JP4917010B2 - 風車及び風力発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、風車及び風力発電装置に関する。
従来の風車としては、回転(動力)軸が水平方向に延びる水平回転軸型の風車と、回転軸が垂直(鉛直)方向に延びる垂直回転軸型の風車とが知られている。一般的に、風力発電においては、水平回転軸型の風車が用いられることが多い。これは、垂直回転軸型の風車と比較して、羽根に生じる揚力を回転力とする水平回転軸型の風車は、風力をより効率的にエネルギーに変換することができるためである。
ところが、水平回転軸型の風車は、回転軸及び羽根が風向方向に対して対向していなければ、十分な回転力を得ることができず、また、風向方向に対応して回転軸及び羽根を風向に対向させるためには、装置全体を回転させるような大がかりな装置が必要となる。また、効率的な発電用動力を得るためには、装置(羽根)の大型化が必要であるが、大型化に伴い、回転軸を地上からかなり離れた位置(少なくとも羽根の回転半径分だけ地上から離れた位置)に設置しなければならない。加えて、回転軸から発電用動力を得る発電機自体も回転軸付近に設置することが好ましいため、装置全体の重心が比較的高くなってしまうおそれがある。そのため、耐強風性の低下を招いてしまう等、不安定な設置状態となってしまうことが懸念される。また、大型化された羽根の先端は、速い速度(風速の5倍程度)で回転し得るため、風切り音が発生してしまい、騒音問題を招いてしまうおそれがある。
これに対して、羽根に生じる抗力を回転力とする垂直回転軸型の風車(例えば、パドル型風車、サボニウス型風車、クロスフロー型風車等)は、風向に左右されることなく回転することができ、また、発電機を高所に配置する必要がないため、安定した設置状態を実現することができる。加えて、羽根の回転速度は風速を上回ることがないため、風切り音の発生を防止することができる。
しかしながら、垂直回転軸型の風車においては、回転軸を挟んで一方側に位置する羽根は追い風を受けるため、十分な回転力を得ることができるが、他方の羽根は向かい風を受けることになってしまう。その結果、回転効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、垂直方向に延びる回転支持軸によって羽根を回転可能に支持するとともに、当該回転支持軸を前記垂直回転軸の回転に対して、反対方向に、かつ、半分の回転量で回転させる技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。これにより、垂直回転軸を挟んで一方に位置する羽根は風向と対向し、十分な回転力を得ることができるとともに、他方の羽根は向かい風に対して平行な向きとなり、向かい風の影響を最小限に抑えることができる。その結果、回転効率の向上を図ることができる。
特開2002−242815号公報
しかしながら、上記技術を採用した場合であっても、風車の回転始動のために必要な風速(カットイン速度)は依然として大きい。そのため、動作可能な風速帯域もおのずと狭いものとなってしまい(すなわち、低風速の風力はエネルギーとして得ることができず)、風力の有効的な利用を図ることができないおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的小さなカットイン速度であっても始動可能とすることで、動作可能な風速帯域を拡大することができ、風力の効率的なエネルギー変換を図ることができる風車及び当該風車を備えた抗力型風力発電装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.鉛直方向に延びる動力軸と、
当該動力軸の外周方向に延び、前記動力軸とともに回転する回転支持手段と、
鉛直方向に延びるとともに、前記回転支持手段に対して相対回転可能に支持される複数の回転支持軸と、
前記各回転支持軸に対応して一対ずつ設けられ、当該回転支持軸を挟むようにして各回転支持軸に支持される風受け板とを備える風車において、
前記動力軸の回転方向と反対方向に、前記動力軸の回転量の半分の回転量で前記回転支持軸を回転させるとともに、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交させる板向調節機構と、
前記回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離、及び、前記回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を相違させることで、前記回転支持軸に回転モーメントを発生させるべく、前記一対の風受け板を前記回転支持軸に対して水平方向に相対移動させる板位置調節機構と、
前記回転支持軸の回転モーメントを前記動力軸の回転力に変換可能な回転力変換機構とを備えることを特徴とする風車。
尚、「板向調節機構」としては、例えば、動力軸の回転方向と反対方向に、動力軸の回転量の半分の回転量で回転支持軸を回転させ、かつ、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置で、風受け板を風向に対して直交させるように動力軸の回転に同期して回転支持軸を回転させるサーボモータ及び同期制御装置からなる装置等を挙げることができる。また、「板位置調節機構」としては、動力軸の回転に同期して制御されるラック・アンド・ピニオン等で、水平方向に摺動可能に支持された風受け板を移動(摺動)させること等によって実現することができる。また、「回転力変換機構」としては、回転支持軸の回転モーメントを動力軸に対して伝達可能なベルトやチェーン等を挙げることができる。加えて、「風受け板」とあるのは、厳密に板状のものに限られるものではなく、例えば、フレームに布等を張ったもの等、風を受けることが可能なものであればよい。
上記手段1の風車は、垂直回転軸型の風車であるため、水平回転軸型の風車によって生じ得る設置状態の不安定化等の不具合が発生しないものとなる。また、風向に対応すべく装置全体を回転させるような装置を設ける必要がない。一方で、垂直回転軸型の風車は、水平回転軸型の風車と比較して回転効率が低下してしまうおそれがある。
この点、本手段1によれば、装置全体を動かすことなく風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、風受け板を風向に対して直交(対向)させることができる。すなわち、風受け板が風向と同方向に回転(公転)し、風から最も大きな力を得ることができる位置(「最大受風位置」という)において、風受け板の正面(背面)を風に対向させることができ、大きな回転力を得ることができる。
一方で、前記最大受風位置から、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が逆方向となる箇所、すなわち風受け板に対して向かい風が当たり、最も大きな抵抗力が加えられる位置(以下「最大抵抗位置」という)に至るまでの間に、風受け板は動力軸の回転量(180度)の半分(90度)だけ回転(自転)させられる。このため、最大抵抗位置においては、風受け板の側面が風と対向することとなる。これにより、向かい風の影響を極力抑制し、動力軸に生じる回転力が減少してしまうことを抑制することができる。
さらに、板向調節機構によって、風受け板は、動力軸の回転方向と反対方向に、動力軸の回転量の半分の回転量で回転(自転)するが、同時に風受け板は、動力軸を回転軸として回転(公転)するため、結果として、風受け板は、動力軸の回転方向と同一方向に動力軸の回転量の半分の回転量で回転する。そのため、最大受風位置及び最大抵抗位置間において、風受け板は、板面に生じる反力及び揚力によって、動力軸回りの回転力を生じさせることが可能な向きに傾くこととなる。
以上のように、板向調節機構を設けることによって、回転効率の低下を効果的に抑制することができるとともに、風力を効率的に動力軸の回転力として得ることができる。
さらに、本手段1によれば、板位置調節機構によって、回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離、及び、回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を相違させることができる。その結果、一方の風受け板によって回転支持軸回りに発生する回転モーメントと、他方の風受け板によって回転支持軸回りに発生する回転モーメントとの間に差を生じさせることができ、ひいては回転支持軸自体に回転モーメントを発生させることができる。併せて、回転力変換機構によって、当該回転支持軸に生じた回転モーメントを動力軸の回転力に変換することができる。これにより、比較的小さな風速であっても、動力軸の回転に十分な回転力を発生させることができ、カットイン速度の低下を図ることができる。その結果、動作可能な風速帯域の拡大を図ることができる。
