以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示装置21の他、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段23a,23b、普通保留個数表示手段24等が設けられている。
画像表示装置21は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25b、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、指示演出表示手段30等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの第1,第2特別始動口(第1,第2特別図柄始動手段)27a,27bと、下側の第2特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
第1特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。第2特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは第1特別始動口27a、第2特別図柄表示手段23bは第2特別始動口27bに遊技球が入賞することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
第1,第2特別図柄には、例えば10種類の数字図柄「0」〜「9」と記号図柄「−」とが用いられており、「0」〜「9」が大当たり態様、「−」が外れ態様に設定されている。なお、第1,第2特別図柄は、夫々複数種類存在し且つそれらが互いに異なっていればよく、必ずしも数字図柄のような遊技者が容易に判別できるものである必要はない。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第1,第2特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bが夫々大当たり判定乱数値の記憶個数 (以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
第1,第2演出図柄表示手段25a,25bは、例えば第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動表示するもので、夫々1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示装置21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1演出図柄表示手段25aは第1特別始動口27a、第2演出図柄表示手段25bは第2特別始動口27bに遊技球が入賞することを条件に、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って第1,第2演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、第1,第2演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは同時に変動することはないため、表示画面21a上で第1,第2演出図柄表示手段25a,25bが同時に図柄変動表示を行うことはない。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bによる第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には,例えば第2特別図柄と同じ数字図柄よりなる大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。例えば、第1特別図柄が「7」で停止する場合には第1演出図柄は「7・7・7」で停止し、第1特別図柄が「−」で停止する場合には第1演出図柄は「3・4・5」等の任意の外れ態様で停止するようになっている。なお、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bは、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行うようにしてもよい。
第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2シンボルX,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2シンボルX,Yを互いに上下に対応させて表示するようになっている。
指示演出表示手段30は、遊技者に所定の行動を指示(又は示唆)する指示演出表示を行うもので、例えば表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に指示演出表示を出力するように構成されている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51b、第1,第2特別始動口チェック処理手段52a,52b、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53b、第1,第2特別図柄処理手段54a,54b、特別利益状態発生手段55、第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56b、特別遊技状態発生手段57、事前判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。
普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段61、普通停止図柄選択手段62、変動時間選択手段63等を備えている。
当たり判定手段61は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
なお本実施形態では、当たり判定手段61による当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、図5に示すように、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通停止図柄選択手段62は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には 「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。
