JP4907099B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、一方、高精細な画像のために、現像性・転写性のよい球形化されたトナーが用いられることが多い。しかし、球形化されたトナーは、流動性は高いが転がりやすいために、特に高線速の画像形成装置におけるブレードクリーニング方式のクリーニングでは、ブレードの下をすり抜けて、クリーニング不良が発生するという不具合がある。
また、画像形成装置の小型化に対して、クリーニング装置では、ブラシクリーニング方式、ブレードクリーニング方式等があるが、構造の簡単さ、低コスト化からブレードクリーニング方式が最も有力な手段である。このために、小粒径か・球形化トナーにおいてもブレードクリーニング方式でのクリーニング性を確保することが望まれる。
トナー側からの対策として、特許文献1では、クリーニング手段としてゴムブレード部材を用い、クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段へ搬送する手段を有し、前記トナーは体積平均粒径dが4〜10μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2〜5の扁平トナーである画像形成装置が開示されている。また特許文献2では、トナーの粒子形状SF−1が140〜200であるトナーが開示されている。
また、プロセス側からは、特許文献3では、有機感光体とクリーニングブレード間に発生する動トルク値の平均値をY0、100%黒化率で有機感光体上にトナー像を形成した場合の動トルク値の平均値をY100としたとき、0.2≧Y100−Y0≧0.01、2.95≧Y100/Y0≧1.15(Y100、Y0の単位:N・m)を満足する画像形成方法が開示されている。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小粒径トナーを使用しても良好なブレードクリーニングが可能な画像形成方法を提供することである。
トナーの質量平均粒径をDm(μm)及び像担持体の周速をV(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足する条件で画像形成を行う画像形成方法において、
0.10≦Dm3/V≦3.41・・・・・(1)
前記像担持体は、導電性支持体上に感光層を形成してなり、前記感光層の最表面層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂を少なくとも含有し、
前記感光層の最表面層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂を少なくとも含有し、且つ、固体潤滑剤のフッ素樹脂微粒子を体積分率で20〜60%含有する保護層であり、
前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、および離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られ、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあり、外観形状がほぼ球形状であって、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲であり、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であり、かつ長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足しており、100〜180の範囲の形状係数SF−1を有し、かつ100〜180の範囲の形状係数SF−2を有していることを特徴とする画像形成方法である。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置100に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置100は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成する画像形成装置(以下、「タンデム型」と記す。)100である。この画像形成装置100は、潜像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを並列して備えている。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト6aに接触しながら、図中矢印の方向に回転駆動する。
このようにして帯電した感光体1の表面には、露光装置4によって露光されて各色に対応した静電潜像が形成される。この露光装置4は、各色に対応した画像情報に基づき、感光体1に対して各色に対応した静電潜像を書き込む。なお、本実施形態の露光装置4は、レーザ方式の露光装置であるが、LEDアレイと結像手段からなる露光装置などの他の方式の露光装置を採用することもできる。
現像装置5は、そのケーシングの開口から現像剤担持体としての現像ローラ5aが部分的に露出している。また、ここでは、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いているが、キャリアを含まない一成分現像剤を使用してもよい。現像装置5は、トナーボトルから、対応する色のトナーの補給を受けてこれを内部に収容している。この現像ローラ5aは、磁界発生手段としてのマグネットローラと、その周りを同軸回転する現像スリーブとから構成されている。現像剤中のキャリアは、マグネットローラが発生させる磁力により現像ローラ5a上に穂立ちした状態となって感光体1と対向する現像領域に搬送される。ここで、現像ローラ5aは、感光体1と対向する領域(以下、「現像領域」と記す。)において感光体1の表面よりも速い線速で同方向に表面移動する。そして、現像ローラ5a上に穂立ちしたキャリアは、感光体1の表面を摺擦しながら、キャリア表面に付着したトナーを感光体1の表面に供給し、現像する。このとき、現像ローラ5aには、図示しない電源から300V程度の現像バイアスが印加され、これにより現像領域には現像電界が形成される。なお、符号5bは攪拌搬送スクリュー、5cはドクターブレードである。
中間転写ベルト6aの周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置6fが設けられている。このベルトクリーニング装置6fは、中間転写ベルト6aの表面に付着した不要なトナーをファーブラシ及びクリーニングブレード6fで回収する構成となっている。なお、回収した不要トナーは、ベルトクリーニング装置6f内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送される。この転写ベルト6aは、体積抵抗率が109〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、単層の樹脂層または複数の樹脂層である。
