JP4918461B2 - gasket - Google Patents
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Description
本発明は、配管継手部(JIS又はJPI規格フランジ等)や機器の接合部(バルブのボンネット等)等の厳しい使用環境において長期シール安定性を求められる用途に使用されるガスケットに関する。 The present invention relates to a gasket used for applications that require long-term seal stability in severe use environments such as piping joints (JIS or JPI standard flanges, etc.) and equipment joints (valve bonnets, etc.).
従来、同心円の波形を付けた金属薄板の両面にシール材として膨張黒鉛シートを積層接着した構造が知られている。この従来構造は、それまで金属平板又は両面を不連続の凹凸やのこ歯形の凹凸に加工した金属板であった中芯材に、同心円の波形を付けた金属薄板を用いることによって、それまで僅かであった圧縮率を飛躍的に高め、歪やうねりがあるガラスライニングフランジにでも使用可能な高い変形追随性(フランジ面精度に対する追従性)を確保している。また、シール材にそれまでと同様膨張黒鉛シートが用いられ、フランジと接触する両面が膨張黒鉛シートで形成され、その膨張黒鉛シートは流動性が高く、フランジへの優れたなじみ性も確保している。 2. Description of the Related Art Conventionally, a structure in which an expanded graphite sheet is laminated and bonded as a sealing material on both surfaces of a concentric corrugated metal sheet is known. This conventional structure has been achieved by using a thin metal plate with concentric corrugations in the core material, which has previously been a flat metal plate or a metal plate that has been processed into discontinuous irregularities or sawtooth irregularities. The slight compression rate is dramatically increased, and high deformation followability (followability with respect to the flange surface accuracy) that can be used even for a glass lining flange with distortion or undulation is secured. Also, the expanded graphite sheet is used for the sealing material as before, and both surfaces that come into contact with the flange are formed of the expanded graphite sheet. The expanded graphite sheet has high fluidity and ensures excellent conformability to the flange. Yes.
このような従来構造がシール作用を発揮するメカニズムを、図6(A)〜(C)に示す当該従来構造の圧縮変形過程を参照して説明する。図において、1は中芯材である同心円の波形を付けた金属薄板、2及び3は金属薄板1の両面に積層接着された膨張黒鉛シート、4及び5はフランジ、Tはガスケット厚みである。
The mechanism by which such a conventional structure exerts a sealing action will be described with reference to the compression deformation process of the conventional structure shown in FIGS. In the figure, 1 is a thin metal plate with a concentric corrugation that is a core material, 2 and 3 are expanded graphite sheets laminated and bonded to both surfaces of the metal
図6(A)の締付前の自由状態では、金属薄板1は元の波ピッチP,波高さT1/2(山高さT1)を有し、膨張黒鉛シート2及び3も全体に均一な元の厚みT2を有し、金属薄板1の谷部1aと膨張黒鉛シート2及び3間に空隙4が形成されている。
In the free state before tightening in FIG. 6 (A), the metal
図6(B)の低締付荷重を負荷した締付状態では、相対するフランジ5及び6間で厚み方向に圧縮され、金属薄板1は波高さT1/2を縮小しながら波ピッチPを拡大し、厚み方向に圧縮変形しながら面方向(内外径方向)にも伸び変形する。膨張黒鉛シート2及び3は金属薄板1の山部1bで厚み方向に圧縮されるが、金属薄板1の谷部1aでは圧縮されない。このため、従来構造は、金属薄板1の山部1bにおいて局部的に高い締付面圧を確保してシール性能を発揮する。この際、膨張黒鉛シート2及び3はその高い流動性によって金属薄板1の山部1bの位置変化に追随変形して破壊することなく、厚みT2を金属薄板1の山部1bで減じながら金属薄板1の谷部1aで増し、空隙4の一部を埋める。
In the tightened state in which the low tightening load is applied as shown in FIG. 6 (B), the
図6(C)の高締付荷重を負荷した締付状態では、相対するフランジ5及び6間で厚み方向にさらに圧縮され、金属薄板1は波高さT1/2をさらに縮小しながら波ピッチPをさらに拡大し、平板に近い状態にまで厚み方向にさらに圧縮変形しながら面方向にもさらに伸び変形する。この際、膨張黒鉛シート2及び3はその高い流動性によって金属薄板1の山部1bの位置変化に追随変形して破壊することなく、厚みT2を金属薄板1の山部1bでさらに減じながら金属薄板1の谷部1aでさらに増し、遂に空隙4の全部を埋める。このため、従来構造は、膨張黒鉛シート2及び3が金属薄板1の谷部1aでも厚み方向に圧縮され、金属薄板1の山部1b及び谷部1aの全面で締付面圧を確保して安定したシール性能を発揮する。
In the tightening state in which a high tightening load is applied in FIG. 6C, the
なお、同心円の波形を付けた金属薄板の両面に膨張黒鉛シートを積層接着した従来構造は、例えば特許文献1に記載のガスケットで採用されて公知である。
上記従来構造は、シール材として膨張黒鉛シートを用いるため、400℃以下の温度の非酸化性流体には使用できるものの、酸化性流体には使用困難である。そこで、シール材としてPTFEシートを用いたところ、下記のような課題があることが判明した。なお、PTFEシートは260℃以下の温度のほとんどの酸性・アルカリ性流体に使用できるシール材である。 The conventional structure uses an expanded graphite sheet as a sealing material, and thus can be used for a non-oxidizing fluid having a temperature of 400 ° C. or lower, but is difficult to use for an oxidizing fluid. Then, when a PTFE sheet was used as a sealing material, it was found that there were the following problems. The PTFE sheet is a sealing material that can be used for most acidic / alkaline fluids having a temperature of 260 ° C. or lower.
