JP4901401B2 - アルコール検出装置、および、アルコール検出方法 - Google Patents

アルコール検出装置、および、アルコール検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルコール検知センサを用いて雰囲気内に含まれるアルコールの濃度を検出する装置に関する。
近年、飲酒運転の罰則強化に伴い、警察による飲酒運転の取り締まりやタクシー業界などにおける業務前の飲酒チェックなどが厳しく行われるようになってきている。このような飲酒量のチェックを行う場合、一般的には、人間の嗅覚によって飲酒の一次検査とアルコール検出装置を用いた精密な検査とが行われる。
従来のアルコール検出装置の概要について説明すると、従来のアルコール検出装置は、検知部と測定部とを備えている。このうち検知部は、雰囲気を有するプラスチックなどで構成された筐体と、その奥方に設けられたアルコール検知センサとを備え、筐体表面の多孔から息を吹き掛けるようにしている。このような装置において、被験者が筐体の多孔から息を吹き掛けると、その息が雰囲気中に取り込まれ、アルコール検知センサの表面にアルコール成分が付着する。そして、アルコール成分がセンサの表面に付着すると、センサの抵抗値が、図9(a)に示すように低下していき、その抵抗値の変化に基づいてアルコール濃度が検出される。なお、図9(a)において、横軸は時間軸を示しており、横軸における「0」は息を吹き掛けた時間を示している。また、計測波形における極小点は息の吹き掛けを停止させた時点を示しており、息の吹き掛けに伴って抵抗値が徐々に下がっていき、息の吹き掛けの停止時点から徐々に抵抗値が元に戻るようになっている。このように抵抗値の極小点からアルコール濃度を検出すると、次に、アルコール検知センサの下方に設けられたヒーターによって表面に付着したアルコール成分を蒸発させ、筐体の多孔や側方に設けられた排気口から不要なアルコール成分などを放出させる。
ところで、このように従来のアルコール検出装置を用いてアルコール濃度を検出する場合、アルコール検知センサの表面にアルコール成分や水滴が付着してしまうため、ある程度の時間ヒーターによって加熱させて、その表面に付着したアルコール成分を取り除く必要がある。一般に、この加熱による放置時間としては、吹き掛け時間にもよるが、4秒程度の吹き掛けを行った場合には、120秒以上放置させなければ直前の被験者の影響が残って正確に検査できないとされている。このため、多くの者を検査する場合においては、非常に長い時間待たされしまうといった問題がある。
このような問題を解決するための方法として、下記の特許文献1には、応答性を高くして即座にアルコール濃度を検出できるようにした装置が提案されている。
この特許文献1に開示される装置は、アルコール検出センサの出力を増幅させる増幅回路と、このアルコールセンサの出力を微分する微分回路と、この増幅回路の出力と微分回路の出力とを加算して出力する加算回路とを備えるようにしている。一般に、アルコール濃度の検出値(ppm)は、息の吹き掛け時点から徐々に上昇していくことになるが、このような装置によれば、図9(b)に示すように、微分回路によって息の吹き掛けと同時に信号が急激に立ち上がるため、この立ち上がり状態を検出することにより即座にアルコール濃度を推定して飲酒状態をチェックすることができる。そして、この吹き掛け時間を短くすることによって、アルコール成分の蒸発までの時間を短くし、次の被験者までの待ち時間を大幅に短縮化させることができる。
特開平06−82411号公報
しかしながら、このようなアルコール検出装置を用いた場合であっても、次のような問題を生ずる。すなわち、このようなアルコール検出装置では、信号の立ち上がり状態のみを検出するものであるため、例えば、空気を肺に飲み込むことなく大量に空気を口腔内に含ませておき、これを雰囲気中に吹き掛けると、その吹き掛けた瞬間におけるアルコール濃度を検出してしまい、本来「不合格」と判定されるべきものが「合格」と判定されてしまう可能性がある。このため、アルコール濃度を迅速に判定することができたとしても、正確性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題に着目して、応答性が高く、即座にアルコール濃度を検出できるアルコール検出装置において、アルコール濃度を正確に検出できるようにしたアルコール検出装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、アルコール検知センサからの出力に基づいて雰囲気中のアルコール濃度に応じた検出結果を出力するアルコール検出装置において、アルコール検知センサの出力を微分する第一の演算と、当該第一の演算部で微分された値をさらに微分する第二の演算部とを備え、当該第二の演算部によって得られた微分値の絶対値が基準値以上である場合に、基準量以上の吹き掛けが行われたと判定し、当該基準量以上の吹き掛けが行われた状態で、前記第一の演算部によって得られたアルコール検知センサの出力の微分値に基づいて判定結果を出力するようにしたものである。
