JP4904560B2 - ロータリースターリングエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、振動損失の少ないロータリー式のスターリングエンジンに関する。
従来、振動損失低減を目的として、往復ピストン機構を回避したスターリングエンジンが考案されている。例えばパワーピストン部にロータリーエンジン機構を採用し、その外側にパワーローターの3倍速で回転するロータリーディスプレーサを配置したロータリースターリングエンジンが知られている。(特許文献1参照)
上記した従来のロータリースターリングエンジンは、パワーピストン部を構成するローターハウジングに吸入口および排出口を設け作動ガスの吸排気を行っていた。
特開平10−89148号 公報
以上に述べた従来のロータリースターリングエンジンでは、ロータリーディスプレーサの容積室で加熱された高圧作動ガスがローターハウジングの吸入口を通してローターを回転させているとき、ローターのアペックスシールが前記吸入口を通過する瞬間、前記高圧作動ガスが隣接するピストン室に漏れ、出力が低下するという問題があった。
また、ローターハウジングの排出口では、ローターのアペックスシールが前記排出口を通過する瞬間にも、作動ガスが隣接するピストン室から漏れ、出力が低下するという問題があった。
本発明は、回転のどの瞬間においても、作動ガスが隣接するピストン室へ漏れることをなくし、漏れによる出力低下を改善することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、パワーピストンとディスプレーサとからなるγ形スターリングエンジンにおいては、パワーピストンのピストン室への作動ガスの吸排気口を通常のロータリーエンジンのステーターに相当するロータリーハウジングに設けるのではなく、通常のロータリーエンジンのローターに相当するパワーピストンのピストン室側に設ける手段をとった。
これを実現するために、通常のロータリーエンジンのローターをパワーピストンとして加熱冷却器に固定するとともに、通常固定されているロータリーエンジンのステーターを固定せず、ロータリーハウジングとして偏芯回転できるようにした。
それにともない、エキセントリックシャフトの回転中心を通常のロータリーエンジンのステーター中心軸ではなく、固定されたローター、すなわちパワーピストンの中心軸に一致させ外部に回転動力として取り出す機構とした。
上記した機構にすることにより、本発明のパワーピストン部では、通常回転するローターがパワーピストンとして固定され、通常固定されているステーターが逆方向に偏芯回転するロータリーハウジングとなる。
さらに、通常のロータリーエンジンではローター回転速度の3倍で回転するエキセントリックシャフトはローター、すなわちパワーピストンを固定することにより、2倍速で回転することになる。
前述したように、パワーピストンは加熱冷却器に固定されているので、加熱冷却器に設けられた3個の円筒状容積室から個別に3本の連結パイプを通してパワーピストンのピストン室側の3面とを連結することができ、円筒状容積室の作動ガスの圧力をピストン室に伝達することが可能となる。
各円筒状容積室にはそれぞれロータリーディスプレーサが互いに120°の位相差でエキセントリックシャフトに固定されており、該エキセントリックシャフトと同期して回転できるようになっている。
上記した構造は、3組のγ形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
一方、膨張ピストンと圧縮ピストンとからなるα形スターリングエンジンにおいては、膨張ピストン室および圧縮ピストン室への作動ガスの吸排気口を通常のロータリーエンジンのローターに相当する膨張ピストンおよび圧縮ピストンのピストン室側に設ける手段をとった。これを実現する異なる2方式について以下説明する。
第1の方式は、膨張ピストンおよび圧縮ピストンを構成する2つの通常のロータリーエンジンの各ローターを回転しないように固定する。これらは、適当な間隔を隔てて互いに中心軸が一致するよう固定ピストンシャフトに連結され、固定膨張ピストンおよび固定圧縮ピストンとする。また、固定膨張ピストンおよび固定圧縮ピストンに対応する2つのステーターは固定せず、回転膨張ピストンハウジングおよび回転圧縮ピストンハウジングとして各独立に偏芯回転できるようにする。
このような構成にすることにより、上記の固定膨張ピストンと回転膨張ピストンハウジングで形成される3個の膨張ピストン室および固定圧縮ピストンと回転圧縮ピストンハウジングで形成される3個の圧縮ピストン室を、それぞれ対応する固定膨張ピストン側に設けられた吸排気口と固定圧縮ピストン側に設けられた吸排気口とを3個の再生器を介して連結パイプで連結、固定できるようになる。
固定膨張ピストン、固定圧縮ピストンおよび固定ピストンシャフトを貫通するエキセントリックシャフトは、固定膨張ピストンおよび固定圧縮ピストンの中心軸に回転軸を一致させ、120°の位相差で変化する3個の膨張ピストン室および3個の圧縮ピストン室の圧力変化を回転膨張ピストンハウジングおよび回転圧縮ピストンハウジングを介して受け、外部に回転動力として取り出す機構となっている。
上記の構造は、3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
第2の方式は、上記した第1の方式の回転部位と固定部位とを交替させた構造となっている。すなわち、通常のロータリーエンジンの各ローターに相当する膨張ピストンおよび圧縮ピストンは適当な間隔を隔てて互いに中心軸が一致するようピストンシャフトに連結、一体化され、回転膨張ピストンおよび回転圧縮ピストンとして、偏芯回転できるようにし、通常のロータリーエンジンのステーターに相当する膨張ピストンハウジングおよび圧縮ピストンハウジングは固定し、固定膨張ピストンハウジングおよび固定圧縮ピストンハウジングとする。
このような構成にすることにより、上記の回転膨張ピストンと固定膨張ピストンハウジングで形成される3個の膨張ピストン室および回転圧縮ピストンと固定圧縮ピストンハウジングで形成される3個の圧縮ピストン室を、それぞれ対応する回転膨張ピストン側に設けられた吸排気口と回転圧縮ピストン側に設けられた吸排気口とを3個の再生器を介して連結パイプで連結できるようになる。
一体化された回転膨張ピストン、回転圧縮ピストンおよび回転ピストンシャフトを貫通するエキセントリックシャフトは、固定膨張ピストンハウジングおよび固定圧縮ピストンハウジングの中心軸に回転軸を一致させ、120°の位相差で変化する3個の膨張ピストン室および3個圧縮ピストン室の圧力変化を回転膨張ピストンおよび回転圧縮ピストンを介して受け、外部に回転動力として取り出す機構となっている。
上記の構造は、第1の方式と同様に3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
上記した本発明による手段を採ることにより、ピストン室への作動ガスの吸排気口を、通常のロータリーエンジンのローター側に設けることが可能となり、従来のロータリースターリングエンジンで問題となっていた吸排気口での作動ガスの隣接ピストン室への漏れをなくすことができ、漏れによる出力低下を防止することが可能となった。さらに、ロータリーエンジンの3個のピストン室を有効に稼動させることができる構造であるので、小型で振動損失が少ないロータリースターリングエンジンが実現可能となった。
以下、パワーピストンとディスプレーサとからなるγ形スターリングエンジンへの本発明の適用について、その実施の形態を図1から図8を用いて説明する。
図1右は、本発明の実施例1を説明するロータリースターリングエンジンの正面断面図であり、同図左はパワーピストン部を軸左方向から見た側面断面図である。
図1において、10はパワーピストンであり通常のロータリーエンジンではローター50に相当する。11はロータリーハウジングであり通常のロータリーエンジンではステーター51に相当する。12A、12B、12Cはパワーピストン10とロータリーハウジング11に囲まれた3つのピストン室であり通常のロータリーエンジンでは燃焼室52に相当する。13はパワーピストンギア、14はハウジングギアでありそれぞれパワーピストン10およびロータリーハウジング11に固定され歯数比3:2で内接しながら噛み合っている。これらは、通常のロータリーエンジンのローター側ギアとステーター固定ギアに相当する。40はスターリングエンジン用エキセントリックシャフトであり、通常のロータリーエンジンのロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60に相当する。両者の形状は類似しているが、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60が小径のステーター固定ギアの中心を中心軸として回転するのに対し、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40は大径のパワーピストンギア13の中心を中心軸として回転する。なぜならば、通常のロータリーエンジンは当然ながらステーター51を固定させているため、ローター50がステーター固定ギアをガイドに偏芯しながら回転するのに対し、本発明のロータリースターリングエンジンではパワーピストン10を固定させているため、相対的にロータリーハウジング11がパワーピストンギア13をガイドに偏芯しながら逆回転するため、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40はパワーピストンギア13の中心を中心軸として2倍速で正回転する。
