JP4893850B2 - 生体識別装置 - Google Patents

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Description

本発明はIDカード読み取り装置や暗証番号入力装置など、個人識別を行う装置に関する。
これまで、立入制限区域への入室や銀行預金入出力等の際、IDカードや暗証番号によって個人識別を行っていた。
従来用いられている磁気カードや暗証番号による個人識別では、紛失や盗難などによって他人に流用され、機密情報漏洩や資産横領の危険性がある。そこで、他人の流用の可能性のない簡便な個人識別装置及び方法が必要である。
上記課題を解決するための一例として、血管画像抽出装置で撮像された血管像を含む画像を用いて、認証のために用いられる血管像を作成する演算装置であって、前記血管画像抽出装置より異なる複数波長の光を用いて夫々撮像された複数の画像を取得し、前記複数の画像の夫々に含まれる血管像に基づいて、一の強調画像を作成することを特徴とする演算装置を開示する。
体内部の血管走行画像を用い、他人に流用出来ない個人識別方法を提供する。
本発明の一実施例の生体識別装置のブロック図。 透過光画像例の説明図。 酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンの光吸収特性図。 本発明の一実施例の画像処理のフローチャート。 本発明の一実施例のパターンマッチングのフローチャート。
生体の光透過性は非常に低いが、光の波長600nmから1300nmまでの赤色から赤外にかけては比較的透過性が高い。そして、この波長領域では血中ヘモグロビンの光吸収が支配的となる。そのため、例えば、手の掌側より光を照射し手の甲側から透過光を撮像すると、甲側表面近傍の太い血管像を見ることができる。この血管の走行は個人差が大きく、画像として抽出すれば個人識別に使用することが可能である。本発明は、生体の血管像あるいはその血管が走行する部位の生体外部形状を簡便に撮像し、それぞれの画像を個人識別に用いることを特徴とする。
図1は本発明の一実施例の基本的な装置構成を示す。
画像の撮像には、生体固定部1に被識別者2の任意部位(本実施例では手)を固定し、光源3(ハロゲンランプ等)から照射光を2回間欠的に照射し、各照射毎に透過光画像を撮像器4(CCDカメラ等)で撮像する。生体固定部には、毎回同じ位置に被識別者2の任意部位を固定できるように、指等のガイド(図示略)を設置しておく。光フィルタホルダ5には、透過光波長の中心波長がλ1の光フィルタ6と、透過光波長の中心波長がλ2の光フィルタ7が固定されており、各撮像毎にモータ8を駆動して2種類の光フィルタを切り替える。従って、撮像器4で撮像された各画像は、各々異なる波長の透過光画像である。ここで、光源3からの光照射および光フィルタ6及び7の切り替え及び撮像の時刻は同期している。これらは全て演算装置9で制御されている。
また、各画像毎に濃淡値の正規化を行うために、生体固定部に生体任意部位をおかない状態で、各光フィルタ6及び7の画像を定期的あるいは各撮像時に撮像し、正規化補正用画像として記憶装置10に保存する。各生体透過光画像は、アナログ−デジタル変換され2枚の濃淡のデジタル画像(以降デジタル濃淡画像と略す)となり、1または複数ある演算装置9に転送され、画像記憶装置10に保存される。
各生体透過光画像は、保存された各正規化補正用画像で画像除算することで正規化補正される。光フィルタの透過光波長の中心波長λ1及びλ2を適切に選択すれば、保存された2枚のデジタル濃淡画像の差分画像から血管走行画像を容易に抽出することができる(その理由に関しては後述する)。
演算装置9では、任意の1枚のデジタル濃淡画像から血管走行部位における外形形状の二値画像(以降外形形状画像と略す)を、差分画像から血管走行の二値画像(以降血管走行画像と略す)を、それぞれ画像処理を行うことで得る。外形形状画像と血管走行画像から被識別者の特徴画像を合成し、既に記憶装置11にデータベースとして登録された被識別者の特徴画像とのパターンマッチングを行い識別を行う。画像処理及びパターンマッチングに関するフローの詳細は後述する。被識別者2の情報(氏名,暗証番号,磁気記憶カード等)は入力装置12により入力する。
外形形状画像と血管走行画像の合成画像例を図2に示す。
次に、2枚の異なる波長の透過光画像の差分画像より、血管走行画像が抽出される理由に関して説明する。まず、雑音の少ない質の高い生体透過光画像を撮像するには、生体透過性の高い波長の照射光を選択しなければならない。生体透過性の高い光の波長は、生体の60〜70%を構成する水の吸収特性から、おおよそ600〜1300nmである。また、この波長帯の中でも、生体中に比較的多く存在する血液(特に血中の約45%を占めるヘモグロビン)の吸収が少ない600〜1000nmの光が生体透過性が高い波長帯である。
図3に、この波長帯における酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンの光吸収特性を示す。縦軸は分子吸光係数であり、値が大きいほど光の吸収が大きく、生体透過光強度が低下することを表す。ここで重要な点は、この波長帯ではヘモグロビンの光吸収特性が波長に依存して顕著に変化する点と、ヘモグロビン以外の生体を構成する物質は非常に含有量が少ないか、あるいはその光吸収特性がこの波長帯では顕著に変化しない点である。これらの点から、同じ強度かつ波長の異なる光を照射して2枚の生体透過光画像を撮像すると、血液が多い部分(即ち血管の走行している部分)で濃淡値が異なる2枚の画像が得られる。したがって、これらの2枚の画像の差分画像からは血管走行のある部位が強調されて得られる。
さらに、600〜1000nmの光に対する生体の散乱特性は極めて高く、体深部の血液によって吸収された情報は拡散してしまうため、得られる血管走行画像は画像撮像側の生体表面にある血管走行を示している。人間の血管は、生体表面には静脈、そして生体深部には動脈が位置していることから、抽出される血管系は静脈系である。静脈系の血液には還元ヘモグロビンが多く含まれており、2枚の生体透過画像の血管像をコントラスト強く撮像するためには、図3の波長特性から、例えば700nm近傍から2波長選択するように、図1中光フィルタ6及び7を選択すればよい。
次に、画像処理及びパターンマッチングのフローに関して説明する。
まず、図4に画像処理のフローを示す。step1では、中心波長がλ1及びλ2のデジタル透過光画像が入力され、step2で2枚の画像間の差分を計算する。前述したように、2枚の差分画像は、生体表面近傍の血管走行のみの濃淡画像を表している(step3)。この血管走行濃淡画像に対し任意の閾値を設けて、血管走行二値化画像をstep4−1で取得する。一方、中心波長λ1あるいはλ2の透過画像のうち1枚を用い、任意の閾値を用いて二値化処理し、血管走行している部位の外形形状を取得する(step4−2)。取得した、血管走行二値画像と外部形状二値画像をstep5で融合する。
図5に、得られた融合画像から個人識別するための、パターンマッチングのフローを示す。Aから図4に示した処理結果である融合画像が入力される。記憶装置11(図1)に保存されているデータベースには、あらかじめ取得された被識別者2(図1)の血管走行部位の外形形状と血管走行の二値画像の融合画像(図2参照)が登録されている。従って、step6で被識別者の名前、あるいは暗証番号あるいはIDカード等で被識別者情報を入力(図1中入力装置12より入力する)し、被識別者の融合画像を呼び出す。呼び出した被識別者の融合画像を、画像処理フローで処理された融合画像とパターンマッチングを行
う(step7)。step8では、パターンマッチング結果がある任意の許容誤差範囲以内であれば、step9−1に進み許可情報を発行し、許容誤差範囲外であればstep9−2に進み不許可情報を発行する。
本実施例には、2波長の透過光画像を用いた、個人識別装置の基本構成について説明したが、その他にも図1中光源3及び撮像装置4を同じ側に配置し反射画像で同様の処理を行ってもよい。また、精度向上のために、複数の生体部位を撮像し個人識別に用いたり(例えば両手を用いる)、波長数をさらに増やす(実質的には光フィルタを増やす)ことも容易である。
1…生体固定部、2…被識別者、3…光源、4…撮像器、5…フィルタホルダ、6…フィルタ、7…フィルタ、8…モータ、9…演算装置、10…記憶装置、11…記憶装置、12…入力装置。