本発明によれば、息の吹き掛けに伴う信号の立ち上がり状態に基づいて迅速にアルコール濃度を検出することができるとともに、吹き掛け時において口腔内の空気のみを吹き掛けたとしても流量不足として再検査を促すことができ、正確かつ迅速に検査を行うことができるようになる。また、ソフトウェアによるアルゴリズムによって吹き掛け状態を判定することができるため、現在市場に流通しているアルコール検出装置の構造を用いて吹き掛け状態をも判定することができるようになる。
以下、本発明の一実施の形態におけるアルコール検出装置1について説明する。図1はアルコール検出装置1の機能ブロック図を示したものであり、図2は、そのアルコール検出部2の断面構造を示したものである。
この実施の形態におけるアルコール検出装置1は、被験者である人間が息を吹き掛けるためのアルコール検出部2と、このアルコール検出部2に吹き掛けられた息からアルコール濃度を検出する測定装置3とを備えて構成される。
まず、アルコール検出部2について説明すると、アルコール検出部2は、図2に示すように、筐体21で囲まれた雰囲気25の奥方にアルコール検知センサ23を備えており、センサからの出力によってアルコール濃度を検出する。このアルコール検出部2は、この実施の形態では、複数の被験者を連続して検査できるように複数個設けられており、家庭用電源であるAC電源を用いて電力供給を行えるようにしている。
このアルコール検出部2における筐体21は、プラスチックなどの樹脂によって構成されており、その表面に複数の微小孔22を設けて、そこから被験者の息を吹き込めるようにしている。この微小孔22を介して吹き込まれた息は、その奥方に設けられた雰囲気25内に取り込まれ、さらに、その奥方に設けられたアルコール検知センサ23によってアルコール濃度が検出される。この雰囲気25の大きさについては、可能な限り小さく設定するのが好ましい。すなわち、雰囲気25を大きくした場合は、このアルコール検出部2を連続して使用した場合、前の被験者の息が完全に排出されることなく雰囲気25中に滞留してしまい、誤検出を生じてしまう可能性がある。このため、可能な限り雰囲気25を小さくするとともに、筐体21の側方に設けられた排気口26を介して雰囲気25内のガスを効率よく排出できるようにする。一方、アルコール検知センサ23は、その表面に付着したアルコール成分などに基づいて抵抗値を変化させるもので、アルコール成分が表面に多く付着するほど抵抗値が下がるようになっている。さらに、このアルコール検知センサ23の下方には、ヒーター24が一体的に取り付けられており、アルコール検知センサ23の表面に付着したアルコール成分などを蒸発させる。このヒーター24はAC電源などを用いて常時200℃〜400℃の温度を維持するように設定されており、これによってアルコール検知センサ23の表面に付着したアルコール成分や息に含まれる水蒸気などを蒸発させる。この蒸発したアルコール成分などは、筐体21に設けられた微小孔22や、もしくは、その筐体21の側方に設けられた排気口26を介して外部空間に放出されるが、効率よくガスを排出するためには、ファンなどの強制的な排気機構を設けるようにしてもよい。
一方、このアルコール検知センサ23に接続される測定装置3はタッチパネル式の表示部を備えてなるもので、タッチパネルを操作することによって複数のアルコール検知センサ23のうち、いずれのセンサを使用するかを選択して、アルコール濃度の検出結果を表示出力できる機能を有している。
この測定装置3の構成について図1の機能ブロック図を用いて説明すると、まず、前処理部31は、アルコール検知センサ23から出力された抵抗値を所定時間毎にサンプリングし、離散的な抵抗値を抽出する。そして、その抽出された信号からノイズなどを除去して抵抗値波形の信号を得る。
この前処理部31によって処理された信号波形について説明する。図3は、対数表であらわされた抵抗値−時間領域の信号波形であり、A点は息を吹き掛けた時点を示している。息を吹き掛けるとアルコール検知センサ23の抵抗値は減少し、吹き掛けの終了によって抵抗値のピークを迎える。そして、そこから徐々に抵抗値が元の状態に戻り、約120秒経過した後に元の抵抗値に戻るようになっている。この状態をアルコール濃度別に見てみると、図4に示すように、雰囲気25中のアルコール濃度が0.00mg/Lの場合、抵抗のピーク値は約7.1KΩとなり(図4(a))、以下同様に、0.05mg/Lの場合は約4.7KΩ(同図(b))、0.10mg/Lの場合は約2.3KΩ(同図(c))、0.15mg/Lの場合は約2.0KΩ(同図(d))、0.25mg/Lの場合は約1.2KΩ(同図(e))となり、これに伴って元の抵抗値に戻るまでの時間も徐々に長くなる。なお、図4においては、ピーク近傍の信号波形を拡大して示している。
