JP4923040B2 - イオンビームを均一化するためにグリッド透過度およびグリッドホールパターンを制御する方法 - Google Patents

イオンビームを均一化するためにグリッド透過度およびグリッドホールパターンを制御する方法 Download PDF

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Description

本明細書において説明する主題は、イオン源グリッドホールパターンを設計するとともに、グリッドホール間距離を、一般的には半径方向(radially)または直線方向(linearly)に、拡大・縮小することによってグリッド透過度(transparency)を制御する技術に関し、ここに、グリッドは、一般的には、ブロードビームイオン加速システムの電極である。
ブロードビームイオン源の開発および利用における課題の一つは、非常に均一なイオンビーム密度分布を提供することである。放電プラズマはそれ自体、イオン密度に関して均一な分布を有しないため、プラズマ内で生成されたイオンを利用するイオン源は、一般的には、不均一なイオンビーム密度分布を有する。本明細書においては、ビームグリッドが例えばイオン源用である場合につき、ビームグリッドの説明がされているが、その説明は、正および負のイオンビーム源ならびに電子源の両方を含むいかなる種類の帯電粒子ブロードビーム源に対しても広く適用される。
上記課題を解決するとともに、より均一度の高いイオンビーム電流密度を実現することを目的として、グリッドパターン全体においてグリッド開口面積比率(グリッド透過度)が変化するグリッド型イオン源のイオン抽出グリッドがこれまで開発されてきた。実際に、そのうちの多くは、グリッドパターンが複数の領域に離散化(分割)されており、各離散領域においては、ホール間距離および/またはホール直径が異なる可能性がある。この種のイオン抽出グリッドは、様々な用途における解決策として提供されてきた。しかしながら、イオンビーム電流密度の均一度についての要求がより高度である場合には、そのような離散領域の境界線が、イオンビーム電流密度の均一度に好ましくない乱れを依然として発生させる可能性がある。
図1には、グリッド透過度につき、半径位置に関して定義された複数の離散ゾーンを有するグリッドパターンの任意の一従来例が示されている(複数の同心円は、ゾーン間の境界線を表すとともに画定している)。各ゾーン内においては、グリッド設計構造が、グリッド透過度が当該ゾーン内において一定になるように、反復するパターンによって占められるのが一般的である。しかしながら、ゾーンの境界線においては、あるゾーンと別のゾーンとの間の遷移(transition)がスムーズ(平滑)ではない可能性があり、その結果、グリッドホール密度に局所的不連続性が発生し、そして、その局所的不連続性が修正されずに放置されると、ビーム電流密度における局所的不連続性につながる。図2には、同一半径ゾーン境界線(radial zone boundaries,半径方向位置によって定義されるゾーンの境界線)と同一角度ゾーン境界線(azimuthal zone boundaries,角度方向位置によって定義されるゾーンの境界線)との両方における一般的な不規則性が示されている(複数個の小さい黒い円は、複数個のホールが等間隔に配置されていた場合のホール位置を示すことに注目されたい)。これらゾーン境界線(不連続性を有するゾーン境界線)は、ここ(図2)に示すように、半径方向位置に関して定義されるゾーン境界線および角度方向位置に関して定義されるゾーン境界線である可能性があり、また、その具体的な設計構造次第では、ホールサイズまたはホール間距離が不連続的に変化する他の境界線である可能性がある(ホールによって占められていない6つの領域であって、図1の中心から2番目の同一半径境界線において見えるものは、本明細書の開示事項にとって重要ではない他の設計的特徴に起因するものであることに注目されたい)。従来、境界線における遷移(transition)をスムーズ(平滑)にするための調整はすべて、設計担当者によってホールごとに実施されてきた。図3には、別の任意の従来のグリッド設計構造におけるグリッド透過度の分布が、半径を変数とする関数である任意の単位を用いて示されている。図3において離散(分散)した複数のデータポイントは、複数のパターンが互いに一致しない複数の境界線であって、複数のホールが人為的に調整されたものに関連付けられる。
本明細書に開示されているものは、イオンビームグリッドにおいてホール位置またはホールサイズを変更する設計方法であって、その設計方法は、変更すべきコントロールグリッド(control grid)を特定する工程と、グリッドパターンについてホール位置変更ファクタ(変更倍率)および/またはホールサイズ変更ファクタ(変更倍率)を取得する工程と、新しいグリッドパターンを作成するために前記変更ファクタを使用する工程とを含んでおり、その工程は、グリッド透過度の「スケーリング(scaling)(拡大・縮小)」と称することも可能である。本明細書には、さらに、本明細書において説明される設計パターンを利用して作成されるグリッドも開示される。
具体的には、本明細書には次の態様が開示されている。
(1) ビームグリッドパターンを作成するための設計方法であって、
変更すべきコントロールグリッドパターンを特定するパターン特定工程と、
前記グリッドパターンについて変更ファクタを取得する変更ファクタ取得工程と、
新しいグリッドパターンを作成するために前記変更ファクタを使用する変更ファクタ使用工程と
を含む設計方法。
(2) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタは、ホール位置変更ファクタとホール直径変更ファクタとのうちの一方または両方である設計方法。
(3) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタ取得工程は、微分方程式を解く工程を含む設計方法。
(4) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタ取得工程は、次の微分方程式
dR/dr=(r×f(r))/(R×F(R))
または、
dX/dx=h(x)/H(X)
のうちの一方または両方を解く工程を含む設計方法。
