JP4886479B2 - 動きベクトル補正装置、動きベクトル補正プログラム、補間フレーム生成装置及び映像補正装置 - Google Patents

動きベクトル補正装置、動きベクトル補正プログラム、補間フレーム生成装置及び映像補正装置 Download PDF

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本発明は、動画像の動きを表す動きベクトルを補正する動きベクトル補正装置及び動きベクトル補正プログラム、並びにその動きベクトル補正装置を用いた補間フレーム生成装置及び映像補正装置に関する。
ニュース映像などには、他の報道者などが静止画撮影のために発光したフラッシュによる明滅が含まれている場合がある。その急激な輝度変化はニュース映像の視聴者に不快感を与えることがある。また、このような映像を符号化やフレームレート変換する際に、映像圧縮率や品質の低下などの要因となる。また、放送局において映像を利用する際に編集上の制限となる場合があり、一種の映像雑音ともいうことができる。
このような映像の補正方法としては、部分的に消失した輝度値を近傍映像などから修復する方法がある(非特許文献1)。これは、劣化領域が小さい場合には有効であるが、フラッシュのように輝度変動がフレームの広範囲にわたる場合には適用が難しい。
フレーム全体の明滅に対しては、時間方向の低域通過フィルタを適用する方法がある(非特許文献2)。この手法では、明滅を低減することはできるが完全に取り除くことは原理的に難しい。
そこで、フラッシュによる明滅等を補正するために、補正対象の映像フレームの前後の、フラッシュの影響のない映像フレームから、その間の映像の動き情報を考慮して補間フレームを作成して代替挿入することが考えられる。この場合、動き情報として動きベクトルを検出して補間フレーム作成のために使用する。
このように、動きベクトルを検出して使用するものとしては、他にも、動画像の符号化処理やフレームレート変換における補間フレームの生成処理などがある。
何れの用途においても、検出された動きベクトルが適切でないと画質が劣化してしまうため、検出された動きベクトルが適切かどうかを判断して、補正する方法が従来から提案されている(例えば、特許文献1〜6、非特許文献3)。
通常、動画像における動きベクトルは、その周囲の動きベクトル(以下、周辺ベクトルという)と相関を持った大きさと向きとを有しており。周囲と極端に異なる値を持つことは少ない。そのため、周辺ベクトルとの差が極端に大きいベクトルを補正する手法が用いられる。
また、動きベクトルを補正する手法としては、周辺ベクトルの平均ベクトルに基づいて補正する手法(特許文献2〜6)や、周辺ベクトルの内の中間ベクトルに置き換える手法(特許文献1、非特許文献3)などがある。
特開平6−178285号公報(段落0027) 特開平7−131783号公報(段落0045) 特開平7−177501号公報(段落0012) 特開平7−231446号公報(段落0021) 特開2004−180044号公報(段落0039) 特開2004−274628号公報(段落0026) 小川ほか,「GMRFモデルを用いた静止画像における失われた輝度値の復元」,信学論(D),vol.J89−D,no.6,pp.1327−1335,Jun.2006 N.Nomura et al.,"A new adaptive temporal filter: Application to photosensitive seizure patients",Psychiatry and Clinical Neurosciences,vol.54,pp.685−690,Dec.2000 J.Astola,P.Haavista and Y.Neuvo,"Vector median Filters",Proceedings of the IEEE,vol.78,no.4,pp.678−689,Apr.1990
しかしながら、単純に周辺ベクトルの平均ベクトルを求めて、この平均ベクトルに基づいて補正対象の動きベクトルを補正するものや、周辺ベクトル内における中間ベクトルを用いる手法においては、周辺ベクトル内に他と比較して異常なベクトル(以下、不正ベクトルという)が存在する場合、平均ベクトルや中間ベクトルそのものに信頼性がなく、動きベクトルを適切に補正できないという問題があった。
すなわち、周囲に存在する不正ベクトルの偏差が大きく、また不正ベクトルの数が多くなる程、平均ベクトルや中間ベクトルへの影響が大きく、動きベクトルの適切な補正が困難であった。
そこで、本発明は、不正ベクトルの影響を適切に除去して動きベクトルを補正する動きベクトル補正装置及び動きベクトル補正プログラムを提供することを目的とする。
また、この動きベクトル補正装置によって補正した動きベクトルを用いて、フレーム間を補間する補間フレームを生成する補間フレーム生成装置を提供することを他の目的とする。
さらに、この動きベクトル補正装置によって補正した動きベクトルを用いて、フラッシュなどの影響により大きく輝度変動した領域を含むフレームを補正する映像補正装置を提供することを他の目的とする。
そのために、請求項1に記載の動きベクトル補正装置は、動画像における所定の単位領域毎に検出された動きベクトルを補正する動きベクトル補正装置であって、動きベクトル検出手段と、平均ベクトル算出手段と、補正処理手段とを備えた構成とした。
かかる構成によれば、動きベクトル補正装置は、動きベクトル検出手段によって、動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、単位領域毎に検出する。ここで、動きベクトル補正装置は、動きベクトル検出手段によるブロックマッチング法を用いた動きベクトルの検出において、動画像における任意のフレームである注目フレームに対して時間的に前の前フレーム及び注目フレームについて、時間的に後の後フレーム間の輝度値を用いたブロック間コストと、注目フレーム及び前フレーム間、又は注目フレーム及び後フレーム間の何れかのエッジ情報、あるいは、前記注目フレーム及び前記前フレーム間と前記注目フレーム及び前記後フレーム間とのエッジ情報を用いたブロック間コストと、を算出し、輝度値を用いたブロック間コストとエッジ情報を用いたブロック間コストとの和が最小になる動きベクトルを検出する。