一方、静止状態にあるパワーピストン10は円筒状の加熱冷却器20に同芯状に固定され、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40が両者を貫通している。加熱冷却器20には3つの円筒状容積室21A、21B、21Cが同芯状に並んで作られており、各容積室21A、21B、21C内にはそれぞれ半円カバー状のロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cが120°の位相差で配置され、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40に固定されている。
各ピストン室12A、12B、12Cはそれぞれ個別に容積室21A、21B、21Cに連結パイプ30a、30b、30cで連結され、各容積室21A、21B、21Cに封止されている作動ガスの圧力を各ピストン室12A、12B、12Cに伝達するような構造となっている。
なお、図2は構造をわかり易くするため、分解斜視図とした。図2(1)はスターリングエンジン用エキセントリックシャフト40およびこれに固定されている半円カバー状のロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cを本体から取り出した図である。図2(2)は本発明のロータリースターリングエンジン本体であるが、パワーピストン部をわかり易くするためロータリーハウジング11の前面を分解して図示した。また、加熱冷却器20についても約1/4を取り除き内部をわかり易く図示した。
図3から図5で通常のロータリーエンジンの動きを参考にしながら本発明のロータリースターリングエンジンの基本動作を説明する。
図3から図5において、左側には通常のロータリーエンジンの動きを、中央部に本発明によるロータリースターリングエンジンのパワーピストン部の動きを、右側に加熱冷却器内のロータリーディスプレーサの動きを示した。
各回転体には矢印を付記し回転の状態を明示するとともに各図左上にそれらの角度を下方向を基準として時計回りを正方向として示した。ロータリーエンジンにおいてはローター50の回転角をθr、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角をθsとし、ロータリースターリングエンジンにおいてはロータリーハウジング11の回転角をθh、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角をθs、ロータリーディスプレーサA22Aの角度をθdとした。
説明の都合上、図3(1)の状態を動作初期状態とする。
図3(1)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=0°、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=0°で、燃焼室52の容積を最大とする。一方、ロータリースターリングエンジンではロータリーハウジング11の回転角θh=0°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=0°で、ピストン室A12Aの容積を最大とする。ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=90°に設定することにより、容積室A21A内の作動ガスは加熱冷却器20の加熱部23と冷却部24に対し同じ面積で接する。
なお、加熱部23の外部温度T1を冷却部24の外部温度T2より高く設定したとき、熱エネルギーはT1から加熱部23を通り作動ガスに伝達され冷却部24を経てT2に流れる。
次に、動作状態が図3(2)に移行した状態を説明する。
図3(2)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=15°回転したとき、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=45°となり、燃焼室52の容積はやや減少する。一方、ロータリースターリングエンジンではロータリーエンジンのローター50に相当するパワーピストン10を固定しているため、ロータリーハウジング11が逆回転し回転角θh=−15°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=30°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様にやや減少する。ロータリーディスプレーサA22Aはスターリングエンジン用エキセントリックシャフト40に固定しているため回転角θd=120°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱冷却器20の冷却部24にやや多く接するようになる。このため、容積室A21Aの作動ガスの温度がやや下がり、その結果作動ガス圧がやや低下し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積を少なくするような力を受けるので、ロータリーハウジング11は図3(3)の状態になろうとする。
図3(3)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=30°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=90°になる。燃焼室52の容積は更に減少する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−30°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=60°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、更に減少する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=150°となり、容積室A21A内の作動ガスは冷却部24に更に多く接するようになる。このため、容積室A21Aの作動ガスの温度は更に下がり、作動ガス圧が低下し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aは更にその容積を少なくするような力を受けるので、ロータリーハウジング11は図3(4)の状態になろうとする。
図3(4)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=45°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=135°になる。燃焼室52の容積は更に減少する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11が更に逆回転し回転角θh=−45°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=90°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、更に減少する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=180°となり、容積室A21A内の作動ガスは冷却部24にだけ接するようになる。このため、容積室A21Aの作動ガスの温度は更に下がり、作動ガス圧は低下し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aは更にその容積を少なくするような力を受けるので、ロータリーハウジング11は図4(5)の状態になろうとする。
