JP4924152B2 - 脱硫処理設備 - Google Patents

脱硫処理設備 Download PDF

Info

Publication number
JP4924152B2
JP4924152B2 JP2007093692A JP2007093692A JP4924152B2 JP 4924152 B2 JP4924152 B2 JP 4924152B2 JP 2007093692 A JP2007093692 A JP 2007093692A JP 2007093692 A JP2007093692 A JP 2007093692A JP 4924152 B2 JP4924152 B2 JP 4924152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
desulfurizer
kerosene
raw material
pressure
back pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007093692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008248180A (ja
Inventor
康朗 山中
行貴 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2007093692A priority Critical patent/JP4924152B2/ja
Publication of JP2008248180A publication Critical patent/JP2008248180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4924152B2 publication Critical patent/JP4924152B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

本発明は、灯油等の原料を、脱硫器にて温度を高めると共に気化を防止するために加圧しながら脱硫処理する脱硫処理設備に関するものである。
燃料電池は、燃料を用いた他の発電方法に比して熱効率が高く、又、環境汚染が少ないため、有効な発電装置として期待されている。特に、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、100℃以下という低温で発電が行なわれ、出力密度が高いので、他の形式の燃料電池に比して小型化でき、しかも、電池構成材料の劣化が少ないこと、起動が容易であること、等の長所があることから、近年、小規模な業務用あるいは家庭用等の発電装置として使用されるようになってきている。
上記固体高分子型燃料電池を用いた発電装置(PEFC発電装置)の一般的な構成は、以下のようにしてある。すなわち、図4に示す如く、電解質としてフッ素系のイオン交換膜が用いられている固体高分子電解質膜の両面をカソード(空気極)2とアノード(燃料極)3の両ガス拡散電極で挟持させてなるセルを、セパレータ(図示せず)を介し積層してスタックとしてなる構成として固体高分子型燃料電池1を形成する。上記固体高分子型燃料電池1におけるアノード3の入口側には、改質器5、低温シフトコンバータ6、CO選択酸化反応器(CO除去器)7を順に備えてなる燃料処理装置4と、加湿器8を設けている。これにより、燃料供給部より供給される都市ガス(天然ガス)やメタノール等の原料(原燃料)9を、脱硫器10にて脱硫した後、原料予熱器(原燃料気化器)11にて予熱してから、水蒸発器12より導かれる水蒸気13と共に上記燃料処理装置4へ供給して、該燃料処理装置4の改質器5にておよそ700℃前後に加熱して水蒸気改質を行わせる。得られる改質ガス(燃料ガス)14を、低温シフトコンバータ6に導いておよそ200〜250℃前後まで温度低下させてシフト反応させ、更に、上記CO選択酸化反応器7にておよそ100〜120℃前後まで温度低下させてCO除去処理するようにする。しかる後、上記燃料処理装置4より送出される改質ガス14が、加湿器8にて加湿された後、上記固体高分子型燃料電池1のアノード3へ供給されるようにしてある。一方、上記カソード2の入口側には、酸化ガスとして空気15が、圧縮器(空気ブロワ)16で圧縮された後、上記加湿器8を経てから供給されるようにしてある。
かかる構成としてあることにより、上記固体高分子型燃料電池1にて、アノード3側に供給される改質ガス14中の水素と、カソード2側に供給される空気15中の酸素とを電気化学反応(燃料電池反応)させて、この際発生する起電力を取り出すようにしてある。
17は固体高分子型燃料電池1における数セルごとに備える冷却部である。
ところで、近年では、上記図4に示したと同様のPEFC発電装置において、固体高分子型燃料電池1へ供給する水素リッチな改質ガス14を生成させるための原料9として灯油を使用することが考えられてきている。この場合、灯油は通常10ppm前後の硫黄成分を含んでいるが、改質器5における改質触媒が硫黄成分により被毒される虞を防止するために、灯油中の硫黄成分をppbレベル、たとえば、10ppb程度まで低減させる必要がある。そのために、上記したようなPEFC発電装置にて改質ガス14を得るための原料9として灯油を用いる場合には、先ず、灯油脱硫器を用いて灯油の脱硫処理を行うようにし、しかる後、該脱硫処理によって硫黄成分が十分に低減された脱硫灯油を、上述した如き燃料処理装置4の改質器5へ供給するようにしている。
上記灯油の脱硫処理に用いる灯油脱硫器は、脱硫触媒を用いて灯油の脱硫を行うものであるが、該脱硫触媒に触媒性能を発揮させるためには処理温度を200℃前後に維持する必要がある。しかし、灯油を常圧のまま200℃前後まで加熱すると蒸発が生じてしまう。そのために、上記灯油脱硫器では、上記の如き加熱条件の下でも灯油が気化(沸騰)しないように、所定圧力に加圧した圧力条件の下で脱硫処理を行わせるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
