しかしながら、上記方法によれば動画データを確実に記録することはできるが、その実施に際しては、デジタルカメラを、データ書き込み速度が異なる複数種類の記録媒体が同時に装着可能な構成とし、かつ動画データを記録する記録媒体を記録する録画品質に応じて適宜切り換えるといった煩雑な制御を行わせる必要である。
そのため、デジタルカメラが、仮に複数の記録媒体が装着可能な構成であっても、その種類が同一である必要がある場合や、また記録媒体を1つしか装着できない一般的な構成である場合には、上記方法を採用することができないという問題があった。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、データ書込み速度が異なる複数種の記録媒体が装着できない構成であっても、正常な動画記録を確実に行うことができる電子カメラ装置及びその実現に使用されるプログラムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明にあっては、撮像手段により所定のフレーム周期で撮像された、動画像を構成する画像データを着脱自在な記録媒体に順次記録する動画撮影機能を備えた電子カメラ装置において、異なるシーンに対応して予め用意されている複数の撮影モードからいずれかを使用者に選択させる撮影モード選択手段と、前記記録媒体のデータ書き込み速度を取得する速度取得手段と、この速度取得手段により取得された書き込み速度に基づき、録画品質に係る複数の録画パラメータの値を調整し、画像データ量を前記記録媒体に一定時間に書き込み可能なデータ量以下に抑制する調整手段と、前記撮影モード選択手段により選択された撮影モードに応じて、前記調整手段により調整する録画パラメータの種類を選択する録画パラメータ選択手段とを備えるものとした。
かかる構成においては、使用者に予め選択された撮影モードの違いに応じて録画パラメータの値が調整されることにより、記録媒体のデータ書き込み速度に応じ、記録媒体に一定時間に書き込む画像データ量が自動的に書き込み可能なデータ量以下に抑制され、撮像された画像からなる動画像の記録中には、動画像の記録処理の時間的な破綻が防止できる。
また、請求項2の発明にあっては、前記速度取得手段は、一定時間内における画像データの書き込み処理以外の時間を加味した前記データ書き込み速度を取得するものとした。
かかる構成においては、記録媒体のデータ書き込み速度が正確に取得できる。
また、請求項3記載の発明にあっては、録画品質の高低に応じて前記複数の録画パラメータの組み合わせを規定する規定手段と、使用者に前記規定手段に規定されている録画品質を選択させる録画品質選択手段を備え、前記調整手段は、前記録画品質選択手段が使用者に選択させる録画品質を、動画像の記録時に必要な前記記録媒体へのデータ書き込み速度が、前記速度取得手段により取得されたデータ書き込み速度を超えない速度である録画品質に制限するものとした。
かかる構成においては、使用者に録画品質を指定させるとき、実際に確保できない高い画質を設定させてしまうことがなく、その結果、記録媒体に一定時間に書き込む画像データ量が自動的に書き込み可能なデータ量以下に抑制され、撮像された画像からなる動画像の記録中には、動画像の記録処理の時間的な破綻が防止できる。
また、請求項4の発明にあっては、前記記録媒体における画像データが記録可能な残り容量、及び/又は装置における電池残量を取得する情報取得手段を備え、前記調整手段は、前記速度取得手段により取得された書き込み速度に基づき、前記情報取得手段により取得された前記残り容量、及び/又は前記電池残量を加味して前記録画パラメータの値を決めるものとした。
かかる構成においては、録画パラメータの値が記録媒体の残り容量や電池残量の状態に応じてきめ細かく調整される。
また、請求項5の発明にあっては、前記調整手段は、前記選択された撮影モードに対応する録画パラメータが複数存在する場合は、各録画パラメータを撮影モード毎に決められている個々の録画パラメータの優先順位に従って順に調整するものとした。
かかる構成においては、使用者に予め選択された撮影モードに対応する優先順位に従った順に録画パラメータの値が調整されることにより、記録媒体のデータ書き込み速度に応じ、記録媒体に一定時間に書き込む画像データ量が自動的に書き込み可能なデータ量以下に抑制される。
また、請求項6の発明にあっては、前記速度取得手段は、前記記録媒体に対するデータの書き込み処理を実施することにより前記データ書き込み速度を取得するものとした。
かかる構成においては、記録媒体のデータ書き込み速度として、記録媒体におけるデータの記録状態が反映されたより正確な速度が取得される。
また、請求項7の発明にあって、前記速度取得手段は、前記記録媒体の所定の記録領域に記録されているデータを読み出すとともに、読み出したデータを前記記録媒体の決められた領域に書き込む処理を実施することにより前記データ書き込み速度を取得するものとした。
かかる構成においても、記録媒体のデータ書き込み速度を任意の時点で取得することができる。また、データ書き込み速度の取得に要する記録媒体に対するデータの書き込み動作を効率的に行うことができる。
また、請求項8の発明にあっては、前記速度取得手段が前記記録媒体に対するデータの書き込み処理に使用するデータは、動画像の記録途中に所定のフレーム周期で画像処理された画像データであるものとした。
かかる構成においては、録画途中に記録媒体のデータ書き込み速度が変動したとき、それに応じて録画パラメータの値が自動的に調整される。
