図1はこの発明の第1実施例に係るナビゲーション装置の内のベースユニットとフロントパネルユニットの正面側の斜視図、図2はフロントパネルユニットの背面側の斜視図、図3はフロントパネルユニット(背面側)とクレイドルユニットとクレイドルユニット取付用アームの斜視図である。図4はそれを搭載した状態を示す説明図であり、図5(a)は車両の運転席付近の説明図、図5(b)はそのステアリングホィール付近の説明図である。
図示の如く、この発明の実施例に係るナビゲーション装置は、車両Aのダッシュボードに固定あるいは内蔵される(固定自在である)と共に、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるベースユニット10と、車両Bのダッシュボードに固定される(固定自在である)と共に、車両Bの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるクレイドルユニット12と、ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に着脱自在なフロントパネルユニット14とを備える。車両Aと車両Bは共に自動車である。
この実施例に係るナビゲーション装置においてはベースユニット10とフロントパネルユニット14の組み合わせを基本とする。ただし、応用例としてフロントパネルユニット14をクレイドルユニット12に組み付けるようにしても良い。図4に示す如く、ベースユニット10−1,10−2,10−3,...、あるいはクレイドルユニット12−1,12−2,12−3,...を対応する車両A1,A2,A3,...あるいは車両B1,B2,B3,...に着脱自在にし、さらにユーザはフロントパネルユニット14の画面設定を自分専用に前もって設定し、車両ごとのベースユニット10またはクレイドルユニット12のID番号に合わせて切り替えて使用することで、本装置の利便性を向上させることができる。
ベースユニット10は全体としてボックス状のベースユニットケース10aを備え、その内部には車両Aのオーディオ機器を操作自在なマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。ベースユニットケース10aの前面は2DIN(ドイツ工業規格)サイズに形成され、そこには凹部10bが形成される。
フロントパネルユニット14はベースユニット10の前面とほぼ同大または若干大きいサイズのプレート状のフロントパネルユニットケース14aを備えると共に、フロントパネルユニットケース14aの前面には地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと、ユーザ(操作者)の操作自在に設けられたスイッチ類、例えば目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14dなどを備える。液晶パネル14bにはユーザ(操作者)がタッチした位置を検出できるタッチパネルが設けられるが、それについては後述する。尚、符号14eはiPod(登録商標)に、符号14fはアナログオーディオ機器に接続するためのジャックである。
フロントパネルユニット14は、ベースユニットケース10aの前面の凹状部分10a1と凹部10bに着脱自在(取り付け・取り外し自在)に構成される。その着脱機構の動作の内、先ず装着について説明すると、フロントパネルユニット14の背面には、図2に示す如く、左側に固定爪14gが上下に2箇所形成されると共に、右側に可動のキャッチスライド14hが上下に2個配置される。ベースユニット10の凹部10bには、右側に可動のロックレバー10cが上下に2個配置されると共に、左側には固定爪10dが上下に2箇所形成され、フロントパネルユニット14が装着されるとき、それぞれフロントパネルユニット14のキャッチスライド14hと固定爪14gに嵌合する。
尚、この明細書において「上下」方向はベースユニット10およびフロントパネルユニット14などが車両A,Bに固定された状態における鉛直軸(重力軸)上での上下を意味し、「左右」方向はそれに直交する方向を意味する。
図1に示す如く、ベースユニット10の凹部10bにはコネクタ10eが設けられ、フロントパネルユニット14はベースユニット10に装着されるとき、コネクタ10eを通じ、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されると共に、GPS信号受信装置20などの各種センサおよびAV機器のデータと制御信号などが送受される。コネクタ10eの電気接点の内、左右の電気接点はグラウンド接点となっている。
次いで取り外しについて説明すると、フロントパネルユニット14にはジャック14e,fの下部にデタッチボタン14iが設けられる。ベースユニット10に装着された状態でユーザによってデタッチボタン14iが押されると、その動きはベースユニット10に配置されたデタッチノブ10fを介してロックレバー10cに伝えられ、ロックレバー10cが外方に移動されて固定爪との嵌合が解かれる。
フロントパネルユニット14の右側のキャッチスライド14hはスプリング力で外方(図2で右側)に付勢されてベースユニット10の固定爪10dと嵌合されているに過ぎないため、左側でロックレバー10cと固定爪14gの嵌合が解かれてユーザによってフロントパネルユニット14が(図1で左方向に)キャッチスライド14hと固定爪10dがオーバーラップする分より大きく移動させられれば、ベースユニット10との嵌合が解かれ、よってフロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すことができる。
図1に示す如く、ベースユニット10の前面の凹部10bにはリリースレバー10gが配置される。リリースレバー10gはスプリングを弾装されたキックレバー(共に図示せず)を介し、フロントパネルユニット14が装着されるとき、それを押し出す方向に付勢される。リリースレバー10gにはパネルユニット検出スイッチ(図示せず)が取り付けられ、リリースレバー10gの位置、即ち、フロントパネルユニット14の着脱に応じた出力、例えばフロントパネルユニット14が装着されるときオン信号、取り外されるときオフ信号を生じる。
図2と図3に示す如く、フロントパネルユニット14の背面にはクレイドルユニット12が着脱自在に取り付けられる。フロントパネルユニット14とクレイドルユニット12の着脱機構は図示を省略するが、図1を参照して説明したフロントパネルユニット14とベースユニット10の着脱機構と同様であり、フロントパネルユニット14はロックレバー、キャッチスライドなどを介してクレイドルユニット12に取り外し自在に装着される。クレイドルユニット12にもパネルユニット検出スイッチが配置される。
クレイドルユニット12は、クレイドルユニット取付用アーム16を介して車両Bのダッシュボードに固定される。クレイドルユニット12はフロントパネルユニットケース14aより高さにおいて小さく、奥行きにおいて大きい(深い)クレイドルユニットケース12aを備え、その内部にはマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。
図5に示す如く、この実施例に係るナビゲーション装置は車両AあるいはBの運転席付近、より具体的にはフロントパネルユニット14はダッシュボードDに内蔵されるベースユニット10(図5では見えず)に装着されるか、クレイドルユニット12を介してダッシュボードD上に配置される。フロントパネルユニット14は、いずれの位置であっても、フロントウインドウ18に近い高さに配置される。
より具体的には、フロントパネルユニット14はベースユニット10に装着されるとき、フロントパネルユニット14の液晶パネルの長手方向中心線14bcが、(平均的な座高を有する)ユーザから見て、ステアリングホイールSWの回転中心SWcより僅かに、またステアリングシャフトのダッシュボード面位置(ほぼフロントパネルユニット14の前面位置)での回転中心SHcよりかなり高い位置、つまり回転中心SHcはフロントパネルユニット14の下面寄りに配置される。尚、符号SLは変速機のシフトレバーを示す。
この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、上記した如く、フロントパネルユニット14がベースユニット10あるいはクレイドルユニット12と着脱自在に構成される。
図6はフロントパネルユニット14とベースユニット10の内部構成を示すブロック図、図7はフロントパネルユニット14とクレイドルユニット12の内部構成を示すブロック図である。
図6に示す如く、フロントパネルユニット14はマイクロコンピュータ(「ナビマイコン」という)14mを備えると共に、ベースユニット10はマイクロコンピュータ(「システムマイコン」という)10iを備える。また、図7に示す如く、クレイドルユニット12はマイクロコンピュータ(「クレイドルマイコン」という)12bを備える。ナビマイコン14mは、システムマイコン10iあるいはクレイドルマイコン12bの数倍の処理能力を備える。
