JP4919900B2 - 電子制御ユニットの診断装置 - Google Patents
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Description
本発明に係る電子制御ユニットの診断装置は、マイクロコンピュータを備える電子制御ユニットに対して診断用データの出力を促すための指令信号を発生させるとともに、電子制御ユニットにより出力された診断用データに基づいて、ソフトウェアデータの書換えの有無に応じた制御信号を発生させ、ソフトウェアデータの書換えの有無の作業者又は運転者による認識を促すものである。ここで、電子制御ユニットは、前記マイクロコンピュータにより実行される制御ソフトウェアに関して設定されたソフトウェアデータを記憶する記憶装置を備え、ソフトウェアデータは、診断用データとしてソフトウェアデータの、異なる制御対象機種間で共通に設定されるダミーデータから機種毎に適合された機種毎適合データへの書換えがなされたか否かを示すフラブを含み、診断用データは、ソフトウェアデータの書換えに際して変更されるものである。
図1は、本発明の一実施形態に係るソフトウェアデータの書換えの流れを、電子制御ユニットの流通に即して示している。
本実施形態では、車両用のディーゼルエンジンにおける排気浄化システムを制御対象とし、電子制御ユニットとして排気浄化制御用の電子制御ユニット(以下「排気浄化制御ユニット」という。)を採用している。また、制御ソフトウェアを実行する「マイクロコンピュータ」としての機能と、ソフトウェアデータの書換えの有無を診断する「診断装置」としての機能とを、この排気浄化制御ユニットに持たせている。
エンジンの排気通路101には、上流側から酸化触媒102、NOx浄化触媒103及びアンモニア浄化触媒104が設置されており、図示しないエンジンから排出された燃焼後の排気は、これらの触媒102〜104をこの順に通過してNOx等の有害成分が浄化された後、大気中に放出される。NOx浄化触媒103の上流側には、排気中に尿素水を噴射するための尿素水噴射ノズル151が設置されている。噴射される尿素水は、尿素水タンク152に液体の状態で貯蔵されており、尿素水供給ポンプ153により尿素水供給管154に吸い上げられる。吸い上げられた尿素水は、尿素水供給管154を介して尿素水添加ユニット155に供給され、この尿素水添加ユニット155内で圧縮空気と混合された後、尿素水噴射ノズル151により排気中に噴射される。尿素水供給ポンプ153により吸い上げられた尿素水のうち、規定の圧力を超える余剰分は、尿素水戻し管156を介して尿素水タンク152に戻される。圧縮空気は、図示しないエアタンクから、空気供給管156を介して尿素水添加ユニット155に供給される。排気中に噴射された尿素水に含まれる尿素が排気熱により加水分解を生じ、還元剤であるアンモニアを発生させる。排気中のNOx(窒素酸化物)がこのアンモニアによりNOx浄化触媒103上で還元反応を生じ、浄化される。
図3は、本実施形態に係る排気浄化制御ユニット201の構成を示している。
排気浄化制御ユニット201は、制御ソフトウェアを実行して、排気浄化制御に関する演算を行うマイクロコンピュータからなる中央演算装置(以下「CPU」という。)211、空気圧力センサ251等の各種のセンサからの検出信号及びエンジン制御ユニット301からの制御情報を受信する入力回路212、CPU211による演算結果に応じた制御信号をポンプモジュール153、ランプユニット401及び各種のアクチュエータ、ならびにエンジン制御ユニット301に送信する出力回路213、ならびに制御ソフトウェアに関して設定されたソフトウェアデータを記憶させるための不揮発性の記憶装置(EEPROM)214を含んで構成される。また、本実施形態では、EEPROM214以外に他の記憶装置(図示せず。)を設け、この記憶装置に制御ソフトウェアを記憶させることとしている。各種のセンサ及びエンジン制御ユニット301から入力回路212への受信、ならびに出力回路213からポンプモジュール153及びランプユニット401等、ならびにエンジン制御ユニット301への送信は、コネクタ215を介してなされる。
圧縮空気圧力判定値SLp等のソフトウェアデータは、EEPROM214に設けられた所定のアドレス(「第1の記憶領域」に相当する。)ADR2,ADR3,・・・に書き込まれ、記憶される。他方、ソフトウェアデータの書換えの有無を示すための診断用データは、書換診断フラグFrwtとして、ソフトウェアデータのためのアドレスとは別個に設けられた専用のアドレス(「第2の記憶領域」に相当する。)ADR1に書き込まれ、記憶される。本実施形態において、書換診断フラグFrwtは、ソフトウェアデータとしてダミーデータが記憶されている場合は、1に、機種毎適合データが記憶されている場合は、0に設定される。書換診断フラグFrwtの1から0への変更は、工場等におけるソフトウェアデータの書換えに際し、必要な書換えが完了したことを条件としてなされる。
本実施形態に係るランプ制御は、ランプユニット401のデータ書換警告ランプを点灯させる通常モードでの制御と、これを所定の周期(たとえば、1秒)で点滅させる点滅モードでの制御とに大別される。モード切換スイッチB103により、書換診断フラグFrwtに基づいてランプユニット401(データ書換警告ランプ)の作動モードを、通常モード(「第2のモード」に相当する。)と点滅モード(「第1のモード」に相当する。)との間で切り換える。