以上、板向調節機構と、板位置調節機構及び回転力変換機構とが組み合わされることによって、風力を効率的に動力軸の回転力とすることができるとともに、利用可能な風速帯域の拡大を図ることができる。その結果、極めて効率的な風力のエネルギー変換を図ることができる。
手段2.前記一対の風受け板間の間隙に対応して設けられ、当該間隙における風の通過を抑制する風遮蔽板を具備することを特徴とする手段1に記載の風車。
前記板位置調節機構によって、回転支持軸と風受け板との水平距離を変更させた場合、両風受け板の間には間隙が生じてしまい、風からの力を十分に得ることができないおそれがある。
この点、上記手段2によれば、風受け板間の間隙に対応して風遮蔽板が設けられており、当該風遮蔽板によって、風受け板間の間隙における風の通過を抑制することができる。このため、風受け板及び風遮蔽板によって、風からの力を十分に得ることができるとともに、回転支持軸で生じる回転モーメントを一層大きなものとすることができる。これにより、動作可能な風速帯域を一層拡大することができるとともに、風力の一層効率的なエネルギー変換を図ることができる。
手段3.前記板位置調節機構は、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離を最大とする一方で、前記回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を最小とすることを特徴とする手段1又は2に記載の風車。
上記手段3によれば、最大受風位置において、回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離が最大とされる一方で、回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離が最小とされる。これにより、回転支持軸に生じる回転モーメントをより一層大きなものとすることができ、カットイン速度の低下を一層効果的に図ることができる。
手段.前記一方の風受け板は、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記他方の風受け板よりも前記動力軸に近接した位置に存在していることを特徴とする手段3に記載の風車。
上記手段によれば、基本的には上記手段3と同様の作用効果が奏されることとなる。加えて、本手段では、最大受風位置において、回転支持軸から最も離れた一方の風受け板が、他方の風受け板よりも動力軸に近接した位置に存在している。これにより、風受け板が動力軸を回転軸として回転(公転)した際に必要となるスペースを必要最小限なものとすることができる。その結果、風力の効率的なエネルギー変換を図りつつ、装置の小型化を図ることができる。
手段.前記板位置調節機構は、
前記動力軸の回転方向と反対方向に、前記動力軸の回転量と等しい回転量で回転可能であるとともに、鉛直方向に延びる直線部及び当該直線部から側方に向けて突設されたクランク部を有する板位置調節用回転軸と、
前記クランク部及び前記一対の風受け板の端部を連結する一対の連結棒と、
前記回転支持軸の回転力を前記板位置調節用回転軸の回転力として伝達する歯車機構とによって構成されることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の風車。
板位置調節機構を構成するに際しては、上記手段1で例示した動力軸の回転に同期して制御されるラック・アンド・ピニオン等を用いることが考えられる。ところが、ラック・アンド・ピニオンを動作させるための動力源や同期制御装置等が必要となり、コストの増大を招いてしまうおそれがある。
この点、本手段によれば、板位置調節機構は、クランク部を有する板位置調節用回転軸と、クランク部及び風受け板の端部を連結する連結棒と、回転支持軸の回転力を板位置調節用回転軸の回転力として伝達する歯車機構とから構成されている。ここで、歯車機構によって、別段の動力源を要することなく、動力軸の回転方向と反対方向に、動力軸の回転量と等しい回転量で板位置調節用回転軸を回転させることができる。併せて、ラック・アンド・ピニオンや同期制御装置等の複雑な装置を必要とすることなく、比較的簡易な構成で板位置調節機構を実現することができるため、コストの増大を効果的に抑制できる。
尚、板位置調節用回転軸、連結棒、及び、歯車機構の動作について説明すると、次のようになる。すなわち、歯車機構を介して回転軸の回転力が伝達されることで、動力軸の回転方向と反対方向に、動力軸の回転量と等しい回転量で板位置調節用回転軸が回転させられる。これにより、クランク部は常に同一の方向を向くこととなる。
一方で、当該クランク部に連結棒を介して連結された風受け板は、動力軸の回転に伴い、回転支持軸を回転軸として回転(自転)する。このため、風受け板とクランク部との水平距離は、動力軸の回転に伴い変化することとなる。より詳しくは、一方の風受け板が回転支持軸に接近していく一方で、他方の風受け板が回転支持軸から離間していき、動力軸が1回転すると、他方の風受け板が回転支持軸に接近していく一方で、一方の風受け板が回転支持軸から離間していくようにして風受け板とクランク部との水平距離が変化する(但し、動力軸が1回転しても、回転支持軸は半回転しかしないため、一対の風受け板を区別しなければ、動力軸の1回転中に風受け板は常に同じように動くこととなる)。以上のように、クランク部を有する板位置調節用回転軸、連結棒、及び、歯車機構によって、回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離、及び、回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を相違させることができる。その結果、回転支持軸に回転モーメントを発生させる板位置調節機構としての機能が実現される。
尚、クランク部の向きを風向と直交する方向とすることで、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離が最大とされる一方で、回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離が最小とされる。そのため、上記手段3と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段.前記板向調節機構及び前記回転力変換機構は、共通の構成により実現されていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の風車。
上記手段によれば、板向調節機構及び回転力変換機構が、共通の構成により実現されている。このため、装置の大型化及び複雑化を防止することができる。
尚、板向調節機構及び回転力変換機構を実現する共通の構成としては、例えば、次述する手段の構成を挙げることができる。
手段.前記板向調節機構及び前記回転力変換機構は、共通の構成としての、
前記動力軸の中心軸と同一の中心軸を有する第1の傘歯車と、
風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交可能とすべく、風向に対応して前記第1の傘歯車を回転させるとともに、当該第1の傘歯車の回転動作を除いて、前記第1の傘歯車を不動状態とする風向調整手段と、
前記回転支持軸の中心軸と同一の中心軸を有し、前記回転支持軸に固定される第2の傘歯車と、
一端部に第3の傘歯車を具備するとともに、他端部に第4の傘歯車を具備し、当該第3の傘歯車及び第4の傘歯車を連結する棒状の転送軸を有する回転転送軸とで実現されており、
前記回転転送軸は、前記第1の傘歯車に対し前記第3の傘歯車を噛合させるとともに、前記第2の傘歯車に対し前記第4の傘歯車を噛合させることで、前記第1の傘歯車及び前記第2の傘歯車に対して相互に回転力を伝達可能であり、
前記第1の傘歯車に対して前記第3の傘歯車の上部又は下部が噛合される一方で、前記第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部又は上部が噛合され、かつ、
