JP4919408B2 - 放射線画像処理方法および装置ならびにプログラム - Google Patents

放射線画像処理方法および装置ならびにプログラム Download PDF

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本発明は、被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像を得る放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムに関するものである。
従来より、医療用の放射線撮影等においては、互いにエネルギ分布が異なる放射線を用いた被写体の放射線撮影により高圧画像と低圧画像を得、上記高圧画像と低圧画像との加重減算処理により被写体中の特定の放射線吸収特性を示す部位、例えば生体組織の骨部や軟部を強調して表すエネルギサブトラクション画像を得る手法が知られている(特許文献1参照)。このエネルギサブトラクション画像は上記高圧画像と低圧画像との差に基づいて形成された画像である。
上記高圧画像と低圧画像とを得る放射線撮影としては、例えば、放射線源の管電圧を違えて発生させた2種類の互いにエネルギ分布の異なる放射線それぞれを、互に異なるタイミングで合計2度、被写体へ照射して上記高圧画像と低圧画像とを得る2ショット放射線撮影法、あるいは、被写体への1度の放射線照射によって、銅板を間に挟んで配された2枚の蓄積性蛍光体シートに上記被写体の高圧画像と低圧画像それぞれを同時に記録する1ショット放射線撮影法等が知られている。
上記高圧画像と低圧画像とを用いて形成されるエネルギサブトラクション画像は、通常の放射線撮影法(以後、単純放射線撮影法という)によって得られる放射線画像(以後、単純放射線画像ともいう)よりも上記特定の部位を強調できる点では優れているが、より多くのノイズを含む画像となる。なお、上記単純放射線撮影法は、互いにエネルギ分布の異なる複数種類の放射線を用いることなく、被写体に対し1種類の放射線を1度照射する放射線撮影により上記被写体の放射線画像を取得するものである。
上記エネルギサブトラクション画像に生じるノイズは、主に、上記高圧画像や低圧画像を取得するときに照射する放射線の線量の不足に起因している。
すなわち、医療用放射線撮影等においては放射線撮影に使用する放射線の線量を少なくして患者への負担を軽減することが望まれている。例えば、通常の放射線撮影が2回必要な放射線撮影(2ショット放射線撮影法)において上記2回の放射線撮影うちのいずれか1回において十分な線量が用いられなかったり、銅板での放射線の吸収により線量を減衰させた放射線撮影(1ショット放射線撮影法)で得られた放射線像画像(高圧画像や低圧画像)を用いて作成されるエネルギサブトラクション画像は、上記単純放射線撮影法によって得られる単純放射線像画像よりも画像品質が劣化する。
上記1ショット放射線撮影法、2ショット放射線撮影法のいずれにおいても、その放射線撮影で被写体へ照射する放射線の線量を少なくすることが求められているが、上記のように放射線撮影において被写体へ照射する放射線の線量を少なくしようとするとこの放射線撮影で得られる放射線画像中に生じるノイズの量が多くなり画像品質が劣化する。
一方、単純放射線撮影で得られた1枚の放射線画像から被写体の骨部を表す成分を推定し、複数の放射線画像の加重減算処理を行うことなく被写体中の骨部を強調して表す放射線画像を形成する手法が知られている。この手法は、互いにエネルギ分布の異なる放射線を用いた放射線撮影を行うことなく、上記エネルギサブトラクション画像である骨部画像に類似した画像を得ようとするものである。
より具体的には、この手法は以下の手順によって上記骨部画像に類似した画像を得ようとするものである。
すなわち、予め、被写体となる人体胸部の放射線撮影で得られた骨部が強調された教師用の放射線画像を形成しておく。そして、上記被写体と同種の被写体である人体胸部を表す学習用の単純放射線画像が入力されたときに、上記教師用放射線画像を教師とした放射線画像、すなわち骨部が強調された放射線画像が出力されるように学習を繰り返して教師学習済フィルタ(人口ニューラルネットワーク(ANN)を利用したフィルタ)を作成する。その後、上記被写体と同種の診断対象となる人体胸部の単純放射線画像を上記教師学習済フィルタに入力して、骨部が強調された上記人体胸部の診断用の放射線画像を得ようとするものである(特許文献2参照)。
特開平3−285475号公報 米国特許公開第2005/0100208A1号明細書
しかしながら、上記教師学習済フィルタを利用した方式は、被写体中の骨部を推定する信頼性が十分とは言えず、上記強調された骨部を表す画像中に上記被写体中の軟部を表す画像成分が偽画像として現われてしまうことがある。
すなわち、上記のように被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像を作成しようとすると、この放射線画像中に偽画像が発生して画質が劣化することがある。そのため、ノイズや偽画像の発生等による画質劣化が抑制され、かつ、被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像が得られるようにしたいという要請がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の第1の放射線画像処理方法は、複数の同種の被写体毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに該高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成された1種類以上のエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうち、(i)高圧画像および低圧画像、(ii)高圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iii)低圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iv)エネルギサブトラクション画像のみの(i)から(iv)のいずれかからなる入力用放射線画像を用意し、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を前記各被写体毎に用意し、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対して、画質劣化が補償され、かつ、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、該被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、その後、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成することを特徴とするものである。
前記教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量は、前記入力用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量よりも大きくすることが望ましい。
前記教師用放射線画像は、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成された、いわゆるエネルギサブトラクション画像とすることができる。
前記特定の部位は、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位とすることができる。
前記被写体を生体組織とし、前記特定の部位をこの生体組織の骨部あるいは軟部とすることができる。
前記特定の部位は、前記高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の位置が変化した部位とすることができる。
前記特定の部位を骨部とし、前記放射線画像処理方法により形成された、前記画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記骨部が強調されてなるこの被写体の放射線画像を、その被写体を表す高圧画像あるいは低圧画像から差し引いて前記被写体の軟部画像を作成することができる。
