図を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、同一の機能を有する部分には同一符号を付す。
[第1実施形態]
(移動通信システムの概略構成)
まず、本発明の第1実施形態に係る移動通信システム1の概略構成について説明する。移動通信システム1は、図1に示すように、サーバ300_1と、ルータ200_1乃至200_2と、基地局100_1乃至100_4とを具備し、移動局600_1乃至600_3との間で、音声データ等のデータ通信を行う。
なお、本実施形態において、サーバ300_1と、ルータ200_1乃至200_2と、基地局100_1乃至100_4と、移動局600_1乃至600_3との数は、一例であり、かかる数に限定されるものではない。また、接続関係も、図1に示す接続関係に限定されず、例えば、サーバ300_1が、基地局100_1乃至100_4と直接接続するように構成されていても良い。
また、本実施形態に係る移動通信システム1では、移動局600_1乃至600_3との間で行われている通信方式として、CDMA(Code Division Multiple Access)方式が用いられている。また、本実施形態に係る移動通信システム1では、CDMA方式において、FDD(Frequency Division Duplex)方式、又はTDD(Time Division Duplex)方式を想定している。なお、かかる移動通信システム1は、上述したCDMA方式以外に、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式等を用いてもよい。
サーバ300_1は、ルータ200_1乃至200_2と接続する。また、サーバ300_1は、ルータ200_1乃至200_2と基地局100_1乃至100_4との間における有線通信と、基地局100_1乃至100_4と移動局600_1乃至600_3との間における無線通信とを制御する。
ルータ200_1乃至200_2は、サーバ300_1及び基地局100_1乃至100_4と接続する。また、ルータ200_1は、基地局100_1乃至102と基地局100_4とを収容し、ルータ200_2は、基地局100_3を収容する。また、ルータ200_1乃至200_2は、相互に通信する。
基地局100_1乃至100_4は、移動局600_1乃至600_3との間で無線通信を実行すると共に、自局の周辺に設置されている一つ又は複数の周辺基地局との間で、有線通信又は無線通信を実行する。
また、基地局100_1乃至100_4は、無線通信用のパラメータとして、基地局毎に異なる下り方向のスクランブリングコード、即ち、下り回線において使用する拡散コードを用いて、移動局600_1乃至600_3へ無線信号を送信する。なお、本実施形態では、かかる無線通信用のパラメータが、スクランブリングコードである場合を例に説明するが、かかる無線通信用のパラメータは、TDMA方式の移動通信システムにおける下りタイムスロットであってもよいし、FDMA方式の移動通信システムにおける下り周波数帯域であってもよい。
また、基地局100_1乃至100_3には、各基地局を識別するための識別情報として、基地局IDが設定されている。また、本実施形態では、基地局100_1は、移動局600_1と無線通信を実行する。また、基地局100_2は、移動局600_2と接続する。また、基地局100_3は、移動局600_3と無線通信を実行する。
移動局600_1乃至600_3は、基地局100_1乃至100_4との間で、無線通信を実行できる。また、本実施形態において、移動局600_1乃至600_3は、それぞれ同様に構成されている。なお、本実施形態では、上述した移動局600_1乃至600_3は、携帯電話機や、PDA(Personal Degital Assistant)や、ノート型コンピュータなどのモバイル機器を想定している。
また、移動局600_1乃至600_3は、例えば、一の基地局100_1との間で無線通信を実行中(接続中)に、他の基地局100_4からのパイロット信号を受信した場合、無線通信を実行している基地局100_1に対して、受信情報を含む無線信号を送信する。
ここで、受信情報とは、移動局600_1が、無線通信を実行している基地局100_1に、他の基地局100_4からのパイロット信号を受信したことを通知するための情報であり、当該受信情報には、他の基地局100_4から送信されたパイロット信号に含まれる基地局100_4の基地局IDと、基地局100_4で設定されているスクランブリングコードと、無線通信を実行している基地局100_1から送信されている無線信号の受信レベルとが含まれている。
(基地局の構成)
次に、図2を参照し、本実施形態にかかる基地局100_1乃至100_4の構成を詳細に説明する。ここで、本実施形態では、一の基地局(例えば、基地局100_4)を、単に自局とし、自局の周辺に設置されている他の基地局(例えば、基地局100_1乃至3)を、単に周辺基地局として適宜説明する。また、基地局100_1乃至100_4の構成は同様であるため、以下、基地局100_1乃至100_4を単に基地局100_i(iは自然数)として、その構成について説明する。
基地局100_iは、図2に示すように、有線信号通信部101と、無線信号通信部102と、周辺局情報取得部103と、近隣局情報取得部104と、隣接局情報取得部105と、パイロット信号生成部106と、記憶部107と、順位設定部108と、パラメータ決定部109と、パラメータ通知部110と、通信制御部111とを具備する。
有線信号通信部101は、有線回線を使用して、ルータ200_1乃至200_2を介して、周辺基地局及びサーバ300_1との間で、有線信号を送受信する。
また、有線信号通信部101は、後述する隣接局情報取得部105の指示に従って、ルータ200_1乃至200_2を介して、サーバ300_1に周辺基地局で使用されていない基地局ID及び暫定スクランブリングコードを要求するための有線信号を送信する。ここで、暫定スクランブリングコードとは、予めサーバ300_1において確保され、新設の基地局100_iで暫定的に用いるように設定されているスクランブリングコードである。
また、有線信号通信部101は、サーバ300_1から、使用されていない基地局ID及び暫定スクランブリングコードを含む有線信号を受信すると、有線信号に含まれている基地局ID及び暫定スクランブリングコードを隣接局情報取得部105に通知すると共に、基地局IDを通信制御部111に通知する。
また、有線信号通信部101は、後述する近隣局情報取得部104の指示に従って、有線回線で接続されている周辺基地局(第3周辺基地局)に対して、当該周辺基地局に設定されている無線通信用のスクランブリングコード(第3パラメータ)の通知を要求する要求情報を含む有線信号を送信する。
また、この時、有線信号通信部101は、有線回線に接続されている一つ又は複数のルータ(中継器)を介して、複数の周辺基地局に対して要求情報を含む有線信号を送信する。
図3(a)には、要求情報を含む有線信号のフォーマットの一例が示されている。同図に示すように、要求情報を含む有線信号には、かかる要求情報以外に、送信元である自局のアドレスと、中継可能なルータの中継回数を示すTTL(Time To Live)とが含まれている。かかるTTL(例えば、整数A)は、一のルータを中継する度に、ルータによって1ずつ減算(例えば、“A−1”にデクリメント)される値であり、所定の中継回数(A)に相当するルータでは、TTLが“0(A−A)”となることで、有線信号の転送が停止される。
