JP4921409B2 - ミスト噴頭 - Google Patents

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Description

本発明は、ミスト噴頭に関する。
ミスト噴頭とは、以下の特許文献1に記載されているように、筒状を成す噴頭本体と、この噴頭本体の軸線方向に対して直交する方向の下方から内部に進入した進入部及び当該噴頭本体の軸心位置で前側に向かって曲げられその先端に吐出口が設けられた折曲部を有するミストノズルと、を具備するものであり、このミスト噴頭を装着した動力散布機にあっては、噴頭本体に高速気流を流すと共にミストノズルの吐出口から薬液を吐出することで、薬液を高速気流に乗せて遠方まで噴霧するようになっている。
実公昭62−42773号公報
しかしながら、上記公報に記載のものにあっては、ミストノズルの進入部によって気流の流れが遮られるため、ノズル吐出口の下半分側(進入部の進入側)では負圧が発生しにくく、ノズル吐出口の下部側からの吐出量が少なくなり、ノズル吐出口から薬液を均等に噴霧できないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、ノズル吐出口の全周囲に対して十分な負圧を発生させ、ノズル吐出口から均等に噴霧できるミスト噴頭を提供することを目的とする。
本発明によるミスト噴頭(1)は、筒状を成し気流を流すための噴頭本体(2)と、薬液を吐出するためのノズル吐出口(3a)を先端に有する胴体部(3e)が噴頭本体(2)内に位置するミストノズル(3)と、を具備したミスト噴頭(1)において、胴体部(3e)の気流の流れ方向に沿う側部に対して、ノズル吐出口(3a)の周囲であって胴体部(3e)により後方側の気流の流れが遮られる側に窪み部(3f)を設けたことを特徴としている。
このようなミスト噴頭(1)によれば、ミストノズル(3)の胴体部(3e)の気流の流れ方向に沿う側部に対して窪み部(3f)を設けたことにより、ミストノズル(3)の胴体部(3e)後方側の気流が、当該窪み部(3f)を通じて、ノズル吐出口(3a)の周囲であってミストノズル(3)の胴体部(3e)によって後方側の気流の流れが遮られる側に回り込み、ノズル吐出口(3a)の全周囲に対して十分な負圧が発生し、ノズル吐出口(3a)から均等に噴霧できるようになる。
ここで、ミストノズル(3)の胴体部(3e)は、前記流れ方向に対し傾斜して配置されると、当該ミストノズル(3)を支持する噴頭本体(2)の支持部(2b)が斜めとされその長さが十分に長くされてミストノズル(3)を十分に支持することが可能とされると共に、支持部(2b)の高さ(H)が低くされてコンパクト化が可能とされ、さらに、噴頭本体(2)の軸線方向に平行なミストノズル(3)の筒状平断面が流線形状とされて気流の乱れが低減され噴霧能力が十分に発揮される。
このように本発明によるミスト噴頭(1)によれば、ノズル吐出口(3a)の全周囲に対して十分な負圧が発生し、ノズル吐出口(3a)からの均等な噴霧が可能となる。
以下、本発明に係るミスト噴頭の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るミスト噴頭を示す一部破断側面図、図2は、ミスト噴頭の正面図、図3は、ミストノズルの側面図、図4は、ミストノズルの正面図、図5は、ミストノズルの縦断面図、図6は、図5のVI-VI矢視図、図7は、ミスト噴頭が適用された背負動力散布機を示す概略背面図、図8は、ミストノズルに窪み部がない場合の噴霧状態を示す図であり、図1に示すように、本実施形態のミスト噴頭1は、噴頭本体2と、ミストノズル3とを備え、図7に示す背負動力散布機100に装着されるものである。
図7に示すように、背負動力散布機100は概略、エンジン10、薬液タンク11を搭載すると共に機内に送風機(不図示)を備え、エンジン10が駆動されると、送風機が回転駆動して高速気流が発生し、この高速気流が送気管12を介して、当該送気管12の先端に装着されたミスト噴頭1の噴頭本体2に流れると共に、薬液タンク11に貯留された薬液が上記高速気流の一部により加圧されて仮想線で示す送液管13を介してミスト噴頭1のミストノズル3に流れ当該ミストノズル3の先端のノズル吐出口3a(図1及び図2参照)から吐出することで、薬液が高速気流に乗せられて遠方まで噴霧できるものである。
