣から単離することも可能である。あるいは、セルトリ細胞を、細胞株から得ることも可能であり、細胞株は、TM4などの樹立細胞株、またはヒト組織に由来することも可能な幹細胞株いずれであることも可能である。
本発明の薬剤組成物はまた、生物学的因子を産生する細胞も含むことも可能である。好ましい態様において、生物学的因子を産生する細胞は膵島細胞である。薬剤組成物中の膵島細胞に対するセルトリ細胞の相対量に関しては、800膵島あたり、2x10より多くないセルトリ細胞、すなわち2x10以下のセルトリ細胞が用いられることが好ましい。
別の好ましい態様において、薬剤組成物は、哺乳動物被験者に埋め込むのに適した装置中に提供される。
別の態様において、本発明は、哺乳動物被験者、好ましくはヒト被験者において、免疫特権部位を生成する方法であって、該被験者にセルトリ細胞および筋様細胞を投与することによる、前記方法を提供する。
好ましい態様において、被験者に投与される筋様細胞対セルトリ細胞の比率は、少なくとも約0.5:99.5である。好ましくは、比率は0.5:99.5〜65:35の範囲内である。
セルトリ細胞および筋様細胞を、各々、哺乳動物、好ましくはブタ、そしてより好ましくは60日齢以下のブタ新生仔、そしてさらにより好ましくは5日齢以下のブタ新生仔の精巣から単離することも可能である。あるいは、セルトリ細胞を、TM4などの樹立細胞株、またはヒト組織に由来することも可能な幹細胞株いずれかの、セルトリ細胞株から得ることも可能である。細胞株から調製されたこうしたセルトリ細胞を、被験者に投与するため、筋様細胞と混合することも可能である。
好ましくは、セルトリ細胞および筋様細胞は、投与前に、セルトリ−筋様細胞凝集体が形成される条件下で、例えば約24〜48時間、共培養される。
セルトリ細胞および筋様細胞は、被験者中の部位に皮下投与されるか、または筋内投与されることも可能である。好ましくは、部位は、脳、腎被膜下空間、肝被膜下空間、肝門静脈、大網嚢、または皮下筋膜から選択される。
本発明にしたがって、投与されるセルトリ細胞および筋様細胞の総量は、10〜10細胞の範囲内である。一般的に言って、ヒト被験者において、免疫特権部位を生成するのに必要な細胞量は、例えば、マウスで必要な量より多い。ヒト被験者に投与するには、投与される細胞の総量は、好ましくは約10〜10細胞である。
投与は、細胞を被包する装置の埋め込みによるかまたは移植によって達成可能である。移植は同種移植または異種移植いずれであることも可能である。
さらに別の態様において、本発明は、哺乳動物被験者、好ましくはヒトにおいて、生物学的因子の欠損から生じる疾患を治療する方法であって、セルトリ細胞、筋様細胞、および前記生物学的因子を産生する療法的に有効な量の細胞を該被験者に投与することによる、前記方法を提供する。
好ましくは、被験者に投与される筋様細胞対セルトリ細胞の比率は、少なくとも約0.5:99.5であり、そして0.5:99.5〜65:35の範囲内である。
被験者に投与されるセルトリ細胞および筋様細胞は、好ましくは、哺乳動物、好ましくはブタ、そしてより好ましくは60日齢以下のブタ新生仔、そしてさらにより好ましくは5日齢以下のブタ新生仔の精巣から単離される。あるいは、セルトリ細胞を、TM4などの樹立細胞株、またはヒト組織に由来することも可能な幹細胞株いずれかの、セルトリ細胞株から得ることも可能である。細胞株から調製されたこうしたセルトリ細胞を、筋様細胞、および望ましい生物学的因子を産生する細胞と混合することも可能である。
好ましい態様において、生物学的因子はホルモンである。
別の好ましい態様において、疾患は糖尿病であり、そして生物学的因子を産生する細胞は、膵島細胞である。セルトリ細胞対膵島細胞の比率が、800膵島あたり、2x10以下のセルトリ細胞が用いられるようなものであることが好ましい。細胞を被験者に投与する前に、セルトリ細胞、筋様細胞、および膵島細胞が、投与用のセルトリ−筋様−膵島細胞凝集体が形成される条件下で、例えば約24〜48時間、共培養されることもまた、好ましい。
細胞は、被験者中の部位に皮下投与されるか、または筋内投与されることも可能である。好ましくは、部位は、脳、腎被膜下空間、肝被膜下空間、肝門静脈、大網嚢、または皮下筋膜から選択される。
被験者に投与されるセルトリ細胞、筋様細胞、および生物学的因子を産生する細胞の総量は、10〜10細胞の範囲内である。一般的に言って、ヒト被験者を治療するのに必要な細胞量は、例えば、マウスを治療するのに必要な量より多い。ヒト被験者に投与するには、投与される細胞の総量は、好ましくは約10〜10細胞である。
投与は、細胞を被包する装置の埋め込みによるかまたは移植によって達成可能である。移植は同種移植または異種移植いずれであることも可能である。
発明の詳細な説明
(実施例1)
材料および方法
動物
オスのLandrace−Yorkshireブタ新生仔(1〜3日齢)をセルトリ細胞ドナーとして用いた。8〜10週齢のオスLewisラット(RT1l/l、Charles River Canada、カナダ・ケベック州セントコンスタント)をレシピエントとして用いた。
セルトリ細胞単離