また、有線信号通信部101は、上述した要求情報を含む有線信号を受信した周辺基地局から、応答情報を含む有線信号を受信する。図3(b)には、応答情報を含む有線信号のフォーマットの一例が示されている。また、応答情報を含む有線信号には、送信元の周辺基地局のアドレス及び送信先の自局のアドレスと、応答情報として、周辺基地局で設定されているスクランブリングコードと、周辺基地局を識別する基地局IDと、TTLの残値とが含まれている。ここで、TTLの残値とは、周辺基地局が、要求情報を含む有線信号を受信した際の当該有線信号に含まれるTTLの値を示す。また、本実施形態において、有線信号通信部101は、有線信号送信部を構成する。
無線信号通信部102は、移動局600_1乃至600_3との間で、無線信号を送受信する。また、無線信号通信部102は、周辺基地局から送信された無線信号を受信すると、周辺局情報取得部103へ送信する。
また、無線信号通信部102は、後述するパイロット信号生成部106によって、予め暫定的に設定されている無線通信用の暫定スクランブリングコード(暫定パラメータ)を用いて生成されたパイロット信号(所定の無線信号)を、移動局600_1乃至600_3向けに送信する。また、本実施形態において無線信号通信部102は、無線信号送信部を構成する。
周辺局情報取得部103は、自局の周辺に設置され、無線信号を受信可能な周辺基地局(第2周辺基地局)から受信した移動局600_1乃至600_3向けの無線信号に基づいて、当該周辺基地局に設定されている無線通信用のスクランブリングコード(第2パラメータ)を取得する。この時、周辺局情報取得部103は、複数の周辺基地局のそれぞれから、周辺基地局で設定されているスクランブリングコード(第2パラメータ)と、自局で受信した無線信号の受信レベルとを取得する。
具体的に、周辺局情報取得部103は、自局に電源が投入されて起動を開始した際、周辺基地局から送信された無線信号を受信すると共に、当該無線信号の受信レベルを測定する。また、周辺局情報取得部103は、当該周辺基地局から送信された無線信号を復調して、無線信号に含まれている基地局IDとスクランブリングコードとを抽出する。このようにして、周辺局情報取得部103は、基地局IDと、抽出したスクランブリングコードと、測定した受信レベルとを取得し、これらを対応付けて後述する記憶部107の周辺局情報テーブルT12(図4(b)参照)へ記憶する。
なお、本実施形態では、周辺局情報取得部103で取得される基地局IDと、スクランブリングコードと、受信した受信レベルとを、周辺局情報として説明する。また、本実施形態において、周辺局情報取得部103は、第2情報取得部を構成する。
近隣局情報取得部104は、要求情報を含む有線信号を受信した周辺基地局(第3周辺基地局)から、当該周辺基地局で設定されているスクランブリングコード(第3パラメータ)を取得する。この時、近隣局情報取得部104は、一つ又は複数の周辺基地局(第3周辺基地局)のそれぞれから、当該周辺基地局で設定されているスクランブリングコード(第3パラメータ)と、自局から当該周辺基地局までのルータの中継回数とを取得する。
具体的に、近隣局情報取得部104は、自局に電源が投入されて起動を開始した際、有線信号通信部101を介して、自局と接続しているルータ200_1乃至200_2に、要求情報を含む有線信号を送信する。また、近隣局情報取得部104は、有線信号通信部101によって、周辺基地局から送信された応答情報を含む有線信号が受信されると、当該応答情報に含まれるTTLの残値から中継回数(ホップ数)を算出する。また、近隣局情報取得部104は、当該応答情報に含まれる基地局IDと、スクランブリングコードとを抽出する。
このようにして、近隣局情報取得部104は、中継回数と、基地局IDと、スクランブリングコードとを取得し、これらを対応付けて、後述する記憶部107の近隣局情報テーブルT13(図4(c)参照)へ記憶する。なお、本実施形態では、近隣局情報取得部104で取得される基地局IDと、スクランブリングコードと、中継回数とを、近隣局情報として説明する。また、本実施形態において、近隣局情報取得部104は、第3情報取得部を構成する。
隣接局情報取得部105は、無線信号通信部102によって送信されたパイロット信号を受信した移動局600_1乃至600_3と無線通信を実行している周辺基地局(第1周辺基地局)から、当該周辺基地局で設定されている無線通信用のスクランブリングコード(第1パラメータ)を取得する。
隣接局情報取得部105は、複数の周辺基地局(第1周辺基地局)のそれぞれから、当該周辺基地局で設定されているスクランブリングコード(第1パラメータ)と、当該スクランブリングコードと共に、移動局600_1乃至600_3によって受信された通信先の周辺基地局から送信された無線信号の受信レベルとを取得する。
具体的に、隣接局情報取得部105は、自局に電源が投入されて起動を開始した際、有線信号通信部101とルータ200_1乃至200_2とを介して、サーバ300_1に基地局ID及び暫定スクランブリングコードを要求する。そして、隣接局情報取得部105は、有線信号通信部101を介して、サーバ300_1から、他の周辺基地局で使用されていない基地局ID及び暫定スクランブリングコードを受信する。
また、隣接局情報取得部105は、受信した基地局ID及び暫定スクランブリングコードを後述するパイロット信号生成部106に通知して、パイロット信号生成部106に暫定スクランブリングコードを用いて基地局IDを含むパイロット信号を生成させると共に、無線信号通信部102を介して、当該パイロット信号を移動局向けに送信させる。
また、当該パイロット信号を受信した移動局600_1乃至600_3は、無線通信を実行(接続)している周辺基地局に対して、受信情報を含む無線信号を送信する。また、当該移動局600_1乃至600_3と無線通信を実行している周辺基地局は、当該周辺基地局で設定されているスクランブリングコードと、周辺基地局の基地局IDと、受信情報に含まれる受信レベルとを、隣接局情報取得部105に対して通知する。なお、周辺基地局が、隣接局情報取得部105に対して通知する機能については、詳細を後述する(図10参照)。
このようにして、隣接局情報取得部105は、周辺基地局からの通知に基づいて、当該周辺基地局で設定されている基地局IDと、スクランブリングコードと、移動局600_1乃至600_3によって受信された周辺基地局からの無線信号の受信レベルとを取得する。
また、隣接局情報取得部105は、タイマ機能を備えており、パイロット信号生成部106がパイロット信号の送信を開始すると、タイマを起動し、予め設定されている所定の期間が経過するまで、周辺基地局からの通知に基づき、基地局IDと、スクランブリングコードと、受信レベルとを取得する。また、隣接局情報取得部105は、取得した基地局IDと、スクランブリングコードと、受信レベルとを後述する記憶部107の隣接局情報テーブルT11(図4(a)参照)に対応付けて記憶する。
なお、本実施形態では、隣接局情報取得部105で取得される基地局IDと、スクランブリングコードと、移動局によって受信される受信レベルとを、隣接局情報として説明する。また、本実施形態において、隣接局情報取得部105は、第1情報取得部を構成する。
パイロット信号生成部106は、隣接局情報取得部105から基地局ID及び暫定スクランブリングコードを通知されると、当該暫定スクランブリングコードを用いて当該基地局IDを含むパイロット信号を生成する。また、パイロット信号生成部106は、無線信号通信部102を介して、生成したパイロット信号を移動局向けに送信する。