Claims (11)

  1. 血管画像抽出装置で撮像された血管像を含む画像を用いて、認証のために用いられる血管像を作成する演算装置であって、
    前記血管画像抽出装置より異なる複数波長の光を用いて夫々撮像された複数の画像を取得し、前記複数の画像の夫々に含まれる血管像に基づいて、一の強調画像を作成することを特徴とする演算装置。
  2. 前記強調画像は、前記複数画像の夫々に含まれる前記血管像の濃淡の差に基づいて作成されることを特徴とする請求項1記載の演算装置。
  3. 前記強調画像は、前記複数画像の夫々に含まれる前記血管像の濃淡の変化に基づいて作成されることを特徴とする請求項1記載の演算装置。
  4. 前記演算装置は、予め記憶された画像と前記強調画像とを照合することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の演算装置。
  5. 前記血管画像抽出装置は、前記異なる複数波長の光を間欠的に順次手に照射し、前記撮像手段において前記画像を夫々取得することを特徴とする請求項1記載の演算装置。
  6. 前記手に照射される前記複数波長の光の波長は、600〜1000nmの範囲の異なる波長であることを特徴とする請求項1記載の演算装置。
  7. 異なる複数波長の光を手に照射する光照射手段と、
    前記光照射手段により手に対して複数波長の前記光を照射することにより、前記複数波長の光の夫々に基づく血管像を含む複数の画像を撮像する撮像手段と、
    前記複数の画像の夫々に含まれる前記血管像の濃淡の差に基づいて、前記血管像の一の強調画像を作成し、予め記憶された認証に用いる画像と前記強調画像とを照合する演算装置と、
    を有することを特徴とする個人認証装置。
  8. 前記異なる複数波長の光を間欠的に順次手に照射し、前記撮像手段において前記画像を夫々取得することを特徴とする請求項7記載の個人認証装置。
  9. 前記手に照射される前記複数波長の光の波長は、600〜1000nmの範囲の異なる波長であることを特徴とする請求項7記載の個人認証装置。
  10. 異なる複数波長の光を手に照射する光照射手段と、
    前記光照射手段により手に対して複数波長の前記光を照射することにより、前記複数波長の光の夫々に基づく血管像を含む複数の画像を間欠的に順次撮像する撮像手段と、
    前記間欠的に撮像された複数の画像の夫々に含まれる前記血管像の濃淡の変化に基づいて、前記血管像の一の強調画像を作成し、予め記憶された認証に用いる画像と前記強調画像とを照合する演算装置と、
    を有することを特徴とする個人認証装置。
  11. 前記手に照射される前記複数波長の光の波長は、600〜1000nmの範囲の異なる波長であることを特徴とする請求項10記載の個人認証装置。
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