前記第1の傘歯車の歯数及び前記第4の傘歯車の歯数を乗算して得た値と、前記第2の傘歯車の歯数及び前記第3の傘歯車の歯数を乗算して得た値との比が1:2とされていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の風車。
尚、「風向調整手段」は、例えば、風向を測定する風向計と、自身のモータ軸に第1の傘歯車と噛合される歯車を有するサーボモータと、前記風向計の風向データから、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、風受け板を風向に対して直交させるために、第1の傘歯車の必要な回転量を演算し、当該演算結果に基づいて前記サーボモータを制御する演算装置(コントローラ)とから構成することができる。また、「風向調整手段」として、第1の傘歯車に連結され、風向に対応して当該第1の傘歯車を回転可能な風見鶏を用いることとしてもよい。加えて、「前記第1の傘歯車に対して前記第3の傘歯車の上部又は下部が噛合される一方で、前記第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部又は上部が噛合され」とあるのは、例えば、第1の傘歯車に対して第3の傘歯車の上部が噛合されている場合には、第2の傘歯車に対して第4の傘歯車の下部が噛合されるという意味である。
上記手段によれば、板向調節機構及び回転力変換機構が、第1の傘歯車、第2の傘歯車、第3、第4の傘歯車を有する回転転送軸、及び、風向調整手段という共通の構成によって実現されているため、上記手段と同様の作用効果が奏される。
ここで、本手段における板向調節機構及び回転力変換機構を実現する第1、第2の傘歯車、回転転送軸、及び、風向調整手段の動作について説明する。
まず、板向調節機構としての動作について説明すると、風向調整手段によって、風向に対応した回転量だけ第1の傘歯車が回転され、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置で、風受け板が風向に対して直交(対向)する状態とされる。また、第1の傘歯車を回転させた後(風向に対応させた後)、風向調整手段によって、前記第1の傘歯車が不動状態とされる。すなわち、第1の傘歯車は回転可能ではあるが、風向調整手段によってのみ回転可能であり、風向が一定であれば不動状態とされる。
そして、風を受けた風受け板が動力軸を回転軸として回転(公転)する(動力軸が回転する)ことによって、不動状態の第1の傘歯車に噛合された第3の傘歯車が第1の傘歯車の外周に沿って回転するとともに、第3の傘歯車が自身の中心軸を回転軸として回転する。第3の傘歯車の回転力は、転送軸を介して第4の傘歯車に伝達され、第4の傘歯車が回転する。そして、当該第4の傘歯車が回転することで、第4の傘歯車に噛合された第2の傘歯車が回転する。
このとき、第1の傘歯車に対して第3の傘歯車の上部(下部)が噛合される一方で、第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部(上部)が噛合されているため、第2の傘歯車は、動力軸の回転方向と反対方向に回転(自転)し、ひいては回転支持軸が動力軸と反対方向に回転(自転)する。
また、第1の傘歯車の歯数及び第4の傘歯車の歯数を乗算して得た値と、第2の傘歯車及び第3の傘歯車の歯数を乗算して得た値との比が1:2となっているため、第2の傘歯車(回転支持軸)は、動力軸の回転量の半分の回転量だけ回転(自転)する(但し、風受け板が動力軸を回転軸として回転(公転)するため、結果として、風受け板は動力軸の回転方向と同一の回転方向であって、動力軸の回転量の半分の回転量で回転することとなる)。以上のように、上記手段によって、動力軸の回転方向と反対方向に、動力軸の回転量の半分の回転量で回転支持軸を回転させることができるとともに、風向及び回転支持軸の動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、風受け板を風向に対して直交(対向)させる板向調節機構が実現される。
次いで、回転力変換機構としての動作について説明すると、回転支持軸に回転モーメントが発生することで、当該回転支持軸に固定される第2の傘歯車に回転モーメントが発生する。第2の傘歯車に発生した回転モーメントは、第4の傘歯車及び転送軸を介して、第3の傘歯車に回転力を生じさせる。第3の傘歯車は、その伝達された回転力によって、不動状態にある第1の傘歯車の外周を回転する。その結果、動力軸に回転力が発生することとなり、回転力変換機構としての機能が実現されることとなる。
また、本手段では、板向調節機構及び回転力変換機構は、第1、第2の傘歯車、第3、第4の傘歯車を有する回転転送軸、及び、風向調整手段という比較的簡易な構成から実現することができる。従って、コストの増大をより一層抑制することができる。
尚、第1の傘歯車に代えて、動力軸に対して歯車を外嵌するとともに、第2の傘歯車に代えて、回転支持軸に対して歯車を外嵌し、さらに、回転転送軸に代えて、両歯車同士を連結するタイミングベルトやチェーンベルト等を設けることによって板向調節機構及び回転力変換機構を実現することも考えられる。
ところが、風からより大きな力を得るために装置(特に、風受け板)の大型化を図る場合には、動力軸を回転軸とした風受け板の回転半径の増大を図る必要があるが、装置の大型化を図ると、ベルトを長くせざるを得ず、ベルトの弛みが懸念される。ベルトの弛みを防止するためには、高頻度でのメンテナンスが必要となるため、メンテナンスコストが増大してしまい、また、ベルトが弛んでしまうと、動作の不安定化を招いてしまうおそれがある。
さらに、複数組の風受け板を設けようとすると、上下方向に複数段のベルトや歯車を設ける必要があるため、装置が上下方向に大型化してしまい、ひいては設置状態の不安定化等の不具合を招いてしまうおそれがある。
これに対して、本手段によれば、回転力の伝達は棒状の転送軸を介して行われるため、装置の大型化を図った場合であっても、ベルトを介して行った場合に生じ得るベルトの弛み等の問題が発生しない。このため、動作の不安定化やメンテナンスコストの増大を招くことなく、比較的容易に装置の大型化を図ることができる。
また、複数組の風受け板を設ける場合には、第1の傘歯車を中心として複数の回転転送軸を放射状に配置すればよく、装置の上下方向への大型化を防止することができ、設置状態の安定化を図ることができる。
手段.鉛直方向に延びる動力軸と、
当該動力軸の外周方向に延び、前記動力軸とともに回転する回転支持手段と、
鉛直方向に延びるとともに、前記回転支持手段に対して相対回転可能に支持される複数の回転支持軸と、
前記各回転支持軸に対応して一対ずつ設けられ、当該回転支持軸を挟むようにして各回転支持軸に支持される風受け板とを備える風車であって、
前記一対の風受け板間の間隙に対応して設けられる風遮蔽板と、
前記動力軸の中心軸と同一の中心軸を有する第1の傘歯車と、
風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交可能とすべく、風向に対応して前記第1の傘歯車を回転させるとともに、当該第1の傘歯車の回転動作を除いて、前記第1の傘歯車を不動状態とする風向調整手段と、
前記回転支持軸の中心軸と同一の中心軸を有し、前記回転支持軸に固定される第2の傘歯車と、
一端部に第3の傘歯車を具備するとともに、他端部に第4の傘歯車を具備し、さらに、当該第3の傘歯車及び第4の傘歯車を連結する転送軸を有し、前記第1の傘歯車に対し前記第3の傘歯車を噛合させるとともに、前記第2の傘歯車に対し前記第4の傘歯車を噛合させることで、前記第1の傘歯車及び前記第2の傘歯車に対して相互に回転力を伝達可能な回転転送軸と、
前記動力軸の回転量と等しい回転量で、前記動力軸の回転方向と反対方向に回転可能であるとともに、鉛直方向に延びる直線部及び当該直線部から側方に向けて突設されたクランク部を有する板位置調節用回転軸と、
前記クランク部及び前記一対の風受け板の前記回転支持軸側の端部を連結する一対の連結棒と、
前記第2の傘歯車に連結され、前記回転支持軸の回転力を前記板位置調節用回転軸の回転力として伝達する歯車機構とを備え、
前記第1の傘歯車に対して前記第3の傘歯車の上部又は下部が噛合される一方で、前記第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部又は上部が噛合されるとともに、
