JP4879543B2 - 蛍光分光分析装置 - Google Patents
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「蛍光相関分光法による1分子検出」金城著、蛋白質核酸酵素、1999, vol. 44N09 1431-1438 "Dual-Color Fluorescence Cross-Correlation Spectroscopy for Multicomponent Diffusional Analysis in Solution", Petra. Schwille et al, Biophysical Journal 1997, 72, 1878-1886 Adynamic view of cellular processes by in vivo fluorescence auto- and cross-correlation spectroscopy, Petra. Schwille et al, Methods 29 (2003) 74-85 Confocal fluorescence coincidence analysis (CFCA), Winkler et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 1375-1378, 1999
図1は、本発明の第一実施形態の蛍光分光分析装置を概略的に示している。図1に示されるように、蛍光分光分析装置100は、励起光学系110と蛍光検出部140と信号処理部150と演算部160とを有している。励起光学系110は、励起光を生成する励起光照射部120と、試料Sが載せられるステージ112と、対物レンズ114と、励起光と蛍光を分離するダイクロイックミラー116とを有している。
試料についての測定データとして、第1蛍光と第2蛍光の時系列測定データを取得する。取得した時系列データの補間方法による連続信号は図5に示した通りである。
取得データが存在するか否かを判断し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はイメージング判断のステップS18に入る。
読み込みデータ数をカウントする。このデータ総数は、チャンネル計算、総合計算などに用いる。
マルチプルτ方式のプロットτ値(チャンネル値)とチャンネル数などを計算する。マルチプルτ方式は読み込んだデータの総数によりチャンネル数を決める。具体的な計算方法は、図7に示されるように、ビンタイムτ0を基準値として最初の16個のチャンネル値とし、以降の8個ごとのチャンネル値はビンタイムτ0が2倍に増える値を基準値とする。
蛍光の識別を行なう。ステップS4において、第1蛍光検出信号に対して、励起光が第1励起光の場合には、入力データは第1蛍光の有効なデータとしてステップS6以降で処理され、励起光が第2励起光の場合には、入力データはステップS5においてゼロとして処理され、励起光が第1励起光でも第2励起光でもない場合には、同様に第1蛍光のデータはステップS5でゼロとして補間される。また第2蛍光検出信号に対しては、励起光が第2励起光の場合には、入力データが第2蛍光の有効なデータとしてステップS6以降で処理され、励起光が第1励起光の場合には、第1蛍光のデータはステップS5でゼロとして処理され、励起光が第2励起光でも第1励起光でもない場合には、同様に第2蛍光のデータはステップS5でゼロとして補間される。
データ抽出を行なう。まず、第1蛍光検出信号に対して、第1蛍光のデータを抽出し、それを第1蛍光に相当する位置に埋め込み、ほかの蛍光(第2蛍光)に相当する位置にはデータ0を埋め込む。その結果、図8に示される第1蛍光のデータテーブルが作成される。同様に、第2蛍光についても別のデータテーブルを作成する。その結果、第1蛍光と第2蛍光に対して二枚のデータテーブルがそれぞれ構成される。
信号またはデータが欠落する期間の解析結果に対する影響を防止するため、信号またはデータが欠落する期間と、それ以外の期間との間で異なる重み付けを行なう。このための重み係数テーブルを作成する。励起光を時系列で切り替えながら測定した場合、検出データには、データの大きさの情報のほかに励起光の種類(すなわち蛍光の種類)の情報が含まれている。マルチプルτ方式では蛍光の種類の情報を重み係数として計算に用いる。第1蛍光と第2蛍光に対してデータ測定が行なわれた場合、データ数1個(重み係数=1)で表す。第1蛍光検出信号に対して、第1蛍光に相当する位置には1という重み係数を埋め込み、そのほかの蛍光に相当する位置には0という重み係数を埋め込む。その結果、図9に示される第1蛍光の重み係数テーブルが作成される。同様に、第2蛍光についても別の重み係数テーブルを作成する。すなわち、第1蛍光または第2蛍光それぞれに対応するデータごとに演算に用いられるパラメータとしての重み係数が変更されたテーブルが作成される。その結果、第1蛍光と第2蛍光に対して二枚の重み係数テーブルがそれぞれ構成される。
データ再構成を行なう。つまり、基準値(増分)が異なる各チャンネルの最初チャンネルのデータを計算する。第1蛍光と第2蛍光のデータテーブルにより、蛍光ごとに和計算処理を行なう。チャンネル16以降の遅延時間τは、8チャンネルごとに基準値(増分)を2倍に増しているため、各チャンネルのデータは基準値(増分)が2倍に増える前の二つのデータ和からなる。具体的なデータの変化は図10の通りである。第1蛍光と第2蛍光において、それぞれの和計算の処理を行なうことにより、データ分割テーブルから次々と新しい基準値(増分)を有するチャンネルのデータが形成され、新しいデータテーブルが構成される。
重み係数再構成を行なう。つまり、基準値(増分)が異なる各チャンネルの最初チャンネルの重み係数を計算する。第1蛍光と第2蛍光の重み係数テーブルにより、蛍光ごとに和計算処理を行なう。重み係数テーブルの変化はステップS8と同様に、和計算処理の経過とともに、次々と新しい基準値(増分)を有するチャンネルの重み係数が形成され(図11)、新しい重み係数テーブルが構成される。
第1蛍光のデータID1に対して、データ間の積和計算を行なう。つまり、図12に示されるように、第1蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列において、最初のデータとほかの各データとの積の和を求める。次に、第2蛍光のデータID2に対して、データ間の積和計算を行なう。つまり、同様な処理を第2蛍光に対して行ない、第2蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第2蛍光のデータ列において、最初のデータとほかの各データとの積の和を求める。