次に、標準化部32では、この各アルコール濃度別における抵抗値−時間の信号波形について初期抵抗値を用いて無次元化する。一般に、息を吹き掛ける直前の初期抵抗値は、雰囲気25内に含まれるガスの影響を受けるために変化する可能性がある。例えば、図4において、0.00mg/Lの場合の初期抵抗値は約12KΩとなり、以下同様に、0.05mg/Lの場合は約18KΩ、0.10mg/Lの場合は19KΩ、0.15mg/Lと0.25mg/Lの場合は約20KΩとなっている。このため、各アルコール濃度の測定においてピークとなる抵抗値に影響を与えないように初期抵抗値(Rstd)を用いて無次元化し、図5に示すセンサ抵抗比のグラフを生成する。このとき、吹き掛け直前の抵抗値を基準とした各時間毎のセンサ抵抗比は、0.00mg/Lの場合0.61となり、以下同様に、0.05mg/Lの場合は0.31、0.10mg/Lの場合は0.23、0.15mg/Lの場合は0.17、0.25mg/Lの場合は0.12となり、アルコール濃度が上昇するにつれてセンサ抵抗比は小さくなる。
そして、このように初期抵抗の影響をなくした状態で、その信号波形を第一の演算部33で微分する。この微分は抵抗比の吹き掛けの瞬間から数サンプリング時間分差分することによって行う。一般に、アルコール検知センサ23に息を吹き掛けた場合、その吹き掛けの瞬間と同時に信号が急激に立ち上がることになり、また、センサ抵抗比のピークを迎える前の変曲点で微分値のピークを迎え、そこから徐々に微分値が元の状態に戻る。そして、センサ抵抗比がピークとなる地点で微分値がゼロとなり、そこから徐々に微分値が大きくなって再び微分値がゼロに戻る。この状態を図6に説明すると、吹き掛けと同時に微分値がほぼ線形に変化し、0.00mg/Lの場合、微分値のピークは-0.13となり、以下同様に、0.05mg/Lの場合は-0.21、0.10mg/Lの場合は-0.32、0.15mg/Lの場合は-0.40、0.25mg/Lの場合は-0.65となる。この微分値は、アルコール濃度に比例するため、メモリ35にあらかじめ記憶したピークの基準値と比較することによって「合格」、「不合格」、「再検査」の結果を表示部に出力する。現在の飲酒運転の取り締まりにおいては、アルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L以下が酒気帯び運転の基準となっているため、例えば、0.15mg/Lにおける微分値のピークである-0.40前後を再検査領域とし、例えば、微分値が0.10mg/Lの-0.32以下である場合は合格、0.25mg/Lの-0.65以上である場合は不合格とする。
また、吹き掛け状態を判定する場合、このアルコール検知センサ23を用いて流量を判定する。ここで、「流量」とは、単位時間当たりに吹き掛けられたガスの量(ml/s)を意味する。アルコール検知センサ23に息が吹き掛けられた場合、その流量に応じて、第一の演算部33で演算された微分値の信号波形が変化する。例えば、図7に示すように、基準となる吹き掛け流量の半分の流量で息を吹き掛けた場合は0.10mg/Lと0.15mg/Lの場合、微分値のピークはともに-0.3となり、基準流量の場合0.10mg/Lと0.15mg/Lの場合、それぞれ-0.30と-0.50、基準流量の倍の場合0.10mg/Lと0.15mg/Lで、それぞれ-0.55と-0.60と大きくなる。すなわち、基準流量よりも少ない流量で吹き掛けた場合は、微分値のピークが小さくなる。このため、微分値のピーク値の検出だけでは正確にアルコール濃度を検出することができない。そこで、流量を判定する場合、この基準値以上の吹き掛け流量が確保されているか否かを検出できるように、この実施の形態では、第一の演算部33で微分された信号についてさらに吹き掛け時点から差分演算(微分)を行い、微分値の立ち上がりの急激さを検出するようにしている。すなわち、図7において、吹き掛け流量が基準値の半分である場合、吹き掛け時点における微分値は小さくなっており(θが小さくなっている)、そこから基準値以上の吹き掛けが行われた場合微分値が大きくなる(θが大きくなっていく)。そこで、メモリ35にあらかじめ立ち上がりの値を記憶させておき、これと第二の演算部34で演算された微分値とを比較することによって基準流量以上の吹き掛けが行われた否かを判定する。そして、基準流量に対応する値よりも小さい微分値が検出された場合に「再吹き掛け要」として、また、基準値以上の微分値が検出された場合に「合格」とする。