(5) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタ取得工程は、
微分方程式を解く工程と、
前記微分方程式を解くために4次ルンゲ−クッタ・ルーチンを用いる工程と
を含む設計方法。
(6) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタ取得工程は、次の微分方程式
dr’/dr=r/(r’×g(r))
または、
dx’/dx=1/i(x)
のうちの一方または両方を解く工程を含む設計方法。
(7) (1)項に記載の設計方法であって、
前記変更ファクタ取得工程は、微分方程式を解く工程を含み、
前記変更ファクタ取得工程は、さらに、
f(r)およびF(R)を規定するとともに、修正ホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から半径方向に再配置するために用いるR(r)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
h(x)およびH(X)を規定するとともに、修正ホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から直線方向に再配置するために用いるX(x)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
g(r)を規定するとともに、修正ホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から半径方向に再配置するために用いるr’(r)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
i(x)を規定するとともに、修正ホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から直線方向に再配置するために用いるx’(x)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と
のうちの少なくとも一つを含む設計方法。
(8) (1)項に記載の設計方法であって、
さらに、
前記変更ファクタ取得工程と前記変更ファクタ使用工程とが反復される設計方法。
(9) (1)項に記載の設計方法であって、
前記ビームグリッドパターンは、透過度が実質的に連続的に変化するという特性を有する設計方法。
(10) (1)項に記載の設計方法によって作成されたビームグリッド。
(11) ビームグリッドであって、
変更すべきコントロールグリッドパターンを特定するパターン特定工程と、
前記グリッドパターンについて変更ファクタを取得する変更ファクタ取得工程と、
新しいグリッドパターンを作成するために前記変更ファクタを使用する変更ファクタ使用工程と
によって作成されたビームグリッド。
(12) (11)に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、ホール位置変更ファクタとホール直径変更ファクタとのうちの一方または両方であるビームグリッド。
(13) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、微分方程式の解から取得されるビームグリッド。
(14) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、次の微分方程式
dR/dr=(r×f(r))/(R×F(R))
または、
dX/dx=h(x)/H(X)
のうちの一方または両方の解から取得されるビームグリッド。
(15) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、微分方程式の解から取得され、
その微分方程式の解は、4次ルンゲ−クッタ・ルーチンの使用を必要とするビームグリッド。
(16) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、次の微分方程式
dr’/dr=r/(r’×g(r))
または、
dx’/dx=1/i(x)
のうちの一方または両方の解から取得されるビームグリッド。
(17) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、微分方程式の解から取得され、
その微分方程式は、
f(r)およびF(R)を有するとともに、新しいグリッドホール位置の、コントロールホールパターンに対する半径方向位置を特徴付けるR(r)を取得するために用いられる微分方程式と、
h(x)およびH(X)を有するとともに、新しいグリッドホール位置の、コントロールホールパターンに対する直線方向位置を特徴付けるX(x)を取得するために用いられる微分方程式と、
g(r)を有するとともに、新しいグリッドホール位置の、コントロールホールパターンに対する半径方向位置を特徴付けるr’(r)を取得するために用いられる微分方程式と、
i(x)を有するとともに、新しいグリッドホール位置の、コントロールホールパターンに対する半径方向位置を特徴付けるx’(x)を取得するために用いられる微分方程式と
のうちの少なくとも一つを含むビームグリッド。
(18) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタは、前記変更ファクタ取得工程の反復から取得されるビームグリッド。
(19) (11)項に記載のビームグリッドであって、
前記変更ファクタ使用工程は、ホールサイズとホール位置との両方が変動するか、または、ホールサイズが異なる複数の分散エリアとの組合せにおいて、少なくともホール位置が変動するという特性を有する新しいグリッドパターンを作成する工程を含むビームグリッド。
(20) (11)項に記載のビームグリッドであって、
透過度が実質的に連続的に変化するという特性を有するビームグリッド。