そして、動きベクトル補正装置は、平均ベクトル算出手段によって、補正対象の動きベクトルである補正対象ベクトルが検出された単位領域の周辺の、例えば、8近傍や24近傍の単位領域において検出された動きベクトルである周辺ベクトルにおいて、所定の基準に基づいて、当該周辺ベクトルの内で向きや大きさの偏差の大きなベクトルを除外して、周辺ベクトルの平均ベクトルを算出する。
そして、動きベクトル補正装置は、補正処理手段によって、補正対象ベクトルと平均ベクトル算出手段によって算出された平均ベクトルとの差分の絶対値が所定の値よりも大きい場合は、平均ベクトルを選択し、差分の絶対値が所定の値以下の場合は、補正対象ベクトルを選択し、補正対象ベクトルが検出された単位領域における動きベクトルとして出力する。
これによって、補正対象ベクトルが周辺ベクトルとの相関が低い不正なベクトルであると判断される場合に、選択的に平均ベクトルに置き換えることができる。
請求項2に記載の動きベクトル補正装置は、請求項1に記載の動きベクトル補正装置において、前記平均ベクトル算出手段は、前記周辺ベクトルの成分毎に、成分値の大きさが上位の4分の1及び下位の4分の1を除外して成分値の平均値を算出し、当該平均値を成分とするベクトルを前記平均ベクトルとするように構成した。
かかる構成によれば、動きベクトル補正装置は、周辺ベクトルの中から、他のベクトルとの偏差が大きなベクトルから順に、全体の2分の1のベクトルを除外して平均値を算出した四分位平均ベクトルを平均ベクトルとして算出する。
これによって、周囲の動きベクトルとの相関が低い不正ベクトルが複数含まれる場合であっても、これらの不正ベクトルを適切に除外して平均ベクトルを算出することができる。
請求項3に記載の動きベクトル補正プログラムは、動画像における所定の単位領域毎に検出された動きベクトルを補正するために、コンピュータを、動きベクトル検出手段、平均ベクトル算出手段、補正処理手段、として機能させる構成とした。
かかる構成によれば、動きベクトル補正プログラムは、動きベクトル検出手段によって、動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、単位領域毎に検出する。ここで、動きベクトル補正プログラムは、動きベクトル検出手段によるブロックマッチング法を用いた動きベクトルの検出において、動画像における任意のフレームである注目フレームについて、時間的に前の前フレーム及び注目フレームに対して時間的に後の後フレーム間の輝度値を用いたブロック間コストと、注目フレーム及び前フレーム間、又は注目フレーム及び後フレーム間の何れかのエッジ情報、あるいは、前記注目フレーム及び前記前フレーム間と前記注目フレーム及び前記後フレーム間とのエッジ情報を用いたブロック間コストと、を算出し、輝度値を用いたブロック間コストとエッジ情報を用いたブロック間コストとの和が最小になる動きベクトルを検出する。
そして、動きベクトル補正プログラムは、平均ベクトル算出手段によって、補正対象の動きベクトルである補正対象ベクトルが検出された単位領域の周辺の、例えば、8近傍や24近傍の単位領域において検出された動きベクトルである周辺ベクトルにおいて、所定の基準に基づいて、当該周辺ベクトルの内で向きや大きさの偏差の大きなベクトルを除外して、周辺ベクトルの平均ベクトルを算出する。
そして、動きベクトル補正プログラムは、補正処理手段によって、補正対象ベクトルと平均ベクトル算出手段によって算出された平均ベクトルとの差分の絶対値が所定の値よりも大きい場合は、平均ベクトルを選択し、差分の絶対値が所定の値以下の場合は、補正対象ベクトルを選択し、補正対象ベクトルが検出された単位領域における動きベクトルとして出力する。
これによって、補正対象ベクトルが周辺ベクトルとの相関が低い不正なベクトルであると判断される場合に、選択的に平均ベクトルに置き換えることができる。
請求項4に記載の補間フレーム生成装置は、請求項1又は請求項2に記載の動きベクトル補正装置と、補間フレーム生成手段とを備えた構成とした。
かかる構成によれば、補間フレーム生成装置は、動きベクトル補正装置によって、動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、所定の単位領域毎に検出し、当該動きベクトルを補正する。
そして、補間フレーム生成装置は、補間フレーム生成手段によって、2つのフレームと、動きベクトル補正装置によって補正された動きベクトルとに基づいて、当該2つのフレームの間を補間する補間フレームを生成する。
これによって、補間フレーム生成装置は、不正ベクトルの影響が除去された動きベクトルに基づいて、補間フレームを生成することができる。
請求項5に記載の映像補正装置は、動画像における時間的に前後のフレームに対して、輝度変動が大きい輝度変動領域を含むフレームを補正する映像補正装置であって、請求項1又は請求項2に記載の動きベクトル補正装置と、補間フレーム生成手段と、輝度変動領域検出手段と、フレーム合成手段とを備えた構成とした。
かかる構成によれば、映像補正装置は、動きベクトル補正装置によって、輝度変動領域を含む補正対象フレームに対して、時間的に前の前フレームおよび時間的に後の後フレーム間の動きベクトルを、所定の単位領域毎に検出し、当該動きベクトルを補正する。
そして、映像補正装置は、補間フレーム生成手段によって、前フレームと、後フレームと、動きベクトル補正装置で補正した動きベクトルとに基づいて、動画像において、補正対象フレームの位置における補間フレームを生成する。
一方、映像補正装置は、輝度変動領域検出手段によって、前フレーム又は後フレームと、補正対象フレームとを比較して、補正対象フレームにおいて、所定の単位領域毎に、所定の基準に基づいて、輝度変動が大きい輝度変動領域かどうかを検出する。
そして、この単位領域が輝度変動領域として検出された場合は、この単位領域の画素データとして補間フレーム生成装置によって生成された補間フレームの画素データを選択し、この単位領域が輝度変動領域でない場合は、補正対象フレームの画素データを選択することによって、補間フレームと補正対象フレームとを合成して補正フレームを生成する。