したがって、灯油を燃料処理装置へ供給可能な脱硫灯油とすべく脱硫処理を行うための脱硫処置設備としては、ヒータ等の所要の加熱手段を具備して上記200℃前後まで加熱できる機能を有する灯油脱硫器の下流側に背圧弁を付設して、該背圧弁の一次側圧力の設定により、上記灯油脱硫器の内部圧力(脱硫器圧力)を、灯油が200℃前後まで加熱された状態でも気化しないような所要圧力に加圧した状態として保持できるようにしてある。又、上記灯油脱硫器自体が圧力容器となっていることに鑑みて、該灯油脱硫器に安全弁を装備するようにしている。
特開2005−255896号公報
ところが、上述したように、上記灯油脱硫器は、灯油を加熱すると共に加圧した条件の下で脱硫処理するものであるため、該灯油脱硫器における灯油の脱硫処理中に、上記背圧弁が故障したり、あるいは、灯油脱硫器に装備された安全弁が動作することによって脱硫器圧力が一気に開放されるようになると、上記灯油脱硫器の内部で加熱状態とされている灯油の気化を抑えていた圧力が減少して、該灯油脱硫器に内存されている灯油の蒸発が一気に生じるようになる。そのため、この脱硫器圧力の開放が背圧弁の故障に起因している場合には、上記灯油脱硫器内で発生する気化灯油が、上記故障した背圧弁を通して下流側の燃料処理装置側へ噴出される虞が懸念される。一方、上記脱硫器圧力の開放が安全弁の動作に起因している場合は、上記灯油脱硫器内で発生する気化灯油が、上記安全弁を通して外部へ噴出する虞が懸念される。しかも、上記灯油脱硫器に充填して用いている脱硫触媒の比熱が大きいために、上記のように背圧弁の故障、あるいは、灯油脱硫器に装備した安全弁の動作により脱硫器圧力が減圧される場合には、灯油脱硫器に内存している灯油の全量が気化されて放出されるようになる虞も懸念される。
そこで、本発明は、灯油等の原料を加熱すると共に気化を防止するために加圧しながら脱硫処理するようにしてある脱硫器の下流側に付設する背圧弁に異常(故障)が生じたり、上記脱硫器に装備する安全弁が動作する場合にも、上記脱硫器に内存する原料が蒸発して気化原料が発生し、該気化原料が上記脱硫器の下流側に設けてある各種機器や、外部へ向けて噴出される虞を未然に防止できるようにした脱硫処理設備を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、液体の原料を加熱すると共に気化を防止するために加圧しながら脱硫処理するようにしてある脱硫器に、安全弁を装備すると共に、該安全弁の出口側に、所要の熱容量を有する凝縮器を接続してなり、上記安全弁の動作により減圧される脱硫器の内部で気化されて上記安全弁から放出される気化原料を上記凝縮器にて凝縮し再液化させて回収できるようにし、更に、上記凝縮器を、脱硫器へ供給する液体の原料を貯留して該脱硫器に供給する供給ヘッダを兼ねる構成とする。
又、上記構成における凝縮器の熱容量を、脱硫器に内存する加熱状態の原料がすべて気化されてなる気化原料の全量を凝縮し再液化させ得るような熱容量とした構成とする。
上述の各構成において、脱硫器の下流側に、脱硫器圧力を保持させるための背圧弁を二重化させて設けてなる構成として、通常は一方の背圧弁により上記脱硫器に所望される所要圧力を保持させるようにし、該一方の背圧弁に異常が発生する場合に、他方の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を維持できるようにした構成とする。
上述の各構成において、脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を並列に二重化して設けると共に、該各背圧弁の下流側に電磁弁をそれぞれ設け、更に、上記脱硫器の圧力を検出すると共に該脱硫器圧力の検出結果に基づいて上記各電磁弁へ開閉指令を与える圧力スイッチを備えるようにした構成とする。
同様に、上述の各構成において、脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を直列に設けて、上流側の背圧弁の一次側圧力設定値の方が、下流側の背圧弁の一次側圧力設定値よりも大きくなるようにし、更に、上記脱硫器の圧力を監視するための脱硫器圧力検出計と、上記下流側の背圧弁の一次側圧力を監視する下流側背圧弁一次側圧力検出計を備えるようにした構成とする。
更に、上記各構成において、脱硫器より背圧弁までの脱硫原料ライン上に、脱硫原料が背圧弁を通過することにより減圧されても気化しない温度まで該脱硫原料を冷却するための冷却器を設け、且つ脱硫原料ラインにおける背圧弁よりも下流側に、該脱硫原料ラインを遮断し得る電磁弁を備え、更に、上記冷却器の下流側位置の脱硫原料ラインを通る脱硫原料の温度を監視すると共に該温度の検出結果に基づいて上記脱硫原料ラインに備えた電磁弁へ指令を与える温度スイッチを備えるようにした構成とする。
本発明の脱硫処理設備によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)液体の原料を加熱すると共に気化を防止するために加圧しながら脱硫処理するようにしてある脱硫器に、安全弁を装備すると共に、該安全弁の出口側に、所要の熱容量を有する凝縮器を接続してなり、上記安全弁の動作により減圧される脱硫器の内部で気化されて上記安全弁から放出される気化原料を上記凝縮器にて凝縮し再液化させて回収できるようにし、更に、上記凝縮器を、脱硫器へ供給する液体の原料を貯留して該脱硫器に供給する供給ヘッダを兼ねる構成とし、より具体的には、上記凝縮器の熱容量を、脱硫器に内存する加熱状態の原料がすべて気化されてなる気化原料の全量を凝縮し再液化させ得るような熱容量とした構成としてあるので、上記安全弁の動作に伴って、上記脱硫器より気化原料が外部へ放出される虞を未然に防止することができ、更に、凝縮器を、脱硫器へ供給する液体の原料を所要量貯留してなる供給ヘッダを兼ねる構成としてあることから、上記のように安全弁の動作によって脱硫器より放出される気化原料を凝縮器で凝縮させて再液化させてなる原料を、上記脱硫器へ再度供給して有効利用を図ることができると共に、上記凝縮器と供給ヘッダとを別体として設ける場合に比してスペースを削減することが可能となる。
)上記(1)に示したと同様の脱硫器の下流側に、脱硫器圧力を保持させるための背圧弁を二重化させて設けてなる構成として、通常は一方の背圧弁により上記脱硫器に所望される所要圧力を保持させるようにし、該一方の背圧弁に異常が発生する場合に、他方の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を維持できるようにした構成とすることにより、上記一方の背圧弁に異常が生じても、上記脱硫器が加熱状態のまま減圧されて気化原料が発生する虞を未然に防止でき、したがって、上記脱硫器の下流側に設ける各種機器に、気化原料が放出される虞を未然に防止できる。
)脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を並列に二重化して設けると共に、該各背圧弁の下流側に電磁弁をそれぞれ設け、更に、上記脱硫器の圧力を検出し、該検出結果に基づいて上記各電磁弁へ開閉指令を与える圧力スイッチを備えるようにした構成とすることにより、通常は、一方の電磁弁のみを開放して該一方の電磁弁に対応する一方の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を保持させて脱硫処理を行うことができる。更に、この脱硫処理中に上記圧力スイッチにて検出される圧力が低下した場合には、上記一方の背圧弁に異常が生じたと判断して、該圧力スイッチにより上記一方の電磁弁を閉止させると共に他方の電磁弁を開放させることにより、該他方の電磁弁に対応する他方の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を維持させて脱硫処理を継続することができる。
)脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を直列に設けて、上流側の背圧弁の一次側圧力設定値の方が、下流側の背圧弁の一時側圧力設定値よりも大きくなるようにし、更に、上記脱硫器の圧力を監視するための脱硫器圧力検出計と、上記下流側の背圧弁の一次側圧力を監視する下流側背圧弁一次側圧力検出計を備えるようにした構成とすることにより、通常は、上流側の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を保持させて脱硫処理を行うことができる。更に、この脱硫処理中に上記上流側の背圧弁に異常が生じても、直列に配設してある下流側背圧弁により上記脱硫器の圧力を保持して脱硫処理を継続することができる。この際、上記上流側背圧弁の異常は、上記脱硫器圧力検出計により検出される圧力が、上記上流側背圧弁の一次側圧力設定値より下流側背圧弁の一時側圧力設定値に低下することで検出できる。一方、上記通常運転中に下流側背圧弁に異常が生じても、上記上流側背圧弁により圧力が保持されている脱硫器の脱硫処理は問題なく継続できる。この下流側背圧弁の異常は、下流側背圧弁一時側圧力検出計にて検出される圧力が低下することによって容易に検出することができる。
)脱硫器より背圧弁までの脱硫原料ライン上に、脱硫原料が背圧弁を通過することにより減圧されても気化しない温度まで該脱硫原料を冷却するための冷却器を設け、且つ脱硫原料ラインにおける背圧弁よりも下流側に、該脱硫原料ラインを遮断し得る電磁弁を備え、更に、上記冷却器の下流側位置の脱硫原料ラインを通る脱硫原料の温度を監視すると共に該温度の検出結果に基づいて上記脱硫原料ラインに備えた電磁弁へ指令を与える温度スイッチを備えるようにした構成とすることにより、背圧弁の異常により上記脱硫器で気化原料が発生しているときに、該気化原料が脱硫原料ラインを通過するときの圧力損失が大きくなることに伴って脱硫器の圧力があまり低下しない場合であっても、上記脱硫原料ラインを気化原料が高温のままの流通するときの温度変化を上記温度スイッチにより検出できて、脱硫原料ラインを電磁弁により遮断できるため、気化原料が下流側の各種機器へ放出される虞をより確実に防止することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の脱硫処理設備の実施の一形態を示すもので、図4に示したと同様の固体高分子型燃料電池1へ供給する水素リッチな改質ガス14(図4参照)を生成させるための原料として灯油18を燃料処理装置4の上流側にて脱硫処理するようにしたものである。
すなわち、内部に脱硫触媒(図示せず)が充填してあってヒータ等の図示しない加熱手段によって上記脱硫触媒に触媒性能を発揮させることが可能な所要温度、たとえば、200℃前後に加熱できるようにしてある灯油脱硫器19を設け、該灯油脱硫器19の下流側に、一次側の圧力を上記200℃前後の温度条件の下でも灯油18の気化を防止できるような所要圧力に設定できる背圧弁20a,20bを、二重化させて設ける。これにより、通常は、一方の背圧弁20aによって上記灯油脱硫器19に所望される上記所要圧力を保持させるようにしておき、該一方の背圧弁20aに故障等の異常が発生する場合は、他方の背圧弁20bによって上記灯油脱硫器19に所望される所要圧力を維持できるようにする。
更に、上記灯油脱硫器19の所要個所に、安全弁21を接続して装備させると共に、灯油脱硫器19の上流側にタンク28に灯油18を貯留するようにしてある凝縮器22を設置し、該安全弁21の出口(下流)側と凝縮器22とを気化灯油放出ライン29で接続して、該凝縮器22には、上記安全弁21の動作に基づいて灯油脱硫器19の脱硫器圧力が一気に開放され、この脱硫器圧力の開放に伴って灯油脱硫器19に内存する灯油18が気化(ガス化)されるときに、上記安全弁21を通し凝縮器22へ放出させることにより再凝縮させるようにする。そのため、凝縮器22のタンク28は、凝縮器22へ導かれる気化灯油18aの凝縮熱に対して十分な熱容量を有してなるものとする。これにより、灯油脱硫器19の運転中に上記安全弁21の動作により脱硫器圧力が開放され、灯油脱硫器19内で気化灯油18aが発生するようになっても、該気化灯油18aが上記安全弁21を経て凝縮器22へ導かれる時点で、該凝縮器22内にて上記気化灯油18aを凝縮させて、再液化された灯油18として回収を図ることにより、気化灯油18aが外部へ放出される虞を未然に防止できるようにする。
詳述すると、上記灯油脱硫器19の下流側に脱硫処理後の脱硫灯油18bを一時貯留するための脱硫灯油タンク23を設置し、該脱硫灯油タンク23と、灯油脱硫器19の出口19bとを脱硫灯油ライン24で接続するようにする。該脱硫灯油ライン24の途中位置には、主ライン24aとバイパスライン24bを設けて、該各ライン24aと24bに、たとえば、共に一次側圧力を0.6MPaに設定してなる常用背圧弁20aと異常時用背圧弁20bとを並列に二重化させて配設する。更に、上記常用背圧弁20aが設置してある主ライン(以下、常用ラインという)24aにおける常用背圧弁20aよりも下流側位置に、平常時は開放し且つ異常時には遮断(閉止)するための常用電磁弁25aを設ける。又、上記異常時用背圧弁20bを設けたバイパスライン(以下、異常時用ラインという)24bにおける異常時用背圧弁20bよりも下流側位置に、平常時は閉止しておき且つ異常時には開放するための異常時用電磁弁25bを設ける。