記憶部107は、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13と、周辺セル情報テーブルT21とを具備する。
隣接局情報テーブルT11は、図4(a)に示すように、「順位」と、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「受信レベル」とを対応付けて記憶する。ここで、本実施形態において、隣接局情報テーブルT11に記憶される「順位」は、自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いに応じた順番を示すものであり、「順位」“1”の値がもっとも高く(上位である)、かかる値が大きいほど「順位」は低いことを示す。なお、隣接局情報テーブルT11において、当該「順位」は、後述する順位設定部108によって記憶される。また、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「受信レベル」とは、隣接局情報取得部105によって記憶される。
周辺局情報テーブルT12は、図4(b)に示すように、「順位」と、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「受信レベル」とを対応付けて記憶する。なお、周辺局情報テーブルT12において、「順位」は、後述する順位設定部108によって記憶される。また、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「受信レベル」とは、周辺局情報取得部103によって記憶される。
近隣局情報テーブルT13は、図4(c)に示すように、「順位」と、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「中継回数」とを対応付けて記憶する。なお、近隣局情報テーブルT13において、「順位」は、後述する順位設定部108によって記憶される。また、「基地局ID」と、「スクランブリングコード」と、「中継回数」とは、近隣局情報取得部104によって記憶される。
周辺セル情報テーブルT21は、図5に示すように、周辺基地局の「スクランブリングコード」と、「暫定スクランブリングコード」とを記憶する。周辺セル情報テーブルT21において、「暫定スクランブリングコード」は、予め記憶されている。また、「スクランブリングコード」は、後述する通信制御部111によって記憶される。
順位設定部108は、取得された隣接局情報と、周辺局情報と、近隣局情報とに「順位」を対応付ける。順位設定部108は、記憶部107に記憶されている隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とを参照し、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコードと、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードと、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコードとに、それぞれのスクランブリングコードが設定されている周辺基地局と自局との無線範囲の重複度合いに応じて、「順位」を対応付ける。
ここで、上述した周辺基地局との無線範囲の重複度合いは、自局から送信される無線信号の無線範囲と、周辺基地局から送信される無線信号の無線信号の重複する範囲の度合い(大きさ)を示すものである。
具体的に、順位設定部108は、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコードと、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードと、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコードとのそれぞれが異なる場合、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードよりも、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコードの順位を高く対応付ける。また、順位設定部108は、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコードよりも周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードの順位を高く対応付ける。
つまり、順位設定部108は、隣接局情報取得部105と周辺局情報取得部103と近隣局情報取得部104とによって、それぞれ異なるスクランブリングコードが取得された場合、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコードの「順位」を最も優先して高く(例えば“1”として)対応付けし、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードの「順位」を次に優先して高く(例えば“2”として)対応付けし、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコードの「順位」を最も低く(例えば“3”として)対応付ける。
また、順位設定部108は、隣接局情報取得部105と、周辺局情報取得部103又は近隣局情報取得部104とによって、それぞれ同一のスクランブリングコードが取得された場合、隣接局情報取得部105で取得されたスクランブリングコードに「順位」を対応付けて、周辺局情報取得部103又は近隣局情報取得部104で取得されたスクランブリングコードには「順位」を対応付けしない。また、順位設定部108は、周辺局情報取得部103と、近隣局情報取得部104とによって、それぞれ同一のスクランブリングコードが取得された場合、周辺局情報取得部103で取得されたスクランブリングコードに「順位」を対応付けて、近隣局情報取得部104で取得されたスクランブリングコードには「順位」を対応付けしない。つまり、順位設定部108は、一のスクランブリングコードには、一の「順位」のみを対応付ける。
また、順位設定部108は、隣接局情報取得部105によって複数の基地局ID及びスクランブリングコードが取得された場合、共に取得された受信レベルを、上述した自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いとして、それぞれに「順位」を対応付ける。具体的に、順位設定部108は、隣接局情報取得部105によって複数の基地局ID及びスクランブリングコードが取得された場合、隣接局情報テーブルT11を参照し、隣接局情報取得部105によって取得された複数のスクランブリングコードのそれぞれに対して、移動局600_1乃至600_3によって受信された受信レベルに応じて、順位を対応付ける。また、この時、順位設定部108は、移動局600_1乃至600_3によって受信された受信レベルが大きい周辺基地局に設定されているスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。