変動時間選択手段63は、普通図柄の変動時間を選択するものである。本実施形態では、図5に示すように、特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別始動口27bの開閉手段28を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段63で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段62で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。なお本実施形態では、大当たり判定乱数が0〜349の範囲に、大当たり図柄乱数が0〜9の範囲に夫々設定されているものとする。
第1,第2特別始動口チェック処理手段52a,52bは、第1,第2特別始動口27a,27bへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別始動口27a,27bが遊技球を検出すること、即ち第1,第2特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段54a,54bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71b、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72b、第1,第2変動パターン選択手段73a,73b等を備えている。
第1,第2大当たり判定手段71a,71bは、乱数抽選により変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの大当たり判定を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
本実施形態では、後述する高確率状態中以外の通常確率状態中には0〜349のうちの例えば「7」が、高確率状態中にはその「7」に加えて「17」「27」等の複数個(例えば合計10個)が、大当たり判定値として設定されているものとする。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動が優先される。即ち、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れかの変動が終了して次の変動表示が可能な状態となったとき、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1大当たり判定手段71aによる処理が行われ、少なくとも第2特別保留個数が1以上であれば第2大当たり判定手段71bによる処理が行われるようになっている。
第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bは、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択するように構成されている。
例えば、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる判定結果が大当たり判定であった場合には、大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり図柄である「0」〜「9」の何れかが選択され、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる判定結果が外れ判定であった場合には、外れ図柄である「−」が選択される。
第1,第2変動パターン選択手段73a,73bは、第1,第2演出図柄の変動パターンを選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/外れの判定結果に基づいて、複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
特別利益状態発生手段55は、第1大当たり判定手段71a又は第2大当たり判定手段71bによる判定結果が大当たり判定となり、第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bの変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるものである。
特別利益状態中は、大入賞手段17が所定の開放パターンに従って開放されるようになっている。大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類用意されており、特別利益状態発生手段55によってそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図4に示すようにA,Bの2種類の開放パターンが設けられており、特別利益状態発生手段55は、第1特別図柄が大当たり図柄になった場合には、その大当たり図柄の種類、即ち大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンA,Bの何れかを選択し(図4(a))、第2特別図柄が大当たり図柄になった場合には、その大当たり図柄の種類に拘わらず開放パターンBのみを選択する(図4(b))ように構成されている。
開放パターンAは、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンAは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
開放パターンBは、大入賞手段17を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されている。この開放パターンBの場合、大入賞手段17への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンAに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56bは、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段54a又は第2特別図柄処理手段54bによる特別図柄処理に基づいて第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させ、第1,第2変動パターン選択手段73a,73bで選択された第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bで選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、時短状態発生手段57aと高確率状態発生手段57bとを備えている。