以下、ミスト噴頭1について詳説する。このミスト噴頭1を構成する噴頭本体2は、図1及び図2に示すように、円筒状を成し、先端がラッパ状に拡大する構成とされている。この噴頭本体2の胴部2aの先端側の上部には、ミストノズル3を支持するための支持部2bが設けられている。
この支持部2bは、その軸心に対する垂直断面形状が楕円形状を成す楕円筒を、その胴部側の端部(図1の下端部)が先端側(図1の左側)に位置すると共に反胴部側の端部(図1の上端部)が後側(図1の右側)に位置するように斜めに胴部2aに設けたものであり、楕円筒の筒孔である差込孔2cが胴部2a内に連通する構成とされている。この支持部2bは、所定の高さHを有している。
また、ミスト噴頭1を構成するミストノズル3は、図1〜図3、及び図5に示すように、傾斜筒部3cと、この傾斜筒部3cの外方側(図1の上側)の端部に連設された屈曲部3dと、を備える構成とされている。
傾斜筒部3cは、その軸心に対する垂直断面形状が楕円形状(図6参照)を成す楕円筒を、噴頭本体2の軸心方向に対し斜めに配置したものであり、その屈曲部3d側に支持部2bの差込孔2cに差し込まれる差込部3bを有するとともに、この差込部3bより先側に、噴頭本体2内に位置する胴体部3eを有し、この胴体部3eの先端部(図1の下端部)に、噴頭本体2の先端側に向かって開口する前述したノズル吐出口3aを有する。そして、この傾斜筒部3cの差込部3bの外形形状と、当該差込部3bが差し込まれる支持部2bの差込孔2cの形状とは、同形状とされている。また、この傾斜筒部3cは、図2及び図4に示すように、先端側を先細とすべく差込部3bよりノズル吐出口3a側の部分が、ノズル吐出口3a側に行くに従い徐々に楕円筒が小さくされる(本実施形態では、長軸側の径は同じで短軸側の径が徐々に小さくされる)構成とされている。
図1に示すように、屈曲部3dは、傾斜筒部3cの端部に続く楕円筒であり、その軸心が噴頭本体2の軸線に沿うように傾斜筒部3cに対して屈曲されている。
特に、本実施形態のミストノズル3にあっては、図2〜図4に示すように、胴体部3eにおける気流の流れ方向に沿う両側部に対して、胴体部3eより後方側の気流が、ノズル吐出口3aの一部側で気流の流れが遮られる側、具体的には、ノズル吐出口3aの上部側に、回り込むように導く窪み部3fが設けられている。換言すれば、胴体部3eの気流の流れ方向に沿う側部に対して、ノズル吐出口3aの周囲であって胴体部3eにより後方側の気流の流れが遮られる側に窪み部3fが設けられている。
この窪み部3fは、気流の流れ(噴頭本体2の軸線方向)と平行を成すように設けられると共に、吐出口3aの略上半分及びそれより上部の側方に位置するように設けられている。
このように構成されたミスト噴頭1によれば、ミストノズル3の胴体部3eの気流の流れ方向に沿う側部に対して窪み部3fを設けたことにより、ミストノズル3の胴体部3e後方側の気流が、当該窪み部3fを通じて、ノズル吐出口3aの上部側に回り込み、ノズル吐出口3aの全周囲に対して十分な負圧が発生し、ノズル吐出口3aから均等に噴霧できる。
なお、窪み部3fがない場合は図8に示すように、胴体部3eにより気流の流れが遮られるため、ノズル吐出口3aの上部側には十分な負圧が発生せず、ノズル吐出口3aの略下半分側から薬液が噴霧されることになる。
また、本実施形態においては、ミストノズル3が噴頭本体2内の気流に対して斜め方向に配置されているため、当該ミストノズル3を支持する噴頭本体2の支持部2bが斜めとされその長さが十分に長くされてミストノズル3を十分に支持することが可能とされると共に、支持部2bの高さHが低くされてコンパクト化が可能とされ、さらに、噴頭本体2の軸線方向に平行なミストノズル3の筒状平断面が流線形状(幅狭な扁平形状)とされて気流の乱れが低減され噴霧能力が十分に発揮される。
