JP4903219B2 - バルク超音波により動作する共振器 - Google Patents

バルク超音波により動作する共振器 Download PDF

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Description

刊行物US 2004/0140689 A1からは、音響的なミラーを備えたBAW共振器が公知であり、縦波(longitudinal wave)および横波(transverssal wave)に対するこのBAW共振器の透過率はそれぞれ−15dBを下回る。BAWはバルク超音波(Bulk Acoustic Wave)を表す。
本発明の課題は、低挿入損失、急側縁勾配および広帯域幅を有する高周波フィルタに適しているBAW共振器を提供することである。
共振器領域および音響的なミラーを包含する、バルク超音波により動作する共振器が提供される。共振器領域内では共振器の共振周波数において垂直方向(=縦方向)に音響的な主モードが伝播する。さらに共振器領域内では垂直方向に、局所化すべき音響的な副モードがこの副モードの共振周波数において伝播する。ミラーは共振器領域内に主モードを閉じ込めるために設けられている第1の部分ミラーおよび第2の部分ミラーを包含し、第1の部分ミラーは共振器領域と第2の部分ミラーとの間に配置されている。第2の部分ミラーの上方には副モードのための共振空間が設けられており、この共振空間は第1の部分ミラーおよび共振器空間を包含する。この共振空間は共振器の共振周波数において副モードの局所化に適している。これによって副モードと関連するエネルギ損失を低減し、共振器の高いQを達成することができる。したがってその種の共振器に包含されているフィルタは比較的高い帯域幅を達成することができる。
共振器積層体の有利な構成を以下において説明する。
モードの分散とは以下説明するこのモードの共振周波数fと波数kの関係を表す。正常分散は単調に増加する曲線f(k)によって特徴付けられている。異常分散は単調に低下する曲線f(k)によって特徴付けられている。
共振器領域は主モードのための共振空間を形成する。共振領域は有利には第1の電極、第2の電極およびこれらの電極間に配置されている圧電層を包含する。
第2の部分ミラーの上方に配置されている共振空間内を伝播する、共振器領域において励起可能な副モードはこの副モードの3つの波腹が発生する絶縁された共振器空間において所定の共振周波数で生じる。絶縁された共振器領域とは、波の伝播方向において両側が空気と接している場合の音響的なミラーを有していない共振器領域と解される。
モードの波腹とはこのモードの変位の値が最大となる点と解される。モードの波節とはモードの変位の値が0となる点と解される。
1/4波とは、波腹とこの波腹に続く波節との間に延びる変位関数の領域を表す。したがって半波とは連続する2つの波腹間に延びる定在波の区間を表す。種々の材料からなる層積層体においては波腹と波節の間隔を層毎に異ならせることができる。この場合、半波は2つの異なる長さの相互に連続する1/4波からなり、また全波は4つの異なる長さの相互に連続する1/4波からなる。
副モードのために設けられている共振空間は有利には、第2の部分ミラーの上側の境界面、すなわち第1の部分ミラーと対向する境界面と、共振器領域の上側の境界面、すなわち第1の部分ミラーとは反対側の境界面との間に延在する。副モードのために設けられている共振空間は殊に以下において説明する第2の部分ミラーの構成によって、共振器領域の音響的な厚さが3/4λS〜λS(ただしλSは副モードの波長である)であるように形成されている。
共振器領域内には実質的に副モードの2つの半波が生じる。2つの半波は3つの波副と2つの波節を含む。積層体全体の共振器領域においては副モードの2つまたは3つの波腹が存在する。波腹および波節は共振器領域の上側の境界面から下側の境界面に向かって数えられる。第1の波腹は上側の境界面において生じ、第2の波腹は共振器領域の内部において生じる。第3の波腹は実質的に共振器領域の下側の境界面に位置する。すなわち、丁度この境界面に位置するか、その近傍に位置する。
第3の波腹が本明細書に記載された措置によってこの境界面の遙か下方に、すなわち共振器領域外に調整される場合には正常分散が達成され、副モードの共振周波数は主モードの共振周波数を下回る。副モードの第3の波腹は有利には第1の部分ミラーの一番上のミラー層にシフトされている。
共振器の層に対して垂直に延びる方向、つまり積層体の垂直軸に平行に延びる方向を以下では縦方向と称する。共振器の層に平行な平面を横平面と称する。座標系は共振器積層体を表すために選定され、z軸は積層体の垂直軸に沿って配向されている。横方向はx,y平面、すなわち横平面にある。以下では、必要に応じて一方の横方向xのみを考察するが、もちろん他方の横方向yないし任意の横方向を使用することもできる。
第2の部分ミラーは殊に、共振器積層体内を伝播するモードの所定の分散特性を調整するために使用される。モードの分散特性とは、モードの共振周波数fと横方向の波数kx,yの関係を示す曲線f(kx,y)を表す。kxないしkx,yとは、モードの波ベクトル(kx,ky,kz)の横方向の成分を表す。
主モードおよび副モードは2つのバルク超音波である。伝播するモード、殊に主モードおよび閉じ込められた副モードは本明細書においてそれぞれ定在波と解される。したがって本明細書は一般性を制限することなく波動関数の実数部に限定することができる。波動関数とは空間方向に対する材料の変位の関数である。
主モードは共振器領域内の縦方向において実質的に1つの半波が生じることを特徴とする。副モードは共振器領域内の縦方向において実質的に2つの半波が生じることを特徴とする。これをλ/2コンフィギュレーションと称する。
択一的に、主モードは共振器領域内の縦方向において実質的に1つの1/4波が生じていることを特徴とする。この場合、副モードは共振器領域内に実質的に1つの半波が生じることを特徴とする。この場合をλ/4コンフィギュレーションと称する。以下ではλ/2コンフィギュレーションを参照する。それにもかかわらず、考察する全ての事項をλ/4コンフィギュレーションにも一般性を制限することなく適用することができる。
共振器の主モードは通常の場合、縦波の基本モードである。縦波とは、縦方向における原子の変位が生じる、縦方向に偏極されている、すなわち縦方向の変位方向を有する厚み振動と解される。
閉じ込められるべき副モードは横波のモードのうちの1つでよい。横波とは、水平方向の平面における原子の変位が生じる、横方向に偏極されている、すなわち横方向の変位方向を有する厚み振動と解される。
主モードに関してはkx,y≒0、ただしkx,y>0、が当てはまる。このことは、主モードの波ベクトルが実質的に共振器積層体の垂直軸に平行に配向されていることを意味する。主モードの半波長は共振器の共振周波数において実質的に圧電層の厚さに等しい。
共振器領域の横方向の横断面積Lが有限であることに基づき、離散的な横方向の端数を有する縦波の横モードのみが伝播でき、このモードに関しては近似的にkx=nπ/L+kx,0が当てはまる(nは整数、ただしn>0)。kx,0は、一番少ない横方向の波数を有する横モードである主モードの横方向の波数であり、ここでは0<kx,0<π/Lである。横モードの波ベクトルは共振器積層体の垂直軸からの偏差を示す。このn≧1に関する妨害的なモードにより共振器の主共振の外側にある共振が生じるが、この共振を例えば刊行物WO 01/06647 A1に記載されている「横方向側縁デザイン(lateral edge design)」によって減衰させることができる。これによって実質的に条件kx,0≒0も達成される。
波ベクトルが積層体の垂直軸に沿って配向されている場合にはkx=0である。ただし縦モードおよび横モードは全ての周波数において相互に分離されている。波ベクトルが垂直軸からの偏差を示す場合にはkx<0またはkx>0である。ただし縦モードおよび横モードはその相対的な周波数位置に応じて多かれ少なかれ結合されていることが考えられる。したがって第2の部分ミラーの上方における横モードの局所化および(共振器領域における)縦モードとの結合によって、発生した横/縦混合モードエネルギが横モードに対して透過性である音響的なミラーによって失われることを阻止することができる。
縦モードと横モードの相互作用によって縦モードの分散特性を所期のように所望のやり方で制御することができる。殊に、第1の部分ミラーに第2の部分ミラーを付加することによって、第2の部分ミラーが設けられていない場合に共振器積層体内に存在する縦モードの異常分散特性を正常分散特性に変えることができる。このことは前述の「横方向側縁デザイン」を用いた共振器積層体内の妨害的な横モードの抑制に使用される。
共振器領域をXY平面において、音響波が励起される活性領域と、この活性領域を包囲し、その外側と対向しているフレーム状の端部領域とに分割することができる。端部領域は、縦モードTE1が活性領域内を伝播する縦モードと類似するが、活性領域において単調に増加する分散に関しては低い共振周波数において伝播し、端部領域において単調に低下する分散に関しては高い共振周波数において伝播することを特徴とする。このために端部領域は活性領域と同一の層構造を有する。共振周波数を低減するために圧電層の上方には、上側の電極の上方または下方に配置することができる付加的な層が配置されている。この付加的な層は活性領域を包囲するフレームを表す。分散は端部領域においても活性領域においても低下または増加する。
これによって活性領域においてはkx,y≒0、したがって矩形の励起プロフィールを有する主モードの一様な励起を達成することができる。この場合、単調な分散では活性領域内のkx,y>0を有する全てのモードが抑制される。活性領域、すなわち音響波の励起が顕著な領域において分散が少なくともkx,y=50π/Lの値まで単調に増加する場合には有利である。このことは第2の部分ミラーを備えた上述の共振器積層体において達成することができる。
