JP4920381B2 - 時計用表示板 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの表示板に用いられる機器類の表示板、および機器類の表示板の製造方法に関する。
また、本発明は、例えば、ソーラセルを備えたソーラ時計用の表示板、ソーラセルを使った卓上計算機などの表示板に用いられるソーラセル機器類の表示板、およびソーラセル機器類の表示板の製造方法に関する。
従来、このような時計用の表示板、卓上計算機、自動車の計器パネルなどの表示板に用いられる機器類の表示板において、特に、高級感を要求される腕時計分野においては、デザインバリエーション、装飾性を高めて、高級感を出すために、例えば、白蝶貝、イケチョウ貝、あわびなどの貝が、表示板として用いられている。
また、従来より、ソーラセル機器用表示板、例えば、ソーラセルを備えたソーラ時計用の表示板(文字板)では、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラセル(太陽電池)に発電機能を起こさせ、しかも、上記のように、デザインバリエーション、装飾性を高めて、高級感を出すために、貝が表示板として用いられている。
そして、この場合、貝からなる表示板のデザインバリエーションを図るために、貝の表面に凹部を形成して、例えば、旭光模様、目付け模様、梨地模様、格子模様、ストライプ模様、ピアジェカット模様、編目模様、サークル模様などの模様を施すことが行われている。
このような貝の表面に凹部を形成して、模様を施す方法としては、従来より、
(1)例えば、NC旋盤、NCフライスなどのNCマシンなどによって、機械的に切削加工によって貝の表面に凹部を形成して、模様を施す機械的切削方法、
(2)フォトリソグラフィー法によって、フォトレジストを用いてマスクパターンを形成して、化学的にエッチングすることにより、貝の表面に凹部を形成して、模様を施す化学エッチング方法(特許文献2(特開2006−275681号公報)参照)、
が用いられている。
特開平11−300881号公報 特開2006−275681号公報
しかしながら、このような従来の機械的切削方法では、正確な模様を形成できるが、機械的な模様であって、しかも、その凹部の底部も切削刃によって平坦であるので、自然な風合いで、温か味のある模様を形成することは不可能であって、腕時計用の表示板としては、デザインバリエーション、装飾性、高級感ともまだまだ不十分であった。
一方、化学エッチング方法では、エッチング条件などの影響で、正確な凹部を形成することができず、意図した模様を得ることが困難であり、腕時計用の表示板としては、デザインバリエーション、装飾性、高級感ともまだまだ不十分であった。
本発明は、このような現状に鑑み、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザ
インバリエーションの拡大が図れる模様が得られる機器類の表示板、および機器類の表示板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、このような現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、貝の表面に、例えば、レーザー、ヒーター加熱などの熱加工により凹部を形成することによって模様を施すと、凹部の底部の深さ、側部など幅が、従来の機械的切削方法、化学エッチング方法で得られる凹部のように一様でなく、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られることを知見して、本発明を完成したものである。
本発明者等は、特に、熱加工により凹部を形成して模様を施す方法として、レーザーによる熱加工を用いた場合に、図4の模式的な図面に示したように、凹部28の底部の深さが一様でなく、側部32にレーザーの走査線方向に、とげ状の突出溝部34が形成されることによって、図5の顕微鏡写真に示したように、ドットで構成された画像が形成され、いわゆる刺繍状の模様が得られることを見出し、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られることを知見して、本発明を完成したものである。
なお、特許文献1(特開平11−300881号公報)には、釣用擬餌、装飾具、バックル、髪飾り具、手帳・システムノート等文房具、鞄、財布、メガネケースなどのように装飾を必要とする物品の外観面を構成するのに用いる、外表面に貝殻層をもつ積層体およびその製法として、レーザー加工を用いることが開示されている。
しかしながら、この特許文献1では、図16に示したように、積層体100は、天然貝製の板状殻下層102と、この板状殻下層102の裏面に積層した折曲可能な裏当材層104を、接着層106を介して設けて、板状殻下層102の表面に、格子線、鱗形・波形等の模様線を、裏当材層104の上面に達し下面に達しない深さの幅のあるU字形状切込溝108を、レーザー加工によって形成したものである。
これにより、薄肉板状殻下層102を細片化することにより、貝殻層が幅のあるU字形状切込溝108によって細片化されているので、貝殻層が内周側となるように折り曲げて、深い凹面へでも使用することができるように構成したものである。
従って、この特許文献1で得られる貝殻層は、図16に示したように、例えば、格子状で均一なU字形状切込溝108で分断されているものであって、本発明のような従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られるものではなく、特に、高級感、デザインバリエーションが要求される腕時計の表示板として適用することは不可能である。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の表示板は、機器類の表示板であって、
前記表示板が、貝からなる表示板貝部材を備え、
前記表示板貝部材の少なくとも一方の表面に、熱加工により模様が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、
機器類の表示板の製造方法であって、
貝からなる表示板貝部材を備える表示板を用意する表示板準備工程と、
前記表示板貝部材の少なくとも一方の表面に、熱加工により模様を形成する熱加工工程
と、
