JP4879451B2 - Olefin polymer and process for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系重合体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、臭気を発生するような成分、味を変化させるような成分の含有量が少ないオレフィン系重合体およびこのようなオレフィン系重合体を効率よく製造することができるようなオレフィン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系重合体は、各種成形用材料などとして広く利用されている。オレフィン系重合体は、その用途により要求される特性も異なり、例えば食品用途では、微妙な臭いや味が重視されるため、食品の風味を損なわないことが要求される。
【0003】
ところで、オレフィン系重合体の製造を固体状触媒の存在下にオレフィンの重合を気相重合法で行うと、重合体を粒子状で得ることができ、重合後のポリマー析出工程あるいは溶媒分離工程などが不要となる。したがって製造プロセスを簡略化することができ、製造コストを低減できることが知られている。しかしながら、気相重合法で製造されたオレフィン系重合体は、加熱加工する際に臭いを発生することがあり、特に微妙な臭いや味を重視する食品用途では風味などに影響することがあるため、このような用途には使用が制限されることがあった。
【0004】
気相重合法により得られたオレフィン系重合体の臭気、および食品用途に使用された場合の味への影響を低減させる方法としては、例えば特開平10−45824号公報に、メタロセン触媒を用いて得られたオレフィン系重合体を、水蒸気等と接触させて重合体中のシクロペンタジエニル配位子を分解することにより、成形時にオレフィン系重合体から発生する臭気を低減させる方法が記載されている。
【0005】
このような方法により、オレフィン系重合体の臭気をかなり低減することができるが、近年食品用途等ではさらなる臭気の低減が望まれている。
このような状況のもと、本発明者が検討した結果、オレフィン系重合体を気相重合法により製造するに際し、流動層反応器中に飽和脂肪族炭化水素を存在させながら重合反応を行い、かつ得られた重合体を水蒸気等と接触させることにより臭気が大きく低減されることを見出して本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は、臭気を発生するような成分、味を変化させるような成分の含有量が少ないオレフィン系重合体およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオレフィン系重合体は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを、メタロセン系触媒の存在下で重合して得られるオレフィン系の(共)重合体であって、n−デカン可溶分量が10重量%以下であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が5重量ppb以下であることを特徴としている。
【0008】
上記オレフィン系重合体は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
また、上記オレフィン系重合体は、密度が0.930g/cm3以下であることが好ましい。
【0009】
さらに、上記オレフィン系重合体は、流動層反応器を用いて、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上のオレフィンを気相にて(共)重合することにより得られたものであることが好ましい。
さらにまた、上記オレフィン系重合体は、流動層反応器中に炭素原子数2〜10の飽和脂肪族炭化水素を2〜30モル%の濃度で存在させながら、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上のオレフィンを(共)重合し、次いで得られた(共)重合体を、配位子分解剤に接触させ、次いで配位子分解剤と接触させた上記(共)重合体を加熱することにより得られたものであることが好ましい。
【0010】
本発明に係るオレフィン系重合体の製造方法は、流動層反応器を用いて、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上のオレフィンを、メタロセン系触媒の存在下、気相にて(共)重合してオレフィン系重合体を製造する方法であって、
上記流動層反応器中に飽和脂肪族炭化水素を2〜30モル%の濃度で存在させながらオレフィンを(共)重合する重合工程と、
得られた(共)重合体を、配位子分解剤に接触させる工程と、配位子分解剤と接触させた上記(共)重合体を加熱する工程からなる配位子除去工程とを
有することを特徴としている。
【0011】
本発明では、上記飽和脂肪族炭化水素を流動層反応器中に気−液二相共存状態で供給することが好ましい。
上記オレフィン系重合体の製造方法により、n−デカン可溶分量が10重量%以下であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が5重量ppb以下であるオレフィン系重合体を製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るオレフィン系重合体およびその製造方法について具体的に説明する。
なお本発明において、「重合」という語は単独重合のみならず共重合を包含した意味で用いられることがあり、また「重合体」という語は単独重合体のみならず、共重合体を包含した意味で用いられることがある。
【0013】
[オレフィン系重合体]
本発明に係るオレフィン系重合体は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種または2種以上のオレフィンの(共)重合体である。
ここで炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして具体的には、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうちでも、炭素原子数3〜10、特に5〜8のα−オレフィンが好ましく用いられる。
【0014】
これらのエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれるオレフィンは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、オレフィン系重合体は、好ましくはエチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体、より好ましくはエチレンと、炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体である。
【0015】
本発明に係るオレフィン系重合体が、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種以上のモノマーの共重合体である場合に、各構成単位の含有割合は特に限定されないが、例えば共重合体がエチレンと、α−オレフィンとの共重合体である場合には、エチレンから導かれる構成単位を80〜99.6モル%、好ましくは93.8〜98モル%、α−オレフィンから導かれる構成単位を0.4〜20モル%、好ましくは2〜6.2モル%の割合で含有することが望ましい。
【0016】
また本発明では、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位とともに必要に応じてポリエン類などから導かれる構成単位を含有していてもよく、例えばブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン類から導かれる構成単位を含有していてもよい。
【0017】
本発明に係るオレフィン系重合体は、n−デカン可溶分量10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。なお、n−デカン可溶分量の下限値は、0重量%であることが好ましいが、実質的には測定限界の0.1重量%である。
n−デカン可溶分量が上記範囲内にあるオレフィン系重合体は、オリゴマー等の低分子量成分の含有量が少ないため、成形時に臭気が発生することが少なく、またオレフィン系重合体を食品用途に使用したときに、微妙な臭いや味を損なうことが少ない。
【0018】
n−デカン可溶分量は、以下のようにして測定される。すなわち、攪拌装置付1リットルのフラスコに、重合体試料3g、2,6−ジ−tert-ブチル−4−メチルフェノール20mg、n−デカン500mlを入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体試料が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却し、続いて23℃の水浴上で8時間保持する。析出した重合体(n−デカン不溶部)と、溶解ポリマーを含むn−デカン溶液とをG−4(またはG−2)のグラスフィルターで濾過分離する。このようにして得られた溶液を10mmHg、150℃の条件で加熱してn−デカン溶液に溶解していたポリマーを定量になるまで乾燥し、その重量をn−デカン可溶成分量とする。
【0019】
また、本発明に係るに係るオレフィン系重合体は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が5重量ppb以下、好ましくは2重量ppb以下、より好ましくは1重量ppb以下である。なお、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量の下限値は、0重量ppbであることが好ましいが、実質的には測定限界の1重量ppbである。
【0020】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が上記範囲内にあると、成形時に臭気が発生することが少なく、またオレフィン系重合体を食品用途に使用したときに、微妙な臭いや味を損なうことが少ない。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量は、以下のようにして測定される。すなわち、トルエンを用いてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の抽出を行い、検量線法を用いてガスマスにより同定および定量を行う。
【0021】
本発明に係るオレフィン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が通常1,250〜8,500の範囲にあり、Mw/Mnが通常1.8〜3.5、好ましくは1.9〜2.3の範囲にあり、密度勾配管法で測定した密度が通常0.930g/cm3以下、好ましくは0.880〜0.930g/cm3の範囲にある。
【0022】
上述したような、本発明に係るオレフィン系重合体は、例えば流動層反応器を用いて、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上のオレフィンを気相にて(共)重合することにより得られる。
より具体的には、後述するように、流動層反応器中に飽和脂肪族炭化水素を存在させながら、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上のオレフィンを(共)重合し、次いで得られた(共)重合体を、配位子分解剤に接触させ、次いで配位子分解剤と接触させた上記(共)重合体を加熱することにより得られる。
【0023】
[オレフィン系重合体の製造方法]
本発明に係るオレフィン系重合体の製造方法は、流動層反応器中に飽和脂肪族炭化水素を存在させながらオレフィンを(共)重合する重合工程と、
得られた(共)重合体を、配位子分解剤に接触させ、次いで配位子分解剤と接触させた上記(共)重合体を加熱する配位子除去工程とを有する。
【0024】
(重合工程)
重合工程では、流動層反応器内を流通する重合モノマーを含むガス流によって触媒を含む固体粒子が流動状態に保持された流動層において、触媒の存在下に重合モノマーとしてのエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン(重合モノマー)とを気相で重合させてオレフィン系重合体を製造するに際して、重合モノマーとともに、気−液混合状態の飽和脂肪族炭化水素とを、流動層反応器の底部から導入して重合反応を行っている。
【0025】
ここで図1を参照しながら重合工程を具体的に説明する。なお、図1は重合工程を示しており、配位子分解工程は省略されている。