これによって、映像補正装置は、例えば、フラッシュなどの影響により、前後のフレームと輝度が大きく変動した領域のみを選択的に、不正ベクトルの影響が除去された動きベクトルに基づいて生成された補間フレームに置き換えて補正フレームを生成することができる。
請求項1又は請求項3に記載の発明によれば、補正対象ベクトルが周辺ベクトルとの相関が低い不正ベクトルであると判断される場合に、選択的に平均ベクトルに置き換えるため、必要以上に平均化処理をされることなく補正対象ベクトルを補正することができる。
請求項2に記載の発明によれば、周辺ベクトルの中に不正ベクトルが複数含まれる場合であっても、これらの不正ベクトルを適切に除外して平均ベクトルを算出するため、動きベクトルの検出精度が悪い領域においても適切な動きベクトルに補正することができる。
請求項4に記載の発明によれば、不正ベクトルの影響が除去された動きベクトルに基づいて、補間フレームを生成するため、補間フレームにブロックノイズなどの画質劣化の発生を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、前後のフレームと輝度が大きく変動した領域のみを選択的に、補間フレームに置き換えて補正フレームを生成するため、フラッシュなどの影響を受けずに輝度変動していない領域は、元のフレームの先鋭な画像を維持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<フレーム補正装置の構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態であるフレーム補正装置(映像補正装置)1の構成について説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態のフレーム補正装置の構成を示すブロック図である。
図1に示したように、フレーム補正装置(映像補正装置)1は、補間フレーム生成装置10と、フラッシュ非到達領域検出部14と、フレーム合成部15とを備えて構成される。本実施形態のフレーム補正装置1は、フラッシュによる明滅が含まれるフラッシュフレーム(補正対象フレーム)fを、フラッシュの影響を受けていない直前のフレーム(前フレーム)fn−1と、直後のフレーム(後フレーム)fn+1とに基づき、直前のフレームfn−1と、直後のフレームfn+1との間の動きベクトルを使用して補正フレームf’を算出する装置である。
以下、各部の構成について説明する。
補間フレーム生成装置10は、動きベクトル検出部11と、動きベクトル補正部12と、補間フレーム生成部13とを備えて構成される。
補間フレーム生成装置10は、フラッシュフレームfの直前のフレームfn−1と直後のフレームfn+1とに基づき、フラッシュフレームfに代えて使用する補間フレームfinを生成し、フレーム合成部15に出力する。
動きベクトル検出部11は、フラッシュフレームfの直前のフレームfn−1と、直後のフレームfn+1とに基づき、これらのフレーム間の動きベクトルvを、単位ブロック(所定の単位領域)毎に検出して、動きベクトル補正部12に出力する。
例えば、フレームの画素サイズが720×480のときに、単位ブロックを16×16の画素サイズとすると、フレームを45×30=1350個の単位ブロックに分割し、動きベクトル検出部11は、この単位ブロック毎に動きベクトルvを検出して出力する。
ここで、動きベクトルの検出方法について説明する。
2つのフレーム間の動きベクトルvは、例えば、ブロックマッチング法によって検出することができる。ブロックマッチング法によれば、動きベクトルvを検出する一方のフレーム(例えば、fn−1)を、前記したように所定の単位ブロックに分割する。そして、他方のフレームfn+1における同サイズの単位ブロックの位置を様々に変化させ、フレームfn−1における補正対象ブロックとのブロック間のコストが最小となる位置を探索する方法である。このときの両フレームにおける単位ブロックの相対位置として動きベクトルvが検出される。
なお、ブロック間のコストは、例えば、両フレームのブロックの対応する画素同士の差分の絶対値の和(絶対差分和)や差分の二乗の和(差分二乗和)として算出すことができる。このブロックマッチングを、最初に単位ブロックに分割したフレームfn−1のすべての単位ブロックについて行うことによって、単位ブロック毎の動きベクトルvを得ることができる。
また、動きベクトルvの検出のために、フラッシュフレームfも参照するようにしてもよい。例えば、フラッシュフレームfの直前のフレームfn−1と直後のフレームfn+1との間におけるブロック間のコストとして、fn−1(r)とfn+1(r+v)との差分二乗和を算出すると共に、直前のフレームfn−1とフラッシュフレームfとの間のブロック間のコストとして、fn−1(r)とf(r+v/2)との差分二乗和を算出し、2つのブロック間のコストに基づいて、例えば、これらのブロック間のコストの和が最小になる動きベクトルvを検出する。ただし、ベクトルrは各単位ブロック内における座標を示し、f(r)などは、フレームfの座標rにおける輝度値(画素データ)を示す。
これによって、フラッシュフレームfにおける動きベクトルvの推定精度を向上することができる。
ここで、フラッシュフレームfは、フラッシュの影響を受けて高輝度になっている領域では、輝度値が上昇しているため、ブロックマッチングを精度よく行うことができない。そこで、直前のフレームfn−1とフラッシュフレームfとの間のブロック間のコストは、これらのフレームの輝度値に代えてエッジ情報を用いて行うようにすればよい。エッジ情報としては、例えば、ソーベルフィルタなどの1次微分フィルタやラプラシンアンフィルタなどの2次微分フィルタを用いてエッジ抽出したエッジ抽出画像を用いることができる。フラッシュの影響を受けて高輝度になった領域においても、エッジ情報は比較的変化せずに保存されているため、このエッジ抽出画像に対してブロックマッチングを行うことで、適切にブロック間のコストを算出することができるようになる。
また、フラッシュフレームfと直前のフレームfn−1との間のブロック間のコストに代えて、あるいは加えて、フラッシュフレームfと直後のフレームfn+1との間のブロック間のコストを算出して用いるようにしてもよい。