を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、貝からなる表示板貝部材の表面に、熱加工により形成される模様は、熱加工によって、貝に含まれるタンパク質が燃焼することにより形成されるので、凹部の底部の深さ、側部など幅が、従来の機械的切削方法、化学エッチング方法で得られる凹部のように一様でなく、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、貝からなる表示板貝部材は、貝の年齢、貝の育成された場所、周囲の環境によっても、個体差があるので、この点からも、熱加工により模様を形成した場合に、全て異なった模様となり、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記表示板が、表示板貝部材と表示板貝部材を支持する基板を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、脆性材料である貝からなる表示板貝部材が、基板によって支持されているので機械的強度が増大し、特に、ソーラ腕時計の表示板として用いる場合に、貝の厚さが薄くなっても、組み込み作業、振動などによっても破損損傷することがない。
また、本発明では、前記熱加工により形成した模様が、凹部、貫通孔から選択した少なくとも1種の組み合わせからなる模様から構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、熱加工により形成した模様が、凹部、貫通孔、または、凹部と貫通孔の組み合わせから構成されることになるので、このような凹部、貫通孔によって模様が形成されるので、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記凹部による模様が、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様から構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、凹部による模様が、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様から構成されているので、従来にない立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記熱加工により形成した模様が、レーザー、ヒーター加熱から選択した少なくとも1種の熱加工により形成されていることを特徴とする。
このようにレーザー、ヒーター加熱による熱加工により、貝からなる表示板貝部材の表面に、簡単にかつ自由な設計で、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記ヒーター加熱による熱加工が、ヒーター金型表面に形成した突起状の模様を、表示板貝部材の表面に当接させる熱加工であることを特徴とする。
このように構成することによって、ヒーター金型表面に形成した突起状の模様を、表示板貝部材の表面に当接させるだけで、表示板貝部材の表面に模様が形成でき、簡単にかつ自由な設計で、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記ヒーター加熱による熱加工が、ヒーター金型表面に形成した高さの異なる突起状の模様を、表示板貝部材の表面に当接させる熱加工であり、
これにより、前記凹部による模様を、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様から構成することを特徴とする。
このようにヒーター金型表面に形成した高さの異なる突起状の模様を、表示板貝部材の表面に当接させるだけで、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様を形成でき、その結果、簡単にかつ自由な設計で、従来にない立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記レーザーによる熱加工が、炭酸レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーから選択した少なくとも1種のレーザーによる熱加工であることを特徴とする。
このように炭酸レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーからなるレーザーによる熱加工を用いることによって、図4の模式的な図面に示したように、凹部28の底部の深さが一様でなく、側部32にレーザーの走査線方向に、とげ状の突出溝部34が形成されることによって、図5の顕微鏡写真に示したように、ドットで構成された画像が形成され、いわゆる刺繍状の模様が得られることを見出し、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、
前記レーザーによる熱加工が、レーザーの出力の調整または焦点深度の調整による熱加工であり、
これにより、前記凹部による模様を、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様から構成することを特徴とする。
このようにレーザーの出力の調整または焦点深度の調整によって、表示板貝部材の表面に対してレーザー光を照射するだけで、複数の異なる深さを有する凹部を備えた立体模様を形成でき、その結果、簡単にかつ自由な設計で、従来にない立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の表面が、平滑に磨かれた光沢面を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の表面に、平滑に磨かれた光沢面を形成する工程を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、例えば、表示板貝部材の熱加工の際に形成される粉状の炭酸カルシウムなどを除去して、表示板貝部材の表面が、平滑に磨かれた光沢面となるので、従来にない、光沢面を有し、立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の表面に、着色層を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の表面に、着色層を形成する工程を備えることを特徴とする。
このように、表示板貝部材の表面に、着色層を備えることによって、色調の異なった模様を形成することができ、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。また、着色層を形成することにより、表示板を容易にカラー化することができ、装飾性と機能性が高められ、デザインバリエーションの拡大が図れる。
