JP4889384B2 - 断路器位相制御システム - Google Patents
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Description
また、数kAのアーク電流を遮断するため、接点の磨耗が早いという問題点があった。
この発明による実施の形態1を図について説明する。図1は実施の形態1におけるガス絶縁断路器の構成を示すブロック図である。図2は実施の形態1におけるガス絶縁断路器の動作を示すタイムチャートである。
ガス絶縁断路器1における断路器駆動コイル2に位相制御信号5が入力されると、SF6等の絶縁ガスを封入した密閉容器内で電流遮断を行う断路器接点3が開放される。断路器駆動コイル2に位相制御信号5が入力され、断路器接点3が開放するまでの時間を断路器接点3の動作時間と呼んでいる。
位相制御部4には系統電流信号6が入力される。また、開指令スイッチ7aを介して開指令7が入力される。位相制御部4への開指令7の入力により、開指令スイッチ7aを介して位相制御部4に入力された駆動コイル2を駆動するための駆動電圧電源8の電圧によるコイル駆動電圧が位相制御信号5として駆動コイル2に入力される。この位相制御信号5の入力タイミングは、位相制御部4へ電力系統に設けられた電流センサ(図示せず)から入力される系統電流信号6の位相と、事前に位相制御部4へ登録され設定・記憶されたガス絶縁断路器1における断路器接点3の動作時間に関するデータに基づいて決定される。
位相制御部4に開指令7が入力されると、ガス絶縁断路器1は位相制御信号5が入力されることによって断路器接点3の断路器駆動コイル2へ駆動電圧電源8の電圧によるコイル駆動電圧が印加されるのを待つ待機状態となる。位相制御部4は位相制御部4への開指令7の入力によって予測した将来の電流ゼロ位相と、ガス絶縁断路器1における断路器接点3の動作時間から、位相制御信号5の出力タイミングを算出するとともに、位相制御信号5の出力タイミングまで出力を待つ。この遅延時間経過後、位相制御部4は位相制御信号5を断路器駆動コイル2に出力する。断路器駆動コイル2への位相制御信号5の入力により断路器接点3は開放動作を行い、電力系統を開路状態として絶縁を確保する。
このような制御を行うことにより、断路器接点3は系統電流のゼロ位相で系統電流を遮断する。系統電流が数kA流れていたとしても、電流ゼロ位相で遮断するため断路器接点3の遮断電流能力は小さくて済み、断路器接点3の摩耗を伴うことなく電流遮断を確実に行えるので、電流遮断容量の小さな断路器接点3で、系統電流が数kAの場合でも遮断することができ、ガス絶縁断路器1の寿命を延ばすとともに遮断機能の信頼性を向上することができる。
よって、遮断能力を向上させるために断路器に永久磁石を組み込むような複雑な構成にする必要がなくなる。
この発明による実施の形態2を図3について説明する。図3は実施の形態2におけるガス絶縁断路器の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この手法で予測したガス絶縁断路器1における断路器接点3の動作時間と、系統電流6から予測した将来の電流ゼロ位相タイミングから実施の形態1と同様な位相制御信号5の出力タイミング制御を行う。
この発明による実施の形態3を図4について説明する。図4は実施の形態3における断路器位相制御システムの構成を示すブロック図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
図4では、二つのガス断路器1A,1Bに対応して、構成物の記号(数字)の後ろにAまたはBをつけて2系の構成物に例えば2A,2B等の符号をつけ区別している。
選択切替指令手段を構成するセレクト指令部15は、選択切替指令信号により、どちらのガス絶縁断路器1Aか1Bかが開路動作を行うかを指定するものである。信号切替手段を構成するセレクトスイッチ11,12,13,14はセレクト指令部15からの信号を入力して、指定されたガス絶縁断路器1Aまたは1B側の信号を選択するように切り替わる。