更に、上記灯油脱硫器19の入口19aへ原料としての灯油18を供給するための灯油ポンプ33付きの灯油供給ライン26における該灯油ポンプ33と上記灯油脱硫器19との間の位置に、圧力スイッチ27を設け、該圧力スイッチ27により、該灯油脱硫器19の入口側圧力を検出するようにすると共に、該圧力スイッチ27と上記常用電磁弁25aと異常時用電磁弁25bとを接続して、圧力スイッチ27の検出結果に応じて上記常用電磁弁25aと異常時用電磁弁25bへ指令を与えることができるようにする。これにより、たとえば、上記灯油脱硫器19の通常の運転時は、上記常用電磁弁25aを開放させる一方、異常時用電磁弁25bを閉止させた状態としておくことができて、灯油脱硫器19にて脱硫処理された後の脱硫灯油18bが、上記常用電磁弁25aが設けてある常用ライン24aのみに流れるようにして、該常用ライン24a上に設けてある常用背圧弁20aにより、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力を、上記常用背圧弁20aの一次側圧力として設定されている0.6MPaに保持できるようにしてある。この際、上記圧力スイッチ27は、上記灯油脱硫器19の入口側圧力として、上記脱硫器圧力とほぼ同等の約0.6MPaか、又は、この圧力値から上記灯油脱硫器19の内部での圧力損失分が変化した値の圧力値が検出されるようになる。
上記のような灯油脱硫器19の通常運転中に、上記常用背圧弁20aに異常が生じて、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧されるようになると、この脱硫器圧力の減少が灯油脱硫器19の入口側圧力にも影響して該入口側圧力が減圧されるようになる。このために、上記圧力スイッチ27により、上記灯油脱硫器19の入口側圧力の減少が検出されると、上記常用背圧弁20aに異常が生じていると判断して、上記常用電磁弁25aに閉止指令を与えると共に、上記異常時用電磁弁25bへ開放指令を与えるようにしてある。これにより、常用伝磁弁25aによって常用ライン24aを遮断させる一方、異常時用電磁弁25bを開放させることにより、灯油脱硫器19にて脱硫処理された後の脱硫灯油18bが、上記異常時用ライン24bのみに流れるようにして、該異常時用ライン24b上に設けてある異常時用背圧弁20bによって、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力を、上記異常時用背圧弁20bの一次側圧力として設定してある0.6MPaに保持できるようにしてある。
又、上記灯油脱硫器19に装備する安全弁21の出口側に接続する凝縮器22は、たとえば、所要形状のタンク28内に、液体の灯油18を所要量貯留するようにしてあり、更に、上記安全弁21の出口側と、上記タンク28の底部とを気化灯油放出ライン29にて接続してなる構成としてある。これにより、灯油脱硫器19の運転中に上記安全弁21の動作によって該灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧されて、該灯油脱硫器19の内部で気化灯油18aが発生し、該気化灯油18aが安全弁21より放出されても、該放出される気化灯油18aを、気化灯油放出ライン29を経て上記タンク28内に貯留されている液体の灯油18の中へ吹き込むことにより、該気化灯油18aを上記液体の灯油18との直接的に熱交換させて冷却し、凝縮(再液化)させて液体の灯油18として上記タンク28内にて回収できるようにしてある。
上記凝縮器22のタンク28内に貯留させておく液体の灯油18の貯留量は、上記灯油脱硫器19より安全弁21を経て放出される気化灯油18aをすべて凝縮させて再液化させるのに十分な熱容量が得られるように設定する。すなわち、上記タンク28内に貯留させておく液体の灯油18の温度が低いほど、気化灯油18aとの温度差が大きくなり、気化灯油18aから熱を奪って凝縮させる単位体積当たりの能力が大きくなる。そのため、上記凝縮器22のタンク28内に比較的温度が高い状態で液体の灯油18を貯留させておく場合には貯留量を多く設定し、比較的低い温度の灯油18を貯留させておくことができる場合は貯留量を少なく設定すればよく、具体的には、灯油脱硫器19に内存される灯油18の量の2倍〜6倍量程度の範囲内で適宜設定するようにすればよい。
更に、本実施の形態においては、上記灯油脱硫器19へ灯油18を供給するための灯油供給ライン26の上流側に上記凝縮器22を接続することにより、該凝縮器22が、灯油脱硫器19へ灯油を供給するための供給ヘッダとしての機能を兼ねるようにしてある。したがって、上記凝縮器22は、タンク28の所要高さ位置に図示しないレベルセンサを設けて、外部の灯油供給部30からの灯油18の供給を適宜調整することにより、常に上述した如き所要の貯留量の灯油18を貯留させた状態に保持できるようにしてある。これにより、上記安全弁21の動作により灯油脱硫器19より安全弁21、気化灯油放出ライン29を経て放出されて気化灯油18aを上記凝縮器22にて再液化させてなる灯油18を、上記灯油脱硫器19へ再度供給できるようにしてある。
更に又、上記灯油脱硫器19では、200℃前後の加熱条件の下で脱硫触媒と灯油18を接触させることにより脱硫処理を行わせるようにしてあるため、脱硫処理直後の脱硫灯油18bは上記200℃前後まで加熱された状態で得られるようになる。そこで、上記灯油脱硫器19の出口直後の位置の脱硫灯油ライン24上には、上記灯油脱硫器19より排出される高温の脱硫灯油18bを、灯油供給ライン26を通して上記灯油脱硫器19へ供給する灯油18と熱交換させるための脱硫灯油冷却器31を設けて、上記脱硫灯油18bの温度を、脱硫灯油ライン24の途中位置に設けてある背圧弁20a,20bを通過して減圧されても気化しない所要温度、たとえば、常温付近まで冷却できるようにしてある。