ラット・セルトリ細胞に関して以前記載されたもの[14]と類似の技術を用いて、NPSCを単離した。簡潔には、1〜3日齢のオスのLandrace−Yorkshireブタ新生仔をハロタンで麻酔し、精巣を外科的に取り除き、そして0.25%(w/v)ウシ血清アルブミン(フラクションV;Sigma Chemical Co.、米国ミズーリ州セントルイス)を補った冷(4℃)ハンクス平衡塩溶液(HBSS)を含有する50mlコニカル試験管に入れた。精巣をはさみで1mm断片に切り、コラゲナーゼ(2.5mg/ml;Sigma タイプV、米国ミズーリ州セントルイス)で、37℃で10分間消化し、そして次いでHBSSで3回洗浄した。1mM EGTAを補ったカルシウム不含培地中に組織を再懸濁し、そしてトリプシン(25μg/ml;Boehringer Mannheim、カナダ・ラバル)およびDNアーゼ(4μg/ml、Boehringer)で、37℃で10分間、さらに消化した。消化物を500μmのナイロンメッシュに通過させ、HBSSで洗浄し、そして60〜80x10細胞、並びに10mmol/l D−グルコース、2mmol/l l−グルタミン、50μmol/lイソブチルメチルキサンチン、0.5%ウシ血清アルブミン、10mmol/lニコチンアミド、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および10%熱不活性化ブタ新生仔血清を補ったHamのF10培地35mlを含有する未処理ペトリ皿(15cm直径)中で培養した。細胞を37℃で48時間インキュベーションして、細胞凝集体(100〜300μm直径)の形成を可能にした。
セルトリ細胞移植片の性質決定および移植
培養した後、そして移植直前に、NPSCの純度、生存度および量を、それぞれ、ビメンチン陽性セルトリ細胞と平滑筋アルファアクチン陽性管周囲筋様細胞の比率、トリパンブルー色素排除およびDNA含量に基づいて決定した。三次元構造中で細胞を正確に計数するのは困難であるため、膵島解離に関して以前記載された技術[34]を用いて、凝集体を単細胞に解離させた後、それぞれのアリコット中のビメンチン陽性セルトリ細胞および平滑筋アルファアクチン陽性管周囲筋様細胞の数を評価した。分散した細胞懸濁物をHistobond接着性顕微鏡スライド(F.G.R. Steinmetz Inc.、カナダ・ブリティッシュコロンビア州サリー)に付着させ、ブアン溶液で30分間固定し、70%エタノールで洗浄し、そしてセルトリ細胞マーカーであるビメンチン[14]または筋様細胞マーカーである平滑筋アルファアクチン[35]を用いて免疫染色した。各調製物において、最小500の単細胞を計数した。
移植時点で、トリパンブルー色素排除アッセイを用いて、細胞生存度を測定した。このアッセイは、生存細胞がトリパンブルー色素を取り込まず、一方、非生存細胞は該色素を取り込むという原理に基づく。細胞凝集体を以前記載された[34]ように解離させ、そして0.1%トリパンブルー色素(Sigma)とともに5分間インキュベーションした。染色された細胞および染色されない細胞を計数し、そして生存細胞の割合を計算した。
培養後の細胞回収率を評価し、そして各実験で移植されるNPSCの量を標準化するため、Hoefer DyNa Quant 200蛍光分析アッセイ(Amersham Pharmacia Biotech、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)を用いて、総細胞DNA含量に関して、細胞凝集体の3つの代表的なアリコットを測定した。アリコットをクエン酸緩衝液[150mmol/l NaCl、15mmol/lクエン酸塩、3mmol/lエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、pH7.4]で洗浄し、TNE緩衝液(10mM Tris、0.2mM NaCl、1mM EDTA、pH7.4)に懸濁し、そして勧誘した(solicited)。2mlのアッセイ溶液(1xTNE中の0.1μg/ml Hoechst 33258)で10μlのアリコットを希釈し、そして蛍光(365nm励起/460nm発光)を測定することによって、アリコットを3つ組でアッセイした。試料を平行に実験し、そしてウシ胸腺DNAを用いて生成した、6点(0〜500ng/ml)のDNA標準曲線に比例して希釈した。各調製において、ブタ・セルトリ細胞のDNA含量(6.6pg DNA/細胞)を用いて、平均DNA回収率を考慮する際、続いて、細胞総数を計算した。移植のため、11x10細胞からなるアリコットをポリプロピレン微量遠心管中に入れ、ポリエチレン管(PE−50)中に吸引し、遠心分離によってペレットにし、そしてハロタンで麻酔したLewisラットの左腎被膜下に穏やかに入れた[14]。
移植後のNPSC生存の評価
組織学