また、請求項9の発明にあっては、前記速度取得手段は、前記記録媒体から、当該記録媒体におけるデータ書き込み速度を特定する速度情報を読み出し、読み出した速度情報に基づき前記データ書き込み速度を取得するものとした。
かかる構成においても、記録媒体のデータ書き込み速度を任意の時点で取得することができる。
また、請求項10の発明にあっては、前記速度取得手段は、前記速度情報に加え、前記速度情報により示されるデータ書き込み速度を補正する装置に固有の補正情報に基づき前記記録媒体のデータ書き込み速度を取得するものとした。
かかる構成においては、記録媒体のデータ書き込み速度が正確に取得できる。
また、請求項11の発明にあっては、既に決められている前記録画パラメータの値が、前記調整手段による調整に伴い変更される場合に、その旨を報知する報知手段を備えたものとした。
かかる構成においては、設定されている録画品質が維持できないことを使用者に知らせることができる。
また、請求項12の発明にあっては、前記調整手段による、速度取得手段により取得された書き込み速度に基づく前記録画パラメータの値の調整が不能である場合に、その旨を報知する第2の報知手段を備えたものとした。
かかる構成においては、決められている最低画質による録画ができないことを使用者に知らせることができる。
また、請求項13記載の発明にあっては、前記録画品質に係る複数の録画パラメータは、画像サイズ、フレームレート、圧縮率を含むものとした。
また、請求項14記載の発明にあっては、撮像手段により所定のフレーム周期で撮像された、動画像を構成する画像データを着脱自在な記録媒体に順次記録する動画撮影機能を備えた電子カメラ装置が有するコンピュータを、異なるシーンに対応して予め用意されている複数の撮影モードからいずれかを使用者に選択させる撮影モード選択手段と、前記記録媒体のデータ書き込み速度を取得する速度取得手段と、この速度取得手段により取得された書き込み速度に基づき、録画品質に係る複数の録画パラメータの値を調整し、画像データ量を前記記録媒体に一定時間に書き込み可能なデータ量以下に抑制する調整手段と、前記撮影モード選択手段により選択された撮影モードに応じて、前記調整手段により調整する録画パラメータの種類を選択する録画パラメータ選択手段と、して機能させるためのプログラムとした。
本発明においては、使用者に予め選択された撮影モードの違いに応じて録画パラメータの値が調整されることにより、記録媒体のデータ書き込み速度に応じ、記録媒体に一定時間に書き込む画像データ量が自動的に書き込み可能なデータ量以下に抑制され、各々の撮影モードにおいて重要な種類の品質を維持したまま正常な動画記録を確実に行うことが可能となる。
特に、請求項2の発明においては、前記記録媒体のデータ書き込み速度が正確に取得できるようにした。よって、記録媒体が有するデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、請求項3の発明においては、実際に確保できない高い画質を設定させてしまうことを防止することにより、記録媒体が有するデータ書き込み性能を生かした高品質の録画が可能となる。
また、請求項4の発明においては、録画パラメータの値が、記録媒体の残り容量や電池残量の状態に応じてきめ細かく調整されるようにした。よって、録画品質の制御性を向上させることが可能となる。
また、請求項5の発明においては、選択された撮影モードに対応する録画パラメータが複数存在する場合は、各録画パラメータを撮影モード毎に決められている個々の録画パラメータの優先順位に従って順に調整される。よって、各々の撮影モードにおいて重要な種類の品質を維持したまま正常な動画記録を確実に行うことが可能となる。
また、請求項6の発明においては、記録媒体のデータ書き込み速度として、記録媒体におけるデータの記録状態が反映されたより正確な速度が取得されるようにした。よって、記録媒体が有するデータの記録状態に応じたデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、請求項7の発明においても、記録媒体のデータ書き込み速度を任意の時点で取得することができるため、録画パラメータの調整処理手順の自由度を拡げることができる。さらに、データ書き込み速度を取得に要する記録媒体に対するデータの書き込み動作を効率的に行うことができるため、効率的なデータ書き込み速度の計測を行うことができる。
また、請求項8の発明においては、録画途中に記録媒体のデータ書き込み速度が変動したとき、それに応じて録画パラメータの値が自動的に調整されるようにした。よって、記録媒体が有するその時々のデータの記録状態に応じたデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、請求項9の発明においては、記録媒体のデータ書き込み速度を任意の時点で取得することができるようにした。よって、録画パラメータの調整処理手順の自由度を拡げることができる。また、記録媒体のデータ書き込み速度を取得するための処理の簡素化が可能となる。
さらに、請求項10の発明においては、前記記録媒体のデータ書き込み速度が正確に取得できるため、記録媒体が有するデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、請求項11の発明においては、設定されている録画品質が維持できないことを使用者に知らせることができるようにした。よって、使い勝手が向上する。
また、請求項12の発明においては、決められている最低画質による録画ができないことを使用者に知らせることができるようにした。これによっても、使い勝手が向上する。