また、図1の右方向には、記録紙上に二次転写する転写搬送装置9が配置されている。この転写装置9は、転写搬送ベルト9aと二次転写ローラ9bを備えている。中間転写体6aに重ね合わされたトナー画像は、ここで、給紙ユニット10から搬送される記録紙に転写される。したがって、本装置100では、トナーは2回転写され記録紙上に画像を形成する。この転写装置9の転写は、転写ローラ9bにトナーとは逆極性の電圧を印加することによって行われる。この中間転写ベルト6aと二次転写ローラ9bとの間には二次転写領域が形成され、この部分に、所定のタイミングで記録部材としての記録紙が送り込まれるようになっている。この記録紙は、露光装置4の図中下側にある給紙カセット10内に収容されており、ピックアップローラ、レジストローラ対11等によって、二次転写領域まで搬送される。そして、中間転写ベルト6a上に重ね合わされたトナー像は、二次転写領域において、転写搬送ベルト9a上の記録紙上に一括して転写される。この二次転写時には、二次転写ローラ9bに正極性のバイアスが印加され、これにより形成される転写電界によって中間転写ベルト6a上のトナー像が記録紙上に転写される。なお、中間転写ベルトを用いずに、記録紙と感光体とを接触させ表面移動させて画像を形成させてもよい。
クリーニングブレード7aは、摩擦係数の低い弾性体として、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等のうちウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマーを挙げることができる。クリーニングブレード7aとしては、熱硬化性のウレタン樹脂が好ましく、特に、ウレタンエラストマーが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。エラストマーには、ゴムも含まれる。クリーニングブレード7aは、硬度(JIS―A)が、65〜85度の範囲が好ましい。また、クリーニングブレード7aは、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。さらに、その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
粉砕法の一例としては、まず、樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機微粒子を外添して、混合しトナーとする。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子を用いてもよい。このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。特に、シリカ、酸化チタンに上記の表面処理を施して得られる疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることが好ましい。この微粒子の一次粒子径は、8〜300nmであることが好ましく、特に8〜50nmの外添剤と80〜300nmの外添剤を混合して用いることが好ましい。この微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.1〜2.0質量%であることが好ましい。これらの微粒子を含有させる方法としては、通常、微粒子とトナー母体粒子をミキサーに入れ、攪拌する。また、別の方法として、水系及び/又はアルコール系の溶媒中でトナーに外添処理することができる。水系溶媒中に分散させたトナーに、外添剤を投入し、トナー表面に付着させる。また、この外添剤が疎水化処理されている場合は、少量のアルコールなどを併用して界面張力を下げて濡れやすくしてから分散させても良い。その後、加熱して溶媒を除去して固定して、脱離を防止することができる。これによって、外添剤をトナー表面上に均一に分散させることができる。また、水系溶媒中にトナー、添加剤を分散させたときに、界面活性剤添加することにより、トナー表面に更に均一に添加剤が分散させることが出来る。さらに、外添剤もしくはトナーと逆極性の界面活性剤を使用することが好ましい。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・(4)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(5)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π)・・・(5)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
本発明で用いるトナーはSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるのがよい。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、真球のトナーはクリーニングブレード7aと感光体1との間隙に入り込みやすいため、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方が好ましいが、大きくなりすぎると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
該トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中にそれぞれを溶解又は分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
本発明で用いるトナーはバインダー樹脂として、重合体である変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダー樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の質量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
また、ここで用いる着色剤、荷電制御剤、離型剤は、公知の材料を適宜選択して使用する。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100質量部に対し、通常0〜300質量部、好ましくは0〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、質量平均粒径Dmが20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