重合工程では、流動層反応器11内において、触媒をライン15から供給し、また供給ライン12から供給された重合モノマーおよび飽和脂肪族炭化水素を、反応器下部の供給口9から反応器下部に設けられた多孔板などの分散板17から流動層18へ吹き込み、反応器上部のライン16から排出させることにより反応器内を流通させて、このガス流(流動化ガス)によって固体粒子(固体触媒および生成ポリマー)を流動状態に保持することにより流動層(反応系)18が形成される。
【0026】
このような流動層18において、エチレンおよび炭素原子数3〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンの重合により生成したポリマー粒子は、反応器から抜出ライン10を介して連続的または断続的に抜き出され後述する配位子分解工程に供給される。
一方反応器11からライン16を介して排出されるガスは、未反応重合モノマーおよび飽和脂肪族炭化水素などを含有しており、通常、冷却された後循環ガスとして供給口9を介して反応器11に循環される。
【0027】
上記のように供給口9からは重合モノマーおよび循環ガスからなる流動化ガスが反応器11に導入され、通常該ガスにより流動層18を流動状態に保持することができるような流量で流通されるが、具体的に供給口9から導入されるガス量は、流動層の最小流動化速度をUmfとするとき、約3Umf〜50Umf程度、好ましくは約5Umf〜30Umf程度の流量であることが望ましい。流動層18を機械的に攪拌することもでき、例えばイカリ型攪拌機、スクリュウ型攪拌機、リボン型攪拌機など種々の型式の攪拌機を用いて攪拌することができる。
【0028】
重合工程では、重合を反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。次に、図2を参照しながら重合を2段以上で行う場合の重合工程を具体的に説明する。なお、図2は、重合工程のみを示しており、配位子分解工程は省略されている。
重合を2段以上で行う場合、例えば重合を直列に連結された2器の気相流動層反応器を有する多段気相重合装置で行う場合には、重合は以下のように行われる。
【0029】
多段気相重合装置は、例えば図2に示すように、第1の流動層反応器11と第2の流動層反応器21とが直列に連結されている。
すなわち、第1の流動層反応器11には、触媒が供給ライン15より供給されるとともに、ガス状のオレフィン(重合モノマー)および飽和脂肪族炭化水素を含むガス(流動化ガス)が供給ライン12からブロワー13を介して第1の流動層反応器11の底部から供給されるようになっている。この供給された流動化ガスは、第1の流動層反応器11の底部近傍に配設した多孔板などからなる分散板17を通って流動層18へ吹き込まれ、流動層反応器11の上部から排出されることにより流動層反応器11内を通過する。この流動層反応器11内を通過するガスのガス流によって固体粒子(固体触媒および生成ポリマー)は流動状態に保持され流動層18が形成される。
【0030】
そして、生成したポリマー粒子は、連続的または間欠的に抜き出され、固気分離容器31および32にて固気分離される。この際、弁33および34は、適宜開閉制御される。このようにして抜き出されたポリマー粒子は、弁35の作動によって、搬送ライン25に放出され、搬送ライン25を通って第2の流動層反応器21に送られるようになっている。
【0031】
また、流動層18を通過した未反応のガス状のオレフィン、飽和脂肪族炭化水素などは、第1の流動層反応器11の上方部分に設けられた減速領域19において、その流速が低減されて、第1の流動層反応器11の上部に設けられたガス出口を介して、第1の流動層反応器11の外部に排出されるようになっている。
この第1の流動層反応器11から排出された未反応のガス状のオレフィンおよび飽和脂肪族炭化水素などは、循環ライン16を通って熱交換器(冷却装置)14で冷却されて、供給ライン12と合流し、ブロワー13により再び第1の流動層反応器11内の流動層18内に連続的に供給されるようになっている。熱交換器14では、通常循環ガスが当該ガスの露点近傍の温度まで冷却される。露点は、液状凝縮物がガス中に生成しはじめる温度である。循環ガスを露点以下の温度に冷却し、流動層18内に供給すると、液状凝縮物の蒸発潜熱により反応熱を除去することができ、流動層18内の除熱効率を向上させることができる。なお循環ガスを第1の流動層反応器11に循環させる際には、循環ガスの一部を循環ライン16の任意の場所からからパージしてもよい。
【0032】
一方、第2の流動層反応器21には、第1の流動層反応器11より、抜き出しライン30から、固気分離容器31および32を介して抜き出されたポリマー粒子が、搬送ライン25を介して送られる。搬送ライン25は、供給ライン22から分岐しており、他端は第2の流動層反応器21の上方に接続されており、供給ライン22から送られるオレフィンおよび飽和脂肪族炭化水素を含むガスを、遠心式ブロワー41などの昇圧手段により昇圧するとともに、第1の流動層反応器11から抜き出されたポリマー粒子をこのガスに随伴させて搬送して、第2の流動層反応器21に導入するようになっている。また新たなガス状オレフィン(重合モノマー)および飽和脂肪族炭化水素が、供給ライン22からブロワー23を介して、搬送ライン25によって第2の流動層反応器21に供給されるとともに、流動化ガスとして第2の流動層反応器21の底部から供給されるようになっている。なお、第2の流動層反応器21には、通常新たな固体触媒は供給されないが、必要に応じて新たな固体触媒を流動層反応器の任意の場所、例えば搬送ライン25を介して供給してもよい。
【0033】
この第2の流動層反応器21の底部から供給された流動化ガスは、第2の流動層反応器21の底部近傍に配設した多孔板などからなる分散板27を通って流動層28へ吹き込まれ、流動層反応器21の上部から排出されることにより流動層反応器21内を通過する。この流動層反応器21内を通過するガスのガス流によって固体粒子(上記ポリマー粒子および生成ポリマー)は流動状態に保持され流動層28が形成される。このとき、流動層28内で共重合反応が行われる。
【0034】
そして、第2の流動層反応器21において得られたポリマー粒子は、抜出ライン40より連続的または断続的に抜き出され後述する配位子分解工程に供給される。
また、流動層28を通過した未反応のガス状のオレフィン、飽和脂肪族炭化水素などは、第2の流動層反応器21の上方部分に設けられた減速領域29において、その流速が低減されて、第2の流動層反応器21の上部に設けられたガス出口を介して、第2の流動層反応器21の外部に排出されるようになっている。
