JP4880524B2 - 多数個取り配線基板とその電解処理方法 - Google Patents

多数個取り配線基板とその電解処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の配線基板領域が形成された多数個取り配線基板とその電解処理方法に係り、特に、各配線基板領域に対して歩留まりよく2色メッキを施すことが可能な多数個取り配線基板とその電解処理方法に関する。
携帯電話やビデオカメラ等の電子機器に使用される配線基板は、セラミックスの焼結体などからなる絶縁層が複数積層され、その内部や外表面に導体配線パターンが形成された構造となっている。通常、配線基板上の導体配線パターンは、導体ペーストの印刷・焼き付けによって形成されたメタライズ層の表面にさらにメッキ層が被着されることにより形成される。
電解処理によって配線基板上にメッキ層を被着する方法については、例えば、特許文献1に開示されている。この発明は、「多数個取り配線基板」という名称で、多数の配線基板領域が配列形成されたセラミック母基板に均一にメッキ層を被着させる技術に関するものである。
具体的には、上面に配線導体を有する多数の配線基板領域が中央部に配列形成されるとともに、その外周部にメッキ用共通導体枠が配設されたセラミック母基板において、メッキ用共通導体枠との接続位置がメッキ用端子部に近いメッキ導通用導体の長さを長く、またはその幅を狭く、またはその厚みを薄くしたことを特徴としている。
このような構造の「多数個取り配線基板」においては、メッキ用端子部からの距離によらず、各配線基板領域の配線導体に対してメッキ用電流を均一に供給することができる。従って、セラミック母基板の各配線導体にメッキ層を均一に被着させることが可能となる。
また、特許文献2には「回路体の製造方法」という名称で、回路基板上に大電流回路及び小電流回路として厚みの異なる2種類のメッキ層を形成することができる回路体の製造方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、絶縁基板上に銅箔を貼着して形成した導電層の表面に対して、メッキレジスト及びエッチングレジストを利用して選択的に金属導体を析出させるものである。
このような方法によれば、大電流回路及び小電流回路にそれぞれ適した厚みのメッキ層を回路基板上の所望の位置に形成することができる。
特開2004−103811号公報 特開平6−334311号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、セラミック母基板上の各配線導体に対して同時にメッキ層を被着させることができるものの、複種類のメッキ層をそれぞれ異なる箇所に被着させることができず、従って、いわゆる2色メッキを行うことができないという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、メッキレジストを利用することにより第1のメッキ層の上面にさらに第2のメッキ層を重ねて形成することができる。従って、第1のメッキ層と第2のメッキ層を形成する際に異なるメッキ液を用いることにより、2色メッキを行うことができる。しかしながら、複数の回路基板が形成された1枚の母基板に対してメッキ処理を行う場合には、各回路基板に対してメッキレジストやエッチングレジストを塗布する必要がある。この場合、作業が煩雑となり、製造コストがアップする。また、品質管理が不十分となるおそれもある。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、複数の配線基板領域の表面に歩留まりよく2色メッキを施すことができる多数個取り配線基板とその電解処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数の配線基板領域からなる多数個取り配線基板において、配線基板領域の表面に互いに電気的に独立して形成されるメタライズ層と、このメタライズ層にそれぞれ導通するとともに配線基板領域の内部に形成される電流路と、この少なくともいずれか一つの電流路の一部が配線基板領域毎に多数個取り配線基板の表面に露出して形成される電流路切断部と、メタライズ層の表面に電解処理によって形成されるメッキ層とを備えたことを特徴とするものである。