図6の説明を続けると、ベースユニット10は、システムマイコン10iに加え、車両Aに取り付けられたアンテナ10jを介して交通情報を受信する交通情報モジュール(VICS)10kと、車両Aの車載オーディオ機器(AM/FMラジオなど。図示せず)への放送電波を受信するチューナ10lと、車載オーディオ機器の動作を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック10mと、DVDなどの映像をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させるためのビデオ(Video)回路ブロック10nと、システムマイコン10iと相互通信して動作し、CDあるいはDVDから音声および映像信号を読み取り、映像信号を復調してビデオ回路ブロック10nにアナログ信号として送るDVDモジュール10oと、アンテナ10pを介して地上デジタル放送を受信するTVチューナ10qと、不揮発性メモリからなるEEPROM10rを備える。
ベースユニット10はさらに、GPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS信号受信装置(「GPS」と示す)20と、車輪速センサ(「SPEED PLS」と示す)22と、ジャイロセンサ(「ジャイロ」と示す)24と、リバースギアスイッチ(「REVERSE」と示す)26を備える。リバースギアスイッチ26は変速機あるいは変速機のシフトレバー30(図5)に接続される。
GPS信号受信装置20はアンテナ20aを備え、アンテナ20aはベースユニットケース10aあるいはダッシュボードやメータバイサなどの適宜位置に取り付けられる。尚、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレイドルユニット12に装着されるとき、GPS信号受信装置20は、クレイドルユニットケース12aあるいはクレイドルユニット取付用アーム16の適宜位置などに取り付けられたアンテナを利用する。
車輪速センサ22は車両Aのドライブシャフト(図示せず)付近に配置され、ドライブシャフト、即ち、車輪(タイヤ)の所定回転角ごとにパルス信号を出力する(換言すれば、車両Aの車輪の回転速度を検出する)。ジャイロセンサ24はベースユニットケース10aの内部に配置され、車両Aの重心位置における重力軸(鉛直軸)回りの角速度(ヨーレート)に応じて電圧が変化する出力を生じる(換言すれば、車両Aの鉛直軸、より具体的にはX,Y,Zの3軸回りの角速度(ヨーレート)を検出する)。
ジャイロセンサ24は車両Aと同様な振動を受けるようにベースユニットケース10aの内部の適宜な基板上において縁部などの基板取り付けネジに近接して配置されると共に、取り付け角度によっても感度が変化するため、車両Aに取り付けた後に取り付け角度が計測され、計測値が補正用の値としてEEPROM10rに格納される。
リバースギアスイッチ26は車両Aの変速機(図示せず)あるいはシフトレバー30(図5に示す)の適宜位置に配置され、車両Aを後進させるリバースギヤが係合(オン)するか、シフトレバー30がR位置にあるとき、即ち、車両Aが後進走行しようとするとき、オン信号を出力する。
フロントパネルユニット14は、ナビマイコン14mに加え、RAM14nと、ナビゲーション用の地図データなどを格納するFLASHメモリ14oと、フロントパネルユニットケース14aに取り付けられたアンテナ14pを介して携帯電話ハンズフリーマイクとの間で2.45GHzの電波を送受信するBT(Bluetooth)モジュール14qと、メモリカード14rと、液晶パネル14bの上に配置されたタッチパネル14sと、その動作を制御するタッチパネルマイコン14tと、液晶表示のための各種同期信号を生成するタイミングコントローラ14uと、ベースユニット10のビデオ回路ブロック10nなどの入出力を行うビデオスイッチ14vと、フロントパネルユニットケース14aに取り付けられたアンテナ14wを介してリアカメラとからの画像データを同様の周波数帯域の電波で受信する無線モジュール14xとを備える。
BTモジュール(近距離送受信モジュール)14qと無線モジュール(画像データの受信専用モジュール)14xは、より具体的には、フロントパネルユニットケース14aの背面に配置される。
図6に示す構成においてGPS信号を受信する受信装置20はベースユニット10の側に設置され、GPS信号から得られる位置情報を、車輪速センサ22とジャイロセンサ24とリバースギアスイッチ26の出力と共に、システムマイコン10iで同一時刻のデータ同士を並べ替え、統合してナビマイコン14mに送出する。
ナビマイコン14mは、GPS信号に基づいて車両Aの位置を最初に取得した後、車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力で補正する。このように、ナビマイコン14mは自律航法に従って車両Aの位置を測位する。自律航法に従って測位された自車位置は所定時間ごとにFLASHメモリ14oおよび/またはEEPROM10rに保存され、車両Aのエンジンが始動されて電源が投入された後、直ちに現在位置を推定できるようにする。
尚、システムマイコン10iとナビマイコン14mとの間で信号線(シリアルデータライン)を介して低速デジタル信号が送受される一方、TVチューナ10qを介して入力された映像信号は別のデータ線を介して高速デジタル信号としてフロントパネルユニット14に送出される。これに対してDVDモジュールや外部から入力される映像信号はベースユニット10のビデオ回路ブロック10nに入力された後、信号線を介してアナログ信号としてフロントパネルユニット14のビデオスイッチ14vに送られる。ビデオスイッチ14vの出力はデジタル信号としてナビマイコン14mに送出されると共に、ナビマイコン14mからの制御信号も入力される。さらに、無線モジュール14xの画像信号を、ビデオスイッチ14vを介してビデオ回路ブロック10nに送り、外部端子から他の映像装置に送って見せたり、記録させたりしても良い。
次いで、図7を参照してクレイドルユニット12の内部構成を説明すると、クレイドルユニット12は、クレイドルマイコン12bに加え、クレイドルユニット12に内蔵されるスピーカへの音声入出力を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック12cと、アンテナ12dを介してオーディオモジュールの出力を電波で送信するFMトランスミッタ12eと、不揮発性メモリからなるEEPROM12fと、アンテナ12gを介して地上デジタル放送を受信するTVチューナ12hを備える。
尚、前記した如く、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレイドルユニット12に装着されるとき、GPS信号受信装置20のアンテナ20aは、車両Bのものを利用する。
クレイドルマイコン12bは、GPS信号から得られる位置情報をフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mはGPS信号のみに基づいて車両Bの位置を測位する。
図6に示すナビマイコン14mとシステムマイコン10iについて図8にナビマイコン14mのソフトウエア構成を、図9にシステムマイコン10iのソフトウエア構成を示す。
ナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface。以下「GUI」という)を用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができる。その点に鑑み、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、図6に示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、タッチパネル14sでユーザが操作することによって機能を実行させるようにした。
即ち、図8に示す如く、ナビマイコン14mは、液晶パネル14bにメニューを表示し、ユーザにタッチパネル14sの指定位置をタッチさせることによって指定された機能を実行するGUI機能と、GUI機能で選択された動作を実行する機能(アプリケーション機能)と、各機能に対する処理時間を規定したり、メモリ空間を管理したりする機能(プラットフォーム機能)と、周辺デバイス(ハードウエア)のそれぞれにアクセスする機能(ドライバ)を備える。このGUI機能は、XMLパーサ14m1とVIEWコントローラ14m2とMODELコントローラ14m3から構成される。
ナビマイコン14mは、前記した如く、信号線(シリアルデータライン)を介してベースユニット10のシステムマイコン10iに対し、チューナやディスクドライブの制御コマンドを供給する。