なお、単位ブロックの形状は、16×16の正方形領域に限定されるものではなく、8×16や16×8などの長方形領域としてもよいし、正三角形や正六角形領域としてフレームを稠密に単位ブロックに分割するようにしてもよい。
また、ブロック間のコストを他のコスト関数によって算出するようにしてもよく、さらに、ブロックマッチング法以外の方法により動きベクトルvを検出するようにしてもよい。
動きベクトル補正部(動きベクトル補正装置)12は、動きベクトル検出部11によって単位ブロック毎に検出された動きベクトルvを入力し、各単位ブロックにおける動きベクトル(補正対象ベクトル)vを、当該単位ブロック(補正対象ブロック)の周辺の複数の単位ブロック(周辺ブロック)における動きベクトル(周辺ベクトル)を参照して補正し、得られた補正ベクトルvcrrを補間フレーム生成部13に出力する。
ここで、図2を参照(適宜図1参照)して、動きベクトル補正部12の詳細な構成について説明する。なお、図2は、本発明の実施形態における動きベクトル補正部の構成を示すブロック図である。
図2に示したように、動きベクトル補正部12は、動きベクトル保持部21と、四分位平均ベクトル算出部22と、補正処理部23とを備えて構成される。
ここで、図3を参照して、本発明による動きベクトルの補正方法について説明する。なお、図3は、フレーム中の補正対象ブロック及びその周辺ブロックで検出された動きベクトルを示す図である。
図3は、単位ブロックに分割されたフレームの一部分を示すものであり、3×3の9個のブロック領域を示している。
動画像における動きベクトルは、通常は、その周囲の動きベクトルと相関をもった大きさと向きとを有しており、周囲と極端に異なる値を持つことは少ない。そのため、周辺ベクトルとの差が極端に大きな動きベクトルを補正する。本発明では、周辺ベクトルの中から外れた値の動きベクトル(不正ベクトル)を除外した上で、周辺ベクトルの平均ベクトルを算出し、補正対象ベクトルと、その平均ベクトルとの差が極端に大きい場合に、補正対象ベクトルを補正する。
例えば、図3に示した例では、補正対象ベクトルvは、周辺ベクトルv〜vとは異なる向きを示しており、補正すべきベクトルである。また、周辺ベクトルv〜vにおいても、周辺ベクトルvは、他の周辺ベクトルv〜vとは、その向きと大きさとが大きく異なる不正ベクトルである。
本発明は、このような不正ベクトルを除外して平均ベクトルを算出することにより、補正対象ベクトルvの周囲に不正ベクトルが存在した場合でも、その影響を受けずに適切な補正を行うものである。
図3において、3×3のブロックの中心に位置するブロック“1”が補正対象ブロックであり、ブロック“2”〜ブロック“9”が周辺ブロックである。図3に示した例では、8近傍の周辺ブロックにおける周辺ベクトルv〜vを参照して、補正対象ベクトルvを補正する。
図4は、他の実施形態の補正対象ブロックとその周辺ブロックの関係を示す図である。図4に示した例では、5×5の25個のブロック領域を示しており、中心のブロックを補正対象ブロックとすると、24近傍の周辺ブロックにおける24個の動きベクトルを周辺ベクトルとして参照して、補正対象ベクトルを補正する場合の例である。
なお、参照する周辺ブロックはこれらに限定されるものではなく、例えば、5×5ブロックの内で、中心から離れた、四隅のブロックを除く20近傍の周辺ブロックにおける動きベクトルを参照するようにしてもよい。
図2に戻って、動きベクトル補正部12の各部の構成について説明する。
動きベクトル保持部21は、動きベクトル検出部11(図1参照)によって、単位ブロック毎に検出された動きベクトルvを一時的に保持する記憶手段である。そして、少なくとも補正対象ベクトルvと、この補正対象ベクトルvを補正するために参照する周辺ベクトルvとを保持し、これらのベクトル値を同時に参照することができるようにするための記憶手段である。動きベクトル保持部21は、保持した動きベクトルvの内で、補正対象ベクトルvを補正処理部23の選択部23a及び差分算出部23bに出力し、周辺ベクトルvを四分位平均ベクトル算出部22に出力する。
例えば、図3に示したように、3×3のブロック領域を参照する場合は、動きベクトル保持部21は、補正対象ベクトルvとして動きベクトルvを出力し、周辺ベクトルvとして動きベクトルv〜vを出力する。
なお、動きベクトル保持部21は、補正対象ベクトルv及び周辺ベクトルvのみを保持するようにし、補正対象ベクトルvを更新する際に、保持する周辺ベクトルvも順次更新するようにしてもよいし、フレーム内のすべての単位ブロックにおける動きベクトルvを保持し、補正対象となるベクトルに応じて、補正対象ベクトルvと、対応する周辺ベクトルvとを出力するようにしてもよい。
四分位平均ベクトル算出部(平均ベクトル算出手段)22は、動きベクトル保持部21から出力された周辺ベクトルvに基づき、不正ベクトルを除外した平均ベクトルとして四分位平均ベクトルvを算出し、補正処理部23の選択部23a及び差分算出部23bに出力する。
ここで、図5を参照して、四分位平均ベクトルvの算出方法について説明する。なお、図5は、四分位平均ベクトルを算出する方法を説明するためのグラフ図である。
図5は、周辺ベクトルv(図3に示した例では、ベクトルv〜v)のx成分値(又は、y成分値)の大きさを横軸に示し、その累積頻度を縦軸に示したグラフである。四分位平均ベクトルvは、図5に示した累積頻度の中で、x成分値(又は、y成分値)の大きさが、下位の4分の1のx成分値(又は、y成分値)と、上位の4分の1のx成分値(又は、y成分値)をもつ周辺ベクトルを不正ベクトルであると判定して除外し、残りの2分の1のx成分値(又は、y成分値)の平均値をx成分値(又は、y成分値)とする平均ベクトルである。なお、本実施形態では、x成分とy成分とは、それぞれ独立に順位付けして四分位平均を算出するようにした。
これによって、周辺ベクトルvから不正ベクトルの影響を除去した適切な平均ベクトルを算出することができる。
四分位平均ベクトルvを、補正対象ブロックを囲むN個の単位ブロックからなるN近傍の周辺ブロックにおけるN個の周辺ベクトルvのx成分値とy成分値とから求める場合の算出式は、式(1)のようになる。