第1蛍光の重み係数WD1に対して、重み係数間の積和計算を行なう。つまり、第1蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光の重み係数列において、最初の重み係数とほかの各重み係数との積の和を求める。次に、第2蛍光の重み係数WD2に対して、重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同様な処理を第2蛍光に対して行ない、第2蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第2蛍光の重み係数列において、最初の重み係数とほかの各重み係数との積の和を求める。
第1蛍光のデータID1と重み係数WD1に対して、0列目データと重み係数との積和計算を行なう。つまり、第1蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列と重み係数列において、データ列の最初のデータと重み係数列の各重み係数との積の和を求める。次に、第2蛍光のデータID2と重み係数WD2に対して、データと重み係数との積和計算を行なう。つまり、同様な処理を第2蛍光に対して行ない、第2蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列と重み係数列において、データ列の最初のデータと重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
第1蛍光の重み係数WD1とデータID1に対して、0列目重み係数とデータとの積和計算を行なう。つまり、第1蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列と重み係数列において、重み係数列の最初の重み係数とデータ列の各データとの積の和を求める。次に、第2蛍光の重み係数WD2とデータID2に対して、重み係数とデータとの積和計算を行なう。つまり、同様な処理を第2蛍光に対して行ない、第2蛍光の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第2蛍光のデータ列と重み係数列において、重み係数列の最初の重み係数とデータ列の各データとの積の和を求める。
第1蛍光と第2蛍光のデータID1とID2に対して、第1蛍光と第2蛍光のデータ間の積和計算を行なう。つまり、図13に示されるように、同じ基準値(増分)を有する第2蛍光のチャンネル位置のデータと第1蛍光の0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列と第2蛍光のデータ列において、第1蛍光のデータ列の最初のデータと第2蛍光のデータ列の各データとの積の和を求める。
第1蛍光と第2蛍光の重み係数WD1、WD2に対して、第1蛍光と第2蛍光の重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する第2蛍光のチャンネル位置の重み係数と第1蛍光の0列目の重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光の重み係数列と第2蛍光の重み係数列において、第1蛍光の重み係数列の最初の重み係数と第2蛍光の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
第1蛍光のデータID1と第2蛍光の重み係数WD2に対して、第1蛍光の0列目データと第2蛍光の重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する第2蛍光のチャンネル位置の重み係数と第1蛍光の0列目のデータとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第1蛍光のデータ列と第2蛍光の重み係数列において、第1蛍光のデータ列の最初のデータと第2蛍光の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
第1蛍光の重み係数WD1と第2蛍光のデータID2に対して、第1蛍光の0列目重み係数と第2蛍光のデータとの積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する第2蛍光のチャンネル位置のデータと第1蛍光の0列目の重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する第2蛍光のデータ列と第1蛍光の重み係数列において、第2蛍光のデータ列の最初のデータと第1蛍光の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
演算終了とイメージングの判断を行なう。Yesの場合には総合相関計算に入り、Noの場合にはデータ取得ステップS1に戻る。
データの読み込みが終了した場合(ステップS21がYesの場合)、上述した諸計算結果に基づいて、自己相関関数の推定と相互相関関数の推定とを行なう。つまり、D1→D2とD1→D1とD2→D2の各相関方向に対してそれぞれ異なる解析式を用いて相関関数を推定する。
各最終計算結果に基づいて、相互相関関数のカーブ表示などの処理を行なう。
図14は、本発明の第二実施形態の蛍光分光分析装置を概略的に示している。本実施形態の蛍光分光分析装置200は、蛍光検出部240と信号処理部250のほかは、第一実施形態の蛍光分光分析装置100と同様である。
Claims (3)
- 波長または強度の異なる励起光を選択的に試料の特定部位に照射する励起光学手段と、
前記励起光の照射に応じて前記試料から発生する蛍光を検出する蛍光検出手段と、
前記蛍光検出手段が検出した前記蛍光に対応する信号またはデータを生成する信号処理手段と、
前記信号処理手段により生成される前記信号またはデータを利用した前記蛍光の揺らぎの相関分析演算を行なうために、前記波長または強度の異なる前記励起光の照射に応じて発生したそれぞれの蛍光に対応する前記信号またはデータごとに、当該相関分析演算のための重み係数を変更する演算手段とを具備し、
前記励起光学手段は、異なる波長の光を発する複数の光源と、当該光源の発する異なる波長の光の中から前記試料に照射される光を選択するために通過帯域を制御可能な音響光学素子とを含み、
前記蛍光検出手段は、前記異なる波長または強度の励起光の照射に応じてそれぞれ発生する蛍光ごとに分離して検出を行なうことを特徴とする蛍光分光分析装置。 - 前記蛍光検出手段は、異なる波長帯域に感度を有する複数の受光素子で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分光分析装置。
- 前記蛍光検出手段は、前記異なる励起光による異なる波長の蛍光を検出可能な受光帯域を有するひとつの受光素子で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分光分析装置。
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