感光体1と、感光体1に接触する部材であるクリーニングブレード7a、現像ローラ5aと、感光体1を回転駆動させる駆動軸に装着したトルクセンサ201と、感光体1を回転駆動させるモータ202と、トルクセンサ201により測定される回転トルクを記録するレコーダ203と、このモータを駆動する電源204と、これらを制御する制御装置205とから構成されている。この他に、帯電ローラ3a、転写ローラ6e等の感光体1に接触する部材を設けておいても良い。
本発明の画像形成装置100では、トナーの質量平均粒径をDm(μm)及び像担持体の周速をV(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足するものであって、
0.10≦Dm3/V≦3.41・・・・・(1)
像担持体にクリーニングブレードを当接し像担持体を回転させながら現像バイアス300(V)でトナー現像するとき、像担持体の回転トルクが、下記式(2)及び(3)を満足することが必要である。
TDmin(10)≧TBave・・・・・(2)
0.35≧TDmax(10)−TDmin(10)≧0・・・・・(3)
ただし、TBaveは、トナーがクリーニングブレードに入力する直前の1秒間のトルク値の平均値、TDmax(10)は、トナーが入力している間のトルク値の最大値から10番目に大きいトルク値、TDmin(10)は、トナーが入力している間のトルク値の最小値から10番目に小さいトルク値をそれぞれ表す。
ここで、前記式(2)の関係が満たされない場合は、クリーニングブレードがトナーを十分にせき止めることができず、トナーがすり抜ける状態となる。
さらに前記式(3)において、TDmax(10)−TDmin(10)が0.35を超えるとクリーニングブレードにトナーが入力した後、一端はトナーをせき止めるが、安定せず、徐々にすり抜けてしまうことになる。0未満であるとトナーがわずかにすり抜けることによりクリーニングブレードがスティックスリップしていない状態になると考えられる。
また、固体潤滑剤を感光体表面に塗布することで調整しても良い。固体潤滑剤としては、例えばオレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類などが挙げられる。
保護層115には、電荷輸送物質や、酸化防止剤等を添加することもできる。
また、前記のように保護層115に電荷輸送物質を含有させてもよい。電荷輸送物質のうち、低分子電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド等の電子受容性物質が挙げられる。正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、チオフェン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。これによって、保護層中にフッ素樹脂微粒子を含有させたことによる感光体感度の低下を防止することができる。電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂に対して、20〜300質量%の範囲にする。20質量%未満では、感度が低下し、300質量%を越えると塗膜の機械的強度が低下する。
電荷発生層113は、電荷発生物質を主成分とする層であり、代表的なものとしては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、これらの電荷発生物質をポリカーボネート等のバインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の溶媒を用いて分散し、分散液を塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート等により行う。電荷発生層113の膜厚は、通常は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層114は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、トルエン、ジクロルエタン適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。保護層115を設けた場合、電荷輸送物質と共に電荷輸送層114に使用されるバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂などが挙げられる。電荷輸送層114の厚さは、5〜30μmの範囲で所望の感光体特性に応じて適宜選択すればよい。
<感光体の製造>
(感光体製造例1)
本発明の画像形成装置について用いる感光体1を以下の方法により得た。
(1)導電性支持体の作製は、アルミニウム合金をDC鋳造し、アルミニウム合金製円柱体(ビレット)を作製し、作製したビレットを、熱間押出加工によって断面を円筒管に加工した。その後、作製した円筒管を、長さ340mmに切断し、切削加工に供する粗素管を作製した。このようにして作製した粗素管を旋盤に取り付け、表面の切削加工を行い、外径30mm、表面粗さRzが1.2μmの電子写真感光体用の導電性支持体を作製した。
(2)次に、導電性支持体の表面を界面活性剤を含ませた水をそそぎながら回転するブラシで洗浄し、更に純水ですすぎ洗浄を行った。導電性支持体表面に酸化チタン90質量部、アルキッド樹脂15質量部、メラミン樹脂10質量部、メチルエチルケトン150質量部の組成からなる樹脂塗料を浸漬法で塗布し、次いで130℃で20分間加熱し、熱硬化させて、導電性支持体表面に厚さ3.5μmの下引き層を形成した。
(3)ポリビニルブチラール樹脂(商品名XYHL、UCC社製)4質量部をシクロヘキサノン150質量部に溶解し、下記構造(A)のビスアゾ顔料に10質量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210質量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5質量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
感光体製造例1における(4)のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をビスフェノールC型ポリアリレート樹脂に変更する以外は同様の方法により(感光体2)を得た。
感光体製造例1における(4)のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂に変更する以外は同様の方法により(感光体3)を得た。
感光体製造例1における(4)のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂に変更する以外は同様の方法により(感光体4)を得た。