ここで、上記脱硫灯油ライン24は、上記脱硫灯油冷却器31を経て冷却された後の液体の脱硫灯油18bを流通させる配管であり、上記灯油脱硫器19における単位時間当たりの灯油18の脱硫処理量に見合う量の脱硫灯油18bを流通させることができればよいため、その口径は比較的細く設定できる。これに対し、上記背圧弁20a,20bの異常により灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧されて該灯油脱硫器19内で200℃前後の気化灯油18aが発生する場合、該気化灯油18aの体積は、上記脱硫灯油ライン24を流通する液体の脱硫灯油18bの数百倍に達することがある。そのため、この脱硫灯油18bに比して非常に大きな体積の気化灯油18aが、上記口径が比較的細く設定してある脱硫灯油ライン24を流通すると圧力損失が大きくなってしまい、上記灯油脱硫器19の入口側に設けてある圧力スイッチ27は、上記背圧弁20a,20bが健全な状態から異常を生じるようになっても、圧力の変化(低下)を良好に検出することが困難になる可能性がある。
しかし、上記のような背圧弁20a,20bの異常により灯油脱硫器19内で発生する気化灯油18aは、上記脱硫灯油ライン24上の脱硫灯油冷却器31に達しても、気体であるため該脱硫灯油冷却器31にてほとんど冷却されることなく吹き抜けてしまう。そのために、図2(イ)に示す脱硫器圧力の経時変化のグラフと、図2(ロ)に示す上記脱硫灯油冷却器31の下流側での脱硫器出口側温度との経時変化のグラフの比較から明らかなように、上記背圧弁20a,20bの異常により図2(イ)にピークA,B,Cで示すように灯油脱硫器19内の減圧が生じると、図2(ロ)にピークa,b,cで示すように灯油冷却器31の下流側での脱硫器出口側温度がほぼ同時に上昇することが判明した。
そこで、上記脱硫灯油ライン24における脱硫灯油冷却器31よりも下流側で且つ常用ライン24aと非常時用ライン24bとの分岐点よりも上流側となる位置に、上記灯油脱硫器19より排出される脱硫灯油18bの温度を監視する温度スイッチ32を設け、該温度スイッチ32と常用電磁弁25a及び異常時用電磁弁25bとを接続して、温度スイッチ32で検出される脱硫灯油18bの温度に応じて上記常用電磁弁25aと異常時用電磁弁25bへ指令を与えるようにする。これにより、上記温度スイッチ32にて、灯油脱硫器19より脱硫灯油冷却器31を経ることによって本来常温付近とされるべき脱硫灯油18bの温度に比して高い温度が検出されるようになると、上述したように、上記圧力スイッチ27では圧力変化がほとんど検出されていない状態であっても、上記灯油脱硫器19の内部で高温の気化灯油18aが発生し、この高温の気化灯油18aが上記脱硫灯油ライン24、脱硫灯油冷却器31を吹き抜けていると判断して、上記常用電磁弁25a及び異常時用電磁弁25bを共に閉止状態とさせて脱硫灯油ライン24を遮断し、気化灯油18aが該脱硫灯油ライン24を経て下流側へ放出される虞を未然に防止できるようにしてある。上記のように脱硫灯油ライン24を遮断すると、灯油脱硫器19の脱硫器圧力が高まるため、気化灯油18aの発生を抑えることができるようになる。又、上記脱硫器圧力が過剰になる場合には、上記安全弁21が動作して圧を逃がすようになるため、灯油脱硫器19自体に支障が生じる虞はない。更に、上記安全弁21の動作により気化灯油18aが該安全弁21を通して放出されても、上述したと同様に、凝縮器22で凝縮させて回収できるため、問題が生じる虞はない。
その他、図4に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
上記構成としてある脱硫処理設備を用いる場合は、上記灯油脱硫器19を200℃前後まで加熱した状態とすると共に、灯油ポンプ33を運転して、供給ヘッダを兼ねている上記凝縮器22より灯油供給ライン26を経て上記灯油脱硫器19へ灯油18を供給すると、上記灯油脱硫器19の下流側の脱硫灯油ライン24上に設けてある常用背圧弁20aの一次側圧力に設定された所要の加圧条件下にて、上記200℃前後まで加熱された灯油18が液体のまま脱硫触媒と接触させられることにより脱硫処理されて、硫黄成分が所要レベルまで低下された脱硫灯油18bが生成される。その後、上記脱硫灯油18bは、脱硫灯油冷却器31にて冷却された後、上記脱硫灯油ライン24を経て脱硫灯油タンク23へ導かれて一旦貯留された後、該脱硫灯油タンク23の下流側に接続してある燃焼処理装置4へ適宜供給されるようになる。
上記脱硫処理設備の運転中に、上記常用背圧弁20aに異常が生じて上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧されるようになると、該灯油脱硫器19の内部で気化灯油18aが発生する虞が生じるようになるが、この場合、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力の減少に伴う該灯油脱硫器19の入口側圧力の減少が圧力スイッチ27により検出されるようになると、該圧力スイッチ27は、上記異常を生じた常用背圧弁20aが設けられている常用ライン24aを常用電磁弁25aにより速やかに遮断すると共に、異常時用電磁弁25bを開放して、上記灯油脱硫器19で生成される脱硫灯油18bを異常時用背圧弁20bが設けてある異常時用ライン24bへ流通させるようにする。これにより、上記異常時用背圧弁20bの一次側圧力の設定によって上記灯油脱硫器19を所定の脱硫器圧力に保持させて、上記灯油18を加熱し且つ気化を抑えるよう加圧した条件の下で脱硫処理が継続されるようになる。
又、上記常用背圧弁20aや異常時用背圧弁20bに異常が生じて灯油脱硫器19の内部で気化灯油18aが発生しているときに、この発生した気化灯油18aが上記脱硫灯油ライン24を流通する際の圧力損失が大きくなることに起因して、上記灯油脱硫器19の入口側の圧力スイッチ27では該灯油脱硫器19の入口側圧力の減少を検出し得ない場合であっても、上記脱硫灯油ライン24に設けた温度スイッチ32により温度の上昇が検出されると、上記脱硫灯油ライン24に設けてある常用電磁弁25a及び異常時用電磁弁25bの双方を閉止させることにより上記脱硫灯油ライン24を遮断して、該脱硫灯油ライン24を通して下流側へ気化灯油18aが放出されないようにしてある。