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の各実施の形態に共通するデジタルカメラのブロック図である。このデジタルカメラは動画撮影機能を備えたものであり、以下の構成を備えている。
デジタルカメラは、カメラ本体1と、カメラ本体1に着脱可能な記録メディア20から構成されており、カメラ本体1には複数枚のレンズからなる光学系2、及び光学系2を介して自己の受光面に被写体の光像を結像される撮像手段であるベイヤ配列等の色フィルタが装着されたCCD3が配置されている。CCD3はタイミングジェネレータ7から送られる駆動信号により駆動され、被写体の光像を光電変換し撮像信号として出力する。CCD3からの出力信号はCDS回路4で相関二重サンプリング及びゲイン調整が行われ、A/D変換回路5でデジタル信号に変換される。A/D変換されたベイヤデータはDSP部6に入力され、ペデスタルクランプ等の処理が施された後、ブロック内の輝度・色差マトリックス回路で輝度(Y)信号及び色差(UV)信号に変換される。なお、DSP部6では、オートアイリス、オートホワイトバランス、輪郭強調、画素補間などの画品質向上のための処理も行われる。
DSP部6で変換されたYUVデータは解像度変換ブロック8で予め設定された画像サイズに変換された後、1フレーム分のデータが順次内蔵メモリ14(例えばSDRAM)に格納される。内蔵メモリ14に格納された1フレーム分のYUVデータは表示コントローラ11へ送られ、そこでビデオ信号に変換された後、LCD(液晶表示器)12によりスルー画像として表示される。なお、LCD12は、後述する動画撮影時においては本発明の報知手段、第2の報知手段としても機能する。
動画撮影時に内蔵メモリ14に格納されたYUVデータは順次データ圧縮伸長ブロック9へ送られ、所定の動画記録方式(例えばMotion−JPEGやMPEG)のコーデックによりデータ圧縮後コード化され、内蔵メモリ14に一時的に記憶された後、メディアコントローラ10を介してフレームデータ(ビデオデータ)として記録メディア20に順次書き込まれる。係る一連の動作はフレーム毎に繰り返し実行される。つまりストリーム記録される。なお、動画撮影のフレームレートはタイミングジェネレータ7で作成されるタイミング信号によって決まり、コード化されるデータの圧縮率はデータ圧縮伸長ブロック9内の量子化テーブル値によって決定される。また、内蔵メモリ14は、記録メディア20に書き込む以前のフレームデータ(圧縮データ)を複数フレーム分保持するためのバッファとして機能し、内蔵メモリ14には、そのための容量が確保されておいる。
なお、静止画撮影時に内蔵メモリ14に格納された1フレームの分のYUVデータは、前記データ圧縮伸長ブロック9でJPEG方式等でデータ圧縮後コード化され、内蔵メモリ14内でファイル化された後、メディアコントローラ10を介して記録メディア20に静止画データとして記録される。また、データ圧縮伸長ブロック9は、静止画又は動画の再生時には記録メディア20から読み出された静止画や動画のデータを伸張し、静止画データやフレームデータとして内蔵メモリ14に展開する。
音声処理ブロック15は、動画撮影時においてカメラ本体1に内蔵されたマイク16に入力した音声をデジタル信号に変換し、データ圧縮後にオーディオデータとして内蔵メモリ14へ送る。内蔵メモリ14に送られたオーディオデータはフレームデータと共に一連のストリームデータとして記録メディア20に順次書き込まれる。また、音声処理ブロック15は、動画再生時には、内蔵メモリ14から送られたオーディオデータを復号し、アナログの音声信号に変換した後、カメラ本体1に内蔵された内蔵スピーカ17から音声出力させる。
キー入力ブロック18は、シャッターボタン、電源キー、MENUキー等の複数の操作キーを含み、使用者によるキー操作に応じたキー入力信号をCPU13に出力する。なお、シャッターボタンは動画撮影時に録画開始/終了ボタンとしても機能する。
上述した各ブロックはCPU13により制御されており、CPU13が各ブロックの制御に必要とされるプログラムやデータはプログラムメモリ19に記憶されている。そして、CPU13は上記プログラム及びキー入力信号に基づき動作することにより本発明の速度取得手段、調整手段、パラメータ指定手段として機能する。また、プログラムメモリ19はEEPROMやフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリからなり、上記プログラムやデータ以外にも、ユーザーにより設定されたシステムや各機能に関する設定データ、例えば録画パラメータが随時記憶される。
録画パラメータは動画撮影時に一定時間に記録メディア20に書き込む画像データ量、すなわち正常な録画に必要なデータ書き込み速度であるデータレート(最大ビットレート)を決める画像サイズ、フレームレート、圧縮率である。本実施の形態のデジタルカメラにおいては、動画撮影に際してユーザーが録画品質をファイン、ノーマル、エコノミーのいずれかを選択可能できるとともに、録画パラメータには録画品質に対応して図2に示した規定値が用意されており、動画撮影時には、選択された録画品質に応じた画像サイズ、フレームレート、圧縮率が随時設定される。なお、[データレート=画像サイズ×フレームレート×圧縮率]であり、図示した圧縮率は便宜的に示した値である。また、後述するように画像サイズ、フレームレート、圧縮率は自動調整が可能であり、自動調整に際しては前記規定値が調整基準となる。さらに、画像サイズとフレームレートについては、自動調整の可否をユーザーが予め選択可能となっている。