さらに、本実施形態においては、以下の効果もある。即ち、このような傾斜筒部3c及び屈曲部3dを有するミストノズル3は、その傾斜筒部3cの差込部3bが噴頭本体2の支持部2bの差込孔2cに差し込まれて支持・装着され、圧入や接着が不要とされているため、簡易な構成で低コスト化が図られる。また、この状態で、噴頭本体2の支持部2bの外側の平端面(図1の上端面)に、ミストノズル3の屈曲部3dが当接した状態とされているため、当該ミストノズル3の屈曲部3dが噴頭本体2の支持部2bに当接するまで差し込むことで、ノズル吐出口3aの差し込み高さ位置が常に一定で正確な位置とされている。具体的には、ミストノズル3の屈曲部3dの支持部2bに対する当接位置からノズル吐出口3aの中央位置までの距離と、噴頭本体2の支持部2bの外側の端面位置(図1の上端面位置)から噴頭本体2の軸心までの距離とが同じとされているため、ノズル吐出口3aの中央位置が常に噴頭本体2の軸心位置に一致し、誰が差し込んでも噴霧能力が十分に発揮されるようになっている。
また、ミストノズル3の差込部3b、及び、噴頭本体2の差込孔2cは、その軸心に対する垂直断面形状が楕円形状を成しているため、ミストノズル3の噴頭本体2に対する回動が阻止され、ノズル吐出口3aが常に正確な方向(先端側)を向くように装着されると共に、噴頭本体2の軸線方向に平行なミストノズル3の筒状平断面が一層流線形状(幅狭な扁平形状)とされて気流の乱れが一層低減され噴霧能力が一層十分に発揮されるようになっている。また、このように軸線に対する垂直断面形状が楕円形状を成すミストノズル3は、成型によるバラツキが多角形形状に比して少なく、安定した成形が可能とされている。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、ミストノズル3の回動を阻止できる構造として、特に好ましいとして、その軸心に対する垂直断面形状が楕円形状のものを挙げているが、例えば長円形状等であっても良い。また、差し込みの回動阻止を考慮しなければ、真円等であっても勿論良い。
また、上記実施形態においては、ミストノズル3と噴頭本体2内の気流に対し傾斜して配置するようにしているが、例えば実公昭62−42773(特許文献1)のように、ミストノズルが噴頭本体の軸線方向に対して直交する方向から内部に進入し噴頭本体の軸心位置で前側に向かって曲げられた形状のものに対しても適用可能である。
また、上記実施形態においては、ノズル吐出口3aの上部側への気流が胴体部3eにより遮られるものに対する適用を述べているが、特許文献1のようにノズル吐出口の下部側への気流が遮られるものに対しても適用可能である。更に、ノズル吐出口の側部側への気流が遮られるものに対しても適用可能であり、要は、胴体部3eの気流の流れ方向に沿う側部に対して、ノズル吐出口3aの周囲であって胴体部3eより後方側の気流の流れが遮られる側に窪み部3fを設ければ、上記実施形態で述べた作用・効果を奏する。
また、窪み部3fは胴体部3eの気流の流れ方向に沿う側部に対して、ノズル吐出口3aの周囲であって胴体部3eにより後方側の気流の流れが遮られる側に設けられれば、噴頭本体2内の気流の流れ(噴頭本体の軸線)に対して傾斜していても良い。
本発明の実施形態に係るミスト噴頭を示す一部破断側面図である。 図1に示すミスト噴頭の正面図である。 図1中のミストノズルを示す側面図である。 図3に示すミストノズルの正面図である。 図3に示すミストノズルの縦断面図である。 図5のVI-VI矢視図である。 図1に示すミスト噴頭が適用された背負動力散布機を示す概略背面図である。 ミストノズルに窪み部がない場合の噴霧状態を示す図である。
符号の説明
1…ミスト噴頭、2…噴頭本体、3…ミストノズル、3a…ノズル吐出口、3e…胴体部、3f…窪み部。

Claims (2)

  1. 筒状を成し気流を流すための噴頭本体(2)と、薬液を吐出するためのノズル吐出口(3a)を先端に有する胴体部(3e)が前記噴頭本体(2)内に位置するミストノズル(3)と、を具備したミスト噴頭(1)において、
    前記胴体部(3e)の前記気流の流れ方向に沿う側部に対して、前記ノズル吐出口(3a)の周囲であって前記胴体部(3e)により後方側の気流の流れが遮られる側に窪み部(3f)を設けたことを特徴とするミスト噴頭(1)。
  2. 前記ミストノズル(3)の前記胴体部(3e)は、前記流れ方向に対し傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1記載のミスト噴頭(1)。
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