図9フロー・チャートにおいてS1からS8に示す如く、ベースユニット10の側では、システムマイコン10iがナビマイコン14mからのコマンドを受けて周辺デバイスの制御を行い、そのデバイスから得られる情報やセンサデータをシリアルデータラインを介してナビマイコン14mに伝える。図示は省略するが、クレイドルユニット12においてクレイドルマイコン12bも、システムマイコン10iと同様な処理を行う。
さらに、フロントパネルユニット14においてナビマイコン14mは、センサの出力状態に応じて車両の位置の測位に使用すべきセンサを3個のセンサ出力とするか、GPS信号のみの1個のセンサ出力とするかを決定する。
図10はその処理を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S10において自らが格納されているフロントパネルユニット14のベースユニット10への装着が検出されたか否か判断する。ベースユニット10に装着されると信号線を通じてシステムマイコン10iと通信自在となることから、ナビマイコン14mはそれによって自らがベースユニット10に装着されたことが検出されたか否か判断する。
S10で肯定されるときはS12に進み、X秒(所定時間)、例えば3秒の間、車輪速センサ22の出力(パルス信号)を入力し、S14に進み、そのパルス信号が生じているか否か判断する。
S14で肯定されるときはS16に進み、自車位置推定を3センサモード、即ち、自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位すると共に、S14で否定されるときはS18に進み、自車位置推定をシングルセンサモード、即ち、自車位置(車両A)をGPS信号受信装置20の出力(GPS信号)で測位する。
例えば、渋滞路を走行する場合、車輪速センサ22の出力が生じなかったり、疎らになったりすることがあるが、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができると共に、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で測位における検出器の使用の柔軟性を向上させることができる。
尚、図10の処理では車輪速センサ22の出力をX秒間入力することで判断したが、それ以外にも車輪速センサ22の出力が所定のしきい値を超えているか否か判断し、超えていない場合にはシングルセンサモードと決定するようにしても良い。
さらに、フロントパネルユニット14においてナビマイコン14mは、図10の処理に加え、システムマイコン10iあるいはクレイドルマイコン12bからの情報により、どちらが装着されたのかを認識して自車位置測位を3個のセンサ出力とGPS信号のみの1個のセンサ出力で行うべきか決定する。即ち、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mはフロントパネルユニット14の装着状態に応じて車両の位置の測位に使用すべきセンサ(検出器)を決定する。ベースユニット10とクレイドルユニット12はそれぞれID番号(識別番号)を付与され、不揮発性メモリEEPROM10r,12fに保存される。
図11はその処理を示すフロー・チャートであり、図10と同様、ナビマイコン14mで実行される。
以下説明すると、S20において自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否か判断する。装着されると信号線を通じてシステムマイコン10iあるいはクレイドルマイコン12bと通信自在となることから、ナビマイコン14mはそれによって自らの装着が検出されたか否か判断する。
S20で肯定されるときはS22に進み、取り付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出し、S24に進み、装着されたのがベースユニット10か否か判断し、肯定されるときはS26に進み、自車位置推定を3センサモード、即ち、自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位する。
S24で否定されるときは装着されたのがクレイドルユニット12となるので、S28に進み、自車位置推定をシングルセンサ、即ち、自車位置(車両B)をGPS信号受信装置20)の出力(GPS信号)で測位する。
このように、フロントパネルユニット14の装着状態に応じて車両AあるいはBの位置の測位に使用すべきセンサを決定する如く構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
次いで、上記した自車位置の保存について説明する。
前記した如く、ベースユニット10は複数個、例えばベースユニット10−1,10−2,10−3,...を設けることもあるが、そのような場合、フロントパネルユニット14内の不揮発性メモリ(FLASHメモリ14o)に保存された車両Aの位置データが別の車両、即ち、車両A2,A3などのデータである可能性もある。よって、装着された後、GPS信号を受信して測位して確認せざるを得ないという場合が生じる。
従って、この実施例に係るナビゲーション装置において、ベースユニット10が複数個設けられる場合、図12の左方に示す如く、ベースユニット10のEEPROM(不揮発性メモリ)10rに取り外される直前の位置情報をID番号と共に記憶する。他方、図12の右方に示す如く、フロントパネルユニット14は、ベースユニット10から取り外されたとき、そのベースユニットのID番号と位置情報をペアで保存しておき、再び同一のベースユニットに装着されたとき、そのID番号から取り外されたときの位置情報を読み出して位置情報として使用する。これによって誤った位置情報が使用されるのを防止することができる。
また、ベースユニット10が1個であると複数個であるとに関わらず、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動して再び装着された場合、現在位置とフロントパネルユニット14に保存されている位置情報が相違する場合も生じ得る。
従って、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動したことを示すフラグFLVをベースユニット10のEEPROM10rに設けて処理するようにした。
図13はその処理を示すフロー・チャートである。図示の処理はシステムマイコン10iによって実行される。
以下説明すると、S100においてフロントパネルユニット14が取り外されたか否か判断する。これは前記したパネル検出スイッチの出力から判断する。S100で肯定されるときはS102に進み、フラグFLVのビットを1にセットし、S104に進み、車両が移動したか否か判断する。これは前記した車輪速センサ22の出力から判断する。
S104で否定されるときはS106に進み、フロントパネルユニット14が再び装着されたか否か判断し、否定されるときはS104に戻る。他方、S104で肯定されるときはS108に進み、フラグFLVのビットを0にリセットする。尚、S104で否定されてS106に進み、そこで肯定されたときは、いずれにしても車両が移動していないことから、S108をスキップする。
図14は、図13の処理に応じてナビマイコン14mによって実行される処理を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S200においてベースユニット10に装着されたか否か前記したパネル検出スイッチの出力から判断し続け、肯定されるときはS202に進み、ベースユニット10のEEPROM10rに格納されているフラグFLVを読み出し、S204に進み、フラグFLVのビットが1にセットされているか否か判断する。
S204で肯定されるときは車両が移動されていないことからS206に進み、履歴テーブル(図12に示す)の中に該当するベースユニット10のID番号があるか否か判断し、肯定されるときはS208に進み、該当するID番号の位置情報を自車位置とする。
他方、S204で否定されるときはS210に進み、ベースユニット10に保存されている位置情報を読み出す。S206で否定されたときも同様である。次いでS212に進み、それが0データではないか否か判断し、肯定されるときはS214に進み、それを自車位置とする一方、否定されるときはS216に進み、現在地設定処理を行う(後述)。
即ち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは、フロントパネルユニット14が取り外された後、電源がオフされる度にGPS信号の中の位置情報と搭載車両の向き情報をEEPROM10rに書き込む。このとき、もしGPSが測位できていない場合、0データを書き込む。