次に、以上の構成からなるデジタルカメラにおける本発明に係る動作を説明する。図3は、ユーザーによって、任意の時点で各種設定モードから動画撮影に際して自動調整する録画パラメータを設定するための設定モードが選択されたとき、CPU13が実施する自動調整パラメータ設定処理の手順を示すフローチャートである。
上記設定モードが選択されるとCPU13は、所定のパラメータ選択画面をLCD12に表示させ、自動調整を可能とする録画パラメータ(画像サイズ、フレームレート)をユーザーに選択させる(ステップSA1)。そして、画像サイズが選択されたら(ステップSA2でYES)、画像サイズの自動調整を可能に設定し(ステップSA3)、さらにフレームレートが選択されたら(ステップSA4でYES)、フレームレートの自動調整を可能に設定する(ステップSA5)。なお、画像サイズとフレームレートには、初期設定として自動調整不可が設定されており、選択されなかった録画パラメータについては自動調整不可の設定が維持される。また、設定内容はプログラムメモリ19に記憶される。
図4は、ユーザーにより録画開始操作があったときの録画動作時における、主として録画パラメータの自動設定処理に関するCPU13の処理手順を示すフローチャートである。デジタルカメラは、録画開始操作に応じてCCD3による撮像処理を開始した後(ステップSB1)、1秒間(単位時間)の中でデータ書き込み処理に使用できる時間(以下、正味書き込み時間という。)を取得する(ステップSB2)。係る処理では、録画中における音声圧縮処理の時間がほぼ一定であり、かつ音声データのファイル化処理や他の処理にはほとんど時間がかからないものとし、次の式により上記時間を求める。
[正味書き込み時間=1−1秒間に発生する音声圧縮処理時間(固定値)−動作マージン(固定値)]
次に、バッファ(内蔵メモリ14)に所定のフレーム分のデータが記憶されるのを待って(ステップSB3でYES)、記録された数フレーム分のデータ、つまりそのとき設定されている録画品質に応じた録画パラメータに従い圧縮されたフレームデータを実際に記録メディア20に書き込むことにより、1秒間に記録メディア20に書き込めるデータ量(以下、単位データ量という。)を、次の式により求める(ステップSB4)。
[単位データ量=書き込んだデータ量÷書き込み処理の時間]
引き続きステップBS2で取得した正味書き込み時間とステップBS4で取得した単位データ量とに基づき、次の式により記録メディア20に対するオーバーヘッド分を加味した最大書き込み速度(A)、つまり実質的なデータレートを算出する(ステップSB5)。
[最大書き込み速度(A)=正味書き込み時間×単位データ量]
しかる後、算出した最大書き込み速度が、現在のデータレート、すなわちユーザーに指定されている録画品質モードにおける録画パラメータの値(基準設定値)によるデータレート未満であるかを判別する(ステップSB6)。そして、係る判別の結果がYESの場合、例えば録画品質モードがファイン、正味書き込み時間が0.8秒、実測データ量が640kb未満であった場合には、現在の録画品質のまま正常な録画が可能であるとして、そのまま録画処理を継続する。また上記の判別結果がNOであった場合には、現在の録画品質のままでは正常な録画の継続が不可能であるとして、録画パラメータの圧縮率を変更する調整処理を行う(ステップSB7)。
係る処理では、図5に示したように、設定可能な最大圧縮率となるまで(ステップSB111でNO)、録画品質モードに対応して設定されている圧縮率を、例えば1/4、1/6、1/8・・・のように順に上げ(ステップSB112)、設定されている画像サイズ及びフレームレートと、変更後の圧縮率による新たなデータレート(B)を計算し(ステップSB113)、新たなデータレート(B)が前述した最大書き込み速度(A)未満であるか否かを判別する(ステップSB114)。その間に、新たなデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満となったら(ステップSB114でYES)、そのときの圧縮率で録画パラメータを更新し(ステップSB115)、調整完了として図4の処理に戻る。一方、圧縮率を最大圧縮率に変更しても、変更後のデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満とならなかったときには(ステップSB111でYES)、調整不能として(ステップSB116)、図4の処理に戻る。
そして、圧縮率の変更により調整を完了したときには(ステップSB8でYES)、「録画品質モードの設定よりも低品質の録画をしています」といった注意表示をLCD12に表示し(ステップSB9)、調整後の録画パラメータを使用して録画処理を継続する。また、圧縮率の変更による調整が不能であったときには(ステップSB8でNO)、まず画像サイズの自動調整が可能となっているかを確認し、可能となっていれば(ステップSB10でYES)、録画パラメータの画像サイズを変更する調整処理を行う(ステップSB11)。