【0035】
この第2の流動層反応器21から排出された未反応のガスの状オレフィン、飽和脂肪族炭化水素などは、循環ライン26を通って熱交換器(冷却装置)24で冷却されて、供給ライン22と合流し、ブロワー23により再び第2の流動層反応器21内の流動層28内に連続的に供給されるようになっている。熱交換器24では、通常循環ガスが当該ガスの露点近傍の温度まで冷却される。循環ガスを露点以下の温度に冷却し、流動層28内に供給すると、液状凝縮物の蒸発潜熱により反応熱を除去することができ、流動層28内の除熱効率を向上させることができる。なお循環ガスを第2の流動層反応器21に循環させる際には、循環ガスの一部を循環ライン26の任意の場所からからパージしてもよい。
【0036】
上述したように第1の流動層反応器11では、流動化ガスは流動層18を流動状態に保持することができるような流量で流通されており、第2の流動層反応器21では、流動化ガスは流動層28を流動状態に保持することができるような流量で流通されている。
具体的には、供給ライン12および22から反応器底部より導入される流動化ガスのガス量は、流動層の最小流動化速度をUmfとするとき、約3Umf〜50Umf程度、好ましくは約5Umf〜30Umf程度の流量であることが望ましい。なお流動層を機械的に攪拌することもでき、例えばイカリ型攪拌機、スクリュウ型攪拌機、リボン型攪拌機など種々の型式の攪拌機を用いて攪拌することができる。
【0037】
以上2器の流動層反応器、すなわち第1の流動層反応器11と第2の流動層反応器21とを直列に連結した多段気相重合装置について説明したが、3器以上の流動層反応器を有する多段気相重合装置であっても同様に構成することができる。
本発明では、上記のように流動状態に保持された流動層において、反応器内に供給された重合モノマーすなわちエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させている。
【0038】
また本発明では、上記オレフィンとともに必要に応じてポリエン類などを共重合させてもよく、例えばブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン類を共重合させることができる。
重合工程において、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる2種以上のモノマーを共重合する場合の各モノマーの供給量は特に限定されないが、例えばエチレンと、炭素原子数2〜20のα−オレフィンとを共重合する場合は、通常エチレン1モルに対してα−オレフィン0.015〜0.15モル、好ましくは0.02〜0.08モルの量で供給される。
【0039】
本発明では、反応器底部から、重合モノマーとともに、気−液混合状態の飽和脂肪族炭化水素を導入して上記重合反応を行っている。このような飽和脂肪族炭化水素としては、具体的に例えばエタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2,2−ジメチルプロパン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2,2,3−トリメチルブタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、4−メチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタンなどの炭素原子数2〜10飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。これらのなかでも、炭素原子数3〜8のものが好ましい。
【0040】
本発明では、2種以上の飽和脂肪族炭化水素を使用し、少なくとも1種の飽和脂肪族炭化水素を気−液混合状態で重合器に導入し、他の飽和脂肪族炭化水素をガス状で重合器に導入してもよい。この場合、ガス状で反応器に導入される飽和脂肪族炭化水素としては、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、i−ペンタン、n−ペンタン、ヘキサン等が好ましく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0041】
ここでガス状の飽和脂肪族炭化水素とは、飽和脂肪族炭化水素が実質的に全てガス相として存在するものであり、具体的には全飽和脂肪族炭化水素100%中の99%以上がガス相として存在するものすなわちvapor fractionが0.99以上であるものをいう。このガス相の存在割合は、Chem.Eng.Sci.,27,1197(1972)に示されたSoave-Redlich-Kwong の方法による気液平衡定数Kiから求めることができる。
【0042】
また気−液混合状態で反応器に導入される飽和脂肪族炭化水素は、ガス状で反応器に導入される飽和脂肪族炭化水素よりも沸点が高く、熱交換器などで冷却されたときに凝縮しやすいものが選ばれる。飽和脂肪族炭化水素としては、例えばi−ペンタン、n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどが好ましく、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0043】
本発明では、気−液混合状態で導入される飽和脂肪族炭化水素と、ガス状で導入される飽和脂肪族炭化水素を併用する際に、特にエタンおよびi-ペンタンを組み合わせて、またはエタンおよびヘキサンを組み合わせて用いることが好ましい。
反応器から排出されるガスの組成(すなわち実質的に流動層反応系のガス組成)は、飽和脂肪族炭化水素の炭素原子数、重合温度、流動化ガスの流速などによっても異なるが、該ガス中の飽和脂肪族炭化水素の濃度が、通常2〜30モル%、好ましく5〜20モル%程度であることが望ましい。
【0044】
また気−液混合状態で導入される飽和脂肪族炭化水素と、ガス状で導入される飽和脂肪族炭化水素を併用する場合には、該排出ガス中の濃度(ガス状で導入される飽和脂肪族炭化水素)/(気−液混合状態で導入される飽和脂肪族炭化水素)が60〜100重量%であることが望ましい。
飽和脂肪族炭化水素は、上述したように通常重合モノマーとともに供給ラインから反応器底部の供給口を介して反応器に導入されるが、反応器の任意の同一場所からあるいはそれぞれ別々の場所から補給してもよい。
