JP4912735B2 - 晶析方法 - Google Patents
晶析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4912735B2 JP4912735B2 JP2006129157A JP2006129157A JP4912735B2 JP 4912735 B2 JP4912735 B2 JP 4912735B2 JP 2006129157 A JP2006129157 A JP 2006129157A JP 2006129157 A JP2006129157 A JP 2006129157A JP 4912735 B2 JP4912735 B2 JP 4912735B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control valve
- terephthalic acid
- crystallization
- solvent
- opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
スラリーとされ、その後に析出した粗テレフタル酸を固液分離する。同様に接触水素化反応等の方法で精製されたテレフタル酸溶液又はスラリーは晶析操作により、低圧、低温のスラリーとされ、その後に析出した高純度テレフタル酸を固液分離する。
この晶析操作は溶媒をフラッシュ蒸発させることにより温度を低下させる連続的多段階晶析方法であり、通常は2〜6槽の晶析槽が直列に配置され、晶析槽は調節弁が設置された移送配管で接続されている。
即ち本発明は、テレフタル酸の溶液またはテレフタル酸の一部が析出したスラリーを前段の晶析槽に送り、前段の晶析槽においてテレフタル酸を析出させ、テレフタル酸と溶媒を含むスラリーを生成させて後段の晶析槽に送る連続的多段階晶析方法であって、前段の晶析槽と後段の晶析槽を接続する移送配管に設置された調節弁が、調節計からのフィードバック制御に基づく操作出力信号により駆動部が作動して調節弁の開度が定められ、通過するイソフタル酸と溶媒を含むスラリーの流量を制御する調節弁であり、その調節弁の開度を0.2〜20秒の周期で1〜40%の調節弁の開度振れ幅で強制的に変化させながらテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを送ることを特徴とする晶析方法に関するものである。
本発明は、p−キシレンを代表とするp−アルキルベンゼン等のp−フェニレン化合物を原料として高純度テレフタル酸を製造するプロセスの酸化工程又は精製工程に適用される。
酸化工程は、酢酸を溶媒として用い、コバルト、マンガン等の触媒を利用し、またはこれに臭素化合物、アセトアルデヒドのような促進剤を加えた触媒が用いられる。酸化工程では液相酸化反応生成物である約180℃〜約200℃の粗テレフタル酸スラリーを連続的多段階に晶析させて粗テレフタル酸を得る。
精製工程としては、液相酸化反応より得られた粗テレフタル酸を接触水素化処理、脱カルボニル化処理、酸化処理、再結晶処理、あるいはテレフタル酸結晶が一部溶解したスラリー状態での高温浸漬処理などの処理をしテレフタル酸の溶液又はテレフタル酸の一部が析出したスラリーを得て、その後の晶析操作を行う。上記の処理の中でも接触水素化処理が好ましい。接触水素化処理では粗テレフタル酸を溶媒の水に溶解させて接触水素化反応を行い、該反応液である約270℃〜約300℃のテレフタル酸の溶液を連続多段階に晶析させて高純度テレフタル酸を得る。いずれの場合も高圧、高温のテレフタル酸スラリーまたはテレフタル酸の溶液を直列に配置された2〜6槽の晶析槽で連続的多段階に晶析する。晶析槽においてテレフタル酸を析出させる方法は、溶媒のフラッシュ蒸発による冷却であることが好ましい。
調節弁を制御する調節計としては前段の晶析槽の液面計が好ましい。
調節計からのフィードバック制御に基づく操作出力信号により定められる調節弁の開度は、25〜75%の範囲内であることが好ましく、調節弁の開度の変化は、1〜40%の調節弁の開度振れ幅で強制的に変化させることが好ましく、3〜30%がさらに好ましく、3〜20%が特に好ましい。1〜40%であると調節弁の動作が安定するので、好ましい。
調節弁の開度を常に変化させる方法に特に制限はないが、ブースターリレーが好適に用いられる。本来ブースターリレーは調節弁の駆動速度を速め、調節弁のコントロール性能を安定化させるものであるが、該ブースターリレーを調節することにより、調節弁の開度振れ幅や調節弁の開度を変化させる周期を変えることができ、結果として調節弁の開度を周期的に、調節弁の開度振れ幅で強制的に変化させることができる。
調節弁のバルブボデーに弁内洗浄溶媒を供給することも好適に行われる。該弁内洗浄溶媒の供給方法に特に制限は無いが、連続的に供給するのがより好ましい。また、バルブボデーへの供給位置について具体的に例示すると、株式会社本山製作所やニイガタ・メーソンネーラン株式会社製のグローブ型調節弁ではバルブプラグ近傍の内壁部分であり、一箇所からの供給でもよいが、複数箇所からの供給がより好ましい。弁内洗浄溶媒の温度は調節弁下流側の晶析槽の温度を基準として該温度から+20℃の範囲が好ましい。
該弁内洗浄溶媒としては移送配管を流れるテレフタル酸と溶媒を含むスラリーの溶媒組成に近いものが良い。酸化工程では酢酸又は含水酢酸が好ましく、精製工程では水が好ましい。
商業規模の高純度テレフタル酸製造装置を用いて液相酸化反応を行い、反応生成物である粗テレフタル酸スラリーを前段の晶析槽に送り、フラッシュ蒸発により溶媒の含水酢酸を蒸発させて約190℃の粗テレフタル酸スラリーを生成させた。この約190℃の粗テレフタル酸スラリーを、調節弁を設置した移送配管を介して約150℃の後段の晶析槽に供給した。前段の晶析槽と後段の晶析槽を接続する移送配管に設置された調節弁は、前段の晶析槽の液面計からのPID制御に基づく操作出力信号により駆動部が作動して開度が定められ、ブースターリレーにより調節弁の開度を常に変化させた。その周期は約1.5秒、調節弁の開度の変化は約10%の調節弁の開度振れ幅とした。運転日数6ヵ月の間、調節弁に詰りが発生することはなく安定に運転を継続することができた。