このような構造の多数個取り配線基板においては、各メタライズ層に対して各電流路がそれぞれ個別に電荷を供給するという作用を有する。また、電流路切断部を除去することにより、電流路が切断され、各メタライズ層への電荷の供給が個別に遮断されるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の多数個取り配線基板において、配線基板領域は所望の個数ずつ複数の組をなし、電流路切断部は、メタライズ層にそれぞれ導通する電流路の一部に配線基板領域毎に形成されることに代えて、異なる組に属する配線基板領域同士を接続する電流路の一部に配線基板領域の組毎に形成されることを特徴とするものである。
このような構造の多数個取り配線基板においては、異なる組に属する配線基板領域同士を接続する電流路の途中に設置された電流路切断部を除去することにより、所望の組に属する配線基板領域が他の組に属する配線基板領域から電気的に分離されるという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の多数個取り配線基板において、電流路切断部は配線基板領域の表面に導体ペーストを印刷し、焼き付けることにより形成されることを特徴とするものである。
このような構造の多数個取り配線基板においては、電流路切断部が、例えば、グラインダ等を用いて削ることによって容易に除去されるという作用を有する。
請求項4記載の発明である電解処理方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多数個取り配線基板の製造工程における電解処理方法において、多数個取り配線基板の電流路が短絡している場合に、その短絡箇所を含む配線基板領域に導通する電流路の一部に形成される電流路切断部を除去する工程を備えたことを特徴とするものである。
このような電解処理方法においては、電流路の短絡箇所を含む配線基板領域を他の正常な配線基板領域から電気的に分離することにより、正常な配線基板領域について電流路の短絡に起因するメッキ不良の発生を防止するという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の多数個取り配線基板においては、電解処理用の電圧を印加する電流路を選択することにより、所望のメタライズ層に対してメッキ層を形成させることができる。また、メッキ液を適宜切り替えることによれば、2色メッキを行うことができる。さらに、電流路切断部を除去することにより、所望のメタライズ層に対して電荷の供給を遮断し、メッキ層の形成を防ぐことができる。
本発明の請求項2に記載の多数個取り配線基板においては、配線不良が発生した配線基板領域が属する組を電気的に孤立させることにより、電解処理の際に配線不良の影響が他の組に属する配線基板領域に及ばないようにすることができる。
本発明の請求項3に記載の多数個取り配線基板においては、電流路を切断する際に高価な装置や設備を用いる必要がない。従って、製造コストの削減を図ることができる。
本発明の請求項4に記載の電解処理方法によれば、短絡箇所を含まない配線基板領域に対して所望のメッキ層を被着させることができる。従って、多数個取り配線基板に対して歩留まりよく、2色メッキを施すことが可能である。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る多数個取り配線基板とその電解処理方法の実施例について説明する。
本実施例の多数個取り配線基板の構造について図1を用いて説明する(特に請求項1乃至請求項3に対応)。
図1(a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る多数個取り配線基板の実施例の平面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施例の多数個取り配線基板1は、アルミナ等のセラミックスの焼結体からなる複数の絶縁層が積層された略矩形状の平板である。そして、多数個取り配線基板1には略矩形状の複数の配線基板領域2が配列形成されている。ここで、配線基板領域2は最終的に分割されて電子機器等を実装するための配線基板となる部分である。なお、後述するように、配線基板領域2の周囲には分割溝が形成されており、配線基板領域2の上面には互いに電気的に独立した複数のメタライズ層がタングステンやモリブデン、銅、銀等の導体ペーストの印刷・焼き付けによって形成されている。そして、メタライズ層の表面には電解処理によってニッケルメッキや金メッキあるいは銀メッキが被着されている。なお、メタライズ層は配線基板領域2の内部に形成された導体層やビア(ともに図示せず)を介して配線基板領域2の下面に設置された端子部(図示せず)に対して電気的に接続されている。
