JP4886715B2 - 定常率算出装置、雑音レベル推定装置、雑音抑圧装置、それらの方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
R.Martin,"Spectral Subtraction Based on Minimum Statics," Proc. EUSIPCO'94., pp.1182-1185, Sept. 1994.
図1は、本発明の定常率算出装置20の機能構成例であり、図2はそれに対応する処理フローである。
(i)雑音成分は定数ベクトルと相関が高い
(ii)音声成分は定数ベクトルと相関が低い
との仮説を立て、これについて妥当性の検証を行った。定数ベクトルとの相関は、時系列中の直流成分のパワー比率に相当し、相関が高いほど直流成分のパワー比率が大きくなる。音声信号と雑音信号のそれぞれについての直流成分のパワー比率の周波数特性を求めた結果を図3(a)に示す。ここで、音声信号としては図3(b)に示す波形で表わされる男声を与え、雑音信号には空調雑音を用いている。図3(a)からわかるように、雑音における直流成分のパワー比率は全ての周波数帯域で約80%と定数ベクトルとの相関が高い一方、音声における直流成分のパワー比率は平均で約30%程度と定数ベクトルとの相関は低い。また、雑音として車内雑音や街頭雑音を用いた場合でも同様な相関が得られることを確認済である。このことから、仮説(i)(ii)の妥当性が高いと判断できる。以上より、定常率γi,kは概ね入力信号における雑音成分の割合であるとみなすことができ、よって、定常率γi,kから雑音レベルの推定を行うことができる。
図6は、本発明の雑音抑圧装置40の機能構成例であり、図7はそれに対応する処理フローである。
第1実施形態においては、入力信号スペクトルXi,k中の雑音成分のスペクトルNi,kの周波数成分iの時系列が、基本的には変動せず定常であるとみなした場合の定常率γi,kの算定式(式(5)及び式(7))を明らかにした。しかし、実際には雑音成分に非定常成分が含まれたり、音声成分に定常成分が含まれたりする場合が少なくない。
第3実施形態の方法により補正した定常率γi,k´を用いて雑音レベル推定を行う場合、Thmin(i)の値が大きい場合には、式(9)により雑音レベルを推定した結果が実際の雑音レベルより小さくなってしまうことがある。
第4実施形態ではThmin(i)の値が大きい場合に、入力信号スペクトルXi,k中に音声等の所望の成分の信号スペクトルSi,kが無い区間における入力信号スペクトルの振幅の
雑音レベル推定精度について、本発明の第1実施形態の雑音レベル推定手法と非特許文献1の従来手法とを比較した。標本化周波数は8kHz、周波数処理を行う際の処理フレーム長は256点とし、1/2加算による分析合成を用いた。式(1)のパラメータL、ε、κについては、L=50(0.8s)、ε=0.9、κ=1.5と非特許文献1に示されている値を用いた。式(6)(7)のパラメータν、α、β、λ、ξについては、ν=1.6、α=2、β=0.1、λ=1、ξ=0.98(L=50に相当)を用いた。音声は、図3(b)に示す男声を与えた。音声に混在させる雑音として、空調雑音、車内雑音、街頭雑音の3種類を用い、SN比はそれぞれ−6dB、−10dB、6dBとした。推定精度の評価指標については、雑音レベル推定誤差e(k)を式(17)のように定義した。式(17)により、処理フレームkにおける雑音レベル推定値と目標値の誤差の大きさを評価できる。なお、離散的周波数Mは128とした。
Claims (18)
- 所望の成分と雑音成分とを含む信号が入力され、当該信号を一定時間ごとに切り出したフレームごとに周波数領域に変換して周波数スペクトルX i,k (iは周波数成分番号、kはフレーム番号)を出力する入力側周波数分析部と、
上記周波数スペクトルX i,k が順次入力され、当該各周波数スペクトルX i,k における同一周波数成分の時系列中の定常成分の割合(以下、「定常率γ i,k 」という。)を求めて出力する定常率計算部と、
を有し、
上記定常率γi,kを、複数フレーム分の上記周波数スペクトルXi,kの同一周波数成分を並べてベクトル化した時系列ベクトルと、ベクトルの全要素が同じ数であり、かつ、要素の個数が前記時系列ベクトルの要素の個数と同じである定数ベクトルとの正規化相関により求めることを特徴とする定常率算出装置。 - 所望の成分と雑音成分とを含む信号が入力され、当該信号を一定時間ごとに切り出したフレームごとに周波数領域に変換して周波数スペクトルX i,k (iは周波数成分番号、kはフレーム番号)を出力する入力側周波数分析部と、
上記周波数スペクトルX i,k が順次入力され、当該各周波数スペクトルX i,k における同一周波数成分の時系列中の定常成分の割合(以下、「定常率γ i,k 」という。)を求めて出力する定常率計算部と、
を有し、
上記定常率γi,kを、
により求めることを特徴とする定常率算出装置。 - 所望の成分と雑音成分とを含む信号が入力され、当該信号を一定時間ごとに切り出したフレームごとに周波数領域に変換して周波数スペクトルX i,k (iは周波数成分番号、kはフレーム番号)を出力する入力側周波数分析部と、
上記周波数スペクトルX i,k が順次入力され、当該各周波数スペクトルX i,k における同一周波数成分の時系列中の定常成分の割合(以下、「定常率γ i,k 」という。)を求めて出力する定常率計算部と、
を有し、
上記定常率γi,kを、
により求めることを特徴とする定常率算出装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の定常率算出装置と、
上記周波数スペクトルXi,kと上記定常率γi,kとが入力され、雑音抑圧後周波数スペクトルを求めて出力する雑音抑圧部と、
上記雑音抑圧後周波数スペクトルが入力され、時間領域に変換して上記所望の成分を出力する出力側周波数分析部と、
を備える雑音抑圧装置。 - 所望の成分と雑音成分とを含む信号を一定時間ごとに切り出したフレームごとに周波数スペクトルX i,k (iは周波数成分番号、kはフレーム番号)に変換する入力側周波数分析ステップと、
上記周波数スペクトルX i,k から定常率γ i,k を求める定常率計算ステップと、
を実行する定常率算出方法であって、
上記定常率γi,kを、複数フレーム分の上記周波数スペクトルXi,kの同一周波数成分を並べてベクトル化した時系列ベクトルと、ベクトルの全要素が同じ数であり、かつ、要素の個数が前記時系列ベクトルの要素の個数と同じである定数ベクトルとの正規化相関により求めることを特徴とする定常率算出方法。 - 所望の成分と雑音成分とを含む信号を一定時間ごとに切り出したフレームごとに周波数スペクトルX i,k (iは周波数成分番号、kはフレーム番号)に変換する入力側周波数分析ステップと、
上記周波数スペクトルX i,k から定常率γ i,k を求める定常率計算ステップと、
を実行する定常率算出方法であって、
上記定常率γi,kを、
により求めることを特徴とする定常率算出方法。 - 請求項9〜11のいずれかに記載の定常率算出方法と、
上記周波数スペクトルXi,kと上記定常率γi,kとが入力され、雑音抑圧後周波数スペクトルを求めて出力する雑音抑圧ステップと、
上記雑音抑圧後周波数スペクトルが入力され、時間領域に変換して上記所望の成分を出力する出力側周波数分析ステップと、
を実行する雑音抑圧方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載した装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項17に記載したプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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