前記第1の傘歯車の歯数及び前記第4の傘歯車の歯数を乗算して得た値と、前記第2の傘歯車の歯数及び前記第3の傘歯車の歯数を乗算して得た値との比が1:2とされていることを特徴とする風車。
上記手段によれば、上記手段1等と同様の作用効果が一挙に奏されることとなる。
手段.上記手段1乃至のいずれかに記載の風車を具備することを特徴とする風力発電装置。
上記手段によれば、発電機を具備する風力発電装置において上記手段1〜の思想を適用される。すなわち、風力発電装置として使用された場合に、上記各手段の作用効果が奏されることとなる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1,2,3,4に示すように、本実施形態における風力発電装置1は、発電機2と、当該発電機2の発電用動力を発生可能な風車3と、当該風車3を地上に支持するための支持フレーム4とを備える。
発電機2は、例えば、地上に設置されており、後述する風車3の動力軸11からの回転力に基づいて発電可能なものである。当該発電機2の構成は、公知のものであるため、ここでのこれ以上の説明を省略する。
風車3は、前記発電機2から鉛直上方に延びる軸線Cを中心軸とする動力軸11、及び、当該動力軸11からその外周方向に向けて設けられた回転支持手段としての回転支持台12等を備えるものである(詳細については後述する)。
支持フレーム4は、板状の上支持部5及び下支持部6を備えている。当該上支持部5及び下支持部6の四隅は、地上から延びる複数本(本実施形態では、4本)の支持柱7に対してそれぞれ固定されており(図4参照)、上支持部5及び下支持部6は共に水平な状態で、互いに平行に配設固定されている。また、上支持部5の中心部分及び下支持部6の中心部分には軸線C方向に貫通する孔部17,18が形成されており(図2,3参照)、当該孔部17,18にはベアリング8,9を介して、動力軸11が相対回転可能に支持されている。これにより、動力軸11ひいては風車3が支持フレーム4に対し、相対回転可能となっている。
次いで、本発明の特徴である風車3について詳細に説明する。
風車3は、前述の通り、動力軸11及び回転支持台12を備えるものである。
動力軸11は、風力発電装置1の平面視において、時計回りに回転可能に構成されている。
回転支持台12は、動力軸11の上部から外周方向に延びる上テーブル13と、動力軸11の下部から外周方向に延びる下テーブル14と、両テーブル13,14の端部同士を連結する複数(本実施形態では、2本)のテーブル連結柱15とを備えている。
また、両テーブル13,14の間には、第1風受け手段10a,第2風受け手段10bが、前記動力軸11を挟むようにして対称位置に配設されている。第1風受け手段10a,第2風受け手段10bは、それぞれ鉛直方向に延びるとともに、両テーブル13,14に対して相対回転可能に支持される回転支持軸21a,21bを備えている。より詳しくは、両テーブル13,14の端部側には、鉛直方向に貫通する孔が形成されているとともに、各孔にベアリング16a,16bを介して、前記回転支持軸21a,21bを挿通させ、上下方向に位置決めすることで、回転支持軸21a,21bが両テーブル13,14に対して相対回転可能に支持されている。回転支持軸21a,21bは、それぞれ上テーブル13に支持される上部回転支持軸22a,22bと、下テーブル14に支持される下部回転支持軸23a,23bとから構成されている。より詳しくは、下部回転支持軸23a,23bの端部は、下テーブル14に設けられたスラストベアリングによって軸受されており、その結果、回転支持軸21a,21bの抜け防止が図られている。また、回転支持軸21a,21bには、自身の中心軸方向に延びる貫通孔が形成されている。
さらに、第1風受け手段10a,第2風受け手段10bは、回転支持軸21a,21bから、水平方向に及び、断面略コ字状をなす支持アーム24a,24bを備えている。より詳しくは、第1風受け手段10aの支持アーム24aは、上部回転支持軸22aから水平方向に延びる上部支持アーム25a、及び、下部回転支持軸23aから水平方向に延びる下部支持アーム26aから構成されている。また、第2風受け手段10bの支持アーム24bも、上部回転支持軸22bから水平方向に延びる上部支持アーム25、及び、下部回転支持軸23bから水平方向に延びる下部支持アーム26bから構成されている。加えて、第1風受け手段10aの上部支持アーム25aの四隅及び下部支持アーム26aの四隅同士は、鉛直方向に延びる複数(本実施形態では4本)の支持アーム支柱30aによって連結されている(図4参照)。また、第2風受け手段10bの上部支持アーム25b及び下部支持アーム26bについても、これらの四隅同士が鉛直方向に延びる複数の支持アーム支柱30bによって連結されている。また、各支持アーム24a,24bの内側側面には、水平方向に延びる複数のスライド溝29a1,29a2,29b1,29b2が形成されている。
さらに、第1風受け手段10aの支持アーム24aには、一対の風受け板31a,32aが支持アーム24aに沿って水平方向に摺動(スライド)可能に支持されている。また、第2風受け手段10bの支持アーム24bにも、一対の風受け板31b,32bが支持アーム24bに沿って水平方向に摺動可能に支持されている。より詳しくは、第1風受け手段10aの風受け板31aは、上端部分及び下端部分から回転支持軸21aに向けて水平方向に延びるガイドアーム33aを備えており、当該ガイドアーム33aが前記スライド溝29a1に対して摺動可能に嵌め込まれている。また、第1風受け手段10aの風受け板32aは、上端部分及び下端部分から回転支持軸21aに向けて延びるガイドアーム34aを備えており、当該ガイドアーム34aが前記スライド溝29a2に摺動可能に嵌め込まれている。同様に、第2風受け手段10bについても、風受け板31b,32bは、それぞれ上端部分及び下端部分から水平方向に延びるガイドアーム33b,34bを備えており、ガイドアーム33bが前記スライド溝29b1に、ガイドアーム34bが前記スライド溝29b2に摺動可能に嵌め込まれている。
尚、本実施形態では、単に「摺動可能」と表記しているが、ローラやベアリング等を介設することで、より円滑なスライドを実現することとしてもよい。また、本実施形態では、前記ガイドアーム33a,34a及びガイドアーム33b,34bは、上記のように、上下方向にずれた状態で嵌めこまれているため、ガイドアーム33a,34a同士及びガイドアーム33b,34b同士が接触してしまうことを防止できるようになっている。
このように風受け板31a,31b,32a,32bが、回転支持軸21a,21b等を介して回転支持台12に対して支持されているため、風受け板31a,31b,32a,32bが風を受けることによって、回転支持台12ひいては動力軸11を回転させることができるようになっている。
また、風受け板31a,31b,32a,32bは、板状をなすとともに、風受け板31a,32aの回転支持軸21a側の端縁部の上下方向略中央,及び、風受け板31b,32bの回転支持軸21b側の端縁部の上下方向略中央には、切り欠きが形成されている。また、当該切り欠きには、鉛直方向に延びる棒状部材35a,35bが設けられている。
加えて、第1風受け手段10aの一端側の支持アーム支柱30aから他端側の支持アーム支柱30aにかけて一対の風遮蔽板36aが設けられており、また同様に、前記風受け手段10bの一端側の支持アーム支柱30bから他端側の支持アーム支柱30bにかけて一対の風遮蔽板36bが設けられている。風遮蔽板36aは、風受け板31a,32a間に形成される間隙を覆うようにして設けられており、風遮蔽板36bもまた、風受け板31b,32b間に形成される間隙を覆うようにして設けられている。さらに、風遮蔽板36a,36bには、後述するクランク部65a,65b及び連結棒63a,63bの回転を妨げないように、クランク部65a,65b及び連結棒63a,63bの回転経路に対応して切り欠き部37a,37bが形成されている。
さらに、風車3は、板向調節機構41a,41bを備えている。本実施形態において、板向調節機構41a,41bは、前記上支持部5に固定状態で設置された風向調整手段としての風向調整機19と、前記軸線Cを中心軸とする動力軸歯車機構42と、水平方向に延び、前記第1風受け手段10a及び第2風受け手段10bにそれぞれ対応する回転転送軸43a,43bと、前述した回転支持軸21a,21bに固定される第2の傘歯車44a,44bとから構成されている。尚、後に詳述するが、板向調節機構41a,41bは、回転支持軸21a,21bに生じる回転モーメントを動力軸11の回転力に変換する回転力変換機構としての機能も備えている。すなわち、本実施形態において、板向調節機構41a,41bとしての機能、及び、回転力変換機構としての機能は共通の構成によって実現されている。