また、順位設定部108は、周辺局情報取得部103によって複数の基地局ID及びスクランブリングコードが取得された場合、周辺局情報テーブルT12を参照し、周辺局情報取得部103によって取得された複数のスクランブリングコードのそれぞれに対して、受信した無線信号の受信レベルに応じて「順位」を対応付ける。また、この時、順位設定部108は、周辺局情報取得部103で測定された受信レベルが大きい無線信号に含まれるスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。
また、順位設定部108は、近隣局情報取得部104によって複数の基地局ID及びスクランブリングコードが取得された場合、共に取得された中継回数を、上述した自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いとして、それぞれに「順位」を対応付ける。具体的に、順位設定部108は、近隣局情報取得部104によって複数のスクランブリングコードが取得された場合、近隣局情報テーブルT13を参照し、近隣局情報取得部104によって取得された複数のスクランブリングコードのそれぞれに対して、ルータの中継回数に応じて「順位」を対応付ける。また、この時、順位設定部108は、ルータの中継回数の少ない周辺基地局に設定されているスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。
また、順位設定部108は、それぞれのスクランブリングコードとに対応付けした「順位」を、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とに記憶すると共に、記憶が完了したことをパラメータ決定部109に通知する。
パラメータ決定部109は、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコードと、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードと、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコードとの複数に基づいて、暫定スクランブリングコードに替えて自局で用いる無線通信用の恒久パラメータを決定する。また、パラメータ決定部109は、取得されたスクランブリングコードと、順位設定部108によって対応付けられた「順位」とに基づいて、恒久パラメータを決定する。
具体的に、パラメータ決定部109は、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とを参照し、順位設定部108によって対応付けられた「順位」に基づいて、所定の順位よりも高いスクランブリングコードとは異なるスクランブリングコードを、恒久スクランブリングコードとして決定する。
ここで、所定の順位は、自局との無線範囲の重複度合いが大きく、自局の無線信号と混信を生じることが推測される一つ又は複数の周辺基地局において設定されているスクランブリングコードの順位であり、パラメータ決定部109において予め記憶されている。
また、パラメータ決定部109は、順位設定部108によって対応付けられた最も低い「順位」が所定の順位より小さい場合、所定の順位とは無関係に、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とに記憶されているスクランブリングコードとは異なるスクランブリングコードを、恒久スクランブリングコードとして決定する。
また、パラメータ決定部109は、決定した恒久スクランブリングコードを通信制御部111に通知する。また、パラメータ決定部109は、決定した恒久スクランブリングコードと、所定の順位よりも高い「順位」に対応付けされている基地局IDとを、パラメータ通知部110に通知する。
パラメータ通知部110は、パラメータ決定部109から恒久スクランブリングコードと基地局IDとを通知されると、通知された基地局IDに対応する周辺基地局に恒久スクランブリングコードを通知する。
通信制御部111は、基地局100_iに備えられる各種通信機能を制御する。また、通信制御部111は、有線信号通信部101を介して、サーバ300_1から周辺基地局で使用されていない基地局IDを通知されると、当該基地局IDを自局の基地局IDとして設定する。また、通信制御部111は、パラメータ決定部109から、恒久スクランブリングコードを通知されると、当該恒久スクランブリングコードを自局の無線通信で恒久的に使用するスクランブリングコードとして設定する。
また、通信制御部111は、有線信号通信部101において、要求情報を含む有線信号が受信されると、自局に設定されているスクランブリングコードと、自局の基地局IDと、有線信号に含まれるTTLの残値とを含む応答情報を生成すると共に、有線信号通信部101を介して、受信した有線信号の送信元の周辺基地局へ、応答情報を含む有線信号を送信する。
また、通信制御部111は、無線信号通信部102において、移動局600_1乃至600_3から送信された受信情報を含む無線信号が受信されると、周辺セル情報テーブルT21を参照し、当該受信情報に含まれるスクランブリングコードが、周辺セル情報テーブルT21に記憶されているスクランブリングコードであるか否かを判定する。
そして、通信制御部111は、受信情報に含まれるスクランブリングコードが、周辺セル情報テーブルT21に記憶されているスクランブリングコードであると判定した場合、自局に設定されている基地局ID及びスクランブリングコードと、当該受信情報に含まれる移動局600_1乃至600_3で受信された無線信号の受信レベルとを、当該受信情報に含まれる基地局IDに対応する周辺基地局へ送信する。
(ルータの構成)
次に、図6を参照し、本実施形態にかかるルータ200_1乃至200_2の構成を詳細に説明する。なお、ルータ200_1乃至200_2の構成は、同様であるため、ルータ200_1乃至200を単にルータ200_n(nは自然数)として、その構成について説明する。
ルータ200_n(中継器)は、図6に示すように、通信部201と、通信制御部202とを具備する。通信部201は、基地局100_1乃至100_4と、サーバ300_1と、他のルータと接続し、基地局100_1乃至100_4や、サーバ300_1から送信される有線信号を中継する。通信制御部202は、ルータ200_nに備えられている各種通信機能を制御する。また、通信制御部202は、通信部201で受信された有線信号にTTLが含まれている場合、その値を“1”だけ減算して所望の送信先に転送する。また、通信制御部202は、有線信号に含まれているTTLが“1”であり、減算した結果“0”となる場合、当該有線信号の転送を行わない。
(サーバの構成)
次に、図7を参照し、本実施形態にかかるサーバ300_1の構成を詳細に説明する。サーバ300_1は、図7に示すように、通信部301と、記憶部302と、通信制御部303とを具備える。
通信部301は、ルータ200_nと接続し、有線信号を送受信すると共に、ルータ200_nを介して、基地局100_1乃至100_4との間で有線信号を送受信する。
記憶部302は、基地局IDテーブルT31を備える。基地局IDテーブルT31は、図8に示すように、使用可能な基地局IDと、各基地局IDが配下の基地局100_i(例えば、基地局100_1乃至100_4)で使用されているか否かを示す使用/未使用とを対応付けて記憶する。