又、上記灯油脱硫器19に装備した安全弁21の動作により該灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧されて該灯油脱硫器19内にて気化灯油18aが発生し、この発生した気化灯油18aが上記安全弁21より放出される場合には、該気化灯油18aを上記安全弁21、気化灯油放出ライン29を経て凝縮器22へ導くと、気化灯油18aは、該凝縮器22に貯留されている液体状態の灯油18との直接接触により冷却されて凝縮され、再液化された灯油18として回収されるようになる。
このように、本発明の脱硫処理設備によれば、灯油脱硫器19にて灯油18を加熱し且つ加圧した条件の下で脱硫触媒の作用により脱硫処理できると共に、この脱硫処理中に、たとえ、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力を保持するための常用背圧弁20aに異常が生じても、速やかに異常時用背圧弁20bによりバックアップして上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力の保持を継続できる。又、上記圧力スイッチ27により灯油脱硫器19の脱硫器圧力の減圧が検出できない場合であっても、脱硫灯油ライン24上に設けた温度スイッチ32による温度検出結果に応じて該脱硫灯油ライン24を電磁弁25a,25bにより遮断することで、気化灯油18aが下流側へ放出される虞を未然に防止できる。よって、上記圧力スイッチ27や温度スイッチ32が上記のような作動をする際に背圧弁異常を同時に発報させるようにしておけば、作業者が速やかに背圧弁20a,20bの異常を知ることができるため、上記各背圧弁20a,20bを点検し、必要に応じて修理、交換した後、初期状態と同様の運転状態に回復させるようにすればよい。
一方、安全弁21の動作により灯油脱硫器19の脱硫器圧力が減圧される場合には、上記安全弁21を通して放出される気化灯油18aを凝縮器22にて再液化させて液体の灯油18として回収できる。
したがって、上記背圧弁20a,20bの異常が生じた場合、及び、安全弁21の動作時のいずれの場合においても、上記灯油脱硫器19より、下流側や外部へ気化灯油18aが放出される虞を未然に防止することが可能となる。
次に、図3は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示したものと同様の構成において、灯油脱硫器19の脱硫器圧力を保持するために二重化させて設ける背圧弁を、脱硫灯油ライン24の途中位置に並列に配設してなる背圧弁20aと20bとする構成に代えて、上記脱硫灯油ライン24に、背圧弁34と35とを直列に配設して二重化を図る構成としたものである。
すなわち、上記脱硫灯油ライン24の途中位置に、2段の背圧弁34と35とを直列に配設する。更に、該各背圧弁34と35のうち、上流側に位置する一方の背圧弁(以下、上流側背圧弁という)34の一次側圧力の設定圧力値の方が、下流側に位置する他方の背圧弁(以下、下流側背圧弁という)35の一次側圧力の設定値よりも大きくなるように、たとえば、前者を0.6MPa、後者を0.4MPaに設定する。
更に、上記灯油脱硫器19への灯油供給ライン26上に、上記上流側背圧弁34により保持される灯油脱硫器19の脱硫器圧力を監視するための脱硫器圧力検出計36を設けると共に、上記脱硫灯油ライン24上における上記上流側背圧弁34と下流側背圧弁35との間となる位置に、上記下流側背圧弁35によって保持される下流側背圧弁一次側圧力を監視する下流側背圧弁一次側圧力検出計37を設ける。
38は上記灯油脱硫器19より排出される脱硫灯油18bの温度を監視する温度スイッチ32にて高温が検出された場合に該温度スイッチ32からの指令で脱硫灯油ライン24を遮断するための電磁弁(遮断弁)である。その他の構成は図1に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態によれば、通常運転時は、上記上流側背圧弁34の一次側の圧力設定に基づいて上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力が保持されるため、該灯油脱硫器19にて、200℃前後まで加熱すると共に、灯油18の気化を抑えるように加圧した状態で、液体の灯油18を脱硫触媒と接触させて脱硫処理を行うことができる。
上記灯油脱硫器19の運転中に、上記上流側背圧弁34に異常が生じると、該上流側背圧弁34により設定された一次側圧力が開放されるが、この上流側背圧弁34の下流側には下流側背圧弁35が直列に設けてあるため、上記灯油脱硫器19の脱硫器圧力を、該下流側背圧弁35の一次側圧力の設定に基づいた加圧状態に保持することができ、したがって、該灯油脱硫器19にて気化灯油18aが発生する虞を未然に防止できる。更に、この場合は、上記灯油脱硫器19の入口側に設けてある脱硫器圧力検出計36により検出される脱硫器圧力の値が、上記上流側背圧弁34の一次側圧力設定値より上記下流側背圧弁35の一次側圧力設定値まで低下するようになる。よって、上記脱硫器圧力検出計36により検出される脱硫器圧力の値が、上記下流側背圧弁35の一次側圧力設定値と対応した圧力まで低下するときに、上流側背圧弁34の異常を発報させるようにしておけば、作業者が上記上流側背圧弁34の異常を直ちに知ることができて、該上流側背圧弁34の修理、交換を速やかに行うことが可能となる。
一方、上記灯油脱硫器19の運転中に、上記下流側背圧弁35に異常が生じても、灯油脱硫器19の脱硫器圧力は、上記上流側背圧弁34の一次側の圧力設定に基づいて初期状態のまま保持されるため、灯油脱硫器19の運転自体になんら問題は生じることはない。
又、この場合には、下流側背圧弁35の直ぐ上流側位置に設けてある下流側背圧弁一次側圧力検出計37により、該下流側背圧弁35の一次側圧力の開放が検出されるようになるため、上記下流側背圧弁一次側圧力検出計37の検出圧力が低下するときに、下流側背圧弁35の異常を発報させるようにしておけば、作業者が上記下流側背圧弁35の異常を直ちに知ることができて、該下流側背圧弁35の修理、交換を速やかに行うことが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、凝縮器22は、灯油脱硫器19より安全弁21を通して放出される気化灯油18aをすべて凝縮させるのに足りる所要の熱容量を有していれば、タンク28内に所要量の液体の灯油18を貯留してなる構成に代えて、タンク28内に別の冷却用媒体を収納してなる構成としたり、更には、タンクを構成する鋼板自体が上記所要の熱容量を有してなる構成としてもよい。又、上記凝縮器22は、気化灯油18aを凝縮させ再液化させて回収する灯油18の有効利用を図ると共に、スペースを削減するという観点からは、灯油脱硫器19へ灯油18を供給するための供給ヘッダを兼ねる構成とすることが望ましいが、灯油脱硫器19へ灯油18を供給する灯油供給ライン26の上流側に、上記凝縮器22とは別に供給ヘッダを設けるようにしてもよい。