さらに、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合に、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の表面に、光拡散層を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の表面に、光拡散層を形成する工程を備えることを特徴とする。
このように表示板貝部材の表面に光拡散層が形成されているので、表示板貝部材の表面によって反射された光によって、表示板貝部材の表面が輝いた状態となるので、デザインバリエーションの拡大を実現することができる。
しかも、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合に、ソーラセルからの反射光を拡散させて、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
さらに、光拡散層を設けることによって、ソーラセルからの反射光を、再び拡散してソーラセルへ反射させたり、ソーラセルへの入射光を拡散させて、広範囲に入射させたりして、効率良く光りをソーラセルに導くことができ、確実に、ソーラセル機器として機能させることができる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の表面に、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石から選択した少なくとも1種の光透過性層を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の表面に、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石から選択した少なくとも1種の光透過性層を形成する工程を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、表示板貝部材の表面に、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石からなる光透過性層を備えているので、デザインバリエーションの拡大を実現することができるとともに、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができる。
また、本発明では、前記表示板貝部材の表面が、表示板貝部材の熱加工により形成した模様が施されている表面であることを特徴とする。
このように構成することによって、表示板貝部材の熱加工により形成した模様が施されている表示板貝部材の表面に、平滑に磨かれた光沢面、着色層、光拡散層、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石などの光透過性層が形成されるので、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、本発明では、前記表示板貝部材を支持する基板が、樹脂、貴石、金属、木から選択した少なくとも1種の基板であることを特徴とする。
このように、表示板貝部材を支持する基板が、樹脂、貴石、金属、木から構成することによって、脆性材料である貝からなる表示板貝部材が、このような基板によって支持されているので機械的強度が増大し、特に、ソーラ腕時計の表示板として用いる場合に、貝の厚さが薄くなっても、組み込み作業、振動などによっても破損損傷することがない。
また、基板をこのような材料から構成することによって、デザインバリエーションの拡
大が図れる。
また、本発明では、前記表示板貝部材の厚さが、30μm〜1000μmであることを特徴とする。
このように構成することによって、表示板貝部材の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、腕時計用の表示板として用いる場合に、時計を薄くするために、表示板の厚さを薄くしても機械的強度が低下することなく、加工することができる。また、表示板の厚さが厚すぎて、時計の針が揺動することなく、正確な時間を指示することができるとともに、時計自体の厚さをコンパクトにすることができる。
さらに、表示板貝部材の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、ソーラ時計用表示板などのソーラ機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができるとともに、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
また、本発明では、前記表示板貝部材を支持する基板が、表示板の少なくとも一方の表面に露出した状態であることを特徴とする。
このように、表示板貝部材を支持する基板が、表示板の少なくとも一方の表面に露出した状態であれば、露出する基板と表示板貝部材との組み合わせによって、デザインバリエーションの拡大が図れる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、重なり合わないように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、重なり合わないように形成することを特徴とする。
このように構成することによって、表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、重なり合わないので、表示板貝部材の両面に形成した模様の組み合わせにより、表示板貝部材の一方の表面から見た場合に、表示板貝部材の両面に形成した模様によって、従来にない斬新なデザインの表示板を提供することができる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、少なくとも部分的に重なり合うように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、少なくとも部分的に重なり合うように形成することを特徴とする。
このように構成することによって、表示板貝部材の両面に熱加工により形成した模様が、少なくとも部分的に重なり合うので、表示板貝部材の両面に形成した模様の組み合わせにより、表示板貝部材の一方の表面から見た場合に、表示板貝部材の両面に形成した模様、ならびに、部分的に重なり合った模様によって、従来にない斬新なデザインの表示板を提供することができる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記表示板貝部材の熱加工により形成した模様の部分以外の表面に、凹凸模様が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板貝部材の熱加工により形成した模様の部分以外の表面に、凹凸模様を形成することを特徴とする。