移植4日後(n=3)、20日後(n=5)、30日後(n=8)、40日後(n=5)、60日後(n=10)および90日後(n=3)に、形態学的解析のため、腎摘出を行った。移植片を所持する腎臓をZ固定液に浸し、そしてパラフィンに包埋した。脱パラフィンおよび再水和後、最大出力の電子レンジにおいて、0.01Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)中で15分間加熱することによる抗原回復を用いて、組織切片を免疫染色した[14、36、37]。連続切片を10%過酸化水素とインキュベーションして、内因性ペルオキシダーゼの反応を停止し、非特異的血清でブロッキングし、そしてマウス・モノクローナル抗ビメンチン(PCNA;1:100;Dako、米国カリフォルニア州カーピンテリア)またはマウス・モノクローナル抗増殖細胞核抗原(1:50;Dako)いずれかと30分間インキュベーションした。次いで、切片をビオチン化ヤギ抗マウス二次抗体(1:200;Vector Laboratories、米国カリフォルニア州バーリンゲーム)と20分間インキュベーションし、その後、ペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン、基質色素原(アミノエチルカルバゾール)とインキュベーションし、そして次いで、ヘマトキシリン(Zymed Laboratories Inc.、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)で染色した。陽性対照には、ブタ新生仔精巣の切片が含まれ、一方、陰性対照には、一次抗体の省略が含まれた。陽性対照はセルトリ細胞内で、ビメンチンおよびPCNA免疫反応を示し、そして陰性対照は染色を示さなかった。
DNA抽出、PCRおよび配列解析
交差汚染を防止するため、無菌条件下で、移植4日後、20日後、30日後、40日後、60日後、および90日後に、DNA抽出のためにも腎摘出を行った(各時点でn≧3)。移植片を所持する腎臓および移植片を所持しない腎臓由来の組織を、直ちに凍結し、そして後でDNAを単離するため、−80℃で保存した。氷上で融解した後、350μlの溶解緩衝液[50mM Tris、100mM EDTA、400mM NaCl、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)]中で試料を再懸濁し、そして0.2mg/mlプロテイナーゼK(Sigma)を用いて55℃で一晩処理した。プロテイナーゼKを不活性化し、クロロホルム抽出し、そしてエタノール沈殿した後、DNAペレットを70%エタノール中で洗浄し、風乾し、そして100μlのDNアーゼ/RNアーゼ不含水(Sigma)に溶解した。増幅前に分光光度解析によって、DNA濃度および品質を決定した。
ブタDNAの存在を確認するため、COII[38]をコードするブタ・ミトコンドリア遺伝子に特異的なプライマーおよびハウスキーピング遺伝子であるマウス・グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)に特異的なプライマーを用いた。COII PCRは二段階(入れ子(nested))であり、一方、GAPDH PCRは一段階であった。入れ子PCRの第一の増幅および一段階PCRにおいて、出発テンプレートは、1xPCR緩衝液、2mM MgCl、各300nMのプライマー、200μM dNTPおよび1.5U Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen、米国カリフォルニア州カールスバッド)を含有する50μl体積中、0.5〜1μgのDNAであった。入れ子PCRでは、最初の反応の2〜3%が第二の周期の増幅のテンプレートとして働いた。Gene Amp PCR系9700(Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー)を用いて、以下の周期条件で、すべての増幅を行った:94℃3分間の変性、その後、25周期(最初のPCR)または30周期(第二のPCR)いずれかの94℃30秒間、56℃30秒間、72℃30秒間、および72℃10分間の最終伸長。エチジウムブロミド染色アガロースゲル(1.5%)を通じてPCR産物を電気泳動し、そして写真撮影した。予期されるサイズのCOII PCR産物をpCR4−TOPOベクター(配列決定のためのTOPO TAクローニングキット、Invitrogen)に連結し、そして配列決定した。BLAST(NCBI)を用いて、未知の配列を解析し、そして既知のGenBank配列と比較した。配列決定したバンドは、ブタCOII DNAの7112〜7426bpの領域(GENBANK寄託番号AF304202)に同一であり、PCR産物が特異的であることが実証された。COIIのプライマーは、最初のPCRでは、順方向−GCT TAC CCT TTC CAA CTA GGC TTCおよび逆方向−TTC GAA GTA CTT TAA TGG GAC AAGであり、第二のPCRでは順方向−CAC ACA CTA GCA CAA TGG ATG CCおよび逆方向−GAG GAT ACT AAT ATT CGG ATT GTT ATであった。GAPDHのプライマーは:順方向−AAT CCC ATC ACC ATC TTC CAおよび逆方向−GGC AGT GAT GGC ATG GAC TGであった。
結果
NPSC凝集体性質決定
新生仔精巣からブタ・セルトリ細胞を単離し、そして2日間培養して、細胞性凝集体の形成を可能にした。移植前、免疫反応性ビメンチン陽性セルトリ細胞および平滑筋アルファアクチン陽性筋様細胞の比率を評価することによって、これらの細胞性凝集体の組成を決定した[14、35]。総数4の独立の調製物から、これらの凝集体が、92.2±5.1%のセルトリ細胞および2.2±0.7%の筋様細胞を含有することが示された。残った細胞集団(すなわち<6%)は、生殖細胞、ライディッヒ細胞および線維芽細胞で構成されるようである。