図1の実施の形態では、並列に二重化させて設ける各背圧弁20a,20bの一次側設定圧力をそれぞれ0.6MPaとし、又、図3の実施の形態では直列に二重化させて設ける各背圧弁34と35の一次側設定圧力をそれぞれ0.6MPaと0.4MPaとして示したが、図3の実施の形態における上流側背圧弁34の一次側圧力設定値の方が下流側背圧弁35の一次側圧力設定値よりも高くなるよう設定してあれば、上記各背圧弁20a,20b,34,35の一次側圧力設定値を、灯油脱硫器19にて脱硫触媒に触媒性能を発揮させるために必要とされる加熱温度、及び、該加熱温度条件の下で灯油18等の原料の気化を抑えるのに必要とされる圧力条件に応じて適宜変更するようにしてもよい。
更に、脱硫灯油タンク23を、凝縮器22と同様に、上記灯油脱硫器19に内存する灯油18が気化灯油18aとされて放出されても、該気化灯油18aをすべて凝縮させて再液化させるのに十分な熱容量を有してなるものとしてもよい。この場合には、たとえば、万一、脱硫灯油ライン24上の各背圧弁20aと20b,34と35が同時に故障状態となって、上記灯油脱硫器19の内部で発生する気化灯油18aが脱硫灯油ライン24を経て脱硫灯油タンク23へ導かれるとしても、該脱硫灯油タンク23にて上記気化灯油18aを凝縮させ再液化させて回収できて、下流の燃料処理装置4側へ気化灯油18aが放出される虞を未然に防止することが可能となる。なお、上記のように灯油脱硫器19の内部で発生する気化灯油18aを脱硫灯油ライン24を経て脱硫灯油タンク23へ導いて凝縮、再液化させて回収する場合には、上記灯油脱硫器19における脱硫処理前の灯油18が気化されてなる硫黄成分の除去処理が行われていない状態の気化灯油18aが混入する可能性があるため、この場合は、上記脱硫灯油タンク23内の脱硫灯油18bを再度灯油脱硫器19にて脱硫処理させるようにすればよい。
本発明は、液体の原料を触媒性能を発揮させるために所要温度に加熱する必要がある脱硫触媒を用いて脱硫処理する際、該所要温度においても気化しないように所要圧力に加圧する必要がある脱硫処理設備であれば、灯油以外の原料の脱硫処理設備にも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の脱硫処理設備の実施の一形態を示す概要図である。 (イ)は脱硫器圧力の経時変化を、(ロ)は脱硫器出口側温度の経時変化をそれぞれ示す図である。 本発明の実施の他の形態を示す概要図である。 一般的な固体高分子型燃料電池発電装置の概要を示す図である。
符号の説明
18 灯油(原料)
18a 気化灯油(気化原料)
18b 脱硫灯油(脱硫原料)
19 灯油脱硫器(脱硫器)
20a 常用背圧弁(背圧弁)
20b 異常時用背圧弁(背圧弁)
21 安全弁
22 凝縮器
24 脱硫灯油ライン(脱硫原料ライン)
25a 常用電磁弁(電磁弁)
25b 異常時用電磁弁(電磁弁)
27 圧力スイッチ
31 脱硫灯油冷却器(冷却器)
32 温度スイッチ
34 上流側背圧弁(背圧弁)
35 下流側背圧弁(背圧弁)
36 脱硫器圧力検出計
37 下流側背圧弁一次側圧力検出計
38 電磁弁

Claims (6)

  1. 液体の原料を加熱すると共に気化を防止するために加圧しながら脱硫処理するようにしてある脱硫器に、安全弁を装備すると共に、該安全弁の出口側に、所要の熱容量を有する凝縮器を接続してなり、上記安全弁の動作により減圧される脱硫器の内部で気化されて上記安全弁から放出される気化原料を上記凝縮器にて凝縮し再液化させて回収できるようにし、更に、上記凝縮器を、脱硫器へ供給する液体の原料を貯留して該脱硫器に供給する供給ヘッダを兼ねる構成としてなることを特徴とする脱硫処理設備。
  2. 凝縮器の熱容量を、脱硫器に内存する加熱状態の原料がすべて気化されてなる気化原料の全量を凝縮し再液化させ得るような熱容量とした請求項1記載の脱硫処理設備。
  3. 脱硫器の下流側に、脱硫器圧力を保持させるための背圧弁を二重化させて設けてなる構成として、通常は一方の背圧弁により上記脱硫器に所望される所要圧力を保持させるようにし、該一方の背圧弁に異常が発生する場合に、他方の背圧弁によって上記脱硫器の圧力を維持できるようにした請求項1又は2記載の脱硫処理設備。
  4. 脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を並列に二重化して設けると共に、該各背圧弁の下流側に電磁弁をそれぞれ設け、更に、上記脱硫器の圧力を検出すると共に該脱硫器圧力の検出結果に基づいて上記各電磁弁へ開閉指令を与える圧力スイッチを備えるようにした請求項記載の脱硫処理設備。
  5. 脱硫器より脱硫処理後の脱硫原料を導く脱硫原料ラインに、2つの背圧弁を直列に設けて、上流側の背圧弁の一次側圧力設定値の方が、下流側の背圧弁の一次側圧力設定値よりも大きくなるようにし、更に、上記脱硫器の圧力を監視するための脱硫器圧力検出計と、上記下流側の背圧弁の一次側圧力を監視する下流側背圧弁一次側圧力検出計を備えるようにした請求項記載の脱硫処理設備。
  6. 脱硫器より背圧弁までの脱硫原料ライン上に、脱硫原料が背圧弁を通過することにより減圧されても気化しない温度まで該脱硫原料を冷却するための冷却器を設け、且つ脱硫原料ラインにおける背圧弁よりも下流側に、該脱硫原料ラインを遮断し得る電磁弁を備え、更に、上記冷却器の下流側位置の脱硫原料ラインを通る脱硫原料の温度を監視すると共に該温度の検出結果に基づいて上記脱硫原料ラインに備えた電磁弁へ指令を与える温度スイッチを備えるようにした請求項又は記載の脱硫処理設備。