係る処理では、図6に示したように、設定可能な最小サイズとなるまで(ステップSB121でNO)、録画品質モードに対応して設定されている画像サイズを順に下げ(ステップSB122)、変更後の画像サイズと設定されているフレームレートと最大圧縮率による新たなデータレート(B)を計算し(ステップSB123)、新たなデータレート(B)が前述した最大書き込み速度(A)未満であるか否かを判別する(ステップSB124)。その間に、新たなデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満となったら(ステップSB124でYES)、そのときの画像サイズで録画パラメータを更新し(ステップSB125)、調整完了として図4の処理に戻る。一方、画像サイズを最小サイズに変更しても、変更後のデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満とならなかったときには(ステップSB121でYES)、調整不能として(ステップSB126)、図4の処理に戻る。なお、画像サイズとして、例えば図2に示した640×480と320×240との2種類しか用意されていない場合において、録画品質モードで画像サイズが320×240(最小サイズ)に設定されていたときにも、自動的に調整不能として図4の処理に戻る。
そして、画像サイズの変更により調整を完了したときには(ステップSB12でYES)、前述と同様の注意表示をLCD12に表示し(ステップSB9)、調整後の録画パラメータを使用して録画処理を継続する。また、画像サイズの変更による調整が不能であったとき(ステップSB12でNO)、及びステップSB10の判別結果がNOであって上記の画像サイズの自動調整が不可であったときには、次にフレームレートの自動調整が可能となっているかを確認し、それが可能となっていれば(ステップSB13でYES)、録画パラメータのフレームレートを変更する調整処理をさらに行う(ステップSB14)。
係る処理では、図7に示したように、設定可能な最小レートとなるまで(ステップSB131でNO)、録画品質モードに対応して設定されているフレームレートを、例えば15fbs、10fbs、5fbs、1fbs、(以降、2秒につき1フレーム、3秒につき1フレーム・・・)のように順に下げ(ステップSB132)、最小画像サイズと変更後のフレームレートと最大圧縮率による新たなデータレート(B)を計算し(ステップSB133)、新たなデータレート(B)が前述した最大書き込み速度(A)未満であるか否かを判別する(ステップSB134)。その間に、新たなデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満となったら(ステップSB134でYES)、そのときのフレームレートで録画パラメータを更新し(ステップSB135)、調整完了として図4の処理に戻る。一方、フレームレートを最小レートに変更しても、変更後のデータレート(B)が最大書き込み速度(A)未満とならなかったときには(ステップSB131でYES)、調整不能として(ステップSB136)、図4の処理に戻る。
そして、フレームレートの変更により調整を完了したときには(ステップSB15でYES)、前述と同様の注意表示をLCD12に表示し(ステップSB9)、調整後の録画パラメータを使用して録画処理を継続する。また、フレームレートの変更による調整も不能であったとき(ステップSB15でNO)、及びステップSB13の判別結果がNOであって上記のフレームレートの自動調整が不可であったときには、「録画パラメータを自動調整できません。自動調整する録画パラメータの設定を変更してください。録画を停止します」といったエラー表示をLCD12に表示し(ステップSB16)、それ以後の録画処理を停止する。
以上のように、本実施の形態によれば、動画撮影の開始後において、ユーザーにより選択された録画品質に対応するデータレートに比べて、記録メディア20のデータの書き込み速度(性能)が遅い場合には、録画品質に応じて予め設定されてる録画パラメータの基準設定値が自動的に調整され、それより録画時におけるデータレートが記録メディア20に対するデータの書き込み速度よりも低い速度に抑制される。したがって、記録メディア20としてデータの書き込み速度が遅いものが使用されている場合であっても、動画像の記録途中にデータの書き込み処理が時間的に破綻するといった事態の発生が防止される。これにより、デジタルカメラが、データ書込み速度が異なる複数種の記録メディアが装着できない構成であっても、正常な動画記録を確実に行うことができる。また、装着されている記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かした高品質の録画が可能となる。
しかも、本実施の形態では、記録メディア20におけるデータ書き込み速度を、録画途中において、生成したフレームデータを1秒間に記録メディア20に実際に書き込んだときのデータ量と、記録メディア20に対するデータの書き込み動作以外の時間を除くデータの書き込みのみに使用可能な時間(オーバーヘッド分を加味した正味書き込み時間)とに基づき取得した最大書き込み速度とするため、記録メディア20のデータ書き込み速度として正確で、しかも記録メディア20におけるデータの記録状態が反映された速度を取得することができる。よって、記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かしたより高品質の録画が可能となる。
また、動画撮影に際して自動調整を可能とする録画パラメータを設定するための設定モードが設けられており、ユーザーが録画パラメータのうち画像サイズとフレームレートとについては、それを自動調整対象とするか否かを予め選択できるようにした。よって、ユーザーが重視する種類の品質を維持したままで、記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かした高品質の録画ができ、ユーザーにあっては意図した品質の動画を記録することができる。