図4(5)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=60°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=180°になる。燃焼室52の容積は更に減少する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−60°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=120°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、更に減少する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=210°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23に接し始めるが、冷却部24に多く接しているため、容積室A21Aの作動ガスの温度は更に下がり、作動ガス圧は低下し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積を少なくするような力を受け、ロータリーハウジング11は図4(6)の状態になろうとする。
図4(6)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=75°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=225°になる。燃焼室52の容積は更に減少する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−75°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=150°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、更に減少する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=240°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23への接面積を増加させるが、冷却部24に多く接しているため、容積室A21Aの作動ガスの温度は下がり、作動ガス圧は低下し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積を少なくするような力を受け、ロータリーハウジング11は図4(7)の状態になろうとする。
図4(7)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=90°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=270°になる。燃焼室52の容積は最小になる。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−90°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=180°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、最小になる。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=270°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23と冷却部24とに同じ面積で接するため、容積室A21Aの作動ガスの温度は低いまま変化せず、作動ガス圧も変化がなく、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aは力を受けない状態になる。しかし、慣性力により回転は継続されロータリーハウジング11は図4(8)の状態に移行する。
図4(8)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=105°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=315°になる。燃焼室52の容積は僅かに増加する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−105°、スターリングエンジン用エキセントリンクシャフト40の回転角θs=210°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、僅かに増加する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=300°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23への接面積を増加させるため、容積室A21Aの作動ガスの温度は上がり始める、作動ガス圧は上昇しはじめ、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積を増加させるような力を受け、ロータリーハウジング11は図5(9)の状態になろうとする。
図5(9)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=120°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=360°になる。燃焼室52の容積はさらに増加する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−120°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=240°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、さらに増加する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=330°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23への接面積を増加させるため、容積室A21Aの作動ガスの温度は上がり、作動ガス圧は上昇し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積をさらに増加させるような力を受け、ロータリーハウジング11は図5(10)の状態になろうとする。
図5(10)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=135°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=405°になる。燃焼室52の容積はさらに増加する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−135°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=270°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、さらに増加する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=360°となり、容積室A21A内の作動ガスは加熱部23にだけ接するようになり、容積室A21Aの作動ガスの温度は上がり続け、作動ガス圧は上昇し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積をさらに増加させるような力を受け、ロータリーハウジング11は図5(11)の状態になろうとする。
図5(11)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=150°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=450°になる。燃焼室52の容積はさらに増加する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−150°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=300°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、さらに増加する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=390°となり、容積室A21A内の作動ガスは冷却部24に僅かに接するようになるが、容積室A21Aの作動ガスの温度は上がり続け、作動ガス圧は上昇し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積をさらに増加させるような力を受け、ロータリーハウジング11は図5(12)の状態になろうとする。