各NPSC調製物の総DNA含量、および単一のNPSCが6.6pg DNA/細胞を含有するという観察(データ未提示)に基づいて、精巣あたり52.5±13.3x10細胞が得られ、そして各移植片が11x10細胞を含有すると計算された。したがって、ビメンチン陽性セルトリ細胞の割合を考慮すると、各移植片内のセルトリ細胞の数は、およそ10.1x10であるはずである。さらに、トリパンブルー色素排除によって細胞生存度を測定し、そして移植時点での細胞性調製物は、98.6±1.7%生存細胞からなることが示された。
ブタ・セルトリ細胞の生存
免疫適合Lewisラットの腎被膜下にNPSCを移植して、NPSCが不調和異種移植片として生存可能であるかどうかを確かめた。移植4日後、20日後、30日後、40日後、60日後、および90日後、巨視的には、セルトリ細胞移植片は、大規模な新血管形成を伴って、容易に同定可能であった(図1)。組織切片を組織学的に調べると、すべての時点で移植片中にNBPSCが同定され、移植片の66〜100%がセルトリ細胞を含有していた(表1)。ビメンチン陽性セルトリ細胞は、主に、細胞クラスターまたは細管様構造いずれかとして配置されていた(図2A〜D)。セルトリ細胞がクラスターに編成される場合、大きな渦巻く円形の塊として凝集し、索形成中の胚性精巣に存在する輸精索(seminiferous cords)のものに似ていた(図2E〜G)[39]。細管様構造に配置される場合、大部分のセルトリ細胞は、細管の基底端に沿って核が整列するのではなく、上皮層全体に局在した(図2N)。しかし、時折、セルトリ細胞核が天然精巣におけるように配置されている細管が観察された(図2M)。
異種移植片におけるセルトリ細胞の生存をさらに確認するため、ブタ特異的遺伝子に関するPCRを行った。移植4日後、20日後、30日後、40日後、60日後、および90日後、移植片を取り除き、そしてブタ・ミトコンドリアCOII PCRのため、DNAを抽出した。COIIは、ブタ組織のマーカーであり[38]、そして本研究においては、レシピエントにおけるNPSCの存在を確認するために用いた。各移植片に関して、非移植腎臓由来のラット組織からなる陰性対照実験を行って、ブタDNAのプライマーの特異性を実証した。非移植腎臓では、陽性シグナルは検出されなかった(図3、レーン2)が、解析したすべての時点で、COIIは、移植片中、320bpの予期されるサイズで検出された(図3、レーン4〜7)。さらに、320bpバンドを配列決定し、そしてこれがブタCOII DNAの7112〜7426bpの領域(GENBANK寄託番号AF304202)に同一であることを見出し、PCR産物が特異的であることを実証した。PCRによって、移植片の56〜100%がブタ組織に関して陽性であり(表1)、したがって、NPSCが、Lewisラットにおいて、少なくとも移植後90日間、生存可能であることが立証された。
表1
ビメンチン免疫組織化学およびCOII PCRによって測定されるような、Lewisラットに移植されたNPSC異種移植片の生存パーセント
Figure 0004926703
移植片を免疫染色およびPCR両方に用いた。
巨視的には、移植20日後、セルトリ細胞移植片の大規模な増殖が観察された。移植片が増殖したように見えるとともに、移植した細胞が制御されずに増殖した可能性もあるため、組織切片をPCNAに関して免疫染色して、分裂中の細胞を同定した。PCNAはDNA複製に関与し、そして増殖中の細胞に局在する[40〜42]。連続切片をビメンチン(図2E〜H)およびPCNA(図2I〜L)に関して免疫染色すると、移植20日後および30日後に採取した移植片では、ある程度のPCNA陽性細胞が検出された(図2I、データ未提示);が、第40日には、大部分のセルトリ細胞はもはや分裂していなかった(図2J)。増殖中のセルトリ細胞数は、移植後の時間が経過するのにつれて減少し、移植60日後および90日後には、増殖中のセルトリ細胞は、非常にわずかしかなかった(図2K、L)。このことから、セルトリ細胞は、移植60日後には分裂を止め、そしてしたがって腫瘍を形成する見込みが減少していることが示唆される。
考察
我々の結果から、NPSCが、非免疫抑制Lewisラットにおいて、異種移植後、長期間生存することが示される。ビメンチン免疫染色によって組織学的に生存を確定し、そしてCOII PCRによってさらに実証した。他の研究は、げっ歯類において、移植された不調和[ブタ対ラット;33]および調和[ラット対マウス;43]セルトリ細胞が生存することを報告しているが、これらの移植片は、免疫特権部位[3]と見なされる脳に移植された[33]か、または免疫保護アルギン酸微小カプセル中に入れられた[43]。我々の知る限り、免疫抑制または免疫を調節する何らかの他の介入を伴わない不調和異種移植片の生存を報告したのは、本研究が初めてである。NPSCが異種レシピエントにおいて生存可能であることは、これらが拒絶を防止する免疫調節因子(単数または複数)を合成し、そして分泌する可能性もあることを示す。これらの因子をさらに研究すると、免疫寛容を調べるモデルが提供されうる。例えば、セルトリ細胞は、FasL[13]、TGFβ[27]およびクラステリン[28]を産生することが知られ、これらはすべて、移植片保護において役割を果たすことが示唆されている。