フロントパネルユニット14においてナビマイコン14mは、ベースユニット10に装着された後、フラグFLVを参照して保存していた位置情報が使用できないと判断された場合、ベースユニット10の内部に保存されていた位置情報を読み込み、それが0データでなければ、それを自車位置として使用する(S204,S210,S212,S214)。それによって、フロントパネルユニット14が一旦取り外され、車両が移動した後に再度装着されたとしても、自車位置を表示できるナビゲーション装置として機能することができる。
ただし、その場合においても、地下駐車場のような場所であると、フロントパネルユニット14を装着してもGPS信号を取得することができず、従って自車位置は0データとせざるを得ない。自車位置がロストしていると、目的地までの経路を計算することができず、到着時間なども予測することができない。
そこで、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、自車位置がロストされていた場合に限り、自車位置を目的地設定と同じ要領で設定できるようにした(S216)。具体的には、ユーザは自車位置を住所検索か周辺施設情報から選択することによって自車位置を確定させ、目的地設定と経路計算などを可能とする。
その後、道路上を走行している間はGPS信号を入力して測位するまでユーザを誘導はできないが、GPS信号を入力すればその位置を自車位置として自律航法に従ってユーザを誘導することができる。
次いで、ナビゲーション情報の保存あるいはベースユニット間の情報の共有を説明する。
ナビゲーション装置では、自車位置を測位するに当たり、車両ごとに固有のパラメータを用いることになる。即ち、ジャイロセンサ24は取り付け状態によって感度が異なるため、取り付けるときの角度を計測して記憶しておき、ナビゲーションにおいては記憶値でセンサ出力を補正することになる。
自律航法において、移動距離を算出するに当たり、車輪速センサ22が出力する1パルス当たりの移動距離(Distance Per Pulse)が用いられる。そのDPPはGPS信号から導かれた移動軌跡と車輪速センサ22のパルス数から算出され、常に更新している。
これらジャイロセンサ24の取り付け角度あるいは移動距離DPPはナビゲーション装置が搭載される車両に固有のパラメータであるので、この実施例においてはそれらのパラメータをベースユニット10のEEPROM10rに保存しておくこととする。その場合、ユーザがベースユニット10のみを買い換えるとき、それらの情報をメモリカードなどに一旦退避させて新しいベースユニット10に入れ直すこととなる。
その点に鑑み、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、ベースユニット10のEEPROM10rに保存されている情報(パラメータ)をフロントパネルユニット14の側に一旦退避させ、そのナビマイコン14mの指示に従って新しいベースユニット10に入れ直す(コピーする)こととする。それによってベースユニットが交換されるときも情報を共有することができる。
次いで無線モジュールなどの干渉、即ち、機器の優先順位などについて説明する。
この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、フロントパネルユニット14にBTモジュール14qと無線モジュール14xからなる2つの無線モジュールを備えることから、両者の間で干渉が生じる恐れがある。例えば、車両の後進中(リアカメラ映像表示中)にDVDの再生要求がなされる、あるいはハンズフリーマイク付きの携帯電話の呼び出しがなされるなど、機器の操作が干渉することがある。
そこで、優先順位を定め、それに従って機器を操作するようにした。図15はその処理の説明図である。同図において横軸はイベント、即ち、リバースギアスイッチ26、ハンドフリーマイク付き携帯電話およびDVDの動作を示し、縦軸はそれに応じた状態、即ち、車両が後進中、着信中、DVD再生中を示す。
図16は図15に基づいてナビマイコン14mで実行される処理を示すフロー・チャートである。
図15を参照しながら、図16に従って説明すると、先ずS300においてリバースギアスイッチ26がオン信号を出力、換言すれば車両が後進しようとしているか否か判断し、否定されるときはS302に進み、リアカメラ(Wireless Camera;ワイヤレスカメラ)の動作を停止し、WLC(ワイヤレスカメラ)無線機能をオフし、リアカメラの映像を停止する。
次いでS304に進み、携帯電話が着信中(呼び出し中)か否か判断し、否定されるときはS306に進み、ハンズフリー機構の着信音機能をオフすると共に、BTモジュール14qの機能をオフする(換言すれば、待機状態にする)。
次いでS308に進み、DVD再生中か否か判断し、否定されるときはS310に進み、再生ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否か判断し、肯定されるときはS312に進み、DVD再生を開始すると共に、液晶パネル14bにDVD映像を表示する。この場合、車両が後進しようとしていないので、リアカメラの映像を使用する必要がないからである。
他方、S300で肯定されるときはS314に進み、携帯電話への着呼(呼び出し)を切断すると共に、BTモジュール14qも不要となることから停止する(即ち、電波の送受信を中止する。尚、その手段として電源を落としても良い)。次いでS316に進み、DVD再生を停止すると共に、DVD表示をオフし、S318に進み、リアカメラを起動し、WLC機能をオンし、リアカメラの映像を表示し、S300の処理に戻る。
また、S304で肯定されるときはS320に進み、着信音を車載スピーカから送出すると共に、音声を送受信するためにBTモジュール14qをオンする(換言すれば、アクティブ状態にする)。次いでS322に進み、切断ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否か判断し、肯定されるときはS324に進み、着信音をオフすると共に、BTモジュール14qは不要であることからオフする。尚、S322で否定されるときはS324をスキップする。
また、S308で肯定されるときはS326に進み、停止ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否か判断し、肯定されるときはS328に進み、DVD再生を停止すると共に、DVD表示をオフする。尚、S326で否定されるときはS328をスキップする。
図15と図16に示す処理により、車両Aの後方を撮影したリアカメラの映像の表示をユーザに対して確保することができ、ユーザはそれを参考としながら、後進させることができる。また、機器の操作が干渉することもない。
次いでクレイドルユニット12のFMトランスミッタ12eについて説明する。
図7に示すクレイドルユニット12において、FMトランスミッタ12eは、フロントパネルユニット14のメモリカード14r内の音楽コンテンツや音声ガイダンスをナビマイコン14mを介して車両Bの車載スピーカから送出させる手段である。しかしながら、電波を送出する機器を当該国の電波法令によって出力レベルが規制されており、微弱な電波で出力せざるを得ない。そのため、走行地の付近にラジオ局がある場合、その電波の影響でノイズが発生する。
従って、この実施例に係るナビゲーション装置においては、クレイドルユニット12のEEPROM12fに各地区のラジオ局の周波数データベースを格納しておき、クレイドルマイコン12bは、走行する地域に応じて、あるいは目的地までの経路の全域にわたって空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させることとする。
ユーザはそれにカーレシーバ(カーオーディオ)の周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができる。これにより、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスをユーザに提供することができる。クレイドルマイコン12bは、FMトランスミッタ12eを介して音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させる。
尚、この実施例においてをFMトランスミッタをクレイドルユニット12に配置したが、ベースユニット10に設けても良い。
次いで図8に示したGUIについてさらに述べる。
図8に関して説明した如く、ナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、GUIを用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができることから、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、図6に示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、タッチパネル14sでユーザが操作することによって機能を実行させるようにした。