このように表示板貝部材の熱加工により形成した模様の部分以外の表面に、凹凸模様が形成されているので、模様部分と凹凸模様とが組み合わされて、従来にない斬新なデザイ
ンの表示板を提供することができる。
また、本発明では、前記凹凸模様が、旭光模様、目付け模様、梨地模様、格子模様、ストライプ模様、ピアジェカット模様、編目模様、サークル模様から選択した少なくとも1種の凹凸模様であることを特徴とする。
このように、凹凸模様が、旭光模様、目付け模様、梨地模様、格子模様、ストライプ模様、ピアジェカット模様、編目模様、サークル模様から構成することによって、デザインバリエーションの拡大が図れる。
また、本発明の機器類の表示板は、前記熱加工後に、熱加工により形成した模様を有する表示板貝部材の表面を洗浄した表示板であることを特徴とする。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記熱加工後に、熱加工により形成した模様を有する表示板貝部材の表面を洗浄する洗浄工程を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、例えば、表示板貝部材の熱加工の際に形成される粉状の炭酸カルシウムなどを除去することができるので、炭酸カルシウムの粉末が、機器類の機構部分に付着して、機器類の機能を阻害することがなく、特に、精密な機器である腕時計用表示板に用いる場合に特に好適である。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の外形形状にする形状出し工程を備えることを特徴とする。
このように表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の外形形状にする形状出し工程を備えるので、機器類の表示板として必要な形状に応じて、所定の外形形状を有する表示板貝部材を作製することができ、熱加工を施すだけで、表示板として使用することができる。
また、本発明の機器類の表示板の製造方法は、前記表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の厚さにする厚さ出し工程を備えることを特徴とする。
このように表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の厚さにする厚さ出し工程を備えるので、機器類の表示板として必要な厚さに応じて、所定の厚さを有する表示板貝部材を作製することができ、熱加工を施すだけで、表示板として使用することができる。
また、本発明では、前記表示板が、ソーラセル機器類の表示板であることを特徴とする。
また、本発明では、前記ソーラセル機器類の表示板が、ソーラセルを備えたソーラ時計用の表示板であることを特徴とする。
このように表示板が、ソーラセル機器類の表示板、特に、ソーラセルを備えたソーラ時計用の表示板であれば、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができるとともに、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができ、しかも、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる。
本発明によれば、貝からなる表示板貝部材の表面に、熱加工により形成される模様は、熱加工によって、貝に含まれるタンパク質が燃焼することにより形成されるので、凹部の底部の深さ、側部など幅が、従来の機械的切削方法、化学エッチング方法で得られる凹部のように一様でなく、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、貝からなる表示板貝部材は、貝の年齢、貝の育成された場所、周囲の環境によっても、個体差があるので、この点からも、熱加工により模様を形成した場合に、全て異なった模様となり、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の機器類の表示板を、ソーラセル機器用表示板、すなわち、ソーラ時計用の表示板として用いて、ソーラ時計に組み込んだソーラ時計の平面図、図2は、図1における要部断面図である。
なお、以下については、説明の便宜上、本発明の機器類の表示板を、ソーラセル機器用表示板、すなわち、ソーラ時計用の表示板として用いた場合について説明するが、本発明の機器類の表示板は、このようなソーラ時計用の表示板として用いる場合に限定されるものではなく、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの表示板に用いられることもできることはもちろんである。
図1および図2に示したように、符号1は、全体で、本発明の機器類の表示板を、ソーラ時計用の表示板として、ソーラ時計に組み込んだソーラ時計を示している。
ソーラ時計1は、図2に示したように、中枠2を介して、ムーブメント4が、ケース6内に取り付けられているとともに、このムーブメント4上にソーラセル8が一体的に設けられて配設されている。
そして、このソーラセル8の上方には、ソーラ時計用の表示板10(以下、単に「表示板」と言う)が、中枠2を介して、ケース6内に取り付けられている。
すなわち、図2に示したように、表示板10には、その上面の所定の位置に指標12が設けられており、表示板10の下面側にソーラセル8が配置される構造になっている。
なお、指標12としては、特に限定されるものではなく、例えば、数字、植字、石、電鋳時字、時字印刷、切分印刷、ネーム印刷、夜光塗料層などを含むものである。
また、ムーブメント4には、指針軸が、ソーラ時計用の表示板10の上面側にまで突出しており、その先端に、長針、短針からなる指針14が取り付けられている。
そして、これらの部材を覆うように、カバーガラス16がケース6に固定され、ケース6の裏面側には、裏蓋18が固定されている。
また、図1に示したように、ケース6の側部の12−6時方向に設けたバンド取り付け部に、バンド3が取り付けられているとともに、ケース6の側面には、リューズ22が取り付けられている。
(実施例1)
図3は、本発明の表示板の第1の実施例の要部断面図、図4は、本発明の表示板の模式