そして、判定部36は、第一の演算部33と第二の演算部34によって演算された結果に基づいて合格、不合格、再検査の結果を判定し、出力部37を介してその判定結果を表示する。この際、基準流量以上の吹き掛け状態が判定されて、絶対値が基準値以上の微分値のピーク値が検出された場合、「不合格」という旨の判断を行って表示部に表示し、また、基準流量以上の吹き掛け状態が判定されて、絶対値が基準値以下の微分値のピーク値が検出された場合、「合格」という旨の判断を行って表示部に表示する。また、これ以外の場合は、吹き掛け流量が不足しているか、もしくは、ボーダーラインに近いアルコール濃度であるとして再検査を促す旨の表示を行う。
次に、このように構成されたアルコール検出装置1を用いてアルコール濃度を検出する場合の処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、前提として、被験者のアルコール濃度を検出するに際して、あらかじめ電源をONの状態にしておき、一定時間待機することによってアルコール検出部2におけるヒーター24を加熱させた状態にしておく。そして、一定の温度に達した状態で被験者による息の吹き掛けを許容する。
被験者がアルコール検出部2の微小孔22に向かって息を吹き掛けると、雰囲気25中に息が吹き込まれ、その息に含まれるアルコール成分がアルコール検知センサ23の表面に付着する。これに伴って、アルコール検出装置1は、前処理部31にてサンプリング時間毎に抵抗値を計測し(ステップS1)、ノイズを除去(ステップS2)した後に抵抗値の波形信号を抽出する。そして、この波形信号を吹き掛け直前の抵抗値で除して抵抗比を算出し、図6に示すような信号波形を得る(ステップS3)。そして、吹き掛け時点から所定のサンプリング時間までの微分処理を行い(ステップS4)、第一の演算部33にて抵抗値の変化を微分演算して微分値のピーク値を得る(ステップS5)。また、これとともに、第一の演算部33にて得られた各値について、さらに第二の演算部34にて微分(差分)処理を行い、息を吹き掛けた時点における立ち上がり状態(θ)を検出する(ステップS6)。そして、吹き掛け流量が基準値以上であり(ステップS7)、かつ、第一の演算部33における微分値のピークの絶対値が基準値以下である場合(ステップS8)は「合格」である旨の判断と表示出力を行い(ステップS9)、また、吹き掛け流量が基準値以上であり(ステップS7)、かつ、第一の演算部33における微分値のピークの絶対値が基準値以上である場合(ステップS10)は「不合格」である旨の出力を行う(ステップS11)。また、これ以外の場合、すなわち、吹き掛け流量が基準値に満たない場合や、第一の演算部33における微分値のピーク値がボーダーライン近傍にある場合は、「再検査」を行う旨の表示出力を行う(ステップS12)。このとき、「合格」、「不合格」、「再検査」の判断は、第一の演算部33によって微分値のピークを迎えた時点で判断されるため、従来のように、抵抗値がピークを迎えるまでの約半分の時間で判断される。そして、この判断が行われた時点で「検査終了」の報知信号を出力し、被験者による吹き掛けを終了する。そして、ヒーター24によってアルコール検知センサ23の表面に付着したアルコール成分を蒸発させ、次の被験者の検査を可能にする。このとき、アルコール検知センサ23への吹き掛け時間が、従来の約半分となっているために、初期抵抗値に戻るまでの時間も約半分に短縮化され、例えば、4秒の吹き掛けで120秒待機しなければならないところのものが、2秒の吹き掛けで60秒の待機で済むようになる。そして、この待機時間を経過した後、そのアルコール検出部2を用いて他の被験者の検査を行うようにし、また、この待機時間中においては、隣接して設けられた他のアルコール検出部2を用いて検査を行うようにする。
このように上記実施の形態によれば、アルコール検知センサ23からの出力に基づいて雰囲気25中のアルコール濃度に応じた検出結果を出力するアルコール検出装置1において、アルコール検知センサ23の抵抗値を微分演算(差分)し、信号の立ち上がり状態をみることによってアルコール濃度を検出するとともに、アルコール検知センサ23への吹き掛け状態を判定するようにしたので、正確かつ迅速な検査を行うことができるようになる。