多数個取り配線基板1の内部にはタングステンやモリブデン、銅、銀等の導体ペーストを所定のパターンに印刷し、焼き付けることによって形成される配線3a,3bが配設されている。そして、配線3aは端子部4aに接続され,配線3bは端子部4bにそれぞれ接続されている。また、配線3aの一部は多数個取り配線基板1の上面に露出して電流路切断部5を形成している。なお、図1では便宜上、配線3a,3bを図1(a)及び(b)として個別に表示しているが、それらは同一の多数個取り配線基板1の内部で互いに接触することがないように配設されている。また、図1(a)及び(b)に示されるように、配線基板領域2は4つずつ組6をなしており、電流路切断部5は互いに異なる組6に属する配線基板領域2の間を接続する配線3aの途中に介装されている。
このような構造の多数個取り配線基板1においては、端子部4a,4bに外部電源の端子を接続して電圧を印加した場合、配線3a,3bが多数個取り配線基板1の内部に導体層やビアとともに電流路を形成する。そして、この電流路は互いに電気的に独立した複数のメタライズ層に対して、個別に電荷を供給するという作用を有する。従って、電解処理用の電圧を印加する電流路を選択することで、所望のメタライズ層にのみメッキ層を形成させることができる。また、メッキ液の種類を適宜切り替えることによれば、1つの配線基板領域2に対して容易に2色メッキを施すことができる。
さらに、本実施例の多数個取り配線基板1においては、電流路切断部5を除去することにより配線3aが容易に切断される。この場合、切断された配線3aに導通するメタライズ層には電荷が供給されないことになる。すなわち、電流路切断部5を適宜選択して除去することによれば、所望のメタライズ層に対し、電荷の供給を遮断してメッキ層の形成を防ぐことができる。
なお、図1(a)に示す組6のいずれかについて、その両側に配置された一対の電流路切断部5を除去すると、その組6に属する配線基板領域2は他の組6に属する配線基板領域2から電気的に分離されることになる。従って、例えば、ある配線基板領域2の内部で配線不良が発生した場合には、その配線基板領域2が属する組6を電気的に孤立させることにより、電解処理でメッキ層を形成する際に他の組6に属する配線基板領域2に上記配線不良の影響が及ばないようにすることができる。なお、電流路切断部5はセラミックス製の多数個取り配線基板1の表面にタングステン等の導体ペーストを印刷し、焼き付けることにより形成されているため、例えば、グラインダ等を用いて削ることにより容易に除去される。この場合、高価な装置や設備を用いる必要がないため、製造コストを安くすることができる。
なお、多数個取り配線基板1の構造は図1に示すものに限定されるものではない。すなわち、多数個取り配線基板1はアルミナに限らず、例えば、窒化アルミの焼結体を用いて形成しても良い。また、配線3a,3bの設置状態及び端子部4a,4b又は電流路切断部5の個数や設置箇所についても図1に示す場合に限らず、適宜変更可能である。さらに、組6を構成する配線基板領域2の数は4個に限定されるものではない。すなわち、2〜3個であっても良いし、5個以上であっても良い。なお、電流路切断部5は、必ずしも複数の配線基板領域2からなる組6毎に形成する必要はなく、例えば、配線基板領域2毎に形成しても良い。この場合、配線基板領域2の両側に形成された一対の電流路切断部5を除去することで、その配線基板領域2が他の配線基板領域2から電気的に分離される。これにより、メッキ処理の工程において、内部に配線不良を有する配線基板領域2を予め電気的に孤立させ、他の配線基板領域2に配線不良の影響が及ばないようにすることができる。
次に、多数個取り配線基板1の内部に形成される電流路について図2を用いて説明する。