すなわち、同心円の波形を付けた金属薄板を中芯材として用いるため、低締付荷重において全面で締付面圧を確保することは困難で、低締付荷重におけるシール安定性に乏しく、高締付荷重を負荷すると、PTFEシートは膨張黒鉛シートに比べて流動性が格段に低いため破壊が起こり漏洩する。充分に厚いPTFEシートを用いると該シートの破壊は避けることはできるが、低締付荷重においてPTFEシートに浸透漏洩が生じシール性能が確保できない。またこのような充分に厚いPTFEシートは高価である。 In other words, a thin metal plate with concentric corrugations is used as the core material, so it is difficult to secure the tightening surface pressure over the entire surface at low tightening load, and the seal stability at low tightening load is poor. When an applied load is applied, the PTFE sheet is significantly lower in fluidity than the expanded graphite sheet, and therefore breaks and leaks. If a sufficiently thick PTFE sheet is used, the destruction of the sheet can be avoided, but penetration leakage occurs in the PTFE sheet at a low tightening load, and the sealing performance cannot be ensured. Such a sufficiently thick PTFE sheet is also expensive.
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、中芯材である同心円の波形を付けた金属薄板の両面にPTFEシートを積層接着したガスケットを実現するとともに、上記のような課題を解決し、低〜高締付荷重において長期的に安定したシール性能を確保することにある。 The present invention has been made in view of the above problems, with the purpose to realize a gasket formed by laminating against wearing PTFE sheet on both surfaces of the metal thin plate with a concentric waveform is the central core material, the It is to solve such problems and to secure a stable sealing performance for a long period of time at a low to high tightening load.
上記目的を達成するための請求項1に記載のガスケットは、同心円の波形を付けた金属薄板の谷部にPTFE粉体のシール材を充填し、該金属薄板の両面にシール性を有する厚み0.25mm以上0.50mm以下のPTFEシートを積層接着したことを特徴とするものである。
In order to achieve the above object, a gasket according to
請求項2に記載のガスケットは、請求項1に記載のガスケットにおいて、金属薄板の谷部における締付面圧が金属薄板の山部における締付面圧よりも低くなる密度で、PTFE粉体のシール材を金属薄板の谷部に充填したことを特徴とするものである。
The gasket of
請求項1、2に記載のガスケットでは、従来空隙であった金属薄板の谷部にPTFE粉体のシール材を充填し該部を最初から埋めておくことによって、従来低締付荷重では圧縮できなかった金属薄板の谷部におけるPTFEシートを圧縮し、低締付荷重において全面で締付面圧を確保することができるため、低締付荷重から安定したシール性能が得られる。また、PTFEシートの変形量を抑えることができるため、流動性が低いPTFEシートが高締付荷重を負荷しても破壊しない上、より薄い厚み0.25mm以上0.50mm以下のPTFEシートの使用が可能となり、低締付荷重においてPTFEシートに浸透漏洩を生じる懸念がない。
The gasket according to
また、金属薄板の両面にシール材が2層に配置されるので、外側のシール材であるPTFEシートが破壊したとしても、内側のシール材であるPTFE粉体によってシールが可能であり、シールの信頼性が高まる。 Further, since the sealing material on both sides of the sheet metal is disposed in two layers, even if PTFE sheet which is outside of the sealing material was broken, but may be sealed by PTFE powder is an inner sealant, the seal Increased reliability .