また、吹き掛け状態を判定する場合、アルコール検知センサ23の出力を微分した値をさらに微分する第二の演算部34を備え、この第二の演算部34で得られた微分値の絶対値が基準値以上である場合に、基準量以上の吹き掛けが行われたと判定するようにしたので、ソフトウェアによるアルゴリズムによって吹き掛け状態を判定することができる。これにより、別途流量検出センサなどを取り付ける必要がなく、安価にアルコール検査装置を構成することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では第二の演算部34によって微分処理を行い、微分波形の立ち上がりの状態に基づいて吹き掛け状態を判定するようにしているが、これに限らず、第一の演算部33による微分値のピーク値に基づいて吹き掛け状態を判定するようにしてもよい。この場合、例えば、「合格」と判定される領域である0.05mg/Lの微分値のピーク値である-0.20を基準とし、この値よりも微分値のピーク値が小さい場合は吹き掛け流量が少ないと判定するようにしてもよい。また、このような微分によって吹き掛け状態を判定するのではなく、流量検出センサを取り付け、このセンサの出力によって基準量以上の吹き掛けが行われたか否かを判定するようにしてもよい。

また、上記実施の形態では、アルコール検出部2を複数設けておき、その中の一つのセンサを用いてアルコール濃度を検出するようにしているが、その測定の際に、他のアルコール検出部2を用いて外部環境(例えば、検査が行われている室内空間など)のアルコール濃度を検出し、この検出結果を用いて被験者のアルコール濃度の検査値を修正するようにしてもよい。このようにした場合、例えば、室内空間に灯油が置かれている状態や、アルコール成分を含む化粧品が置かれている場合などに有効となる。
さらに、上記実施の形態では、判定部36によって「合格」「不合格」「再検査」などの判断を行い、これを表示部に表示されるようにしているが、このような判断を人間に行わせるようにしてもよい。この場合、表示部には最終的な「合格」「不合格」「再検査」の結論を表示するのではなく、アルコール濃度と吹き掛け状態を示すデータをそれぞれ表示するとともに、それに対応して、判断基準となるアルコール濃度や吹き掛け状態などを表示させて、操作者によって合格、不合格、再検査を判断させるようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態では、アルコール検知センサ23として、抵抗値の変化するセンサを用いているが、このようなセンサに限らず、アルコール濃度に応じて信号の変化するセンサであればどのような種類のセンサを用いてもよい。
本発明の一実施の形態におけるアルコール検出装置の機能ブロック図 同形態におけるアルコール検出部の断面概略図 同形態に使用されるアルコール検知センサの抵抗値の変化を示す図 図3における各アルコール濃度別の抵抗値の変化を示す図 図4を初期抵抗値で無次元化したセンサ抵抗比を示す図 図5を微分して得られた値を示す図 同形態における吹き掛け流量に基づく微分波形の変化を示す図 同形態における処理のフローチャートを示す図 従来におけるアルコール検知センサの抵抗値を示す図
符号の説明
1・・・アルコール検出装置
2・・・アルコール検出部
3・・・測定装置
21・・・筐体
22・・・微小孔
23・・・アルコール検知センサ
24・・・ヒーター
25・・・雰囲気
26・・・排気口
31・・・前処理部
32・・・標準化部
33・・・第一の演算部
34・・・第二の演算部(吹き掛け状態判定手段)
35・・・メモリ
36・・・判定部
37・・・出力部

Claims (2)

  1. アルコール検知センサからの出力に基づいて雰囲気中のアルコール濃度に応じた検出結果を出力するアルコール検出装置において、
    アルコール検知センサの出力を微分する第一の演算と、
    当該第一の演算部で微分された値をさらに微分する第二の演算部とを備え、
    当該第二の演算部によって得られた微分値の絶対値が基準値以上である場合に、基準量以上の吹き掛けが行われたと判定し、当該基準量以上の吹き掛けが行われた状態で、前記第一の演算部によって得られたアルコール検知センサの出力の微分値に基づいて判定結果を出力するようにしたことを特徴とするアルコール検出装置。
  2. アルコール検知センサからの出力に基づいて雰囲気中のアルコール濃度に応じた検出結果を出力するアルコール検出方法において、
    アルコール検知センサの出力を微分する第一のステップと、
    当該微分された値をさらに微分する第二のステップとを備え、
    当該第二のステップで微分された微分値の絶対値が基準値以上である場合に、基準量以上の吹き掛けが行われたと判定し、当該基準量以上の吹き掛けが行われた状態で、前記第一のステップにおけるアルコール検知センサの出力の微分値に基づいて判定結果を出力するようにしたことを特徴とするアルコール検出方法。
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