通信制御部303は、サーバ300_1に備えられている各種通信機能を制御すると共に、配下のルータ200_n及び基地局100_iにおける通信を制御する。また、通信制御部303には、暫定スクランブリングコードが予め記憶されており、通信部301において、基地局100_iから暫定スクランブリングコード及び基地局IDの要求を含む有線信号を受信した場合、基地局IDテーブルT31を参照し、使用されていない基地局IDを特定すると共に、特定した基地局IDと、暫定スクランブリングコードと含む有線信号を、要求元の基地局100_iへ送信する。
(第1実施形態に係る基地局の動作)
次に、図9を参照し、本実施形態に係る基地局100_iの動作について説明する。また、一例として、一の基地局100_4の動作について説明する。ここで、本実施形態では、基地局100_4は、新たに運用を開始する新設基地局100_4とし、基地局100_1乃至103は、新設基地局100_4の周辺に設置されている既設の周辺基地局100_1乃至103として説明する。また、本実施形態において、新設の基地局100_4では、基地局IDとスクランブリングコードとが設定されておらず、本発明の機能により、新たに設定される場合を例に挙げて説明する。
また、本実施形態では、基地局100_1に設定されている基地局IDを“B1001”とし、基地局100_2に設定されている基地局IDを“B1002”とし、基地局100_3に設定されている基地局IDを“B1003”として説明する。また、本実施形態に係る移動通信システム1では、基地局100_1に設定されているスクランブリングコードを、“4001”とし、基地局100_2に設定されているスクランブリングコードを、“4002”とし、基地局100_3に設定されているスクランブリングコードを、“4003”として説明する。また、サーバ300_1の通信制御部303と、基地局100_1乃至104の周辺セル情報テーブルT21に記憶されている暫定スクランブリングコードを、“4999”として説明する。
ステップS102において、新設基地局100_4では、電源が投入される。
ステップS112において、新設基地局100_4では、自局に電源が投入されて起動を開始した際、無線信号通信部102が、周辺基地局(例えば、基地局100_2乃至100_3)から移動局(例えば、移動局600_2乃至600_3)向けに送信される無線信号を受信する。
ステップS114において、新設基地局100_4では、周辺局情報取得部103が、基地局IDと、抽出したスクランブリングコードと、測定した受信レベルとを取得し、周辺基地局100_2乃至100_3ごとに、基地局IDと、スクランブリングコードと、受信レベルとを対応付けて、周辺局情報テーブルT12へ記憶する。
ステップS122において、新設基地局100_4では、自局に電源が投入されて起動を開始した際、隣接局情報取得部105が、有線信号通信部101及びルータ200_1を介して、サーバ300_1に周辺基地局(基地局100_1乃至100_3)で使用されていない基地局ID及び暫定スクランブリングコードを要求する。
ステップS124において、隣接局情報取得部105は、有線信号通信部101及びルータ200_1を介して、サーバ300_1から使用されていない基地局ID及び当該暫定スクランブリングコードを受信する。
ステップS126において、隣接局情報取得部105は、受信した基地局ID及び当該暫定スクランブリングコードとをパイロット信号生成部106に通知する。また、パイロット信号生成部106は、通知された基地局ID及び暫定スクランブリングコードを用いて基地局IDを含むパイロット信号を生成する。また、パイロット信号生成部106は、無線信号通信部102を介して、生成したパイロット信号を自局の無線範囲内に存在する移動局(例えば、移動局600_1)に送信する。
ステップS128において、隣接局情報取得部105は、パイロット信号生成部106からパイロット信号の送信が開始されると、タイマの起動を開始する。
ステップS130において、隣接局情報取得部105は、パイロット信号生成部106によって生成されたパイロット信号を受信した移動局(例えば、移動局600_1)の通信先の周辺基地局(例えば、基地局100_1)からの通知に基づいて、隣接局情報を取得する。具体的に、隣接局情報取得部105は、周辺基地局100_1で設定されている基地局ID“B1001”及びスクランブリングコード“4001”と、移動局600_1の通信先の周辺基地局100_1からの無線信号の受信レベル(例えば、−80dbm)とを取得し、それぞれを対応付けて隣接局情報テーブルT11に記憶する。
ここで、図10には、ステップS126乃至S130において、新設基地局100_4が、隣接局情報を取得する際のイメージが示されている。なお、本実施形態では、図10に示すように、基地局100_1乃至100_4は、それぞれセルC100_1乃至C100_4を形成する場合を例に挙げて説明する。また、同図において、移動局600_1は、基地局100_1と無線通信を実行している。図10に示すように、新設基地局100_4では、暫定スクランブリングコード“4999”を用いて、基地局ID“B1004”を含むパイロット信号を移動局600_1に送信する。
移動局600_1は、基地局100_4から送信されるパイロット信号を受信すると、接続中の基地局100_1に、基地局100_1以外の基地局100_4から送信されるパイロット信号を受信したことを通知する。この時、移動局600_1は、受信情報を基地局100_1へ通知する。また、受信情報を受信した基地局100_1では、通信制御部111が、周辺セル情報テーブルT21を参照し、当該受信情報に含まれるスクランブリングコード“4999”が、周辺セル情報テーブルT21に記憶されているスクランブリングコードであるか否かを判定する。
この時、受信情報に含まれるスクランブリングコード“4999”は、全ての基地局の周辺セル情報テーブルT21に記憶されている暫定スクランブリングコードであるため、通信制御部111は、周辺セル情報テーブルT21に記憶されていると判定し、自局に設定されている基地局ID“B1001”と、スクランブリングコード“4001”と、移動局600_1で受信された無線信号の受信レベル(例えば、“−80dbm”)とを含む隣接局情報を、当該受信情報に含まれる基地局ID“B1004”に対応する新設基地局100_4へ通知する。この通知を受けた新設基地局100_4では、隣接局情報取得部105が、隣接局情報を取得する。
ステップS132において、隣接局情報取得部105は、起動させたタイマが、所定の期間を経過したか否かを判定する。また、隣接局情報取得部105は、所定の期間が停止していないと判定(Noと判定)した場合、ステップS130の動作を繰り返し実行する。
ステップS134において、隣接局情報取得部105は、起動させたタイマが所定の期間が停止したと判定(Yesと判定)した場合、パイロット信号生成部106と順位設定部108とに、所定の期間が経過したことを通知する。また、隣接局情報取得部105は、隣接局情報の取得を停止する。また、この通知を受けたパイロット信号生成部106は、パイロット信号の生成及び送信を停止する。
ステップS142において、新設基地局100_4では、自局に電源が投入されて起動を開始した際、近隣局情報取得部104が、有線信号通信部101と、自局に接続しているルータ200_1に、要求情報を含む有線信号を送信する。
ここで、図11には、ステップS142において、新設基地局100_4から送信される要求情報と所定のTTLとを含む有線信号が、複数のルータを介して周辺基地局へ送信される際のイメージが示されている。