イオンビームグリッドにおいてホール位置およびホール間距離を変更する目標設計方法は、グリッド開口面積比率としても知られるグリッド透過度を変更するための数学的モデルを利用して開発された。この新しい技術、すなわち、本明細書における技術は、複数の離散ゾーン(図1および図2に示された如きもの)を必要としないため、それらゾーンの境界線においてグリッドホールを移動させるという面倒かつ主観的な操作を実質的に省略することが可能である。むしろ、この設計方法は、プラズマの不均一性または他の原因によるビームの不均一性を補償することを目的として、連続的にまたは実質的に連続的にグリッドイオン透過度(開口面積)を変更するために、「拡大」および/または「縮小」によってホール間距離を実質的に連続的に変更する。この方法の他に開発されるのは、この設計方法に基づき、実質的に連続的に変化する透過度を有するように作成される新しいグリッドである。この方法と新しいグリッドとのうちの一方または両方を採用すると、一般的に、イオンビーム均一性がよりよく制御されることになる。本明細書においては、ビームグリッドが例えばイオン源用である場合につき、ビームグリッドの説明がされているが、その説明は、正もしくは負のイオンビーム源または電子源を含むいかなる種類の帯電粒子ブロードビーム源に対しても広く適用される。
この方法は、グリッド透過度を数学的に設定するが、この方法は、現在のグリッドパターン設計技術の欠点を解消することが可能であり、その現在の技術は、実質的にスムーズに、実質的に連続的に変化するホール間距離、または実質的に連続的に変化するグリッドホール直径を利用する代わりに、設定されたホール間距離またはホール直径を有する複数の離散領域すなわちゾーンを利用する。本明細書に従う設計手順の例は、下記の手続として説明される。
最初の一般的な技術は、修正すべき初期の(もとの、すなわち、コントロール)グリッドパターンから開始される。次に、図4に示されるように、第1実施形態においては、初期のパターンホール位置の半径座標値がrからRに変更される。しかしながら、この際、もとのパターンにおける(r−dr/2,r+dr/2)の領域内のグリッドホール数と、修正後のパターンにおける(R−dR/2,R+dR/2)の領域内のグリッドホール数とが同一であるべきである。それらもとのグリッドパターンのグリッド透過度と修正後のグリッドパターンのグリッド透過度とがそれぞれ、半径を変数とする関数f(r)とF(R)として与えられると仮定すると、次式が成立する。
Figure 0004923040
この微分方程式を、境界条件R(r=r)=rのもとに、グリッドホール位置変更ファクタR(r)について解くことにより、グリッド透過度分布の目標値F(R)またはその目標値に近い値を満たす新しいグリッドパターンを取得することが可能である。以下、前記グリッドホール位置変更ファクタは、それに代えて、位置変更ファクタまたは単に変更ファクタ(変更倍率)と称される場合がある。
第2実施形態においては、前記技術が、同様に、修正すべき初期の(もとの、すなわち、コントロールグリッドパターンから開始される。次に、図5に示されるように、複数の初期のパターンホール位置のそれぞれを表す複数のデカルト座標値のうちの一つがxからXに変更され、また、前記の場合と同様に、もとのパターンにおける(x−dx/2,x+dx/2)の領域内のグリッドホール数と修正後のパターンにおける(X−dX/2,X+dX/2)の領域内のグリッドホール数とが同一であるべきである。それらもとのグリッドパターンのグリッド透過度と修正後のグリッドパターンのグリッド透過度とがそれぞれ、デカルト距離を変数とする関数h(x)とH(X)として与えられると仮定すると、次式が成立する。
Figure 0004923040
その後、この微分方程式を、任意の境界条件(X(x)=0など)のもとに、位置変更ファクタX(x)について解くことにより、グリッド透過度分布の目標値H(X)を満たす新しいグリッドパターンを取得することが可能である。本明細書に記載の全般的な方法の一応用例が、半径方向におけるパターン修正(半径方向パターン修正)と直線方向におけるパターン修正(直線方向パターン修正)との両方につき、図10(以下の説明を参照されたい)に関して記載されるとともに、図10にフローチャートで示されている。本明細書においては詳述しないが、同様の方法を、角度方向(azimuthal)におけるパターン修正(角度方向修正パターン)について利用することが可能であり、このパターン修正においては、Θが、極座標系における角度座標値であるとともに、同様の微分方程式が、必要な境界条件のもとに、位置変更ファクタΘ(θ)について解かれる。
これら微分方程式を解くために様々な手段を利用することが可能であり、それら手段は、例えば、マスキャド(MathCad)またはマセマティカ(Mathematica)のような商用ソフトウエア製品の中に存在するかもしれない。他の例としては、この用途のために、マイクロソフトエクセル(Microsoft Excel)のファイルも利用されてきた。4次ルンゲ−クッタ・ルーチンは、すべての次数についての前進法(forward-marching techniques)(例えば、1次である場合には、いわゆるオイラー法のようなもの)の中で特に、前記微分方程式の解を求めるために利用可能なものの一例である。前述の半径法(radial method)の場合、f(r)およびF(R)を与えることにより、ユーザは、位置変更ファクタR(r)を取得することが可能となる。その位置変更ファクタR(r)は、修正後のホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から半径方向に移動させるために使用される。同様に、h(x)およびH(X)を与えることにより、ユーザは、位置変更ファクタX(x)を取得することが可能となる。その位置変更ファクタX(x)は、デカルト座標系において、直線方向における拡大・縮小により、修正後のホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から直線方向に移動させるために使用される。同様に、p(θ)およびP(Θ)を与えることにより、ユーザは、位置変更ファクタΘ(θ)を取得することが可能となる。その位置変更ファクタΘ(θ)は、極座標系において修正後のホールパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から角度的に(azimuthally,円周方向に)移動させるために使用される。