図2(a)及び(b)はそれぞれ本実施例及び従来技術の多数個取り配線基板の内部に形成される電流路を説明するための模式図である。なお、図1に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。また、図1では、4つの配線基板領域2ごとに組6が構成されているが、理解を容易にするため、ここでは便宜上、1つの配線基板領域2によって組6が構成されるものとする。さらに、配線基板領域2の内部に形成される導体層やビアについては、図2ではまとめて補助配線部9a,9bとして示している。そして、理解を容易にするため、配線3a,3bの配線状態を簡略化して示している。ただし、図1と図2におけるこれらの相違点は、以下に説明する本実施例の発明の作用及び効果に関し、両者の間に何ら差異を生じるものではない。
図2(a)及び(b)に示すように、本実施例の多数個取り配線基板1a及び従来技術の多数個取り配線基板1bの両面には、配線基板領域2の周囲に分割溝7が設けられている。また、多数個取り配線基板1a,1bの上面にはメタライズ層8a,8bが互いに電気的に独立して形成されており、多数個取り配線基板1a,1bの内部には配線3a,3bが互いに接触することがないように形成されている。そして、配線3a,3bから分岐する補助配線部9a,9bはメタライズ層8a,8bにそれぞれ導通している。すなわち、配線3a及び補助配線部9aは電流路10aを形成し、配線3b及び補助配線部9bは電流路10bを形成している。また、図示していないが、配線3a,3bの端部には端子部4a,4bがそれぞれ設けられている。さらに、図2(a)に示すように、多数個取り配線基板1aでは、配線3aの一部が配線基板領域2以外の部分(以下、ダミー部11という。)の表面に露出して電流路切断部5を形成している。
次に、本実施例の多数個取り配線基板の電解処理方法について従来技術と比較しながら説明する。まず、従来技術の多数個取り配線基板1bの電解処理方法について図3乃至図5を用いて説明する。
図3は従来技術の多数個取り配線基板の電解処理方法の工程図である。また、図4(a)及び(b)は従来技術の多数個取り配線基板にメッキ層が形成される様子を示した模式図であり、図5(a)及び(b)は配線不良を有する従来技術の多数個取り配線基板についてメッキ層が形成される様子を示した模式図である。なお、図4及び図5において、実線で示される電流路10a,10b及び破線で示される電流路10a,10bは電圧が印加されている状態及び電圧が印加されていない状態をそれぞれ表している。また、図1又は図2に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、まず、従来技術の多数個取り配線基板1bを、アノード電極を備えるメッキ槽内に満たされたニッケルイオンを含むメッキ液中に、端子部4a,4bが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で浸漬させる(ステップS1)。次に、メッキ槽の外部に設置された電圧印加装置により導電性ラックを介して配線3a,3bに電圧を印加する(ステップS2)。このとき、アノード電極は正電荷に帯電し、配線3a,3bと導通しているメタライズ層8a,8bは負電荷に帯電する。そのため、メッキ槽内に発生する電流に伴い、メッキ液中の正電荷に帯電したニッケルイオンが負電荷に帯電した多数個取り配線基板1bに引き寄せられて電子を接受し、メタライズ層8a,8bの表面にニッケルメッキが析出する。
次に、配線3a,3bに対する電圧の印加を停止し、多数個取り配線基板1bをメッキ槽から取り出して、金イオンを含むメッキ液で満たされた別のメッキ槽に端子部4a,4bが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で浸漬させる(ステップS3)。この状態で、電圧印加装置により導電性ラックを介して配線3a,3bに電圧を印加すると、ステップS2と同様にメタライズ層8a,8bが負電荷に帯電する(ステップS4)。これにより、図4(a)に示すように、メタライズ層8a,8b上のニッケルメッキ層12aの外層に金メッキ層12bが形成される。
さらに、配線3a,3bに対する電圧の印加を停止し、多数個取り配線基板1bをメッキ槽から取り出して、銀イオンを含むメッキ液で満たされた別のメッキ槽に端子部4aのみが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で浸漬させる(ステップS5)。その後、電圧印加装置により導電性ラックを介して配線3aに電圧を印加する(ステップS6)。これにより、図4(b)に示すように、メタライズ層8a上のニッケルメッキ層12a及び金メッキ層12bの最外層に銀メッキ層12cが形成される。なお、配線3bには電圧が印加されないため、メタライズ層8bには銀メッキは析出しない。
このような構造の多数個取り配線基板1bにおいては、配線3a,3bと補助配線部9a,9bとから構成される電流路10a,10bが互いに電気的に独立しているため、一方にのみ電圧を印加した場合、メタライズ層8a,8bの一方にのみメッキ層が形成される。従って、いわゆる2色メッキを容易に行うことができる。しかしながら、例えば、配線不良等により電流路10a,10bの一部が短絡した場合には、2色メッキは不可能となる。例えば、図5(a)に示すように、配線不良箇所13において配線3aと補助配線部9bとが短絡すると、電流路10a,10bは互いに導通することになる。以下、このような配線不良箇所13を含む多数個取り配線基板1cに対して、前述の図3に示した電解処理を行った場合に生じる不具合について説明する。
図3において、まず、ニッケルイオンを含むメッキ液中に、端子部4a,4bが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で多数個取り配線基板1cを浸漬させる(ステップS1)。そして、配線3a,3bに電圧を印加する(ステップS2)。これにより、メタライズ層8a,8bの表面にニッケルメッキ層12aが析出する。
次に、多数個取り配線基板1cをメッキ槽から取り出して、金イオンを含む別のメッキ液中に、同じく端子部4a,4bが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で浸漬させる(ステップS3)。その後、配線3a,3bに電圧を印加すると(ステップS4)、図5(a)に示すように、メタライズ層8a,8b上のニッケルメッキ層12aの外層に金メッキ層12bが形成される。
さらに、多数個取り配線基板1cをメッキ槽から取り出して、銀イオンを含むメッキ液中に、端子部4aのみが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で浸漬させ(ステップS5)、配線3aに電圧を印加する(ステップS6)。このとき、配線3bの端子部4bが導電性ラックの端子に接続されていないにもかかわらず、図5(b)に示すように電流路10bには電流路10aとともに電圧が印加される。これにより、メタライズ層8a,8bの両方に銀メッキ層12cが形成されることになる。すなわち、電流路10a,10bが短絡した多数個取り配線基板1cでは、メタライズ層8a,8bの一方にのみメッキ層を形成することはできず、全ての配線基板領域2がメッキ不良となってしまうという不具合が生じる。
次に、本実施例の多数個取り配線基板1aの電解処理方法について図6乃至図8を用いて説明する(特に請求項4に対応)。
図6は本実施例の多数個取り配線基板の電解処理方法の工程図である。また、図7(a)及び(b)は本実施例の多数個取り配線基板にメッキ層が形成される様子を示した模式図であり、図8(a)及び(b)は配線不良を有する本実施例の多数個取り配線基板についてメッキ層が形成される様子を示した模式図である。なお、図4又は図5に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。また、図6のステップS1乃至ステップS4は図3のステップS1乃至ステップS4と同一の工程であるため、詳細な説明は省略する。
多数個取り配線基板1aに対して、図6のステップS1乃至ステップS4に示した電解処理を施すと、図4(a)の場合と同様に、メタライズ層8a,8bの表面にニッケルメッキ層12a及び金メッキ層12bが順次形成される。ただし、多数個取り配線基板1aの表面に露出した電流路切断部5は、電流路10aの一部を構成するものであるため、図7(a)に示すように、電流路切断部5の表面にもニッケルメッキ層12a及び金メッキ層12bが形成される。
次に、多数個取り配線基板1aをメッキ液から取り出し、端子部4a,4bにテスターのプローブをあてることにより、電流路10a,10bについて短絡の有無を検査する(ステップS5)。電流路10a,10bが短絡していない場合には、ステップS6からステップS8に進む。そして、ステップS8では、銀イオンを含むメッキ液中に端子部4aのみが導電性ラックの端子に電気的に接続された状態で多数個取り配線基板1aを浸漬させる。その後、配線3aに電圧を印加する(ステップS9)。これにより、図7(b)に示すように、メタライズ層8aの最外層に銀メッキ層12cが形成される。なお、配線3bには電圧が印加されないため、メタライズ層8bに銀メッキ層12cが形成されることはない。
