JP4883416B2 - 地図表示装置及びプログラム - Google Patents
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本発明は、経路を表示する地図表示装置において、ノード間を接続するリンクを含む道路地図データを記憶した情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された道路地図データを読み出して道路地図を表示する表示手段と、表示された道路地図上における押圧軌跡を検知し、押圧を検知できなかった非検知区間で隔離した少なくとも2つの押圧軌跡からユーザの意図するリンクをそれぞれ予測するリンク予測手段と、予測した各リンク間の接続経路を決定する経路決定手段と、を備え、前記リンク予測手段は、押圧軌跡とリンクとのマッチング処理を行うとともに、各押圧軌跡の端点位置近くにおける変曲点の有無に基づいてリンクを予測することを特徴とする。
また、本発明は、経路を表示する地図表示装置を制御するプログラムにおいて、情報記憶手段に記憶された道路地図データを読み出して道路地図を表示するステップ、表示された道路地図上における押圧軌跡を検知し、押圧を検知できなかった非検知区間で隔離した少なくとも2つの押圧軌跡とリンクとのマッチング処理を行うとともに、各押圧軌跡の端点位置近くにおける変曲点の有無に基づいてユーザの意図するリンクをそれぞれ予測するステップ、予測した各リンク間の接続経路を決定するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
図1は本実施形態に係る地図表示装置として、例えば、ナビゲーション装置を例にとって説明するブロック図である。出発地や目的地、車両サイズ等の情報を入力するキーボード、マウス、タッチパネル、操作キー等からなる入力装置1、車両の現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、ノード間を接続するリンクを含む道路地図データ、交差点データ、経路の探索に必要なナビゲーション用データ、経路案内に必要な表示/音声の案内データ、さらに地図の表示、経路探索、音声案内等の案内を行うためのプログラム(アプリケーション及び/又はOS)等を記憶した情報記憶装置3、経路指定において画面上のなぞりを用いることを指定するなぞりモード選択手段4a、なぞりモードにおいて表示された道路地図上における押圧軌跡を検知してユーザの意図するリンクを予測するリンク予測手段4b、予測したリンク間を接続する経路を探索し、探索結果に基づいて接続経路を決定する経路決定手段4cを備え、ナビゲータ処理手段として地図の表示処理、経路探索処理、経路案内に必要な表示/音声案内処理、さらにシステム全体の制御を行う中央処理装置4、車両の走行に関する情報である、例えば道路情報、交通情報を送受信したり、車両の現在位置に関する情報を検出したり、さらに現在位置に関する情報を送受信したりする情報送受信装置5、経路案内に関する情報を出力するディスプレイやスピーカその他の出力装置6から構成されている。
一般に、出発地と目的地を設定してダイクストラ法などの手法により経路探索コストを算出し、コストが最小となるような経路を探索することが行われているが、本実施形態ではなぞりモードを選択することで、タッチパネルからなる案内画面に表示された道路地図上を指などでなぞると、ナビゲーション装置側においてその押圧が検知され、検知した押圧の軌跡によりユーザの意図する経路が指定される(ステップS1)。本実施形態では、なぞった時に押圧を検知できなかった非検知区間のある各押圧軌跡について、ユーザが意図した経路上のリンクを予測し(詳細は後述)、それぞれ予測リンクを求める(ステップS2)。ついで、予測した各リンク間について、ダイクストラ法等の手法を用いて経路探索コストを算出し、探索コストが最小となる経路を決定してリンク間を接続する(ステップS3、詳細は後述)。こうして、なぞった時に押圧を検知できなかった非検知区間があってもユーザの意図を予測して目的地までの経路を算出することができる。