前記特定の部位をノイズとし、前記放射線画像処理方法により形成された、前記画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記ノイズが強調されてなるこの被写体の放射線画像を、その被写体を表す骨部画像あるいは軟部画像から差し引いて放射線画像を作成するようにしてもよい。
前記特定の部位を、前記高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の位置が変化した部位とし、前記放射線画像処理方法により形成された、前記画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を前記被写体を表す骨部画像あるいは軟部画像から差し引いて、前記骨部画像あるいは軟部画像に生じたモーションアーチファクト成分を除去することもできる。
前記教師学習済フィルタは、前記教師学習済フィルタを取得するための学習および前記与えられた被写体に対する放射線画像の形成を互に異なる複数の空間周波数帯域毎に行い、各空間周波数帯域毎に形成された前記放射線画像のそれぞれを合成して1つの放射線画像を得るものとすることができる。
本発明の第2の放射線画像処理方法は、複数の同種の被写体毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた2種類以上(例えば3種類)の放射線画像からなる入力用放射線画像を用意し、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を前記各被写体毎に用意し、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、画質劣化が補償され、かつ、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、その後、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなるこの被写体の放射線画像を形成することを特徴とするものである。
本発明の放射線画像処理装置は、複数の同種の被写体毎の互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに該高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成された1種類以上のエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうち、(i)高圧画像および低圧画像、(ii)高圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iii)低圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iv)エネルギサブトラクション画像のみの(i)から(iv)のいずれかからなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す前記各被写体毎の教師用放射線画像とを用いて、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、画質劣化が補償され、かつ、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得るフィルタ取得手段と、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する同種画像作成手段と、前記放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなるこの被写体の放射線画像を形成する部位強調画像形成手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明のプログラムは、複数の同種の被写体毎の互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに該高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成された1種類以上のエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうち、(i)高圧画像および低圧画像、(ii)高圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iii)低圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iv)エネルギサブトラクション画像のみの(i)から(iv)のいずれかからなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す前記各被写体毎の教師用放射線画像とを用いて、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、画質劣化が補償され、かつ、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得る手順と、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する手順と、前記放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する手順とを実行する放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。
前記同種の被写体とは、例えば、大きさ、形状、構造、および各部位の放射線吸収特性が略等しい被写体を意味するものである。例えば人体であれば同じ部位であり、互に異なる成人男性の胸部は同種の被写体である。また、互に異なる成人女性の腹部、あるいは互に異なる子供の頭部等も同種の被写体である。また、例えば、工業製品であれば、大きさ、形状、構造、材質等が略等しい被写体を意味するものである。さらに、例えば、同種の被写体は、互に異なる成人男性の胸部の一部分(例えば、胸部中の首に近い側の1/3の部位)等としてもよい。また、同種の被写体は、同一被写体中の互に異なる小領域とすることができる。
前記「与えられた被写体について、入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する」とは、与えられた被写体に対し、上記入力用放射線画像を得る際の処理と同様の処理を施して上記与えられた被写体についての放射線画像を作成することを意味する。すなわち、例えば、入力用放射線画像を取得するときと同等の撮影条件で上記与えられた被写体の放射線撮影を行い、この放射線撮影で得られた放射線画像に対し、上記入力用放射線画像を取得するときと同等の画像処理を施して上記与えられた被写体の放射線画像を作成することができる。
前記特定の部位の強調は、特定の部位を他の部位より目立つように表す場合に限らず、特定の部位のみを表すようにしてもよい。
本発明の第1および第2の放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムは、入力用放射線画像を対象とし、被写体中における特定の部位が強調されてなる上記被写体の放射線画像が出力されるように、教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、その後、与えられた被写体について、入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、その放射線画像を教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる放射線画像を形成するようにしたので、被写体へ照射する放射線の線量を増大させることなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
すなわち、与えられた被写体について入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成するときに生じるノイズについては、上記教師学習済フィルタを、入力用放射線画像よりもノイズの発生が抑制された教師用放射線画像を教師として学習させたものとすることができるので、上記入力用放射線画像と同種の放射線画像を上記教師学習済フィルタへ通すことにより上記放射線画像中に生じたノイズを補償することができる。