風向調整機19は、風向を測定するための風向計と、後述する内蔵歯車を回転させるためのサーボモータと、前記風向計によって得られた風向データに基づいて前記サーボモータを制御するためのコントローラとを備える(それぞれ図示せず)。ここで、コントローラは、風向計から得られた風向を随時記憶できるようになっており、直前の風向と風向計から得られた現在の風向とを比較して、回転転送軸43a,43bを介して、風受け板31a,32a(或いは、風受け板31b,32b)が風向に対して直交(正対)するために必要なサーボモータの回転量を演算する。また、コントローラは、当該演算された回転量に基づいてサーボモータを制御する。加えて、コントローラは、風向に変化がない場合には、サーボモータが回転しないように制御する。
さらに、風向調整機19は、その内部に図示しない内蔵歯車を備えており、当該内蔵歯車は、前記動力軸歯車機構42のうち次述する上部歯車45に対して噛合されている。尚、前記内蔵歯車は、サーボモータによってのみ回転可能となっている。換言すれば、コントローラによってサーボモータが回転しないように制御されている場合、すなわち、風向に変化がない場合には、内蔵歯車は不動状態とされる。
動力軸歯車機構42は、前述の上部歯車45と、第1の傘歯車としての下部傘歯車46と、上部歯車45及び下部傘歯車46を連結する筒状部47とから構成されている。上部歯車45、下部傘歯車46、及び、筒状部47は軸線Cを中心軸としており、下部傘歯車46及び筒状部47は、軸線Cを中心軸として延びる挿通孔48を有している。そして、当該挿通孔48に対して、動力軸11の上部が挿通されており、動力軸歯車機構42は、動力軸11の外周を、前記動力軸11とは独立して回転可能となっている。但し、前述のように、前記内蔵歯車は、サーボモータによってのみ(すなわち、風向の変化があったときのみ)回転するように構成されている。そのため、風向に変化がなければ、前記内蔵歯車に噛合される上部歯車45、ひいては動力軸歯車機構42は回転することなく、風向調整機19(支持フレーム4)に対して不動状態となる。
前記回転転送軸43a,43bは、水平方向に延びる棒状の転送軸49a,49bと、当該転送軸49a,49bの動力軸11側端部に連結され、前記下部傘歯車46に噛合される第3の傘歯車50a,50bと、前記転送軸49a,49bの回転支持軸21a,21b側端部に連結される第4の傘歯車51a,51bとから構成されている。転送軸49a,49bは、前記上テーブル13に立設された複数の軸支部52a,52bによって回転可能に支持されている。より詳しくは、軸支部52a,52bには、水平方向に延びるようにして形成された貫通孔にベアリング53a,53bが設けられており、当該ベアリング53a,53bを介して、転送軸49a,49bが回転可能に支持されている。加えて、本実施形態において、第3の傘歯車50a,50b及び第4の傘歯車51a,51bは、同じ歯数を有するものとされている。
また、前記第2の傘歯車44a,44bは、回転支持軸21a,21bの中心軸と同一の中心軸を有するようにして回転支持軸21a,21bの上部に連結されている。当該第2の傘歯車44a,44bには、回転支持軸21a,21bに形成された貫通孔から連続し、当該貫通孔と同一内径を有する貫通孔が形成されている。さらに、第2の傘歯車44a,44bは、前記第4の傘歯車51a,51bに対して噛合されている。
加えて、本実施形態において、第2の傘歯車44a,44bの歯数は、前記下部傘歯車46の歯数の2倍とされている。これにより、第2の傘歯車44a,44bは、下部傘歯車46の回転量の半分の回転量だけ回転するようになっている。また、動力軸11が回転した場合、当該回転に伴い不動状態にある下部傘歯車46に対して第3の傘歯車50a,50bが噛合された回転転送軸43a,43bが自身の中心軸を回転軸として回転し、第2の傘歯車44a,44bは、動力軸11の回転量の半分の回転量だけ回転することとなる。その結果、第2の傘歯車44a,44bに連結された回転支持軸21a,21bについても、第2の傘歯車44a,44bと同様の回転をすることとなり、ひいては回転支持軸21a,21bに支持された風受け板31a,31b,32a,32bについても第2の傘歯車44a,44bと同様の回転をすることとなる。すなわち、動力軸11の回転量の半分の回転量だけ、風受け板31a,32aが回転支持軸21aを回転軸として回転し、風受け板31b,32bが回転支持軸21bを回転軸として回転する。尚、風受け板31a,31b,32a,32bの回転方向に関しては、下部傘歯車46に対して第3の傘歯車50a,50bの上部が噛合されるとともに、第2の傘歯車44a,44bに対して第4の傘歯車51a,51bの下部が噛合されるため、風受け板31a,31b,32a,32bは、動力軸11の回転方向とは反対方向に回転する。
加えて、風車3は、風受け板31a,32aと回転支持軸21aとの水平距離,及び、風受け板31b,32bと回転支持軸21bとの水平距離を変更するための板位置調節機構61a,61bを備えている。当該板位置調節機構61a,61bは、板位置調節用回転軸62a,62bと、連結棒63a,63bと、歯車機構としての風受け板歯車機構64a,64bとから構成されている。
板位置調節用回転軸62a,62bは、鉛直方向に延びる直線部66a,66bと、当該直線部から66a,66bから側方に向けて突設されたクランク部65a,65bとを有するものである。上側に位置する直線部66a,66bは、前記上部回転支持軸22a,22b及び第2の傘歯車44a,44bに形成された貫通孔に挿通されている。また、下側に位置する直線部66a,66bは、前記下部回転支持軸23a,23bの貫通孔に挿通されている
連結棒63aは、前記クランク部65a及び前記風受け板31a,32aの棒状部材35aを連結するものであり、連結棒63bは、前記クランク部65b及び風受け板31b,32bの棒状部材35bを連結するものである。より詳しくは、連結棒63a,63bは、その両端部に孔部を有しており、一端側の孔部に対して、クランク部65a,65bが挿通されており、他端側の孔部に対して、棒状部材35a,35bが挿通されている。
また、クランク部65a,65bは板位置調節用回転軸62a,62bの鉛直方向略中央部分に設けられている。そして、後述する風向調整機19の作用によって、クランク部65a,65bは、風向と直交する向きであって、図9の水平方向(右方向)を向くようになっている。
尚、本実施形態において、回転支持軸21a(21b)から風受け板31a,32a(31b,32b)までの水平距離は、常に前記支持アーム24a(24b)の水平方向長さの半分よりも小さいものとされている。これにより、風受け板31a,32a(31b,32b)がスライド溝29a1,29a2(29b1,29b2)から脱落してしまうことを防止できるようになっている。
風受け板歯車機構64a,64bは、第1回転伝達歯車71a,71bと、回転方向変換歯車72a,72bと、第2回転伝達歯車73a,73bとを備えている。
第1回転伝達歯車71a,71bは、回転支持軸21a,21bの上部において、第2の傘歯車44a,44bよりも上方に配設され、前記回転支持軸21a,21bの中心軸と同一の中心軸を有するものである。また、第1回転伝達歯車71a,71bには、前記回転支持軸21a,21b及び第2の傘歯車44a,44bが有する貫通孔から連続し、同一の内径を有する貫通孔が形成されている。また、当該貫通孔には、前記板位置調節用回転軸62a,62bの直線部66a,66bの上部が挿通されている。