別の観点から見ると、本明細書に記載の手順は、下記のように、グリッド透過度変更比率(a ratio of grid transparency modification)を近似値として用いることによって説明することができる。ステップ0:より優れたイオンビーム密度均一分布を達成するため、グリッド透過度変更比率の目標値(デカルト座標系においてはi(x)、2次元半径座標系においてはg(r))を定義する。そのような分布は、実験または他の方法に基づいて決定することが可能である。このステップは、まず、修正すべきコントロールグリッドの特定を伴う。次に、ステップ1:グリッド透過度変更比率の目標値に基づき、微分方程式を解くことによってグリッド透過度変更比率の近似値を取得する。その微分方程式は、修正を行う方向によって異なる形態を有する。デカルト座標系における微分方程式は、次式である。
Figure 0004923040
ただし、グリッド透過度変更比率i(x)(=H(x)/h(x))は、H(X)/h(x)に対する近似値であり、また、x’(x)は、位置変更ファクタX(x)の近似値を与える。2次元半径座標系における微分方程式は、次式である。
Figure 0004923040
ただし、グリッド透過度変更比率g(r)(=F(r)/f(r))は、F(R)/f(r)に対する近似値であり、また、r’(r)は、位置変更ファクタR(r)の近似値を与える。次に、ステップ2:上記微分方程式の解を前記コントロールグリッドのホールパターンに適用することにより、新しいグリッドパターンが取得される。選択的な追加ステップとして、ステップ3:その新しいグリッドパターンのイオンビーム密度分布が、均一度の適切なレベルを実現しない場合には、グリッド透過度変更比率の目標値の調整を伴いつつ、上記ステップ1および2(ステップ0ないし2に対して置換的にまたは追加的に)を反復することが可能である。本明細書に従う反復ステップのフローが、図11(以下の説明を参照されたい)に示されるとともに、図11に関連して説明される。繰り返すが、角度方向パターン修正にも、同様のプロセスを利用することが可能である。
パターン修正については、半径方向パターン修正を例にとり、図6の4つの部分に示されるように、ある程度図形的に表すことが可能である。図6の1番目のグラフ、すなわち、図6Aには、約10インチの幅を有する基板上に出現するかもしれない不均一なイオンビーム密度分布が示されている。その左右対称性(中央の垂直軸に関して)は、例えば図1に示される円形グリッドから予想されることに注目されたい。その密度は、予想されるように、概して、前記基板の、より遠く離れて対向するエッジの付近において低下するが、正規密度より高い密度が、前記基板の中心付近に出現する可能性がある。これに対し、目標である均一な正規密度は、図6の3番目のグラフ、すなわち、図6Cに示されるように、平坦な線(flat line)として出現することがより望ましい。このように、本明細書において説明される最初のステップは、均一化のための改善を必要とするグリッドを特定するためにある。図6Aの分布を示したグリッドが、まさしくそのようなグリッドであるかもしれない。次のステップは、グリッド透過度変更比率の目標値を計算するためにある。このグリッド透過度変更比率の近似値は、各半径方向位置につき、ビーム電流密度の正規値と実際値との比率を計算することによって取得される。図6の2番目のグラフ、すなわち、図6Bには、図6Aのグラフによって表される分布の右半分に対応するグリッド透過度変更比率がグラフによって示されている。図6Bのグラフが、図6Aのグラフの右側部分に対して、上から下に向かう水平方向ミラーイメージの関係にあることに注目されたい。概念的には、グリッド透過度変更比率を示す図6Bのグラフは、さらに、図6Aのグラフに示されるもとの値を反転した値を有する関係を示すかもしれない。したがって、そのもとの値とその反転値との積は、図6Cのグラフに示される正規化後の値に一致しないとしても、それに接近する。図6Dには、この半径方向パターン修正の例につき、前述の微分方程式の解である前述のr’(r)が、r’(R)の、rからの差としてグラフで示されている。図6Dには、図6Cに示される目標値に接近するように改善された均一度分布を有する新しい設計構造を提供するため、もとの設計構造における各ホールの半径方向位置に対して適用可能である位置変更ファクタ(位置変更倍率)であって連続的に変化するものが示されている。前記基板のエッジに位置するホールは長い距離(この具体例においては、約2mmまで)移動するが、隣接するホール同士はそれぞれ、互いに同じ距離移動し、その結果、隣接するホール間距離はわずかしか変化しないことに注目されたい。したがって、上述の例においては、もとの離散ゾーン型パターンにおけるすべてのホールの各々の半径方向位置が、新しいホール間距離が連続的にまたは実質的に連続的にもとのホール間距離から変化するように、移動、すなわち、「拡大/縮小」され、その結果、おそらく依然として離散ゾーンを有するが、改善された均一度基準をより満足させる新しいパターンが提供される。
この技術は、初期の離散ゾーン型パターンの性能を改善するために利用されるのに加えて、連続的に変化するホール間距離を有する新しいパターンを設計するためにも利用することが可能である。この場合の一例においては、連続的に変化するグリッド透過度変更比率g(r)またはi(x)が、離散ゾーン型設計構造の近似値を取得してその近似値を前記微分方程式に代入するために利用される。結果として得られる位置変更ファクタ(すなわち解)r’(r)(R(r)の近似値)またはx’(x)(X(x)の近似値)により、もとの離散ゾーン型設計構造を機能的に複製するが「スムーズ化(平滑化)」することが可能となる。図7には、そのような離散ゾーン型パターンの一サンプルが示されている。図7においては、ホールパターンの不規則性が、ホールが欠落している6つの領域から半径方向外向きに延びる領域において容易に観察できる。本明細書において説明された方法を適用することにより、グリッドホール位置のスムーズな、連続的に変更する調整により、例えば図8に示されるスムーズなグリッドパターンを実現することが可能である。その結果、離散ゾーンに付随する前記不連続性が上述のように取り除かれるため、イオンビーム均一度をよりよく制御することができる。