Figure 0004886479
式(1)において、x(i)は、周辺ベクトルvのx成分値のうちi番目に大きい値を示し、y(i)は、周辺ベクトルvのy成分値のうちi番目に大きい値を示す。
例えば、図3に示したように、3×3のブロック領域における周辺ベクトルvを参照する場合は、N=8であり、上位4分の1、すなわち、1番目及び2番目のx成分値(又は、y成分値)と、下位4分の1、すなわち、7番目及び8番目のx成分値(又は、y成分値)を除外して、3番目から6番目までの4個のx成分値(又は、y成分値)の平均値が、四分位平均ベクトルvのx成分値(又は、y成分値)となる。
同様に、図4に示したように、5×5のブロック領域において、24近傍の周辺ブロックにおける周辺ベクトルvを参照する場合は、N=24であり、上位4分の1及び下位4分の1を除外した残りの、7番目から18番目までの12個のx成分値(又は、y成分値)の平均値が、四分位平均ベクトルvのx成分値(又は、y成分値)となる。
なお、本実施形態では、動きベクトルvをx成分とy成分とによって表現する直交座標表現としたが、これに限定されるものではなく、例えば、方向と大きさとを成分とする極座標表現のベクトルとして、四分位平均ベクトルを算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上位4分の1及び下位4分の1の成分値を除外して周辺ベクトルvの中の不正ベクトルによる影響を除外するようにしたが、これに限定されるものではなく、上位3分の1及び下位3分の1や、上位2個及び下位2個の成分を除外するというように、除外する範囲を適宜変更してもよい。
あるいは、平均値との絶対差分を算出し、この絶対差分が所定の閾値以上である場合に不正ベクトルであると判断してこの成分値を除外するようにしてもよい。
また、周辺ベクトルvの成分値の平均値及び標準偏差を算出し、各成分値の平均値からの偏差と標準偏差に基づいて、例えば、平均値からの偏差が標準偏差を超える成分値を除外するようにしてもよい。
このように、平均ベクトルを算出する際に、不正ベクトルと判断される成分を除外することにより適切な平均ベクトルを得ることができる。また、不正ベクトルが含まれない場合においても、周辺ベクトルvの中の中央値に近い成分値に限定して平均値を算出することにより、過度にベクトルを平均化することがなく、このベクトルを用いて、例えば、補間フレームを生成する場合において、画像のボケなどの画質劣化を抑制することができる。
図2に戻って、動きベクトル補正部12の構成について説明を続ける。
図2に示したように、補正処理部23は、選択部23aと、差分算出部23bと、判定部23cとを備えて構成される。補正処理部23は、動きベクトル保持部21から出力された補正対象ベクトルvを、四分位平均ベクトル算出部22から出力された周辺ベクトルの四分位平均ベクトルvに基づいて補正し、得られた補正ベクトルvcrrを補間フレーム生成部13(図1参照)に出力する。
差分算出部23bは、補正対象ベクトルvと四分位平均ベクトルvとの差分の絶対値|v−v|を算出し、判定部23cに出力する。
判定部23cは、差分算出部23bが算出した差分の絶対値|v−v|と、所定の閾値thr1とを比較して、補正対象ベクトルvが補正すべき不正なベクトルかどうかを判定し、判定結果を選択部23aに出力する。
選択部23aは、式(4)に示したように、判定部23cの判定結果に基づき、差分の絶対値が閾値thr1よりも小さい場合は、補正対象ベクトルvをそのまま補正ベクトルvcrrとして出力し、差分の絶対値が閾値thr1以上の場合は、四分位平均ベクトルvを補正ベクトルvcrrとして出力する。
Figure 0004886479
すなわち、補正対象ベクトルvが、周辺ベクトルvと向き又は大きさが大きく異なる不正ベクトルである場合は、四分位平均ベクトルvに置き換えられ、適切なベクトルに補正されると共に、補正対象ベクトルvが不正ベクトルでない場合は、元のベクトルのまま出力される。
このため、例えば、図1に示したように、補間フレーム生成部13によって、補間フレームfinを生成する際に、補正対象ベクトルvが不正ベクトルであった場合に、補間フレームfinにブロックノイズが発生することを防止することができると共に、補正対象ベクトルvが不正ベクトルでない場合に、ベクトルの平均化処理による画像のボケやにじみの発生を回避し、先鋭さを維持した補間フレームfinを得ることができる。
図1に戻って、フレーム補正装置1の構成について説明を続ける。
補間フレーム生成部13は、フラッシュフレームfの直前のフレームfn−1と、直後のフレームfn+1と、動きベクトル補正部12によって出力された動きベクトルvの補正ベクトルvcrrとに基づいて、フラッシュフレームfに代えて使用するための補間フレームfinを生成してフレーム合成部15に出力する。
本実施形態における補間フレーム生成部13は、動きベクトル補正部12よって出力された、フラッシュ直前のフレームfn−1からフラッシュ直後のフレームfn+1への動きベクトルvの補正ベクトルvcrrを使用して、式(3)に示すように、その補正ベクトルvcrrから推定されるフレーム間の動きの中点に画素を配することによって補間フレームfinを生成する。
ただし、式(3)において、ベクトルrは各単位ブロック内における座標を示し、f(r)などは、フレームfの座標rにおける輝度値などの画素データを表わす。
Figure 0004886479
補間フレームfinの品質は、動きベクトルvの推定精度に依存するが、前記したように、本実施形態では、動きベクトル補正部12によって、動きベクトルvが適切に補正された補正ベクトルvcrrを用いるためブロックノイズの発生やボケを抑えた高品質な補間フレームを生成することができる。
フラッシュ非到達領域検出部(輝度変動領域検出手段)14は、フラッシュフレームfと、フラッシュの影響を受けていないフラッシュフレームfの直前のフレームfn−1とに基づいて、フラッシュフレームfの単位ブロック毎に、当該単位ブロックがフラッシュの影響を受けていないフラッシュ非到達領域かどうかを検出し、検出結果であるフラッシュ非到達領域検出信号をフレーム合成部15に出力する。