時短状態発生手段57aは、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しなかった場合(高確率判定値以外の値が特別遊技判定値の一例)に、特別遊技状態の一つとして、それ以外の通常遊技状態よりも第2特別始動口27bへの入球確率が高くなる時短状態を発生させるように構成されている。
なお、本実施形態では、高確率判定値として例えば1,3,5,7,9が設定されており、大当たり図柄乱数値がそれ以外の0,2,4,6,8の何れかと一致した場合に特別遊技状態として時短状態が発生するようになっている。
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
ここで、普通図柄の当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ切り換えられると、第2特別始動口27bが開状態となる確率も高くなるため、第2特別始動口27bへの入球確率が高くなる。また、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ切り換えられると、普通図柄の所定時間当たりの変動回数が増加するため、当たり確率が同じでも所定時間当たりの当たり回数は増加し、第2特別始動口27bへの入球確率が高くなる。第2特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ切り換えられることにより第2特別始動口27bへの入球確率が高くなるのは言うまでもない。
なお、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられても、第2特別始動口27bへの入球確率が高くなることはないが、この場合は第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる単位時間当たりの変動回数が増加して特別保留個数の消化が促進されることにより、保留満杯で始動口への入賞が無効になる可能性が低くなるため、遊技者にとって有利である。
また、時短状態にはその継続期間が異なる2種類があり、図4に示すように、例えば 「0」,「2」の何れかの図柄による大当たり態様となった場合に発生する時短状態aは第1,第2特別図柄が50回変動するまで、例えば「4」,「6」,「8」の何れかの図柄による大当たり態様となった場合に発生する時短状態bは第1,第2特別図柄が100回変動するまで継続して終了するようになっている。
高確率状態発生手段57bは、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値(特別遊技判定値の一例)、例えば1,3,5,7,9の何れかと一致した場合に、特別遊技状態の一つとして高確率状態を発生させるように構成されている。
高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。なお、本実施形態では、高確率状態中は同時に時短状態も発生するように構成されているものとする。
事前判定手段58は、第1,第2特別始動口27a,27bが遊技球を検出したときに、その検出によって取得された大当たり判定乱数値の内容を判定するもので、その大当たり判定乱数値が、高確率状態中の大当たり判定値にのみ一致するもの(以下、「高確率時大当たり保留記憶」という)、通常確率状態中の大当たり判定値と一致するもの(以下、「通常確率時大当たり保留記憶」という)、大当たり判定値とは一致しないもの(以下、「外れ保留記憶」という)の何れであるかを判定するように構成されている。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段54a,54bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別停止図柄を指定する第1,第2特別停止図柄指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止を指定する第1,第2変動停止指定コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、事前判定手段58による判定結果に基づいて、第1,第2特別保留個数を指定する第1,第2特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
ここで、第1,第2特別保留個数指定コマンドは、例えば図6に示すように、保留1から保留4までの4つの保留記憶に対応する4種類のコマンドが、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の3種類に対応して3組設けられている。
演出制御基板32は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25b、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄表示制御手段83、特別保留個数表示制御手段84、遊技状態判定手段85、指示演出制御手段86、音声制御手段87、ランプ制御手段88等を備えている。
演出図柄表示制御手段83は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bの表示制御を行うもので、主制御基板31側から第1,第2変動パターン指定コマンドの何れかを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて画像表示装置21の表示画面21a上で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を開始させると共に、第1変動停止指定コマンド又は第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1特別停止図柄指定コマンド又は第2特別停止図柄指定コマンドと第1変動パターン指定コマンド又は第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を停止させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段84、遊技状態判定手段85及び指示演出制御手段86は、事前判定手段58による判定結果に基づいて予告演出を行う予告演出制御手段89を構成している。