副モードに関する反射係数は第2の部分ミラーにおいては第1の部分ミラーよりも大きい。第2の部分ミラーにおいては副モードに関する反射係数は主モードに関する反射係数よりも大きい。第1の部分ミラーおよび第2の部分ミラーからなる全体のミラーの下側のミラー層のみが副モードを有利に反射するために構成されており、他方では共振器領域と対向する上側のミラー層は主モードを有利に反射するために設けられているので、共振器においては得ようとされる分散特性を電気音響的な結合の損失が生じること無く達成することができる。また下側のミラー層は主モードを良好に反射するので、全体のミラーの全ての層が主モードの反射について構成されている公知の実施形態と比較しても反射の品質は維持されたままである。したがって上述の共振器は低挿入損失、急側縁勾配および広帯域幅を有する高周波フィルタを発展させることに適している。
共振器において複数の副モードが伝播することも考えられる。閉じ込めるべき副モードとは殊に主モードとは異なる共振空間内を伝播するモードであり、1)その共振周波数は共振器積層体内を伝播する別の波に比べて主モードの共振周波数に隣接する、および/または、2)共振器積層体内を伝播する別の波に比べて主モードとの最も強い結合を有する。閉じ込めるべき副モードは例えば共振器領域において励起可能な横波の高調波であり、その波長はこの横波の基本モードの約2倍の波長に相当する。別の副モードは大抵の場合第1の横波よりも高い周波数にあり、場合によっては縦基本モードの分散曲線も制御することができる。
以下の説明においては、主モードが縦モードであり、副モードが横モードとする。したがって第1の部分ミラーを縦ミラーと称し、第2の部分ミラーを横ミラーと称する。しかしながら以下の説明は任意の主モードおよび副モードに対して共通しており、制限無く別の種類の波モードに転用することができる。
有利には、共振器の共振周波数において第1の部分ミラーが入射した縦波のエネルギの少なくとも90%を反射し、共振器領域に戻す。有利には、第2の部分ミラーが入射した横波のエネルギの少なくとも90%(−20dB)を反射する。
共振器の共振周波数においては実質的に共振器領域の厚さに等しい半波長を有する縦モードをモードTE1と称する。共振器の共振周波数においては実質的に共振器領域の厚さに等しい波長を有し、且つ主モードの共振周波数の近傍に位置する共振周波数を有する任意の横モードをモードTE2と称する。したがって殊に横波の基本モードの第1高調波ないし第2高調波について言及する。
モードTS2との関係において言及したことは、原則として、別の周波数位置を有する閉じ込めるべき任意の副モードについても当てはまる。閉じ込めるべき副モードが複数ある場合にはモード毎に固有の第2の部分ミラーを設けることができる。
主モード(縦モード)または副モード(横モード)の限界周波数とは、kx,y=0でのこのモードの共振周波数fLないしfSと解される。共振器の共振周波数fRは主モードの限界周波数fC,Lに等しく、正常分散の場合には副モードの限界周波数fc,s=fs(kx,y=0)を上回る。
音響的なミラーは高い音響的なインピーダンスを有するミラー層と低い音響的なインピーダンスを有するミラー層が交互に配置されているN個のミラー層を有する。これらの層は第1の部分ミラー、すなわち上側の部分ミラー内に配置されている少なくとも1つの第1のミラー層と、第2の部分ミラー、すなわち下側の部分ミラー内に配置されている少なくとも1つの第2のミラー層とを有する。第1の部分ミラーはNL個の第1のミラー層(NL≧1)を有し、有利なヴァリエーションにおいては、高い音響的なインピーダンスを有する第1のミラー層と低い音響的なインピーダンスを有する第1のミラー層とからなる一連の複数の第1のミラー層(NL≧2)を有する。第2の部分ミラーは高い音響的なインピーダンスと低い音響的なインピーダンスを有するNS個の第2のミラー層を有する。1つのヴァリエーションにおいてはNS=N−NLである。別のヴァリエーションにおいては、NZS≧1個の別のミラー層が2つの部分ミラー間に配置されている中間層として設けられている場合には、NS=N−NL−NZSである。
それぞれの部分ミラーが少なくとも1つの層組、すなわち低い音響的なインピーダンスと高い音響的なインピーダンスを有する2つの連続する層の配置構成を有する場合には有利である。
低い音響的なインピーダンスを有する第1のミラー層または第2のミラー層のための材料として、例えばSiO2、BCBまたは有機材料が適している。高い音響的なインピーダンスを有する第1のミラー層または第2のミラー層のための材料として、例えばWまたはMoが適している。高いインピーダンスを有する層は例えば、WおよびMoからなる連続する部分層を有することができる。高いインピーダンスおよび低いインピーダンスを有する一連の層においては例えば、高いインピーダンスを有する種々の層を異なる材料、例えばこの一連の層の一方の層組におけるW層と他方の層組におけるMo層から形成することができる。同様のことは低いインピーダンスを有する層についても当てはまる。
有利なヴァリエーションにおいては全体のミラーが4つのミラー層から形成されており、第1の部分ミラーは2つの第1のミラー層を有し、また第2の部分ミラーは2つの第2のミラー層を有する。第1の部分ミラーおよび/または第2の部分ミラーが2つの層組を有することもでき、この場合、全体のミラーは6つのミラー層から形成されている。ヴァリエーションに応じて、第1の部分ミラーおよび/または第2の部分ミラー内には奇数の相応のミラー層を設けることができる。
別の有利なヴァリエーションにおいては全体のミラーが8つのミラー層から形成されており、第1の部分ミラーは4つの第1のミラー層を有し、また第2の部分ミラーは4つの第2のミラー層を有する。第1のミラーおよび第2のミラーはそれぞれ、低い音響的なインピーダンスと高い音響的なインピーダンスを有する一連の第1もしくは第2のミラー層を表す。
数NLを多くすることにより、副モードの限界周波数fC,Sを低下させることができる。反対に数NLを小さくすることにより、周波数fC,Sを増加することができる。この周波数を、横波のために設けられている共振空間の大きさを適合させることにより、殊に第2の部分ミラーの上方に位置するミラー層の層厚を適合させることによりさらに調整することができる。このミラー層を厚くすればするほど横波に関する共振空間は一層大きくなり、また横波の共振周波数は一層低くなる。殊に、第1の部分ミラーの一番下の層ないし下側の複数の層または少なくとも1つの中間層は周波数fc,sを低減することに適しており、この際共振器の共振周波数fRが影響を受けることはない。
第1のミラー層の厚さdLは実質的にλL/4ないしvL/4fRであり、ここでvLはそれぞれの層における縦波TE1の伝播速度である。第2のミラー層の厚さdSは実質的にλS/4ないしvS/4fRであり、ここでvSはそれぞれの層における横波TS2の伝播速度である。中間層の厚さdZSは有利にはλS/4〜λL/4である。層厚dL、dSおよびdZSは場合によっては上記の値から20%まで偏差していてもよい。中間層の厚さはmin{λS/4,λL/4}より小さくてもよい、またはmax{λS/4,λL/4}より大きくてもよい。
比較的高い電気音響的な結合を2つの部分ミラーを備えた共振器積層体において、共振器領域に対向する第1の部分ミラーの一番上のミラー層の厚さまたは2つの一番上の第1のミラー層の厚さがλL/4とは異なることによって、殊にこの値よりも小さくなるように調整されていることによって達成できる。しかしながらこの層厚をλL/4よりも大きく選定することができる。
有利には、第2のミラー層の数、この層の層厚および材料は、副モードが共振周波数において共振空間内に[NL/2]+3つの波腹および[(NL+1)/2]+2つの波節を有するように選定されている。このことは、副モードがその共振周波数では共振空間内に4+NLの1/4波を有することと同義である。括弧は数値の整数部分を意味している。例えば[3/2]=1,[5/2]=2。
第2の部分ミラーは、有利には第2の部分ミラーの一番上の層を形成する、高い音響的なインピーダンスを有する第2のミラー層の境界面において、またこのミラー層に続いて共振器領域と対向している、低い音響的なインピーダンスを有する別のミラー層の境界面において副モードの波節が生じるように形成されている。別のミラー層は例えば第1のミラー層、すなわち第1の部分ミラーの一番下の層または前述した中間層である。第2の部分ミラーは有利には、低い音響的なインピーダンスを有する、有利には一番上のミラー層の境界面において、またこのミラー層の上に配置されている高い音響的なインピーダンスを有する別のミラー層の境界面において波腹が生じるように形成されている。
共振器積層体は有利には支持体基板上に配置されている。共振器積層体は例えばSiからなる半導体支持体基板においては例えばSiO2からなる絶縁層を有することができ、この絶縁層は第2の部分ミラーと基板との間に配置されている。
以下では本発明の構成素子を、概略的で縮尺通りでない図面に基づき詳細に説明する。同一の部分または同様に作用する部分には、同一の参照記号が付されている。ここで、
図1は、全部で4つのミラー層を備えた音響的なミラーを有する、バルク超音波により動作する共振器を示す。
図2は、kx≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第1の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
図3は、kx≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
図4は、kx≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第3の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