本実施形態では、フラッシュ非到達領域の検出には、動きベクトル検出部11と同様のブロックマッチング法を用いる。すなわち、フラッシュフレームfを所定の単位ブロックに分割し、式(4)に示したように、もう一方のフレームfn−1においてブロックの位置uを様々に変化させ、ブロック間のコスト関数d(u)が最小となる位置uを探索して、動きベクトルvを求める。ただし、式(4)において、Sは位置uを変化させる探索領域を表す。
Figure 0004886479
通常、フラッシュによる影響があるフラッシュ領域では、元の状態よりも輝度が上昇する。そこで、本実施形態では、式(5)に示したように、各画素毎に輝度の上昇に対してペナルティを課すコスト関数d(u)を導入し、フラッシュ領域が誤った位置で検出されることを回避するようにした。
Figure 0004886479
ただし、式(5)において、f(r)はフラッシュフレームfの座標rにおける輝度値(画素データ)を示す。また、Bはフレームにおける検出対象の単位ブロック領域を示し、|B|は、当該ブロック内の画素の総数を示す。また、wは、輝度の上昇に対するペナルティ値を示し、thr2は、各画素毎に輝度が上昇したかどうかを判断するための閾値である。
そして、ブロック間のコスト min d(u)、すなわちd(v)が予め定めた閾値thr3以下となった場合は、この単位ブロックをフラッシュ非到達領域(輝度変動領域でない)と判断し、例えば、フラッシュ非到達領域検出信号“1”を出力し、min d(u)が閾値thr3を超えた場合は、この単位ブロックをフラッシュ到達領域(輝度変動領域である)と判断してフラッシュ非到達領域検出信号“0”を出力する。
これによって、フラッシュが到達して輝度が上昇した近景領域と、フラッシュが到達せずに輝度変動しない背景(遠景)領域とを適切に判別することができる。
なお、フラッシュ非到達領域検出部14においてフレームを分割する際の単位ブロックと、動きベクトル検出部11においてフレームを分割する際の単位ブロックは、位置及び形状を一致させる必要はないが、両者を一致させて、フラッシュ非到達領域検出部14で動きベクトルvを求める代わりに、例えば、動きベクトル補正部12で補正した補正ベクトルvcrrを用い、式(5)によってd(vcrr/2)をフラッシュ非到達領域検出のためのブロック間のコストとして算出するようにしてもよい。これによって、フラッシュ非到達領域検出部14は、動きベクトルvの検出を省略することができる。
フレーム合成部15は、フラッシュフレームfと、補間フレーム生成装置10の補間フレーム生成部13から出力された補間フレームfinとを、フラッシュ非到達領域検出部14によって検出されたフラッシュ非到達領域検出信号に基づいて、所定の単位ブロック毎に選択的に出力することにより合成し、合成したフレームを補正フレームf’として出力する。
これによって、フラッシュフレームfにおいて、フラッシュの影響を受けている領域では、前後のフレームfn−1、fn+1に基づいて生成した補間フレームfinを用いるため、フラッシュによる明滅を除去することができると共に、フラッシュの影響を受けていない領域では、当該フレームfの画像をそのまま用いるため、補間処理による画質の劣化を避けることができ、良好な品質の補正フレームf’を合成することができる。
以上説明したフレーム補正装置1は、一部またはすべてを専用のハードウェアを作成して実施することができるが、一般的なコンピュータプログラムを実行させ、コンピュータ内の演算装置、記憶装置、入力装置などを動作させることにより実現することもできる。このプログラム(動きベクトル補正プログラム)は、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
<フレーム補正装置の動作>
次に、図6を参照(適宜図1参照)して、フレーム補正装置(映像補正装置)1の動作について説明する。ここで、図6は、本発明の実施形態のフレーム補正装置の処理の流れを示すフローチャートである。
フレーム補正装置1は、動画像において、フラッシュの影響を受けているフラッシュフレームfと、フラッシュの影響を受けていない直前のフレームfn−1と、直後のフレームfn+1とが入力されると(ステップS11)、動きベクトル検出部11によって、直前のフレームfn−1と直後のフレームfn+1との間の動きベクトルvを、所定の単位ブロック毎に順次検出する(ステップS12)。続いて、検出した動きベクトルvを、動きベクトル補正部12によって補正し、補正ベクトルvcrrを出力する(ステップS13)。そして、この補正ベクトルvcrrを用いて、直前のフレームfn−1と直後のフレームfn+1との補正ベクトルvcrrの中点における補間フレームfinを生成する(ステップS14)。
また、フレーム補正装置1は、フラッシュ非到達領域検出部14によって、直前のフレームfn−1とフラッシュフレームfとに基づいて、所定の単位ブロック毎にフラッシュ非到達領域かどうかを検出し、フラッシュ非到達領域検出信号を出力する(ステップS15)。
そして、フレーム補正装置1は、フレーム合成部15によって、ステップS15で出力したフラッシュ非到達領域検出信号に基づいて、単位ブロック毎に、その単位ブロックがフラッシュの影響を受けているフラッシュ到達領域の場合は、ステップS14で生成した補間フレームの画素データを選択し、そのブロックがフラッシュの影響を受けていないフラッシュ非到達領域の場合は、フラッシュフレームfの画素データを選択することによって、補正フレームf’を合成する(ステップS16)。
これによって、フレーム補正装置1は、補正対象であるフラッシュフレームfのフラッシュの影響を受けた領域を選択的に補正することができる。
なお、ステップS12からステップS14までの補間フレームを生成するための処理と、ステップS15のフラッシュ非到達領域を検出する処理とは、処理の順序が入れ替わってもよく、また、並行して処理を行うようにしてもよい。
<動きベクトル補正部の動作>