【0045】
流動層において、飽和脂肪族炭化水素の共存下に行われるエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンの重合は、重合されるオレフィンの種類および割合、飽和脂肪族炭化水素の割合、流動層の流動状態などによっても異なるが、通常重合圧力は0.1〜10MPa、好ましくは0.2〜4MPaの条件下、重合温度は通常20〜130℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは70〜110℃で行われることが望ましい。
【0046】
上記共重合は、必要に応じて水素などの分子量調節剤の存在下に行うこともでき、反応器の任意の場所から供給することができる。
上記のような飽和脂肪族炭化水素は非重合性の炭化水素であり、一旦反応器に供給されると重合により消費されることがなく、通常、排出ラインから未反応重合モノマーとともに抜き出され、流動化ガスとして反応器に循環される。
【0047】
具体的にこの排出ガスは飽和脂肪族炭化水素を合計で0.8〜80モル%の量で含有していてもよいが、飽和脂肪族炭化水素の炭素原子数によっても異なる。反応器から排出されたガスは、通常熱交換器に導かれて冷却され、重合熱が除去された後、循環ガスとして供給口から反応器に循環される。この際熱交換器で冷却された飽和脂肪族炭化水素は気−液混合状態で反応系に循環される。このように排出ガスを反応器に循環させる際には、排出ガスの一部をパージしてもよい。
【0048】
本発明では、得られるオレフィン系重合体の分子量は、重合温度などの重合条件を変更することにより調節することもできるし、水素(分子量調節剤)の使用量を制御することにより調節することもできる。
上記のようにガス状飽和脂肪族炭化水素と、気−液混合状態の飽和脂肪族炭化水素とを反応器に導入して、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させており、生成ポリマー中の低分子量成分が飽和脂肪族炭化水素により除去され、n−デカン可溶成分の極めて少ない重合体を得ることができる。また気−液混合状態で導入される飽和脂肪族炭化水素の蒸発潜熱によって流動層の重合熱を除熱することができる。
【0049】
本発明では、上記のような重合を、チーグラー型チタン触媒、フィリップ型酸化クロム触媒、メタロセン系触媒などのエチレン重合用触媒として公知の触媒を広く用いて行うことができるが、前記した性状を満たすオレフィン系重合体は、メタロセン系触媒を用いる場合において得られる。具体的に本発明において好ましく用いられるメタロセン系触媒は、例えば
(A)周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物、
および
(B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、
(B-2) 有機アルミニウム化合物、および
(B-3) メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでいる。
【0050】
((A)メタロセン化合物)
周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物(A)は、具体的に、次式(i)で示される。
MLx …(i)
(式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrから選ばれる遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基またはSO3R基(ここでRはハロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基)であり、xは遷移金属の原子価である。)
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0051】
これらの中では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ましい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子として、具体的にハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、炭素数1〜12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、SO3R基としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基などが挙げられる。
【0052】
上記一般式で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0053】
このようなシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記式(ii)で示される。
R2 kR3 lR4 mR5 nM …(ii)
(式中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4およびR5はシクロペンタジエニル骨格を有する基または上記したような他の基であり、kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。)
本発明ではこの式R2 kR3 lR4 mR5 nMにおいて、R2、R3、R4およびR5のうち少なくとも2個、例えばR2およびR3が、シクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。これらのシクロペンタジエニル骨格を有する基は、アルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0054】
上記のようなメタロセン化合物としては、具体的にMがジルコニウムであるとき、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナート)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナート)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナート)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0055】