上述のように、改善されたイオンビーム均一度の目標値を得るため、連続的なまたは実質的に連続的なグリッドパターン設計をスケーリングするための数学的モデルが構築された。このモデルを用いて少数のグリッドセットが設計され、さらに、それらグリッドセットがイオンビームエッチングの用途に利用されたが、この場合に、エッチング測定値は、イオンビーム均一度が改善されたことを示した。この技術は、イオン源のグリッド設計に既に適用されており、テストの結果、グリッド性能がイオンビーム電流密度均一度に関して予想どおり改善されることと、エッチング速度分布が改善されることとが証明された。初期の設計構造が、離散ゾーン型コントロール設計構造であり、かつ、その設計構造が、実験的に測定されたエッチング分布における不均一度を補償するために連続的に「拡大」された場合があったことに注目されたい。さらに、この設計方法は、連続的に変化する透過度(transparency)を有する設計構造を提供するため、レイ・トレーシング・モデル(ray-tracing model)を用いて直列的に反復された。この反復的方法は、もとの離散ゾーン型設計構造を機能的に複製するが「スムーズ化(平滑化)」するために利用された。その目的は、連続的に変化する透過度を有する設計構造であって、まったく離散ゾーンを伴わないが、一層改善されたエッチング均一度のもと、もとの離散ゾーン型設計構造をできる限り忠実に機能的に複製することになるものを提供することにある。連続的変化を基本とするこの設計構造は、その後、特定の用途にとって重要な特定の作業条件においてグリッド性能を最適化するため、追加の反復作業であって実験に基づくもののための出発点(starting point)として機能することが可能である。
このように、連続的にまたは実質的に連続的に変化する透過度を有する設計構造が望ましいかもしれないというというのが一般的であるということが判明した。測定されたプラズマ密度半径方向分布または半径方向ビーム電流密度を出発点とすると、この技術により、そのような設計構造が提供され得る。
さらに別の実施形態においては、本明細書に記載されているような変更ファクタ(変更倍率)を用いて、変化するグリッド透過度を有する設計構造が提供され、この実施形態においては、実質的に連続的にホール直径が変更される。実質的に連続的に変化するホール直径を有する設計構造を確立するための方法は、次の手法で実施してもよい。もとのグリッド設計構造であって、ホール直径dを、そのホール直径の半径座標値rを変数とする関数d(r)として有するものが定められており、しかも、グリッド透過度の目標値についての、目標となる修正後のグリッド設計構造が、グリッド透過度変更比率j(r)と共に既知である場合には、修正後のグリッド設計構造は、次式で表されるホール直径を有するはずである。
Figure 0004923040
ただし、d’(r)は新しい直径を表す。この新しい直径d’(r)は、以下、ホール直径変更ファクタと称され、または、それに代えて、単に変更ファクタと称されるかもしれない。これに対し、ホール直径およびグリッド透過度変更比率の目標値がそれぞれデカルト座標系においてd(x)およびk(x)として与えられる場合には、修正後のグリッド設計構造のホール直径は次式で表される。
Figure 0004923040
ただし、d’(x)は新しい直径を表す。この新しい直径d’(x)は、以下、ホール直径変更ファクタ、または、単に変更ファクタと称される。
さらに、ホール位置を変更する技術とホール直径を変更する技術とは、互いに組み合わせることが実用上可能である。全体グリッド透過度変更比率の目標値l(x)またはm(r)は、ホール直径を変更することによって達成されるかもしれないグリッド透過度変更比率の目標値k(x)またはj(r)と、ホール位置を変更することによって達成されるかもしれない別のグリッド透過度変更比率の目標値i(x)またはg(r)とを組み合わせることによって実現され得る。ここに、次式が成立する。
Figure 0004923040
全体グリッド透過度変更比率l(x)またはm(r)のそれぞれについては、設計者が、上記方程式を満たす限りにおいて、複数のグリッド透過度変更比率(i(x)およびk(x)、またはg(r)およびj(r))を任意に分割してもよい。その場合は、各グリッド透過度変更比率を、位置変更ファクタx’(x)またはr’(r)と、直径変更ファクタd’(x)またはd’(r)とを求めるために利用することができる。
本明細書において上述された様々な実施形態においては、もとのグリッドパターンすなわちコントロールグリッドパターンが、それに対応するビーム電流密度分布の測定値であって抽出ビームから測定されたものと共に、出発点として用いられ、それにより、新しいグリッドパターンのためのグリッド透過度変更比率が決定されたが、プラズマイオン密度分布の測定値または理論的モデルのいずれかを出発点として用いることも可能である。この方法は、イオンプラズマ放電のための理論的モデルまたは試作チャンバ内のイオンプラズマ密度の測定値のいずれかに基づき、新しい装置について最初の反復グリッド(first iteration grids)を設計するために有用である。ここに、イオンをグリッドシステムに供給するイオン源に付随するプラズマイオン密度分布と、イオン源から出てグリッドによって抽出されたイオンビームの密度分布とが互いに区別される。そのような半径方向イオン密度分布の一例が図9に示されている。この場合、ホール間距離が一定であるグリッドパターンをコントロールグリッドパターンとして用いてそのプロセスを開始し、しかも、プラズマイオン密度分布または他のいずれかのもとの出発点を表す関数をf(r)として用いてもよい。
そのためのさらに具体的な方法は次のものでもよく、また、図10に示されているものでもよい。特に、第1ステップは、予め計算されたグリッドについてであるか予め製造されたグリッドについてであるかを問わず、コントロールグリッドパターンを設定する工程を一般的に含んでおり、それのグリッド透過度は、f(r)またはh(x)として与えられる。この場合、設計者が新しいグリッド透過度であるF(R)またはH(X)を特定した後、そのグリッドホール位置変更ファクタが、少なくとも一つの微分方程式を解くことによって取得される。その少なくとも一つの微分方程式を解く一例においては、4次ルンゲ−クッタ法が利用される。例えば、半径方向における微分方程式が次式であり、
Figure 0004923040
かつ、その微分方程式が、とりわけ位置および境界条件(r(n=0,1,2,...))およびR0=r0)(例えば、グリッドパターンの全体サイズおよび/またはホール間最小肉厚のような様々な設計上の制約)が定義される状況で、4次ルンゲ−クッタ法によって解かれる場合には、Rn+1が、r,R,f(r),F(R)およびΔr(=rn+1−r)を用い、次の方程式に従って取得される。
Figure 0004923040
