JP4884182B2 - 熱伝導性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導性組成物に関する。パソコンのCPU等の電子部品は作動させることによって発熱し、部品自体の温度が上昇する。かかる温度上昇は各部品の動作不良や損傷を生じさせるため、通常はヒートシンク等の放熱手段を利用して放熱が行われている。ヒートシンクを利用する場合には部品にヒートシンクを接触させるのであるが、部品表面、ヒートシンク表面いずれも完全な平面とはなり得ず、微細な凹凸を有しているので、見かけ上の接触面積に比べて実際の接触面積は小さくなる。両者の接触面積の低下は熱伝達性の悪化につながるため、両者の間の凹凸によって形成される空隙を埋めて熱伝達性を向上させることが行われている。
本発明は、隣接する部材間に配置され、両者間の熱伝達性を向上させるために使用される熱伝導性組成物に関する。
従来から、電子部品とヒートシンク等との間に配置され、両者の間の熱伝達性を向上させる部材として、熱伝導性シートや熱伝導性グリース等が使用されている(例えば、特許文献1〜8)。
特許文献1〜4には、グリースに炭素繊維(特許文献1)や、複数の粉末(特許文献2〜4)を混入して熱伝導率を向上させることが行われている。そして混入する粉末としては、窒化アルミニウム粉末やダイヤモンド粉末、炭化ケイ素粉末等が開示されており、粉末の形状としても、薄片状や角状、粒状等の種々の形状を使用する例が開示されている。
特許文献5〜8には、黒鉛を充填剤として含むシリコーンゴム組成物やシートが開示されている。
特許文献5には、全酸素量を増加させた黒鉛を配合したシリコーンゴム組成物が開示されており、特許文献6には、鱗状黒鉛(結晶性黒鉛)等の天然黒鉛や人造黒鉛を素材とする黒鉛粉をシリコーンゴムに配合したシートが開示されている。
また、特許文献7には、膨張黒鉛を薄片化した黒鉛をチタネットカップリング剤で表面処理して添加した高熱伝導性ゴム組成物が開示されており、特許文献8には、充填剤として膨張黒鉛を含有する官能基含有アクリル系共重合体を架橋剤にて硬化した難燃性熱伝導シートが開示されている。
電子部品は、許容使用温度を超えると損傷する危険があるため、その温度管理、言い換えれば、電子部品から発生する熱を効率良く放出することは非常に重要である。
近年の技術発展に伴い、電子部品の高速処理化が進み、ジャンクション温度の上昇時間が短時間化されているが、上記のごとき熱伝導性シートや熱伝導性グリースの熱伝導率は、せいぜい3〜6W/(m・K)程度、よくても10W/(m・K)程度であり、放熱性能が電子部品からの発熱量に及ばない事態となってきている。
特開平1−242693号 特開平11−246885号 特開2000−63872号 特開2000−63873号 特開平11−158378号 実公平4−71236号 特開平3−70754号 特開2005−306967号
本発明は上記事情に鑑み、発熱体や高温物体からの放熱性能を向上させることができる熱伝導性組成物および放熱性を向上させた電子部品を提供することを目的とする。
第1発明の熱伝導性組成物は、有機化合物に膨張黒鉛を含有させた熱伝導性組成物であって、前記有機化合物がグリース、オイルまたはゲルであり、前記膨張黒鉛は前記グリース、オイルまたはゲルに混合した後磨り潰されたものであることを特徴とする。
第2発明の熱伝導性組成物は、第1発明において、前記膨張黒鉛の重量割合が、1.0〜2.5%であることを特徴とする。
第3発明の熱伝導性組成物は、膨張黒鉛からなる物質に対して、グリース、オイルまたはゲルを混合した後、前記膨張黒鉛を磨り潰したものであることを特徴とする。
第4発明の電子部品は、発熱体を備えた部品であって、該部品が、前記発熱体が発生する熱を放熱する放熱手段を備えており、該放熱手段が、第1乃至第3発明のいずれかに記載の熱伝導性組成物を備えていることを特徴とする。