なお上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-などの異性体を含む。
また上記のようなジルコニウムメタロセン化合物において、ジルコニウムを、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルまたはクロムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
【0056】
本発明では、メタロセン化合物(A)として、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコニウムメタロセン化合物が好ましく用いられる。
これらメタロセン化合物(A)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0057】
((B-1)有機アルミニウムオキシ化合物)
(B-1)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−276807号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0058】
なおこのアルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収されたアルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して用いてもよい。
アルミノキサンを製造する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、有機アルミニウム化合物(B-2)として後述するようなものが挙げられ、これらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0059】
これらのうち、トリアルキルアルミニウムおよびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性である。
【0060】
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行い、フィルター上に分離された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(xミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0061】
有機アルミニウムオキシ化合物(B-1)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
((B-2)有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウム化合物(B-2)は、例えば下記一般式(iii)で示される。
R1 nAlX3-n …(iii)
(式(iii)中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記一般式(iii)において、R1は炭素数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0062】
このような有機アルミニウム化合物(B-2)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどを挙げることができる。
【0063】
また有機アルミニウム化合物(B-2)として、下記一般式(iv)で示される化合物を用いることもできる。
R1 nAlY3-n …(iv)
(式(iv)中、R1は上記と同様であり、Yは−OR2基、−OSiR3 3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−SiR6 3基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル基、エチル基などである。)
【0064】
これらのうちでは、トリアルキルアルミニウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
有機アルミニウム化合物(B-2) は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
((B-3)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)
メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−547718号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げることができる。
【0065】
ルイス酸としては、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al2O3、SiO2-Al2O3 などが挙げられる。
イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0066】
カルボラン化合物としては、ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデカ)ボレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0067】
本発明では、共触媒成分(B)として、上記のような成分(B-1)、(B-2)および(B-3)から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられ、これらを適宜組み合わせて用いることもできる。これらのうちでも共触媒成分(B)として少なくとも(B-1)または(B-3)を用いることが望ましい。
本発明では、上記のようなメタロセン触媒成分および共触媒成分を含む触媒を用いることが好ましいが、通常これら触媒成分を粒子状担体化合物と接触させて、担体担持型触媒(固体触媒)として用いることが好ましい。
【0068】
担体化合物としては、粒径10〜300μm、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状固体が用いられる。この担体の比表面積は通常50〜1000m2/gであり、細孔容積は0.3〜2.5cm3/gであることが望ましい。