次に、その微分方程式の解により、ホールについての新しい位置が、rの列およびRの列という形態で、グリッドホール位置変更ファクタとして取得される。テーブルおよび他のユーティリティを、もとの位置に対する修正後の位置を設定および/または追跡するために用いてもよいことに注目されたい。図10に示すように、この方法は、半径方向座標系および/または直線方向座標系について使用することができる。
図11に示される別の実施形態は、グリッド透過度変更比率g(r)またはi(x)の近似値を用いて開始される。この実施形態の例においては、最初の処理、すなわち、ステップ0が、グリッド透過度変更比率の目標値をg(r)(F(R=r)/f(r)として取得されるかもしれない)として定義するか、またはi(x)(H(X=x)/h(x)として取得されるかもしれない)として定義する工程を含む。そのような例が図6Bに示されている。その後、次の処理、ここではステップ1において、定義づけと計算との組合せが、後続する判定と共に、実行される。まず、このステップは、r’0=r0またはx’0=x0という設定のもとにrまたはx(n=0,1,2,...)を定義する工程と、次の微分方程式のうち一方または両方を解くという工程とを含む。
Figure 0004923040
この微分方程式により、rの列およびr’の列という形態、、またはxの列およびx’の列という形態で、グリッドホール位置変更ファクタが取得される。その後、ステップ2に進み、rとr’との関係またはxとx’との関係に基づくホールパターンを用いてグリッドが製造される。このステップ2が終了すると、その後、その新しい設計構造がグリッド透過度の目標値を満たすか否かという判定が続いて行われ、もし満たすなら、図11の方法が終了する。しかしながら、もし満たさないのであれば、ステップ1およびステップ2の両方の反復が再度行われる。必要な場合には、グリッド透過度に基づくグリッド透過度変更比率の目標値g(r)またはi(x)の修正値が、前回の反復結果に対して、および/または前回の反復結果から取得される。
上述した例のうちの多くのものにおいては、イオンビームグリッドおよびイオンビーム源が述べられているが、その設計方法およびその設計方法に基づいて製造されたグリッドは、正もしくは負のイオンビーム源または電子源を含むいずれの種類の帯電粒子ブロードビーム源に対しても広く適用することができる。そのような場合、対象となる前述の空間的関数は、例えば、上流における負イオン密度(および/または上流における負イオン到達率)の分布すなわち電子密度(および/または電子到達率)の分布およびそれに対応する下流における帯電粒子ビーム電流密度分布のようなものであろう。ここに、上流および下流は、抽出グリッドに対して相対的に定義される。同様に、DCまたはRF励起型放電に例示される様々な種類の放電源は、イオンビームを抽出するためのプラズマ源として共通であるが、本明細書に記載の設計方法およびそれに基づいて製造されたグリッドは、多数の別の手段によって発生させられるプラズマ(例えば、マイクロ波プラズマ、定在波シートプラズマ、レーザ励起プラズマ、面接触プラズマ(surface contact plasma)または放射プラズマ(emission plasma))から抽出される荷電粒子ビームや、様々な非プラズマ、とりわけ単一帯電粒子フィールド(single charge species field)および面放射デバイス(surface emission device)から抽出される帯電粒子ビームに対して広く適用可能であることが期待される。
上述の説明、例およびデータにより、本発明のいくつかの具体例についての方法、構造および用途が説明される。しかしながら、本発明の範囲内において他の実施形態も対象とされ、それら実施形態は、図示および/または記載されたものとは異なる形状、サイズおよび位置を有するホールを有するグリッドを提供する方法および/またはそのグリッドを、何らの限定なしで、含んでいる。さらに、その説明は、例示された方法およびグリッドについての説明を含むが、他の方法およびグリッドを本発明の範囲内において採用してもよい。本発明の主旨および範囲を逸脱することなく、多くの実施形態を提供および/または使用することが可能であるため、本発明は、後に添付されるクレームに内在する。
図1は、イオンビームグリッドパターンの一従来例を概略的に示す平面図である。 図2は、図1における概略的なグリッドパターンの一部であって拡大されたものを示す図である。 図3は、グリッドパターンの別の従来例の透過度分布を示すグラフである。 図4は、概略的なグリッドパターンの一部であって拡大されたものを1組示す図である。 図5は、別の概略的なグリッドパターンの一部であって拡大されたものを1組示す図である。 図6は、それぞれ部分図である図6A、図6B、図6Cおよび図6Dを有していて、本明細書に記載の方法を説明するグラフの集まりである。 図7は、イオンビームグリッドパターンの一従来例を概略的に示す別の平面図である。 図8は、本明細書に記載の方法によって作成されるイオンビームグリッドパターンを概略的に示す平面図である。 図9は、本明細書に記載の方法と共に利用可能であるプラズマイオン密度の半径方向分布を示すグラフである。 図10は、本明細書に記載の設計方法を示すフローチャートである。 図11は、本明細書に記載の設計方法を示す別のフローチャートである。

Claims (13)

  1. ビームグリッドにおける複数のホールについてのもとのパターンから修正後のパターンを作成するための設計方法であって、
    前記もとのパターンを特定するパターン特定工程と、
    前記もとのパターンを前記修正後のパターンに変更するための変更ファクタを取得する変更ファクタ取得工程と、
    その取得された変更ファクタを前記もとのパターンに適用することにより、前記もとのパターンから前記修正後のパターンを作成する修正後パターン作成工程と
    を含み、
    前記変更ファクタは、前記修正後のパターンにおける複数のホールが前記もとのパターンにおける前記複数のホールから変更される程度を定義しており、
    前記変更ファクタ取得工程は、
    前記複数のホールに関する、前記もとのパターンと前記修正後のパターンとの間における数学的関係であって、前記もとのパターンにおける複数のホールの面積であるグリッド開口面積の、任意の位置における微小変化量と、前記修正後のパターンにおける複数のホールの面積であるグリッド開口面積の、任意の位置における微小変化量とが互いに一致することを表すものを決定する第1工程と、