前記回転方向変換歯車72a,72bは、上部歯車74a,74bと、下部歯車75a,75bと、上部歯車74a,74b及び下部歯車75a,75bを連結するようにして鉛直方向に延びる軸部76a,76bとから構成されている。上部歯車74a,74bは、第2回転伝達歯車73a,73bに対して噛合されており、下部歯車75a,75bは、前記第1回転伝達歯車71a,71bに対して噛合されている。ここで、回転方向変換歯車72a,72bは、上テーブル13から鉛直上方へ延びる縦面部77a,77bと、当該縦面部77a,77bの上端部から動力軸11方向へと延びる横面部78a,78bとから構成される歯車支持アーム79a,79bによって回転可能に支持されている。より詳しくは、横面部78a,78bには、鉛直方向に向けて貫通形成された一対の孔にベアリング81a,81b及びベアリング82a,82bが設けられており、前記軸部76a,76bがベアリング81a,81bを介して、回転可能に支持されている。また、板位置調節用回転軸62a,62bは、ベアリング82a,82bを介して、前記歯車支持アーム79a,79bに回転可能に支持されている。
前記第2回転伝達歯車73a,73bは、前記板位置調節用回転軸62a,62bの直線部66a,66bの上部に連結されており、当該直線部66a,66bの中心軸と同一の中心軸を有するものである。
ここで、前記第1回転伝達歯車71a,71bの歯数、及び、前記下部歯車75a,75bの歯数は同数とされており、一方、第2回転伝達歯車73a,73bの歯数は、前記上部歯車74a,74bの歯数の半分となっている。従って、第2回転伝達歯車73a,73bは、前記第1回転伝達歯車71a,71bの2倍の回転数で回転することとなる。これにより、第1回転伝達歯車71a,71bに連結されている回転支持軸21a,21bの回転数の2倍の回転数で、第2の回転伝達歯車73a,73bに連結されている板位置調節用回転軸62a,62bが回転する。結果として、前述の通り、回転支持軸21a,21bは、動力軸11の半分の回転量で回転(自転)するため、板位置調節用回転軸62a,62bは、動力軸11と同じ回転量で回転(自転)することとなる。
また、第1回転伝達歯車71a,71b及び第2回転伝達歯車73a,73b間は、回転方向変換歯車72a,72bを介して回転力が伝達されるため、第1回転伝達歯車71a,71bの回転方向及び第2回転伝達歯車73a,73bの回転方向は同一方向となる。従って、板位置調節用回転軸62a,62bの回転方向は、回転支持軸21a,21bの回転方向と同一方向となり、ひいては動力軸11の回転方向と反対方向となる。すなわち、板位置調節用回転軸62a,62bは、動力軸11と反対方向に、動力軸11と同一回転量で回転(自転)するようになっている。
次に、上述した風車3の動作について説明する。尚、便宜上、これまで第1風受け手段10a、第2風受け手段10bを区別するべく付してきたa、bの符号を、これ以降では割愛して表示していくこととする。
初めに、風向及び回転支持軸21の動力軸11を回転軸とする回転方向が一致する位置において、風向に対して風受け板31(32)を直交(正対)させるための風向調整機19の動作について、図5に示すように、図の下方向からの風(図中の黒矢印)が図の右方向からの風(図中の白抜き矢印)へと風向が変化した場合を例として説明する。尚、説明の便宜上、以下においては、動力軸11、回転支持軸21、及び、風受け板31,32等のみを図示する。
まず、前記風向計によって風向が測定され、当該風向に関する情報が前記コントローラに伝送される。コントローラは、直前の風向(下方向からの風)と伝送された風向(右方向からの風)とを比較する。このとき、風向は、動力軸11の外周方向に反時計回りに90度変化したこととなる。このため、コントローラは、前記下部傘歯車46を反時計回りに90度回転させるべく、前記サーボモータを所定の回転方向に所定の回転量だけ動作させる。これにより、前記板向調節機構41を介して回転力が伝達され、図6に示すように、風受け板31,32等が反時計回りに45度回転させられるとともに、板位置調節用回転軸62(クランク部65)が反時計回りに90度回転させられる。この状態で、風受け板31,32が風を受けることにより、動力軸11が時計回りに90度回転すると、次述する板向調節機構41の機能(動力軸11の回転方向と反対方向であって、動力軸11の回転量の半分の回転量だけ風受け板31,32等を回転させる機能)によって、図7に示すように、風受け板31,32は、結果的に、時計回りに45度だけ回転し、風受け板31,32が風向に対して直交(正対)することとなる。
次いで、動力軸11が回転しているときの板向調節機構41の動作について説明する。尚、風向は一定方向となっており、ひいては動力軸歯車機構42が不動状態とされているものとする。
まず、風受け板31,32が風の力を得ることによって、動力軸11及び回転支持台12が回転する。このとき、図8に示すように、不動状態にある動力軸歯車機構42(下部傘歯車46)に対して噛合されている第3の傘歯車50が下部傘歯車46の外周に沿って回転する。これにより、回転転送軸43が回転することとなり、ひいては当該回転転送軸43の第4の傘歯車51に噛合されている第2の傘歯車44が回転する。その結果、第2の傘歯車44に連結された回転支持軸21が回転するとともに、回転支持軸21を回転軸として風受け板31,32が回転する。このとき、前述の通り、第2の傘歯車44の回転量が動力軸11の回転量の半分の回転量となっているため、風受け板31,32は、動力軸11の回転量の半分の回転量だけ回転支持軸21を回転軸として回転(自転)することとなる。加えて、風受け板31,32は動力軸11の回転方向と反対方向に回転(自転)するが、それと同時に、風受け板31,32は、動力軸11を回転軸として回転(公転)している。そのため、図9に示すように、風受け板31,32は、動力軸11の回転方向と同一方向に半分の回転量で回転しているように動作することとなる。尚、図9のA点における風受け板31,32について鑑みると、動力軸11が1回転することで、風受け板31,32は半回転するため、動力軸11の1回転毎に、回転支持軸21の回転経路Kの内側に位置する風受け板31(32)と、回転経路Kの外側に位置する風受け板32(31)とが交互に入れ替わることとなる。
次に、板位置調節機構61の動作について説明する。風受け板31,32が風の力を得ることによって、動力軸11及び回転支持台12が回転する。このとき、前述の通り、回転支持軸21は動力軸11の半分の回転量で回転するが、風受け板歯車機構64によって、板位置調節用回転軸62は回転支持軸21の2倍の回転量で回転する。このため、板位置調節用回転軸62は動力軸11と同じ回転量で反対方向に回転することとなり、ひいてはクランク部65は常時風向と直交する方向(図9の右方向)を向くこととなる。一方で、風受け板31(32)は回転支持軸21を回転軸として回転する。このため、風受け板31,32の動力軸11回りの回転を省略(回転支持軸21を固定)して鑑みると、図9のA点からB点までの経路においては、図10(a)に示すように、一対の風受け板31,32のうち、図の左側に位置する風受け板31(32)が、回転支持軸21から離間していくように移動し、図の右側に位置する風受け板32(31)が、回転支持軸21に接近していくように移動する。また、B点からA点への経路においては、図10(b)に示すように、図の右側に位置する風受け板31(32)が、回転支持軸21から離間していくように移動し、図の左側に位置する風受け板32(31)が、回転支持軸21に接近するように移動する。尚、図9中のA点において、右側に位置する風受け板3231)及び回転支持軸21間の水平距離が最大となり、左側に位置する風受け板3132)及び回転支持軸21間の水平距離との差が最小となる。一方で、図9中のB点においては、両風受け板31,32及び回転支持軸21間の水平距離が等しくなる。
上記のように構成されることで、B点を除いて、図9中の右側に位置する風受け板32(31)及び回転支持軸21間の水平距離が、左側に位置する風受け板31(32)及び回転支持軸21間の水平距離よりも常に大きなものとなる。その結果、右側に位置する風受け板32(31)が回転支持軸21に対して生じさせる回転モーメントが、左側に位置する風受け板31(32)が回転支持軸21に対して生じさせる回転モーメントよりも大きなものとなり、回転支持軸21に対して、反時計回りの回転モーメントが生じることとなる。
当該回転支持軸21に生じた回転モーメントは、前記板向調節機構41を介して動力軸11の回転モーメントとして変換される。すなわち、図8に示すように、回転支持軸21に反時計回りの回転モーメントが生じることで、第2の傘歯車44についても、反時計回りの回転モーメントが生じる。第2の傘歯車44に生じた回転モーメントは、回転転送軸43を介して、不動状態にある下部傘歯車46の外周を第3の傘歯車50が回転するための回転力となる。これにより、回転転送軸43を支持する回転支持台12に回転力が加わり、ひいては動力軸11の回転力に変換される。すなわち、前記板向調節機構41は、回転支持軸21の回転モーメントを動力軸11の回転力として変換可能な回転力変換機構としての機能も有しており、板向調節機構41としての機能及び回転力変換機構としての機能は共通の構成により実現されている。