第5発明の電子部品は、第4発明において、前記放熱手段が、前記発熱体が発生する熱を外部に放出する放熱体を備えており、該放熱体と前記発熱体との間に、前記熱伝導性組成物が配設されていることを特徴とする。
第1発明によれば、グリース、オイルまたはゲルに比べて膨張黒鉛は熱伝導率が高いので、熱伝導性組成物の熱伝達性を向上させることができる。また、熱伝導性組成物と他の物体との密着性を高めることができる。しかも、グリースまたはゲルは流動性を有しないから、熱伝導性組成物の取り扱いを容易にすることができる。膨張黒鉛をグリース、オイルまたはゲルに混合後磨り潰しているので、膨張黒鉛内だけでなくグリース、オイルまたはゲル中に混合している気体の量も少なくすることができるから、熱伝導性組成物に混入している気体の量が少なくなり、熱伝導性組成物の熱伝達性を向上させることができる
第2発明によれば、膨張黒鉛を含有していることによる有機化合物の弾性低下等の不具合が発生することを防ぐことができる。
第3発明によれば、グリース、オイルまたはゲルを混合することによって膨張黒鉛同士の結合性を高めることができる。よって、膨張黒鉛の高い熱伝達性を維持しつつ、その取り扱いを容易にすることができる。また、グリース、オイルまたはゲルを膨張黒鉛に混合後磨り潰しているので、膨張黒鉛内だけでなくグリース、オイルまたはゲル中に混合している気体の量も少なくすることができるから、熱伝導性組成物に混入している気体の量が少なくなり、熱伝導性組成物の熱伝達性を向上させることができる。
第4発明によれば、発熱体と放熱手段との密着性を向上させることができるから、発熱体が発生する熱の放熱性を向上させることができる。よって、電子部品の温度上昇を抑えることができるから、電子部品の性能低下を防ぐことができる。
第5発明によれば、発熱体から放熱体への熱伝達性が高くなるので、電子部品の温度上昇を抑えることができ、電子部品の性能低下を防ぐことができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態の熱伝導性組成物1は、隣接する部材間に配置し両部材間の熱伝達性を向上させるため、また、物体に接触させて物体からの放熱を促進させるために使用されるものである。
本実施形態の熱伝導性組成物1は、有機化合物1bに膨張黒鉛を含有させたものである。
まず、有機化合物1bを説明する。
本発明において、有機化合物1bとは、天然樹脂や合成樹脂等の樹脂や、シリコーンオイル等の油、種々の油脂等を意味している。そして、有機化合物1bとして、柔軟性を有する固体や、液体、半固体状物質等を採用することができる。
柔軟性を有する固体の有機化合物1bとしては、例えば、ゴムや、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂などを採用することができる。これらの有機化合物1bを採用すれば、熱伝導性組成物1も固体とすることができ、シート状や板状の熱伝導性組成物1を形成することが可能となる。そして、加圧すれば熱伝導性組成物1が変形するので、熱伝導性組成物1を他の物体に押し付けたり、物体間に挟んだりすれば、物体との密着性を高めることができる。しかも、加圧されていない状態では、通常は所定の形状に維持されているので、熱伝導性組成物1の取り扱いを容易にすることができる。
液体の有機化合物1bとしては、例えば、オイル等を採用することができる。液体の有機化合物1bに膨張黒鉛を含有させれば、有機化合物1bの流動性を低下させることができる。すると、物体表面への塗布性や密着性は維持しつつ、物体表面への定着性を向上させることができるので、好適である。
また、半固体状物質とは、流動性は有しないが可塑性を有する物質を意味しており、半固体状物質の有機化合物1bとしては、例えば、グリースやゲル等を挙げることができる。有機化合物1bに半固体状物質を採用すれば、有機化合物1bが可塑性を有するので熱伝導性組成物1と他の物体との密着性を高めることができる。しかも、半固体状の有機化合物1bは流動性を有しないから、熱伝導性組成物1の取り扱いを容易にすることができる。