的な部分拡大上面図である。
図3に示したように、符号10は、上記のように、ソーラ時計1に取り付けられたソーラ時計用の表示板10を示している。
表示板10は、例えば、白蝶貝、イケチョウ貝、あわびなどの貝からなる表示板貝部材24を備えており、この表示板貝部材24の上面24aには、熱加工により模様26が形成されている。
すなわち、この模様26は、図3に示したように、凹部28、貫通孔30から構成されている。この場合、模様26は、凹部28、貫通孔30から選択した少なくとも1種の組み合わせからなる模様26であればよく、凹部28のみからなる場合、貫通孔30のみからなる場合、または、凹部28と貫通孔30の組み合わせからなる場合のいずれであっても良い。
このように構成することによって、貝からなる表示板貝部材24の表面に、熱加工により形成される模様26は、熱加工によって、貝に含まれるタンパク質が燃焼することにより形成されるので、凹部28の底部の深さ、側部など幅が、従来の機械的切削方法、化学エッチング方法で得られる凹部のように一様でなく、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
すなわち、特に、熱加工により凹部を形成して模様を施す方法として、レーザーによる熱加工を用いた場合に、図4の模式的な図面に示したように、凹部28の底部の深さが一様でなく、側部32にレーザーの走査線方向に、とげ状の突出溝部34が形成されることによって、図5の顕微鏡写真に示したように、ドットで構成された画像が形成され、いわゆる刺繍状の模様が得られることを見出し、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
なお、図5の顕微鏡写真の場合には、厚さ150μm、白蝶貝に対して、レーザとして、炭酸レーザー(波長:10.6μm、出力:1.0A)で熱加工を施したものを示して
いる。
また、貝からなる表示板貝部材24は、貝の年齢、貝の育成された場所、周囲の環境によっても、個体差があるので、この点からも、熱加工により模様を形成した場合に、全て異なった模様となり、その結果、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
さらに、凹部28による模様の場合には、複数の異なる深さを有する凹部28を備えた立体模様から構成するのが好ましい。
このように構成することによって、凹部28による模様が、複数の異なる深さを有する凹部28を備えた立体模様から構成されているので、従来にない立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
また、貝からなる表示板貝部材24に、熱加工により模様26を形成する方法としては、レーザー、ヒーター加熱から選択した少なくとも1種の熱加工とするのが望ましい。
このようにレーザー、ヒーター加熱による熱加工により、貝からなる表示板貝部材の表面に、簡単にかつ自由な設計で、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
なお、この場合、使用するレーザーとしては、炭酸レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどが使用できるが、その他のレーザーも使用できる。
この場合、炭酸レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどのレーザ光であるのが好ましいが、これらの中でも加工性を考慮すれば、10.6μmの波長の炭酸レーザーであるのが望ましい。
なお、YAGレーザーの場合には、表示板貝部材24を貫通してしまうことがあるが、その場合には、表示板貝部材24の下方に補助板部材を設けて、この補助部材がレーザー光の照射によって発熱した熱によって、間接的に表示板貝部材24を加熱するようにすればよい。
この場合、凹部28による模様を、複数の異なる深さを有する凹部28を備えた立体模様とする場合には、レーザーの出力の調整または焦点深度の調整すればよい。
また、ヒーター加熱による熱加工の場合には、ヒーター金型表面に形成した突起状の模様を、表示板貝部材24の表面に当接させるようにすれば良い。
このように構成することによって、ヒーター金型表面に形成した突起状の模様を、表示板貝部材の表面に当接させるだけで、表示板貝部材24の表面に模様26が形成でき、簡単にかつ自由な設計で、従来にない自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
この場合、凹部28による模様を、複数の異なる深さを有する凹部28を備えた立体模様とする場合には、ヒーター金型表面に形成した高さの異なる突起状の模様を、表示板貝部材24の表面に当接させるようにすればよい。
なお、ヒーター金型表面の温度としては、表示板貝部材24の種類、厚さ、サイズなどにもよるが、200〜400℃とするのが望ましい。
なお、これらのレーザー、ヒーター加熱を適宜組み合わせて用いてもよい、これにより、さらに斬新な模様が形成されることになる。
さらに、表示板貝部材24の厚さとしては、30μm〜1000μm、好ましくは、100μm〜300μmとするのが望ましい。
表示板貝部材24の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、腕時計用の表示板として用いる場合に、時計を薄くするために、表示板の厚さを薄くしても機械的強度が低下することなく、加工することができる。また、表示板の厚さが厚すぎて、時計の針が揺動することなく、正確な時間を指示することができるとともに、時計自体の厚さをコンパクトにすることができる。
さらに、表示板貝部材24の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、ソーラ時計用表示板などのソーラ機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができるとともに、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
この場合、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
このように構成される表示板10は、以下のような製造工程に基づいて製造すればよい。
すなわち、貝からなる表示板貝部材24を備える表示板を用意する表示板準備工程を備えている。この表示板準備工程は、表示板貝部材24を所定の外形形状にする形状出し工程を備えている。