また、いずれかの録画パラメータを自動調整したときには注意表示によって、設定されている録画品質が維持できないことをユーザーに知らせることができる。さらに、調整可能な全ての録画パラメータの調整範囲を超え、動画撮影中に必要なデータレートを記録メディア20に対するデータの書き込み速度よりも低い速度に調整することができないときには、決められている最低画質による録画ができないことをエラー表示によってユーザーに知らせることができる。よって、使い勝手もよい。
なお、本実施の形態においては、ステップSB2での1秒間にデータ書き込みに使用できる時間(正味書き込み時間)の取得に際し、記録メディア20に対するデータの書き込み動作以外の時間(音声圧縮処理時間、動作マージン)として固定値を用いたが、それが規定できない場合には、データ書き込み処理以外の圧縮処理や表示処理等のフレーム処理に要する時間を実測し、その時間を利用するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、録画を開始した時点において記録メディア20の最大書き込み速度を取得し、かつそれに基づき録画パラメータを調整するようにしたが、録画途中においても、例えば一定の時間間隔や、記録するデータ量が一定量に達する毎等のように所定間隔で、或いは随時最大書き込み速度を取得して録画パラメータ(圧縮率等)を動的に調整するようにしてもよい。その場合には、その時々の記録メディア20におけるデータの記録状態に起因して最大書き込み速度が変動したとしても、変動後の正確な最大書き込み速度が取得できるため、データの記録状態に応じたデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、本実施の形態においては、録画パラメータの自動調整が必要な場合、それを圧縮率、画像サイズ、フレームレートといった決められた優先順位に従って順に行うようにしたが、CPU13を優先順位指定手段としてさらに機能させ、上記優先順位をユーザーに指定させるようにしてもよい。その場合においても、ユーザーが重視する種類の品質を維持したままで、記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かした高品質の録画ができ、ユーザーにあっては意図した品質の動画を記録することができる。また、その場合には、優先順位の指定を自動調整する録画パラメータの選択と並行して可能としてもよいし、優先順位の指定のみを可能としてもよい。また、逆にユーザーによる自動調整可能な録画パラメータの指定を不可としても構わない。
また、自動調整可能な録画パラメータは、記録メディア20に一定時間に書き込む画像データ量(データレート)を決めるものであれば、上述したものに限定されるものではなく、例えば動画像のデータを複数の圧縮方式により圧縮することができる構成であれば、圧縮方式を録画パラメータとして使用し、圧縮方式の変更により記録メディア20に一定時間に書き込む画像データ量を調整するようにしても構わない。但し、その場合、圧縮方式については録画途中における動的調整は不可となる。また、録画パラメータは複数である必要はなく、特定の録画パラメータ(例えば圧縮率)のみとしてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、動画撮影を開始する以前において前述した録画パラメータを自動設定するデジタルカメラに関するものである。本実施の形態のデジタルカメラは、第1の実施の形態で図1に示したものと同様の構成を備えるとともに、前記プログラムメモリ19には、CPU13に後述する処理を行わせることにより、本発明の速度取得手段、調整手段、録画品質選択手段、画質制限手段として機能させるためのプログラムが記録されている。また、記録メディア20の所定領域には、予め後述するデータの書き込み速度の測定に際して使用される計測用データが記録されている。
以下、本実施の形態における本発明に係る動作を説明する。図8は、主電源のオン操作に伴うシステム起動時においてCPU13が実行する動画像の画質設定に関する処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは動画撮影用のモードが設定されている状態で主電源がオン操作された場合を例示したものである。
CPU13は、システムが起動されることにより動作を開始し、まず記録メディア20の認証、及びシステムの初期化を行うことにより、記録メディア20の使用を可能とする(ステップSC1)。次に、記録メディア20の所定領域から前記計測用データを読み出すとともに、読み出したデータを自己の内部メモリに順次格納し、それを所定領域分の計測用データの書き込みが終了するまで続ける(ステップSC2,SC3、ステップSC4でNO)。
引き続き、内部メモリに対する、記録メディア20の所定領域分の計測用データの格納が終了したら(ステップSC4でYES)、システムクロックによるタイマ機能を起動して時間計測を開始した後(ステップSC5)、内部メモリからの計測用データを読み出し(ステップSC6)、及び読み出した計測用データの記録メディア20の所定領域への書き込みを開始する(ステップSC7)。なお、計測用データの書き込みは、動画記録中に実際に動画データ(ストリームデータ)を書き込むときと同じ方法によって行う。