とくに、グリースの場合、その熱伝達性が比較的良好であるので、膨張黒鉛を混合した場合における熱伝導性組成物1の熱伝導性を高くすることができる。
つぎに、膨張黒鉛を説明する。
膨張黒鉛は、綿状または繊維状をしたものであり、その軸方向の長さが半径方向の長さよりも長く、例えば、その軸方向の長さが1〜3mm程度、かつ、半径方向の長さが300〜600μm程度のものである。この膨張黒鉛は、天然黒鉛やキッシュ黒鉛等の黒鉛を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって形成される。
膨張黒鉛は、上述したような有機化合物1bに比べて高い熱伝導率を有している。具体的には、有機化合物1bは、比較的熱伝導率の高いグリースであっても、せいぜい3〜6W/(m・K)程度、よくても10W/(m・K)程度であるのに対し、膨張黒鉛は少なくとも10W/(m・K)より大きい熱伝導率を有している。
したがって、本実施形態の熱伝導性組成物1のごとく、有機化合物1bが膨張黒鉛を含有している場合、有機化合物1bだけの場合に比べて熱伝達率を向上させることができる。よって、熱伝導性組成物1は、通常使用される熱伝導性グリース等に比べて、その熱伝達性を良好にすることができるのである。
とくに、半固体状や液体の有機化合物1bを採用した場合には、発熱体Hの表面に熱伝導性組成物1を塗布することができるので、発熱体Hの表面に凹凸があってもその凹凸を熱伝導性組成物1によって埋めることができる。すると、熱伝導性組成物1と発熱体Hとの間に空隙等が存在しないようにすることができる。
そして、図1に示すように発熱体Hに放熱体2を取り付けたときにも、熱伝導性組成物1と発熱体Hとの間だけでなく、放熱体2と熱伝導性組成物1との間にも空隙等が存在しないようにすることができる。よって、発熱体Hから熱伝導性組成物1への熱伝達、また、熱伝導性組成物1から放熱体2への熱伝達を効率よく行うことができる。言い換えれば、発熱体Hから放熱体2への熱伝達を効率よく行うことができるのである。
なお、半固体状の有機化合物1bの場合には、熱伝導性組成物1が流動性を有しないので、発熱体H等に安定した状態で熱伝導性組成物1を設置しておくことができるという利点もある。
また、有機化合物1bに含有されている状態において膨張黒鉛を磨り潰せば、熱伝導性組成物1の熱伝達性をさらに向上させることができる。
上述した膨張黒鉛は、黒鉛の網平面(以下、層1aという)間の間隔が広がったものであり、層1a間が広がったことにより非常に脆くなっている。このため、有機化合物1bに含有されている状態において、膨張黒鉛を磨り潰せば層1a間の間隔を狭くすることができる。磨り潰された膨張黒鉛はその層1a間の間隔が狭くなっているので、磨り潰される前の膨張黒鉛よりも隣接する層1a間の間隔を短くすることができる。言い換えれば、隣接する層1a同士が直接面接触できる状態になる。すると、隣接する層1a同士の間における熱伝達性を向上させることができるので、さらに熱伝導性組成物1の熱伝達性を向上させることができる。
膨張黒鉛を磨り潰せば、熱伝導性組成物1内における膨張黒鉛の層1a同士の密着性が向上する。そして、層1aは、互いに面接触した状態でかつ熱伝導性組成物1の厚さ方向に積み重なった状態で配置すると考えられる(図1(A))。
この場合、膨張黒鉛内における隣接する層1a同士の接触面積が大きくなる。また、個々の膨張黒鉛内において層1a間の間隔が狭くなっているので、隣接する膨張黒鉛同士が面接触し易くなり接触面積が大きくなる。さらに、膨張黒鉛と発熱体Hとの接触面積や、膨張黒鉛と放熱体2との接触面積も大きくなるから、熱伝導性組成物1の熱伝達性、つまり、発熱体Hと放熱体2と間の熱伝達性を向上させることができる。
さらに、磨り潰す前の膨張黒鉛の層1a間には、その製造時に入った空気が存在しており、かかる気体の存在は膨張黒鉛自体の熱伝導率の低下につながる。しかし、膨張黒鉛を磨り潰すことによって層1a間に存在していた空気を膨張黒鉛から除去することができる。よって、熱伝導性組成物1中の膨張黒鉛自体の熱伝達性を向上させることができる。