ブースターリレーを用いない通常のPID制御で調節弁の開度をコントロールした他は実施例1と同様に運転を行ったところ、徐々に調節弁のスラリーの通り道に結晶が付着して流れにくくなり、調節弁の開度が上昇したが6日目に詰まってしまった。
商業規模の高純度テレフタル酸製造装置を用いて液相酸化反応より粗テレフタル酸を得た。精製工程において、液相酸化反応より得られた粗テレフタル酸を用いて281℃で接触水素化反応を行い、該反応液であるテレフタル酸の溶液を前段の晶析槽に送り、フラッシュ蒸発により溶媒の水を蒸発させて約250℃のテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを生成させた。この約250℃のテレフタル酸スラリーを、調節弁を設置した移送配管を介して約220℃の後段の晶析槽に供給した。前段の晶析槽と後段の晶析槽を接続する移送配管に設置された調節弁は、前段の晶析槽の液面計からのPID制御に基づく操作出力信号により駆動部が作動して開度が定められ、ブースターリレーにより調節弁の開度を常に変化させた。その周期は約4秒、調節弁の開度の変化は約7%の調節弁の開度振れ幅とした。運転日数3ヵ月の間、調節弁に詰りが発生することはなく安定に運転を継続することができた。
商業規模の高純度テレフタル酸製造装置を用いて液相酸化反応より粗テレフタル酸を得た。精製工程において、液相酸化反応より得られた粗テレフタル酸を用いて281℃で接触水素化反応を行い、該反応液であるテレフタル酸の溶液を前段の晶析槽に送り、フラッシュ蒸発により溶媒の水を蒸発させて約250℃のテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを生成させた。この約250℃のテレフタル酸スラリーを、調節弁を設置した移送配管を介して約220℃の後段の晶析槽に供給した。前段の晶析槽と後段の晶析槽を接続する移送配管に設置された調節弁は、前段の晶析槽の液面計からのPID制御に基づく操作出力信号により駆動部が作動して開度が定められ、ブースターリレーにより調節弁の開度を常に変化させた。その周期は約4秒、調節弁の開度の変化は約7%の調節弁の開度振れ幅とした。更に弁内洗浄溶媒として約220℃の水を供給した。運転日数4ヵ月の間、調節弁に詰りが発生することはなく安定に運転を継続することができた。
ブースターリレーを用いない通常のPID制御で調節弁の開度をコントロールした他は実施例2と同様に運転を行ったところ、徐々に調節弁のスラリーの通り道に結晶が付着して流れにくくなり、調節弁の開度が上昇したが3日目に詰まってしまった。
Claims (8)
- テレフタル酸の溶液またはテレフタル酸の一部が析出したスラリーを前段の晶析槽に送り、前段の晶析槽においてテレフタル酸を析出させ、テレフタル酸と溶媒を含むスラリーを生成させて後段の晶析槽に送る連続的多段階晶析方法であって、前段の晶析槽と後段の晶析槽を接続する移送配管に設置された調節弁が、調節計からのフィードバック制御に基づく操作出力信号により駆動部が作動して調節弁の開度が定められ、通過するテレフタル酸と溶媒を含むスラリーの流量を制御する調節弁であり、その調節弁の開度を0.2〜20秒の周期で1〜40%の調節弁の開度振れ幅で強制的に変化させながらテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを送ることを特徴とする晶析方法。
- 晶析槽においてテレフタル酸を析出させる方法が溶媒のフラッシュ蒸発による冷却であることを特徴とする請求項1記載の晶析方法。
- 調節弁の開度を0.4秒〜10秒の周期で変化させながらテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを送ることを特徴とする請求項1又は2に記載の晶析方法。
- 調節計からのフィードバック制御に基づく操作出力信号により定められる調節弁の開度が25〜75%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の晶析方法。
- 調節弁の開度を3〜30%の調節弁の開度振れ幅で変化させながらテレフタル酸と溶媒を含むスラリーを送ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の晶析方法。
- 調節弁を制御する調節計が前段の晶析槽の液面計であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の晶析方法。
- 調節弁のバルブボデーへ弁内洗浄溶媒を供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の晶析方法。
- 調節弁の開度をブースターリレーを用いて変化させる請求項1〜7のいずれかに記載の晶析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006129157A JP4912735B2 (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 晶析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006129157A JP4912735B2 (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 晶析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007302561A JP2007302561A (ja) | 2007-11-22 |
JP4912735B2 true JP4912735B2 (ja) | 2012-04-11 |
Family