また、教師学習済フィルタを通すことにより上記特定の部位に生じていた偽画像については、従来のように教師学習済フィルタへ入力する画像を単純放射線画像のみとせず、上記高圧画像と低圧画像の両画像を用いて形成された画像を教師学習済フィルタへ入力する画像としたので、特定の部位と他の部位とをより正確に区別することができ上記偽画像の発生を抑制することができる。
すなわち、従来の単純放射線画像を教師学習済フィルタへ入力させる方式では、被写体中の特定の部位を推定する信頼性が不十分なため上記偽画像が生じていた。一方、本発明では、教師学習済フィルタへ、上記高圧画像と低圧画像の両画像を用いて形成された画像を入力するので、上記単純放射線画像のみの入力に比して、被写体中の特定の部位と他の部位とを区別するためのより多くの画像情報を利用することができる。したがって、教師学習済フィルタにより上記特定の部位を推定する信頼性を高めることができ、これにより上記与えられた被写体の放射線画像中に生じた偽画像をも補償することができる。
上記のことにより、与えられた被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、画質劣化が補償され、かつ、上記被写体中の特定の部位が強調された放射線画像を作成することができ、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
また、教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量を、入力用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量よりも大きくすれば、より確実に、上記教師用放射線画像を、入力用放射線画像よりも画質劣化が少ないものとすることができ、これにより、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
また、特定の部位を、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位とすれば、より確実に、被写体中の特定の部位と他の部位とを区別すことができ、より正確に被写体中の特定の部位を強調してなる放射線画像を形成することができる。
以下、本発明の放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムについて説明する。本発明の第1の実施の形態による放射線画像処理方法は、入力用放射線画像として、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を採用したものである。図1は上記第1の実施の形態による放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図、図2は上記教師学習済フィルタを用いて診断用の放射線画像を取得する放射線画像処理方法の手順を示す図である。なお、図中の斜線部は画像あるいは画像を表す画像データを示している。
図1に示すように、はじめに、複数の同種の被写体1Pα、1Pβ・・・(以後、まとめて被写体1Pともいう)毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影10で得られた高圧画像11Hおよび低圧画像11Lからなる入力用放射線画像11を用意する。また、上記各被写体1Pそれぞれの放射線撮影30により得られた、上記各被写体1Pの入力用放射線画像11である高圧画像11Hおよび低圧画像11Lのいずれよりも画質劣化が少なく、かつ、上記各被写体1P中の特定の部位Pxを強調して表す教師用放射線画像33を各被写体1P毎に用意する。そして、各被写体1P毎に、上記入力用放射線画像11を対象とし、上記教師用放射線画像33を教師として学習させた教師学習済フィルタ40を得る。
すなわち、上記教師学習済フィルタ40は、用意された入力用放射線画像11と教師用放射線画像33とを用い、上記被写体1Pα、1Pβ・・・毎に作成された入力用放射線画像11それぞれが入力されたときに、上記入力用放射線画像11に生じた画質劣化が補償され、かつ各被写体1P中の特定の部位Pxを強調して表す各被写体1Pそれぞれの放射線像を表す放射線画像50が出力されるように、上記各被写体1Pに対応する教師用放射線画像33を規範として学習させることによって得られるものである。
より具体的には、上記教師学習済フィルタ40は、例えば、上記被写体1Paについて作成された入力用放射線画像11が入力されたときに、上記入力用放射線画像11に生じた画質劣化が補償され、かつ被写体1Pa中の特定の部位Pxを強調して表す被写体1Paの放射線像を表す放射線画像50が出力されるように、この被写体1Paを表す教師用放射線画像33を規範として学習させることによって得られるものである。
なお、上記教師学習済フィルタ40は、例えば、用意された数種類の各被写体(例えば3種類の被写体1Pα、1Pβ、1Pγ)に対応する入力用放射線画像11と教師用放射線画像33の組毎の学習によって得ることができる。
ここでは、上記被写体は生体組織とし、上記被写体中の特定の部位Pxは骨部とする。また、上記互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影には、2ショット放射線撮影法や、1ショット放射線撮影法を採用することができる。
上記教師用放射線画像33は、上記各入力用放射線画像11を作成する際の各被写体1Pそれぞれの放射線撮影10で使用した放射線の線量よりも大きな線量を使用た上記被写体1Pに対する放射線撮影30で得られた高圧画像31Hと低圧画像31Lの加重減算処理32、すなわちエネルギサブトラクション処理により形成したエネルギサブトラクション画像である骨部画像を示すものである。
ここでは、上記のように、教師用放射線画像33を作成する際の各被写体1Pに対する個別の放射線撮影30で使用する放射線の線量の総和は、入力用放射線画像11を作成する際の各被写体1Pに対する個別の放射線撮影10で使用する放射線の線量の総和より大きい。
図2に示すように、上記教師学習済フィルタ40を取得した後、診断対象となる上記被写体1Pと同種の与えられた1つの被写体3Pについて放射線撮影20を行い、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21を作成する。そして、上記放射線画像21を上記のようにして得られた教師学習済フィルタ40へ入力することにより、被写体3Pの放射線画像に生じた画質劣化が補償され、かつ、上記被写体3P中の特定の部位Pxが強調されてなる診断用放射線画像60を形成する。
なお、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21は、与えられた被写体3Pについて、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影20、すなわち放射線撮影10と略同様の撮影条件下での放射線撮影によって得られた高圧画像21Hおよび低圧画像21Lからなるものである。すなわち、入力用放射線画像11と放射線画像21とは、略同じ放射線エネルギ分布を有する略同じ線量の放射線を被写体に照射する放射線撮影によって得られたものである。
上記入力用放射線画像11と教師用放射線画像の作成に用いた各被写体1Pα、1Pβ・・・、および診断用放射線画像60を作成する際に与えられた被写体3Pのぞれぞれは互に同種の被写体である。すなわち、上記各被写体1Pα、1Pβ、・・・、3Pは、形状、構造、大きさ、および各部位の放射線吸収特性等が略等しい被写体である。例えば、上記同種の被写体1Pα、1Pβ、・・・、3Pを成人男性の胸部とすることができる。
上記のように、第1の実施の形態の放射線画像処理方法によれば、診断対象となる被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態による放射線画像処理方法について図面を用いて説明する。上記第2の実施の形態は、入力用放射線画像として、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成されたエネルギサブトラクション画像と上記高圧画像とを採用したものである。