図5(12)において、ロータリーエンジンではローター50の回転角θr=165°となり、ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト60の回転角θs=495°になる。燃焼室52の容積はさらに増加する。一方、ロータリースターリングエンジンでは、ロータリーハウジング11がさらに逆回転し回転角θh=−165°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=330°となり、ピストン室A12Aの容積はロータリーエンジンと同様、さらに増加する。このとき、ロータリーディスプレーサA22Aの回転角θd=420°となり、容積室A21A内の作動ガスは冷却部24への接面積を増加させるが加熱部23への接面積の方が大きいため、容積室A21Aの作動ガスの温度は上がり、作動ガス圧は上昇し、連結パイプA30aで接続されているピストン室A12Aはその容積を増加させるような力を受け、ロータリーハウジング11は図3(1)の初期状態になろうとし、慣性力も作用して回転は継続される。
次に図6から図8でロータリースターリングエンジンのパワーピストン10に接している3つのピストン室12A、12B、12Cと、これらに対応するロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cとの位相関係および動作状態を説明する。
図6(1)は動作初期状態であり、図3(1)に対応する。
図6(1)において、ピストン室A12Aは容積が最大であり、ピストン室B12Bおよびピストン室C12Cはともに最大容積の約1/4となっている。対応するディスプレーサ22A、22B、22Cの回転角をそれぞれθd=90°、210°、330°に設定する。このとき前述したように、容積室A21Aの作動ガスはロータリーディスプレーサA22Aにより加熱部23と冷却部24に同じ面積で接しているため圧力の変化はなく、ピストン室A12Aに接するロータリーハウジング11には回転力が働かない。
しかし、容積室B21Bの作動ガスはロータリーディスプレーサB22Bにより冷却部24に多く接しているため減圧方向に状態変化し、ピストン室B12Bの容積が減少する方向、すなわちロータリーハウジング11を反時計方向に回転させる力を発生する。
また、容積室C21Cの作動ガスはロータリーディスプレーサC22Cにより加熱部23に多く接しているため加圧方向に状態変化し、ピストン室C12Cの容積が増加する方向、すなわちロータリーハウジング11を反時計方向に回転させる力を発生する。結果として、ロータリースターリングエンジンは図6(2)の状態になろうとする。
図6(2)において、ロータリーハウジング11の回転角θh=−15°、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40の回転角θs=30°となり、ロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cはそれぞれ30°進角する。その結果、容積室A21Aの作動ガスはロータリーディスプレーサA22Aにより冷却部24に多く接することになり、減圧方向に変化するので、ピストン室A12Aは減圧し、これに接するロータリーハウジング11には反時計方向の回転力が発生する。一方、容積室B21Bの作動ガスはロータリーディスプレーサB22Bにより冷却部24に多く接しているため、減圧方向に状態変化し、ピストン室B12Bの容積が減少する方向、すなわちロータリーハウジング11を反時計方向に回転させる力を発生する。また、容積室C21Cの作動ガスはロータリーディスプレーサC22Cによりそのほとんどが加熱部23に接するため加圧方向に状態変化し、ピストン室C12Cの容積を増加する方向、すなわちロータリーハウジング11を反時計方向に回転させる力を発生する。結果として、ロータリースターリングエンジンは図6(3)の状態になろうとする。
以下、図6(3)(4)、図7(5)(6)(7)(8)、図8(9)(10)(11)(12)の各回転部位の動作状態は上記したと同様な回転、すなわちロータリーハウジング11は反時計方向に回転し、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40は時計方向にロータリーハウジング11の2倍の速度で回転する。
動作状態図8(12)の次のステップでは、ロータリースターリングエンジンは図6(1)の初期状態にもどり、回転運動は継続される。
なお、上記ではロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cを対応するピストン室12A,12B、12Cに対し90°位相の進んだ位置に固定されている状態で説明したが、固定位置は90°に限定されるものではなく任意の位置に固定してもよい。また、加熱冷却器20での熱の伝達遅れや連結パイプ30a、30b、30cの長さの差により作動ガス圧の伝達時間に差が発生するため、最適な動作タイミングに合わせるには、スターリングエンジン用エキセントリックシャフト40へのロータリーディスプレーサ22A、22B、22Cの固定位置を個別に調整できるようにするとよい。
以上、本発明のロータリースターリングエンジンについて機械的動作にかかわる各部の動きを説明したが、次に熱伝達部の構造上の工夫について図1および図2を用いて説明する。
加熱冷却器20は外部の温度を内部の作動ガスに効率よく伝達させるため、たとえばアルミニウム合金やステンレス材料などの高熱伝導材で加熱部23と冷却部24を構成する。一方、ロータリーディスプレーサの軸受部25は温度差の大きい加熱部23と冷却部24に挟まれる位置にあるため、たとえば低熱伝導材料であるエンジニアリングプラスチックで構成し、高温の加熱部23から低温の冷却部24への無駄な熱エネルギーの流れを阻止する材料構成とすれば、結果としてロータリースターリングエンジンのエネルギー変換効率を高めることができる。
以上、本発明のγ形スターリングエンジンへの適用について説明した。
以下、本発明の他の実施例として、膨張ピストンと圧縮ピストンとからなるα形スターリングエンジンについて、まず第1の方式の適用例を図9から図17を用いて説明する。
図9および図10でその構造および各部の基本的な動きを説明する。図9中央は本発明のα形スターリングエンジンの第1の方式を示す正面断面図であり、両側は軸方向左側から見た膨張ピストン部119および圧縮ピストン部219の側面断面図である。図10はその構造をわかり易くするための分解斜視図であり、ピストンハウジング部の側板を外し、本体(2)からエキセントリックシャフト(1)を取り出した図となっている。
膨張ピストン部119は、通常のロータリーエンジンのローターを固定膨張ピストン110として固定するとともに、ステーターは固定せず回転膨張ピストンハウジング111として偏芯回転できるようにした。一方、圧縮ピストン部219は、通常のロータリーエンジンのローターを固定圧縮ピストン210として固定するとともに、ステーターは固定せず回転圧縮ピストンハウジング211として偏芯回転できるようにした。固定膨張ピストン110および固定圧縮ピストン210は適当な間隔を隔てて互いに中心軸が一致するよう固定ピストンシャフト510に連結、固定し、一体化されている。膨張ピストン部119および圧縮ピストン部219を貫通するエキセントリックシャフト410は、固定膨張ピストン110および固定圧縮ピストン210の中心軸に回転軸を一致させ、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211を同期回転させると同時に、外部に回転動力として取り出す機構とした。
固定膨張ピストン110と回転膨張ピストンハウジング111で形成される3個の膨張ピストン室をそれぞれ102A、102B、102Cとする。一方、固定圧縮ピストン210と回転圧縮ピストンハウジング211で形成される3個の圧縮ピストン室をそれぞれ202A、202B、202Cとする。膨張ピストン室102A、102B、102Cと圧縮ピストン室202A、202B、202Cは、それぞれ対応する固定膨張ピストン110に設けられた吸排気口102a、102b、102cと固定圧縮ピストン210に設けられた吸排気口202a、202b、202cとを3個の再生器700A、700B、700Cを介して連結パイプで連結する。再生器700A、700B、700Cは固定ピストンシャフト510に固定されている。なお、図9では図が煩雑になるので、再生器B700B、再生器C700Cおよびそれらの連結パイプを図示しなかった。
次に図11から図13で膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合の動作原理を説明する。図11から図13において、左側には膨張ピストンの動きを、右側には圧縮ピストンの動きを示す。各回転体には矢印を付記し回転の状態を明示するとともに、図中左欄には初期状態を基準とし時計回りを正方向として、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211の回転角をθhおよびエキセントリックシャフト410の回転角θsを示した。