図8のGUI(機能)の構成を図17に示す。GUIについて改めて説明すると、XMLパーサ14m1は、画面構成を定義、具体的にはボタン位置、ボタンファイル名、ボタン名などを定義すると共に、ボタンタッチを検出する。VIEWコントローラ14m2は、メニュー構造を定義、即ち、ボタンが押されると、どのスキンが表示されるかを決定する。MODELコントローラ14m3は、選ばれた機能メッセージをアプリケーションレイヤ(APPLICATION LAYER)に送出する。アプリケーションレイヤは、GUIから送られてきたコマンドを実行する。
図17に示す如く構成することでユーザは視覚的に操作方法を理解することができる反面、機能数が増えるに伴ってメニュー数も増え、その結果メニューの階層が深くなる。その結果、ユーザは機能を実行させるために何回もメニューボタンを選択して目的の機能を選ぶことになり、かえって煩雑となる恐れがある。ユーザからみると、機能が絞られている方が使い易い場合もある。
メニュー画面は画面ごとに用意された画面構成定義(背景ファイル名、ボタン表示位置、ボタンファイル名、ボタン名など)および各ボタンが選択されたときに送出するメッセージを定義したスキンファイルと、そのファイルから呼び出されるメニュー画面構成要素(メニューボタン)ごとに用意されたビットマップファイルで構成される。このスキンファイルとビットマップファイルは不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14o内に格納され、ナビマイコン14mはそれらをXMLパーサ機能を用いて液晶パネル14bに表示する。
ユーザ操作に応じてXMLパーサ14m1は、メッセージをVIEWコントローラ14m2に送出する。VIEWコントローラ14m2はメッセージの内容を見て表示するスキンファイルを切り替え、必要に応じてMODELコントローラ14m3に対してコマンド要求を行う。MODELコントローラ14m3は要求されたコマンド種を確認し、アプリケーションレイヤに対して動作コマンドを送出する。この構造においてスキンファイルを入れ替えると、メニュー画面は変更される。スキンファイルはXMLなどの言語で表現される。
GUIをカスタマイズするとき、本来有している全ての機能からなるメニュー構成でスキンやコントローラを作成し、次いでメニュー画面の中から削除したいキーを抜いたスキンファイルを作成し、該当するスキンファイルを差し替えることになる。これで、削除されたボタン以下のメニュー表示とアプリケーションのコマンド送出はなくなり、機能を削減することができる。図18にその例を示す(削除された部分を破線で示す)。
また、スキンファイルをXMLのような言語で記述する場合、ボタンのレイアウトやボタン形状の変更はスキンファイルの記述を変えるだけで可能になる。このような手法を採ることにより、ソフト本体を書き換えることなく、スキンファイルのみを差し替えるだけでカスタマイズすることができる。
本体のオリジナルスキンファイルを不揮発性メモリに格納すると共に、変更したいスキンファイルをメモリカード14rなどに入れる。ユーザは好みのスキンファイルをメモリカード14rに入れ、電源投入後、初期設定スキン選択メニューでメモリカード14r内のファイルを選ぶことによってスキンを切り替える。しかしながら、この場合、ユーザは電源を投入するたびに好みのスキンを選択しなければならず、その結果、車両のエンジンを切るたびに設定が必要になる。逆に、スキンを固定してしまうと、特定のユーザのみがスキン変更の恩恵を得ることとなる。
この実施例に係るナビゲーション装置において、フロントパネルユニット14、ベースユニット10、およびクレイドルユニット12はそれぞれ不揮発性メモリとマイクロコンピュータを内蔵し、メモリには固有のID番号が格納されていて装着時に相互に認証するように構成される。即ち、それぞれのマイクロコンピュータは装着時に相手を特定することができる。また、ベースユニット10やクレイドルユニット12は車両に固定されるため、フロントパネルユニット14は、そのID番号を元に搭載された車両も特定することができる。
昨今、車両は一人一台保有する状況になり、車両ごとにユーザが決まっているような状況になっていることから、それぞれの車両にはベースユニット10あるいはクレイドルユニット12を取り付ける一方、フロントパネルユニット14を1個のみ用意して共同で使用する事態も予想される。そこで1個のフロントパネルユニット14に予め装着が予定されるベースユニット10あるいはクレイドユニット12のID番号に応じたスキンファイル名を定義しておき、装着された相手のID番号を読み取り、メモリカード14r内のスキンファイルを自動的に切り替えることとする。
図19と図20は、その処理を示すフロー・チャートである。図示の処理はナビマイコン14mによって実行される。
図19に示す処理は、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mのメモリカード14rにスキンファイルが複数種格納されていることを前提とし、フロントパネルユニット14がベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に装着されているとき、複数台の車両のそれぞれのユーザの操作に応じて実行される。
以下説明すると、S400で上記したメモリカード14r内に格納されている複数種のスキンファイルのいずれかをユーザに選択させ、S402に進み、選択されたスキンファイルを読み出して液晶パネル14bに表示する。次いでS404に進み、ユーザによってスキンファイル設定OKボタンが押されたか否か判別してユーザが設定に同意したか否か判断し、否定されるときはS400に戻る。
他方、S404で肯定されたときはS406に進み、相手、即ち、操作したユーザが保有する車両のベースユニット10あるいはクレイドルユニット12のID番号を入力させると共に、入力させたID番号と選択されたスキンファイルの名称をフロントパネルユニット14の不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14oに登録(格納)する。
尚、この場合、ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に設けられているEEPROM10r、EEPROM12fに登録(格納)しても良く、あるいは別途不揮発性メモリを設けてそこに登録(格納)するようにしても良い。
さらに、フロントパネルユニット14に別途不揮発性メモリを設けることに加え、ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12にも不揮発性メモリを設け、両方の不揮発性メモリに、相手方のID番号と選択されたスキンファイルやその名称等を登録(格納)することにより、一方のデータが使えないか、あるいは正しくない場合、異常のない側のデータを用いたり、両方ともデータに異常はないが、互いのデータが異なった場合にはフロントパネルユニット14の不揮発性メモリのデータを優先的に使うようにして本装置の信頼性を高めても良い。
図20に示す処理は、図19に示す処理が完了した後、取り外されていたフロントパネルユニット14がベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に装着されるとき、実行される。
以下説明すると、S410でフロントパネルユニット14がベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に装着されたことを確認してS412に進み、装着された相手(ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12)のID番号を読み出し、S414に進み、読み出したID番号に対応した名称のスキンファイルが登録されているか否か判断する。S414で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS416に進み、メモリカード14rに格納されている中の選択された名称のスキンファイルを表示用のスキンファイルとして設定、より具体的には自動的に選択する。
これにより、ユーザは装着時、車両に応じて自動的にスキンファイルを切り替えることができる。ただし、車両ごとにユーザが決まっていない場合も当然ながら想定できるので、メニューの中に常時オリジナルメニューへの切り替えボタンを用意することとする。
上記したGUIの変更手順は、予め用意された複数のGUIの中からユーザが選ぶ場合を想定していたが、それとは別に、ユーザ自身がGUIをカスタマイズすることも考えられる。その場合、メニュー整理手順の中で使用されないボタンを選ぶことになるが、誤って必要なボタンを消去してしまう恐れもある。