このような構造の多数個取り配線基板1aにおいては、従来技術の多数個取り配線基板1bと同様に2色メッキを行うことが可能である。しかし、多数個取り配線基板1aは従来技術の多数個取り配線基板1bとは異なり、電流路10a,10bの一部が短絡した場合でも、全ての配線基板領域2がメッキ不良となることはない。以下、多数個取り配線基板1aにおいて電流路10a,10bの一部が短絡したもの(多数個取り配線基板1d)に対し、電解処理を行う方法について説明する。なお、多数個取り配線基板1dに対する図6のステップS1乃至ステップS4の工程は、多数個取り配線基板1aに対する場合と略同一であるため、その詳細な説明は省略する。
多数個取り配線基板1dに対して、図6のステップS1乃至ステップS4に示した電解処理を施すと、図8(a)に示すように、メタライズ層8a,8b及び電流路切断部5の表面にニッケルメッキ層12a及び金メッキ層12bが順次形成される。
次に、多数個取り配線基板1dをメッキ液から取り出し、電流路10a,10bについて短絡の有無をチェックする(ステップS5)。なお、図8(a)に示すように、電流路10a,10bが配線不良箇所13で短絡している場合、配線不良箇所13を含む配線基板領域2上のメタライズ層8a,8bは最短経路となる電流路10cによって接続されるため、両者間の電気抵抗値は最小となる。従って、テスター等を用いてメタライズ層8a,8bの間の電気抵抗値を測定することによれば、配線不良箇所13を含む配線基板領域2が容易に特定される。このようにして特定した配線基板領域2と他の配線基板領域2との間を接続する配線3aの途中に設置された電流路切断部5を除去する(ステップS7)。
ただし、組6が2つ以上の配線基板領域2によって構成されている場合には、配線不良箇所13を含む配線基板領域2と、この配線基板領域2が属する組6とは別の組6に属する配線基板領域2とを接続する配線3aの途中に設置された電流路切断部5を除去するものとする。その後、多数個取り配線基板1dを、銀イオンが含まれるメッキ液中に端子部4aのみを導電性ラックの端子に電気的に接続した状態で浸漬させ(ステップS8)、電圧印加装置により端子部4aを介して配線3aに電圧を印加する(ステップS9)。このとき、図8(b)に示すように、配線不良箇所13を含む配線基板領域2内の配線3a及び補助配線部9aは、他の配線基板領域2に電荷を供給するための電流路10aから分離されることになる。
従って、配線不良箇所13を含む配線基板領域2上のメタライズ層8aに対しては電荷が供給されない。また、配線不良箇所13で配線3aと短絡する補助配線部9bにも電圧が印加されないため、電流路10bに導通するメタライズ層8bには誤って電荷が供給されるおそれはない。この場合、配線不良箇所13を含む配線基板領域2以外の配線基板領域2上のメタライズ層8a,8bについては、正常にメッキ層が形成されることになる。
以上説明したように、本実施例の多数個取り配線基板の電解処理方法によれば、配線基板領域2の内部で電流路10a,10bが短絡している場合でも、短絡箇所を含む配線基板領域2が容易に特定されるとともに、他の配線基板領域2から容易に電気的に分離される。この場合、電流路10a,10bの短絡の影響が他の正常な配線基板領域2に及ぶことがない。これにより、短絡箇所を含まない配線基板領域2について所望のメッキ層を正常に被着させることが可能となる。従って、このような電解処理方法によれば、多数個取り配線基板に対して歩留まりよく、2色メッキを施すことができる。なお、短絡箇所を含む配線基板領域2上のメタライズ層8a,8bは2色メッキとならないため、不良であることが外観から容易に判別できる。
なお、多数個取り配線基板1a,1dにおいてメタライズ層8a,8bの設置箇所や個数は、本実施例に示すものに限定されるものではない。また、メッキの種類やメッキを形成する順序についても図6に示す場合に限らず、適宜変更可能である。さらに、電流路切断部5は配線3aのみでなく、配線3bに設けることもできる。