次に、図7を参照(適宜図1及び図2参照)して、動きベクトル補正部12の動作について説明する。ここで、図7は、本発明の実施形態の動きベクトル補正部の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7に示したフローチャートの処理は、図6に示したフローチャートのステップS13に相当する動きベクトル補正処理である。
動きベクトル補正部12は、動きベクトル保持部21によって、動きベクトル検出部11で所定の単位ブロック毎に検出された動きベクトルvの内の、少なくとも補正対象ベクトルvとその周辺ベクトルvとを保持する(ステップS21)。これによって、これらのベクトルを同時に参照することができる。
次に、動きベクトル補正部12は、四分位平均ベクトル算出部22によって、動きベクトル保持部21で保持された周辺ベクトルvの中から不正ベクトルを除外した、四分位平均ベクトルvを算出する(ステップS22)。
そして、動きベクトル補正部12は、補正処理部23の差分算出部23bによって、動きベクトル保持部21に保持された補正対象ベクトルvと、四分位平均ベクトル算出部22で算出された四分位平均ベクトルvとの差分の絶対値を算出し(ステップS23)、判定部23cによって、差分算出部23bで算出された差分の絶対値が予め定められた所定の閾値thr1以上かどうかを判定する(ステップS24)。
ここで、差分の絶対値が閾値thr1以上の場合は(ステップS24でYes)、選択部23aによって、補正ベクトルvcrrとして四分位平均ベクトルvを出力し(ステップS25)、差分が閾値thr1未満の場合は(ステップS24でNo)、選択部23aによって、補正ベクトルvcrrとして補対対象ベクトルvをそのまま出力する(ステップS26)。
これによって、補正対象ベクトルvが、周辺ベクトルvと比較して、その大きさや向きが大きく異なる場合にのみ補正することにより、動きベクトルvを適切に補正することができる。また、補正が必要な場合も、四分位平均ベクトルvを用いることにより、周辺ベクトルv内に不正ベクトルが複数存在するような場合であっても、それらの不正ベクトルを適切に除外して平均ベクトルを算出することができる。
<実験例>
次に、図8から図10を参照して、本発明の動きベクトル補正部12によって、動きベクトルの補正処理を行った実験結果について説明する。ここで、図8は、動きベクトルを補正するフレームの例の概要を示す図であり、図9は、図8に示したフレームから動きベクトルを検出した結果を示す図であり、図10は、図9に示した動きベクトルを補正した結果を示す図である。
図8に示したように、本実験例で用いた動画像のフレームは、大相撲の放送番組において、優勝力士が土俵上で優勝杯を受け取ったシーンである。また、フレームの右端には優勝旗の一部が撮影されている。このうち、力士と優勝杯と優勝旗とが、フラッシュの影響を受けて輝度が上昇した領域であり、その他の領域はフラッシュの影響を受けていない背景領域である。
フレームサイズは720×480画素であり、動きベクトルを検出するための単位ブロックは16×16画素とした。また、四分位平均ベクトルを算出するために、図4に示した24近傍の周辺ベクトルを参照した。
図9は、単位ブロック毎にブロックマッチング法によって検出した動きベクトルを線分で示している。
図9に示したように、力士や優勝杯の輝度値が平坦な領域に、周囲のベクトルと向きや大きさが極端に異なる不正ベクトルが多く検出されていることが分る。
図10に示したように、本発明の動きベクトル補正部12によって、図9において不正ベクトルとみられる動きベクトルが選択的に、周囲のベクトルと相関をもったベクトルに適切に補正されているのが分る。
さらに、図9に示した動きベクトルを用いて、当該フレームの前後のフレームから補間フレームを作成すると、ブロックノイズが目立っていたが、図10に示した補正後の動きベクトルを用いて作成した補間フレームでは、ブロックノイズの発生が抑制され、フレーム全面で連続性のある画像が得られることを確認した。
また、本発明のフレーム補正装置1によって、このフラッシュフレームを補正することにより、フラッシュの影響がない背景領域の輝度値は変化せず、人物領域のみが適切に補正されて、動画像として閲覧した場合にはフレーム間の動きに連続性のある良好な結果が得られることを確認した。
以上説明したように、本発明による動きベクトル補正部(動きベクトル補正装置)12は、周囲に不正ベクトルが複数存在する場合でも良好に動きベクトルを補正することが可能となる。これによって動きベクトルに基づいた動画像の符号化や、フレームレート変換、フレーム補間処理などにおいて、画質の向上を図ることが可能となる。また、カメラの動きの推定や、被写体の動き検出などにおいても不正な動きベクトルを補正することによって、推定精度を向上させることができる。従って、本発明の動きベクトル補正装置は、画像処理や動画処理の広い分野での利用が可能である。
本発明の実施形態のフレーム補正装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の動きベクトル補正部の構成を示すブロック図である。 フレーム中の補正対象ブロック及びその周辺ブロックで検出された動きベクトルを示す図である。 他の実施形態の補正対象ブロックとその周辺ブロックの関係を示す図である。 四分位平均ベクトルを算出する方法を説明するためのグラフ図である。 本発明の実施形態のフレーム補正装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態の動きベクトル補正部の処理の流れを示すフローチャートである。 動きベクトルを補正するフレームの例の概要を示す図である。 図8に示したフレームから動きベクトルを検出した結果を示す図である。 図9に示した動きベクトルを補正した結果を示す図である。
符号の説明
1 フレーム補正装置(映像補正装置)
10 補間フレーム生成装置
11 動きベクトル検出部(動きベクトル検出手段)
12 動きベクトル補正部(動きベクトル補正装置)
13 補間フレーム生成部(補間フレーム生成手段)
14 フラッシュ非到達領域検出部(高輝度領域検出手段)
15 フレーム合成部(フレーム合成手段)
21 動きベクトル保持部
22 四分位平均ベクトル算出部(平均ベクトル算出手段)
23 補正処理部(補正処理手段)
v 動きベクトル