しかも、有機化合物1bに含有されている状態で、有機化合物1bとともに膨張黒鉛を磨り潰している。この場合、膨張黒鉛を磨り潰す力が有機化合物1bにも加わるので、有機化合物1b中に存在している気体を有機化合物1b外に排出させることができる。つまり、膨張黒鉛の層1a間から除去され有機化合物1b中に排出された気体や、膨張黒鉛を含有させるときに有機化合物1b中に混入した空気を、有機化合物1bから排出することができる。
よって、膨張黒鉛内だけでなく有機化合物1b中に混合している気体の量も少なくすることができるから、熱伝導性組成物1に混入している気体の量が少なくなり、熱伝導性組成物1の熱伝達性を向上させることができる。
ここで、有機化合物1b中の膨張黒鉛の割合が多くなるほど、熱伝導性組成物1中における熱伝導率の高い部分が多くなるのであるが、膨張黒鉛の割合が多くなればなるほど有機化合物1bの弾性低下等の不具合が発生する。すると、熱伝導性組成物1と発熱体Hの密着性や放熱体2との密着性が悪くなり接触面積も小さくなるので、発熱体Hから放熱体2への熱伝達性は悪化するおそれがある。
しかし、有機化合物1b中に混合する膨張黒鉛の量を、熱伝導性組成物1の全重量に対する重量割合で、0.1〜5%、さらに好ましくは、1〜2%とすれば、有機化合物1bの柔軟性や弾性、可塑性低下を防ぎつつ、高い熱伝達性を発揮させることができるので好適である。
そして、有機化合物1bがグリースの場合、膨張黒鉛を上記の重量割合に維持しておけば、グリースの伸びを良好に保つことができるので、熱伝導性組成物1を発熱体H等の表面に薄く塗布することが可能となる。すると、発熱体Hと放熱体2との間において熱伝導距離が短くなるので、発熱体Hから放熱体2への熱伝達性を向上させることができる。
しかも、グリースの伸びが良好であれば熱伝導性組成物1を発熱体H等の表面に均一に塗布することもできるので、熱伝達性のバラつきが発生することを防ぐこともできる。
また、熱伝導性組成物1は、膨張黒鉛に、液体や半固体状物質の有機化合物を混合して形成してもよい。この場合、有機化合物を混合することによって膨張黒鉛同士の結合性を高めることができるから、膨張黒鉛の高い熱伝導性を維持しつつ、熱伝導性組成物1の取り扱いを容易にすることができる。
膨張黒鉛に混合する有機化合物がグリース等の半固体状物質であれば、有機化合物が可塑性を有するので熱伝導性組成物と他の物体との密着性を高めることができる。しかも、有機化合物が流動性を有しないから、熱伝導性組成物の取り扱いを容易にすることができ、他の物体に対する熱伝導性組成物の定着性を向上させることができる。
膨張黒鉛に混合する有機化合物が液体であれば、液体は膨張黒鉛中に含浸する。すると、膨張黒鉛の空隙に存在していた空気が液体に置換され、空隙が液体によって埋められるから、膨張黒鉛自体の熱伝導性が向上し、熱伝導性組成物1の熱伝達性も向上する。
しかも、膨張黒鉛は粘性をほとんど有しない物質であるが、膨張黒鉛に液体が混合した熱伝導性組成物1は粘性を有する粘体状となる。すると、熱伝導性組成物1はその粘性によって他の物質に付着するので、他の物体に対する熱伝導性組成物1の定着性を向上させることができる。なお、粘体状とは、粘性および可塑性は有するが液体のごとき流動性を有しない状態を意味している。
そして、膨張黒鉛に対する有機化合物の混合割合が多くなれば、熱伝導性組成物1の熱伝導性は低下する一方、有機化合物の混合割合が少なすぎれば、熱伝導性組成物1の定着性や取り扱い性が低下する。
よって、膨張黒鉛に混合する有機化合物の量は、熱伝導性組成物1の全重量に対する重量割合で、5〜40%が好ましく、10〜30%がさらに好ましい。逆に言えば、熱伝導性組成物1の全重量に対する膨張黒鉛の重量割合が、60〜95%、好ましくは、70〜90%となるように、有機化合物を膨張黒鉛に混合するのが好ましい。
つぎに、本発明の電子部品を説明する。