従って、この実施例においては、ボタン消去手順の中で、各ボタンに対して消去不可能な属性を割り振り、消去ボタン選択処理において必ずその属性を確認し、消去してはいけないボタンを消去できないように構成する。また、利用率が高い、あるいは機能上消去不可であることが最初から明らかなボタンについては、ハードキーを割り当て、メニュー編集表示の中で表示しないこととする。
図21に消去してはいけない(消去不可)ボタンの例を示す。図22は上記のフロー・チャートである。
以下説明すると、S500において全てのメニューボタンを表示し、S502に進み、ユーザに消去したいボタンの選択を促す。次いでS504に進み、選択されたボタンが消去可能か否か判断し、肯定されるときはS506に進み、選択されたボタンを消去する。尚、S504で否定されるときはS506の処理をスキップする。
次いでS508に進み、ボタン編集が終了したか否か判断し、否定されるときはS502に戻ると共に、肯定されるときプログラムを終了する。具体的には、1つのボタン消去に関する処理が終わる度に、「ボタン編集を終了しますか」というメッセージと共に、「YES」「NO」ボタンが表示され、ユーザによって「NO」ボタンが押されるとき、S508の判断は否定されてS502に戻る一方、[YES]ボタンが押されるとき、S508の判断は肯定されてプログラムを終了するように構成される。
上記した構成により、GUIを用いることでユーザに視覚的に操作方法を理解させることができてユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことでユーザの操作を一層容易にすることができる。またユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。
次いでTVチューナ10qの設置箇所について説明する。
ナビゲーション装置においてTV視聴機能を組み込んだ場合、使用を制限する必要がある。TV視聴機能を全てフロントパネルユニット14に集中させた場合、車両が実際に走行しているか否か判断するための車輪速センサ22の出力をベースユニット10からナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mはそれを用いてTV視聴機能をオン・オフすることになる。
しかしながら、その構成において、ベースユニット10とフロントパネルユニット14を結ぶ信号線(シリアルデータライン)がハッキングされ、疑似信号をフロントパネルユニット14に送信された場合、オフされていたTV視聴機能はオンされてしまう。
この実施例に係るナビゲーション装置において、もしTVチューナ10qをフロントパネルユニット14に設置したとすると、車外アンテナで受信された映像信号はベースユニット10を経由してフロントパネルユニット14に伝送される。その場合、アンテナから取得できる放送電波は高周波で微弱であるため、経路のインピーダンスや周囲のノイズの影響を受け易く、品質の良い映像信号を得ることができない。特にフロントパネルユニット14とベースユニット10はコネクタ10eを介して接続されるため、接触による損失も発生して映像信号に影響を与える。
また、ベースユニット10に装着した状態のフロントパネルユニット14に直接TVアンテナを設けると、外に出ている部品にアンテナを付けることになり、その結果、液晶パネル(ディスプレイ)14bを小さくしなければならない。
その点を鑑み、図6に示す如く、この実施例に係るナビゲーション装置においてはTVチューナ10qをベースユニット10に設置した。即ち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときはTVチューナ10qの動作を制限することができ、安定した画像を得ることができると共に、液晶パネル14bを小さくしないですむ。
換言すれば、車両が走行しているか否かの判定とTVチューナ10qの動作制限とがベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
また、映像信号をTVチューナ10qでデジタル信号に変換してフロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
次いで、フロントパネルユニット14の盗難について説明する。
フロントパネルユニット14はベースユニット10から着脱自在としたことから、盗難される恐れがある。従って、この実施例においてはベースユニット10のEEPROM10rあるいはクレイドルユニット14のEEPROM12fに、それらのID番号(識別番号)を登録しておき、それと一致するか否か判断することで、フロントパネルユニット14の盗難を抑止するようにした。
図23はその処理を示す、ナビマイコン14mの処理を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S600において自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否か判断する。装着されると信号線を通じてシステムマイコン10iあるいはクレイドルマイコン12bと通信自在となることから、ナビマイコン14mはそれによって自らの装着が検出されたか否か判断する。
次いでS602に進み、取り付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出し、S604に進み、予め登録されているID番号と一致するか否か判断し、肯定されるときは以降の処理をスキップすると共に否定されるときはS602に進み、警告音を発生する。尚、それと同時に、あるいはそれに代え、BTモジュール14qを経由して現在位置情報を予め指定されている電話番号に自動通知する。
上記した図23はマイクロコンピュータ(ナビマイコン)14mの処理であるが、ナビマイコン14mはこれ以外にも図10に示す処理など種々の処理を実行する。ベースユニット10のシステムマイコン10iも図13に示す処理などを実行する。クレイドルユニット12のクレイドルマイコン12bも同様である。
ここで図24から図26を参照し、それらマイクロコンピュータの処理を説明する。
図24は、それらマイクロコンピュータ、即ち、ナビマイコン14m、システムマイコン10i、クレイドルマイコン12bが上記した処理、例えばナビマイコン14mが図10などに示す処理(以下「タスク処理」という)を行うためのメインルーチンを示すフロー・チャートである。
図示のルーチンはイグニションキーがオンされて車両A(あるいはB)の電源(バッテリ)から動作電源を供給されて開始し、先ずイニシャライズ処理を実行し(S700)、1からnまでのタスク処理の優先順付けを所定のRAMエリアにセットする(S702)。
次いでOS(オペレーティング・システム)を起動し(S704)、全てのタスク処理のイニシャライズ(S706)実行し、タスク選択処理(S708)で待機状態となる。この待機状態にあっては、後述する割り込み処理によりイベントフラグがセットされると、セットされたイベントフラグに対応するイベント(S710〜S71nのいずれか)を実行する。対応するイベントの処理が終了すると、タスク選択処理(S708)に戻り、次の割り込み処理によりイベントフラグがセットされるまで待機状態が保たれる。
タスク選択処理(S708)では、具体的には割り込み処理(後述)を通じてイベントフラグがセットされたか否か監視し、セットが検出されたとき、セットされたイベントフラグに対応するタスク処理を実行する。尚、割り込み処理が重複したときは、S702でセットされた優先順に従ってタスク処理を実行する。このイニシャライズ(S706)からイベント(S710〜S71nのいずれか)までの処理が、OS処理に相当する。
図25は上記した割り込み処理ルーチンを示すフロー・チャート、図26は割り込み処理で使用されるマイクロコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
割り込み処理は、大きく分けて、マイクロコンピュータに後でセットされるソフトウエアとは関わりなく、独立して処理を実行するハード処理部分と、マイクロコンピュータ毎にセットされるソフトウエアである割り込み処理ルーチン部分とからなり、図26の割り込み端子(Aからn)に、データあるいはトリガ信号が入力されるか、あるいは所定時間毎に割り込みを指示するカウンタにトリガ信号が生じると、マイクロコンピュータ内で上記のハード処理が開始され、そのときのOS処理で使用中のあるいは処理されたデータが記録されている各種レジスタの記録内容を各スタックエリア(1からn)に移動する。
次いでプログラムカウンタの現在の値をスタックエリアに移動させた後、データなどが入力された割り込み端子に対応する割り込みアドレス(Aからn)に書かれている値をプログラムカウンタに書き込む。このプログラムカウンタの値が書き換えられたことにより、現在処理中のプログラムは中断(保留)され、図25の割り込み処理ルーチンが開始される。