以上詳述したように、本実施形態の風力発電装置1(風車3)によれば、垂直回転軸型の風車であるため、水平回転軸型の風車によって生じ得る設置状態の不安定化等の不具合が発生しないものとなる。
さらに、風向及び回転支持軸21の動力軸11を回転軸とする回転方向が一致する位置において、風受け板31,32を風向に対して直交(対向)させることができる。すなわち、風受け板31,32が風向と同方向に回転(公転)し、風から最も大きな力を得ることができる位置(図9のA点)において、風受け板31,32の正面(背面)を風に対向させることができ、大きな回転力を得ることができる。
一方で、前記A点から、風向及び回転支持軸21の動力軸11を回転軸とする回転方向が逆方向となる箇所、すなわち風受け板31,32に対して向かい風が当たり、最も大きな抵抗力が加えられる位置(図9のB点)に至るまでの間に、風受け板31,32は動力軸11の回転量(180度)の半分(90度)だけ回転(自転)させられる。このため、前記B点においては、風受け板31,32の側面が風と対向することとなる。これにより、向かい風の影響を極力抑制し、動力軸11に生じる回転力が減少してしまうことを抑制することができる。
さらに、板向調節機構41によって、風受け板31,32は、動力軸11の回転方向と反対方向に、動力軸11の回転量の半分の回転量で回転(自転)するが、同時に風受け板31,32は動力軸を回転軸として回転(公転)するため、結果として、風受け板31,32は、動力軸の回転方向と同一方向に動力軸の回転量の半分の回転量で回転することとなる。そのため、A点及びB点間において、風受け板31,32は、板面に生じる反力及び揚力によって、動力軸11回りの回転力を生じさせることが可能な向きに傾くこととなる。
以上のように、板向調節機構41を設けることによって、回転効率の低下を効果的に抑制することができるとともに、風力を効率的に動力軸11の回転力として得ることができる。
さらに、板位置調節機構61によって、回転支持軸21から一方の風受け板31(32)までの水平距離、及び、回転支持軸21から他方の風受け板32(31)までの水平距離を相違させることができる。その結果、一方の風受け板31(32)によって回転支持軸21回りに発生する回転モーメントと、他方の風受け板32(31)によって回転支持軸21回りに発生する回転モーメントとの間に差を生じさせることができ、ひいては回転支持軸21自体に回転モーメントを発生させることができる。併せて、回転力変換機構としての機能を有する板向調節機構41によって、当該回転支持軸21に生じた回転モーメントを動力軸11の回転力に変換することができる。これにより、比較的小さな風速であっても、動力軸11の回転に十分な回転力を発生させることができ、カットイン速度の低下を図ることができる。その結果、動作可能な風速帯域の拡大を図ることができる。
以上、板向調節機構41及び板位置調節機構61が組み合わされることによって、風力を効率的に動力軸11の回転力とすることができるとともに、利用可能な風速帯域の拡大を図ることができる。その結果、極めて効率的な風力のエネルギー変換を図ることができる。
さらに、風受け板31,32間の間隙に対応して風遮蔽板36が設けられており、当該風遮蔽板36によって、風受け板31,32間の間隙における風の通過を抑制することができる。このため、風受け板31,32及び風遮蔽板36によって、風からの力を十分に得ることができるとともに、回転支持軸21で生じる回転モーメントを一層大きなものとすることができる。これにより、動作可能な風速帯域を一層拡大することができるとともに、風力の一層効率的なエネルギー変換を図ることができる。
加えて、風から最も大きな力を受けることができる位置(A点)において、回転支持軸21から一方の風受け板31(32)までの水平距離が最大とされる一方で、回転支持軸21から他方の風受け板32(31)までの水平距離が最小とされる。これにより、回転支持軸21で生じる回転モーメントをより一層大きなものとすることができ、カットイン速度の低下を一層効果的に図ることができる。
併せて、A点において、回転支持軸21から最も離れた一方の風受け板3231)が、他方の風受け板3132)よりも動力軸11に近接した位置に存在している。これにより、風受け板31,32が動力軸11を回転軸として回転(公転)した際に必要となるスペースを必要最小限なものとすることができる。その結果、風力の効率的なエネルギー変換を図りつつ、風力発電装置1の小型化を図ることができる。
また、板位置調節機構61は、板位置調節用回転軸62と、連結棒63と、風受け板歯車機構64とから構成されており、風受け板歯車機構64によって、別段の動力源を要することなく、動力軸11の回転方向と反対方向に、動力軸11の回転量と等しい回転量で板位置調節用回転軸62を回転させることができる。併せて、サーボモータや同期制御装置等の複雑な装置を必要とすることなく、比較的簡易な構成で板位置調節機構61を実現することができるため、コストの増大を効果的に抑制できる。
さらに、板向調節機構41としての機能と回転力変換機構としての機能とは共通の構成によって実現されている。このため、風力発電装置1の大型化及び複雑化を防止することができる。
加えて、板向調節機構41は、動力軸歯車機構42、第2の傘歯車44、第3、第4の傘歯車50,51を有する回転転送軸43、及び、風向調整機19という比較的簡易な構成から実現することができる。従って、コストの増大をより一層抑制することができる。
併せて、回転力の伝達は棒状の転送軸49を介して行われるため、装置の大型化を図った場合であっても、ベルトを介して行った場合に生じ得るベルトの弛み等の問題が発生しない。このため、動作の不安定化やメンテナンスコストの増大を招くことなく、比較的容易に装置の大型化を図ることができる。また、複数組の風受け板31,32を設ける場合には、下部傘歯車46を中心として複数の回転転送軸43を放射状に配置すればよく、装置の上下方向への大型化を防止することができ、設置状態の安定化を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、2組の風受け板31,32が設けられているが、3組以上の風受け板31,32を設けるように構成することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、風向調整手段として風向調整機19が設けられているが、上部歯車45に代えて風見鶏等のように、風向に合わせて下部傘歯車46を回転させる手段を設け、当該風見鶏等を風向調整手段として用いることとしてもよい。
)上記実施形態では、第2の傘歯車44の回転量を、動力軸11の回転数の半分の回転量とすべく、第2の傘歯車44の歯数が下部傘歯車46の歯数の2倍とされるとともに、第3の傘歯車50の歯数及び第4の傘歯車51の歯数が同数とされているが、当該構成に限定されるものではない。例えば、第2の傘歯車44の歯数と下部傘歯車46の歯数とを同数とするとともに、第3の傘歯車50の歯数を第4の傘歯車51の歯数の2倍とすることとしてもよい。すなわち、第2の傘歯車44の回転量を、動力軸11の回転数の半分の回転量とすべく、下部傘歯車46の歯数及び第4の傘歯車51a,51の歯数を乗算して得た値と、第2の傘歯車44a,44bの歯数及び第3の傘歯車50a,50bの歯数を乗算して得た値との比が、1:2とされていればよい。
)上記実施形態では、切り欠け部37a,37b、クランク部65a,65b、及び、連結棒63a,63b等は、回転支持軸21a,21bの上下方向略中央に設けられているが、切り欠け部37a,37b等の配設位置はこれに限定されるものではない。例えば、切り欠け部37a,37b等を上方側(上テーブル13側)に設けることとしてもよいし、下方側(下テーブル14側)に設けることとしてもよい。この場合において、風遮蔽板36a,36bは風をより一層受けることができ、より大きな回転力を発生させることができる。
)上記実施形態では、風力発電装置1の平面視において、動力軸11が時計回りに回転可能に構成されているが、動力軸11を、反時計回りに回転可能に構成することとしてもよい。