ユーザがなぞりモードを選択すると処理が開始する。識別番号P=0として(ステップS11)、一つの経路指定におけるなぞり検知データ群の識別番号とする。次いで、道路地図が表示されたタッチパネル画面上の押圧を検知したか否か判断し(ステップS12)、押圧を検知したとき、その座標情報を記憶する(ステップS13)。次いで、画面の押圧が検知できなかったか否か判断する(ステップS14)。画面の押圧が検知できなかったとき、押圧非検知の座標情報を記憶する(ステップS15)。押圧が検知できなくなるまで、押圧検知から押圧非検知までの連続した軌跡情報を取得することによりユーザの意図した経路指定が検出される。次いで、ユーザ操作が終了したか否か判断し(ステップS16)、終了していなければステップS12〜ステップS15の処理を繰り返し、ユーザ操作が終了するまで行う。ユーザ操作の終了は、ユーザが終了ボタンを押圧するすることによりなぞりモード選択が解除されたことにより判断してもよいし、所定時間以上押圧が検知されなくなったことにより判断してもよい。このように、断続的になぞった軌跡および各軌跡の端点を記憶する。ここで、図示しなかったがステップS16でユーザ操作が終了していない場合にステップS12に戻る際、識別番号Pに1を加えて連続する押圧軌跡の区間毎に識別番号を付与してもよい。なお、図3の処理フローでは押圧の検知および非検知される都度、端点の座標を抽出しているが、ユーザ操作による押圧軌跡を非検知区間も含めて断続的に記憶し、最後に断続的な押圧軌跡から端点の座標を抽出するようにしてもよい。
図5は押圧軌跡T1よりリンクを予測する処理フローを示す図、図6は候補リンクの決定を説明するための図である。
ユーザ操作によりなぞりモードが終了するとリンク予測を開始する。上記した位置P1(押圧検知位置)〜P2(押圧非検知位置)間でトレースした押圧軌跡T1とこの軌跡に沿ったリンクとのマッチングをとり(ステップS21)、マッチングした最後のリンクL1の先(終点)ノードN2を決定する(ステップS22)。次いで、押圧軌跡T1の終端位置P2の近辺、例えば、位置P2から所定範囲内で変曲点を探し(ステップS23)、変曲点があるか否かを判断する(ステップS24)。変曲点の有無は、例えばトレースの方向が途中で変化しているか否かで判断する。変曲点がある場合には、マッチングした最後のリンクから次のリンクに向けて曲がろうとするユーザの意志があるものと見なされる。ここでは、PH1の位置でトレースT1の向きがリンクL1の方向からリンクL10、L12の方向に曲がり、変曲点PH1があることが分かる。次いで、この変曲点PH1からP2座標を結ぶ線分をベクトルV1として求める(ステップS25)。なお、ベクトルV1は、押圧非検知位置P2における押圧軌跡のベクトルとしてもよい。
上記した位置P3(押圧検知位置)〜P4(押圧非検知位置)間でトレースした押圧軌跡T2とこの軌跡に沿ったリンクとのマッチングをとり(ステップS31)、マッチングした最初のリンクL2の元(始点)ノードN3を決定する(ステップS32)。次いで、押圧軌跡T2の始点位置P3の近辺、例えば、位置P3から所定範囲内で変曲点を探し(ステップS33)、変曲点があるか否かを判断する(ステップS34)。変曲点の有無は、例えばトレースの方向が途中で変化しているか否かで判断する。変曲点がある場合には、マッチングした最初のリンクに向けて接続するリンクのいずれかから曲がろうとするユーザの意志があるものと見なされる。ここでは、PH2の位置でトレースT2の向きがリンクL2の方向に曲がり、変曲点PH2があることが分かる。次いで、P3座標から変曲点PH2を結ぶ線分をベクトルV2として求める(ステップS35)。ベクトルV2は、押圧検知位置P3における押圧軌跡のベクトルとしてもよい。
上記のように求めた2つの予測リンクが直接つながるか否か判断し(ステップS41)、つながればこの処理は終了する。直接つながらない場合、予測リンク1(押圧軌跡T1から予測したリンクL12)の先(終点ノードN5)と予測リンク2(押圧軌跡T2から予測したリンクL20)の元(始点ノードN6)との間の経路をダイクストラ法などの手法により探索し(ステップS42)、求めた経路に予測リンク1と予測リンク2を接続して経路1とする。次いで、予測リンク1の元(始点ノードN2)と予測リンク2の先(終点ノードN3)との間の経路を同様の手法で探索し(ステップS43)、求めた経路を経路2とする。次いで、始点と終端を一致させた経路1と経路2との間の探索コストを比較し、その差が所定値より大きいか否か判断する(ステップS44)。探索コストの差が所定値より大きくなければ、それぞれの経路によるメリットの差がほとんどないとみなし、ユーザの意志が反映されるように予測リンク1の終点ノードと予測リンク2の始点ノード間を経路探索して求めた経路を接続経路に決定する(ステップS46)。また、ステップS44の判断で、経路1と経路2の探索コストの差が所定値より大きくても、予測に使用したベクトルV1、V2のうち少なくとも一つの大きさが所定値より小さいか否か判断し(ステップS45)、所定値より小さいものがなければ予測の信頼性は高いものと判断して、同様に予測リンク1の終点ノードと予測リンク2の始点ノード間を経路探索して求めた経路を接続経路に決定する。こうして接続経路が決定されると、予測リンク間を接続し(ステップS47)、図10の破線で示す経路が求められる。