図5Aは、絶縁された共振器領域のkx≒0且つ副モードTS2’の限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された共振器領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。
図5Bは、kx≒0且つ副モードUX3/4の限界周波数でのこの副モードUX3/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された音響的なミラー領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。
図5Cは、kx≒0且つ副モードUX5/4の限界周波数でのこの副モードUX5/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された音響的なミラー領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。
図5Dは、kx≒0且つ副モードTS2’/UX5/4の限界周波数でのこの副モードTS2’/UX5/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の音響的なミラー領域および共振器領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。
図5Eは、図3による第2の共振器積層体について計算された、絶縁されたミラー領域、絶縁された共振器領域および全体の共振器積層体内を伝播するモードに関する分散曲線を示す。
図6は、横ミラーを備えていない共振器積層体と比較した(シミュレーション)、縦方向主モードTE1に関する部分ミラーおよび全体の共振器積層体の透過係数と周波数の関係を示す。
図7は、横ミラーを備えていない共振器積層体と比較した(シミュレーション)、横モードTS2に関する部分ミラーおよび全体の共振器積層体の透過係数と周波数の関係を示す。
図8Aは、全部で4つのミラー層を備えた種々の共振器積層体に関して計算された分散曲線を示す。
図8Bは、全部で8つのミラー層を備えた種々の共振器積層体に関して計算された分散曲線を示す。
図9は、全部で8つのミラー層を備えた音響的なミラーを有する、バルク超音波により動作する共振器を示す。
図10Aは、絶縁された共振器領域のkx≒0且つ主モードTE1の限界周波数での主モードTE1に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された共振器領域における材料の縦方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
図10Bは、kx≒0且つ主モードの限界周波数での主モードTE1に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体における材料の縦方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
図1には、バルク超音波により動作する薄膜共振器を備えたモジュールが示されている。支持基板SU上には共振器積層体が構成されており、この共振器積層体は共振器領域REおよび音響的なミラーを包含する。音響的なミラーは第1の部分ミラーAS1および第2の部分ミラーAS2を有する。共振器領域REは2つの電極E1,E2とこれらの電極間に配置されている圧電層PSとを包含する。この実施例においてミラー全体は全部で4つのミラー層AS11,AS12,AS21およびAS22を有する。
共振器積層体内では、主モードとしての縦波TE1およびこの主モードとの結合が大きくしたがって局所化すべき副モードとしての横波TS2が励起される。
第1の部分ミラーAS1は主として縦波主モードTE1の高い反射用に設計されており、したがって縦ミラーと称される。この第1の部分ミラーAS1は複数の第1のミラー層、すなわち例えばWからなるAS11と、例えばSiO2からなるAS12とを包含する。層の厚さはそれぞれ実質的にλTE1/4である。ここでλTE1はそれぞれの材料におけるモードTE1の波長である。第1の部分ミラーAS1は共振器領域REと第2の部分ミラーAS2との間に配置されている。
第2の部分ミラーAS2は主として副モード、この実施例では横波TS2の高い反射用に設計されており、したがって横ミラーと称される。横ミラーは横波TS2に関して、縦波TE1に関する反射係数よりも高い反射係数を有する。反対に縦ミラーAS1は縦波TE1に関して、横波TS2に関する反射係数よりも高い反射係数を有する。
総じて、横ミラーAS2は横波に関する反射が縦波に関する反射よりも大きいことを特徴とし、縦ミラーAS1は縦波に関する反射が横波に関する反射よりも大きいことを特徴とする。
共振器積層体の部分系を透過係数によって特徴付けることができる。部分系として例えば第1のミラー層または第2のミラー層、全体のミラーAS1+AS2の部分ミラーAS1,AS2、または共振器積層体の共振器領域の下方に位置する領域が考えられる。部分系の透過係数は、上方から部分系に入射する波がどの程度この部分系の下側の境界層から射出されるかを表す。この際、部分系の下方または上方に位置する単一層は限りなく拡張されていることが常に前提とされる。透過係数Tと反射係数Rの関係はR=1−Tである。
実質的に共振器領域REと縦ミラーAS1から形成される共振空間内の横波の閉じ込めは殊に、横ミラーAS2内の横波の反射がミラーAS1内の反射に比べて著しく、例えば少なくとも10dB高い場合に行われる。横ミラーAS2内の横波に関する透過係数を縦ミラーAS1内の横波に関する透過係数よりも少なくとも15dB、しかしながら有利には20dBだけ低くすることができる。
第2の部分ミラーAS2は図1に示したヴァリエーションにおいて2つの第2のミラー層、すなわち例えばWからなるAS21と例えばSiO2からなるAS22とを包含する。層の厚さはそれぞれ実質的にλTS2/4である。ここでλTS2はモードTS2の波長である。第2の部分ミラーAS2は第1の部分ミラーAS1と支持基板SUとの間に配置されている。第2の部分ミラーAS2と支持基板SUとの間にはさらに電気的に絶縁されている、例えばSiO2からなる絶縁層ISが配置されている。
縦波TE1の伝播速度と横波TS2の伝播速度の比は、これらの波が伝播する材料に依存する。しかしながら横波の速度は殆どの場合、縦波の速度のほぼ半分である。したがって横ミラーAS2は(第1の部分ミラーを通過して既に減衰した)縦波TE1の一部を反射することもできる。
全部で4つのミラー層を備えた音響的なミラーAS1+AS2が有利である。有利には、上から2つの層AS11,AS12が縦ミラーAS1に属し、また少なくとも一番下の層AS21がミラー層AS2に属する。下から2番目の層、図1においては層AS22を第1の部分ミラーまたは第2の部分ミラーに対応付けることができるか、図4による実施例のように中間層ZSとして設けることができ、この層の厚さに応じて分散曲線、また殊に副モードに関する限界周波数をシフトすることができる。
圧電層PSに関しては例えばAlNが適している。この材料はポアソン数μ>1/3によって特徴付けられる。その種の材料において分散は単調に低下する、すなわち異常分散である。しかしながら、横ミラーを縦ミラーの下方に配置することによって、全体の共振器積層体に関して正常分散特性が生じる。kx=0において横モードTS2の共振周波数が縦モードTE1の共振周波数を下回る場合には、正常分散、すなわち単調に増加する分散が達成される。
以下において図2,3および4と関連させて説明する、材料に依存した横ミラーのミラー層の厚さの選択によって、横波はこの部分ミラーの上方において、すなわち共振器領域および縦ミラーによって形成される共振空間において定在波が生じるように閉じ込められる。
横波は部分ミラーAS2によってブロックされ、したがってもはや支持基板SUに進入できなくなるので、モードTE1およびモードTS2からなる結合モード系が生じる。圧電層PSの中心に対する波動関数の共通の対称性に基づき2つのモードが相互に作用し、またkxが大きくなると相互に反発し合う。これにより、fc,TE1>fc,TS2の場合には正常分散が生じ、fc,TE1<fc,TS2の場合には異常分散が生じる。さらに以下のことが当てはまる:fc,TE1とfc,TS2との周波数差が小さくなればなるほど、モードTE1およびTS2の分散曲線の曲率は大きくなる。したがって周波数fc,TS2をシフトすることによって分散曲線の傾斜も調整することができる。
第1の部分ミラーAS1は有利には少なくとも2つの第1のミラー層を有する。第2の部分ミラーAS2を図3および図4に示したヴァリエーションにおいてはただ1つの第2のミラー層から形成することができ、この場合有利には、図3に示されているように第1の部分ミラーが少なくとも3つの第1のミラー層を有するか、図4に示されているように第1の部分ミラーと第2の部分ミラーとの間に中間層ZSが設けられているので、音響的なミラーAS1,AS2内のミラー層の総数は4つまたはそれ以上になる。
有利には音響的なミラーが高い音響的なインピーダンスを有する層と低い音響的なインピーダンスを有する層が交互に配置されている複数の層を有する。1つのヴァリエーションにおいては、図1および図2に示されているミラー層AS11およびAS21が高い音響的なインピーダンスを有し、ミラー層AS12およびAS22が低い音響的なインピーダンスを有する。これとは反対に、ミラー層AS11およびAS21が低い音響的なインピーダンスを有し、ミラー層AS12およびAS22が高い音響的なインピーダンスを有することも考えられる。
横ミラーAS2は縦ミラーAS1の下方に位置するので、モードTS2はモードTE1よりも深く全体のミラーAS1,AS2に進入するので、モードTS2を使用する共振空間はモードTE1を使用する共振空間よりも大きい。モードTS2に関する共振空間を、実質的に共振器領域に制限されているモードTE1に関する共振空間に依存せずに変更することができる。したがって、モードTS2の共振周波数fc,TS2=fTS2(kx=0)をfc,TE1に可能な限り依存せずに調整することができる。周波数fc,TS2を殊に周波数fc,TE1以下に調整することができる。