新設基地局100_4の近隣局情報取得部104から送信された有線信号は、例えば、ルータ200_1に送信される。この時、当該有線信号を受信したルータ200_1は、当該有線信号に含まれる所定のTTLの値(例えば、“A”)から“1”だけ減算(例えば、“A−1”)し、接続する基地局100_1乃至100_2と、ルータ200_2とに転送(ブロードキャスト転送)する。また、転送された有線信号を受信した、例えば、周辺基地局100_1は、自局に設定されているスクランブリングコード“4001”と、自局の基地局ID“B1001”と、有線信号に含まれるTTLの残値“A−1”とを含む応答情報を生成すると共に、当該応答情報を含む有線信号を要求情報の送信元である新設基地局100_4へ送信する。また、新設基地局100_4から送信された有線信号は、中継回数が“A”番目のルータ200_Aにおいて、TTLの値が“0”となり、転送が停止される。
ステップS144において、有線信号通信部101は、周辺基地局(例えば、基地局100_1)から送信された、応答情報を含む有線信号を受信する。
ステップS146において、近隣局情報取得部104は、有線信号通信部101によって、周辺基地局(例えば、基地局100_1)から送信された応答情報を含む有線信号が受信されると、当該有線信号から近隣局情報を取得する。具体的に、近隣局情報取得部104は、当該応答情報に含まれるTTLの残値から中継回数(ホップ数)を算出する。ここで、近隣局情報取得部104は、元のTTLの値(例えば、“A”)から、TTLの残値(例えば、“A−1”)を減算することで、中継回数(例えば、“1”)を算出する。また、近隣局情報取得部104は、算出した中継回数と、当該応答情報に含まれる基地局IDと、スクランブリングコードとを対応付けて近隣局情報テーブルT13に記憶する。
ステップS152において、隣接局情報取得部105から、所定の期間が経過したことを通知された順位設定部108は、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とを参照し、隣接局情報取得部105によって取得された隣接局情報と、周辺局情報取得部103によって取得された周辺局情報と、近隣局情報取得部104によって取得された近隣局情報とに「順位」を対応付ける。
具体的に、順位設定部108は、まず、隣接局情報テーブルT11に記憶されているスクランブリングコード(例えば、“4001”と“4003”)の全てに「順位」を対応付けし、次に、周辺局情報テーブルT12に記憶されているスクランブリングコード(例えば、“4002”)に「順位」を対応付けし、近隣局情報テーブルT13に記憶されているスクランブリングコード(例えば、“4004”)に「順位」を対応付ける。
また、順位設定部108は、対応付けた「順位」を、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とに記憶すると共に、記憶が完了したことをパラメータ決定部109に通知する。
ステップS154において、この通知を受けたパラメータ決定部109は、暫定スクランブリングコードに替えて自局で用いる無線通信用の恒久パラメータを決定する。具体的に、パラメータ決定部109は、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とを参照し、所定の順位(例えば、“4”)よりも高い順位に対応するスクランブリングコード(例えば、“4001”、“4002”、“4003”)とは異なるスクランブリングコード(例えば、“4004”や“4005”等)を、恒久スクランブリングコードとして決定する。
また、パラメータ決定部109は、決定した恒久スクランブリングコード(例えば、“4004”)を通信制御部111に通知する。また、パラメータ決定部109は、決定した恒久スクランブリングコード“4004”と、所定の順位(例えば、“4”)よりも高い「順位」に対応する基地局ID(例えば、“B1001”と“B1002”と“B1003”)とを、パラメータ通知部110に通知する。
ステップS156において、この通知を受けたパラメータ通知部110は、通知された基地局ID“B1001”と“B1002”と“B1003”に基づいて、当該基地局IDに対応する周辺基地局100_1乃至100_3のアドレスを特定すると共に、当該周辺基地局100_1乃至100_3へ恒久スクランブリングコード“4004”を通知する。また、この通知を受けた周辺基地局100_1乃至100_3では、周辺セル情報テーブルT21に、通知された恒久スクランブリングコード“4004”を追加して記憶する。
なお、パラメータ通知部110が、恒久スクランブリングコードを通知する際、基地局IDに対応する周辺基地局のアドレスを特定する方法としては、サーバ300_1において、基地局IDに対応するアドレスを記憶するデータベースを具備し、パラメータ通知部110が、サーバ300_1に基地局IDを通知してアドレスを問い合わせることで、基地局IDに対応する周辺基地局のアドレスを取得してもよい。また、全ての基地局100_iが、基地局IDに対応するアドレスを記憶するデータベースを具備し、パラメータ通知部110は、当該データベースを参照して、基地局IDに対応する周辺基地局のアドレスを特定するように構成されていてもよい。
ステップS158において、通信制御部111は、パラメータ決定部109から通知された恒久スクランブリングコード“4004”を用いて、下り方向の無線信号の送信を行う。このようにして、新設基地局100_4では、取得した隣接局情報と、周辺局情報と、近隣局情報とに基づいて、自局で恒久的に使用する恒久スクランブリングコードを設定して、下り方向の無線信号の送信を開始(運用開始)する。なお、上述した新設基地局100_4では、ステップS112乃至S114と、ステップS122乃至S134と、ステップS142乃至S148とが、それぞれ独立して実行され、又、いずれが先に実行されても良い。
(順位を決定する際の動作)
次に、上述したステップS152の動作について、具体的に説明する。図12には、上述したステップS152において、順位設定部108が、隣接局情報と、周辺局情報と、近隣局情報とに対して、「順位」を対応付ける際のフローチャートが示されている。なお、本実施形態において、隣接局情報テーブルT11と、周辺局情報テーブルT12と、近隣局情報テーブルT13とにおいて、図4(a)乃至(c)に示されるように、基地局ID、スクランブリングコード、受信レベル、中継回数が記憶されていることとする。
ステップS1522において、まず、順位設定部108は、隣接局情報テーブルT11に記憶されているスクランブリングコードに「順位」を対応付ける。また、隣接局情報テーブルT11において、図4(a)に示すように、隣接局情報取得部105によって取得された複数のスクランブリングコード“4001”と“4003”が記憶されている場合、順位設定部108は、対応付けて記憶されている受信レベルの大きいスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。具体的に、順位設定部108は、隣接局情報テーブルT11を参照し、スクランブリングコード“4001”と“4003”とにおいて、それぞれのスクランブリングコードと対応付けて記憶されている受信レベル “−80dbm” と“−90dbm”とを比較し、受信レベルの大きい“−80dbm”に対応付けて記憶されているスクランブリングコード“4001”の「順位」を “1”として高く対応付け、受信レベル“−90dbm”に対応付けて記憶されているスクランブリングコード“4003”の「順位」を“2”として対応付ける。