このように、表示板貝部材24を所定の外形形状にするには、
(1)例えば、NC旋盤、NCフライスなどのNCマシンなどによる切削加工やプレス加工などの機械加工、
(2)フォトリソグラフィー法によって、フォトレジストを用いてマスクパターンを形成して、化学的にエッチングすることにより、貝を所定の外形形状にエッチング除去する化
学エッチング方法、
などを採用することができる。
このように表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の外形形状にする形状出し工程を備えるので、機器類の表示板として必要な形状に応じて、所定の外形形状を有する表示板貝部材を作製することができ、熱加工を施すだけで、表示板として使用することができる。
また、表示板準備工程は、表示板貝部材を所定の厚さにする厚さ出し工程を備えている。
このように表示板準備工程において、表示板貝部材を所定の厚さにする厚さ出し工程を備えるので、機器類の表示板として必要な厚さに応じて、所定の厚さを有する表示板貝部材を作製することができ、熱加工を施すだけで、表示板として使用することができる。
このように、表示板貝部材24を所定の厚さにする方法としては、
(1)例えば、NC旋盤、NCフライスなどのNCマシンなどによる切削加工やプレス加工などの機械加工、
(2)フォトリソグラフィー法によって、フォトレジストを用いてマスクパターンを形成して、化学的にエッチングすることにより、貝を所定の厚さにエッチング除去する化学エッチング方法、
などを採用することができる。
そして、表示板準備工程において、適宜、所定の外形形状、所定の厚さに処理した表示板貝部材24の少なくとも一方の表面(この実施例の場合には上面)に、熱加工により模様を形成すればよい。
さらに、この前記熱加工後に、熱加工により形成した模様を有する表示板貝部材の表面を洗浄する洗浄工程を備えていてもよい。
すなわち、表示板貝部材24の熱加工の際に、粉状の炭酸カルシウムが模様26の周囲などに形成されるが、このように洗浄処理を施すことによって、表示板貝部材24の熱加工の際に形成される粉状の炭酸カルシウムなどを除去することができるので、炭酸カルシウムの粉末が、機器類の機構部分に付着して、機器類の機能を阻害することがなく、特に、精密な機器である腕時計用表示板に用いる場合に特に好適である。
このような洗浄工程としては、特に限定されるものではなく、超音波洗浄、ブラシ洗浄、吹き付け洗浄、水洗浄(例えば、シャワー水洗)などを採用することができる。
なお、このような洗浄工程を実施する代わりに、または、実施した後に、表示板貝部材の表面に、平滑に磨かれた光沢面を形成する工程を備えていてもよい。
このように構成することによって、表示板貝部材24の熱加工の際に形成される粉状の炭酸カルシウムなどを除去して、表示板貝部材24の表面が、平滑に磨かれた光沢面となるので、従来にない、光沢面を有し、立体的で、自然な風合いで、高級感があふれ、デザインバリエーションの拡大が図れる模様が得られる。
さらに、このような洗浄工程を実施しないで、表示板貝部材24の熱加工の際に、模様26の周囲などに形成された、粉状の炭酸カルシウムをそのままにして、表示板貝部材24の上面に、透明樹脂を塗装して塗膜、この塗膜の上面を平滑に研磨するようにしてもよい。
これにより、模様26の周囲などに形成された、粉状の炭酸カルシウムが、例えば、房
状に形成した状態となるので、新たな斬新な模様を形成することができる。
このような透明樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、透明なウレタン樹脂、ポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂などの樹脂を採用することができる。
(実施例2)
図6は、本発明の表示板の第2の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10は、図1に示したと基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する(以下の実施例においても同様である)。
この実施例の表示板10では、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、着色層36を備えている。
この場合、着色層36としては、図6に示したように、表示板貝部材24の上面24aの全面に形成しても良いが、図示しないが、表示板貝部材24の模様26が形成された部分のみ、または、表示板貝部材24の模様26が形成されていない部分のみに形成するようにしてもよい。
この場合、着色層36としては、印刷膜、塗装膜、または、金属膜から選択した少なくとも1種以上の着色層から形成するのが望ましい。
例えば、インキを使用して、スクリーン印刷などの印刷方法で形成した印刷膜、塗料を用いて塗装方法で形成した塗装膜、または、金属膜からなる着色層を形成すればよい。
このように、表示板貝部材24の表面に、着色層36を備えることによって、色調の異なった模様を形成することができ、デザインバリエーションの拡大を図ることができる。また、着色層を形成することにより、表示板を容易にカラー化することができ、装飾性と機能性が高められ、デザインバリエーションの拡大が図れる。
さらに、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合に、表示板10の下方に配置されたソーラセル8の境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
なお、この実施例では、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、着色層36を備えているが、図7に示したように、着色層36を、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aと反対側の表面、すなわち、下面24bに形成することも可能である。
なお、図6、図7の実施例の場合にも、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
(実施例3)
図8は、本発明の表示板の第3の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10では、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、光拡散層38を備えている。