特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示制御を行うもので、次に示すような手順で表示画面21a上の第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bへの第1,第2シンボルX,Yの表示を制御するようになっている。
即ち、第1,第2特別始動口27a,27bが新たに遊技球を検出した場合には、特別保留個数表示制御手段84は主制御基板31から送信される第1,第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、それが何個目の保留記憶であるか、及びその保留記憶が外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかを判定し、それら外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類を例えば色で区別した状態で、画像表示装置21の表示画面21a上の所定位置に第1,第2シンボルX、Yを1個追加的に表示するようになっている。
本実施形態では、第1,第2シンボルX,Yの色を、外れ保留記憶の場合には緑(図面上では斜線で示す)、通常確率時大当たり保留記憶の場合には黄(図面上では網掛けで示す)、高確率時大当たり保留記憶の場合には赤(図面上では黒塗りで示す)とするが(図6参照)、例えば第1,第2シンボルX,Yの大きさ、模様、形状等を異ならせることにより外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類を区別してもよい。
なお、このような第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bへの第1,第2シンボルX,Yの表示態様によって外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類を区別して遊技者に報知することが予告演出表示の一例である。
また、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動が新たに開始され、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド、例えば第1,第2変動パターン指定コマンドを受信することを条件に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bに表示されている1番目の第1,第2シンボルを消去すると共に、2番目以降の第1,第2シンボルが表示されている場合にはそれらを1個ずつ前側にシフトするようになっている。
遊技状態判定手段85は、主制御基板31から送信される特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等に基づいて、時短状態中か否かを判定するように構成されている。なお、本実施形態の場合には、高確率状態中は必ず時短状態中であるため、時短状態中か否かの判定は、即ち特別利益状態中か否かの判定となる。
指示演出制御手段86は、指示演出表示手段30の表示制御を行うもので、例えば図7に示すような指示演出制御処理を、微少時間間隔(例えば4msec毎)で行われる定期割込毎に実行するように構成されている。図7に示すように、指示演出制御手段86による指示演出制御処理では、例えばカウンタ設定処理(S1)、カウンタ減算処理(S2)及び指示演出処理(S3)が実行されるようになっている。
カウンタ設定処理(S1)は、例えば図8に示すように、まず第1特別保留個数指定コマンドを受信したか否かが判定され(S11)、受信したと判定された場合にはその第1特別保留個数指定コマンドが通常確率時大当たりに対応するB411H〜B414H、高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかであるか否かが判定される (S12)。そして、受信した第1特別保留個数指定コマンドが通常確率時大当たりに対応するB411H〜B414H、高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかであれば、大当たりカウンタにその時点での第1特別保留個数の値、例えば第1特別保留個数指定コマンドが保留3に対応するB413Hであれば3がセットされる(S13)。
カウンタ減算処理(S2)は、例えば図9に示すように、まず第1特別図柄の変動が開始したか否か、即ち例えば第1変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判定され (S21)、第1特別図柄の変動が開始されたと判定された場合には大当たりカウンタの値が0より大であるか否かが判定される(S22)。そして、大当たりカウンタの値が0より大であれば、大当たりカウンタの値から1が減算される(S23)。
このように、大当たりカウンタは、通常確率時大当たり又は高確率時大当たりに対応する第1特別保留個数指定コマンドを受信したときにその時点での第1特別保留個数の値がセットされ(図8のS13)、その後に第1特別図柄が変動する毎に1ずつ減算される (図9のS23)。即ち、大当たりカウンタの値は、第1特別図柄側の保留記憶に大当たりに対応する大当たり判定乱数値が存在する場合に、その大当たり判定乱数値が図柄変動に供されるまでの第1特別図柄の変動回数を示しており、この大当たりカウンタの値が0より大となっている期間が、事前判定手段58により大当たり判定値と一致すると判定された大当たり判定乱数値が第1特別図柄の変動に供されるまでの大当たり保留期間となる。
なお、本実施形態では、大当たり保留期間中に新たに大当たりに対応する第1特別保留個数指定コマンドを受信した場合には、大当たりカウンタの値はその時点の第1特別保留個数の値に更新され(図8)、大当たり保留期間はその新たな大当たり判定乱数値が第1特別図柄の変動に供されるまで延長される。