1つのヴァリエーションにおいては、限界周波数fc,TS2をさらに低減するためにN>4個のミラー層を備えたミラーを設けることができ、下側のNS個のミラー層が横ミラーを形成し、その上にあるNL個のミラー層が縦ミラーを形成する。個々のミラー層の反射率が十分であれば、全部で4つよりも少ない数のミラー層を備えた音響的なミラーも考えられる。
限界周波数fc,TS2の位置を下側の部分ミラーAS2の特性によって所期のように制御することができる。周波数fc,TS2を低減するために横モードがより深くミラーに進入することが許容されなければならない。このために例えば、横ミラーAS2の上側のミラー層AS22の厚さをその下に位置する少なくとも1つの第2のミラー層AS21に比べて厚くすることができ、これによりこの横ミラーの横波に関する反射率は厚さが等しい2つの第2のミラー層AS21,AS22を備えた横ミラーに比べて低減される。上側の第2のミラー層AS22から図4に示したヴァリエーションによる中間層ZSが形成される。これに対して限界周波数fc,TS2を高めようとするならば、縦ミラーAS1の一番下のミラー層AS11の厚さをその上に位置する少なくとも1つの第1のミラー層AS12に比べて薄くすることができ、これにより縦ミラーAS1は厚さが等しい2つの第1のミラー層AS11,AS12を備えた本来の縦ミラーよりも横モードを良好に反射する。
モードTS2に対して設けられている共振空間の大きさ、したがって限界周波数fc,TS2の位置を、上側の部分ミラーAS1の層厚の変更によりさらに制御することができる。これらの層厚は例えばλTE1/4の20%まで偏差してもよい。
殊に、第1の共振器積層体を備えた共振器(図2)、第2の共振器積層体を備えた共振器(図3)および第3の共振器積層体を備えた共振器(図4)は、図1における層AS22に応じた下から2番目のミラー層の厚さが異なることによって区別される(表1〜3のデータを参照されたい)。下から2番目のミラー層はその厚さに基づき、図2においては第2の部分ミラーに対応付けられている層AS22であり、図3においては第1の部分ミラーに対応付けられている層AS11であり、図4においては中間層ZSである。絶縁層ISの厚さは第1の共振器積層体において約λTE1/4である。第2の共振器積層体および第3の共振器積層体における絶縁層ISの厚さはλTE1/4を下回り、これらの2つのヴァリエーションにおいては等しく選定されている。
図3においてはミラー層AS12およびAS2が高い音響的なインピーダンスを有し、ミラー層AS11およびAS13が低い音響的なインピーダンスを有する。図4においてはミラー層AS11およびAS2が高い音響的なインピーダンスを有し、ミラー層ZSおよびAS12が低い音響的なインピーダンスを有する。
低い音響的なインピーダンスを有するミラー層の材料としてSiO2が殊に良好に適している。しかしながら、通常このために使用される他の材料も考えられる。
各ミラー層は原則として複数の部分層を有することができ、これらの部分層は例えば全て比較的低い音響的なインピーダンスを有するか、比較的高い音響的なインピーダンスを有する。例えば、高い音響的なインピーダンスを有する層は、有利には薄い下部Ti層と有利には明らかに厚い上部W層とからなる層列を有することができる。
圧電層PSおよび電極E1,E2もそれぞれ複数の種々の部分層からなる層列として形成することができる。
支持基板SUの材料としてセラミックまたはシリコンが適している。支持体が少なくとも部分的に導電性である場合、この支持体と共振器積層体との間に配置されている絶縁層ISは殊に有利である。
原理的には、図4に示した中間層ZSに付加的に別の中間層を設けることができ、この別の中間層の厚さは第1のミラー層の厚さと第2のミラー層の厚さの間である。有利には全ての中間層が第1の部分ミラーと第2の部分ミラーとの間に配置されている。しかしながら、中間層を2つの第1のミラー層の間、2つの第2のミラー層の間、第1の部分ミラーの上部、または第2の部分ミラーの下部に配置することも考えられる。原理的には、少なくとも1つの中間層の厚さを比較的厚い第1のミラー層および第2のミラー層よりも厚くすることができるか、比較的薄い第1のミラー層および第2のミラー層よりも薄くすることができる。
表1には種々の共振器積層体において使用されるミラー層の層厚[nm]が記載されている。第1の部分ミラーのミラー層も第2の部分ミラーのミラー層もASと表されている。表2,3および4においては、それぞれのミラー層におけるλTE1について正規化されている、第1、第2ないし第3の共振器積層体において使用されるミラー層の層厚が記載されている。この共振器積層体に関する分散曲線を図8Aと関連させて説明する。
公知の積層体においては、全部で4つのミラー層が第1のミラー層として設けられている。第1、第2および第3の積層体においては、一番下のミラー層が第2のミラー層の厚さを有する。下から2番目のミラー層はまた第1の積層体において第2のミラー層として形成されている。下から2番目のミラー層は第2の積層体においては第1のミラー層として設けられており、また第3の積層体においては中間層として設けられている。さらに第2の積層体および第3の積層体においては、公知の積層体とは異なり絶縁層ISの厚さは比較的薄く調整されている。
Figure 0004903219
f=1880MHzではλTS2/4がWにおいて380nmであり、SiO2において500nmである。f=1880MHzではλTS1/4がWにおいて695nmであり、SiO2において794nmである。
Figure 0004903219
図2は、kx≒0且つモードTS2の限界周波数fTS2、この例では1847MHzでの横モードTS2に関する縦方向に依存する、第1の共振器積層体における材料の横方向の変位uxの実数部(曲線1)および虚数部(曲線2)を示す。
層厚はこの層の所定の材料において2つの部分ミラーAS1,AS2の境界面に横モードTS2の定在波の波腹または波節が生じるように選定されている。波節においては条件Re{ux}=Im{ux}=0が満たされている。
比較的高い音響的なインピーダンスを有する層から比較的低い音響的なインピーダンスを有する層に波が衝突すると波腹が生じる。この場合は図2において層AS11とAS22の境界面に生じる。上側の層AS11は下側の層AS22よりも高いインピーダンスを有する。
比較的低い音響的なインピーダンスを有する層から比較的高い音響的なインピーダンスを有する層に波が衝突すると波節が生じる。この場合は図3において層AS11とAS2の境界面に生じる。上側の層AS11は下側の層AS2よりも低いインピーダンスを有する。
図2から図5Dにおいては、曲線1と曲線2が交差する、すなわち条件Re{ux}=Im{ux}=0が満たされている個所に波節が位置している。波腹は連続する2つの波節の間の最大変位個所に位置している。
第2のミラー層の層厚は層の所定の材料において有利には、比較的低いインピーダンスを有する(上側の)層から比較的高いインピーダンスを有する(下側の)層に波が進入する場合に、第2のミラー層とその上に位置する層の境界面にモードTS2の波節が生じるように選定されている。
第2のミラー層の層厚は層の所定の材料において有利には、比較的高いインピーダンスを有する(上側の)層から比較的低いインピーダンスを有する(下側の)層に波が進入する場合に、第2のミラー層とその上に位置する層の境界面にモードTS2の波腹が生じるように選定されている。
図2によるヴァリエーションにおいては、比較的低いインピーダンスを有する上側の層は例えば層AS22であり、比較的高いインピーダンスを有する下側の層は層AS21であり、この場合2つの第2のミラー層AS21,AS22の境界面に波節が生じる。
第2のミラー層AS2の上に位置する層は図4では中間層ZSであり、この場合、層AS2とZSの境界面もしくは第2の部分ミラーと中間層ZSの境界面に波節が生じる。
一般的に、第1のミラー層AS11,AS12の境界ならびに上側の第1のミラー層AS12と共振器領域RBとの境界にはモードTS2の波節または波腹は存在しない。これは図2,3,4から見て取れる。
共振器領域の全体の厚さを有利なヴァリエーションにおいては、横モードTS2がこの共振器領域において2つの半波を生じさせるように選定することができる。このことは、共振器領域の上側の境界に波腹が存在し、共振器領域の内部に別の波腹ならびに2つの波節が存在し、第3の波腹が実質的に共振器領域と第1のミラーAS1の境界に生じることを意味する。
図2,3および4による例においては、共振器領域RE内には副モードの2つの波腹しか生じておらず、第3の波腹は第1の部分ミラーにシフトされていることが見て取れる。共振器領域RE内には実質的に3つの1/4波が生じる。この効果により、モードTS2の限界周波数fc,TS2は絶縁された共振器積層体の限界周波数fc,TS2'に比べて低くなる。
Figure 0004903219
図3は、kx≒0且つ横モードTS2の限界周波数fTS2、この例では1792MHzでの横モードTS2に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体における材料の横方向の変位uxの実数部(曲線1)および虚数部(曲線2)を示す。
Figure 0004903219
図4は、kx≒0且つ横モードTS2の限界周波数fTS2、この例では1823MHzでの横モードTS2に関する縦方向に依存する、第3の共振器積層体における材料の横方向の変位uxの実数部(曲線1)および虚数部(曲線2)を示す。
図2,3および4からは、音響的なミラー内に存在する横波の成分が、音響的なミラー内での横波に関する共振空間の拡大に合わせて増加し、第2の共振器積層体(図3)において最大となっていることが見て取れる。