また、ステップS2及びステップS4のメッキ処理の工程でブリード(セラミック基板表面に付着した何らかの汚れ等にメッキ被膜が付着する現象)が発生して、配線間が短絡してしまうことが多いため、通常は本実施例の電解処理方法のように、ステップS4の後にステップS5で電流路の短絡の有無を検査することが望ましい。ただし、これに限定されるものではない。すなわち、電流路の短絡の有無の検査はステップS1乃至ステップS4(すなわち、メッキ処理)の前に行っても良い。もちろん、その場合には、その後のステップS6及びステップS7において行う短絡箇所がある場合の電流路切断部5の該当箇所除去作業も同様に、ステップS1乃至ステップS4のメッキ処理を行う前に行うことが望ましい。もちろん、ステップS5乃至ステップS7の作業をステップS2とステップS3の間に実施してもよい。無駄なメッキ処理を行わないという立場からすれば、ステップS1の前にステップS5乃至ステップS7を行ってしまうことが望ましい。電流路切断部5を予め除去しておくことで、短絡している配線基板領域2には全くメッキ処理がなされることがなく、メッキ液の使用量を節約することができるためである。
以上説明したように、請求項1乃至請求項4に記載された発明は、配線基板以外のものに多色メッキを施す際にも適用可能である。
(a)及び(b)は本発明の実施の形態に係る多数個取り配線基板の実施例の平面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本実施例及び従来技術の多数個取り配線基板の内部に形成される電流路を説明するための模式図である。 従来技術の多数個取り配線基板の電解処理方法の工程図である。 (a)及び(b)は従来技術の多数個取り配線基板にメッキ層が形成される様子を示した模式図である。 (a)及び(b)は配線不良を有する従来技術の多数個取り配線基板についてメッキ層が形成される様子を示した模式図である。 本実施例の多数個取り配線基板の電解処理方法の工程図である。 (a)及び(b)は本実施例の多数個取り配線基板にメッキ層が形成される様子を示した模式図である。 (a)及び(b)は配線不良を有する本実施例の多数個取り配線基板についてメッキ層が形成される様子を示した模式図である。
符号の説明
1…多数個取り配線基板 1a〜1d…多数個取り配線基板 2…配線基板領域 3a,3b…配線 4a,4b…端子部 5…電流路切断部 6…組 7…分割溝 8a,8b…メタライズ層 9a,9b…補助配線部 10a〜10c…電流路 11…ダミー部 12a…ニッケルメッキ層 12b…金メッキ層 12c…銀メッキ層 13…配線不良箇所

Claims (4)

  1. 複数の配線基板領域からなる多数個取り配線基板において、前記配線基板領域の表面に互いに電気的に独立して形成されるメタライズ層と、このメタライズ層にそれぞれ導通するとともに前記配線基板領域の内部に形成される電流路と、この少なくともいずれか一つの電流路の一部が前記配線基板領域毎に前記多数個取り配線基板の表面に露出して形成される電流路切断部と、前記メタライズ層の表面に電解処理によって形成されるメッキ層とを備えたことを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記配線基板領域は所望の個数ずつ複数の組をなし、前記電流路切断部は、前記メタライズ層にそれぞれ導通する電流路の一部に前記配線基板領域毎に形成されることに代えて、異なる組に属する前記配線基板領域同士を接続する前記電流路の一部に前記配線基板領域の組毎に形成されることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
  3. 前記電流路切断部は前記配線基板領域の表面に導体ペーストを印刷し、焼き付けることにより形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多数個取り配線基板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の多数個取り配線基板の製造工程における電解処理方法において、前記多数個取り配線基板の電流路が短絡している場合に、その短絡箇所を含む前記配線基板領域に導通する電流路の一部に形成される前記電流路切断部を除去する工程を備えたことを特徴とする電解処理方法。
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