次に、計測用データの書き込みが終了したら(ステップSC8でYES)、タイマ機能による時間計測を終了し(ステップSC9)、その計測結果に基づくとともに、オーバーヘッド分を加味した記録メディア20に対するデータの最大書き込み速度を算出する(ステップSC10)。例えばファイルシステムとしてFAT(File Allocation Table)を用いる場合は、テーブル参照、書き込みセクタの分散化、クラスタ単位での書き込み等を考慮して、上記の計測時間から、第1の実施の形態と同様に実際に動画データの書き込みだけに使用可能な時間をいったん求め、その時間と記録メディア20に書き込んだデータ量から書き込み速度を計算し、それを最大書き込み速度とする。
さらに、算出した最大書き込み速度に基づき、正常な動画記録に必要なデータ書き込み速度であるデータレート(最大ビットレート)が、上記最大書き込み速度を超えない値となるような、圧縮率、フレームレート、画像サイズ、つまり動画記録に際して使用する録画パラメータの値を決定(設定)するとともに、その録画パラメータの設定値をプログラムメモリ19に記録する(ステップSC11)。つまり記録する動画の画質を自動的に設定し、しかる後、動画撮影に向けてCCD3による撮像処理へ移行する。
なお、ステップSC11の処理における録画パラメータの具体的な決定方法は任意であるが、例えば初めに圧縮率、フレームレート、画像サイズを設定可能な最大値としたときのデータレートを求め、そのデータレートが最大書き込み速度を超えない値となるまで、第1の実施の形態と同様に、圧縮率の設定を順に上げていき、それが設定可能な最大値となってもデータレートが最大書き込み速度を超えているときには、さらに画像サイズ、フレームレートの順にそれらの設定を下げていくことによって、最終的な録画パラメータを決定する。また、ここでは動画撮影用のモードが設定されている状態で主電源のオン操作された場合について説明したが、動画撮影用のモード以外のモードが設定された状態で主電源がオン操作されたときにも、前述したステップSC1〜SC11の全ての動作を繰り返す。
一方、図9は、図8の前述した処理によって録画パラメータがプログラムメモリ19に記録された後に、任意の時点において、ユーザーにより各種設定モードから動画撮影での録画品質を設定するための画質設定モードが選択されたときのCPU13の処理手順を示すフローチャートである。
CPU13は画質設定モードが選択されると、自動設定した前記録画パラメータをプログラムメモリ19から読み出し(ステップSD1)、予め用意されている録画品質(図2参照)の中から、録画時におけるデータレートが、読み出した録画パラメータの設定値によるデータレート以下の値となっている録画品質を確認する(ステップSD2)。次に、確認した1又は複数の録画品質のみを選択候補とする所定の録画品質選択画面をLCD12に表示し、ユーザーに所定のキー操作によって所望の録画品質を選択させる(ステップSD3)。なお、ここで表示する画質選択画面には、前述した1又は複数の録画品質と共に自動設定による録画品質も選択候補として表示する。
そして、ユーザーにより自動設定による録画品質以外の録画品質が選択された場合には(ステップSD4でYES)、選択された録画品質に対応する録画パラメータの値(規定値)を動画撮影で使用する値として設定し(ステップSD5)、画質設定モードを終了する。また、自動設定が選択された場合においては、現在の設定が自動であれば(ステップSD6でYES)、そのまま画質設定モードを終了し、現在の録画パラメータの値が自動で設定された値でなければ、つまり自動設定による録画品質以外の録画品質がユーザーによって選択されていたときには(ステップSD6でNO)、動画撮影で使用する録画パラメータの設定値にプログラムメモリ19に記録してある設定値を再設定した後(ステップSD7)、画質設定モードを終了する。
以上ように本実施の形態においては、録画パラメータすなわち録画品質(録画パラメータ)が、システム起動時に記録メディア20のデータの書き込み速度(性能)に応じて自動的に設定されることにより、録画時におけるデータレートが記録メディア20に対するデータの書き込み速度よりも低い速度に抑制される。よって、第1の実施の形態と同様、データ書込み速度が異なる複数種の記録メディアが装着できない構成であっても、動画撮影時には、正常な動画記録を確実に行うことができる。また、記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かした高品質の録画が可能となる。しかも、オーバーヘッド分を加味して記録メディア20に対するデータの最大書き込み速度を算出するため、記録メディア20が有するデータ書き込み性能を生かしたより高品質の録画が可能となる。
また、最大書き込み速度の取得に際して記録メディア20に実際に記録するデータを、予め記録メディア20の所定領域に記録されている計測用データとし、所定領域から計測用データを読み出し、それを所定領域に書き戻すことにより最大書き込み速度を取得するようにした。そのため、記録メディア20に記録されている動画データを使用する場合に比べ、事前に記録メディア20に使用可能なデータ(計測用データに代わる動画データ)があるか否かの確認や、計測用データが書き込み可能な領域の確認を事前に行う必要がなく、最大書き込み速度の取得に際して記録メディア20へのデータの書き込みを効率的に行うことができる。よって、効率的にデータ書き込み速度の計測を行うことができる。また記録メディア20における動画データ等の有無に関係なく、いつでも録画パラメータの自動設定を行うことができる。