さらに、金属薄板の谷部に充填するシール材は粉体で、高い圧縮性と高い流動性を兼備しているので、金属薄板の変形を妨げずガスケットの変形追随性を損なわない。金属薄板の谷部に空隙が生じ難く該部において締付面圧を安定して確保できる。粉体のシール材は安価である上、高い歩留りで無駄なく使用でき、経済的である。 Furthermore, since the sealing material filled in the valleys of the metal thin plate is powder and has both high compressibility and high fluidity, the deformation of the metal thin plate is not hindered and the deformation followability of the gasket is not impaired. It is difficult to generate a gap in the valley portion of the metal thin plate, and the clamping surface pressure can be stably secured in the portion. The powder sealing material is inexpensive and can be used without waste at a high yield and is economical.
請求項2に記載のガスケットのように、金属薄板の谷部における締付面圧が金属薄板の山部における締付面圧よりも低くなる密度で、PTFE粉体のシール材を金属薄板の谷部に充填することで、締付面圧分布が均等にならず締付面圧が低下しないため、シールに必要な最小締付力の増加がない。
As in the gasket according to
請求項1、2に記載のガスケットによれば、中芯材である同心円の波形を付けた金属薄板の両面に厚み0.25mm以上0.50mm以下のPTFEシートを積層接着したガスケットを実現できるとともに、低〜高締付荷重において長期的に安定したシール性能を確保することができる。
According to the gasket of
請求項2に記載のガスケットによれば、使用に当たって、求められる機器・配管の接合部の強度が大きくならず、設計の見直し、設備・装置の改造等の必要性がない。 According to the gasket of the second aspect , the strength of the required joint portion of the equipment / pipe is not increased in use, and there is no need for a review of the design and modification of the equipment / device.
以下、本発明に係るガスケットの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るガスケットの平面図、図2は本発明の一実施形態に係るガスケットの構造を示す断面図である。 Hereinafter, embodiments of a gasket according to the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a plan view of a gasket according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a cross-sectional view showing the structure of the gasket according to an embodiment of the present invention.
図1、図2に示すガスケット10は、中芯材である同心円の波形を付けた円環状の金属薄板(以下、「波形金属薄板」という。)11の表裏両面に、シール性を有する円環状のPTFEシート12及び13を積層接着したガスケットであって、従来空隙4(図6参照)であった部分(波形金属薄板11の谷部11aとPTFEシート12及び13間)には、従来低締付荷重では圧縮できなかった波形金属薄板11の谷部11aにおけるPTFEシート12及び13を圧縮し、低締付荷重において全面で締付面圧を確保し、低締付荷重から安定したシール性能を得、また、PTFEシート12及び13の変形量を抑え、流動性が低いPTFEシート12及び13が高締付荷重を負荷しても破壊しない上、より薄いPTFEシート12及び13の使用を可能とし、低締付荷重においてPTFEシート12及び13に浸透漏洩を生じる懸念がないようにするために、粉体のシール材(以下、「充填材」という。)14が充填され、該充填材14によって従来空隙4であった部分を最初から埋める。したがって、当該ガスケット10では、波形金属薄板11の表裏両面にシール材である充填材14とPTFEシート12及び13とが内外2層に配置された構造となっている。
A
ここで、波形金属薄板11の内周端縁と外周端縁には、波形金属薄板11の片面側(図2の下側)に突出した各山部11bの頂点を含む一平面上に位置する円環状の平坦部11c及び11dが形成されている。また、充填材14が谷部11aに充填された後の波形金属薄板11の表裏両面の外形は、表面(図2の上側)の外形が、同一平面上に位置する平坦部11c及び11dの表面の間が低背の台形に盛り上がった立体形状となり、裏面(図2の下側)の外形が、同一平面上に位置する平坦部11c及び11dの裏面の間が平坦面で繋がれた平面形状となっている。そして、波形金属薄板11の表面側のPTFEシート12は、波形金属薄板11の内周側の平坦部11cの端部から外周側の平坦部11dの端部にわたって、波形金属薄板11の表面の立体形状の外形に沿って積層接着され、波形金属薄板11の裏面側のPTFEシート13は、波形金属薄板11の内周側の平坦部11cの端部から外周側の平坦部11dの端部にわたって、波形金属薄板11の裏面の平面形状の外形に沿って積層接着されている。PTFEシート12及び13の内周端縁は、波形金属薄板11の内周側の平坦部11cの端部から内径方向に突出し、該平坦部11cの端部より内周側で、該平坦部11cの厚み内で貼合わされて固着されている。PTFEシート12及び13の外周端縁は、波形金属薄板11の外周側の平坦部11dの端部から外径方向に突出し、該平坦部11dの端部より外周側で、該平坦部11dの厚み内で貼合わされて固着されている。