そして、S23による減算後の大当たりカウンタの値が0となって大当たり保留期間が終了したとき(S24:Yes)、例えばその大当たり保留期間の開始時から行われていた「発射を続けろ!」等の指示演出表示が停止される(S25)。なお、この指示演出表示の開始処理は後述する指示演出処理(S3)内で行われる。
指示演出処理(S3)は、例えば図10に示すように、時短状態中であるか否かの判定(S31)と、大当たりカウンタの値が0より大であるか否か、即ち大当たり保留期間中であるか否かの判定(S32)とが行われ、時短状態中で且つ大当たり保留期間中であると判定された場合に、指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等、優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさない方が有利であることを示唆する指示演出表示が行われる(S33)。
ここで、それ以前から時短状態中で且つ大当たり保留期間中となっていた場合には、それ以前から行われている指示演出表示をそのまま継続的に行えばよいし、例えば時短状態中に新たに大当たり保留期間が開始された場合や、大当たり保留期間中に時短状態に移行した場合については、新たに指示演出表示を開始すればよい。
なお、このように大当たり保留期間中で且つ時短状態中である場合に指示演出表示手段30に表示する指示演出表示が予告演出表示の一例である。
音声制御手段87は、スピーカー等の音声出力手段81の音声出力制御を行うもので、主制御基板31側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段81から所定の効果音等を出力させるようになっている。ランプ制御手段88は、ランプ手段82等の表示制御を行うもので、主制御基板31側からのランプ制御コマンドに基づいてランプ手段82等を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上のような本パチンコ機においては、通常遊技状態中における第2特別始動口27bの開閉パターン(通常開閉パターン)は例えば0.2秒×1回であるため、この通常遊技状態では第1特別始動口27aへの入賞に比べて第2特別始動口27bへの入賞はごく僅かとなり、従って特別図柄変動についてもその殆どが第1特別図柄表示手段23aによる第1特別図柄の変動となる。
第1特別図柄表示手段23aによる第1特別図柄の変動の場合、変動後の停止図柄が大当たり態様になれば特別利益状態が発生し、開放パターンA,Bの何れかに従って大入賞手段17が開放する。ここで、開放パターンBが選択された場合には、大入賞手段17が開放してから28秒間経過するかそれまでに9個の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作が15ラウンド行われるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができるが、開放パターンAが選択された場合には、0.2秒間の開放動作が2ラウンド行われるだけであるため、遊技者は殆ど賞球を得ることができない。
そしてその特別利益状態が終了すると、特別遊技状態として所定期間にわたって高確率状態、時短状態a,bの何れかが発生する。特別遊技状態中は、それが高確率状態、時短状態a,bの何れであっても、第2特別始動口27bの開閉パターンは2秒×3回開放の特別開閉パターンとなり、しかも普通図柄は当たり確率が高確率となり且つ変動時間が短縮されるため、通常遊技状態に比べて第2特別始動口27bへの入賞確率が格段に増加する。しかも第1特別保留個数と第2特別保留個数とが共に1以上の場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動が優先して行われる。
これにより、特別遊技状態中は、例えばその殆どが第2特別図柄表示手段23bによる第2特別図柄の図柄変動となるが、この第2特別図柄の図柄変動において変動後の停止図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生した場合には、必ず開放パターンBが選択されるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができる。
なお、特別遊技状態の発生時及び終了時には、主制御基板31側から演出制御基板32側に特別遊技状態発生コマンド及び特別遊技状態終了コマンドが送信され、演出制御基板32側の遊技状態判定手段85はそれらのコマンドに基づいて時短状態中か否かを判定する。
第1特別始動口27a又は第2特別始動口27bが遊技球を検出すると、それによって取得された大当たり判定乱数値がその取得された時点で事前判定手段58により外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかが判定され、その判定結果に基づいて、制御コマンド送信手段59から演出制御基板32側に第1特別保留個数指定コマンド又は第2特別保留個数指定コマンドが送信される。
そして、演出制御基板32側では、特別保留個数表示制御手段84が、主制御基板31から受信した第1特別保留個数指定コマンド又は第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、それが何個目の保留記憶であるか、及びその保留記憶が外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかを判定し、画像表示装置21の表示画面21a上の所定位置に、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類に対応する色の第1,第2シンボルX、Yを1個追加的に表示する。
例えば、第1特別保留個数が1個、第2特別保留個数が1個(全て外れ保留記憶であるとする)の状態、即ち第1特別保留個数表示手段26aに緑色の第1シンボルXが1つ、第2特別保留個数表示手段26bに緑色の第2シンボルYが1つ表示されている状態で (図11(a))、主制御基板31から第1特別保留個数指定コマンドとしてB412Hが送信された場合、この第1特別保留個数指定コマンドB412Hは、第1特別保留個数の2番目で、通常確率時大当たりに対応しているため(図6)、特別保留個数表示制御手段84の制御により第1特別保留個数表示手段26aの2番目の表示位置に黄色の第1シンボルXが追加的に表示される(図11(b))。