モードTE1およびTS2の相互作用を厚さB=2bのプレート内でのラムモード(Lamb-Mode)に基づき説明する。等方性の材料に関して分散関係は次式の解として得られる:
Figure 0004903219
ここで、kxは横方向の波の波数であり、vsおよびvLは横波ないし縦波の速度である。kx=0でのモードTE1の共振周波数はfTE1=vL/4bである。kx=0でのモードTS2の共振周波数はfTS2=vs/2bである。
ここではkxの値が小さい場合を考察し、また周波数fTE1、fTS2および別の周波数fに関して差|fTE1−fTS2|および|f−fTS2|がfTE1よりも遙かに小さいものとすると、次式の関係が得られる:
Figure 0004903219
このことは、kx=0での分散曲線が水平な接線を有し、また分散曲線の曲率が共振周波数fTE1(kx=0)とfTS2(kx=0)の差、すなわちモードTE1の限界周波数とモードTS2の限界周波数の差に反比例することを意味する。
以下では、横ミラーの深い位置のヴァリエーションにおけるモードTS2の性質ならびにその共振周波数fTS2の特性を説明する。例として、横ミラーAS2の上方に3つの縦ミラー層AS11,AS12,AS13を有する第2の共振器積層体を使用する。
積層体全体を伝播する横モードTS2は、ミラーから絶縁された共振器領域RE内を伝播する横モードTS2’と関連する。さらに横モードTS2は、共振器領域から絶縁されたミラー領域内を伝播する別の横モードと関連する。ミラー領域は2つの部分ミラーAS1,AS2ならびに基板SU、また必要に応じて絶縁層ISを有する。すなわち共振器領域REを除く共振器積層体の全ての構成部分を有する。
図5Aは、この図において左側と右側で空気と接している絶縁された共振器領域REにおける横モードTS2’を示す。絶縁された共振器領域REにおける副モードTS2’の限界周波数fTS2,c=fTS2(kx,y=0)=2143MHzに関して計算された横モードTS2’の変位uxの実数部分および虚数部分が縦方向zに依存して示されている。共振器領域REの上側の境界と下側の境界との間(図5Aにおいては左側の境界と右側の境界との間)において副モードの2つの半波が適合される。
図5Bに示されているように、絶縁された音響的なミラー領域内をモードUX3/4と称する副モードが伝播する。記号UX3/4は、縦ミラーAS1内では実質的にこの副モードの3つの1/4波が生じる、すなわちほぼ1つの1/4波がいずれかの縦ミラー層内に生じることを意味している。図5Bは、副モードUX3/4に関してこのモードの限界周波数、すなわちkx≒0において算出された、縦方向zに依存する第2の共振器積層体の音響的なミラーAS1,AS2内の材料の横方向の変位の実数部と虚数部を示す。副モードUX3/4の限界周波数は1464MHzである。
共振器領域から絶縁されたミラー領域内を伝播する次に高い横モードをモードUX5/4と称する。このモードは縦ミラー内にこの副モードの5つの1/4波が生じることを特徴とする。図5Cは、副モードUX5/4に関してこのモードの限界周波数、すなわちkx≒0において算出された、縦方向zに依存する第2の共振器積層体の音響的なミラーAS1,AS2内の材料の横方向の変位の実数部と虚数部を示す。副モードUX5/4の限界周波数は2016MHzである。
第2の共振器積層体全体が図3に示されている。図5A,図5Bおよび図3を比較すると、系全体の横モードTS2が共振器領域内を伝播するモードTS2’とミラー領域内を伝播するモードUX3/4からなることが分かる。したがってモードTS2を混合モードTS2’/UX3/4とみなすことができる。副モードTS2の限界周波数は1792MHzである。
同様に、共振器内およびミラー領域内を伝播するモードTS2’ないしUX5/4からなる混合モードTS2’/UX5/4が生じる。図5Dは、この混合モードに関してこのモードの限界周波数、すなわちkx≒0で算出された、縦方向zに依存する第2の共振器積層体内の材料の横方向の変位の実数部と虚数部を示す。副モードTS2’/UX5/4の限界周波数は2098MHzである。
図10Aは、この図において右側と左側で空気と接している絶縁された共振器領域REにおける縦モードTE1’を示す。絶縁された共振器領域REにおける主モードTE1’の限界周波数fTE1',c=fTE1'(kx,y=0)=1838MHzに関して計算された縦モードTE1’の変位uzの実数部分および虚数部分が縦方向zに依存して示されている。共振器領域REの左側の境界と右側の境界との間において主モードの半波が適合される。
図10Bは、主モードTE1’の限界周波数fTE1,c=fTE1(kx,y=0)=1882MHzでの積層体全体における縦モードTE1を示す。積層体は図10Aによる共振器領域を有する。ここでもまた図10Aに示されているように、系全体の縦モードTE1は実質的に共振器領域に制限される。これにより、系全体における主モードTE1の共振周波数fTE1は絶縁された共振器領域における主モードTE1’の共振周波数と僅かにしか相違しなくなる。
2つの部分系(共振器領域、ミラー領域)および系全体(共振器領域+ミラー領域)を伝播するモードに関する分散曲線が図5Eに示されている。ミラー領域内を伝播するモードUX3/4の曲線は共振器領域内を伝播するモードTS2’の曲線よりも遥かに下に位置する。したがって混合モード、すなわちモードTS2の共振周波数TS2’/UX3/4は「純粋な」モードTS2’およびUX3/4の共振周波数の間に位置する。すなわち2つの部分系の相互作用によって横モードの共振周波数は低減されている。
図5Bおよび図3から見て取れるように、系全体のミラーにおける混合モードTS2’/UX3/4の波長は絶縁されたミラーにおけるその波長よりも短く、これにより比較的高い周波数が生じる。系全体において励起されるモードTS2に関する、共振器領域の上端から数えて3番目の波腹は絶縁された共振器領域REにおいて励起されるモードTS2’に比べて左方向にシフトされており、このことはミラーを付加することによって作用する波長の拡大に関連する。すなわち横モードの共振周波数は系全体の共振器領域内では絶縁された共振器領域に比べて低減されている。
共振空間内の全体のモードTS2’/UX3/4の1/4波の数は部分系の1/4波の和に等しい:系全体においては閉じ込められた波動関数が7つの1/4波を有し、絶縁されたミラー領域においては波動関数が3つの1/4波を有し、絶縁された共振器領域においては波動関数が4つの1/4波を有する。このことは全体のモードTS2’/UX5/4にも当てはまる:ここでは系全体において9つの1/4波が維持される。
上述したことは、NL個の上側の層が縦ミラー層であり、またNS=N−NL個の下側の層が横ミラー層である、N個のミラー層を備えた系について一般化することができる。
ミラー領域においては横モードUX(NL+2i)/4(ただしi=0,1,2...)が生じる。このモードは共振器領域RE内を伝播するモードTS2’と共に全体のモードTS2’/UX(NL+2i)/4を形成する。全体のモードはこのために設けられている共振空間においてNL+2(i+2)個の1/4波を有する。
全体のモードの共振周波数は部分モードTS2’の共振周波数とUX(NL+2i)/4の共振周波数との間にある。絶縁された共振器領域内を伝播する横モードTS2’の共振周波数が絶縁されたミラー領域内を伝播する横モードの共振周波数を上回る場合、このことは系全体に関して、ミラー内の横モードの波長が短くなり、共振器領域内の横モードの波長が長くなることを意味する。反対に、ミラー領域内を伝播する横モードUX(NL+2i)/4の共振周波数が共振器領域内を伝播する横モードTS2’の共振周波数を上回る場合、系全体を伝播する横モードTS2’/UX(NL+2i)/4の波長がミラー内では長くなり、共振器領域内では短くなる。モードUX(NL+2i)/4の共振周波数がモードTS2’の共振周波数を下回る場合には、モードTS2’の共振周波数に比べて全体のモードTS2’/UX(N+2i)/4の共振周波数を低減することができる。これと同時に主モードTE1の変化は僅かでしかないので、周波数fTS2を周波数fTE1以下に低減することができ、したがって単調に増加する分散特性が達成される。fTS2>fTE1が当てはまり、したがって共振器積層体において単調に低下する分散特性が調整されるように、共振空間を選択することもできる。
以下では、何故横ミラーAS2がより深くに位置すればするほどモードTS2の共振周波数fTS2が一層低下するのかを説明する。これに関して、図9に概略的に示されている、全部で8つのミラー層を有する音響的なミラーを備えた共振器積層体を考察する。
さらにミラー領域の種々のヴァリエーションが考察され、これらのミラー領域においては、NL個の上側のミラー層が上述のように縦ミラー層として構成されており、その下に位置する層は全て横ミラー層として構成されている。Wから構成されている横ミラー層はそれぞれ380nmの厚さを有し、またSiO2からなる横ミラー層はそれぞれ500nmの厚さを有する。
6つ、4つおよび2つの縦ミラー層を有する共振器積層体を第4、第5および第6の積層体と称する。
第6の積層体は表1に示された公知の共振器積層体から、例えば横ミラーAS2と絶縁層ISとの間にこのミラーAS2と同一の2つの別の横ミラーが挿入されることによって得られる。
全部で8つのミラー層を備えた第4、第5ないし第6の積層体内を伝播する音響的なモードの分散曲線が図8Bに示されている。
縦モードTE1に関する分散曲線は第4、第5および第6の積層体についてそれぞれTE1−7、TE1−9ないしTE1−11で表されている。タイプTS2’/UX NL/4の分散曲線は第4、第5および第6の積層体についてそれぞれTS2−7、TS2−9ないしTS2−11で表されている。さらに図8Bには、第4ないし第5の共振器積層体内を伝播するタイプTS2’/UX(NL+2)/4の高次の横モードに関する分散曲線TS2’−7およびTS2’−9が示されており、その限界周波数は共振器の共振周波数fRの近傍に位置する。共振周波数fRは縦モードTE1の限界周波数、すなわちkx=0でのこのモードの共振周波数である。