回転ピストンハウジングおよびエキセントリックシャフトの動きは実施例1の図3から図5で説明したと同様に、通常のロータリーエンジンのローターに相当する固定膨張ピストン110および固定圧縮ピストン210を固定したため、相対的に回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211が膨張ピストンギア103および圧縮ピストンギア203をガイドに独立に偏芯しながら逆回転するする。一方、両者を貫通するエキセントリックシャフト410は膨張ピストンギア103および圧縮ピストンギア203の中心を中心軸として2倍速で正回転する。
膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合、膨張ピストン部119に対し圧縮ピストン部219のエキセントリックシャフト410の偏芯角を−90°に設定する。このとき、回転膨張ピストンハウジング111に対し回転圧縮ピストンハウジング211は45°進んだ状態となる。
以下、図11(1)の状態を動作初期状態として各部の動きと膨張ピストン室A102Aおよび圧縮ピストン室A202Aの容積変化を説明する。なお、膨張ピストン部119は外部より加熱されており、圧縮ピストン部219は外部より冷却されているものとする。
図11(1)において、膨張ピストン室A102Aの容積は最大であり、圧縮ピストン室A202Aの容積はその約1/2となっている。圧縮ピストン室A202Aに入っている作動ガス量より膨張ピストン室A102Aに入っている作動ガス量の方が多いため作動ガス総量は膨張し、両ピストン室の容積和が大きくなる図11(2)に状態が変化する。すなわち、図11(2)は回転膨張ピストンハウジング111がθh=−15°偏芯回転し、やや膨張ピストン室A102Aの容積を減少させるが、回転圧縮ピストンハウジング211もθh=−15°偏芯回転し、圧縮ピストン室A202Aの容積は増加する。両ピストン室は膨張ピストン吸排気口a102aから再生器A700Aを通り圧縮ピストン吸排気口a202aに通じているため、両ピストン室の容積和は増加する。このとき、エキセントリックシャフト410はθs=30°回転する。図17(1)に膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移を示した。
図11(2)の状態においても、やや膨張ピストン室A102Aの容積Veの方が圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多いため、更に回転は進み図11(3)の状態に変化する。すなわち、図11(3)では、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211がθh=−30°に偏芯回転し、エキセントリックシャフト410はθs=60°回転する。膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移は図17(1)に示した。
次に、図11(3)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcがやや多くなり、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化する。すなわち、さらに回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211がθh=−45°に偏芯回転し、図11(4)の状態になる。このとき、エキセントリックシャフト410はθs=90°に回転する。
図11(3)から図12(8)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcが多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は反時計方向に偏芯回転し、図13(9)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−120°、エキセントリックシャフト410はθs=240°に回転する。
次に、図13(9)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcよりがやや多くなり、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化する。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はさらに反時計方向に偏芯回転し、図13(10)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−135°、エキセントリックシャフト410はθs=270°に回転する。
図13(9)から図13(12)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は反時計方向に偏芯回転し、図11(1)の状態にもどる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−180°、エキセントリックシャフト410はθs=360°に回転する。以降、同様な過程を繰り返し、回転は継続される。
以上、回転の動作原理を膨張ピストン室A102Aと圧縮ピストン室A202Aの各容積変化で説明したが、膨張ピストン室B102Bと圧縮ピストン室B202Bについても、また膨張ピストン室C102Cと圧縮ピストン室C202Cについても、120°および240°の位相差を持って同様な容積変化が起こり、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211を偏芯回転させることに寄与し、エキセントリックシャフト410に回転動力を生じる。すなわち、3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
以上、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合の動作原理について説明したが、膨張ピストン部119と圧縮ピストン部219との温度差が低い場合、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化の位相差を大きく調整することがある。次に、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化の位相差を120°に調整する場合の動作原理を以下図14から図16を用いて説明する。
まず、図14(1)に示すように、膨張ピストン部119に対し圧縮ピストン部219のエキセントリックシャフト410の偏芯角を−120°に設定する。その結果、回転膨張ピストンハウジング111に対し回転圧縮ピストンハウジング211は60°進んだ状態となる。これを動作初期状態とする。
図14(1)において、膨張ピストン室A102Aの容積は最大であり、圧縮ピストン室A202Aの容積はその1/3以下となっている。圧縮ピストン室A202Aに入っている作動ガス量より膨張ピストン室A102Aに入っている作動ガス量の方が多いため作動ガス総量は膨張し、両ピストン室の容積和が大きくなる図14(2)に状態が変化する。すなわち、図14(2)は回転膨張ピストンハウジング111がθh=−15°偏芯回転し、やや膨張ピストン室A102Aの容積を減少させるが、回転圧縮ピストンハウジング211もθh=−15°偏芯回転し、圧縮ピストン室A202Aの容積は増加する。両ピストン室は膨張ピストン吸排気口a102aから再生器A700Aを通り圧縮ピストン吸排気口a202aに通じているため、両ピストン室の容積和は増加する。このとき、エキセントリックシャフト410はθs=30°回転する。図17(2)に膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移を示した。
図14(2)の状態においても、やや膨張ピストン室A102Aの容積Veの方が圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多いため、更に回転は進み図14(3)の状態に変化する。すなわち、図14(3)では、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211がθh=−30°に偏芯回転し、エキセントリックシャフト410はθs=60°回転する。膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移は図17(2)に示した。
次に、図14(3)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veと圧縮ピストン室A202Aの容積Vcは等しく、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211には回転力は作用しない。しかし、慣性力の作用により回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は偏芯回転し図14(4)の状態、すなわちθh=−45°、エキセントリックシャフト410はθs=90°に回転する。
図14(4)から図15(8)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcが多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は反時計方向に偏芯回転し、図16(9)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−120°、エキセントリックシャフト410はθs=240°に回転する。
次に、図16(9)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veと圧縮ピストン室A202Aの容積Vcは等しく、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211には回転力は作用しない。しかし、慣性力の作用により回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は偏芯回転し、図16(10)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−135°、エキセントリックシャフト410はθs=270°に回転する。
図16(10)から図16(12)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211は反時計方向に偏芯回転し、図14(1)の状態にもどる。すなわち、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211はθh=−180°、エキセントリックシャフト410はθs=360°に回転する。以降、同様な過程を繰り返し、回転は継続される
以上、回転の動作原理を膨張ピストン室A102Aと圧縮ピストン室A202Aの各容積変化で説明したが、膨張ピストン室B102Bと圧縮ピストン室B202Bについても、また膨張ピストン室C102Cと圧縮ピストン室C202Cについても、120°および240°の位相差で同様な容積変化が起こり、回転膨張ピストンハウジング111および回転圧縮ピストンハウジング211を偏芯回転させることに寄与し、エキセントリックシャフト410に回転動力を生じる。すなわち、3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
以上、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合と120°の位相差を持つ場合との動作原理について説明したが、任意の位相差に調整することが可能である。
以上、本発明のα形スターリングエンジンについて、第1の方式の適用例を説明した。次に、第2の方式の適用例を図18から図26を用いて説明する。
第2の方式は前述した様に、上記した第1の方式の回転部位と固定部位とを交替させた構造となっている。以下、図18および図19でその構造および各部の基本的な動きを説明する。
図18中央は本発明のα形スターリングエンジンの第2の方式を示す正面断面図であり、両側は軸方向左側から見た膨張ピストン部129および圧縮ピストン部229の側面断面図である。図19はその構造をわかり易くするための分解斜視図であり、ピストンハウジング部の側板を外し、本体(2)からエキセントリックシャフト(1)を取り出した図となっている。
膨張ピストン部129は、通常のロータリーエンジンのローターと同様に回転膨張ピストン120として偏芯回転するとともに、ステーターは固定し固定膨張ピストンハウジング121として固定する。一方、圧縮ピストン部229は、通常のロータリーエンジンのローターと同様に回転圧縮ピストン220として偏芯回転するとともに、ステーターは固定し固定圧縮ピストンハウジング221として固定する。回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は適当な間隔を隔てて互いに中心軸が一致するよう回転ピストンシャフト520に連結し、一体化して偏芯回転できるようになっている。膨張ピストン部129および圧縮ピストン部229を貫通するエキセントリックシャフト420は、固定膨張ピストンハウジング121および固定圧縮ピストンハウジング221の中心軸に回転軸を一致させ、一体化された回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220を偏芯回転させると同時に、外部に回転動力として取り出す機構とした。
回転膨張ピストン120と固定膨張ピストンハウジング121で形成される3個の膨張ピストン室をそれぞれ102A、102B、102Cとする。一方、回転圧縮ピストン220と固定圧縮ピストンハウジング221で形成される3個の圧縮ピストン室をそれぞれ202A、202B、202Cとする。膨張ピストン室102A、102B、102Cと圧縮ピストン室202A、202B、202Cは、それぞれ対応する回転膨張ピストン120に設けられた吸排気口102a、102b、102cと回転圧縮ピストン220に設けられた吸排気口202a、202b、202cとを3個の再生器700A、700B、700Cを介して連結パイプで連結する。再生器700A、700B、700Cは回転ピストンシャフト520に固定、一体化され回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220とともに偏芯回転する。なお、図18および図19では図が煩雑になるので、再生器B700B、再生器C700Cおよびそれらの連結パイプを図示しなかった。
次に図20から図22で膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合の動作原理を説明する。図20から図22において、左側には膨張ピストンの動きを、右側には圧縮ピストンの動きを示す。各回転体には矢印を付記し回転の状態を明示するとともに、図中左欄には初期状態を基準とし時計回りを正方向として、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220の回転角をθpおよびエキセントリックシャフト420の回転角θsを示した。
回転膨張ピストン120、回転圧縮ピストン220およびエキセントリックシャフト420の動きは、通常のロータリーエンジンと同様、エキセントリックシャフト420は、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220の回転の3倍速で回転する。
膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合、膨張ピストン部129、圧縮ピストン部229およびエキセントリックシャフト420の初期状態を図20(1)に示すように設定する。すなわち、固定膨張ピストンハウジング121に対し固定圧縮ピストンハウジング221は45°傾斜した状態に固定し、回転膨張ピストン120に対し回転圧縮ピストン220は90°進んだ状態に連結させる。膨張ピストン部129および圧縮ピストン部229のエキセントリックシャフト420の偏芯方向は一致させる。
以下、図20(1)の状態を動作初期状態として各部の動きと膨張ピストン室A102Aおよび圧縮ピストン室A202Aの容積変化を説明する。なお、膨張ピストン部129は外部より加熱されており、圧縮ピストン部229は外部より冷却されているものとする。
図20(1)において、膨張ピストン室A102Aの容積は最大であり、圧縮ピストン室A202Aの容積はその約1/2となっている。圧縮ピストン室A202Aに入っている作動ガス量より膨張ピストン室A102Aに入っている作動ガス量の方が多いため作動ガス総量は膨張し、両ピストン室の容積和が大きくなる図20(2)に状態が変化する。すなわち、図20(2)は回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220がθp=15°偏芯回転し、やや膨張ピストン室A102Aの容積を減少させるが、圧縮ピストン室A202Aの容積は増加する。両ピストン室は膨張ピストン吸排気口a102aから再生器A700Aを通り圧縮ピストン吸排気口a202aに通じているため、両ピストン室の容積和は増加する。このとき、エキセントリックシャフト420はθs=45°回転する。図26(1)に膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移を示した。
図20(2)の状態においても、やや膨張ピストン室A102Aの容積Veの方が圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多いため、更に回転は進み図20(3)の状態に変化する。すなわち、図20(3)では、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220がθp=30°に偏芯回転し、エキセントリックシャフト420はθs=90°回転する。膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移は図26(1)に示した。
次に、図20(3)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcがやや多くなり、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化する。すなわち、さらに回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220がθp=45°に偏芯回転し、図20(4)の状態になる。このとき、エキセントリックシャフト420はθs=135°に回転する。
図20(3)から図21(8)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcが多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、図22(9)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220はθp=120°、エキセントリックシャフト420はθs=360°に回転する。
次に、図22(9)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcよりがやや多くなり、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化する。その結果、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、図22(10)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220はθp=135°、エキセントリックシャフト420はθs=405°に回転する。
図22(9)から図22(12)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、θp=180°、エキセントリックシャフト420はθs=540°に回転する。これは180°回転しているが図20(1)と同じ状態であり、以降も同様な過程を繰り返し回転は継続される。すなわち、図26(1)から分かるように、スターリングエンジンとしての1周期はピストン回転角θp=180°に相当する。また、スターリングエンジンとしての膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化位相差90°はピストン回転角θp=45°に相当する。
以上、回転の動作原理を膨張ピストン室A102Aと圧縮ピストン室A202Aの各容積変化で説明したが、膨張ピストン室B102Bと圧縮ピストン室B202Bについても、また膨張ピストン室C102Cと圧縮ピストン室C202Cについても、120°および240°の位相差を持って同様な容積変化が起こり、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220を偏芯回転させることに寄与し、エキセントリックシャフト420に回転動力を生じる。すなわち、3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
以上、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合の動作原理について説明したが、膨張ピストン部129と圧縮ピストン部229との温度差が低い場合、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化の位相差を大きく調整することがある。たとえば、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化の位相差を120°に調整する場合の動作原理を以下図23から図25を用いて説明する。
膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が120°の位相差を持つ場合、膨張ピストン部129、圧縮ピストン部229およびエキセントリックシャフト420の初期状態を図23(1)に示すように設定する。すなわち、固定膨張ピストンハウジング121と固定圧縮ピストンハウジング221の長径方向を一致させ固定する。回転膨張ピストン120に対し回転圧縮ピストン220は120°進んだ状態に連結させる。膨張ピストン部129および圧縮ピストン部229のエキセントリックシャフト420の偏芯方向は一致させる。
図23(1)の状態を動作初期状態とする。図23(1)において、膨張ピストン室A102Aの容積は最大であり、圧縮ピストン室A202Aの容積はその1/3以下となっている。圧縮ピストン室A202Aに入っている作動ガス量より膨張ピストン室A102Aに入っている作動ガス量の方が多いため作動ガス総量は膨張し、両ピストン室の容積和が大きくなる図23(2)に状態が変化する。すなわち、図23(2)では回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220がθp=15°偏芯回転し、やや膨張ピストン室A102Aの容積を減少させるが、圧縮ピストン室A202Aの容積は増加する。両ピストン室は膨張ピストン吸排気口a102aから再生器A700Aを通り圧縮ピストン吸排気口a202aに通じているため、両ピストン室の容積和は増加する。このとき、エキセントリックシャフト420はθs=45°回転する。図26(2)に膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移を示した。
図23(2)の状態においても、膨張ピストン室A102Aの容積Veの方が圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多いため、更に回転は進み図23(3)の状態に変化する。すなわち、図23(3)では、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220がθp=30°に偏芯回転し、エキセントリックシャフト420はθs=90°回転する。膨張ピストン室A102Aの容積Ve、圧縮ピストン室A202Aの容積Vcおよび両ピストン室の容積和Ve+Vcの推移は図26(2)に示した。
次に、図23(3)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veと圧縮ピストン室A202Aの容積Vcは等しく、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220には回転力は作用しない。しかし、慣性力の作用により回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し図23(4)の状態、すなわちθp=45°、エキセントリックシャフト420はθs=135°に回転する。
図23(4)から図24(8)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veより圧縮ピストン室A202Aの容積Vcが多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを減少させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、図25(9)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220はθp=120°、エキセントリックシャフト420はθs=360°に回転する。
次に、図25(9)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veと圧縮ピストン室A202Aの容積Vcは等しく、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220には回転力は作用しない。しかし、慣性力の作用により回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、図25(10)の状態になる。すなわち、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220はθp=135°、エキセントリックシャフト420はθs=405°に回転する。