図3は上記第2の実施の形態による放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図、図4は上記教師学習済フィルタを用いた上記放射線画像処理方法の手順を示す図である。
図3に示すように、上記第2の実施の形態による放射線画像処理方法は、はじめに、複数の同種の被写体である複数の成人女性の胸部1Qα,1Qβ・・・(以後、まとめて胸部1Qともいう)毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影14に基づいて作成した入力用放射線画像15を用意する。
すなわち、被写体である各胸部1Q毎に、高線量の放射線撮影14で得られたノイズの少ない高圧画像15Hおよび低線量の放射線撮影14で得られたノイズの多い低圧画像15Lを用いた加重減算処理16により形成された1種類のエネルギサブトラクション画像に対応するノイズを多く含む骨部画像15Kと上記高圧画像15Hの2種類の放射線画像からなる入力用放射線画像15を用意する。上記高線量の放射線撮影は大きな線量の放射線を被写体に照射する放射線撮影であり、上記低線量の放射線撮影は上記高線量よりも小さな線量の放射線を被写体に照射する放射線撮影である。
なお、上記骨部画像15Kは、胸部1Q中の特定の部位、すなわち胸部1Q中の特定の放射線吸収特性を示す部位である骨部Qxを主に表す画像である。
また、上記被写体となる各胸部1Qα,1Qβ・・・の放射線撮影35により得られた、上記高圧画像15Hおよび骨部画像15Kのいずれよりも画質劣化が少なく、かつ、上記被写体中の特定の放射線吸収特性を示す部位である骨部Qxを主に表す教師用放射線画像36を上記被写体となる各胸部1Qα,1Qβ・・・毎に用意する。
なお、上記骨部Qxを表す教師用被写体画像36は、例えば、上記入力用放射線画像15を作成したときの各胸部1Qα,1Qβ・・・毎の個別の放射線撮影において使用した放射線の線量よりも大きな線量を用いた上記各胸部1Qα,1Qβ・・・の放射線撮影35で得られた高圧画像と低圧画像との加重減算処理により形成することができる。
次に、上記骨部画像15Kと高圧画像15Hとからなる入力用放射線画像15を対象とし、上記教師用放射線画像36を教師として学習させた教師学習済フィルタ41を得る。
すなわち、上記教師学習済フィルタ41は、上記各胸部1Qα,1Qβ・・・毎の入力用放射線画像15である骨部画像15Kと高圧画像15Hそれぞれが入力されたときに、画質劣化が補償され、かつ上記胸部1Qα,1Qβ・・・中の特定の部位である骨部Qxを主に表す各胸部1Qα,1Qβ・・・の放射線画像51が出力されるように、上記教師用放射線画像36を教師として学習させることによって得られる。
ここで、上記教師学習済フィルタ41は、例えば、胸部1Qαの入力用放射線画像15が入力されたときに、画質劣化が補償され、かつ上記胸部1Qα中の特定の部位である骨部Qxを主に表す上記胸部1Qαの放射線画像51が出力されるように、上記上記胸部1Qαを表す教師用放射線画像36を教師として学習させることによって得られる。
上記教師学習済フィルタ41を取得した後、上記胸部1Qと同種の被写体である診断対象となる成人女性の胸部3Qについて、上記入力用放射線画像15と同種の放射線画像25を作成し、上記放射線画像25を教師学習済フィルタ41に入力して、画質劣化が補償され、かつ、上記診断対象となる胸部3Q中の特定の部位である骨部Qxを主に表す診断用放射線画像61を形成する。
なお、上記放射線画像25は、上記胸部3Qについて、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影24で得られた高線量の放射線撮影で得られたノイズの少ない高圧画像25Hと低線量の放射線撮影で得られたノイズの多い低圧画像25Lを用いた加重減算処理26により形成されたエネルギサブトラクション画像であるノイズを多く含む骨部画像25Kと上記高圧画像25Hとからなるものである。
なお、上記ノイズの少ない高圧画像15Hから上記ノイズの少ない骨部を主に表す診断用放射線画像61を差し引くことにより、第2の診断用放射線画像であるノイズの少ない軟部画像を作成することができる。
上記のように、第2の実施の形態によれば、被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
ここで、上記教師学習済フィルタ41について詳しく説明する。なお、下記のように1つの画像を互に異なる空間周波数帯域毎の複数の画像に変換し、変換された各画像毎に画像処理を施して各空間周波数帯域毎の複数の処理済画像を作成し、上記複数の処理済画像を合成して1つの処理済画像を得る手法としては、従来より知られている種々の手法を採用することができる。
図5は各空間周波数帯域毎に入力用放射線画像を教師学習済フィルタへ入力して診断用の放射線画像を得る様子を示す図、図6は学習により各空間周波数帯域毎の教師学習済フィルタを得る様子を示す図、図7は複数の空間周波数帯域からなる教師用の放射線画像を得る様子を示す図である。また、図13は画像合成フィルタにおいてアップサンプリングと加算を行う様子を示す図である。
ここでは、複数の同種の被写体毎の入力用放射線画像は、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに該高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成された1種類以上のエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうちから選択されたものである。ここで、上記入力用放射線画像は、互に異なる空間周波数帯域毎の複数の高圧画像と上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数のエネルギサブトラクション画像である複数の骨部画像とする。また、教師用放射線画像は、上記被写体と同種の被写体の放射線撮影により得られた、上記入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、上記被写体中の特定の部位を強調して表す上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の教師用放射線画像とする。
また、教師学習済フィルタは、上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の高圧画像と上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の骨部画像とからなる入力用放射線画像を対象とし、上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の教師用放射線画像を教師として学習させたものとする。
そして、上記被写体と同種の与えられた被写体について、上記入力用放射線画像と同種の上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を作成し、その互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を教師学習済フィルタに入力して、この教師学習済フィルタにより、画質劣化が補償され、かつ、与えられた被写体中の特定の部位が強調されてなる上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を形成する。そして、上記複数の放射線画像を合成して1つの放射線画像を作成するものとする。
すなわち、図5に示すように、上記教師学習済フィルタ41は、診断対象となる与えられた被写体3Qの高圧画像25H、骨部画像25Kそれぞれを、多重解像度変換して得られた互いに異なる空間周波数帯域毎の放射線画像の入力に基づいて、診断対象となる上記空間周波数帯域毎の複数の放射線画像61H、61M、61Lを作成し、上記作成された複数の放射線画像61H、61M、61Lを合成して診断用の放射線画像61を得るものである。
ここで、上記教師学習済フィルタ41は、高周波帯域教師学習済フィルタ41H、中周波帯域教師学習済フィルタ41M、低周波帯域教師学習済フィルタ41L、および画像合成フィルタ41T等から構成されたものである。