ID=38836820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006129157A Expired - Fee Related JP4912735B2 (ja) | 2006-05-08 | 2006-05-08 | 晶析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4912735B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4929816B2 (ja) * | 2006-04-24 | 2012-05-09 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 晶析方法 |
JP5589319B2 (ja) * | 2009-08-07 | 2014-09-17 | 三菱レイヨン株式会社 | 晶析方法 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5018996B1 (ja) * | 1970-12-29 | 1975-07-03 | ||
JPS6172316A (ja) * | 1984-09-17 | 1986-04-14 | Toshiba Corp | 均流制御装置 |
JPS6239178A (ja) * | 1985-08-12 | 1987-02-20 | Fuji Photo Film Co Ltd | スラリ−配管フラツシング方法 |
JP2811041B2 (ja) * | 1993-11-27 | 1998-10-15 | 三菱化学株式会社 | 均流液面制御装置 |
JP3433526B2 (ja) * | 1994-09-19 | 2003-08-04 | 三菱化学株式会社 | 晶析槽の運転方法 |
JP2004315456A (ja) * | 2003-04-17 | 2004-11-11 | Mitsubishi Chemicals Corp | 高純度テレフタル酸の製造方法 |
JP2006143612A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Teijin Ltd | スラリーの送液方法 |
JP2006142152A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Teijin Ltd | スラリー送液を行う設備の洗浄方法 |
JP4929816B2 (ja) * | 2006-04-24 | 2012-05-09 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 晶析方法 |
WO2007129669A1 (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | 晶析方法 |
-
2006
- 2006-05-08 JP JP2006129157A patent/JP4912735B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007302561A (ja) | 2007-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
MX364125B (es) | Método y aparato para carbonilación de metanol con corriente de vaporización enriquecida con ácido acético. | |
RU2527035C2 (ru) | Способы, процессы и системы для обработки и очистки сырой терефталевой кислоты и ассоциированные потоки процесса | |
EP2450340B1 (en) | Device and method for crystallizing (meth)acrylic acid | |
JP4912735B2 (ja) | 晶析方法 | |
US8846977B2 (en) | Crystallization unit for acrylic acid and method for crystallization of acrylic acid using the same | |
JP4837232B2 (ja) | 晶析方法 | |
JP4929816B2 (ja) | 晶析方法 | |
JP5296534B2 (ja) | 晶析方法 | |
JP5142729B2 (ja) | 酢酸プロセスを制御する方法 | |
JP3433526B2 (ja) | 晶析槽の運転方法 | |
JP2008162958A (ja) | 高純度テレフタル酸の製造方法 | |
RU2713420C2 (ru) | Способ и установка для очистки акриловой кислоты | |
JP2006143612A (ja) | スラリーの送液方法 | |
JP2004315456A (ja) | 高純度テレフタル酸の製造方法 | |
JP2006008671A (ja) | 高純度テレフタル酸の製造方法 | |
JPH01121283A (ja) | 芳香族カルボン酸無水物の回収方法 | |
JPH01113337A (ja) | 芳香族カルボン酸の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090410 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120117 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120118 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |