以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施形態に係る通信機器の一例である携帯電話機1の外観斜視図である。携帯電話機1は、矩形板状の第1筐体2と同じく矩形板状の第2筐体3とを備え、ヒンジ部4を介して開閉自在に連結されている。第1筐体2には、表示装置5と受話用スピーカ6が、そして第2筐体3には、操作部7と送話用マイク8がそれぞれ配設されている。
次に、携帯電話機1の各部の詳細構成について図2を用いて説明する。図2(a)は、携帯電話機1のブロック図であり、図2(b)は携帯電話機1の制御部15の詳細を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、携帯電話機1は、表示装置5と、受話用スピーカ6と、操作部7と、送話用マイク8と、報知用スピーカ9と、記憶部10と、内蔵アンテナ11と、通信部12と、バッテリ13と、制御部15とを有して構成される。
表示装置5は、例えば液晶パネル等の、現在の時刻や入力情報などの各種情報の他、電子メール等の文字メッセージの受信情報や文字メッセージの内容等を表示する表示デバイスである。受話用スピーカ6は、通話における通信相手の音声に係る音声信号に応じた音を出力するスピーカである。操作部7は、テンキー等の複数のボタンで構成される操作入力手段である。送話用マイク8は、通話に係る音声等を入力するマイクである。報知用スピーカ9は、例えば記憶部10に記憶された着信音や着信メロディ等の音声情報に係る音声信号に応じた音を報知するスピーカである。
記憶部10は、携帯電話機1の各動作に関する様々な情報、例えば通信相手の名前、電話番号、メールアドレス等の情報を含むアドレス帳情報、着信音や着信メロディ等の音声情報、各種アイコン等の画像データ、後述する形態素解析に用いられる辞書データ、持ち主の個人情報の他、判定用データベースAを記憶する記録媒体である。判定用データベースAとは、後述する判定部17が通信部12により受信された文字メッセージに対する感情度合いを判定する際に参照するデータベースであり、図3に示すようなキーワードテーブルB、感情テーブルC、アイコンテーブルD、そしてこれら三者B、C、Dを関連づける対応テーブルEを有して構成される。
キーワードテーブルBは、通し番号がそれぞれ付されたキーワードの一覧である。感情テーブルCは、通し番号がそれぞれ付された感情を示す言葉の一覧である。アイコンテーブルDは、通し番号がそれぞれ付されたアイコン、ここでは顔の表情を表現したアイコンの一覧である。対応テーブルEは、キーワードテーブルBに登録されている各キーワードに対応する「感情」と「アイコン」とを、これら各テーブルB、C、Dの通し番号でそれぞれ関連づけた一覧である。この対応テーブルEにより、キーワードテーブルBのキーワードの一覧にリストされた各キーワードは、それぞれ感情テーブルCの感情およびアイコンテーブルDのアイコンと関連づけられる。
内蔵アンテナ11は、所定の周波数帯域における通話や文字メッセージの送受信等の通信に係る電磁波を送信又は受信可能に構成されるアンテナである。通信部12は、通話や文字メッセージの送受信等の通信を内蔵アンテナ11を介して行う通信処理部であり、具体的には、内蔵アンテナ11を介して送信又は受信される電磁波の変調又は復調を行う。
バッテリ13は、例えばリチウムイオン電池等の、外部電源14からの電力が給電されることで充電可能に構成されると共に、充電された電力を制御部15などに給電可能に構成される、充電電池である。
制御部15は、バッテリ13により給電される電力をもとに、携帯電話機1の各種制御を統制する中央処理部であり、例えば、表示装置5への各種情報の表示制御、受話用スピーカ6を介した音の報知制御、操作部7での各種入力操作に基づく操作制御、送話用マイク8で入力された音声等の入力制御、報知用スピーカ9による音の報知制御、通信部12を介した通信制御等を行う。
また、制御部15は、図2(b)に示すように、分析部16と判定部17と種別判定部18とを有して構成される。制御部15は、通信部12により受信された文字メッセージに対する感情度合いを判定する処理(感情メール処理)を実行する際に、これら分析部16、判定部17、種別判定部18の制御を行う。なお、感情メール処理を実行するか否かは、待ち受け状態において操作部7を操作することにより予め設定しておくことができる。なお、感情メール処理の設定がされた場合には、感情メール処理が設定された旨を示すフラグが記憶部10に記憶される。
次に、制御部15にて実施される感情メール処理について説明する。まず、通信部12により受信された文字メッセージは、図4に示すように、受信日時情報、送信者情報、件名情報および本文情報を有して構成される。
分析部16は、通信部12により受信された文字メッセージを形態素解析により文字列ごとに分解する。ここで形態素解析とは、記憶部10に記憶された辞書データに基づいて、文章を言語として意味を有する最小単位としての文字列ごとに分解する技術をいう。分析対象は、受信された文字メッセージのうち、件名情報と本文情報である。
例えば図4に示す文字メッセージが分析部16による分析された場合には、分析対象は、件名情報に含まれる「うれしい」と本文情報に含まれる「今日はうれしい。」となり、件名情報に含まれる「うれしい」からは「うれしい」が、そして本文情報に含まれる「今日はうれしい。」からは「今日」、「は」、「うれしい」、「。」が文字列として分解されることとなる。
なお、分析部16による分析対象は、通常、件名情報、本文情報の全文であるが、ユーザの設定などにより、件名情報、本文情報合わせて文字メッセージの文頭から100文字というように分析対象に制限を加えることも可能である。このように分析対象が制限される場合、当該分析にかかる時間を削減することができる。
判定部17は、分析部16により分析されて分解された文字メッセージに含まれる文字列と記憶部10に記憶された判定用データベースAとを比較し、その比較結果に応じて当該文字メッセージに対する感情度合いを判定する判定手段である。具体的には、判定用データベースAのキーワードテーブルBの一覧に、分析部16により分解された文字列と一致するキーワードがあるかどうかを検索し、その結果当該文字列と一致するキーワードがあった場合、そのうち当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードを一つ抽出する。そして、抽出した当該キーワードに関連づけられた感情を対応テーブルEを参照して検索し、その結果検索された感情を当該文字メッセージに対する感情度合いであると判定する。
例えば、通信部12により受信された文字メッセージが分析部16により分析されて当該文字メッセージが文字列ごとに分解された結果、当該文字メッセージには「うれしい」という文字列が三つと、「びっくり」という文字列が二つと、「ありがとう」という文字列が一つ含まれていたとする。この場合、キーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析されて分解された文字列と一致するキーワードは「うれしい」と、「びっくり」と、「ありがとう」の三つとなる、当該文字メッセージの中に数の最も数多く含まれるキーワードは、当該文字メッセージに三つ含まれる「うれしい」、ということとなる。そして「うれしい」というキーワードは、対応テーブルEを参照すると、「笑い」という感情が各々の通し番号同士(この場合「No.1」)で関連づけられているため、判定部17は、当該文字メッセージに対する感情度合いを「笑い」であると判定する。
次に、種別判定部18について説明する。種別判定部18は、通信部12で受信された文字メッセージの種別を判定する。具体的には、受信された文字メッセージが、当該文字メッセージの送信者が直接送信した通常の文字メッセージなのか、又は、当該文字メッセージの受信者が以前に当該文字メッセージの送信者に対して送信した文字メッセージに対する返信に係る文字メッセージなのか、或いは、第三者が当該送信者に対して以前に送信した文字メッセージの転送に係る文字メッセージなのか、を判定する判定手段である。
本実施形態における種別判定部18は、通信部12により受信された文字メッセージの件名情報に返信に係る文字メッセージである旨を示す文字列、例えば、返信に係る文字メッセージである場合に件名情報の文頭に慣行として付される「RE:」という文字列が含まれる場合には、当該文字メッセージを返信に係る文字メッセージであると判定し、通信部12により受信された文字メッセージの件名情報に転送に係る文字メッセージである旨を示す文字列、例えば、転送に係る文字メッセージである場合に件名情報の文頭に慣行として付される「FW:」という文字列が含まれる場合には、当該文字メッセージを転送に係る文字メッセージである判定し、通信部12により受信された文字メッセージの件名情報に返信に係る文字メッセージである旨を示す文字列も転送に係る文字メッセージである旨を示す文字列も両方含まれない場合には、当該文字メッセージを通常の文字メッセージであると、判定する。
ただし、本発明はかかる判定方法に限定されるものではなく、その他の判定方法、例えば文字メッセージのヘッダー情報から文字メッセージの種別を判定したり、「RE:」や「FW:」以外の返信に係る文字メッセージである旨を示す文字列や転送に係る文字メッセージである旨を示す文字列に基づいて当該文字メッセージの種別を判定したりしてもよい。
では次に、感情メール処理の詳細について図5〜図10を用いて説明する。図5(a)は受信された文字メッセージが通常の文字メッセージである場合、図5(b)は受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージである場合、図5(c)は受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージである場合、図5(d)は、受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージに対する転送に係る文字メッセージであるの場合の一例を示した図である。図6は、本実施形態での感情メール処理の流れをフローチャート化した図である。図7〜図10は、感情メール処理の結果、図5(a)〜図5(d)に示された各文字メッセージの受信情報およびアイコンが表示された状態を示す携帯電話機1の外観斜視図である。
まず、感情メール処理の流れについて図6を用いて説明する。図6に示すように、電子メール等の文字メッセージの受信が発生すると、通信部12により文字メッセージの受信処理が行われる(ST1)。次に、文字メッセージに対する感情メール処理の設定がされているか否かが制御部15により判断される(ST2)。具体的には、記憶部10に感情メール処理が設定された旨を示すフラグが有るかどうかでその判断がされる。そして、当該フラグが記憶部10に有る場合には、感情メール処理設定がされていると判断され、ステップST3に進み、当該フラグが記憶部10に無い場合には、感情メール処理設定がされていないと判断されて、感情メール処理は終了される。
さて、ステップST2で感情メール処理設定がされていると判断されると次にステップST3まで進む。ステップST3では種別判定部18により文字メッセージの種別判定を行う。ここでは、当該文字メッセージの件名情報の文頭に、「RE:」、「FW:」の文字列が含まれているか否かによりその判定が行われる。
図5(a)に示す文字メッセージのように、受信された文字メッセージの件名情報の文頭に「RE:」、「FW:」のいずれの文字列も含まれていない場合には、当該文字メッセージは通常の文字メッセージであると判定してステップST4に進む。図5(b)に示す文字メッセージのように、「RE:」の文字列が受信した文字メッセージの件名情報の文頭に含まれている場合には、当該文字メッセージは返信に係る文字メッセージであると判定してステップST5に進む。図5(c)、(d)に示す文字メッセージのように「FW:」の文字列が受信された文字メッセージの件名情報の文頭に含まれている場合には、当該文字メッセージは転送に係る文字メッセージであると判定してステップST6に進む。
なお、ステップST6まで進んだ場合には、種別判定部18はさらに、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージの種類、具体的には、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれているかいないかを判定する。具体的には、当該文字メッセージの件名情報の文頭に付され、転送に係る文字メッセージである旨を示す「FW:」という文字列の後に、返信に係る文字メッセージである旨を示す「RE:」という文字列が含まれているか否かを判定する。
そして、図5(c)に示す文字メッセージのように「FW:」という文字列の後に「RE:」という文字列が含まれていない場合には、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれていないと判定してステップST7に進み、図5(d)に示す文字メッセージのように「FW:」という文字列の後に「RE:」という文字列が含まれている場合には、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれていると判定してステップST8に進む。
受信された文字メッセージが通常メッセージであり、ステップST4まで進んだ場合には、当該文字メッセージの件名情報および本文情報の全文を分析部16による分析対象とする。通常の文字メッセージには、当該文字メッセージの送信者の感情が、当該文字メッセージの件名情報および本文情報の全範囲に反映されていると解されるからである。
また、受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージであり、ステップST5まで進んだ場合には、当該文字メッセージの件名情報を除外した範囲を分析部16による分析対象とする。当該文字メッセージが返信に係る文字メッセージである場合、本文情報に、当該文字メッセージの送信者の感情が反映されていると解される一方、件名情報には、当該文字メッセージの送信者ではなく当該文字メッセージの返信元の送信者、つまり、当該文字メッセージの受信者自身の感情が反映されているものと解されるため、両者の間には感情の主体のずれがあり、両者を共に分析対象としてしまうと文字メッセージ全体に対する正確な感情度合いを判定することができなくなってしまうからである。
受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであり、かつ、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれておらず、ステップST7まで進んだ場合には、当該文字メッセージの件名情報から「FW:」を除外した範囲を分析部16による分析対象とする。「FW:」という文字列自体は、転送に係る文字メッセージである旨を示すだけの文字列であり、送信者の感情を表現する文字列ではないからである。
なおこの場合、「FW:」の後に続く文字列は、分析部16による分析の対象とする。「FW:」の後に続く文字列は、当該文字メッセージの送信者が直接入力した文字列ではなく、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージの送信者が入力した文字列であると解されるが、そもそも転送に係る文字メッセージというのは、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージを当該文字メッセージの受信者に伝えるのが主目的であるため、「FW:」の後に続く文字列は、その目的を達成するために、必要な文字列であると解することができるためである。
受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであり、かつ、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれており、ステップST8まで進んだ場合には、「FW:」の文字列を含む当該文字メッセージの件名情報を除外した範囲を分析部16による分析対象とする。
なぜなら、前述したように、転送に係る文字メッセージというのは、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージを当該文字メッセージの受信者に伝えるのが主目的であるが、このように、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれている場合には、その主目的として伝えるべき当該転送に係る文字メッセージの元の文字メッセージは、当該返信に係る文字メッセージとイコールである、ということになる。
しかし、当該返信に係る文字メッセージである旨を示す「RE:」という文字列の後に続く文字列は、当該返信に係る文字メッセージの送信者の感情は反映するものではなく、当該返信に係る文字メッセージの元となる文字メッセージの送信者の感情が反映されているものと解されるため、「RE:」という文字列の後に続く文字列は、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージ(当該返信に係る文字メッセージ)に対する感情を表現する文字列ではないと解される。したがって「RE:」という文字列の後に続く文字列を分析をすることは、転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージを受信者に伝えるという転送に係る文字メッセージの主目的を達成する上で適切ではないからである。
そこで、受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであり、かつ、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれており、ステップST8まで進んだ場合には、「FW:」の文字列を含む当該文字メッセージの件名情報を除外した範囲を分析部16による分析対象とすることとした。
このように、この感情メール処理では、受信した文字メッセージの種別に応じて文字メッセージの分析対象を変更する構成とされている。ステップST4、ST5、ST7、ST8により、分析対象が設定されると、次にステップST9に進む。このステップST9では、分析部16が、ステップST4、ST5、ST7、ST8で設定された文字メッセージの各分析対象に応じて形態素解析によりその分析を行う。
そして次にステップST10に進み、判定部17が、ステップST9において分析部16が分析した結果に基づいて、当該文字メッセージの感情度合いを判定する。具体的には、判定用データベースAのキーワードテーブルBの一覧に、分析部16により分解された文字列と一致するキーワードがあるかどうかを検索し、その結果当該文字列と一致するキーワードがあった場合、そのうち当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードを一つ抽出する。そして、抽出した当該キーワードに関連づけられた感情を対応テーブルEを参照して検索し、その結果検索された感情を当該文字メッセージに対する感情度合いであると判定する。
そして次にステップST11に進み、制御部15が、ステップST10において抽出されたキーワードに対応するアイコンを対応テーブルEを参照して検索し、検索されたアイコンを当該文字メッセージに対するアイコンとして設定する。
そしてその後、ステップST12へ進み、ユーザに新しく文字メッセージが受信された旨を報知するために、制御部15の制御の下、記憶部10に記憶された着信音に係る音声情報を報知スピーカ9により報知させると共に、表示装置5やサブ表示装置(図示せず)に、当該文字メッセージの受信情報(文字メッセージの送信者情報、件名情報など)およびステップST11で設定された受信メッセージに対するアイコンを表示する。なお、ここではアイコンを表示させる構成としているが、本発明はこれに限らず、アイコンを表示させると共に、又はアイコンを表示させる代わりに、アイコンの種類に応じた着信音を報知する構成としてもよい。要は、ユーザに文字メッセージの感情度合いを伝達できる手段を有していればよい。
では、次に図5(a)から図5(d)までの文字メッセージに対して上述の感情メール処理を実際に行った場合、どのような態様になるかを説明する。
まずは図5(a)の文字メッセージに対して感情メール処理を行った場合について説明する。図5(a)の文字メッセージの受信が発生すると、通信部12により図5(a)の文字メッセージの受信処理が行われ(ST1)、その後、文字メッセージに対する感情メール処理設定がされているか否かが制御部15により判断される(ST2)。ここでは、感情メール処理設定はされているものとする。
次にステップST3に進み、種別判定部18により文字メッセージの種別判定が行われる(ST3)。図5(a)に示す文字メッセージには、受信された文字メッセージの件名情報の文頭に「RE:」、「FW:」のいずれの文字列も含まれていないため、当該文字メッセージは通常の文字メッセージであると判定され、ステップST4に進み、分析部16による分析対象が、当該文字メッセージの件名情報および本文情報の全文と設定される。この場合、件名情報に含まれる「うれしい」と、本文情報に含まれる「今日はうれしいです。」とが分析部16により分析される対象となる。
このようにステップST4にて分析対象が設定されると、次にステップST9に進み、分析部16が当該分析対象に基づいて当該文字メッセージの分析を行う。この場合、件名情報に含まれる「うれしい」からは「うれしい」が、そして本文情報に含まれる「今日はうれしいです。」からは「今日」、「は」、「うれしい」、「です」、「。」がそれぞれ文字列として分解されることとなる。
そして次にステップST10に進み、判定部17が、当該文字メッセージに対する感情度合いを、ステップST9での分析結果に基づいて判定する。この場合、「うれしい」という文字列は、キーワードテーブルBにリストされるキーワードであり、「今日」、「は」、「です」「。」というはキーワードテーブルBにリストされるキーワードではない。従って、キーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードは「うれしい」という結果になる。そして「うれしい」というキーワードは、対応テーブルEを参照すると、「笑い」という感情が通し番号同士(ここでは「No.1」)で関連づけられているため、判定部17は、当該文字メッセージに対する感情度合いを「笑い」であると判定する。
次にステップST11に進み、制御部15は、ステップST10にてキーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードであるとして判定された「うれしい」と関連づけられたアイコンを対応テーブルEから検索し、検索されたアイコンを当該文字メッセージに対するアイコンとして設定する。この場合、「うれしい」と通し番号同士(ここでは「No.1」)で関連付けられている「笑い顔アイコン」が当該アイコンとして設定される。
そしてその後、ステップST12へ進み、ユーザに当該文字メッセージが受信された旨を報知するために、制御部15の制御の下、記憶部10に記憶された着信音に係る音声情報を報知スピーカ9により報知すると共に、表示装置5およびサブ表示装置(図示せず)に、当該文字メッセージの受信情報(文字メッセージの送信者情報、件名情報など)およびステップST11で設定されたアイコン(この場合「笑い顔アイコン」)を表示する。
これにより、携帯電話機1のユーザは、受信した文字メッセージの全文や詳細を見ずとも、当該受信情報およびアイコンを確認することにより、当該文字メッセージが受信された旨および当該文字メッセージの感情度合い(この場合「笑い」という感情度合い)を知ることができる。図7は、このように当該文字メッセージの受信情報および当該アイコンが表示装置5に表示された様子を示す図である。
では、次に図5(b)の文字メッセージに対して感情メール処理を行った場合について説明する。図5(b)の文字メッセージの受信が発生すると、通信部12により図5(b)の文字メッセージの受信処理が行われる(ST1)。次に、文字メッセージに対する感情メール処理設定がされているか否かが制御部15により判断される(ST2)。ここでは、感情メール処理設定はされているものとする。
次にステップST3に進み、種別判定部18により文字メッセージの種別判定が行われる(ST3)。図5(b)に示す文字メッセージには、「RE:」の文字列が当該文字メッセージの件名情報の文頭に含まれているため、当該文字メッセージは返信に係る文字メッセージであると判定されてステップST5に進み、分析部16による分析対象が、当該文字メッセージの件名情報および本文情報当該文字メッセージから当該件名情報を除外した範囲であると設定される。この場合、当該件名情報の「RE:うれしい」が当該分析対象から除外され、本文情報に含まれる「私は悲しいです。」が分析部16により分析される対象となる。
このようにステップST5にて分析対象が設定されると、次にステップST9に進み、分析部16が当該分析対象に基づき当該文字メッセージの分析を行う。この場合、本文情報に含まれる「私は悲しいです。」から「私」、「は」、「悲しい」、「です」、「。」が文字列として分解されることとなる。
そして次にステップST10に進み、判定部17が、ステップST9での分析結果に基づいて当該文字メッセージに対する感情度合いを判定する。この場合、「悲しい」という文字列は、キーワードテーブルBにリストされるキーワードであり、「私」、「は」、「です」「。」というはキーワードテーブルBにリストされるキーワードではない。従って、キーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードは「悲しい」という結果になる。そして「悲しい」というキーワードは、対応テーブルEを参照すると、「悲しい」という感情が通し番号同士(ここでは「No.3」)で関連づけられているため、判定部17は、当該文字メッセージに対する感情度合いを「悲しい」であると判定する。
次にステップST11に進み、制御部15は、ステップST10にてキーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードであると判定された「悲しい」と関連づけられたアイコンを対応テーブルEから検索し、検索されたアイコンを当該文字メッセージに対するアイコンとして設定する。この場合、「悲しい」と通し番号同士(ここでは「No.3」)で関連付けられている「悲しい顔アイコン」が当該アイコンとして設定される。
そしてその後、ステップST12へ進み、ユーザに当該文字メッセージが受信された旨を報知するために、制御部15の制御の下、記憶部10に記憶された着信音に係る音声情報を報知スピーカ9により報知させると共に、表示装置5およびサブ表示装置(図示せず)に、当該文字メッセージの受信情報(文字メッセージの送信者情報、件名情報など)およびステップST11で設定されたアイコン(この場合「悲しい顔アイコン」)を表示する。
これにより、携帯電話機1のユーザは、受信した文字メッセージの全文や詳細を見ずとも、当該文字メッセージの受信情報およびアイコンを確認することにより、文字メッセージが新たに受信された旨および当該文字メッセージの感情度合い(この場合「悲しい」という感情度合い)を知ることができる。このように、分析部16が、受信された文字メッセージの件名情報を分析対象から除外してその分析を行い、その分析の結果に基づいて当該文字メッセージの感情度合いを判定する構成としているため、返信に係る文字メッセージに対する感情メール処理の精度を向上することができる。また、当該文字メッセージの件名情報が分析対象が除外された分、感情メール処理の制御の効率化・高速化を図ることができる。図8は、このようにして当該文字メッセージの受信情報および当該アイコンが表示装置5に表示された様子を示す図である。
では、次に図5(c)の文字メッセージに対して、上述の感情メール処理を行った場合について説明する。図5(c)の文字メッセージの受信が発生すると、通信部12により図5(c)の文字メッセージの受信処理が行われる(ST1)。次に、文字メッセージに対する感情メール処理設定がされているか否かが制御部15により判断される(ST2)。ここでは、感情メール処理設定はされているものとする。
次にステップST3に進み、種別判定部18により文字メッセージの種別判定が行われる(ST3)。図5(c)に示す文字メッセージには、「FW:」の文字列が当該文字メッセージの件名情報の文頭に含まれているため、当該文字メッセージは転送に係る文字メッセージであると判定されてステップST6に進む。そしてステップST6では、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれているかいないかが判定される。
この場合、図5(c)に示す文字メッセージの場合、「FW:」の後に「RE:」は含まれていないため、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージには、返信に係る文字メッセージが含まれていないと判定し、ステップST7へと進み、分析部16による分析対象から当該文字メッセージの件名情報に含まれる「FW:」が除外される設定が制御部15によりなされる。つまり、分析部16による分析対象は、当該文字メッセージの件名情報に含まれる「FW:うれしい」から「FW:」が除外された「うれしい」と、本文情報に含まれる「今日はうれしいです。」とになる。
そして次にステップST9に進み、ステップST7で設定された分析対象についての分析が分析部16により行われる。この場合、件名情報に含まれる「うれしい」、および本文情報に含まれる「今日はうれしいです。」から「今日」、「は」、「うれしい」、「です」、「。」が分析された結果文字列として分解されることとなる。
そして次にステップST10に進み、判定部17が、当該文字メッセージに対する感情度合いを判定する。この場合、「うれしい」という文字列は、キーワードテーブルBにリストされるキーワードであり、「今日」、「は」、「です」「。」というはキーワードテーブルBにリストされるキーワードではない。従って、キーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードは「うれしい」という結果になる。そして「うれしい」というキーワードは、対応テーブルEを参照すると、「笑い」という感情が通し番号同士(ここでは「No.1」)で関連づけられているため、判定部17は、当該文字メッセージに対する感情度合いを「笑い」であると判定する。
次にステップST11に進み、制御部15は、ステップST10にてキーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードであると判定された「笑い」と通し番号同士(ここでは「No.1」)で関連づけられたアイコンを対応テーブルEから検索し、検索されたアイコンを当該文字メッセージに対するアイコンとして設定する。この場合、「笑い」と関連付けられている「笑い顔アイコン」が当該アイコンとして設定される。
そしてその後、ステップST12に進み、ユーザに当該文字メッセージが受信された旨を報知するために、制御部15の制御の下、記憶部10に記憶された着信音に係る音声情報を報知スピーカ9から報知すると共に、表示装置5およびサブ表示装置(図示せず)に、当該文字メッセージの受信情報(文字メッセージの送信者情報、件名情報など)およびステップST11で設定されたアイコン(この場合「笑い顔アイコン」)を表示する。
これにより、携帯電話機1のユーザは、受信した文字メッセージの全文や詳細を見ずとも、当該文字メッセージの受信情報およびアイコンを確認することにより、当該文字メッセージが新たに受信された旨および当該文字メッセージの感情度合い(この場合「笑い」という感情度合い)を適正に知ることができる。
このように、分析部16が、転送に係る文字メッセージである旨を示す文字列「FW:」を、その分析対象から除外してその分析を行うため、転送に係る文字メッセージに対する感情メール処理の精度を向上することができると共に、当該文字メッセージの件名情報から「FW:」が分析対象から除外された分、感情メール処理の制御の効率化・高速化を図ることができる。
また、「FW:」の後に続く文字列を、その分析の対象とすることで、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに対する感情度合いを好適に判定することができ、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージを当該文字メッセージの受信者に伝えるという、転送に係る文字メッセージの主目的をより適切に達成することができる。図9は、このように当該文字メッセージの受信情報および当該アイコンが表示装置5に表示された様子を示す図である。
最後に、図5(d)の文字メッセージに対して、上述の感情メール処理を行った場合について説明する。図5(d)の文字メッセージの受信が発生すると、通信部12により図5(d)の文字メッセージの受信処理が行われる(ST1)。次に、文字メッセージに対する感情メール処理設定がされているか否かが制御部15により判断される(ST2)。ここでは、感情メール処理設定はされているものとする。
次にステップST3に進み、種別判定部18により文字メッセージの種別判定が行われる(ST3)。図5(d)に示す文字メッセージには、「FW:」の文字列が受信した文字メッセージの件名情報の文頭に含まれているため、当該文字メッセージは転送に係る文字メッセージであると判定してステップST6に進む。そしてステップST6では、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれているかいないかが判定される。
この場合、図5(d)に示す文字メッセージの場合、「FW:」の後に「RE:」が含まれているため、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージには、返信に係る文字メッセージが含まれていると判定され、次にステップST8へと進み、分析部16による分析対象が設定される。この場合、分析部16による分析対象から当該文字メッセージの件名情報が除外される設定が制御部15によりなされる。つまり、分析部16による分析対象は、本文情報に含まれる「今日はうれしいです。」となる。
このようにステップST8にて分析対象が設定されると、次にステップST9に進み、分析部16が当該分析対象に基づき当該文字メッセージの分析を行う。図5(d)の文字メッセージの場合、本文情報に含まれる「私は悲しいです。」から「私」、「は」、「悲しい」、「です」、「。」が文字列として分解されることとなる。
そして次にステップST10に進み、判定部17が、当該文字メッセージに対する感情度合いを判定する。この場合、「悲しい」という文字列は、キーワードテーブルBにリストされるキーワードであり、「私」、「は」、「です」「。」というはキーワードテーブルBにリストされるキーワードではない。従って、キーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードは「悲しい」という結果になる。そして「悲しい」というキーワードは、対応テーブルEを参照すると、「悲しい」という感情が通し番号同士(ここでは「No.3」)で関連づけられているため、判定部17は、当該文字メッセージに対する感情度合いを「悲しい」であると判定する。
次にステップST11に進み、制御部15は、ステップST10にてキーワードテーブルBの一覧のキーワードのうち、分析部16により分析された文字列と一致し、かつ、当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードであると判定された「悲しい」と通し番号同士(ここでは「No.3」)で関連づけられたアイコンを対応テーブルEから検索し、検索されたアイコンを当該文字メッセージに対するアイコンとして設定する。この場合、「悲しい」と関連付けられている「悲しい顔アイコン」が当該アイコンとして設定される。
そしてその後、ステップST12へ進み、ユーザに当該文字メッセージが受信された旨を報知するために、制御部15の制御の下、記憶部10に記憶された着信音に係る音声情報を報知スピーカ9から報知すると共に、表示装置5およびサブ表示装置(図示せず)に、当該文字メッセージの受信情報(文字メッセージの送信者情報、件名情報など)およびステップST11で設定されたアイコン(この場合「悲しい顔アイコン」)を表示する。
これにより、携帯電話機1のユーザは、受信した文字メッセージの全文や詳細を見ずとも、当該文字メッセージの受信情報およびアイコンを確認することにより、当該文字メッセージが新たに受信された旨および感情度合い(この場合「悲しい」という感情度合い)を適正に知ることができる。
このように、分析部16が、当該文字メッセージの件名情報を分析対象から除外してその分析を行うため、転送に係る文字メッセージに対する感情メール処理の精度を向上することができると共に、当該文字メッセージの件名情報を分析対象から除外して当該文字メッセージを分析するため、感情メール処理の制御の効率化・高速化を図ることができる。図10は、このように当該文字メッセージの受信情報および当該アイコンが表示装置5に表示された様子を示す図である。
本実施形態の応用例について図11を用いて説明する。本応用例は、携帯電話機1が受信した文字メッセージの本文情報に、返信又は転送の元となる文字メッセージに関する情報が含まれている場合に感情メール処理を実行した場合の取り扱いについて説明するものである。
図11は、通信部12により受信された文字メッセージの一例を示す図であり、図11(a)に示す文字メッセージEは、件名情報の文頭に「RE:」が付されていることからも分かるように返信に係る文字メッセージであり、図11(b)に示す文字メッセージFは、件名情報の文頭に「FW:」が付されていることからも分かるように、転送に係る文字メッセージである。
そして、両文字メッセージE,Fの本文情報後段に付された「−Original Message」という文字列および当該文字列以降の文字列若しくは文章は、当該文字メッセージの返信又は転送の元となる文字メッセージに関する情報である。すなわち、文字メッセージEにおける本文情報後段に付された「−Original Message」という文字列および当該文字列以降の文字列若しくは文章は、当該文字メッセージの返信元となる文字メッセージに関する情報を示しており、文字メッセージFにおける本文情報後段に付された「−Original Message」という文字列および当該文字列の文字列若しくは文章は、当該文字メッセージの転送元となる文字メッセージに関する情報を示している。
ここで、「−Original Message」という文字列は、受信された文字メッセージの本文情報に返信又は転送の元となる文字メッセージに関する情報が含まれている旨を示す文字列であり、「From」という文字列は、以降の文字列に元の送信者情報を含む旨を示す文字列であり、「Subject」という文字列は、以降の文字列に当該返信又は転送の元となる文字メッセージの件名情報を含む旨を示す文字列であり、「>」という文字列は、以降の文字列に当該文返信又は転送の元となる文字メッセージの本文情報(返信又は転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージ)を含む旨を示す文字列である。なお、これら文字列「−Original Message」、「From」、「Subject」、「>」は例示であり、それ以外の文字列であっても同様の意味内容を示す文字列であれば、その他の文字列であってもよい。
まずは、通信部12により受信された文字メッセージが、文字メッセージEのような返信に係る文字メッセージである場合における感情メール処理について説明する。この場合、分析部16は、当該返信に係る文字メッセージの元の文字メッセージに関する情報(そのうち特に、元の文字メッセージの本文情報)を分析対象から除外して当該文字メッセージの分析を行う。なぜなら、返信に係る文字メッセージの元の文字メッセージに関する情報は、当該文字メッセージの送信者の感情が反映されているものではなく、当該文字メッセージの返信元の送信者、つまり、当該文字メッセージの受信者自身の感情が反映されているものと解され、これを分析部16による分析の対象としてしまうと、当該文字メッセージ全体の正確な感情度合いを判定することができなくなってしまうからである。
具体的には、感情メール処理において、件名情報の文頭に「RE:」が含まれ、通信部12により受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージであると種別判定部18により判定されると、制御部15は、分析部16に対し、本文情報に「−Original Message」という文字列が含まれている場合には、「−Original Message」の文字列およびそれ以降の文字列若しくは文章を分析対象から除外して当該本文情報を分析するよう制御する。そしてその後、当該分析の結果に基づいて当該文字メッセージの感情度合いを判定する。
この感情度合いの判定およびその後の処理は、図6のステップST9〜ステップST12と同じであるため、説明は省略する。こうすることにより、当該返信に係る文字メッセージの元の文字メッセージに関する情報は分析部16による分析の対象から除外されることとなり、返信に係る文字メッセージに対する感情度合いをより適正に判定することができる。また、分析部16による分析対象から「−Original Message」の文字列およびそれ以降の文字列若しくは文章を分析対象から除外するため、制御の効率化・高速化を図ることができる。
なお、ここでは、種別判定部18は、件名情報の文頭に「RE:」が含まれていたことを根拠に、通信部12により受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージであると判定したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、元の送信者情報を示す文字列である「From」以降の文字列に、当該文字メッセージの受信者自身の情報が含まれていたら、当該文字メッセージを返信に係る文字メッセージであると判定するよう構成してもよい。なお、受信者自身の情報か否かの照合は、記憶部10に記憶された持ち主の個人情報と照合することにより可能である。
また、ここでは、制御部15は、分析部16に対し、本文情報に「−Original Message」という文字列が含まれている場合には、「−Original Message」の文字列およびそれ以降の文字列若しくは文章を分析対象から除外して当該本文情報を分析するようしていたが、本発明の制御部15はこれに限定されず、少なくとも当該返信に係る文字メッセージの元の文字メッセージに関する情報の一部(そのうち特に、元の文字メッセージの本文情報(「>」という文字列以降の文字列又は文章が好ましい)を分析対象から除外して当該文字メッセージの分析を行うよう制御すればよい。
なおこの場合、図5(b)に対する感情メール処理において説明した実施形態同様、件名情報も併せてその分析対象から除外して当該文字メッセージを分析してもよい。こうすることにより、返信に係る文字メッセージに対する感情度合いをより一層適正に判定することができる上、分析対象から当該件名情報が除外される分、制御の効率化・高速化を図ることができる。
次に、通信部12により受信された文字メッセージが、図11(b)に示す文字メッセージFのような転送に係る文字メッセージである場合における感情メール処理について説明する。この場合、分析部16は、当該転送に係る文字メッセージの元の文字メッセージに関する情報(そのうち特に、元の文字メッセージの本文情報)を分析対象に含めて当該文字メッセージの分析を行う。なぜなら、前述したとおり、転送に係る文字メッセージというのは、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージを当該文字メッセージの受信者に伝えるのが主目的であるため、かかる転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに関する情報をその分析対象に含めることは、当該転送に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定する上で好ましいからである。
具体的には、感情メール処理において、通信部12により受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであると種別判定部18により判定されると、制御部15は、分析部16に対し、本文情報に「−Original Message」という文字列が含まれている場合には、「−Original Message」の文字列およびそれ以降の文字列若しくは文章を分析対象に含めて当該本文情報を分析するよう制御する。そしてその後、当該分析の結果に基づいて当該文字メッセージの感情度合いを判定する。この感情度合いの判定およびその後の処理は、図6におけるステップST9〜ステップST12と同じであるため、説明は省略する。こうすることにより、当該転送に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる。
なおこの場合、「−Original Message」およびそれ以降の文字列のうち、「−Original Message」の文字列自体、元の送信者情報(「From」が掲げられた列上にある文字列)、元の件名情報(Subject:が掲げられた列上にある文字列)および「>」という文字列については、その分析対象から除外してもよい。これら文字列は、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに対する感情を直接表現する文字列ではないと解されるからである。つまり、最も好ましくは、「−Original Message」およびそれ以降の文字列のうち「>」以降の文字列のみをその分析の対象に含めるようにすればよい。「>」以降の文字列は、当該転送に係る文字メッセージの元の文字メッセージの本文情報に他ならず、最もその感情を表現していると解され、分析対象として最も好ましいからである。
また、ここでは、種別判定部18は、件名情報の文頭に「FW:」が含まれていたことを根拠に、通信部12により受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであると判定したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、元の送信者情報を示す文字列である「From」以下に、当該文字メッセージの受信者自身以外の情報が含まれていたら、当該文字メッセージを転送に係る文字メッセージであると判定するよう構成してもよい。元の送信者情報を示す文字列である「From」以下に、当該文字メッセージの受信者自身以外の情報が含まれているということは、元となる文字メッセージが返信に係る文字メッセージとなることはなく、転送に係る文字メッセージとしかなりえないからである。なお、受信者自身の情報か否かの照合は、記憶部10に記憶された持ち主の個人情報と照合することにより可能である。
このように本実施形態における携帯電話機1は、種別判定部18によって判定される通信部12により受信された文字メッセージの種別に応じて、例えば、当該文字メッセージが、当該文字メッセージの送信者が直接送信した通常の文字メッセージか、当該文字メッセージの受信者が以前に当該文字メッセージの送信者に対して送信した文字メッセージに対する返信に係る文字メッセージか、又は第三者が当該文字メッセージの送信者に対して以前に送信した文字メッセージの転送に係る文字メッセージか、に応じて、分析部16による文字メッセージにおける分析対象をそれぞれ変更することができるため、これら種別に応じて適正な文字メッセージに対する感情度合いを判定することができる。
また、本実施携帯における携帯電話機1は、通信部12により受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージである場合には、当該返信に係る文字メッセージの件名情報を分析部16による分析対象から除外するため、返信に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる。
さらに、本実施携帯における携帯電話機1は、通信部12により受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージである場合には、当該転送に係る文字メッセージの件名情報から当該転送に係る文字メッセージである旨を示す文字列を分析部16による分析の対象から除外するため、転送に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる上、分析対象が除外されて減る分、制御の効率化・高速化を図ることができる。
また、本実施形態における携帯電話機1は、通信部12により受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであり、かつ、当該転送に係る文字メッセージの元となる文字メッセージに返信に係る文字メッセージが含まれている場合には、当該転送に係る文字メッセージの件名情報を分析部16による分析の対象から除外するため、転送に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる。
また、本実施形態における携帯電話機1は、通信部12により受信された文字メッセージが返信に係る文字メッセージであると共に、当該文字メッセージの本文情報に当該返信に係る文字メッセージの元になる文字メッセージに関する情報が含まれている場合には、当該返信に係る文字メッセージの元になる文字メッセージを分析対象から除外して当該文字メッセージを分析するよう構成されているため、返信に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる。
さらに、本実施形態における携帯電話機1は、通信部12により受信された文字メッセージが転送に係る文字メッセージであると共に、当該文字メッセージの本文情報に当該転送に係る文字メッセージの元になる文字メッセージに関する情報が含まれている場合には、当該転送に係る文字メッセージの元になる文字メッセージに関する情報を分析対象に含めて当該文字メッセージを分析するよう構成されているため、転送に係る文字メッセージに対する感情度合いを適正に判定することができる。
なお、本発明は本実施形態に限られない。例えば、本実施携帯においては、判定部18は、通信部12により受信された文字メッセージに対する感情度合いを判定する構成となっていたが、本発明はこれに限定されず、判定部18を、感情度合いの代わりに又は併せて重要度合いを判定する構成としてもよい。この場合、記憶部10に、感情テーブルC同様の、種々の重要性を一覧にした重要性テーブルを判定用データベースAに記憶させると共に、当該種々の重要性を、対応テーブルEにて、キーワードテーブルBにリストされたキーワードと関連づけておき、判定部18が、感情度合いを判定する場合と同じ方法により、通信部12により受信された文字メッセージの重要度合いを判定するように構成すればよい。
すなわち、判定部17は、判定用データベースAのキーワードテーブルBの一覧に、分析部16により分解された文字列と一致するキーワードがあるかどうかを検索し、その結果当該文字列と一致するキーワードがあった場合、そのうち当該文字メッセージの中に最も数多く含まれるキーワードを一つ抽出する。そして、抽出した当該キーワードに関連づけられた重要性を、対応テーブルEを参照して検索し、その結果検索された重要性を当該文字メッセージに対する重要度合いであると判定する。
また、本実施携帯においては、判定部17が判定した感情度合いや重要度合いを、アイコン表示にて表示装置5に表示する構成としていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、音楽等の音声報知により、当該感情度合いや重要度合いを報知する構成としてよい。この場合、記憶部10に、アイコンテーブルD同様の、種々の音楽を一覧にした音楽テーブルを判定用データベースAに記憶させると共に、当該種々の音楽を、対応テーブルEにて、キーワードテーブルBにリストされたキーワードと関連づけておき、判定部17が、通信部12により受信された文字メッセージに対する感情度合いや重要度合いを判定すると、当該判定された感情に対応するキーワードと対応テーブルEにて関連付けられた音楽を報知用スピーカ9から報知する構成とすればよい。
また、判定部17による感情度合いの設定方法も、本実施形態のような受信された文字メッセージ中に含まれる抽出頻度の高いキーワードに応じて感情を判定するのではなく、各キーワードにポイントを設けておき、当該ポイントに応じて感情度合いや重要度合いを設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、本発明の一例として携帯電話機1を示したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、文字メッセージの通信機能付きのPDAやノートパソコン、その他文字メッセージの受信用(送信機能なし)の携帯電話機やポケットベルや等、文字メッセージの通信を行うことができる機器にも適用可能である。
1…携帯電話機(通信機器)、2…第1筐体、3…第2筐体、4…ヒンジ部、5…表示装置、6…受話用スピーカ、7…操作部、8…送話用マイク、9…報知用スピーカ、10…記憶部、11…内蔵アンテナ、12…通信部、13…バッテリ、14…外部電源、15…制御部、16…分析部、17…判定部、18…種別判定部