    その決定された数学的関係を数値解析的に解くことにより、前記変更ファクタを取得する第2工程と
    を含む設計方法。
  2. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記もとのパターンの、任意の位置におけるグリッド透過度は、前記もとのパターンにおいて、ホールサイズを変更することなくホール位置を変更するか、ホール位置を変更することなくホールサイズを変更するか、またはホール位置もホールサイズも変更することによって変化し、
    前記第1工程は、前記数学的関係を、前記もとのパターンにおいて、ホールサイズを変更することなくホール位置を変更するか、ホール位置を変更することなくホールサイズを変更するか、またはホール位置もホールサイズも変更することにより、前記もとのパターンから前記修正後のパターンを取得するように決定し、
    前記変更ファクタは、ホール位置変更ファクタとホールサイズ変更ファクタとのうちの一方または両方である設計方法。
  3. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記数学的関係は、微分方程式によって表現され、
    前記変更ファクタ取得工程は、前記微分方程式を解く工程を含む設計方法。
  4. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記数学的関係は、微分方程式によって表現され、
    前記変更ファクタは、R(r)とX(x)とのうちの一方または両方を含み、
    前記変更ファクタが前記R(r)を含む場合に、前記微分方程式は、次の第1の微分方程式
    dR/dr=(r×f(r))/(R×F(R))
    ただし、
    r:前記もとのパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値
    f(r):2次元半径座標値rを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    R:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値
    F(R):2次元半径座標値Rを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    R(r):2次元半径座標系上において、前記もとのパターンにおけるホール位置rを前記修正後のパターンにおけるホール位置Rに変換する関数
    を含み、
    前記変更ファクタが前記R(r)を含む場合に、前記第2工程は、前記第1の微分方程式を数値解析的に解くことにより、前記R(r)を取得する工程を含み、
    前記変更ファクタが前記X(x)を含む場合に、前記微分方程式は、次の第2の微分方程式
    dX/dx=h(x)/H(X)
    ただし、
    x:前記もとのパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    h(x):デカルト座標値xを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    X:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    H(X):デカルト座標値Xを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    X(x):デカルト座標系上において、前記もとのパターンにおけるホール位置xを前記修正後のパターンにおけるホール位置Xに変換する関数
    を含み、
    前記変更ファクタが前記X(x)を含む場合に、前記第2工程は、前記第2の微分方程式を数値解析的に解くことにより、前記X(x)を取得する工程を含む設計方法。
  5. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記数学的関係は、微分方程式によって表現され、
    前記変更ファクタ取得工程は、
    前記微分方程式を解く工程と、
    前記微分方程式を解くために4次ルンゲ−クッタ・ルーチンを用いる工程と
    を含む設計方法。
  6. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記数学的関係は、微分方程式によって表現され、
    前記変更ファクタは、R(r)とX(x)とのうちの一方または両方を含み、
    前記変更ファクタが前記R(r)を含む場合に、前記微分方程式は、次の第3の微分方程式
    dr’/dr=r/(r’×g(r))
    ただし、
    r:前記もとのパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値
    g(r):グリッド透過度変更比率(=F(r)/f(r))であって、F(R)/f(r)の近似値)
    f(r):2次元半径座標値rを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    F(r):2次元半径座標値rを変数とする、前記修正後のパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    R:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値、
    F(R):2次元半径座標値Rを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    r’(r):R(r)の近似値
    R(r):2次元半径座標系上において、前記もとのパターンにおけるホール位置rを前記修正後のパターンにおけるホール位置Rに変換する関数
    を含み、
    前記変更ファクタが前記R(r)を含む場合に、前記第2工程は、前記第3の微分方程式を数値解析的に解くことにより、前記R(r)の近似値であるr’(r)を取得する工程を含み、
    前記変更ファクタが前記X(x)を含む場合に、前記微分方程式は、次の第4の微分方程式
    dx’/dx=1/i(x)
    ただし、