また、図6に示すように、上記教師学習済フィルタ41を作成するために用意された上記胸部1Qを表す各空間周波数帯域毎の教師用放射線画像36H、36M、36Lは、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す放射線画像36(骨部高解像度画像)を多重解像度変換して得られたものである。
また、上記教師学習済フィルタ41を作成するために用意された上記胸部1Qを表す各空間周波数帯域毎の放射線画像である骨部画像15KH、15KM、15KL、および高圧画像15HH、15HM、15HLのそれぞれも、上記教師用放射線画像36の場合と同様に、上記骨部画像15Kおよび高圧画像15Hそれぞれを多重解像度変換して得られたものである。
より具体的には、教師用放射線画像として、上記教師用放射線画像36を多重解像度変換して得られた各空間周波数帯域毎の以下の画像、すなわち、高周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用高周波帯域画像36Hという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用中周波帯域画像36Mという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用低周波帯域画像36Lという)を用意する。
また、骨部画像として、上記骨部画像15Kを多重解像度変換して得られた各空間周波数帯域毎の以下の画像、すなわち、高周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部高周波帯域画像15KHという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部周波帯域画像15KMという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部周波帯域画像15KLという)を用意する。
また、高圧画像として、上記高圧画像15Hを多重解像度変換して得られた各空間周波数帯域毎の以下の画像、すなわち、高周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧高周波帯域画像15HHという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧中周波帯域画像15HMという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧低周波帯域画像15HLという)から構成されるものである。
図7に示すように、例えば、上記高圧高周波帯域画像15HHは、上記高圧高解像度画像である高圧画像15H(高圧高解像度画像)とこの高圧画像15Hをダウンサンプリングして得られた高圧中解像度画像15H1とのアップサンプリングによって得られたものである。
上記ダウンサンプリングは、σ=1のガウシアンローパスフィルタと上記高圧画像15Hの1/2間引きとを行うものである。また、上記アップサンプリングは3次Bスプライン補間を利用して実施されるものである。
上記高圧中周波帯域画像15HMは、上記高圧高周波帯域画像15HHの場合と同様に、上記高圧中解像度画像15H1とこの高圧中解像度画像15H1をダウンサンプリングして得られた高圧低解像度画像15H2とのアップサンプリングによって得られたものである。
上記高圧低周波帯域画像15HLは、上記高圧高周波帯域画像15HHや高圧中周波帯域画像15HMを取得した場合と同様に、上記高圧低解像度画像15H2とこの高圧低解像度画像15H2をダウンサンプリングして得られた高圧極低解像度画像15H3とのアップサンプリングによって得られたものである。
そして、上記教師学習済フィルタ41は上記3つの空間周波数帯域毎に作成される。すなわち、上記各空間周波数帯域毎の学習によって上記高周波帯域教師学習済フィルタ41H、中周波帯域教師学習済フィルタ41M、および低周波帯域教師学習済フィルタ41Lが得られる。
以下、上記高周波帯域教師学習済フィルタ41Hを学習によって得る場合について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、骨部高周波帯域画像15KH、高圧高周波帯域画像15HH、および教師用高周波帯域画像36Hそれぞれについて互に対応する小領域部分である5画素×5画素(合計25画素)の矩形領域からなるサブウィンドウSwを設定する。
そして、骨部高周波帯域画像15KHと高圧高周波帯域画像15HHのサブウィンドウSwを構成するそれぞれ25画素の値からなる特徴量に対し、教師用高周波帯域画像36H中のサブウィンドウSwの中心画素の値を目標値とする学習用サンプルを取り出し、サブウィンドウを移動させつつ、複数の学習用サンプルを抽出する。これにより抽出された、例えば1万種類の学習用サンプルを学習させることによって、上記高周波帯域教師学習済フィルタ41Hを得る。
なお、高周波帯域画像51H、および後述する中周波帯域画像51M、低周波帯域画像71Lそれぞれは、上記教師用高周波帯域画像36H,教師用中周波帯域画像36M,教師用低周波帯域画像36Lの類似画像である。
上記高周波帯域教師学習済フィルタ41Hは、後述するサポートベクター回帰を用いた回帰モデルを学習してなるものである。この回帰モデルは、入力された骨部高周波帯域画像15KHの特徴量(上記25画素分で表される画像)と高圧高周波帯域画像15HHの特徴量(上記25画素分で表される画像)とに応じて、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す高周波帯域画像51Hを出力する高周波帯域の非線形フィルタである。
また、上記骨部中周波帯域画像15KM、高圧中周波帯域画像15HM、および教師用中周波帯域画像36Mを用いた上記と同様の学習により、上記中周波帯域用教師学習済フィルタ41Mが得られる。
さらに、上記骨部低周波帯域画像15KL、高圧低周波帯域画像15HL、および教師用低周波帯域画像36Lを用いた上記と同様の学習により、上記低周波帯域用教師学習済フィルタ41Lが得られる。
上記のように、回帰モデルの学習は各空間周波数帯域毎に実施され、上記教師学習済フィルタ41H、教師学習済フィルタ41M、教師学習済フィルタ41Lからなる教師学習済フィルタ41が得られる。
図5に示すように、上記のようにして作成された教師学習済フィルタ41には、診断対象となる与えられた上記成人女性の胸部3Qについて作成された、上記入力用放射線画像と15と同種の診断対象の放射線画像25である骨部画像25Kと高圧画像25Hそれぞれを多重解像度変換して得られた上記各空間周波数単位毎の放射線画像が入力される。
すなわち、骨部画像25Kを多重解像度変換してなる骨部高周波帯域画像25KH、骨部中周波帯域画像25KM、および骨部低周波帯域画像25KL、高圧画像25Hを多重変換してなる高圧高周波帯域画像25HH、高圧中周波帯域画像25HM、高圧低周波帯域画像25HLを上記教師学習済フィルタ41へ入力する。
そして、上記骨部画像25Kと高圧画像25Hそれぞれを多重解像度変換してなる上記各空間周波数帯域毎の画像が入力された上記教師学習済フィルタ41H、41M、41Lは、各空間周波数帯域毎に診断対象の放射線画像61H、61M、61Lを推定し、上記推定によって得られた放射線画像61H、61M、61Lを画像合成フィルタ41Tで合成して上記診断用放射線画像61を得る。
すなわち、高周波帯域用教師学習済フィルタ41Hに、骨部高周波帯域画像25KHと、高圧高周波帯域画像25HHが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す高周波帯域の診断用放射線画像61Hが形成される。
また、中周波帯域用教師学習済フィルタ41Mに、骨部中周波帯域画像25KMと、高圧中周波帯域高圧画像25HMが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す中周波帯域の診断用放射線画像61Mが形成される。
さらに、低周波帯域用教師学習済フィルタ41Lに、骨部低周波帯域画像25KLと、高圧低周波帯域画像25HLが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す低周波帯域の診断用放射線画像61Lが形成される。