セルトリ細胞はまた、IL−2産生[24]およびT細胞増殖[24〜26]を減少させる、未同定の因子もまた分泌する。先のデータから、セルトリ細胞に分泌されるFasLは、同種レシピエントの腎被膜下に移植されたマウス精巣組織断片の生存において、役割を果たしうることが示されている[13]。特に、gldマウス(機能するFasLを欠く)から単離された精巣組織を同種移植片として移植すると、該移植片は7日後にはもはや存在しないが、野生型マウス(機能するFasLを産生する)由来の移植片は28日間生存した[13]。しかし、より最近の論文は、糖尿病の非肥満性糖尿病(NOD)マウスにおいて、NODマウス膵島と同時移植した際、セルトリ細胞が示す免疫保護効果は、FasLとは関連せず[22、23]、FasLはむしろ、有害であり、そして好中球補充およびそれに続く移植片破壊と相関することを示唆している[22]。一方、NODマウス・セルトリ細胞/膵島同時移植モデルを用いた我々の以前の研究から、TGFβが膵島破壊を防止する際に保護する役割を果たすことが示されている[23]。
NPSCに産生される単一のタンパク質ではなく、免疫調節因子の組み合わせが、異種レシピエントにおけるNPSCの生存を可能にするようである。1つの例がChenら[44]に報告されており、彼らは、FasLを発現するようにトランスフェクションされ、そして皮下注射された結腸癌細胞株が、好中球補充および活性化によって、迅速に拒絶されることを立証している[44]。しかし、FasLおよびTGFβ両方を発現するようにこれらの細胞を操作すると、移植片は生存した[44]。著者らは、組み合わせ保護は、TGFβが、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)に依存するFasL誘導性好中球細胞傷害性を防止することによって、p38 MAPK機能が阻害されるためである可能性が最も高いと示唆する[44]。したがって、TGFβおよびFasLは、炎症を減少させ、そしてリンパ球のクローン除去を増加させることによって、相乗的に作用して、NPSC生存を促進しうる。クラステリンは、両親媒性糖タンパク質であり、そしてセルトリ細胞に分泌される最も豊富なタンパク質の1つであるが、多くの免疫調節機能を有することもまた知られる。特に、クラステリンは:抗炎症特性を示し[28]、細胞傷害または細胞死の後で、上方制御され、そして損傷を受けていない細胞に局所保護効果を提供し[28]、ラット肝臓同種移植片の寛容誘導に役割を果たし[45]、そして補体カスケードの活性化を阻害する[28、32]ことが示されてきている。不調和異種移植片の超急性拒絶には、補体系の活性化が必要であり[46]、この破壊プロセスを防止するのは、明らかに、拒絶を防止する重要な機構であろう。したがって、TGFβおよびクラステリン、そして場合によってはFasLが、NPSCに分泌され、NPSCが異種移植された際に生存可能にする因子のいくつかである可能性がある。ブタ・セルトリ細胞の異種生存の機構をさらに研究すると、寛容の誘導および補体活性化の阻害に関して情報が提供されうる。
異種ブタ・セルトリ細胞の生存はまた、遺伝子操作のための細胞性移植片の同時移植に、潜在的な臨床適用も有する。免疫抑制療法を用いた臨床的膵島移植が最近成功しており[47]、このことから、ヒトにおけるさらなる膵島移植の基礎が提供される。このアプローチが若い若年性1型糖尿病患者で実現するためには、免疫抑制措置を、代替戦略で置き換えなければならないであろう。セルトリ細胞が、げっ歯類において、同種マウス[14、15]およびNODマウス[22、23]膵島移植片を免疫保護する能力を有するため、セルトリ細胞を用いて、免疫特権部位を生成することが解決策となりうる。しかし、入手可能なヒトドナー組織がなく、そして最近の論文のデータから、ヒト精巣細胞をマウスに移植すると生存不能であることが示されている[48]ため、ヒトは、セルトリ細胞の現実的な供給源ではない。ブタは比較的豊富であり、そして我々は、NPSCが容易に単離され、そしてげっ歯類において、異種移植片として生存することを示した。このことから、ブタは、膵島の免疫特権部位を生成するセルトリ細胞の理想的な供給源であることが暗示される。膵島移植片に加えて、NPSCを用いた免疫特権異所(ectopic)部位の生成は、神経細胞などの細胞性移植片にも有用でありうる[16、33]。あるいは、セルトリ細胞を操作して、ドーパミンまたは因子VIIIなどの療法タンパク質を産生し、パーキンソン症または血友病などの疾患を潜在的に治療することも可能である。
臨床状況においてブタ・セルトリ細胞を使用する前に、腫瘍形成の可能性に取り組まなければならない。したがって、我々は、PCNAに関して免疫染色することによって、Lewisラットに移植した後のNPSCの増殖を調べ、そして長期移植片において、あるとしてもわずかしか増殖がないことを見出した。第20日、多くのPCNA陽性細胞が検出されたが、この数は第40日には減少し、そして第60日および第90日には、陽性細胞はほぼ存在しなかった。天然精巣中のセルトリ細胞は、新生仔期後の精巣発生中、性成熟期(puberty)まで増殖し、その時点で分裂を止めることが示されている[49〜51]。この増殖は、濾胞刺激ホルモン、上皮増殖因子、神経増殖因子、ニューロトロピン−3、およびトランスフォーミング増殖因子−α[52〜55]を含む、多くの因子によって制御される。セルトリ細胞は、移植から第20日までの時点では、比較的未成熟であり、そしてしたがって増殖する可能性が最も高い。移植後の時間が経過するにつれ、セルトリ細胞は成熟し、そしてしたがって、分裂する細胞の数が減少する可能性もある。このことから、移植されたセルトリ細胞の細胞分裂が調節され、したがって腫瘍を形成する見込みが減少しうることが示唆される。