Here, the inner peripheral edge and the outer peripheral edge of the corrugated metal
ガスケット10の製造は、プレス成型品である波形金属薄板11を略水平姿勢に保持し、波形金属薄板11の上面側にある各谷部11aに充填材14を充填した後、波形金属薄板11の上面(表面)に一方のPTFEシート12を図示しない接着剤を介して積層接着する。次いで、波形金属薄板11を裏返し、波形金属薄板11の上面側にある各谷部11aに充填材14を充填した後、波形金属薄板11の上面(裏面)に他方のPTFEシート13を図示しない接着剤を介して積層接着するとともに、PTFEシート12及び13の内周端縁同士と外周端縁同士を貼合わせ固着することにより完了する。
The
この際、波形金属薄板11の谷部11aにおける締付面圧が波形金属薄板11の山部11bにおける締付面圧よりも低くなるように、PTFEシート12及び13の密度より低い密度で、充填材14を波形金属薄板11の谷部11に充填することが重要である。このような密度で充填材14を充填することで、当該ガスケット10では、波形金属薄板11の表裏両面に密度の異なるシール材である充填材14(低密度)とPTFEシート12及び13(高密度)とが内外2層に配置された構造となる。
At this time, the filling surface pressure is lower than the density of the
図3は本発明の他の実施形態に係るガスケットの構造を示す断面図である。なお、本実施形態に係るガスケットの平面は前記ガスケット10の図1に示した平面と同一である。また、本実施形態に係るガスケットの構造は前記ガスケット10の図2に示した構造とPTFEシート以外同一のため、同一構造には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
FIG. 3 is a cross-sectional view showing the structure of a gasket according to another embodiment of the present invention. In addition, the plane of the gasket which concerns on this embodiment is the same as the plane shown in FIG. Further, the structure of the gasket according to the present embodiment is the same as the structure of the
図3に示すガスケット20は、波形金属薄板11の表裏両面と内周を、円環状のPTFE平板を切削加工することにより製作された一体構造のPTFE成形体21で連続的に被覆したものである。このPTFE成形体21は、厚み方向で相対する円環状のシート部21a及び21bと、シート部21a及び21bの内周側端縁の間に連続一体に形成される短円筒状の繋ぎ部21cとを有し、これらシート部21a及び21bと繋ぎ部21cの内側に、外周に開口部21dを有する中芯収納空間21eが形成されている。そして、波形金属薄板11が中芯収納空間21eに装着され、波形金属薄板11の内周側の平坦部11cの直ぐ内側に立上がる繋ぎ部21cの上下端部から波形金属薄板11の表裏両面側にシート部21a及び21bが延設されている。
The
ガスケット20の製造は、PTFE成形体21を水平姿勢に保持し、上面側にある一方のシート部21aを繋ぎ部21cと同一円筒面上に捲上げ、波形金属薄板11を上方から円筒状のシート部21aを通して繋ぎ部21cの外側に嵌込んだ後、波形金属薄板11の上面側にある各谷部11aに充填材14を充填する。次いで、円筒状のシート部21aを元に戻して波形金属薄板11の上面(表面)に図示しない接着剤を介して積層接着する。次いで、波形金属薄板11を裏返し、上面側にある他方のシート部21bを繋ぎ部21cと同一円筒面上に捲上げた後、波形金属薄板11の上面側にある各谷部11aに充填材14を充填する。次いで、円筒状のシート部21bを元に戻して波形金属薄板11の上面(裏面)に図示しない接着剤を介して積層接着することにより完了する。この際の充填材14の充填密度につても前記ガスケット10と同様に、PTFE成形体21の密度より低い密度で、充填材14を波形金属薄板11の谷部11に充填することが重要である。
The
なお、当該ガスケット20の場合、内周の内側角部(波形金属薄板11の平坦部11cと一方のシート部21aの内周端縁部間)に空隙が形成されるため、その空隙にも充填材14が充填されて空隙が埋められている。
In the case of the
上記のように構成された各ガスケット10、20がシール作用を発揮するメカニズムは同一のため、図4(A)〜(C)に示す当該ガスケット10、20の圧縮変形過程を参照して説明する。
Since the
図4において、50及び60は機器・配管のフランジ、tはガスケット厚みである。 In FIG. 4, 50 and 60 are flanges of equipment and piping, and t is the gasket thickness.