そして、上記形成された高周波帯域の診断用放射線画像61H、中周波帯域の診断用放射線画像61M、および低周波帯域の診断用放射線画像61Lは上記画像合成フィルタ41Tによって合成されて上記診断用放射線画像61が作成される。
上記画像合成フィルタ41Tは図13に示すように、低周波帯域の診断用放射線画像61L、中周波帯域の診断用放射線画像61M、高周波帯域の診断用放射線画像61Hの順にアップサンプリングと加算を繰り返して上記診断用放射線画像61を得るものである。
すなわち、低周波帯域の診断用放射線画像61Lをアップサンプリングして得られた画像と中周波帯域の診断用放射線画像61Mとを加算した画像を得、その画像をアップサンプリングして得られた画像と高周波帯域の診断用放射線画像61Hとを加算して上記診断用放射線画像61が得られる。
上記のように、教師学習済フィルタは、互に異なる複数の空間周波数帯域毎における学習によって得られるものとすることができる。
上記回帰学習において入力される特徴量について以下に詳しく説明する。図8は上記特徴量を構成する領域の1例を示す図である。
上記特徴量は各空間周波数帯域毎の放射線画像における画素値そのものではなく、特別なフィルタ処理を施して得られたものでも良い。例えば、図8に示すような、特定の空間周波数帯域の放射線画像中の縦方向あるいは横方向に互に隣り合う3画素からなる領域U1あるいは領域U2の各画素値の平均値を新たな特徴量としてもよい。またウェーブレット変換を行い、ウェーブレット係数を特徴量に用いてもよい。また複数の周波数帯域に渡る画素を特徴量に用いても良い。
上記回帰学習において実施するコントラスト正規化について以下に説明する。
各空間周波数帯域毎の画像中に設定されたサブウィンドウSw(図6参照)に含まれる各画素の画素値について標準偏差を計算する。上記標準偏差が所定の目標値に一致するように帯域画像の画素値に係数を掛ける。
I' = I ×(C/SD)
ここで、Iは原画像の画素値、I'はコントラスト正規化後の画素値、SDはサブウィンドウSw内の画素値についての標準偏差、Cは標準偏差の目標値(上記Cは事前に設定する定数)である。
上記各放射線画像中の全領域を網羅するようにサブウィンドウSwの走査を行ない、各画像中に設定可能な全てのサブウィンドウSwについて上記標準偏差を目標値に近づけるように上記サブウィンドウSw中の画素値に所定の係数を乗じて正規化する。
上記正規化の結果、各空間周波数帯域毎の画像成分の振幅の大きさ(コントラスト)が揃う。これにより、上記教師学習済フィルタ41へ入力される各空間周波数帯域毎の放射線画像における画像パターンのバリエーションが減るので、上記骨部の推定精度を向上させる効果が得られる。
上記非線形フィルタである教師学習済フィルタを学習するステップでは、高圧画像に上記のコントラスト正規化処理を施し、乗算した係数を劣化のない骨部画像にも乗算する。正規化した高圧画像と骨部画像のペアから学習サンプルを用意して非線形フィルタを学習する。
診断用の被写体の骨部を主に表す診断用放射線画像を推定するステップでは、入力される高圧画像をコントラスト正規化し、正規化済みの各空間周波数帯域毎の画像の画素値を教師学習済フィルタに入力する。上記教師学習済フィルタの出力値に対し、上記正規化したときに用いた係数の逆数を乗算し、骨部の推定値とする。
次に、サポートベクター回帰(サポートベクターマシンによる回帰(SVR))について説明する。
図9はサポートベクター回帰により近似関数を求める様子を示す図である。
d次元の入力ベクトルxに対応する実数値yを近似する関数を学習する問題について、まず近似関数が線形である場合を考える。
Vapnikの提案するε-SVRアルゴリズムでは次の損失関数を最小化するfを求める。
なお、上記Vapnikの提案するε-SVRアルゴリズムについては以下の文献を参照することができる。
Nello Cristianini(著)、John Shawe-Taylor(著)、大北剛(訳)、題名「サポートベクターマシン入門」、共立出版、2005年3月25日発行、P.149からP.156。
上記<w・w>はデータを近似するモデルの複雑さを表す項であり、Remp[f]は次のように表現される。
ここで|y-f(x)|ε=max{0,|y-f(x)|-ε}であり、εより小さい誤差は無視することを表す。ξ、ξ*はそれぞれ正方向、負方向にεを超える誤差を許容する緩和変数である。また、Cはモデルの複雑さと制約条件の緩和との間のトレードオフを設定するパラメータである。
上の主問題は次の双対問題を解くことと等価であり、凸2次計画問題の特性から必ず大域解を求めることができる。
この双対問題を解いて得られる回帰モデルは次式で表現される。
この関数は線形関数であるが、非線形に拡張するには入力Xを高次の特徴空間Φ(X)に写像し、その特徴空間でのベクトルΦ(X)をこれまでの入力Xとみなせばよい(X→Φ(X))。通常、高次元空間への写像は計算量の大幅な増加を伴うが、最適化すべき式に現れる内積の項をK(x,y)=<Φ(x),Φ(y)>の関係を満たすカーネル関数で置き換えると、入力次元の計算で高次元に写像してから計算したものと同じ結果を求めることができる。カーネル関数には、RBFカーネル、多項式カーネル、シグモイドカーネルなどが利用できる。
次に、本発明の第3の実施の形態による放射線画像処理方法について図面を用いて説明する。上記第3の実施の形態は、入力用放射線画像として、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成されたエネルギサブトラクション画像のみからなる画像を採用したものである。
図10は上記第3の実施の形態による放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図、図11は上記教師学習済フィルタを用いた上記放射線画像処理方法の手順を示す図である。
本発明の第3の実施の形態による放射線画像処理方法は、はじめに、複数の同種の被写体である成人女性の胸部1Rα、1Rβ・・・(以後、まとめて胸部1Rともいう)毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影71で得られた高線量の放射線撮影で得られたノイズの少ない高圧画像72Hと低線量の放射線撮影で得られたノイズの多い低圧画像72Lを用いた加重減算処理77により1種類のエネルギサブトラクション画像であるノイズを多く含む軟部画像73Aを形成する。そして、上記軟部画像73Aにローパスフィルタ処理74を施して高周波成分を除去した軟部画像73Bを得る。さらに、上記ノイズの少ない高圧画像72Hから上記高周波成分を除去した軟部画像73Bを差し引く差引処理75により、高周波側になるほど軟部成分の混入が多くなるが高周波側から低周波側まで全体的にノイズの混入の少ない骨部画像である入力用放射線画像76を用意する。
上記高周波成分は画像中の空間周波数の高い成分を意味し、上記低周波成分は画像中の空間周波数の低い成分を意味し
ここで、上記軟部画像73Aには低周波成分の側よりも高周波成分の側の方により多くのノイズ成分が含まれているが、このノイズ成分は上記ローパスフィルタ処理74によって除去される。そのため、上記骨部画像である入力用放射線画像76は全体的にノイズの混入が少ない画像となる。
また、上記被写体である成人女性の胸部1Rα、1Rβ・・・の放射線撮影37によって得られた、上記入力用放射線画像76よりも画質劣化が少なく、かつ、上記放射線撮影37の対象となった上記胸部1R中の特定の部位のみを表す骨部画像である教師用放射線画像38を用意する。
そして、上記入力用放射線画像76を対象とし、上記教師用放射線画像38を教師として学習させた教師学習済フィルタ42を得る。
すなわち、上記教師学習済フィルタ42は、被写体である上記各胸部1R毎に用意された入力用放射線画像76と教師用放射線画像38の組を用い、各胸部1R毎の入力用放射線画像76それぞれが入力されたときに、画質劣化が補償され、かつ骨部のみを表す上記胸部1Rの放射線像を表す放射線画像52が出力されるように、各胸部1R毎の教師用放射線画像38を教師として学習させることによって得られる。
上記教師学習済フィルタ42を取得した後、図11に示すように、与えられた1つの被写体である成人女性の胸部3Rについての放射線撮影71′に基づいて上記入力用放射線画像76と同種の放射線画像76′を作成する。そして、上記放射線画像76′を教師学習済フィルタ42に入力して、画質劣化が補償され、かつ、上記胸部3R中の骨部のみを表す放射線画像62を形成する。これにより、被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