ステップS1524において、順位設定部108は、周辺局情報テーブルT12を参照し、「順位」を対応付けしていないスクランブリングコードのみに「順位」を対応付ける。具体的に、順位設定部108は、周辺局情報テーブルT12を参照し、図4(b)に示すように、スクランブリングコード“4002”と“4003”とにおいて、既に「順位」を対応付けたスクランブリングコード“4003”には、「順位」をつけず、スクランブリングコード“4002”に「順位」“3”を対応付ける。また、順位設定部108は、周辺局情報テーブルT12において、「順位」を対応付けしていないスクランブリングコードが複数記憶されている場合、それぞれのスクランブリングコードと対応付けて記憶されている受信レベルを比較し、受信レベルが高いスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。
ステップS1526において、順位設定部108は、近隣局情報テーブルT13を参照し、「順位」を対応付けしていないスクランブリングコードのみに「順位」を対応付ける。具体的に、順位設定部108は、近隣局情報テーブルT13を参照し、図4(c)に示すように、スクランブリングコード“4001”乃至“4004”において、既に「順位」を対応付けたスクランブリングコード“4001”乃至“4003”には、「順位」をつけず、スクランブリングコード“4004”に「順位」“4”を対応付ける。
また、順位設定部108は、近隣局情報テーブルT13において、「順位」を対応付けしていないスクランブリングコードが複数記憶されている場合、それぞれのスクランブリングコードと対応付けて記憶されている中継回数を比較し、中継回数が少ないスクランブリングコードほど「順位」を高く対応付ける。
(第1実施形態に係る基地局の作用・効果)
本実施形態に係る基地局100_iによれば、隣接局情報取得部105によって取得されたスクランブリングコード(第1パラメータ)と、周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコード(第2パラメータ)と、近隣局情報取得部104によって取得されたスクランブリングコード(第3パラメータ)とに基づいて、自局で用いる無線通信用の恒久スクランブリングコードを決定する。
よって、かかる基地局100_iによれば、従来技術のように、自局と周辺基地局との無線信号が重複する無線範囲に存在する移動局でからの通知に基づいて取得したスクランブリングコードのみ、又は、自局で受信した無線信号から取得したスクランブリングコードのみなど、一の手段によって取得したスクランブリングコードに基づいて、自局に設定する恒久スクランブリングコードを決定せず、3つの異なる手段で取得したスクランブリングコードに基づいて、各スクランブリングコードと異なるように自局に設定する恒久スクランブリングコードを決定する。したがって、周辺基地局で設定されているスクランブリングコードと重複することを低減し、より適切な恒久スクランブリングコードを決定することができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、取得したスクランブリングコードに無線範囲の重複度合いに応じ「順位」を対応付けると共に、当該順位に基づいて自局に設定する恒久スクランブリングコードを設定するので、無線範囲の重複度合いが高い周辺基地局で設定されているスクランブリングコードと重複することを低減し、より適切な恒久スクランブリングコードを決定することができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、所定の順位よりも高いスクランブリングコードとは異なるスクランブリングコードを、自局に設定する恒久スクランブリングコードとして決定するので、例えば、使用できるスクランブリングコード数が限られ、恒久スクランブリングコードが、取得したスクランブリングコードと重複する必要性が生じる場合であっても、対応付けられた「順位」の高いスクランブリングコード、つまり無線範囲の重複度合いの大きいことが推測される周辺基地局で設定されているスクランブリングコードとは異なるスクランブリングコードを、自局に設定する恒久スクランブリングコードとして決定することができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、取得したスクランブリングコードのそれぞれに「順位」を設定する際、隣接局情報取得部105で取得したスクランブリングコードの「順位」を最も高く、周辺局情報取得部103で取得したスクランブリングコードの「順位」を次に高く近隣局情報取得部104で取得したスクランブリングコードの「順位」を最も低く対応付ける。
つまり、基地局100_iでは、自局との無線範囲の重複度合いの大きいことが推測される周辺基地局に設定されているスクランブリングコードほど高い「順位」を対応付けて、所定の順位よりも「順位」の高いスクランブリングコードとは異なるように、自局に設定するスクランブリングコードを決定するので、自局に設定するスクランブリングコードが、自局との無線範囲が重複度合いの大きい周辺基地局で設定されているスクランブリングコードと重複することを抑制することができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、隣接局情報取得部105によって、複数のスクランブリングコードが取得された場合、それぞれのスクランブリングコードに対して、それぞれのスクランブリングコードが設定されている第1周辺基地局から送信された無線信号の移動局における受信レベルに応じて、「順位」が対応付けられる。よって、基地局100_iは、複数のスクランブリングコードが取得される場合であっても、複数のスクランブリングコードのそれぞれに、自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いに応じて、より正確に「順位」を対応付けることができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、周辺局情報取得部103によって、複数のスクランブリングコードが取得された場合、それぞれのスクランブリングコードに対して、それぞれのスクランブリングコードが設定されている周辺基地局から送信された無線信号の受信レベルに応じて、「順位」が対応付けられる。よって、基地局100_iは、複数のスクランブリングコードが取得される場合であっても、複数のスクランブリングコードのそれぞれに、自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いに応じて、より正確に「順位」を対応付けることができる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、近隣局情報取得部104は、要求情報とTTL(所定の中継回数)とを含む有線信号を送信するので、有線回線で接続される複数の周辺基地局において、自局とのルータの中継回数が所望の範囲内の周辺基地局に対してのみ要求情報を送信して、スクランブリングコードを取得できる。
また、本実施形態に係る基地局100_iによれば、近隣局情報取得部104によって、複数のスクランブリングコードが取得された場合、それぞれのスクランブリングコードに対して、自局からそれぞれのスクランブリングコードが設定されている周辺基地局までのルータ200_nの中継回数に応じて、「順位」が対応付けられる。よって、基地局は、複数のスクランブリングコードが取得される場合であっても、複数のスクランブリングコードのそれぞれに、自局と周辺基地局との有線回線の経路上におけるルータの中継回数に基づいて、自局と周辺基地局との無線範囲の重複度合いを推定し、より正確に「順位」を対応付けることができる。