図4(A)の締付前の自由状態では、波形金属薄板11は元の波ピッチp,波高さt1/2(山高さt1)を有し、PTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bも全体に均一な元の厚みt2を有し、従来空隙4であった部分(波形金属薄板11の谷部11aとPTFEシート12及び13やPTFE成形体21の間)には、充填材14が充填されている。
In the free state before tightening in FIG. 4 (A), the
図4(B)の低締付荷重を負荷した締付状態では、相対するフランジ50及び60間でガスケット10、20が厚み方向に圧縮され、波形金属薄板11は波高さt1/2を縮小しながら波ピッチpを拡大し、厚み方向に圧縮変形しながら面方向(内外径方向)にも伸び変形する。PTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bは、波形金属薄板11の山部11bで厚み方向に圧縮されるとともに、波形金属薄板11の谷部11aには充填材14が充填されているので、該波形金属薄板11の谷部11aでも圧縮され、波形金属薄板11の山部11b及び谷部11aの全面で締付面圧を確保して安定したシール性能を発揮する。
In the tightened state in which the low tightening load shown in FIG. 4B is applied, the
図4(C)の高締付荷重を負荷した締付状態では、相対するフランジ50及び60間でガスケット10、20が厚み方向にさらに圧縮され、波形金属薄板11は波高さt1/2をさらに縮小しながら波ピッチpをさらに拡大し、平板に近い状態にまで厚み方向にさらに圧縮変形しながら面方向にもさらに伸び変形する。PTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bは、波形金属薄板11の山部11bで厚み方向にさらに圧縮されるとともに、波形金属薄板11の谷部11aには充填材14が充填されているので、該波形金属薄板11の谷部11aでもさらに圧縮され、波形金属薄板11の山部11b及び谷部11aの全面でさらに高い締付面圧を確保して、低締付荷重で得た安定したシール性能を引き続き保持する。
4C, the
このように、各ガスケット10、20では、従来空隙4であった波形金属薄板11の谷部11aに充填材14を充填し該部を最初から埋めているので、従来低締付荷重では圧縮できなかった波形金属薄板11の谷部11aにおけるPTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bを圧縮し、低締付荷重において全面で締付面圧を確保することができるため、低締付荷重から安定したシール性能が得られる。したがって、低〜高締付荷重において長期的に安定したシール性能を確保することができる。
Thus, in each
また、各ガスケット10、20では、従来空隙4であった波形金属薄板11の谷部11aに充填材14を充填し該部を最初から埋めているので、PTFEシート12及び13やPTFE成形体21が自身の流動性や厚みt2によって波形金属薄板11の谷部11aを埋めようとして変形するのを抑えるため、PTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bの変形量は非常に小さくなる。このため、流動性が低いPTFEシート12及び13やPTFE成形体21が高締付荷重を負荷しても破壊しない上、より薄いPTFEシート12及び13やPTFE成形体21の使用が可能となり、低締付荷重においてPTFEシート12及び13やPTFE成形体21に浸透漏洩を生じる懸念がない。
Moreover, in each
また、各ガスケット10、20では、波形金属薄板11の表裏両面にシール材である充填材14とPTFEシート12及び13やPTFE成形体21のシート部21a及び21bとが内外2層に配置された構造となっているので、外側のシール材であるPTFEシート12及び13やPTFE成形体21が破壊したとしても、内側のシール材である充填材14によってシールが可能であり、シールの信頼性が高い。内側のシール材である充填材14と外側のシール材であるPTFEシート12及び13やPTFE成形体21の材料には同材料又は異種材料の組み合わせが可能である。
Moreover, in each
また、各ガスケット10、20では、波形金属薄板11の谷部11aに充填する充填材14は粉体で、高い圧縮性と高い流動性を兼備しているので、波形金属薄板11の谷部11aの形状変化に追従性良く波形金属薄板11の谷部11a内で圧縮され、流動するので、波形金属薄板11の変形を妨げずガスケット10、20の変形追随性を損なわない。波形金属薄板11の谷部11aに空隙が生じ難く該部において締付面圧を安定して確保できる。粉体の充填材14は安価である上、高い歩留りで無駄なく使用でき、経済的である。
Moreover, in each
さらに、各ガスケット10、20では、PTFEシート12及び13やPTFE成形体21の密度より低い密度で、充填材14を波形金属薄板11の谷部11に充填してあるので、何れの締付荷重においても、波形金属薄板11の谷部11aにおける締付面圧が波形金属薄板11の山部11bにおける締付面圧よりも低くなり、締付面圧分布が均等にならず締付面圧が低下しないため、シールに必要な最小締付力の増加がない。したがって、使用に当たって、求められる機器・配管の接合部の強度が大きくならず、設計の見直し、設備・装置の改造等の必要性がない。
Further, in each