    x:前記もとのパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    i(x):グリッド透過度変更比率(=H(x)/h(x))であって、H(X)/h(x)の近似値)
    h(x):デカルト座標値xを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    H(x):デカルト座標値xを変数とする、前記修正後のパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    X:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    H(X):デカルト座標値Xを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    x’(x):X(x)の近似値、
    X(x):デカルト座標系上において、前記もとのパターンにおけるホール位置xを前記修正後のパターンにおけるホール位置Xに変換する関数
    を含み、
    前記変更ファクタが前記X(x)を含む場合に、前記第2工程は、前記第4の微分方程式を数値解析的に解くことにより、前記X(x)の近似値であるx’(x)を取得する工程を含む設計方法。
  7. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記数学的関係は、微分方程式によって表現され、
    前記変更ファクタ取得工程は、前記微分方程式を解く工程を含み、
    前記変更ファクタ取得工程は、さらに、
    f(r)およびF(R)を規定するとともに、修正後のパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から半径方向に再配置するために用いるR(r)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
    h(x)およびH(X)を規定するとともに、修正後のパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から直線方向に再配置するために用いるX(x)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
    g(r)を規定するとともに、修正後のパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から半径方向に再配置するために用いるr’(r)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と、
    i(x)を規定するとともに、修正後のパターンを取得するために、グリッドホール位置をもとの設計位置から直線方向に再配置するために用いるx’(x)を取得するために前記微分方程式を用いる工程と
    のうちの少なくとも一つを含み、
    ただし、
    r:前記もとのパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値
    f(r):2次元半径座標値rを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    R:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置の2次元半径座標値
    F(R):2次元半径座標値Rを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    x:前記もとのパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    h(x):デカルト座標値xを変数とする、前記もとのパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    X:前記修正後のパターンにおける各ホールの位置のデカルト座標値
    H(X):デカルト座標値Xを変数とする、前記修正後のパターンについての目標グリッド透過度を表す関数
    r:前記もとのパターンにおける各ホールの位置の半径座標値
    g(r):グリッド透過度変更比率(=F(r)/f(r))であって、F(R)/f(r)の近似値)
    F(r):2次元半径座標値rを変数とする、前記修正後のパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    r’(r):R(r)の近似値
    i(x):グリッド透過度変更比率(=H(x)/h(x))であって、H(X)/h(x)の近似値)
    H(x):デカルト座標値xを変数とする、前記修正後のパターンについてのグリッド透過度を表す関数
    x’(x):X(x)の近似値
    である設計方法。
  8. 請求項1に記載の設計方法であって、
    さらに、
    前記変更ファクタ取得工程と前記修正後パターン作成工程とが反復される設計方法。
  9. 請求項1に記載の設計方法であって、
    前記修正後のパターンは、グリッド透過度が実質的に連続的に変化するという特性を有する設計方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の設計方法によって作成された修正後のパターンと実質的に同じグリッドパターンを有するビームグリッド。
  11. 請求項1ないし9のいずれかに記載のビームグリッドであって、
    前記変更ファクタは、前記変更ファクタ取得工程の反復から取得されるビームグリッド。
  12. 請求項1ないし9のいずれかに記載のビームグリッドであって、
    前記修正後パターン作成工程は、ホールサイズとホール位置との両方が変更されるか、または、ホールサイズが異なる複数の分散エリアとの組合せにおいて、少なくともホール位置が変更されるという特性を有する新しいグリッドパターンを作成する工程を含むビームグリッド。
  13. 請求項1ないし9のいずれかに記載のビームグリッドであって、
    グリッド透過度が実質的に連続的に変化するという特性を有するグリッドパターンを有するビームグリッド。
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