横ミラーの位置が深くなるにつれ横モードTS2の共振周波数fc,TS2-11,fc,TS2-9,fc,TS2-7は単調に低下していることがはっきりと見て取れる(第6の積層体から第5の積層体に移行する場合、また第5の積層体から第4の積層体に移行する場合)。この横モードはタイプTS2’/UX NL/4である。
第6の積層体におけるモードTE1に関する曲線TE1−11では、この曲線が単調な経過を有するので正常分散が見て取れる。分散は第6の積層体から第5の積層体に移行する場合は異常分散になり、このことは弛んだ領域を有する第5の積層体における主モードに関する曲線TE1−9において見て取れる。横モードTS2’/UX NL/4の共振周波数fc,TS2-9は、第3の積層体に比べて、既にモードTE1の共振周波数、すなわち共振器の共振周波数fRから大きく離れている。モードTE1は、約1.95MHzの限界周波数を有し、且つ図8BにおいてTS2’−9で表されている分散曲線を有する高次の横モードと相互作用する。何故ならば、この高次のモードは周波数的に主モードTE1の直ぐ隣に位置するからである。この高次の横モードも絶縁された共振器領域RE内を伝播する横モードTS2’に類似し、またタイプTS2’/UX(NL+2)/4のモードを形成する。このモードの共振周波数はモードTE1の共振周波数を上回り、また共振器積層体内の異常分散を生じさせる。
横モードをさらにミラーに進入させると(第5の積層体から第4の積層体に移行する場合)、最終的には第1の積層体を備えたヴァリエーションにおいてモードTE1の正常分散が再び生じるまで、この横モードの共振周波数も低下する。何故ならば、高次の横モードTS2’/UX(NL+2)/4の共振周波数(曲線TS2’−7を参照されたい)はモードTE1の共振周波数(曲線TE1−7を参照されたい)以下に低下しているからである。
横ミラーの位置を深くした場合に横モードTS2の共振周波数が低下することは、横モードTS2がミラーに一層深く進入することと解することができる。共振器内の音響的なエネルギの割合はミラー内の音響的なエネルギの割合のために低下する。圧電層PS内の変位の最大値は横モードに関して共振器空間が大きくなるにつれミラーの方向へとさらにシフトする。このことは横モードの波長が長くなること、またその共振周波数が低下することと同義である。ミラー内の横波の位相の割合は共振器領域に関してますます大きくなる。
この考察により、横モードTS2の共振周波数fTS2と縦ミラー層の層厚との関係に関する簡単なモデルを作成することができる。横ミラーAS2の上方に局所化された横波を考察する。前述したように、タイプTS2’/UX NL/4の横モードは、横ミラーの上側の境界面と共振器領域の上側の境界面との間に形成されている共振空間内にNL+4の1/4波を有する。横波の位相はこの共振空間において(NL+4)π/2に達する。一次近似においては層の境界における反射は重要でないものとする。モードTS2’/UX NL/4についての位相差は次式より得られる:
Figure 0004903219
ここで、Wは層の厚さであり、Vi Sは横波の速度である。ここでは明瞭にするために、i=0で共振器領域、すなわち圧電層および電極が単一の層によって表される。横ミラーの上方に配置されている音響的なミラーの縦層は一番上から始まってi=1,...NLで表される。
タイプTS2’/UX NL/4のモードの位相は全部で(NL+4)π/2であるという条件から、このモードの共振周波数fnLを決定することができる:
Figure 0004903219
ミラー層の厚さはその材料に依存して有利には、縦モードTE1の共振周波数fTE1では縦波の約1/4波長になるように選定されている。これにより次式の関係が得られる:
Figure 0004903219
ここで、vi Lは縦波の速度である。パラメータxiはxi=1を有する縦層の理想的な厚さからの偏差を表す。
共振器の層厚は有利には縦波の半波長であるように選定されている。したがって次式が当てはまる:
Figure 0004903219
ここで、v0 Lは共振器内の縦波の速度であり、x0は縦層の理想的な厚さからの偏差を表す。モードTS2’/UX NL/4の限界周波数は次式より得られる:
Figure 0004903219
この式を用いて、何故モードTS2’/UX NL/4の共振周波数は横ミラーの位置が深くなるにつれ、殊に縦層の数NLが多くなるにつれ低下するのかを説明することができる。増加する周波数の条件はfN+L+1<fNLである。したがって次式が当てはまる:
Figure 0004903219
通常の場合、主モードTE1の共振周波数の近傍に位置する共振周波数を有するモードのみが関連するので、fTE1≒fNLとすることができる。したがって次式が当てはまる:
Figure 0004903219
タングステン、SiO2ないしAlNに関してはvL/vS=1.83,1.59および1.72が当てはまる。したがって、xNL+1=1である場合、すなわち(NL+1)番目の層の厚さが正確に縦波の1/4波長である場合には、常にfNL+1<fNLが当てはまる。実際には、この関係は約xNL+1≒0.6までの比較的小さいxNL+1にも当てはまる。
最も重要な結果を以下のようにまとめることできる:
1)横モードの限界周波数は共振空間内、すなわち横ミラーの上方の層厚の変化に対して敏感である。層厚の絶対的な変化に対する感度は層の横波の速度に反比例する。層厚を厚くすることにより周波数が低下する。
2)横ミラーと同一ではない別のミラー層を横ミラーの上方に付加することにより、横ミラーは一層分だけ下方にずれ、これによりモードTS2の共振周波数が低下する。
この簡単なモデルに基づき得られる、モードTS2’/UX NL/4とミラー層の数および厚さとの関係に関する知識を高次のモード、例えばTS2’/UX (NL+2)/4にも転用することができる。
図6は、4つのミラー層からなる縦ミラーを有しているが横ミラーを有していない公知の積層体(表1を参照されたい)の透過係数103と比較した縦主モードTE1に関する、縦ミラーAS1の透過係数、横ミラーAS2の透過係数、圧電層(有利にはAlN)の下方に位置する共振器積層体の透過係数と周波数の関係を示す。
第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における縦ミラーAS1を通過する縦波の透過率は図6において111,131および151で表されている。第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における横ミラーAS2を通過する縦波の透過は112,132および152で表されている。第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における全体のミラーを通過する縦波TE1の透過率は113,133および153で表されている。曲線103,113,133および153は共振器積層体全体、すなわち音響的なミラーを備えた共振器領域に関する。
横ミラーを有していない公知の積層体は曲線103で表されている。この場合、縦波TE1は共振器内で通過方向において全部で約67.5dB減衰される。縦ミラーAS1を介してこの波は共振器積層体の構造に応じて1880MHzでは約28dB減衰し(第1および第3の積層体)、または約46dB(第2の積層体)減衰する。通過方向における横ミラーAS2を介した縦波の減衰は20dBを上回るので、横ミラーはこの波の減衰にも寄与する。
縦ミラーを有しているが横ミラーを有していない公知の共振器積層体は縦波の比較的高い約68dBの減衰を有する。横ミラーAS2を有する全体の共振器積層体に関して、共振周波数では縦波の比較的高い減衰、しかも全ての共振器積層体に関して60dBを上回る減衰が達成される。
図7は、横ミラーを有していない公知の共振器積層体の透過係数203と比較した、横モードTS2に関する、部分ミラーAS1,AS2、圧電層(有利にはAlN)の下方に位置する共振器積層体の領域の透過係数と周波数の関係を示す。
第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における縦ミラーAS1を通過する横波の透過率は211,231ないし251で表されている。第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における横ミラーAS2を通過する横波の透過率は212,232ないし252で表されている。第1、第2および第3の積層体を備えた共振器における全体のミラーを通過する横波TS2の透過率は213,233および253で表されている。曲線203,213,233および253は共振器積層体全体、すなわち音響的なミラーを備えた共振器領域に関する。
横ミラーが設けられていない場合(曲線203を参照されたい)、共振器の共振周波数(この例においては約1880MHz)では共振器積層体全体を介して横波TS2の大部分が基板SUの方向に通過する。これは横ミラーの挿入後に大きく変化する。何故ならば、これにより横波は閉じ込められ、もはや基板には到達しないからである。
縦ミラーAS1を介して横波は通過方向において共振器積層体の構造に応じて1880MHzでは約8〜10dB減衰されており、横波のエネルギの比較的大部分は依然として失われる。横波AS2による横波の通過方向における減衰は25dB(1880MHzにおいて)を上回る。横ミラーAS2を有する全体の共振器積層体に関して、この周波数では横波の比較的低い透過率が得られ、この透過率は第1、第2および第3の共振器積層体に関して40dB、25.5dBおよび38dBである。