JP2007093692A 2007-03-30 2007-03-30 脱硫処理設備 Active JP4924152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093692A JP4924152B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 脱硫処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093692A JP4924152B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 脱硫処理設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008248180A JP2008248180A (ja) 2008-10-16
JP4924152B2 true JP4924152B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=39973508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007093692A Active JP4924152B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 脱硫処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4924152B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107869612A (zh) * 2016-09-23 2018-04-03 北京华石联合能源科技发展有限公司 一种减压系统
WO2020034596A1 (zh) * 2018-08-16 2020-02-20 北京航天动力研究所 一种减压系统的热力平衡系统

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012113991A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池システム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5777601A (en) * 1980-11-04 1982-05-15 Akio Imuro Preparation of specimen embedded in clear resin
JPH04297906A (ja) * 1991-03-27 1992-10-21 Osaka Gas Co Ltd 流体圧調節装置
JP2002167466A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Toshiba Plant Kensetsu Co Ltd 廃プラスチックの熱分解方法および装置
JP4215539B2 (ja) * 2003-03-04 2009-01-28 出光興産株式会社 脱硫器及び脱硫方法
JP4511956B2 (ja) * 2005-01-20 2010-07-28 三菱電機株式会社 燃料処理装置、前記燃料処理装置を用いた燃料処理方法、燃料処理装置を備えた燃料電池および燃料処理装置を備えた燃料電池への燃料供給方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107869612A (zh) * 2016-09-23 2018-04-03 北京华石联合能源科技发展有限公司 一种减压系统
CN107869612B (zh) * 2016-09-23 2019-04-12 北京华石联合能源科技发展有限公司 一种减压系统
WO2020034596A1 (zh) * 2018-08-16 2020-02-20 北京航天动力研究所 一种减压系统的热力平衡系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008248180A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5214190B2 (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP5269447B2 (ja) 高温型燃料電池システムとその運転方法
JP5441694B2 (ja) 水素生成装置および燃料電池システム
JP5490102B2 (ja) 水素生成装置、燃料電池システム、水素生成装置の運転方法
JP5022592B2 (ja) 気液分離装置および気液分離装置を備えた燃料電池発電システム
WO2010113548A1 (ja) 燃料電池システム
KR101245766B1 (ko) 비상상태에서의 연료전지 작동 시스템 및 그 방법
JP4745314B2 (ja) イオンポンプシステム及びその運転方法
JP4924152B2 (ja) 脱硫処理設備
JP5087445B2 (ja) 水素製造装置およびその停止方法
JP2012216372A (ja) 固体酸化物形燃料電池の緊急停止方法
KR101363504B1 (ko) 연료전지시스템 및 이를 구비한 선박
WO2012161217A1 (ja) 燃料電池システム
JP6698763B2 (ja) 液化二酸化炭素回収型燃料電池発電システム
JP2007053015A (ja) 燃料電池システム
US7745060B2 (en) Fuel cell system and method of operating the fuel cell system
WO2021131512A1 (ja) 燃料電池システム
JP5305845B2 (ja) 燃料電池発電システムおよびその運転方法
JP5395168B2 (ja) 水素生成装置および燃料電池システム
JP2010182484A (ja) 燃料電池発電システムおよびその運転方法
KR100835305B1 (ko) 연료 전지 시스템 및 연료 전지 시스템의 퍼지 방법
JP6847900B2 (ja) 二酸化炭素回収型燃料電池発電システム
KR101358129B1 (ko) 연료전지 배기가스 응축장치
KR101435394B1 (ko) 연료전지 운영 시스템 및 그 방법
JP2021190285A (ja) 固体酸化物形燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4924152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250