このような担体としては、多孔質無機酸化物が好ましく用いられ、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2などまたはこれらの混合物、例えばSiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgOなどが用いられる。これらの中では、SiO2および/またはAl2O3を主成分とするものが好ましい。
【0069】
上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分が含有されていてもよい。
また担体として有機化合物を用いることもでき、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数2〜14のオレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体を用いることができる。
【0070】
担体と上記各成分の接触は、通常−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃の温度で、1分〜50時間、好ましくは10分〜25時間行うことが望ましい。
上記のようにして調製される固体触媒は、担体1g当たり、メタロセン化合物(A)が遷移金属原子として5×10-6〜5×10-4グラム原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の量で、成分(B)は、担体1g当たりアルミニウム原子またはホウ素原子として10-3〜5×10-2グラム原子、好ましくは2×10-3〜2×10-2グラム原子の量で担持されていることが望ましい。
【0071】
さらに本発明では、上記のような固体触媒をそのままで重合に用いることができるが、この固体触媒にオレフィンを予備重合させて予備重合触媒を形成してから用いることもできる。
本発明では、固体触媒または予備重合触媒は、遷移金属/リットル(重合容積)で、通常10-8〜10-3グラム原子/リットルさらには10-7〜10-4グラム原子/リットルとなる量で用いられることが望ましい。
【0072】
また予備重合触媒を用いるときには成分(B)を用いても用いなくてもよいが、重合系中の遷移金属に対する成分(B)中のアルミニウムまたはホウ素の原子比(AlまたはB/遷移金属)で、5〜300、好ましくは10〜200、さらに好ましくは15〜150となる量で必要に応じて用いることができる。
上記のようにして得られるオレフィン系重合体の密度(ASTM D 150 E)は、好ましくは0.865〜0.930g/cm3、より好ましくは0.880〜0.930g/cm3である。
【0073】
オレフィン系重合体が、エチレン・α−オレフィン共重合体である場合には、エチレンから導かれる構成単位を87.0〜97.6モル%、好ましくは90.0〜96.8モル%の量で、炭素原子数3〜10のα−オレフィンから導かれる構成単位を13.0〜2.4モル%、好ましく10.0〜3.2モル%の量で含有していることが望ましい。
【0074】
なおオレフィン系重合体は、ポリエン類などから導かれる単位を10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下の量で含んでいてもよい。
(配位子除去工程)
上記のような重合工程において抜出ライン(10、40)から抜き出されたポリマー粒子((共)重合体)は、配位子除去工程に送られ、配位子除去工程においてポリマー粒子中の配位子が除去される。
【0075】
配位子除去工程は、▲1▼上記のような重合工程で得られた(共)重合体と、配位子分解剤とを接触させて(共)重合体中の配位子を分解する工程(配位子分解工程)と、▲2▼配位子分解剤と接触させた前記(共)重合体を加熱して、分解された配位子を(共)重合体から除去する工程(分解配位子除去工程)とを含んでいる。
【0076】
(配位子分解剤)
配位子分解工程で用いられる配位子分解剤としては、水、酸素、アルコール、アルキレンオキサイド、パーオキサイドなどが挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどのモノアルコール、エチレングリコールなどのジアルコールなどの炭素原子数10以下のアルコール;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのアルキレンオキサイド;プロピレンパーオキサイド、ブテンパーオキサイドなどのパーオキサイドなどが挙げられる。
【0077】
これらのなかでは、水または炭素原子数5以下のアルコールが好ましく、特に水が好ましい。
(共)重合体と配位子分解剤とを接触させる方法としては、例えば(共)重合体と配位子分解剤を含有する気体流とを接触させる方法がある。この場合、例えば容器内に配位子分解剤を含有する気体を導入しながら該容器内を(共)重合体のパウダーを通過させることが行われる。
【0078】
配位子分解剤と接触させる際の(共)重合体のパウダーの平均粒径は、通常50〜5,000μm、好ましくは80〜3,000μm、より好ましくは100〜2,000μmの範囲にある。
配位子分解剤を含有する気体としては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスが挙げられる。配位子分解剤含有気体中には、通常配位子分解剤の蒸気が含まれる。配位子分解剤含有気体における配位子分解剤の含有割合は、通常0.1重量%〜40重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、特に好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。
【0079】
配位子分解剤含有気体の空塔速度は、通常0.01〜20cm/秒、好ましくは0.1〜10cm/秒、特に好ましくは0.5〜5cm/秒の範囲である。なお、空塔速度は、(共)重合体と配位子分解剤とを接触させる際に用いられる装置における気体排出口での配位子分解剤含有気体の温度および圧力、ならびに該装置の断面積をもとに算出される。
【0080】
(共)重合体と配位子分解剤とを接触させる際の温度は、(共)重合体の結晶化度が40%以上である場合には、通常(共)重合体の結晶化温度以上、かつ(共)重合体の分解温度未満であり、具体的には100〜300℃、好ましくは100〜280℃の範囲である。(共)重合体の結晶化度が40%未満である場合には、(共)重合体の融点−15℃以上、かつ(共)重合体の分解温度未満であり、具体的には85〜300℃、好ましくは90〜280℃の範囲である。