図25の割り込み処理ルーチンにあっては、先ず割り込み処理ルーチン(S800)が起動され、次いで割り込みのあった端子などに対応するイベントフラグのフラグをセットし(S802)、最後に割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行(S804)が実行されて割り込み処理ルーチンは終了となる。
この割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行が実行されると、再度、マイクロコンピュータ内のハード処理が開始され、中断されたときに各スタックエリア(1からn)に転記された値を元の各種レジスタに書き戻し、次いで中断されたときに一時的に退避させられたプログラムカウンタの値をスタックエリアからプログラムカウンタに書き戻すことで、一連の割り込み処理が終了し、割り込み直前の状態に戻される。その時点から、割り込み直前まで実行されていた中断(保留)中のプログラムが再び実行される。
次いで、アンテナについて説明する。
図6と図7から明らかな如く、この実施例に係るナビゲーション装置は、多くのアンテナを有する。ナビゲーション装置の他にも、車両にはFM/AMラジオが搭載されることから、それのアンテナもある。それらについて個別に配置することも可能であるが、この実施例においては、図27に示す如く、一体型のフィルムアンテナ200を使用するようにした。
フィルムアンテナ200の出力は広帯域の高周波アンプ202で増幅された後、分配器204で分配され、コネクタ206を介してベースユニット10(あるいはフロントパネルユニット14あるいはクレイドルユニット12)に入力される。符号208は電源ラインである。フィルムアンテナ200は、例えば車両のフロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラーなどのいずれかに貼り付ける。
あるいは、図28に示す如く、フィルムアンテナ200にそれぞれのアンテナ用の高周波アンプ202を内蔵させ、その出力をコネクタ206と分配器204を介してベースユニット10に入力させても良い。その場合、FM/AMラジオアンテナは比較的波長が長いことから、高周波アンプ202に接続しなくても良い。
あるいは、図29に示す如く、フィルムアンテナ200を複数個用意し、フロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラーなどに別々に貼り付けると共に、ベースユニット10などの分配器204で電界強度の高いものを選択するようにしても良い。
この実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニット10に着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)を少なくとも備えると共に、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記センサの出力状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S10からS18)如く構成したので、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができると共に、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
また、同様に、分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外し、他の車両に搭載する、あるいは自宅で目的地や経路などを入力することが可能となり、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを上げることができる。
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)を少なくとも備えると共に、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記フロントパネルユニット14の装着状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S20からS28)如く構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
また、同様に分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外し、他の車両に搭載する、あるいは自宅で目的地や経路などを入力することが可能となり、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを上げることができる。
また、車両に固定自在であって少なくともマイクロコンピュータ(クレイドルマイコン12b)とGPS信号を受信する受信装置20を少なくとも有するクレイドルユニット12を備え、前記クレイドルユニット12に前記フロントパネルユニット14が着脱自在に構成すると共に、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記フロントパネルユニット14が前記ベースユニット10に装着されるときは前記3個のセンサ(検出器)の出力を使用して前記車両の位置を測位すると共に(S24,S26)、前記フロントパネルユニット14が前記クレイドルユニット12に装着されるときは前記GPS信号のみを使用して前記車両の位置を測位する(S24,S28)如く構成したので、上記した効果に加え、フロントパネルユニット14が着脱自在であると共に、GPS信号で測位するクレイドルユニット12を設けることで、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを一層上げることができる。
尚、3センサモードで測位させるためにはジャイロセンサ24を必要とする。そのジャイロセンサ24をフロントパネルユニット14内に内蔵させた場合、フロントパネルユニット取り付けガタやフロントパネルユニット14のチルト調整による傾斜によって感度が変化し精度が低下する場合もある。またフロントパネルユニット14自身の小型化にも影響を与える。さらに車輪速センサの出力をフロントパネルユニット14に伝送する場合、フロントパネルユニット14とベースユニット10の間の接合端子が増えてしまう。
その対策としてジャイロセンサ24をベースユニット10内に組み込み、ジャイロデータや車輪速センサ22の出力をベースユニット10内のシステムマイコン10iで取り込んでからシリアル通信ラインを経由してナビマイコン14mに伝達することもできる。しかし、その場合システムマイコン10iを経由することによってナビマイコン14mへの情報伝達遅延が発生し、GPSデータ取得タイミングとずれてしまう。
本来3つのセンサデータはそれぞれのタイミングにおける位置情報、移動距離情報、方向情報であり、同時に取得して処理する必要がある。取得タイミングがずれると、位置精度に影響を及ぼす。
しかしながら、この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、GPS信号受信装置20もベースユニット10側に設置し、GPSから得られる位置情報もジャイロデータや車輪速センサ22の出力と共にシステムマイコン10iで並べ替え、統合してからナビマイコン14mに送付するように構成したので、システムマイコン10iを介することでデータ転送による遅れは3つのセンサデータとも同じ値となり、よってそのような不都合を生じることがない。
尚、その構成の場合もシステムマイコン10iのCPU処理能力が高ければ自車位置の推定やナビゲーション機能もシステムマイコン10i側で行うことができる。しかしながら、システムマイコン10iで作成した表示用地図データをフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示するためには、システムマイコン10iで作成した画像データをそのままナビマイコン14mに送付してナビマイコン14mで表示用イメージ信号に変換するか、システムマイコン10iでアナログイメージ信号に変換してフロントパネルユニット10に伝送し、液晶パネル14bに表示させることになる。
地図データは1秒間に1枚から5枚程のカラー画像データを送付するため、データ伝送量は多い。データを並列バスで伝送しようとすると、フロントパネルユニット14とベースユニット10の間のデータライン(信号線)が相当数増えてしまう。
またシリアルデータラインで伝送する場合、地図データ伝送量が大きいため、映像データ伝送によりシリアルデータラインが占有されてしまい、システムマイコン10iからナビマイコン14mに伝送すべき他の情報の伝送が遅くなる。