第1の共振器積層体の下から2つの層にミラー層を配置することによって横波に関する最大反射が達成されることが分かった。第2のおよび第3の積層体において下から2番目のミラー層(SiO2からなる)は横波を有利に反射するために形成されていないので、このミラー層の配置構成の反射率は低下する。この損失は、第2の積層体および第3の積層体における絶縁層が横波TS2の有利な反射に適した層厚を有するように選定されていることによって、ミラー全体において部分的に補償される。したがって第2および第3の積層体内に包含されている音響的なミラーを、全部で5つでその内の2つが横ミラー層であるミラー層を有するミラーと見なすことができる。
図8Aには、全部で4つのミラー層を備えた第1、第2および第3の共振器積層体内を伝播する縦モードTE1および横モードTS2に関する分散曲線が示されている。公知の第1、第2および第3の共振器積層体における縦モードに関する曲線はTE1−0,TE1−1,TE1−3およびTE1−5で表されている。第1、第2および第3の共振器積層体における横モードに関する曲線はTS2−1,TS2−3およびTS2−5で表されている。曲線TE1−0においては公知の積層体がTE1の異常分散を有し、他方第1、第2および第3の積層体においては横ミラーの挿入によってTE1の正常分散が達成されたことが見て取れる。横モードTS2−1,TS2−3およびTS2−5の限界周波数fc,TS2-1、fc,TS2-3およびfc,TS2-5は有利には、これらの限界周波数がその種の共振器を有するフィルタの帯域幅外にあるように選定されている。これは図8Aにおいて例えば第1および第2の積層体内の周波数fc,TS2-3およびfc,TS2-5に関する場合である。
絶縁層ISの厚さは第2および第3の積層体内では実質的に横ミラー層AS21,AS22の厚さと同じに選定されており、この厚さを原則として横ミラーAS2に対応付けることができる。このように選定された絶縁層ISの厚さは、横ミラーAS2の層AS21,AS22を通過する横波の一部を逆方向に反射させるという利点を有する。
第1の共振器積層体においては下から2番目のミラー層(SiO2からなる)の厚さは実質的にλTS2/4に等しい。横モードの限界周波数fc,TS2を低減するために、第3の共振器積層体においては下から2番目のミラー層(SiO2からなる)は横ミラーのミラー層の厚さと縦ミラーのミラー層の厚さの間の値にまで厚くされた。横モードの限界周波数fc,TS2をさらに低減するために、第2の共振器積層体においては下から2番目のミラー層(SiO2からなる)は実質的に縦ミラーAS1のミラー層AS11,AS12の厚さの値にまで厚くされた。すなわち、横モードTS2の一番低い限界周波数fc,TS2はこのモードのために設けられている一番大きい共振空間を有する共振器積層体において達成されている。
限界周波数fc,TS2を低減することにより分散曲線の勾配も低下し、一番緩い勾配は第2の積層体に関して達成されている。
縦モードは既に上側の部分ミラーによって大部分が逆方向に反射されるので、横波を反射させるために形成されている別の部分ミラーを付加しても積層体のヴァリエーションに応じた共振器の共振周波数fRは殆ど変化しない。
8つのミラー層からなる全体のミラーを有する共振器積層体が図9に示されている。第1の部分ミラーAS1は4つの第1のミラー層からなり、第2の部分ミラーAS2は4つの第2のミラー層からなる。第1のミラーは低い音響的なインピーダンスと高い音響的なインピーダンスを有する一連の第1のミラー層を表す。第2のミラーは低い音響的なインピーダンスと高い音響的なインピーダンスを有する一連の第2のミラー層を表す。この共振器積層体のその他の点に関しては図1および図2に関する説明が当てはまる。
全部で4つのミラー層を備えた音響的なミラーを有する、バルク超音波により動作する共振器を示す。 x≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第1の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ副モードの限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第3の共振器積層体における材料の横方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。 絶縁された共振器領域のkx≒0且つ副モードTS2’の限界周波数での副モードTS2に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された共振器領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ副モードUX3/4の限界周波数でのこの副モードUX3/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された音響的なミラー領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ副モードUX5/4の限界周波数でのこの副モードUX5/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された音響的なミラー領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ副モードTS2’/UX5/4の限界周波数でのこの副モードTS2’/UX5/4に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の音響的なミラー領域および共振器領域における材料の横方向の変位の実数部および虚数部を示す。 図3による第2の共振器積層体について計算された、絶縁されたミラー領域、絶縁された共振器領域および全体の共振器積層体内を伝播するモードに関する分散曲線を示す。 横ミラーを備えていない共振器積層体と比較した(シミュレーション)、縦方向主モードTE1に関する部分ミラーおよび全体の共振器積層体の透過係数と周波数の関係を示す。 横ミラーを備えていない共振器積層体と比較した(シミュレーション)、横モードTS2に関する部分ミラーおよび全体の共振器積層体の透過係数と周波数の関係を示す。 全部で4つのミラー層を備えた種々の共振器積層体に関して計算された分散曲線を示す。 全部で8つのミラー層を備えた種々の共振器積層体に関して計算された分散曲線を示す。 全部で8つのミラー層を備えた音響的なミラーを有する、バルク超音波により動作する共振器を示す。 絶縁された共振器領域のkx≒0且つ主モードTE1の限界周波数での主モードTE1に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体の絶縁された共振器領域における材料の縦方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。 x≒0且つ主モードの限界周波数での主モードTE1に関する縦方向に依存する、第2の共振器積層体における材料の縦方向の変位の計算された実数部および虚数部を示す。
符号の説明
1 材料の横方向の変位の実数部、 2 材料の横方向の変位の虚数部、 103 第2の部分ミラーを備えていない共振器におけるミラー全体を通過する縦波の透過率、 111 第1の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 112 第1の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 113 第1の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する縦波の透過率、 131 第2の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 132 第2の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 133 第2の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する縦波の透過率、 151 第3の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 152 第3の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する縦波の透過率、 153 第3の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する縦波の透過率、 203 第2の部分ミラーを備えていない共振器におけるミラー全体を通過する横波の透過率、 211 第1の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する横波の透過率、 212 第1の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する横波の透過率、 213 第1の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する横波の透過率、 231 第2の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する横波の透過率、 232 第2の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する横波の透過率、 233 第2の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する横波の透過率、 251 第3の積層体を備えた共振器における第1の部分ミラーを通過する横波の透過率、 252 第3の積層体を備えた共振器における第2の部分ミラーを通過する横波の透過率、 253 第3の積層体を備えた共振器におけるミラー全体を通過する横波の透過率、 E1,E2 電極、 fR 共振器の共振周波数、 fc,TS2 横モードTS2の限界周波数、 IS 絶縁層、 L 共振器領域の横方向の横断面積、 PS 圧電層、 TE1−1 第1の積層体を備えた共振器における主モードTE1に関する分散曲線、 TE1−3 第2の積層体を備えた共振器における主モードTE1に関する分散曲線、 TE1−5 第3の積層体を備えた共振器における主モードTE1に関する分散曲線、 TS2−1 第1の積層体を備えた共振器における横モードTS2に関する分散曲線、 TS2−3 第2の積層体を備えた共振器における横モードTS2に関する分散曲線、 TS2−5 第3の積層体を備えた共振器における横モードTS2に関する分散曲線、 TS2’−1,TS2’−3 第1の積層体ないし第2の積層体を備えた共振器における別の横モードTS2’に関する分散曲線、 λTE1 共振器の共振周波数での主モードの波長、 λTE2 共振器の共振周波数での副モードの波長