結論として、我々は、免疫抑制を伴わず、げっ歯類において、異種NPSCが長期間生存することを立証した。免疫組織化学およびPCRによって生存が実証され、このことから、セルトリ細胞が同種移植片として生存可能であるだけでなく、不調和異種移植片としても生存可能であることが示唆される。このモデルをさらに研究すると、異種移植片生存および免疫寛容の機構に対する手がかりが提供される可能性もある。
(実施例2)
セルトリ細胞が濃縮された移植片によって与えられる局所免疫保護における、筋様細胞の潜在的な関与
セルトリ細胞は精巣の正常構成要素であり、セルトリ細胞は精巣において、発生中の生殖細胞を養育し、そして免疫学的に保護する。単離セルトリ細胞は、免疫特権部位を異所性に生成することも可能であり、強力な免疫抑制分子および生存増進分子を分泌することによって、同時移植された同種細胞または異種細胞の生存を可能にする。セルトリ細胞の天然機能を利用することによって、細胞移植に関連する主要な制限:適切なドナー組織の不足および一生続く免疫抑制の必要性を克服することも可能である。前臨床動物モデルにおいて、単離セルトリ細胞は(1)同種環境および異種環境に移植された際、生着し、そして自己保護し、(2)同時移植された同種細胞および異種細胞を免疫破壊から保護し、そして(3)膵島同時移植片の長期生存を可能にし、そして膵切除によるかまたは自己免疫疾患による糖尿病の動物(非肥満性糖尿病モデル)において、高血糖を逆転させることが可能である。
移植前に、セルトリ細胞が濃縮された移植片の細胞組成をより完全に性質決定しようとする最近の努力によって、セルトリ細胞移植が成功する調製物内には、ある割合の筋様細胞もまた含有されることが明らかになった。STIによって行われる移植片研究で見られる局所免疫保護を移植片が与える能力を最適にする際に、筋様細胞が含まれることが重要な役割を果たしうることを示唆するため、この観察は重要である。筋様細胞およびセルトリ細胞が、いくつかの重要な方式で実際に相互作用することを示唆するいくつかの一連の証拠がある。まず、天然精巣において、筋様細胞がセルトリ細胞に非常に近接して見出され、こうした箇所では、これらは精細管の基底部の一部を形成し、そして管内液の移動および放出された精子の推進に主要な役割を提供する。第二に、筋様細胞は、セルトリ細胞の細胞分化および機能を調節する因子(PmodSなど)を産生することによって、セルトリ細胞の機能および活性を制御するのに役割を果たす。最後に、筋様細胞は、それ自体、免疫保護性であると考えられるTGFなどの増殖因子およびサイトカインを産生し、そしてセルトリ細胞に産生される、増殖因子およびサイトカインのすでに強力なカクテルを増強することも可能である。
セルトリ細胞が濃縮された移植片が生成する免疫保護への筋様細胞の貢献を、以下に列挙する実験によって試験することも可能である:
(1)免疫抑制を使用せずに、ラットに異種ブタ新生仔セルトリ細胞を移植して生存するかどうかを決定する実験を設計した。セルトリ細胞を単離し、培養し、そして次いで、非免疫抑制Lewisラットの腎被膜下に移植した。免疫細胞化学技術を用いて、培養した細胞調製物は、92+/−5.1%のセルトリ細胞(ビメンチン染色)および2.2+/−0.7%の筋様細胞(平滑筋アルファアクチン染色)を含有することが見出された。生存を評価するため、移植4日後、20日後、30日後、40日後、60日後、および90日後に移植片を取り除き、そしてセルトリ細胞マーカーであるビメンチンに関して免疫染色した。ブタ組織のマーカーであるブタ・ミトコンドリア・チトクロムオキシダーゼIIサブユニット遺伝子(COII)に関するPCRによって、生存を確認した。どちらの方法によっても、少なくとも90日間、移植片中にセルトリ細胞が検出された。組織学的に、セルトリ細胞は、小さい凝集体にクラスターを形成するか、または細管様構造に編成された。隣接切片を染色すると、セルトリ細胞移植片部位内に、生存筋様細胞が存在することもまた明らかになった(図4)。これらのデータから、少ない割合の筋様細胞を含有するブタ・セルトリ細胞調製物が、ラットにおいて、異種移植後、長期間生存することが立証される。
(2)組織学的研究から、生存同時移植セルトリ細胞および膵島移植片が、豊富な生存筋様細胞もまた含有することが確認される。1100万のLewisセルトリ細胞および2000個のLewis膵島を糖尿病Wistar−Furthラットの腎被膜下に移植した。1ヵ月後に移植片を取り除き、そしてGATA−4を用いてセルトリ細胞を、そして平滑筋アルファアクチンを用いて筋様細胞を、免疫細胞化学的に染色した。生存セルトリ細胞は、移植部位全体で見出され、そしてしばしば細管様構造に再編成されていた。隣接組織切片を用いると、天然精巣を連想させる様式で、再形成された細管構造が、豊富な生存筋様細胞に裏打ちされていることが見出された(図5)。上記研究と併せて、これらのデータは、移植前調製物に元来含有されるのと同じ筋様細胞が生存し、そして該細胞が、移植後の細管構造の構造的再形成に役割を果たすことを示唆する。