なお、本実施の形態では、記録メディア20の所定領域から読み出した計測用データを、そのまま所定領域に書き戻す場合について説明したが、計測用データを書き込む領域は予め決められていればよく、計測用データの格納領域とは別の領域に計測用データを書き込むようにした場合であっても、データ書き込み速度の計測を効率的に行うことができる。また、前述した計測用データは、最大書き込み速度の取得以外の用途に記録されている任意のデータであっても、さらに、最大書き込み速度の取得に際して記録メディア20に実際に記録するデータを、カメラ本体側のプログラムメモリ19や内蔵メモリ14に予め記憶されている計測用データとしてもよい。その場合には、記録メディア20に計測用データの記録領域を確保する必要がなく、記録メディア20をより有効に活用することができる。
また、本実施の形態においては、画質設定モードによってユーザーに動画の録画品質を選択させるときには、自動設定の録画品質を除き、予め用意されている録画品質の中から、録画時におけるデータレートが、読み出した録画パラメータの設定値によるデータレート以下の値となっている録画品質のみを選択候補とするため、ユーザーに使用中の記録メディア20の種類や品種によっては、実際に確保できない高い録画品質を設定させてしまうことがなく、使い勝手もよい。
なお、本実施の形態においては、録画パラメータの自動設定をシステムが起動したとき直ちに行うようにしたが、それ以外の任意の時点で行うこともできる。例えば記録メディア20の交換時点や、前述した画質設定モードや動画撮影用のモードが選択された直後としてもよい。
また、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、記録メディア20に実際にデータを書き込むことにより、記録メディア20におけるデータの最大書き込み速度を取得するものを示したが、これ以外にも、例えば記録メディア20に予め(製造時等)において最大書き込み速度を事前に計測し、それを示す書き込み速度データを記録しておき、デジタルカメラにおいては、記録メディア20に記憶されている書き込み速度データを読み取る処理を行わせることによって、最大書き込み速度を取得させるようにしてもよい。その場合においても、記録メディア20が有するデータ書き込み性能に応じた録画パラメータを任意の時点で取得することができる。また、最大書き込み速度を取得する処理が簡素化できる。
また、記録メディア20に予め記録しておく前記書き込み速度データは、最大書き込み速度を直接示すデータでなくともよく、最大書き込み速度を特定することができるデータであれば、例えば記録メディアの種類等を示すカード種別データとしてもよい。その場合には、プログラムメモリ19等に、複数のカード種別データと、それにより示される種別のカードの最大書き込み速度との関係を示す速度取得用のテーブルを記憶しておき、そのテーブルから最大書き込み速度を取得させればよい。
さらには、上記書き込み速度データが記録された記録メディア20に対して実際にデータを書き込むとき、デジタルカメラの構成等の違いによって生ずる、前述した書き込み速度データ等により示される最大書き込み速度との誤差を補正するための固有の補正データをデジタルカメラ(プログラムメモリ19等)に記憶しておき、係る補正データと前記書き込み速度データ等とに基づいて、最大書き込み速度を取得するようにしてもよい。その場合には、より正確な最大書き込み速度を取得することができるため、記録メディア20のデータ書き込み性能を最大限に引き出した高品質の録画が可能となる。
また、第1及び第2の実施の形態においては、動画撮影に際してユーザーが録画品質として、録画パラメータに規定値が用意されているファイン、ノーマル、エコノミーのいずれかを選択可能できるものについて説明したが、本発明は、ユーザーが、録画パラメータのうちの全部又は一部の設定値を個別に設定することによって録画品質を設定できるものであっても適用でき、その場合においても前述した効果を得ることができる。
また、第1の実施の形態では録画動作時において、また第2の実施の形態ではシステム起動時においてそれぞれ実施する録画パラメータの調整に際しては、CPU13を本発明の情報取得手段として機能させることにより、記録メディア20の残り記録可能容量、及び/又はカメラ本体の電源電池(図示せず)の電池残量に関する情報を取得させ、その記録可能容量、及び/又は電池残量も考慮して録画パラメータを決定させるようにしてもよい。その場合には、録画パラメータの値を、上記残り記録可能容量や電池残量に応じてきめ細かく調整することができるため、録画品質の制御性を向上させることが可能となる。
また、上記とは別に、所定の撮影シーン(例えばスポーツや夜景)に対応する複数の撮影モードが用意されるとともに、CPU13が本発明の撮影モード選択手段として機能し、必要に応じてユーザーに所望の撮影モードを選択させる構成においては、録画パラメータの調整に際して、例えばスポーツ撮影用の撮影モードが選択されているときには、フレームレート以外の圧縮率、画像サイズのみを調整対象とするといったように、予めユーザーにより選択されている撮影モードに対応する所定の録画パラメータのみについて調整を行うようにしてもよい。さらに、調整する(調整可能な)録画パラメータが複数種類である場合には、撮影モード毎に、個々の録画パラメータを調整するときの優先順位を決めておくようにしてもよい。
また、第1及び第2の実施形態においては、本発明を、動画撮影機能を備えたデジタルカメラに採用した場合について説明したが、これに限らず本発明は、録画時に動画をストリーム記録する構成を備えたものであれば、例えばデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きパソコン等の種々の電子カメラ装置にも採用することができる。その場合においても、前述した効果を得ることができる。