また、主制御基板31から第1特別保留個数指定コマンドを受信した場合には(図8のS11:Yes)、指示演出制御手段86は、その第1特別保留個数指定コマンドが通常確率時大当たりに対応するB411H〜B414H、高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかであることを条件に(図8のS12:Yes)、大当たりカウンタに第1特別保留個数の値をセットする(図8のS13)。例えば図11(b)の場合、大当たりカウンタには2がセットされる。
そして、指示演出制御手段86は、時短状態中で(図10のS31:Yes)、且つ大当たりカウンタの値が0よりも大(図10のS32:Yes)である場合には、指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等の指示演出表示を例えば継続的に行う(図10のS33,図11(b))。
このように、時短状態中で且つ大当たり保留期間中である場合には、その大当たり保留期間が終了するまでに、即ち第1特別図柄で大当たり態様となる図柄変動を行う前に、時短による利益を最大限享受すべく、指示演出表示に従って優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさないようにそのまま発射を継続するほうが遊技者にとって有利であり、実質的に遊技者の技術介入が可能である。
第2特別図柄表示手段23bによる図柄変動が終了すると(図11(c))、主制御基板31から演出制御基板32側に第2変動パターン指定コマンドが送信されて第2特別図柄表示手段23bによる次の図柄変動が開始されるが(図11(d))、その第2変動パターン指定コマンドを受信した特別保留個数表示制御手段84の制御により、第2特別保留個数表示手段26bに表示されている第2シンボルYが1個ずつ前側にシフトされ、図11(d)では結果的に第2特別保留個数表示手段26bの第2シンボルYは全て消滅した状態となる。
第2特別図柄表示手段23bによる最後の図柄変動が終了し(図11(e))、続いて主制御基板31から演出制御基板32側に第1変動パターン指定コマンドが送信されて第1特別図柄表示手段23aによる次の図柄変動が開始されると、特別保留個数表示制御手段84により第1特別保留個数表示手段26aに表示されている第1シンボルXが1個ずつ前側にシフトされる(図11(f))と共に、指示演出制御手段86により、その時点での大当たりカウンタの値が0より大であることを条件に(図9のS21:Yes→S22:Yes)、大当たりカウンタの値が1減算される(図9のS23)。図11(f)では大当たりカウンタの値が2から1に減算される。
そして、通常確率時大当たりに対応する第1特別図柄表示手段23a側の図柄変動が開始されると(図11(g),(h))、大当たりカウンタの値は0となるから( 図9のS24:Yes) 、指示演出制御手段86により、指示演出表示手段30に表示されていた「発射を続けろ!」等の指示演出表示が停止される(図9のS25)。
一方、主制御基板31から受信した第1特別保留個数指定コマンドが高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかであった場合には、第1特別保留個数表示手段26aに赤色の第1シンボルXが表示されるが(図12(a),(b))、この場合も大当たりカウンタに第1特別保留個数の値がセットされる(図8のS11:Yes→S12:Yes→S13)。例えば図12(b)の場合、大当たりカウンタには2がセットされる。
しかしながら、大当たりカウンタの値が0よりも大であっても(図10のS32)、時短状態中でなければ(図10のS31)、図12(a),(b)に示すように指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等の指示演出表示は行われない。
そしてその後、大当たりカウンタの値が0になるまでに例えば第2特別図柄側の図柄変動において大当たり態様となり(図12(c))、その特別利益状態の終了後に時短状態が発生すると、その時点、即ち時短状態に移行した時点で指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等の指示演出表示が行われる(図12(d))。それ以降の表示演出は例えば図11(e)〜(h)と略同様となる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、第1,第2特別図柄始動手段27a,27bが遊技球を検出したときに、その検出によって取得された大当たり判定乱数値の内容を判定する事前判定手段58と、この事前判定手段58による判定結果に基づいて予告演出を行う予告演出制御手段89とを備え、予告演出制御手段89は、遊技者に所定の行動を指示又は示唆する指示演出表示を行う指示演出制御手段86を含み、非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得され且つ事前判定手段58により大当たり判定値と一致すると判定された大当たり判定乱数値が第1特別図柄の変動に供されるまでの大当たり保留期間中に時短状態に移行した場合に、指示演出制御手段86により、優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさない方が有利である旨の指示演出表示を行うように構成されているため、遊技者はその指示演出表示に従って優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさないようにそのまま発射を継続することにより、より自分に有利な状況とすることができ、実質的に遊技者の技術介入が可能である。
また、指示演出制御手段86は、大当たり保留期間中で且つ時短状態中であるか否かの判定を微少時間間隔で繰り返し行い、大当たり保留期間中で且つ時短状態中であると判定された場合に、優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさない方が有利である旨の表示を行うように構成されているため、大当たり保留期間中に時短状態に移行した場合はもちろん、時短状態中に大当たり保留期間が開始された場合も、その時点で確実に指示演出表示を開始できる利点がある。