感光体製造例1において(5)の工程以降を以下の(5)’以降の工程に変更する以外は同様の方法により(感光体5)を得た。(5)’テトラヒドロフラン60質量部、シクロヘキサノン20質量部の混合溶媒に、パーフルオロアルコキシ樹脂微粒子(PFA:商品名MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)18質量部、分散助剤(商品名モディパーF210、日本油脂社製)2質量部を混合し、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)で、100MPa圧力下で、1時間循環して、PFA分散液を得た。また、テトラヒドロフラン420質量部とシクロヘキサン120質量部の混合溶媒に、ビスフェノールA型ポリアリレート樹脂16質量部を溶解した樹脂液を作成し、これに前記PFA分散液55質量部をくわえた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した。こうして得られた保護層形成用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cmのエア圧でスプレー塗工を行い、3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成した。(6)’以上のようにして作製した電子写真感光体に、ポリカーボネート樹脂製フランジを圧入し、嵌合した。このとき、フランジの嵌合部には接着剤(ボンドアロンアルファ;東亜合成社製)を数滴付け、嵌合した。
感光体製造例5において(5)’の工程のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂に変更する以外は同様の方法により(感光体6)を得た。
感光体製造例1において(4)の工程のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をフェノキシ樹脂(商品名PKHH、ユニオン・カーバイド社製)に変更する以外は同様の方法により(比較感光体1)を得た。
感光体製造例1において(4)の工程のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をノルボルネン樹脂(商品名アートンF、JSR社製)に変更する以外は同様の方法により(比較感光体2)を得た
感光体製造例5において(5)’の工程のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をフェノキシ樹脂(商品名PKHH、ユニオン・カーバイド社製)に変更する以外は同様の方法により(比較感光体3)を得た。
感光体製造例5において(5)’の工程のビスフェノールA型ポリアリレート樹脂をノルボルネン樹脂(商品名アートンF、JSR社製)に変更する以外は同様の方法により(比較感光体4)を得た。
(トナー製造例1)
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(商品名エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物561部、テレフタル酸218部、アジピン酸48部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
(プレポリマーの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、質量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
(ケチミンの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
(油相の作成)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]628部、カルナウバWAX110部、CCA (サリチル酸金属錯体:商品名E−84、オリヱント化学工業社製)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器にカーボンブラック(商品名リーガル400R、キャボット社製)250部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
(油相混合液の作成)
[顔料・WAX分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]6.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000rpmで1分間混合し[油相混合液1]を得た。
(乳化→脱溶剤)
水990部、[微粒子分散液1]72部、[微粒子分散液2]8部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(商品名エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)40部、酢酸エチル90部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で3000rpmで1分間混合した後、容器に[油相混合液1]809部を加え、TKホモミキサーで、回転数13000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、質量平均粒径4.95μm、個数平均粒径4.45μm(マルチサイザーIIで測定)であった。
(洗浄→乾燥)
[乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1)濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を3回行い[濾過ケーキ1]を得た。
(2)[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、得たトナー100部に疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合し、 [トナー1]を得た。
上述の実施例で製造した感光体に、当接角75゜、当接圧0.26N/cmにてウレタンゴム製のクリーニングブレードを当接させた状態で以下の動作を連続的に行い、この動作中回転トルクの変動を記録する。
(1)現像装置を駆動させながら79.5rpmで15秒間駆動させる。
(2)現像バイアス300Vを印加させてトナーを4秒間現像させる。
(3)現像バイアスの印加を停止し、8秒間駆動させる。
このとき、トナーがクリーニングブレードに入力する(2)の直前の1秒間のトルク値の平均値をTBave、トナーが入力している(2)の間のトルク値の最大値から10番目に大きいトルク値をTDmax(10)、トナーが入力している(2)の間のトルク値の最小値から10番目に小さいトルク値をTDmin(10)とする。