このようにして、本実施形態に係る基地局100_iによれば、自局に設定するスクランブリングコード等の無線通信用のパラメータを、周辺基地局で設定されているパラメータと重複することを抑制し、より最適なパラメータを決定することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る基地局100_iの構成について説明する。以下、第1実施形態に係る基地局100と異なる部分について主に説明し、同様の機能については、その説明を適宜省略する。本実施形態に係る基地局100_iでは、順位設定部108の構成が、上述した第1実施形態に係る基地局100_iと異なる。よって、主に順位設定部108の構成について説明する。
本実施形態に係る基地局100_iでは、順位設定部108は、隣接局情報取得部105によって取得された複数のスクランブリングコード(第1パラメータ)のそれぞれに順位を設定する際、移動局600_1乃至600_3によって受信された受信レベルが所定の受信レベル差以内のスクランブリングコードの順位を、周辺局情報取得部103によって取得された同一のスクランブリングコード(第2パラメータ)と、当該スクランブリングコードを含む無線信号の受信レベルとに基づいて対応付ける。
具体的に、本実施形態に係る基地局100_iにおいて、上述したステップS152の順位設定部108の動作に着目して説明する。図13には、上述したステップS152において、順位設定部108が、隣接局情報と、周辺局情報と、近隣局情報とに対して、「順位」を対応付ける際のフローチャートが示されている。
なお、ここで、基地局100_iでは、隣接局情報取得部105によって複数の基地局IDとスクランブリングコードと移動局での受信レベルとが取得されると共に、周辺局情報取得部103においても複数の基地局IDとスクランブリングコードと受信レベルとが取得されることとする。また、本実施形態において、隣接局情報テーブルT11には、図14(a)に示すように、基地局IDと、スクランブリングコードと、受信レベルとが対応付けて記憶されていることとする。また、本実施形態において、周辺局情報テーブルT12には、図14(b)に示すように、基地局IDと、スクランブリングコードと、受信レベルとが対応付けて記憶されていることとする。
ステップS1532において、順位設定部108は、まず、隣接局情報テーブルT11を参照し、隣接局情報に「順位」を対応付ける。この時、順位設定部108は、それぞれのスクランブリングコードに対して、図14(a)に示すように、所定の受信レベル差として、例えば“3dbm”の範囲以内である“−80dbm”と“−82dbm”とに対応するスクランブリングコード“4002”と“4003”との「順位」を同一順位“2”として対応付ける。ここで、図14(a)において、スクランブリングコード“4003”と“4004”とに対応する“−82dbm”と“−84dbm”も、所定の受信レベル差“3dbm”の範囲以内であるが、順位設定部108は、既に「順位」“2”を対応付けたスクランブリングコード“4002”の受信レベルが“−80dbm”、“4004”の受信レベルが“−84dbm”であり、所定の受信レベル差“3dbm”の範囲以内でないため、“4004”に対しては、「順位」を“4”として対応付ける。
ステップS1534において、順位設定部108は、同一順位の隣接局情報があるか否かを判定する。また、順位設定部108は、判定の結果、同一順位の隣接局情報がないと判定した場合、ステップS1538の動作を行う。
ステップS1536において、順位設定部108は、判定の結果、同一順位の隣接局情報があると判定した場合、周辺局情報テーブルT12を参照し、ステップS1532において同一順位で対応付けたスクランブリングコード“4002”と“4003”とに対応する受信レベル“−95dbm”と“−90dbm”とを比較する。そして、順位設定部108は、参照した周辺局情報テーブルT12で、受信レベルが大きい“−90dbm”に対応付けられているスクランブリングコード“4003”を、隣接局情報テーブルT11において、順位を高く“2”として対応付ける。また、順位設定部108は、参照した周辺局情報テーブルT12で、受信レベルが小さい“−95dbm”に対応付けられているスクランブリングコード“4002”を、隣接局情報テーブルT11において、順位を低く“3”として対応付ける。
このようにして、順位設定部108は、図15に示すように、隣接局情報テーブルT11において、「順位」を同一順位として対応付けたスクランブリングコード“4002”と“4003”とに、再度「順位」を対応付けて記憶する。
なお、ステップS1538乃至ステップS1540の動作は、上述したステップS1524乃至S1526の動作と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態に係る基地局100_iによれば、隣接局情報取得部105で取得された複数のスクランブリングコードに「順位」を対応付ける際、隣接局情報取得部105で取得された移動局600_1乃至600_3での受信レベルが所定の受信レベル差以内のスクランブリングコードに対しては、当該スクランブリングコードと同一の周辺局情報取得部103によって取得されたスクランブリングコードが含まれていた無線信号の受信レベルの大きさに関しても考慮して、総合的に「順位」を対応付ける。
したがって、本実施形態に係る基地局100_iによれば、取得された複数のスクランブリングコードのそれぞれに「順位」を設定する際、当該「順位」をより高精度に設定することができる。また、その結果、基地局100_iは、より適切な恒久スクランブリングコードを決定することができる。
(その他の実施形態)
上述したように本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。例えば、基地局100_iに備えられていた周辺局情報取得部103と、近隣局情報取得部104と、隣接局情報取得部105と、順位設定部108と、パラメータ決定部109との各種機能は、サーバ300_1に備えられていてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、各実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1…移動通信システム、100_1乃至100_4…周辺基地局、101…有線信号通信部、102…無線信号通信部、103…周辺局情報取得部、104…近隣局情報取得部、105…隣接局情報取得部、106…パイロット信号生成部、107…記憶部、108…順位設定部、109…パラメータ決定部、110…パラメータ通知部、111…通信制御部、T11…隣接局情報テーブル、T12…周辺局情報テーブル、T13…近隣局情報テーブル、T21…周辺セル情報テーブル、T31…基地局IDテーブル、200_1乃至200_2…ルータ、201…通信部、202…通信制御部、300_1…サーバ、301…通信部、302…記憶部、303…通信制御部、600_1乃至600_3…移動局、C100_1乃至C100_4…セル、S102乃至S158…ステップ、S1522乃至S1526…ステップ、S1532乃至S1538…ステップ