この場合、光拡散層38としては、図8に示したように、表示板貝部材24の上面24aの全面に形成しても良いが、図示しないが、表示板貝部材24の模様26が形成された部分のみ、または、表示板貝部材24の模様26が形成されていない部分のみに形成するようにしてもよい。
この場合、光拡散層38としては、微小な凹凸表面を有する透明な樹脂、透明なアクリル樹脂やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂に、酸化シリコン粉末などの拡散粒子を分散させた塗膜などを拡散層として用いることができる。
このように表示板貝部材の表面に光拡散層が形成されているので、表示板貝部材の表面によって反射された光によって、表示板貝部材の表面が輝いた状態となるので、デザインバリエーションの拡大を実現することができる。
しかも、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合に、ソーラセルからの反射光を拡散させて、表示板の下方に配置されたソーラセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラセルの色調が視認されないようにすることができる。
さらに、光拡散層を設けることによって、ソーラセルからの反射光を、再び拡散してソーラセルへ反射させたり、ソーラセルへの入射光を拡散させて、広範囲に入射させたりして、効率良く光りをソーラセルに導くことができ、確実に、ソーラセル機器として機能させることができる。
なお、この実施例では、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、光拡散層38を備えているが、図9に示したように、光拡散層38を、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aと反対側の表面、すなわち、下面24bに形成することも可能である。
なお、図8、図9の実施例の場合にも、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
(実施例5)
図10は、本発明の表示板の第5の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10では、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、着色層36、光拡散層38を形成している。
この場合、着色層36、光拡散層38の積層順は、逆に、すなわち、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aに、光拡散層38、着色層36を順に積層することも可能である。
なお、この実施例の場合にも、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
(実施例6)
図11は、本発明の表示板の第6の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10では、図11に示したように、表示板貝部材24の上面だけでなく、表示板貝部材24の下面24bにも模様26が形成されている。
この場合、図12に示したように、表示板貝部材24の両面に熱加工により形成した模様26が、重なり合わないように形成されていてもよい。
なお、図12、図13では、理解の容易のために、模様26を、模様層として示しているが、図1の実施例の模様26のように、凹部28、貫通孔30から構成されるものである。
このように構成することによって、表示板貝部材24の両面に熱加工により形成した模様26が、重なり合わないので、表示板貝部材24の両面に形成した模様の組み合わせにより、表示板貝部材24の一方の表面から見た場合に、表示板貝部材24の両面に形成した模様によって、従来にない斬新なデザインの表示板を提供することができる。
また、図13に示したように、表示板貝部材24の両面に熱加工により形成した模様26が、少なくとも部分的に重なり合うように形成されていてもよい。
このように構成することによって、表示板貝部材24の両面に熱加工により形成した模様26が、少なくとも部分的に重なり合うので、表示板貝部材24の両面に形成した模様26の組み合わせにより、表示板貝部材の一方の表面から見た場合に、表示板貝部材の両面に形成した模様26、ならびに、部分的に重なり合った模様26によって、従来にない斬新なデザインの表示板を提供することができる。
(実施例7)
図14は、本発明の表示板の第7の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10では、表示板10が、表示板貝部材24と表示板貝部材24を支持する基板40を備えている。
このように構成することによって、脆性材料である貝からなる表示板貝部材24が、基板40によって支持されているので機械的強度が増大し、特に、ソーラ腕時計の表示板として用いる場合に、貝の厚さが薄くなっても、組み込み作業、振動などによっても破損損傷することがない。
この場合、表示板貝部材24と基板40の合計の表示板10の厚さとしては、100μm〜1100μm、好ましくは、200μm〜700μmとするのが望ましい。
表示板10の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、腕時計用の表示板として用いる場合に、時計を薄くするために、表示板の厚さを薄くしても機械的強度が低下することなく、加工することができる。また、表示板の厚さが厚すぎて、時計の針が揺動することなく、正確な時間を指示することができるとともに、時計自体の厚さをコンパクトにすることができる。
この場合、表示板貝部材24を支持する基板40としては、樹脂、貴石、金属、木から選択した少なくとも1種の基板であるのが望ましい。
このように、表示板貝部材24を支持する基板40が、樹脂、貴石、金属、木から構成することによって、脆性材料である貝からなる表示板貝部材24が、このような基板40によって支持されているので機械的強度が増大し、特に、ソーラ腕時計の表示板として用いる場合に、貝の厚さが薄くなっても、組み込み作業、振動などによっても破損損傷することがない。また、基板40をこのような材料から構成することによって、デザインバリエーションの拡大が図れる。
なお、この実施例の場合にも、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
また、この実施例の場合にも、実施例2〜5のように、表示板貝部材24に対して、両面に模様26を形成したり、着色層36、光拡散層38を設けることも可能である。