Claims (10)
- 経路を表示する地図表示装置において、
ノード間を接続するリンクを含む道路地図データを記憶した情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された道路地図データを読み出して道路地図を表示する表示手段と、
表示された道路地図上における押圧軌跡を検知し、押圧を検知できなかった非検知区間で隔離した少なくとも2つの押圧軌跡からユーザの意図するリンクをそれぞれ予測するリンク予測手段と、
予測した各リンク間の接続経路を決定する経路決定手段とを備え、
前記リンク予測手段は、押圧軌跡とリンクとのマッチング処理を行うとともに、各押圧軌跡の端点位置近くにおける変曲点の有無に基づいてリンクを予測することを特徴とする地図表示装置。 - 前記リンク予測手段は、前記非検知区間前側の第1の押圧軌跡の終端位置近くに変曲点があるとき、前記変曲点から前記終端位置へ向かうベクトルを求め、該ベクトルに基づいて予測リンクを決定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
- 前記リンク予測手段は、前記非検知区間前側の第1の押圧軌跡の終端位置近くに変曲点がないとき、該非検知区間前側の最後にマッチング処理したリンクの向きに近いリンクを予測リンクに決定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
- 前記リンク予測手段は、前記非検知区間後側の第2の押圧軌跡の始点位置近くに変曲点があるとき、前記始点位置から変曲点へ向かうベクトルを求め、該ベクトルに基づいて予測リンクを決定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
- 前記リンク予測手段は、前記非検知区間後側の第2の押圧軌跡の始点位置近くに変曲点がないとき、該非検知区間後側の最初にマッチング処理したリンクの向きに近いリンクを予測リンクに決定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
- 前記経路決定手段は、前記非検知区間前側の第1の押圧軌跡から予測した第1の予測リンクと、前記非検知区間後側の第2の押圧軌跡から予測した第2の予測リンクが直接つながらないとき、第1の予測リンクの終点ノードと第2の予測リンクの始点ノード間を経路探索して求めた経路に第1と第2の予測リンクを接続した第1の経路と、第1の予測リンクの始点ノードと第2の予測リンクの終点ノード間を経路探索して求めた第2の経路との探索コストを比較し、比較結果に基づいて第1、第2の予測リンク間の接続経路を決定することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
- 第1の経路と第2の経路との探索コストの差が小さいとき、第1の予測リンクの終点ノードと第2の予測リンクの始点ノード間を経路探索して求めた経路を接続経路に決定することを特徴とする請求項6記載の地図表示装置。
- 第1の経路と第2の経路との探索コストの差が大きく、かつリンクの予測に使用したベクトルの大きさが所定値より小さいものがないとき、第1の予測リンクの終点ノードと第2の予測リンクの始点ノード間を経路探索して求めた経路を接続経路に決定することを特徴とする請求項6記載の地図表示装置。
- 第1の経路と第2の経路との探索コストの差が大きく、かつリンクの予測に使用したベクトルの大きさが所定値より小さいものがあるとき、大きさの小さいベクトルを使用して決定した予測リンクを破棄することを特徴とする請求項6記載の地図表示装置。
- 経路を表示する地図表示装置を制御するプログラムにおいて、
情報記憶手段に記憶された道路地図データを読み出して道路地図を表示するステップ、
表示された道路地図上における押圧軌跡を検知し、押圧を検知できなかった非検知区間で隔離した少なくとも2つの押圧軌跡とリンクとのマッチング処理を行うとともに、各押圧軌跡の端点位置近くにおける変曲点の有無に基づいてユーザの意図するリンクをそれぞれ予測するステップ、
予測した各リンク間の接続経路を決定するステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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