更に、第2特別図柄始動手段27bは、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて行われる普通抽選で当たりとなった場合に入賞可能な開状態となる開閉式入賞手段により構成され、特別遊技状態中の方がそれ以外の通常遊技状態中よりも第2特別図柄始動手段27bの開放時間及び/又は開放回数が大となるように構成されているため、高確率状態中であれば、発射操作の継続/中断を切り換えることで、遊技者は優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶の維持/消化をある程度コントロールすることが可能である。
図13及び図14は本発明の第2の実施形態を例示し、大当たり保留期間中に時短状態に移行した場合であっても、その大当たり保留期間に係る大当たり判定乱数値が高確率状態中にのみ大当たり判定値と一致するもので、且つ時短状態中であると同時に高確率状態中である場合には、優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさない方が有利である旨の表示を行わないように構成した例を示している。
第1の実施形態で示したように、大当たり保留期間中で且つ時短状態中である場合には、基本的には時短状態が終了するまでは優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさないようにそのまま発射を継続するほうが遊技者にとって有利であると考えられる。
しかしながら、その大当たり保留期間に係る大当たり判定乱数値が高確率状態中にのみ大当たり判定値と一致する高確率時大当たり保留記憶であり、且つ時短状態中であると同時に高確率状態中である場合に限っては、優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさないようにそのまま発射を継続すると遊技者が不利になる場合が多いと考えられる。
即ち、例えば遊技者がそのまま発射を継続し、第2特別図柄表示手段23b側で高確率状態とならない大当たり態様となって高確率状態が終了してしまった場合には、その後に第1特別図柄表示手段23aによる高確率時大当たり保留記憶に係る図柄変動が行われても大当たり態様とはならないが、遊技者が例えば発射を中断し、優先側の第2特別図柄表示手段23b側の保留記憶がそのまま全てなくなれば、高確率状態のまま第1特別図柄表示手段23aによる高確率時大当たり保留記憶に係る図柄変動が行われ、大当たり態様となるからである。
そこで本実施形態では、指示演出制御手段86による指示演出制御処理(図7)のカウンタ設定処理(S1)において、図13に示すように、通常確率時大当たりに対応するB411H〜B414H、高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかの第1特別保留個数指定コマンドを受信して、S13において大当たりカウンタに第1特別保留個数の値をセットした後、S14〜S16において、その第1特別保留個数指定コマンドが高確率時大当たりに対応するB421H〜B424Hの何れかであれば例えば高確率時大当たりフラグに1を、通常確率時大当たりに対応するB411H〜B414Hの何れかであれば例えば高確率時大当たりフラグに0を夫々セットすることにより、大当たり保留期間に係る保留記憶が高確率時大当たり保留記憶であるか通常確率時大当たり保留記憶であるかを区別して記憶するようになっている。
そして、指示演出制御処理(図7)の指示演出処理(S3)では、図14に示すように、時短状態中で且つ大当たり保留期間中であると判定された場合には(S31:Yes→S32:Yes)、高確率時大当たりフラグが1でないか(S32a:No)、又は高確率時大当たりフラグが1であっても高確率状態中でない場合には(S32a:Yes→S32b:No)、指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等の指示演出表示を行い (S4)、高確率時大当たりフラグが1であって高確率状態中である場合には(S32a:Yes→S32b:Yes)、指示演出表示手段30に「発射を続けろ!」等の指示演出表示は行わず、例えば優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を早くなくした方が有利であることを示唆する「発射を止めろ!」等の指示演出表示を行う(S32c)ようになっている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、予告演出制御手段89として、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bに表示される第1,第2シンボルX,Yの表示態様(例えば色)によってその保留記憶の内容、例えば外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の別を報知する特別保留個数表示制御手段84と、その保留記憶の内容に応じて、指示演出表示手段30により遊技者に所定の行動を指示(又は示唆)する指示演出表示を行う指示演出制御手段86とを設けたが、例えば特別保留個数表示制御手段84については第1,第2特別保留個数のみを表示して予告演出は行わないようにしてもよい。
指示演出制御手段86による指示演出表示は、「発射を止めろ/続けろ」の他、「第2図柄の保留をなくせ/維持せよ」等、遊技者に所定の行動をとることが有利であることを指示又は示唆するものであればどのようなものでもよい。また、第1,第2特別図柄の何れかに対応するランプを点灯させる等により所定の行動を示唆するものであってもよい。
実施形態では、高確率状態中は必ず時短状態となるように構成したが、時短状態を伴わない高確率状態を設けてもよい。即ち本発明は、非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得され且つ事前判定手段58により大当たり判定値と一致すると判定された大当たり判定乱数値が第1特別図柄の変動に供されるまでの大当たり保留期間中に時短状態に移行した場合に、それが高確率状態中であるか否かに拘わらず、指示演出制御手段86により優先側の第2特別図柄表示手段23bの保留記憶を絶やさない方が有利である旨の表示を行うようにすればよい。