またナビマイコン14mからシステムマイコン10iにナビ機能を移動した場合、ナビマイコン10iのCPU能力は下げられるが、システムマイコン10iとクレイドルマイコン12bにナビゲーションが可能な程度の処理能力を持つマイクロコンピュータを組み込む必要があり、システムアップコストは高くなってしまう。ユーザによってはクレイドル12を複数個購入することも想定され、フロントパネルユニット14にインテリジェンスの高い機能を集中させた方がトータルコストは安くなる。
この実施例にあっては、上記を勘案してフロントパネルユニット14のナビマイコン14mでナビゲーション機能を完結させ、ベースユニット10のシステムマイコン10iでは周辺機器の制御を行う構成とした。
尚、フロントパネルユニット14にGPS信号受信装置20を接続し、ジャイロセンサ24をベースユニット10に配置すると共に、車輪速センサ22をベースユニット10に接続する場合においても、下記の手法で各信号データの同期をとることは可能である。
1.システムマイコン10iがジャイロセンサ24と車輪速センサ22の出力を統合し、タイムスタンプデータと組み合わせてナビマイコン14mに伝送する。ナビマイコン14mでもGPSデータとGPSデータ取得時のタイムスタンプデータをペアでメモリ上に保存しておき、システムマイコン10iから受け取ったタイムスタンプと同じ時間のデータを組み合わせて自車位置推定処理を行う。
2.システムマイコン10iが車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力を取得するタイミングと、それらのデータをナビマイコン14mに伝送するタイミング、GPS信号受信装置20からGPSデータがナビマイコン14mに伝送されるタイミングが一定間隔で保たれるようなシステム設計を行い、ナビマイコン14mで各センサ信号取得時間を管理して同期させる。
また、この実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)の少なくともいずれかを用いて前記車両の位置を測位すると共に、前記フロントパネルユニット14に、より具体的にはその背面にアンテナ14pを含む近距離送受信モジュール(BTモジュール)14qと画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xを配置する如く構成した。
このように液晶パネル14bを駆動するナビマイコン14mと同じフロントパネルユニット14に画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xを配置したので、タイムラグなく画像を表示することができる。
尚、受信専用モジュール14xなどの無線モジュールの周波数帯は2.4Gである。また許容された帯域幅の約1/3の帯域を使用し、3分割した帯域の内、最も通信状態が良好な周波数帯域を通信時に選択してその帯域を変更せずに通信するので、高速通信が安定して可能となる。もし、同じ帯域を使用するBT(Bluetooth)通信を同時に行うとすると、通信速度が遅くなったり、ノイズとなったりする場合もあるので、図16の処理に関して前記した如く、リアカメラを使用するときはBT通信を使用しないようにしても良い。
さらに、フロントカメラの画像を同無線モジュールを使って受信するようにした場合でも、未だ2/3の帯域が残っているので、残りの帯域の内、フロントカメラの画像についても1/3の帯域を使えば、高速通信が安定して可能であり、BT通信についても残りの1/3の帯域が確保されているのでBT通信も安定した使用が可能である。
さらに、アンテナ14pを含む近距離受信専用モジュール(BTモジュール)14qをフロントパネルユニット14に、より具体的にはその背面に配置したので、車内の携帯電話ハンズフリーマイクとの送受信が容易である。
また、この実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)の少なくともいずれかを用いて前記車両の位置を測位すると共に、前記ベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)はフロントパネルユニット14が取り外された後も前記車両Aの位置を保持し、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記車両の走行状態に基づいて前記車両の位置を決定する(図14のS200からS216)如く構成した。
これにより、上記した効果に加え、取り外されても車両が走行していない限りは保持されたデータを使用して直ちに測位することが可能となると共に、車両が移動した場合などは保持されたデータを使用しないことも可能となり、不正確な位置データを使用することを防止することができる。
また、この実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)の少なくともいずれかを用いて前記車両の位置を測位すると共に、前記フロントパネルユニットのマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)の制御プログラムを、前記液晶パネル14bにメニューを表示する液晶パネルとそれに重ねたタッチパネルを設けてユーザに押させることで指定機能を実行するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)機能と、前記グラフィカルユーザインターフェース機能で選択された動作を実行するアプリケーション機能と、前記機能に対する処理時間を少なくとも規定するプラットフォーム機能とで構成する一方、前記タッチパネルに消去不可の機能ボタンを表示させる(図21、図22のS500からS508)如く構成した。
これにより、GUIを用いることでユーザに視覚的に操作方法を理解させることができてユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことでユーザの操作を一層容易にすることができる。またユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。さらに、車種に応じた変更も容易となる。
また、この実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)の少なくともいずれかを用いて前記車両の位置を測位すると共に、TV画像を受信するチューナ(TVチューナ)10qを前記ベースユニット10に配置し、前記チューナの出力(TV画像信号)を前記ベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)から前記フロントパネルユニット14に伝送する如く構成した。
このようにベースユニット10のシステムマイコン10iは車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときはTVチューナ10qの動作を制限することができる。また、車両が走行しているか否かの判定とTVチューナ10qの動作制限とがベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
また、映像信号をTVチューナ10qでデジタル信号に変換してフロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
また、この実施例においては上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を少なくとも有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)の少なくともいずれかを用いて前記車両の位置を測位すると共に、FMトランスミッタ12eと、前記車両が走行する地域のラジオ局の周波数データベースを格納する手段(EEPROM12f)とを備えると共に、前記車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させる如く構成した。
より具体的には、前記フロントパネルユニットが着脱自在な、マイクロコンピュータ(クレイドルマイコン12b)を少なくとも有するクレイドルユニット12を備え、前記FMトランスミッタ12eが前記クレイドルユニット12に配置されると共に、前記クレイドルユニット12のマイクロコンピュータ(クレイドルマイコン12b)は、前記車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させる如く構成した。
これにより、ユーザはそれにレシーバの周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができると共に、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスを聴取することができる。