ここで、上記放射線画像76′は、上記与えられた被写体である胸部3Rについて、上記入力用放射線画像76を形成したときと略同様の手順を踏んで作成されたものである。この放射線画像76′は、入力用放射線画像76と同等の、高周波成分の側になるほど軟部の混入が多くなるが高周波成分側から低周波成分側までの全体においてノイズの混入の少ない骨部画像である。
なお、上記被写体中の特定の部位は、上記高圧画像の撮影と低圧画像の撮影の両撮影間のタイミングのずれによって生じたモーションアーチファクトを表すものであってもよい。上記両画像間における位置変化成分であるモーションアーチファクト成分を表す被写体中の特定の部位は、上記高圧画像(あるいは低圧画像)を撮影してから低圧画像(あるいは高圧画像)を撮影するときまで(例えば、0.1秒の間)に、被写体中で移動した部位(被写体中における位置が変化した部位)を表すものとすることができる。例えば、被写体が生体組織の胸部である場合いにおいて、上記被写体中の特定の部位は、上記高圧画像(あるいは低圧画像)を撮影してから低圧画像(あるいは高圧画像)を撮影するときまでに、心臓の鼓動に応じて移動した部位とすることができる。
図12は胸部を表す骨部画像中に生じたモーションアーチファクト示す図である。
図12に示すように、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成されたエネルギサブトラクション画像である成人女性の胸部を表す骨部画像FK中に心臓の鼓動に応じて生じたモーションアーチファクトMaが生じることがある。このようなモーションアーチファクトは、放射線画像中から除去することが求められるので、上記特定の部位であるモーションアーチファクトMaを強調して表す放射線画像を上記教師学習済フィルタに通して形成し、そのようにして形成された放射線画像を上記骨部画像FKから差し引くことにより、このモーションアーチファクトMaを表す成分であるモーションアーチファクト成分が除去された骨部画像を作成することができる。
上記のように、特定の部位は、高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の表示位置が変化した部位とすることができる。また、上記のように、強調されて表される特定の部位は放射線画像中の不要な部位(欠陥部位)としてもよい。そのような場合には、この不要部位を表す放射線画像を、上記不要部位と必要な部位の両方を含む放射線画像から差し引くことにより、不要部位が除去され必要な部位のみを表す所望の放射線画像を得ることができる。
また、上記放射線画像を取得する手法には、1ショット法および2ショット法のいずれを用いてもよい。
また、高圧画像および低圧画像を取得する放射線撮影において、高圧画像の取得に用いる放射線の線量に対する低圧画像の取得に用いる放射線の線量を大きくしても小さくてもよいが、上記放射線画像処理方法においてノイズの抑制が目的である場合には、高圧画像の取得に用いる放射線の線量を低圧画像の取得に用いる放射線の線量より大きくすることが好ましい。
また、回帰学習方法は、サポートベクターマシンの他に、ニューラルネットワーク、Relevance Vector Machineなどを用いてもよい。
なお、各被写体の教師用放射線画像を、入力用放射線画像を得る際の各被写体毎の放射線撮影に用いた放射線の線量よりも大きな線量を用いた放射線撮影に基づいて取得する場合には、各被写体の放射線撮影で1つの被写体へ照射する放射線の線量が許容値を超える場合があるが、所定期間に上記被写体へ照射する放射線の線量の総和を制限する等のことにより上記大きな線量を用いた教師用の被写体に対する放射線撮影を実施することができる。
以下、上記のような各実施の形態を表す放射線画像処理方法について再度説明する。
上記のような各実施の形態を表す放射線画像処理方法は、互いにエネルギ分布の異なる放射線による被写体の放射線撮影で得られた上記被写体の高圧画像および低圧画像の両画像を用いてこの被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像を取得するものである。
上記方法は、はじめに、複数の被写体について、各被写体毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線によるこの被写体の放射線撮影で得られた2種類以上の放射線画像からなる入力用放射線画像、あるいは高圧画像および低圧画像の両画像を用いて作成された1種類以上の入力用放射線画像を用意し、上記各被写体の放射線撮影で得られた放射線画像から作成された、上記入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、上記被写体中の上記特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を用意し、上記被写体毎の入力用放射線画像が入力されたときに、画質劣化が補償され、かつ、その被写体中の上記特定の部位が強調されてなる放射線画像が出力されるように、上記被写体に対応する教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得る。
その後、上記被写体と同種の与えられた被写体について、上記入力用放射線画像が作成されたときと同様の処理により上記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する。すなわち、上記入力用放射線画像を作成したときと略同じ撮影条件下での上記与えられた被写体の放射線撮影および上記放射線撮影で得られた放射線画像に対する上記入力用放射線画像を作成したときと略同じ画像処理により、この与えられた被写体についての上記入力用放射線画像に対応する放射線画像を作成する。そして、上記作成された上記入力用放射線画像に対応する上記被写体についての放射線画像を教師学習済フィルタに入力し、画質劣化が補償され、かつ、上記与えられた被写体中の特定の部位が強調されてなるこの被写体の放射線像を表す放射線画像を得るものである。
なお、上記入力用放射線画像としては、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに上記高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成された1種類以上のエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうち、(i)高圧画像および低圧画像、(ii)高圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iii)低圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iv)エネルギサブトラクション画像のみからなる画像等を採用することができる。
図1,2に示すように、本発明の放射線画像処理方法を実施する放射線画像処理装置110は、複数の同種の被写体1Pを構成する各被写体1P毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影10で得られた高圧画像11Hおよび低圧画像11Lからなる入力用放射線画像11と、上記各被写体1Pそれぞれの放射線撮影30により得られた、上記各被写体1Pの入力用放射線画像11である高圧画像11Hおよび低圧画像11Lのいずれよりも画質劣化が少なく、かつ、上記各被写体1P中の特定の部位Pxを強調して表す各被写体1Pの教師用放射線画像33を用いて、上記入力用放射線画像11の入力に対し、画質劣化が補償され、かつ、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、上記被写体1Pに対応する教師用放射線画像33を教師として学習させた教師学習済フィルタ40を得るためのフィルタ取得部Mh1(図1参照)と、診断対象となる上記被写体1Pと同種の与えられた被写体3Pについて放射線撮影20を行い、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21を作成する同種画像作成部Mh2(図2参照)と、上記放射線画像21を上記のようにして得られた教師学習済フィルタ40へ入力することにより、被写体3Pの放射線画像に生じた画質劣化が補償され、かつ、上記被写体3P中の特定の部位Pxが強調されてなる診断用放射線画像60を形成する部位強調画像形成部M3(図2参照)とを備えたものである。