Claims (24)

  1. 共振器積層体を備えたバルク超音波により動作する共振器において、
    −共振器領域(RE)を有し、該共振器領域(RE)内を音響的な主モードおよび音響的な副モードが伝播し、
    −音響的なミラーを有し、該音響的なミラーは前記共振器領域内に前記主モードを閉じ込めるために設けられている第1の部分ミラー(AS1)と第2の部分ミラー(AS2)とを包含し、
    −前記第1の部分ミラー(AS1)は前記共振器領域(RE)と前記第2の部分ミラー(AS2)との間に配置されており、
    −前記第2の部分ミラー(AS2)は前記共振器の共振周波数において、前記第1の部分ミラー(AS1)および前記共振器領域(RE)を包含する共振空間内に前記副モードを閉じ込めることに適していることを特徴とする、共振器。
  2. −縦方向が前記共振器積層体の厚み方向に延びており、横方向が前記共振器積層体の水平方向の平面に平行に延びており、
    −前記主モード(TE1)は前記縦方向に偏極されている音響波であり、
    −前記副モード(TS2)は前記横方向に偏極されている音響波である、請求項1記載の共振器。
  3. −前記共振器の前記共振周波数では、前記共振器領域(RE)のミラー側とは反対側の境界面に前記主モードの波腹が生じ、該波腹に続く前記主モードの波腹は実質的に前記共振器領域(RE)のミラー側の境界面に生じ、
    −前記共振器の前記共振周波数では、前記共振器領域(RE)のミラー側とは反対側の境界面に前記副モードの波腹が生じ、該波腹の次の次の前記副モードの波腹は実質的に前記共振器領域(RE)のミラー側の境界面に生じる、請求項1または2記載の共振器。
  4. −基板(SU)を有し、該基板(SU)上には前記共振器積層体が配置されており、
    −前記第2の部分ミラー(AS2)は前記第1の部分ミラー(AS1)と前記基板(SU)との間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の共振器。
  5. 前記第1の部分ミラー(AS1)は少なくとも1つの第1のミラー層を包含し、該第1のミラー層の厚さは実質的に(2n+1)λL/4であり、ここでλLは前記共振器の前記共振周波数での前記第1のミラー層の材料に関する前記主モードの波長であり、nは整数である、請求項1から4までのいずれか1項記載の共振器。
  6. 前記第2の部分ミラー(AS2)は少なくとも1つの第2のミラー層を包含し、該第2のミラー層の厚さは実質的に(2m+1)λS/4であり、ここでλSは前記共振器の前記共振周波数での前記第2のミラー層の材料に関する前記副モードの波長であり、mは整数である、請求項1から5までのいずれか1項記載の共振器。
  7. 前記第1の部分ミラー(AS1)は少なくとも2つの連続する第1のミラー層(AS11,AS12)を包含する、請求項5記載の共振器。
  8. 前記第2の部分ミラー(AS2)は少なくとも2つの連続する第2のミラー層(AS21,AS22)を包含する、請求項6記載の共振器。
  9. 前記第1の部分ミラー(AS1)と前記第2の部分ミラー(AS2)との間に少なくとも1つの中間層(ZS)が設けられており、該中間層(ZS)の厚さは前記第1のミラー層(AS11,AS12)の厚さと前記第2のミラー層(AS21,AS22)の厚さの間の厚さを有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の共振器。
  10. 前記副モードを使用する共振空間の大きさは前記第1のミラー層(AS11,AS12)の数、層厚および材料によって調整されており、前記副モードの限界周波数fc,S=fS(kx,y=0)は前記共振器の前記共振周波数以下に調整されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の共振器。
  11. 前記副モードを使用する共振空間の大きさは前記第1のミラー層(AS11,AS12)の数の選択、前記第1のミラー層(AS11,AS12)の層厚および材料によって調整されており、前記副モードの限界周波数fc,S=fS(kx,y=0)は前記共振器の前記共振周波数以上に調整されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の共振器。
  12. 少なくとも1つの第1のミラー層および第2のミラー層の配置構成は、高い音響的なインピーダンスを有するミラー層と低い音響的なインピーダンスを有するミラー層が交互に配置されているミラー層を包含する、請求項6から11までのいずれか1項記載の共振器。
  13. −前記第1の部分ミラー(AS1)少なくとも1つの第1のミラー層を包含し、該第1のミラー層の厚さは実質的に(2n+1)λL/4であり、ここでλLは前記共振器の前記共振周波数での前記第1のミラー層の材料に関する前記主モードの波長であり、nは整数であり、
    −前記第1の部分ミラー(AS1)は前記共振器領域(RE)と対向している別の第1のミラー層を包含し、該別の第1のミラー層は低い音響的なインピーダンスを有し、該別の第1のミラー層の厚さは前記主モードの1/4波長とは異なる、請求項1から4、6および8から12までのいずれか1項記載の共振器。
  14. −音響的なミラー(AS)と前記基板(SU)との間に電気的に絶縁された層(IS)が配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載の共振器。
  15. −前記共振器領域内に前記副モードの2つの波腹が生じ、
    −前記副モードの別の波腹が前記共振器領域と対向する前記第1のミラー層(AS12)内に生じる、請求項5から13までのいずれか1項記載の共振器。
  16. 前記第2のミラー層(AS21,AS22)の数、該第2のミラー層(AS21,AS22)の層厚および材料は、前記副モード(TS2)の波節または波腹が該副モードの限界周波数fc,Sでは実質的に、前記共振器領域(RE)に対向する前記第2の部分ミラー(AS2)の境界面に存在するよう選定されている、請求項6から15までのいずれか1項記載の共振器。
  17. 前記第2のミラー層(AS21,AS22)の層厚はそれぞれの層の材料に依存して、前記第2のミラー層(AS21,AS22)のインピーダンスよりも低いインピーダンスを有する、前記第2のミラー層(AS21,AS22)の上に位置するミラー層(AS11,ZS)に由来する音響波が前記第2のミラー層(AS21,AS22)に入射する場合に、前記第2のミラー層(AS21,AS22)と前記第2のミラー層(AS21,AS22)の上に位置するミラー層(AS11,ZS)との境界に定在波の波節が生じるように選定されている、請求項16記載の共振器。
  18. 前記第2のミラー層(AS21,AS22)の層厚はそれぞれの層の材料に依存して、それぞれの第2のミラー層(AS22)が該第2のミラー層(AS22)の上に位置するミラー層(AS11)よりも低い音響的なインピーダンスを有する場合に、前記第2のミラー層(AS22)と前記第2のミラー層(AS22)の上に位置するミラー層(AS11)との境界に前記副モードの定在波の波腹が生じるように選定されている、請求項16記載の共振器。
  19. 別のミラー層は第1のミラー層(AS11)である、請求項17または請求項18記載の共振器。
  20. 別のミラー層は前記第1の部分ミラーと前記第2の部分ミラーとの間に配置されている中間層(ZS)であり、該中間層(ZS)の厚さは前記第1のミラー層の厚さと前記第2のミラー層の厚さの間の厚さを有する、請求項17または18記載の共振器。
  21. −前記共振器領域(RE)および前記第1の部分ミラー(AS1)により形成される配置構成の分散特性は単調に低下し、
    −前記第2のミラー層(AS21,AS22)の数、該第2のミラー層(AS21,AS22)の層厚および材料は共振器全体の分散特性が単調に増加するよう選定されている、請求項6から10および12から20までのいずれか1項記載の共振器。
  22. −前記第1の部分ミラー(AS1)は、高い音響的なインピーダンスと低い音響的なインピーダンスを交互に有する全部で4つの第1のミラー層を有し、
    −前記第2の部分ミラー(AS2)は、高い音響的なインピーダンスと低い音響的なインピーダンスを交互に有する全部で4つの第2のミラー層を有する、請求項6から21までのいずれか1項記載の共振器。
  23. −前記第2の部分ミラー(AS2)における前記副モードに関する反射係数は前記第1の部分ミラー(AS1)における前記副モードに関する反射係数よりも大きく、
    −前記第2の部分ミラー(AS2)における前記副モードに関する透過係数は前記第1の部分ミラー(AS1)における前記副モードに関する透過係数よりも少なくとも10dB小さい、請求項6から22までのいずれか1項記載の共振器。
  24. 前記主モードは、該主モードの共振周波数では前記共振器領域(RE)内の縦方向において実質的に1つの1/4波が生じていることを特徴とし、
    前記副モードは、該副モードの共振周波数では前記共振器領域(RE)内に実質的に1つの半波が生じることを特徴とする、請求項1記載の共振器。
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