図25(10)から図25(12)の状態では、膨張ピストン室A102Aの容積Veは圧縮ピストン室A202Aの容積Vcより多く、両ピストン室の容積和Ve+Vcを増加させる方向に状態が変化し続ける。その結果、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220は偏芯回転し、θp=180°、エキセントリックシャフト420はθs=540°に回転する。これは180°回転しているが図23(1)と同じ状態であり、以降も同様な過程を繰り返し回転は継続される。すなわち、図26(2)から分かるように、スターリングエンジンとしての1周期はピストン回転角θp=180°に相当する。また、スターリングエンジンとしての膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化位相差120°はピストン回転角θp=60°に相当する。
以上、回転の動作原理を膨張ピストン室A102Aと圧縮ピストン室A202Aの各容積変化で説明したが、膨張ピストン室B102Bと圧縮ピストン室B202Bについても、また膨張ピストン室C102Cと圧縮ピストン室C202Cについても、120°および240°の位相差を持って同様な容積変化が起こり、回転膨張ピストン120および回転圧縮ピストン220を偏芯回転させることに寄与し、エキセントリックシャフト420に回転動力を生じる。すなわち、3組のα形スターリングエンジンが120°の位相差で組合され統合された構成になっている。
以上、膨張ピストン室と圧縮ピストン室の容積変化が90°の位相差を持つ場合と120°の位相差を持つ場合と動作原理について説明したが、任意の位相差に調整することが可能である。
本発明は外燃機関としてよく知られているスターリングエンジンにかかわるものであり、温度差を動力に変換する熱機関であるが、逆に回転動力を入力し温度差を発生させるヒートポンプとしても利用可能である。
本発明の実施例1を説明するロータリースターリングエンジンの断面図 同分解斜視図 本発明の実施例1を説明するロータリースターリングエンジンの基本動作説明図 図3に続く基本動作説明図 図4に続く基本動作説明図 本発明の実施例1を説明するロータリースターリングエンジンの動作説明図 図6に続く動作説明図 図7に続く動作説明図 本発明の実施例2を説明するロータリースターリングエンジンの断面図 同分解斜視図 本発明の実施例2を説明するロータリースターリングエンジンの動作説明図 図11に続く動作説明図 図12に続く動作説明図 本発明の実施例2を説明するロータリースターリングエンジンの動作説明図 図14に続く動作説明図 図15に続く動作説明図 本発明の実施例2を説明するロータリースターリングエンジンのピストン容積推移図 本発明の実施例3を説明するロータリースターリングエンジンの断面図 同分解斜視図 本発明の実施例3を説明するロータリースターリングエンジンの動作説明図 図20に続く動作説明図 図21に続く動作説明図 本発明の実施例3を説明するロータリースターリングエンジンの動作説明図 図23に続く動作説明図 図24に続く動作説明図 本発明の実施例3を説明するロータリースターリングエンジンのピストン容積推移図
符号の説明
10 パワーピストン
11 ロータリーハウジング
12A ピストン室A
12B ピストン室B
12C ピストン室C
13 パワーピストンギア
14 ロータリーハウジングギア
20 加熱冷却器
21A 容積室A
21B 容積室B
21C 容積室C
22A ロータリーディスプレーサA
22B ロータリーディスプレーサB
22C ロータリーディスプレーサC
23 加熱部
24 冷却部
25 軸受部
30a 連結パイプA
30b 連結パイプB
30c 連結パイプC
40 スターリングエンジン用エキセントリックシャフト
50 ローター
51 ステーター
52 燃焼室
60 ロータリーエンジン用エキセントリックシャフト
119 膨張ピストン部
110 固定膨張ピストン
111 回転膨張ピストンハウジング
219 圧縮ピストン部
210 固定圧縮ピストン
211 回転圧縮ピストンハウジング
410 エキセントリックシャフト
510 固定ピストンシャフト
129 膨張ピストン部
120 回転膨張ピストン
121 固定膨張ピストンハウジング
229 圧縮ピストン部
220 回転圧縮ピストン
221 固定圧縮ピストンハウジング
420 エキセントリックシャフト
520 回転ピストンシャフト
102A 膨張ピストン室A
102B 膨張ピストン室B
102C 膨張ピストン室C
102a 膨張ピストン吸排気口a
102b 膨張ピストン吸排気口b
102c 膨張ピストン吸排気口c
103 膨張ピストンギア
104 膨張ハウジングギア
202A 圧縮ピストン室A
202B 圧縮ピストン室B
202C 圧縮ピストン室C
202a 圧縮ピストン吸排気口a
202b 圧縮ピストン吸排気口b
202c 圧縮ピストン吸排気口c
203 圧縮ピストンギア
204 圧縮ハウジングギア
700A 再生器A
700B 再生器B
700C 再生器C

Claims (3)

  1. ロータリーエンジンのローターをパワーピストンとして加熱冷却器に固定するとともに、該ロータリーエンジンのステーターを固定せずロータリーハウジングとして偏芯回転できるようにし、該ロータリーエンジンのエキセントリックシャフトの回転中心を該パワーピストンの中心軸に一致させ外部に回転動力として取り出す機構とし、該加熱冷却器に3個の円筒状容積室を設け、該各容積室と該パワーピストンのピストン室側の3面に設けられた吸排気口とを個別に連結パイプで連結し、該各円筒状容積室にはそれぞれロータリーディスプレーサを120°の位相差で配置して、該ロータリーディスプレーサを該エキセントリックシャフトと同期して回転できるようにしたことを特徴とするロータリースターリングエンジン。
  2. 膨張ピストン部は、ロータリーエンジンのローターを固定膨張ピストンとして固定するとともに、ステーターを固定せず回転膨張ピストンハウジングとして偏芯回転できるようにし、
    圧縮ピストン部は、ロータリーエンジンのローターを固定圧縮ピストンとして固定するとともに、ステーターを固定せず回転圧縮ピストンハウジングとして偏芯回転できるようにし、
    該固定膨張ピストンおよび該固定圧縮ピストンは適当な間隔を隔てて互いに中心軸が一致するよう固定ピストンシャフトに連結、固定し、
    膨張ピストン部および圧縮ピストン部を貫通するエキセントリックシャフトは、該固定膨張ピストンおよび該固定圧縮ピストンの中心軸に回転軸を一致させ、該回転膨張ピストンハウジングおよび回転圧縮ピストンハウジングを同期回転させると同時に、外部に回転動力として取り出す機構とし、
    該エキセントリックシャフトの回転に同期して体積が変化する該固定膨張ピストンと該回転膨張ピストンハウジングで形成される3個の膨張ピストン室および該固定圧縮ピストンと該回転圧縮ピストンハウジングで形成される3個の圧縮ピストン室は、それぞれ対応する該固定膨張ピストン側に設けられた吸排気口と該固定圧縮ピストン側に設けられた吸排気口とを3個の再生器を介して連結パイプで連結したことを特徴とするロータリースターリングエンジン。
  3. 膨張ピストン部は、ロータリーエンジンのローターを回転膨張ピストンとして偏芯回転できるようにするとともに、ステーターを固定膨張ピストンハウジングとして固定し、
    圧縮ピストン部は、ロータリーエンジンのローターを回転圧縮ピストンとして偏芯回転できるようにするとともに、ステーターを固定圧縮ピストンハウジングとして固定し、
    該固定膨張ピストンハウジングおよび該固定圧縮ピストンハウジングは適当な間隔を隔てて互いの中心が一致するように固定し、
    該回転膨張ピストンおよび該回転圧縮ピストンは互いの中心軸を一致させ、同期して偏芯回転できるように回転ピストンシャフトに連結、一体化し、
    膨張ピストン部および圧縮ピストン部を貫通するエキセントリックシャフトは、該固定膨張ピストンハウジングおよび該固定圧縮ピストンハウジングの中心軸に回転軸を一致させ、該回転ピストンシャフトを介して一体化された該回転膨張ピストンおよび該回転圧縮ピストンを偏芯回転させると同時に、外部に回転動力として取り出す機構とし、
    該エキセントリックシャフトに対し2/3倍の速度で変化する該回転膨張ピストンと該固定膨張ピストンハウジングで形成される3個の膨張ピストン室および該回転圧縮ピストンと該固定圧縮ピストンハウジングで形成される3個の圧縮ピストン室は、それぞれ対応する該回転膨張ピストン側に設けられた吸排気口と該回転圧縮ピストン側に設けられた吸排気口とを3個の再生器を介して連結パイプで連結したことを特徴とするロータリースターリングエンジン。
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