(3)上述の局所免疫保護に対する筋様細胞の相対的貢献を決定するさらなる方法の1つは、筋様細胞をまったく含まずに純粋なセルトリ細胞を移植することである。セルトリ細胞株は、当然、筋様細胞を含有しない。こうした細胞株を膵島細胞とともに移植することによって、我々の先の研究における筋様細胞を含む他の細胞の貢献的役割に関して、さらなる洞察を得ることが可能である。この目的に向けて、500個のBalb/c膵島を、多様な数の細胞株MSC−1(マウス由来セルトリ細胞株)とともに、糖尿病C3Hマウスの腎被膜下に移植した。T抗原染色を用いた組織学的解析によって、MSC−1細胞が腫瘍原性細胞株であるにもかかわらず、該細胞の生存が劣っており、そして移植1ヵ月後、小さいクラスターで分布することが明らかになった。同一切片または隣接切片をインスリンに関して染色すると、MSC−1細胞が同時移植した膵島を保護しないことが明らかになった(図6)。同様に、MSC−1細胞(200〜400万)とともに膵島(500個)を含んでも、長期間続く高血糖の逆転は生じなかった。同系膵島移植片を得た対照動物は、60日間(研究期間中)正常血糖のままであった。しかし、同種膵島および同種MSC−1細胞を同時移植すると、迅速に正常血糖が生じたが、この効果は400万のMSC−1細胞を得た動物においても、短期間(すべての場合で<30日間)であった。
上記実験から、セルトリ細胞が豊富な移植片が免疫調節に成功する際には、筋様細胞が存在することが立証される。0.5%〜65%の間の筋様細胞の割合が、移植成功の際に見られるようである。この先数ヶ月で、我々は、セルトリ細胞が豊富な移植片中の筋様細胞を除去する方法、およびセルトリ細胞が豊富な移植片中の筋様細胞の割合を選択的に変化させる方法の同定を試みて、異質のレシピエントにおける移植片の生存と関連する用量効果があるかどうかを決定するであろう。セルトリ細胞株のデータから、MSC−1移植片が未成熟に失敗した1つの理由は、筋様細胞の支持集団が存在しなかったことであることが示唆される。移植片の未成熟破壊は、不死化または増殖プロセスによって、細胞の免疫調節能の減少が引き起こされたためではないことを確定するため、この先数ヶ月で、我々は多様なレベルのネズミ筋様細胞を含むMSC−1移植片を移植し、そして現在のベースラインデータを超える生存があるかどうかを判断することを試みるであろう。
参考文献
Figure 0004926703
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図1A〜1C。Lewisラットの左腎被膜下NBPSC移植片の顕微鏡写真。移植した組織の巨視的検証のため、移植30日後(A)、40日後(B)、および60日後(C)に移植片を取り除き、そして写真撮影した。 図2A〜2N。Lewisラットに移植したNPSC移植片における生存細管形成およびセルトリ細胞増殖。移植片を移植20日後(A、E、I)、40日後(B、F、J、N)、60日後(C、G、K)および90日後(D、H、L、M)に取り除き、そしてビメンチン(A〜H、M、N)またはPCNA(I〜L)で免疫染色した。T、細管;C、セルトリ細胞クラスター;L、リンパ球;矢印、セルトリ細胞核。顕微鏡写真E〜Hは、それぞれ、I〜Lの連続切片由来である。Nは、Bに示す細管をより高倍率で示し、MはHに示す細管をより高倍率で示す。D中のバーは、A〜Dの200μmを示す。L中のバーは、E〜Lの50μmを示す。N中のバーは、MおよびNの50μmを示す。 図3A〜3B。ブタ組織の異種生存を立証する、Lewisラット由来のNPSC移植片におけるCOII DNAの検出。ブタCOIIに関して入れ子PCRを行い(A)、一方、マウスGAPDHに関して一段階PCRを行った(B)。移植片を、移植20日後(レーン4)、30日後(レーン5)、60日後(レーン6)および90日後(レーン7)に取り除いた。陰性対照は、非移植Lewisラット腎臓から単離したDNAを含み(レーン2)、一方、陽性対照は、移植前の細胞性凝集体由来のDNAを含んだ(レーン9)。 Lewisラット腎被膜下に1100万のブタ新生仔セルトリ細胞を移植した後の、腎被膜切片の顕微鏡写真。移植部位を移植20日後に取り除き、そしてビメンチン(セルトリ細胞のマーカー)および平滑筋アルファアクチン(筋様細胞のマーカー)に関して染色した。左のパネルに示すように、ビメンチン染色によって、生存ブタ・セルトリ細胞の存在が明らかになった。右のパネルは、これらの移植部位が、移植部位全体に分布する生存ブタ筋様細胞もまた含有することを示す。 糖尿病Wistar−Furthラットに2000個のLewis膵島とともに1100万のLewisセルトリ細胞を同時移植した後の、腎被膜切片の顕微鏡写真。移植部位を移植33日後に取り除き、そしてGATA−4(セルトリ細胞のマーカー)および平滑筋アルファアクチン(筋様細胞のマーカー)で染色した。左のパネルに示すように、GATA−4染色によって、細管様構造に再編成された生存セルトリ細胞の存在が明らかになった。右のパネルは、これらの移植部位が、移植部位全体に分布する生存筋様細胞もまた含有することを示す。重要なことに、生存移植片を含む動物はまた、血糖が正常になった。 糖尿病C3Hマウスに500個のBalb/c膵島とともに400万のMSC−1細胞を同時移植した後の、腎被膜切片の顕微鏡写真。移植部位を移植27日後に取り除き、そしてMSC−1細胞を同定するためT抗原に関して、そして膵島を同定するためインスリンに関して、染色した。生存MSC−1の中程度の大きさのポケットが見出されたが、このセルトリ細胞は、同時移植した膵島には、いかなる免疫保護も提供しなかった。