図1(A)に示すように、本発明の電子部品は、パソコン等のCPU等の発熱体Hと、ヒートシンク等の放熱体2と、前述した熱伝導性組成物1とから構成されており、熱伝導性組成物1は発熱体Hと放熱体2との間に配設される。
図1(A)に示すように、放熱体2は固定部材Sによって発熱体Hに向かって押し付けられるように固定される。言い換えれば、放熱体2は、基盤B等との間に発熱体Hを挟むように取り付けられる。熱伝導性組成物1は発熱体Hと放熱体2との間に位置しているので、両者に挟まれて熱伝導性組成物1は加圧される。すると、熱伝導性組成物1は可塑性または柔軟性を有しているから、発熱体Hおよび放熱体2に密着する。しかも、熱伝導性組成物1は、上述したように、通常使用されるグリース等に比べて熱伝達性が高いので、発熱体Hから放熱体2に対して効率よく迅速に熱伝達させることができる。
上記の放熱体2と本発明の熱伝導性組成物1が特許請求の範囲にいう放熱手段である。
なお、本発明の電子部品は上記のごとき構成に限られず、Light Emitting Diode(以下、LEDという。)やInsulated Gate Bipolar Transistor(以下、IGBTという。)を備えた電子部品も含まれる。つまり、本発明の電子部品は、発熱体と、この発熱体の熱を放出する放熱体と、両者の間に配置される熱伝導性組成物1を有していればよく、発熱体がLEDやIGBTの場合も本発明の範囲に含まれる。
本発明の熱伝導性組成物と、市販のグリースなどの熱伝導性組成物の放熱特性を比較し、評価した。
評価は、パソコン等のCPUと、CPUクーラとの間に、熱伝導性組成物を配置し(図1(A)参照)、その状態でCPUを起動させたときのCPU内部温度とCPUクーラの温度差を測定し、両者の温度差やCPU内部温度に基づいて熱伝達性を評価した。
図1(B)に示すように、温度差は、CPUクーラのヒートシンク部分の側面に設けられた温度センサP2、P3によって測定される温度と、CPU内部温度P1との差を、それぞれ温度差1(P1とP2の差)、温度差2(P1とP3の差)とした。なお、温度センサP2、P3は、それぞれCPUの表面から各温度センサの中心までの距離が、L1(28mm)、L2(9.5mm)となるように取り付けられている。
実験には、図2の表に示す熱伝導性組成物を使用した。
本発明の熱伝導性組成物としては、シリコーングリース(熱伝導率0.9W/(m・K)、以下、シリコーングリース1という)に膨張黒鉛が0.5重量%となるように混合したもの(表1のC、以下実施例Cという)、シリコーングリース1に膨張黒鉛が1.0重量%となるように混合したもの(表1のB、以下実施例Bという)を使用した。なお、膨張黒鉛は、東洋炭素(株)製膨張黒鉛を使用した。
一方、上記の比較用としての熱伝導性組成物には、シリコーングリース1単体(表1のA,以下比較例Aという)、シリコーングリース2単体(熱伝導率9.0W/(m・K)、表1のD,以下比較例Dという)、シリコーングリース1(比較例A)に黒鉛粉末1.0重量%となるように混合したもの(表1のE,以下比較例Eという)を使用した。なお、黒鉛粉末は、東洋炭素(株)製の等方性黒鉛IG−11粉砕紛(粒径50μm)を使用した。
図2に示すように、比較例A,Eを比べると、比較例Eは比較例Aよりも熱伝導率が大きい黒鉛粉末を混合しているにもかかわらず、温度差1、2がいずれも比較例Aよりも大きくなっていることが確認できる。つまり、シリコーングリースに対して、シリコーングリースよりも熱伝導率が大きい物質を単に混合したとしても、熱伝達性を必ずしも向上できるわけではないことが確認できる。
これに対し、本発明の熱伝導性組成物である比較例B,Cは、いずれも比較例Aよりも温度差1、2が小さい。また、比較例B,Cは、比較例Aよりも温度差1、2が小さい比較例Dと比べても、温度差1、2が小さくなっている。
つまり、シリコーングリースに膨張黒鉛を含有させた混合物は、シリコーングリース単体よりも熱伝達性を向上させることができ、しかも、膨張黒鉛は、他の熱伝導率が大きい物質に比べて熱伝達性の向上に優れていることが確認できる。