crr 補正ベクトル
周辺ベクトル
四分位平均ベクトル(平均ベクトル)
補正対象ベクトル
フラッシュフレーム(補正対象フレーム)
n−1 直前のフレーム(前フレーム)
n+1 直後のフレーム(後フレーム)
in 補間フレーム
f’ 補正フレーム

Claims (5)

  1. 動画像における所定の単位領域毎に検出された動きベクトルを補正する動きベクトル補正装置であって、
    前記動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、前記単位領域毎に検出する動きベクトル検出手段と、
    補正対象の動きベクトルである補正対象ベクトルが検出された前記単位領域の周辺の単位領域において検出された動きベクトルである周辺ベクトルにおいて、所定の基準に基づいて、当該周辺ベクトルの内で偏差の大きなベクトルを除外して、前記周辺ベクトルの平均ベクトルを算出する平均ベクトル算出手段と、
    前記補正対象ベクトルと前記平均ベクトルとの差分の絶対値が所定の値よりも大きい場合は、前記平均ベクトルを選択し、前記差分の絶対値が前記所定の値以下の場合は、前記補正対象ベクトルを選択し、前記補正対象ベクトルが検出された単位領域における動きベクトルとする補正処理手段と、を備え、
    前記動きベクトル検出手段は、
    ブロックマッチング法による動きベクトルの検出として、
    前記動画像における任意のフレームである注目フレームについて、時間的に前の前フレーム及び前記注目フレームに対して時間的に後の後フレーム間の輝度値を用いたブロック間コストと、
    前記注目フレーム及び前記前フレーム間、又は前記注目フレーム及び前記後フレーム間の何れかのエッジ情報、あるいは、前記注目フレーム及び前記前フレーム間と前記注目フレーム及び前記後フレーム間とのエッジ情報を用いたブロック間コストと、を算出し、
    前記輝度値を用いたブロック間コストと前記エッジ情報を用いたブロック間コストとの和が最小になる動きベクトルを検出する
    ことを特徴とする動きベクトル補正装置。
  2. 前記平均ベクトル算出手段は、前記周辺ベクトルの成分毎に、成分値の大きさが上位の4分の1及び下位の4分の1の成分値を除外して平均値を算出し、当該平均値を成分とするベクトルを前記平均ベクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル補正装置。
  3. 動画像における所定の単位領域毎に検出された動きベクトルを補正するために、コンピュータを、
    前記動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、前記単位領域毎に検出する動きベクトル検出手段、
    補正対象の動きベクトルである補正対象ベクトルが検出された前記単位領域の周辺の単位領域において検出された動きベクトルである周辺ベクトルにおいて、所定の基準に基づいて、当該周辺ベクトルの内の偏差の大きなベクトルを除外して、前記周辺ベクトルの平均ベクトルを算出する平均ベクトル算出手段、
    前記補正対象ベクトルと前記平均ベクトルとの差分の絶対値が所定の値よりも大きい場合は、前記平均ベクトルを選択し、前記差分の絶対値が前記所定の値以下の場合は、前記補正対象ベクトルを選択し、前記補正対象ベクトルが検出された単位領域における動きベクトルとする補正処理手段、として機能させ、
    前記動きベクトル検出手段は、
    ブロックマッチング法による動きベクトルの検出として、
    前記動画像における任意のフレームである注目フレームについて、時間的に前の前フレーム及び前記注目フレームに対して時間的に後の後フレーム間の輝度値を用いたブロック間コストと、
    前記注目フレーム及び前記前フレーム間、又は前記注目フレーム及び前記後フレーム間の何れかのエッジ情報、あるいは、前記注目フレーム及び前記前フレーム間と前記注目フレーム及び前記後フレーム間とのエッジ情報を用いたブロック間コストと、を算出し、
    前記輝度値を用いたブロック間コストと前記エッジ情報を用いたブロック間コストとの和が最小になる動きベクトルを検出する
    ことを特徴とする動きベクトル補正プログラム。
  4. 動画像における2つのフレーム間における動きベクトルを、所定の単位領域毎に検出し、当該動きベクトルを補正する請求項1又は請求項2に記載の動きベクトル補正装置と、
    前記2つのフレームと、前記動きベクトル補正装置によって補正された動きベクトルとに基づいて、前記2つのフレーム間を補間する補間フレームを生成する補間フレーム生成手段と、
    を備えることを特徴とする補間フレーム生成装置。
  5. 動画像において時間的に前の前フレーム及び時間的に後の後フレームに対して輝度変動が大きい輝度変動領域を含むフレームを補正する映像補正装置であって、
    前記輝度変動領域を含む補正対象フレームに対して、前記前フレーム及び前記後フレーム間の動きベクトルを、所定の単位領域毎に検出し、当該動きベクトルを補正する請求項1又は請求項2に記載の動きベクトル補正装置と、
    前記前フレームと、前記後フレームと、前記動きベクトル補正装置によって補正された動きベクトルとに基づいて、前記動画像において、前記補正対象フレームの位置における補間フレームを生成する補間フレーム生成手段と、
    前記前フレーム又は前記後フレームと、前記補正対象フレームとを比較して、前記補正対象フレームにおいて、前記単位領域毎に、所定の基準に基づいて、輝度変動が大きい輝度変動領域かどうかを検出する輝度変動領域検出手段と、
    前記輝度変動領域検出手段によって前記単位領域が輝度変動領域として検出された場合は、当該単位領域の画素データとして前記補間フレーム生成装置によって生成された補間フレームの画素データを選択し、前記単位領域が輝度変動領域でない場合は、前記補正対象フレームの画素データを選択することによって、前記補間フレームと前記補正対象フレームとを合成して補正フレームを生成するフレーム合成手段と、
    を備えることを特徴とする映像補正装置。
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