Claims (34)

  1. 哺乳動物被験者において、免疫特権部位を生成するための薬剤組成物であって、前記組成物がセルトリ細胞、筋様細胞および薬学的に許容しうるキャリアーを含み、前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率は少なくとも5:95であり、そして前記セルトリ細胞および前記筋様細胞は哺乳動物の精巣から得られる、前記薬剤組成物。
  2. 前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率が少なくとも25:75である、請求項の薬剤組成物。
  3. 前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率が5:95〜65:35の範囲内である、請求項の薬剤組成物。
  4. 前記哺乳動物がブタである、請求項の薬剤組成物。
  5. 前記ブタが60日齢以下である、請求項の薬剤組成物。
  6. 前記ブタが5日齢以下である、請求項の薬剤組成物。
  7. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の薬剤組成物。
  8. 被験者中の部位に皮下投与されるか、または筋内投与される、請求項の薬剤組成物。
  9. 前記部位が、脳、腎被膜下空間、肝被膜下空間、肝門静脈、大網嚢、または皮下筋膜から選択される、請求項の薬剤組成物。
  10. 前記セルトリ細胞および前記筋様細胞が、10〜10細胞の範囲の総量を含む、請求項の薬剤組成物。
  11. 前記総量が10〜10細胞である、請求項の薬剤組成物。
  12. 哺乳動物被験者がヒトである、請求項の薬剤組成物。
  13. 細胞を被包する装置の埋め込みによるかまたは移植により投与される、請求項の薬剤組成物。
  14. 前記移植が同種移植または異種移植である、請求項13の薬剤組成物。
  15. 前記セルトリ細胞および前記筋様細胞が、投与前に、セルトリ−筋様細胞凝集体が形成される条件下で共培養される、請求項13の薬剤組成物。
  16. 哺乳動物被験者において、生物学的因子の欠損から生じる疾患を治療する薬剤組成物であって、セルトリ細胞、筋様細胞、および前記生物学的因子を産生する療法的に有効な量の細胞を含み、前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率は少なくとも5:95であり、前記セルトリ細胞および前記筋様細胞は哺乳動物の精巣から得られ、そして前記セルトリ細胞および前記筋様細胞が、免疫特権部位を生成するのに有効な量含む、前記薬剤組成物。
  17. 前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率が少なくとも25:75である、請求項16の薬剤組成物。
  18. 前記筋様細胞対前記セルトリ細胞の比率が5:95〜65:35の範囲内である、請求項16の薬剤組成物。
  19. 前記哺乳動物がブタである、請求項16の薬剤組成物。
  20. 前記ブタが60日齢以下である、請求項19の薬剤組成物。
  21. 前記ブタが5日齢以下である、請求項19の薬剤組成物。
  22. 前記哺乳動物がヒトである、請求項16に記載の薬剤組成物。
  23. 哺乳動物中の部位に皮下投与されるか、または筋内投与される、請求項16の薬剤組成物。
  24. 前記部位が、脳、腎被膜下空間、肝被膜下空間、肝門静脈、大網嚢、または皮下筋膜から選択される、請求項23の薬剤組成物。
  25. 前記セルトリ細胞、前記筋様細胞、および前記生物学的因子を産生する前記細胞が、10〜10細胞の範囲の総量で含まれる、請求項16の薬剤組成物。
  26. 前記総量が10〜10細胞である、請求項25の薬剤組成物。
  27. 前記哺乳動物被験者がヒトである、請求項16の薬剤組成物。
  28. 細胞を被包する装置の埋め込みによるかまたは移植により投与される、請求項16の薬剤組成物。
  29. 前記移植が同種移植または異種移植である、請求項28の薬剤組成物。
  30. 前記生物学的因子がホルモンである、請求項16の薬剤組成物。
  31. 前記生物学的因子がインスリンであり、そして前記疾患が糖尿病である、請求項16の薬剤組成物。
  32. 前記生物学的因子を産生する前記細胞が、膵島細胞である、請求項31の薬剤組成物。
  33. 前記セルトリ細胞、前記筋様細胞、および前記膵島細胞が、投与前に、セルトリ−筋様−膵島細胞凝集体が形成されるように共培養される、請求項32の薬剤組成物。
  34. 800膵島あたり、2x10以下のセルトリ細胞が用いられる、請求項32の薬剤組成物。
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