S101では、キースイッチからの信号に基づいて、排気浄化制御ユニット201に関する電源スイッチがオンされたか否かを判定する。オンされた場合にのみ、S102へ進む。
S102では、書換診断フラグFrwtを読み込む。
S104では、ソフトウェアデータの書換えがなされているとして、通常モードでの制御を選択し、ランプユニット401のデータ書換警告ランプを点灯させる。
S105では、ソフトウェアデータの書換えがなされていないとして、点滅モードでの制御を選択し、データ書換警告ランプを所定の周期で点滅させる。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
本実施形態では、ソフトウェアデータの書換えに際し、これに付随して変更される書換診断フラグFrwtを設定し、ソフトウェアデータとしてダミーデータが記憶されている場合と、機種毎適合データが記憶されている場合とでこの書換診断フラグFrwtを異なる値に切り換え、書換診断フラグFrwtに基づいてソフトウェアデータの書換えがなされたか否かを判定し、ランプユニット401を異なるモードで作動させることとした。これにより、ソフトウェアデータの書換えがなされていないことの作業者等の認識を容易なものとし、不適切な排気浄化制御による運転を回避することができる。
Claims (7)
- マイクロコンピュータを備える電子制御ユニットに対して診断用データの出力を促すための指令信号を発生させる手段であって、
前記電子制御ユニットは、前記マイクロコンピュータにより実行される制御ソフトウェアに関して設定されたソフトウェアデータを記憶する記憶装置を備え、
前記ソフトウェアデータは、前記診断用データとして前記ソフトウェアデータの、異なる制御対象機種間で共通に設定されるダミーデータから機種毎に適合された機種毎適合データへの書換えがなされたか否かを示すフラグを含み、
前記診断用データは、前記ソフトウェアデータの書換えに際して変更される、出力指令手段と、
前記電子制御ユニットにより出力された診断用データに基づいて、前記ソフトウェアデータの書換えの有無に応じた制御信号を発生させる制御手段と、
前記制御手段により出力された制御信号に基づいて作動して、前記ソフトウェアデータの書換えの有無の作業者又は運転者による認識を促す手段と、
を含んで構成される電子制御ユニットの診断装置。 - 前記認識を促す手段は、前記制御手段により出力された制御信号に基づいて作動して、前記ソフトウェアデータの書換えの有無に応じた診断情報を表示する情報表示手段を含んで構成される請求項1に記載の電子制御ユニットの診断装置。
- 前記情報表示手段は、前記制御信号に基づいて、前記変更前の診断用データに対しては点滅し、前記変更後の診断用データに対しては点灯するように動作可能に構成されたランプユニットを含んで構成される請求項2に記載の電子制御ユニットの診断装置。
- 前記電子制御ユニットは、車両用のエンジンに関して設けられる電子制御ユニットであり、
前記制御手段は、前記エンジンに関する電源スイッチのオン操作に応答して、前記制御信号を発生させる請求項1〜3のいずれかに記載の電子制御ユニットの診断装置。 - 前記制御ソフトウェアは、エンジンの排気浄化制御に関するソフトウェアである請求項1〜4のいずれかに記載の電子制御ユニットの診断装置。
- 前記制御ソフトウェアを実行するためのマイクロコンピュータと、
前記ソフトウェアデータを書換可能に記憶するための第1の記憶領域と、前記ソフトウェアデータの書換えに際して変更される前記診断用データを、このソフトウェアデータに関連させて記憶するための第2の記憶領域とが設けられた記憶装置と、
請求項1〜5のいずれかに記載の診断装置であって、前記第2の記憶領域に記憶されている前記診断用データに基づいて、前記ソフトウェアデータの書換えの有無を診断する診断装置と、を含んで構成される電子制御ユニット。 - マイクロコンピュータにより実行される制御ソフトウェアに関して設定されたソフトウェアデータを、作業者又は運転者によりその書換えの有無を認識可能に書き換える方法であって、
前記制御ソフトウェアの導入に際し、前記ソフトウェアデータとして異なる制御対象機種間で共通に設定されるダミーデータを記憶させるとともに、前記ソフトウェアデータに関連させて診断用の第1のデータを記憶させるステップであって、前記第1のデータは、前記ソフトウェアデータの書換えがなされていないことを示すフラグを含むステップと、
前記ソフトウェアデータの書換えに際し、前記ソフトウェアデータを、前記ダミーデータから機種毎に適合された書換後の機種毎適合データに更新するとともに、前記第1のデータをこれとは異なる第2のデータに変更し、前記フラグを解除するステップと、
前記ソフトウェアデータの書換えの有無の、作業者又は運転者による認識を促すための装置を作動させるステップであって、記憶されている診断用データを読み取り、前記診断用データとして第1のデータが記憶されている前記ソフトウェアデータの書換前の場合においては、前記装置を第1のモードで作動させる一方、前記第2のデータが記憶されている前記ソフトウェアデータの書換後の場合においては、前記装置を前記第1のモードとは異なる第2のモードで作動させるステップと、
を含んで構成されるソフトウェアデータの書換方法。
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