本実施形態における風力発電装置の正面図である。 本実施形態における風力発電装置の断面図である。 本実施形態における風力発電装置の部分拡大断面図である。 本実施形態における風力発電装置の平面断面図である。 風向調整機による風受け板等の動作を示す模式図である。 風向調整機による風受け板等の動作を示す模式図である。 風向調整機による風受け板等の動作を示す模式図である。 板向調節機構としての機能及び回転力変換機構としての機能を説明するための部分拡大平面図である。 本実施形態における風受け板等の回転動作を示す模式図である。 (a),(b)は、板位置調節機構の動作を示すための模式図である。
1…風力発電装置、3…風車、11…動力軸、12…回転支持手段としての回転支持台、19…風向調整手段としての風向調整機、21a,21b…回転支持軸、31a,31b,32a,32b…風受け板、36a,36b…風遮蔽板、41a,41b…板向調節機構及び回転力変換機構としての板向調節機構、43a,43b…回転転送軸、44a,44b…第2の傘歯車、46…第1の傘歯車としての下部傘歯車、49a,49b…転送軸、50a,50b…第3の傘歯車、51a,51b…第4の傘歯車、61a,61b…板位置調節機構、62a,62b…板位置調節用回転軸、63a,63b…連結棒、64a,64b…歯車機構としての風受け板歯車機構、65a,65b…クランク部、66a,66b…直線部。

Claims (9)

  1. 鉛直方向に延びる動力軸と、
    当該動力軸の外周方向に延び、前記動力軸とともに回転する回転支持手段と、
    鉛直方向に延びるとともに、前記回転支持手段に対して相対回転可能に支持される複数の回転支持軸と、
    前記各回転支持軸に対応して一対ずつ設けられ、当該回転支持軸を挟むようにして各回転支持軸に支持される風受け板とを備える風車において、
    前記動力軸の回転方向と反対方向に、前記動力軸の回転量の半分の回転量で前記回転支持軸を回転させるとともに、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交させる板向調節機構と、
    前記回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離、及び、前記回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を相違させることで、前記回転支持軸に回転モーメントを発生させるべく、前記一対の風受け板を前記回転支持軸に対して水平方向に相対移動させる板位置調節機構と、
    前記回転支持軸の回転モーメントを前記動力軸の回転力に変換可能な回転力変換機構とを備えることを特徴とする風車。
  2. 前記一対の風受け板間の間隙に対応して設けられ、当該間隙における風の通過を抑制する風遮蔽板を具備することを特徴とする請求項1に記載の風車。
  3. 前記板位置調節機構は、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記回転支持軸から一方の風受け板までの水平距離を最大とする一方で、前記回転支持軸から他方の風受け板までの水平距離を最小とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の風車。
  4. 前記一方の風受け板は、風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記他方の風受け板よりも前記動力軸に近接した位置に存在していることを特徴とする請求項3に記載の風車。
  5. 前記板位置調節機構は、
    前記動力軸の回転方向と反対方向に、前記動力軸の回転量と等しい回転量で回転可能であるとともに、鉛直方向に延びる直線部及び当該直線部から側方に向けて突設されたクランク部を有する板位置調節用回転軸と、
    前記クランク部及び前記一対の風受け板の端部を連結する一対の連結棒と、
    前記回転支持軸の回転力を前記板位置調節用回転軸の回転力として伝達する歯車機構とによって構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の風車。
  6. 前記板向調節機構及び前記回転力変換機構は、共通の構成により実現されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の風車。
  7. 前記板向調節機構及び前記回転力変換機構は、共通の構成としての、
    前記動力軸の中心軸と同一の中心軸を有する第1の傘歯車と、
    風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交可能とすべく、風向に対応して前記第1の傘歯車を回転させるとともに、当該第1の傘歯車の回転動作を除いて、前記第1の傘歯車を不動状態とする風向調整手段と、
    前記回転支持軸の中心軸と同一の中心軸を有し、前記回転支持軸に固定される第2の傘歯車と、
    一端部に第3の傘歯車を具備するとともに、他端部に第4の傘歯車を具備し、当該第3の傘歯車及び第4の傘歯車を連結する棒状の転送軸を有する回転転送軸とで実現されており、
    前記回転転送軸は、前記第1の傘歯車に対し前記第3の傘歯車を噛合させるとともに、前記第2の傘歯車に対し前記第4の傘歯車を噛合させることで、前記第1の傘歯車及び前記第2の傘歯車に対して相互に回転力を伝達可能であり、
    前記第1の傘歯車に対して前記第3の傘歯車の上部又は下部が噛合される一方で、前記第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部又は上部が噛合され、かつ、
    前記第1の傘歯車の歯数及び前記第4の傘歯車の歯数を乗算して得た値と、前記第2の傘歯車の歯数及び前記第3の傘歯車の歯数を乗算して得た値との比が1:2とされていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の風車。
  8. 鉛直方向に延びる動力軸と、
    当該動力軸の外周方向に延び、前記動力軸とともに回転する回転支持手段と、
    鉛直方向に延びるとともに、前記回転支持手段に対して相対回転可能に支持される複数の回転支持軸と、
    前記各回転支持軸に対応して一対ずつ設けられ、当該回転支持軸を挟むようにして各回転支持軸に支持される風受け板とを備える風車であって、
    前記一対の風受け板間の間隙に対応して設けられる風遮蔽板と、
    前記動力軸の中心軸と同一の中心軸を有する第1の傘歯車と、
    風向及び前記回転支持軸の前記動力軸を回転軸とする回転方向が一致する位置において、前記風受け板を風向に対して直交可能とすべく、風向に対応して前記第1の傘歯車を回転させるとともに、当該第1の傘歯車の回転動作を除いて、前記第1の傘歯車を不動状態とする風向調整手段と、
    前記回転支持軸の中心軸と同一の中心軸を有し、前記回転支持軸に固定される第2の傘歯車と、
    一端部に第3の傘歯車を具備するとともに、他端部に第4の傘歯車を具備し、さらに、当該第3の傘歯車及び第4の傘歯車を連結する転送軸を有し、前記第1の傘歯車に対し前記第3の傘歯車を噛合させるとともに、前記第2の傘歯車に対し前記第4の傘歯車を噛合させることで、前記第1の傘歯車及び前記第2の傘歯車に対して相互に回転力を伝達可能な回転転送軸と、
    前記動力軸の回転量と等しい回転量で、前記動力軸の回転方向と反対方向に回転可能であるとともに、鉛直方向に延びる直線部及び当該直線部から側方に向けて突設されたクランク部を有する板位置調節用回転軸と、
    前記クランク部及び前記一対の風受け板の前記回転支持軸側の端部を連結する一対の連結棒と、
    前記第2の傘歯車に連結され、前記回転支持軸の回転力を前記板位置調節用回転軸の回転力として伝達する歯車機構とを備え、
    前記第1の傘歯車に対して前記第3の傘歯車の上部又は下部が噛合される一方で、前記第2の傘歯車に対して前記第4の傘歯車の下部又は上部が噛合されるとともに、
    前記第1の傘歯車の歯数及び前記第4の傘歯車の歯数を乗算して得た値と、前記第2の傘歯車の歯数及び前記第3の傘歯車の歯数を乗算して得た値との比が1:2とされていることを特徴とする風車。
  9. 上記請求項1乃至のいずれか1項に記載の風車を具備することを特徴とする風力発電装置。
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