予告演出制御手段89による演出を行うタイミング及びその期間は任意であり、実施形態のように指示演出表示手段30による指示演出表示をその対象となる保留記憶が消化されるまで継続的又は断続的に行ってもよいし、それよりも短い所定期間だけ行うようにしてもよい。また、予告演出制御手段89による演出は、乱数抽選等により所定の確率で行うようにしてもよいし、所定条件が成立した場合、例えば所定の遊技状態中にのみ行うようにしてもよい。
実施形態では、大当たり保留期間中であるか否かを演出制御基板32側で管理する方法の一例として大当たりカウンタを用い、この大当たりカウンタの値が0より大となっている期間が大当たり保留期間となるように、通常/高確率時大当たりに対応する第1特別保留個数指定コマンドを受信したときにその時点での第1特別保留個数の値を大当たりカウンタにセットし、その後に第1特別図柄が変動する毎に大当たりカウンタの値を1ずつ減算するように構成したが、例えば通常/高確率時大当たりに対応する第1特別保留個数指定コマンドを受信したときにその時点での第1特別保留個数と第2特別保留個数との合計値を大当たりカウンタにセットし、その後に第2特別保留個数が増加する毎にカウンタの値に1を加算し、第1,第2特別図柄の変動が開始される毎(例えば第1,第2変動パターン指定コマンドを受信する毎)にカウンタの値を1ずつ減算するように構成してもよい。
大当たりカウンタは、遊技状態が変化した場合(例えば第2特別図柄側で大当たりが発生した場合)など、所定条件が成立したときに0クリアするように構成してもよい。
また、予告演出制御手段89による演出は、乱数抽選等により所定の確率で行うようにしてもよいし、所定条件が成立した場合、例えば所定の遊技状態中にのみ行うようにしてもよい。遊技者に有利にならない行動を指示又は示唆する、いわゆるガセの指示演出表示を行うようにしてもよいが、指示演出表示の趣旨から考えて好ましいとは言えない。
事前判定手段58は、予告演出の内容に応じて、大当たり判定乱数値だけでなく例えば大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値とを判定してもよい。事前判定手段58が大当たり図柄乱数値に関して判定する内容としては、例えば高確率大当たり(通常の15ラウンド等の大当たりの後に高確率状態となるもので、図4では第1特別図柄側の大当たり図柄乱数値5,7,9、第2特別図柄側の大当たり図柄乱数値1,3,5,7,9に対応)となるか否か、通常確率大当たり(通常の15ラウンド等の大当たりの後に時短状態となるもので、図4では第1特別図柄側の大当たり図柄乱数値4,6,8、第2特別図柄側の大当たり図柄乱数値0,2,4,6,8に対応)となるか否か、いわゆる突然確変(殆ど賞球を得られない2ラウンドの大当たりの後に高確率状態となるもので、図4(a)では大当たり図柄乱数値1,3に対応)となるか否か、いわゆる突然時短(殆ど賞球を得られない2ラウンドの大当たりの後に時短状態となるもので、図4(a)では大当たり図柄乱数値0,2に対応)となるか否か等が考えられる。
また、大当たり判定乱数値に基づいていわゆる小当たり(大入賞手段が突然確変の場合と同様のパターンで短時間開放するもの)を抽選するタイプのパチンコ機においては、事前判定手段58が大当たり判定乱数値に基づいて小当たりとなるか否かを判定するように構成してもよい。
第1,第2特別保留個数指定コマンドは、予告演出の内容に応じて、各保留記憶に関する任意の情報を区別しうるように構成すればよい。例えば、通常確率状態となる大当たり態様に対応する保留記憶の場合と、高確率状態となる大当たり態様に対応する保留記憶の場合とで異なる演出、例えば異なる指示演出表示を行うように構成する場合には、第1,第2特別保留個数指定コマンドを、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の3種類を区別しうるだけでなく、大当たり図柄乱数値に基づいて高確率状態となる大当たりに対応する保留記憶であるか否かを区別しうるように構成すればよい。
実施形態では、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動が新たに開始され、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信される第1,第2変動パターン指定コマンドを受信することを条件に第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示を更新するように構成したが、例えば減少後の第1,第2特別保留個数を指定するコマンドを設け、そのコマンドを受信することを条件に第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示を更新するように構成してもよい。
実施形態では、第1特別図柄表示手段23a側の第1特別乱数作成処理手段51aと第2特別図柄表示手段23b側の第2特別乱数作成処理手段51bとを別々に設け、大当たり判定乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン選択乱数等の各乱数を全てそれら第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bで別個に生成するように構成したが、それら大当たり判定乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン選択乱数等の少なくとも一部を2つの第1,第2特別図柄表示手段23a,23b間で共通化してもよい。
弾球遊技機の遊技性に関しては、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合に、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されていればよく、その他の遊技性は任意である。
時短状態は、それ以外の通常遊技状態よりも第2特別始動口27bへの入球確率を高くするものであればよく、普通図柄に関する変動時間の短縮、普通図柄に関する当たり確率の高確率への切り換え、第2特別始動口27bの開放時間の延長、第2特別始動口27bの開放回数の増加等のうちの少なくとも1つを備えていればよい。また、第2特別始動口27bへの入球確率を高くするものでなくても、実施形態のように、特別図柄に関する変動時間の短縮等、遊技者に有利となる状態を組み合わせてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。