さらに、この基板40にも、実施例2〜5のように、機械加工、化学エッチング方法、レーザー、ヒーター等の熱加工などを用いて、模様を形成したり、着色層36、光拡散層38を設けることも可能である。
(実施例8)
図15は、本発明の表示板の第8の実施例の要部断面図である。
この実施例の表示板10では、表示板10が、表示板貝部材24と表示板貝部材24を支持する基板40とで構成されている。そして、基板40の上面40aに嵌着孔42が形成され、この嵌着孔42内に表示板貝部材24が嵌着されている。
なお、図15では、理解の容易のために、模様26を、模様層として示しているが、図1の実施例の模様26のように、凹部28、貫通孔30から構成されるものである。
この場合、嵌着孔42内への表示板貝部材24の固定は、嵌め合わせ、接着剤による固定など適宜選択することができる。
このように構成することによって、表示板貝部材24を支持する基板40が、表示板10の少なくとも一方の表面に露出した状態である。
従って、表示板貝部材24を支持する基板40が、表示板20の少なくとも一方の表面に露出した状態であれば、露出する基板40と表示板貝部材24との組み合わせによって、デザインバリエーションの拡大が図れる。
なお、この実施例の場合にも、ソーラ時計用表示板として用いる場合に、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8と反対側(すなわち、文字板面側)に配置したが、表示板貝部材24の模様26が形成された上面24aを、ソーラセル8側に配置することも可能である。
また、この実施例の場合にも、実施例2〜5のように、表示板貝部材24に対して、両面に模様26を形成したり、着色層36、光拡散層38を設けることも可能である。
さらに、この基板40にも、実施例2〜5のように、機械加工、化学エッチング方法などを用いて、模様を形成したり、着色層36、光拡散層38を設けることも可能である。
なお、YAGレーザーの場合には、表示板貝部材24を貫通してしまうことがあるが、その場合には、表示板貝部材24の下方に補助板部材として基板40を設けて、この補助部材がレーザー光の照射によって発熱した熱によって、間接的に表示板貝部材24を加熱するようにすればよい。
以上、本発明の実施例について説明したが、表示板貝部材24の表面に、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石から選択した少なくとも1種の光透過性層を備えていてもよい。
このように構成することによって、表示板貝部材24の表面に、光透過性で表面が平滑な樹脂層、ガラス層、貴石からなる光透過性層を備えているので、デザインバリエーションの拡大を実現することができるとともに、ソーラセル機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができる。
また、表示板貝部材24の熱加工により形成した模様26の部分以外の表面に、凹凸模様が形成されていてもよい。
このように構成することによって、模様部分と凹凸模様とが組み合わされて、従来にない斬新なデザインの表示板を提供することができる。
この場合、凹凸模様としては、旭光模様、目付け模様、梨地模様、格子模様、ストライプ模様、ピアジェカット模様、編目模様、サークル模様から選択した少なくとも1種の凹
凸模様とするのが望ましい。
このように、凹凸模様が、旭光模様、目付け模様、梨地模様、格子模様、ストライプ模様、ピアジェカット模様、編目模様、サークル模様から構成することによって、デザインバリエーションの拡大が図れる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、本発明の機器類の表示板を、ソーラセル機器用表示板、ずなわち、ソーラ時計用の表示板として用いた場合について説明したが、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの表示板に用いられることもできるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図1は、本発明の機器類の表示板をソーラ時計に組み込んだソーラ時計の平面図である。 図2は、図1における要部断面図である。 図3は、本発明の表示板の第1の実施例の要部断面図である。 図4は、本発明の表示板の模式的な部分拡大上面図である。 図5は、本発明の表示板の部分拡大上面顕微鏡写真である。 図6は、本発明の表示板の第2の実施例の要部断面図である。 図7は、本発明の表示板の別の実施例の要部断面図である。 図8は、本発明の表示板の第3の実施例の要部断面図である。 図9は、本発明の表示板の別の実施例の要部断面図である。 図10は、本発明の表示板の第5の実施例の要部断面図である。 図11は、本発明の表示板の第6の実施例の要部断面図である。 図12は、本発明の表示板の別の実施例の要部断面図である。 図13は、本発明の表示板の別の実施例の要部断面図である。 図14は、本発明の表示板の第7の実施例の要部断面図である。 図15は、本発明の表示板の第8の実施例の要部断面図である。 図16は、従来の貝からなる積層体の斜視図である。
符号の説明
1 ソーラ時計
2 中枠
3 バンド
4 ムーブメント
6 ケース
8 ソーラセル
10 表示板
12 指標
14 指針
16 カバーガラス
18 裏蓋
20 表示板
22 リューズ
24 表示板貝部材
24a 上面
24b 下面
26 模様
28 凹部
30 貫通孔
32 側部
34 突出溝部
36 着色層
38 光拡散層
40 基板
40a 上面
42 嵌着孔
100 積層体
102 板状殻下層
104 裏当材層
106 接着層
108 U字形状切込溝

Claims (3)

  1. からなる表示板貝部材を備え、
    前記表示板貝部材の表面に、レーザー加工による凹部が形成され、
    前記凹部の側部には、レーザーの走査線方向に、とげ状の突出溝部を有する模様が形成されていることを特徴とする時計用表示板。
  2. 前記表示板貝部材の下面に、前記表示板貝部材を支持する基板を備えることを特徴とする請求項1に記載の機器類の時計用表示板。
  3. 前記表示板貝部材の表面が、平滑に磨かれた光沢面を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の時計用表示板。
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