また、一般グリース(上記シリコーングリース1単体)と、この一般グリースに膨張黒鉛を混入したもの(膨張黒鉛入りグリース)をそれぞれ使用したときにおいて、CPUを起動させた際におけるCPU内部温度の経時変化を確認した。
図3に示すように、膨張黒鉛入りグリースを使用した際のCPU内部温度は、一般グリースを使用した際のCPU内部温度に比べて低くなっている。しかも、一般グリースと膨張黒鉛入りグリースでは、CPUの温度差が8℃あることから、膨張黒鉛入りグリースは、一般グリースに比べて、CPUからの放熱を大幅に促進していることが分かる。
以上の結果から、本発明の熱伝導性組成物は従来品に比べて非常に熱伝達性に優れており、本発明の熱伝導性組成物を使用すれば、CPU等の発熱体からヒートシンク等の放熱体に対して効果的に熱伝達することができることが確認できる。
グリース等に膨張黒鉛を含有させた本発明の熱伝導性組成物において、グリースに含有されている状態で膨張黒鉛を磨り潰した場合と、膨張黒鉛を磨り潰さない場合における熱伝達性を比較した。
本実施例では、グリースに対する膨張黒鉛の混合割合を、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0重量%と変化させて、各混合割合における磨り潰しによる熱伝達性能の相違を確認した。
実験は、実施例1と同様に、パソコン等のCPUとヒートシンクとの間に、本発明の熱伝導性組成物を配置し、CPUとヒートシンクと間の温度差を複数回(3回)測定し、その温度差の平均値によって熱伝達性を評価した。
なお、実施例1と同様に、ヒートシンク部分の側面に設けられた温度センサP2、P3によって測定される温度と、CPU内部温度P1との差を、それぞれ温度差1(P1とP2の差)、温度差2(P1とP3の差)とした。
図4に示すように、0.5重量%の場合を除き、すべての条件において膨張黒鉛を磨り潰した方が、磨り潰さない場合に比べて温度差1、2とも小さくなっており、熱伝達性が向上していることが確認できる。
本発明の熱伝導性組成物は、CPU等の発熱する電子機器や、スパッタリング装置等の冷却性を向上させるため有効である。
(A)は本発明の電子部品の概略説明図であり、(B)は実施例における温度測定位置を示した概略説明図である。 実施例1の実験結果を示した図である。 一般グリースと膨張黒鉛入りグリースをそれぞれ使用した場合において、CPを起動させたときにおけるCPU内部温度の経時変化を示したグラフである。 実施例2の実験結果を示した図である。
1 熱伝導性組成物
2 放熱体
1b 有機化合物
1a 層

Claims (5)

  1. 有機化合物に膨張黒鉛を含有させた熱伝導性組成物であって、
    前記有機化合物がグリース、オイルまたはゲルであり、
    前記膨張黒鉛は前記グリース、オイルまたはゲルに混合した後磨り潰されたものである
    ことを特徴とする熱伝導性組成物。
  2. 前記膨張黒鉛の重量割合が、1.0〜2.5%である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱伝導性組成物。
  3. 膨張黒鉛からなる物質に対して、グリース、オイルまたはゲルを混合した後、前記膨張黒鉛を磨り潰したものである
    ことを特徴とする熱伝導性組成物。
  4. 発熱体を備えた部品であって、
    該部品が、前記発熱体が発生する熱を放熱する放熱手段を備えており、
    該放熱手段が、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱伝導性組成物を備えている
    ことを特徴とする電子部品。
  5. 前記放熱手段が、
    前記発熱体が発生する熱を外部に放出する放熱体を備えており、
    該放熱体と前記発熱体との間に、前記熱伝導性組成物が配設されている
    ことを特徴とする請求項記載の電子部品。
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