このときの、TBave、TDmax(10)、TDmin(10)、TDmax(10)−TDmin(10)をそれぞれ表1に示す。
二成分系現像剤に用いられるキャリアとしては、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用い、トナーとしては、上記実施例記載の[トナー1]を用い、かつ、キャリア100質量部に対しトナー8質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
これを、感光体製造例1〜6および比較感光体製造例1〜4で製造した感光体(それぞれ実施例1〜6および比較例1〜4とする)を評価機に装着し、実機におけるクリーニング性評価をおこなった。評価は、感光体の周速245mm/secのカラープリンタ(Dm3/V=1.23)と感光体の周速500mm/secのモノクロプリンタ(Dm3/V=0.63)の2機種で行った。クリーニング性は、常温常湿環境下で、5万枚のプリントを行い画像上にクリーニング不良による地カブリの発生の有無によって判断した。結果を表1に示す。
111 導電性支持体
112 感光層
113 電荷発生層
114 電荷輸送層
115 保護層
2 プロセスカートリッジ
3 帯電装置
3a 帯電ローラ
3b クリーニングローラ
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
6 転写装置
6a 中間転写体
7 クリーニング装置
7a クリーニングブレード
7b 支持部材
7c 回収スクリュー
7d 加圧スプリング
9 転写搬送装置
9a 転写搬送ベルト
9b 二次転写ローラ
10 給紙ユニット
11 レジストローラ
100 画像形成装置
200 トルク値測定装置
201 トルクセンサ
202 駆動モータ
203 レコーダ
204 電源
205 制御装置
Claims (9)
- 少なくとも、静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング装置とを備える画像形成装置を用い、
トナーの質量平均粒径をDm(μm)及び像担持体の周速をV(mm/sec)としたとき、下記式(1)の関係を満足する条件で画像形成を行う画像形成方法において、
0.10≦Dm3/V≦3.41・・・・・(1)
前記像担持体は、導電性支持体上に感光層を形成してなり、
前記感光層の最表面層が、ポリカーボネート樹脂またはポリアリレート樹脂を少なくとも含有し、且つ、固体潤滑剤のフッ素樹脂微粒子を体積分率で20〜60%含有する保護層であり、
前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、および離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られ、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあり、外観形状がほぼ球形状であって、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲であり、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であり、かつ長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足しており、100〜180の範囲の形状係数SF−1を有し、かつ100〜180の範囲の形状係数SF−2を有していることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1に記載の画像形成方法において、前記像担持体は、導電性支持体上に感光層を形成してなり、前記感光層の最表面層が、以下に示す一般式(a)の構造を含むバインダー樹脂を少なくとも含有することを特徴とする画像形成方法。
(式中、Xは炭素原子又は単結合を示し、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、アリール基又はR5とR6が結合することにより形成されるアルキリデン基を示す。ただし、Xが単結合の場合はR5及びR6は存在しない。nは繰り返し単位数を表し、2以上の整数である) - 請求項1又は2に記載の画像形成方法において、前記像担持体は、導電性支持体上に感光層を形成してなり、前記感光層の最表面層が、以下に示す一般式(b)の構造を含むポリアリレート樹脂を少なくとも含有することを特徴とする画像形成方法。
(式中、Xは炭素原子又は単結合を示し、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、アリール基又はR5とR6が結合することにより形成されるアルキリデン基を示す。ただし、Xが単結合の場合はR5及びR6は存在しない。R7は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基及びアリール基を示す。nは繰り返し単位数を表し、2以上の整数である) - 請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法において、前記像担持体は、導電性支持体上に感光層を形成してなり、前記感光層の最表面層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法において、前記画像形成装置は、像担持体表面を摺擦する接触部材を備えていることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項5に記載の画像形成方法において、前記フッ素樹脂微粒子が接触部材により展延され、像担持体表面にフッ素樹脂微粒子の薄層を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法において、前記画像形成装置は、複数の像担持体を備えていることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法において、前記画像形成装置は、像担持体に形成されたトナー像を、像担持体と接触しつつ表面移動する記録部材上又は中間転写体を介して記録材上に転写させる転写装置を備えることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法において、前記画像形成装置は、像担持体と、クリーニング装置、帯電装置および現像装置から選択される1つ以上の装置とを備えるプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成方法。
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