上記のように各ガスケット10、20は、流動性が低いPTFEシート12及び13やPTFE成形体21との適合性を確保し、そのPTFEシート12及び13やPTFE成形体21の使用を実現しているため、260℃以下の温度のほとんどの酸性・アルカリ性流体に使用できる。またこの用途では、充填材14としてPTFEの粉体、膨張黒鉛や麟片状黒鉛等の黒鉛系の粉体、またはマイカ、タルク、バーミキュライト等の無機粉体が使用可能である。
As described above, each of the
また、波形金属薄板11の材料としては内部流体の温度及び内部流体との耐食性等を考慮の上、銅、鉄、軟鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属薄板であれば、上記用途で使用可能である。
Further, the
以下、本発明に係るガスケットの実施例について説明する。
波形金属薄板11として波形金属薄板(材質:ステンレス鋼[316L],板厚:0.55mm,波ピッチp:3.2mm,波高さt1/2:0.5mm[山高さt1:1.1mm])を使用し、PTFEシート12及び13として多孔質PTFEシート(厚みt2:0.5mm)を使用し、充填材14としてPTFE粉末(平均粒径:50μm)を使用して、図1、図2に示すようなガスケット(以下、「実施例」という。)を作製した。
Hereinafter, examples of the gasket according to the present invention will be described.
Corrugated metal sheet 11 (material: stainless steel [316L], sheet thickness: 0.55 mm, wave pitch p: 3.2 mm, wave height t1 / 2: 0.5 mm [mountain height t1: 1.1 mm] 1), porous PTFE sheets (thickness t2: 0.5 mm) are used as the
実施例の比較例として、充填材14を充填していないこと以外、実施例と同一構造のガスケット(以下「比較例」という。)を作製した。
As a comparative example of the example, a gasket having the same structure as the example (hereinafter referred to as “comparative example” ) was prepared except that the
実施例と比較例とのシール特性を図5に示す。図5は常温でのヘリウムガスシール試験を実施例と比較例について行い、それぞれのシール特性を比較したものである。図5において、実施例は比較例と比べ低〜高締付荷重(面圧)においてシール性能に優れる。また、比較例は高締付荷重においてPTFEシート12及び13の破壊が起こり漏洩を生じた。これにより、従来空隙4であった波形金属薄板11の谷部11aに充填材14を充填し該部を最初から埋めることによって、低〜高締付荷重において長期的に安定したシール性能を確保できることと、流動性が低い材料のPTFEシート12及び13やPTFE成形体21でも高締付荷重において破壊ぜす使用できることを確認した。
FIG. 5 shows the sealing characteristics of the example and the comparative example. FIG. 5 shows a helium gas seal test at room temperature for the example and the comparative example, and the seal characteristics are compared. In FIG. 5, the example is superior in sealing performance at a low to high tightening load (surface pressure) as compared with the comparative example. Further, in the comparative example, the
また、実施例と比較例のPTFEシート12及び13(多孔質PTFEシート)の厚みとシール性能の関係を下記の表1に示す。
Table 1 below shows the relationship between the thickness and the sealing performance of the
上記表1はヘリウムガスシール試験を実施例と比較例についてPTFEシート12及び13の厚みを変えながら行い、厚みごとのシール性能を比較したものである。表1において、実施例は比較例と比べ格段に薄い厚みt2のPTFEシート12及び13で安定したシール性能が得られた。これにより、従来空隙4であった波形金属薄板11の谷部11aに副シール材14を充填し該部を最初から埋めることによって、より薄いPTFEシート12及び13やPTFE成形体21の使用が可能となることを確認した。
Table 1 shows a comparison of sealing performance for each thickness by performing a helium gas seal test while changing the thickness of the
10,20 ガスケット
11 波形金属薄板(金属薄板)
11a 谷部
11b 山部
12,13 PTFEシート
14 充填材(シール材)
21 PTFE成形体
10,20
21 PTFE molded body
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