この、放射線画像処理装置110の作用は、既に説明した上記放射線画像処理方法と同様なので省略する。なお、上記フィルタ取得部Mh1、同種画像作成部Mh2、および部位強調画像形成部Mh3それぞれで扱う各画像は、画像そのものとしたり、画像を表す画像データとすることができる。
なお、上記教師学習済フィルタは小領域ごとに学習するものではなく、一つの周波数あたり1種類だけ用意し、一つのフィルタによって全ての小領域を処理するものである。フィルタの学習は、単一の(または小数の)放射線画像のさまざまな小領域から学習用サンプルを取り出し、それら多数のサンプルを同時に集合として扱い学習するものである。つまり、例えばAさんの鎖骨あたり、Aさんの鎖骨の下あたり、Aさんの肋骨の輪郭あたり、Aさんの肋骨の中心あたり・・・などからなる学習サンプルをまとめて学習するものである。また、フィルタの入力となる特徴量は25画素だが、上記25画素に対応する出力である教師は25画素ではなく小領域の中心部分の1画素である。
また、本発明の放射線画像処理装置の機能を実行するためのプログラムをパソコンにインストールし、パソコンにおいて上記実施形態と同様の作用を実行させることが可能である。すなわち、上記実施の形態の放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが本発明のプログラムに該当する。
第1の実施の形態の放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図 第1の実施の形態の放射線画像処理方法の手順を示す図 第2の実施の形態の放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図 第2の実施の形態の放射線画像処理方法の手順を示す図 教師用放射線画像から複数の空間周波数帯域からなる画像を得る様子を示す図 学習により各空間周波数帯域毎の教師学習済フィルタを得る様子を示す図 各空間周波数帯域毎に入力用放射線画像を教師学習済フィルタへ入力して診断用の放射線画像を得る様子を示す図 特徴量を構成する領域を示す図である サポートベクター回帰により近似関数を求める様子を示す図 第3の実施の形態の放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図 第1の実施の形態の放射線画像処理方法の手順を示す図 胸部を表す骨部画像中に生じたモーションアーチファクト示す図である 画像合成フィルタにおけるアップサンプリングと加算を示す図
符号の説明
1P 被写体
3P 被写体
10 放射線撮影
11H 高圧画像
11L 低圧画像
11 入力用放射線画像
21 放射線画像
33 教師用放射線画像
40 教師学習済フィルタ
60 放射線画像

Claims (10)

  1. 複数の同種の被写体毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた2種類以上の放射線画像からなる入力用放射線画像を用意し、
    前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を前記各被写体毎に用意し、
    前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、該被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、
    その後、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成することを特徴とする放射線画像処理方法。
  2. 前記入力用放射線画像が、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像、ならびに該高圧画像と低圧画像を用いた加重減算により形成されたエネルギサブトラクション画像からなる放射線画像群のうち、(i)高圧画像および低圧画像、(ii)高圧画像とエネルギサブトラクション画像、(iii)低圧画像とエネルギサブトラクション画像の(i)から(iii)のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像処理方法。
  3. 前記教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量が、前記入力用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられた放射線の線量よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像処理方法。
  4. 前記教師用放射線画像が、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  5. 前記特定の部位が、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  6. 前記被写体が生体組織であり、前記特定の部位が前記生体組織の骨部あるいは軟部であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  7. 前記特定の部位が骨部であり、
    前記放射線画像処理方法により形成された、前記画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記骨部が強調されてなる該被写体の放射線画像を、該被写体を表す高圧画像あるいは低圧画像から差し引いて前記被写体の軟部画像を作成することを特徴とする請求項記載の放射線画像処理方法。
  8. 前記教師学習済フィルタが、前記教師学習済フィルタを取得するための学習および前記与えられた被写体に対する放射線画像の形成を互に異なる複数の空間周波数帯域毎に行い、各空間周波数帯域毎に形成された前記放射線画像のそれぞれを合成して1つの放射線画像を得るものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  9. 複数の同種の被写体毎の互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた2種類以上の放射線画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す前記各被写体毎の教師用放射線画像とを用いて、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得るフィルタ取得手段と、
    前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する同種画像作成手段と、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する部位強調画像形成手段とを備えたことを特徴とする放射線画像処理装置。
  10. 複数の同種の被写体毎の互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた2種類以上の放射線画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体の入力用放射線画像よりも画質劣化が少なく、かつ、該被写体中の特定の部位を強調して表す前記各被写体毎の教師用放射線画像とを用いて、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得る手順と、
    前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する手順と、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する手順とを実行する放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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