セレクトスイッチ11は開指令スイッチ7Aaによる開指令7Aまたは開指令スイッチ7Baによる開指令7Bの切替、セレクトスイッチ12は電圧センサ9A,9Bの検出出力の切替、セレクトスイッチ13は温度センサ10A,10Bの検出出力の切替を行い、セレクトスイッチ14は位相制御部4Aからの位相制御信号5を断路器駆動コイル2A,2Bのどちらへ供給するかを切り替える。
位相制御部4Aは、二つのガス絶縁断路器1A,1Bにおける断路器接点3A,3Bの動作時間に影響を与える温度―コイル駆動電圧特性などのデータをあらかじめ設定・記憶しており、またセレクト指令部15の信号を入力して、動作するガス絶縁断路器が1Aか1Bかを判断する。
図4はガス絶縁断路器1Bの断路器駆動コイル2Bを動作させようとした時のセレクトスイッチ11,12,13,14の状態を示している。この状態で、開指令スイッチ7Baが閉合され開指令7Bが入力されると、この開指令7Bはセレクトスイッチ11を介して位相制御部4Aに入力される。
位相制御部4Aはセレクト指令部15からの信号で、ガス絶縁断路器1Bの断路器接点3の動作時間に影響を与える温度―コイル駆動電圧特性などに関するデータ、セレクトスイッチ12から入力するガス絶縁断路器1の断路器駆動コイル2Bへ印加される駆動電圧電源8の電圧を検出した電圧センサ9Bの検出出力値、セレクトスイッチ13から入力する断路器駆動コイル2Bの環境温度を検出する温度センサ10Bの検出出力値から、断路器駆動コイル2Bにより駆動される断路器接点3Bによって開路動作が行われるガス絶縁断路器1Bの断路器接点3の動作時間を予測する。
実施の形態1および実施の形態2と同じ制御手法で出力された位相制御信号5は、セレクトスイッチ14を介して断路器駆動コイル2Bに出力される。以降の動作は実施の形態1および実施の形態2と同じである。
したがって、セレクトスイッチ11,12,13,14からなる信号切替手段およびセレクト指令部15からなる選択切替指令手段を設けることにより、一つの位相制御部4Aで、複数のガス絶縁断路器1A,1Bを制御することが可能となる。
位相制御部4Aは比較的高価となるため、この方式によりコスト低減を図ることができるという効果がある。
Claims (2)
- 絶縁ガスを封入した密閉容器内で開放動作を行う断路器接点と位相制御信号を入力して前記断路器接点を開放する断路器駆動コイルとを具備する複数のガス絶縁断路器に対して共通に設けられ、前記断路器接点を開放する開指令と系統電流信号を入力して前記系統電流信号の所定の位相で前記断路器接点を開放するように前記開指令の出力タイミングを遅延させた位相制御信号を系統電流信号の位相と前記断路器接点の動作時間とに基づいて出力する位相制御部と、
前記位相制御信号の出力先を切り替える切替信号を出力する切替信号出力手段と、
前記切替信号と前記位相制御信号を入力し、前記切替信号に基づいて前記位相制御信号の出力先を複数のガス絶縁断路器のいずれかのガス絶縁断路器に切り替える信号切替手段とを備え、
前記動作時間は、複数の前記ガス絶縁断路器のそれぞれについて、それぞれの前記ガス絶縁断路器毎に設けられ前記断路器接点を駆動する前記断路器駆動コイルに印加される駆動電圧電源の電圧を検出する電圧センサの検出出力とそれぞれの前記ガス絶縁断路器毎に設けられ前記断路器駆動コイルの環境温度を検出する温度センサの検出出力に応じて補正されるものであって、複数の前記ガス絶縁断路器のうち前記位相制御信号の出力先となる前記ガス絶縁断路器の動作時間を出力先の前記ガス絶縁断路器に設けられた前記電圧センサおよび前記温度センサの検出出力に応じ補正することを特徴とする断路器位相制御システム。 - 切替信号出力手段からの切替信号により、複数の前記ガス絶縁断路器について開指令信号を切り替える第1のセレクトスイッチと、複数の前記ガス絶縁断路器について前記電圧センサの検出出力を切り替える第2のセレクトスイッチと、複数の前記ガス絶縁断路器について前記温度センサの検出出力を切り替える第3のセレクトスイッチとを設けたことを特徴とする請求項1に記載の断路器位相制御システム。
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