【0081】
なお、(共)重合体の結晶化度(Xc )は、以下の方法により測定される。すなわち、(共)重合体を190℃で7分間予熱した後、9.8MPaで2分間加圧し、その後20℃、9.8MPaの条件で冷却して、5mm厚のプレスシートを作製する。前記プレスシートから切り出した約5mgの試験片(試料)をアルミパンに挿入する。パーキンエルマー社製DSC−IIを用いて、昇温速度10℃/分で室温から150℃まで測定を行い吸熱曲線を得る。別途、秤量したインジウムの吸熱曲線面積を用い、試料の吸熱曲線を溶融熱量に換算する。試料の吸熱曲線の35℃の点と、吸熱ピークが完全に出なくなった点を結びベースラインとする。100%のポリエチレン結晶の溶融熱量(260(J/g))で、測定により得られた溶融熱量(A(J/g))を割った値(Xc =A/260)を結晶化度とする。
【0082】
(共)重合体と配位子分解剤とを接触させる際の圧力は、通常0.0001〜0.6MPa、好ましくは0.001〜0.35MPa、特に好ましくは0.01〜0.25MPaの範囲である。接触時間(滞留時間)は、通常1分〜3時間、好ましくは2分〜2時間、特に好ましくは5分〜1時間である。
上記のように(共)重合体と配位子分解剤とを接触させることにより、配位子を分解することができ、高沸点であった配位子を低沸点の化合物とすることができる。また、配位子の種類によっては、分解することによって無臭化されることもある。
【0083】
次に、配位子分解剤と接触させた(共)重合体を加熱して、(共)重合体中の分解された配位子を除去する。配位子分解剤と接触させた(共)重合体を加熱して分解された配位子を除去する方法としては、例えば以下のような方法がある。
(1)ロータリードライヤー、ベルトドライヤー、フラッシュドライヤー、スプレードライヤー、パドルドライヤーなどの乾燥機を用い、不活性ガス流通下に(共)重合体を加熱する方法。
(2)一軸または二軸押出機を用い、(共)重合体を加熱・溶融する方法。
【0084】
(2)の方法を採用する場合には、加熱溶融した(共)重合体をペレット化し、さらに、下記(2-1)〜(2-3)のいずれかの工程を行ってもよい。
(2-1)前記ペレットを熱水と接触させる工程
(2-2)前記ペレットを水蒸気と接触させる工程
(2-3)前記ペレットを0.001〜0.098MPaの圧力下で加熱する工程
前記(1)の方法を実施するに際して、(共)重合体の加熱温度は、(共)重合体の結晶化度が40%以上である場合には、通常(共)重合体の結晶化温度以上、かつ(共)重合体の分解温度未満、または(共)重合体の結晶化温度以上、かつ(共)重合体の融点以下であり、具体的には100〜300℃、好ましくは100〜280℃の範囲である。
【0085】
(共)重合体の結晶化度が40%未満である場合には、(共)重合体の融点−15℃以上、かつ(共)重合体の分解温度未満、または(共)重合体の融点−15℃以上、かつ(共)重合体の融点以下であり、具体的には85〜300℃、好ましくは90〜280℃の範囲である。
圧力は、通常0.0001〜0.6MPa、好ましくは0.001〜0.35MPa、特に好ましくは0.01〜0.25MPaの範囲である。加熱時間(滞留時間)は、通常1分〜3時間、好ましくは2分〜2時間、特に好ましくは5分〜1時間である。
【0086】
不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどが挙げられる。乾燥機中の気体流速は、通常0.01〜20cm/秒、好ましくは0.1〜10cm/秒、特に好ましくは0.5〜5cm/秒の範囲である。
前記(2)の方法を実施するに際して、(共)重合体の加熱温度は、前記(1)の方法と同様である。本発明では、分解配位子除去工程において(共)重合体の融点以上、かつ分解温度未満の温度で加熱する場合には、(共)重合体に剪断力を加えながら加熱することが好ましく、(共)重合体に剪断力を加える方法としては、パドルドライヤー、一軸または二軸押出機などを用いる方法がある。
【0087】
本発明では、前記(2)の方法を採用する場合には、加熱溶融した(共)重合体をペレット化し、さらに、下記(2-1)〜(2-3)のいずれかの工程を行ってもよい。
(2-1)の工程を行うに際して用いることのできる装置としては、向流抽出塔、攪拌装置を有する貯槽、多段横型抽出槽などがあり、(2-2)および(2-3)の工程を行うに際して用いることのできる装置としては、サイロ、ホッパーなどがある。
【0088】
前記(2-1)の工程を行うに際して、熱水の温度は35〜200℃、好ましくは40〜180℃、特に好ましくは45〜150℃の範囲であり、接触時間は1〜900分、好ましくは5〜600分、特に好ましくは10〜360分の範囲である。
(2-2)の工程は、前記配位子分解工程と同様にして水蒸気含有気体と(共)重合体とを接触させる。水蒸気を含有する気体としては、前記と同様の不活性ガス、空気などが挙げられる。
【0089】
(共)重合体と水蒸気含有気体とを接触させる際の温度は、(共)重合体の結晶化度が40%以上である場合には、通常(共)重合体の結晶化温度以上、かつ(共)重合体の分解温度未満、または(共)重合体の結晶化温度以上、かつ前記(共)重合体の融点以下であり、具体的には100〜300℃、好ましくは100〜280℃の範囲である。
【0090】
(共)重合体の結晶化度が40%未満である場合には、(共)重合体の融点−15℃以上、かつ(共)重合体の分解温度未満、または(共)重合体の融点−15℃以上、かつ(共)重合体の融点以下であり、具体的には85〜300℃、好ましくは90〜280℃の範囲である。
圧力は、通常0.0001〜0.6MPa、好ましくは0.001〜0.35MPa、特に好ましくは0.01〜0.25MPaの範囲である。水蒸気含有気体における水蒸気の含有割合は、通常0.1重量%〜40重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、特に好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。
【0091】
水蒸気含有気体の空塔速度は、通常0.01〜20cm/秒、好ましくは0.1〜10cm/秒、特に好ましくは0.5〜5cm/秒の範囲である。接触時間(滞留時間)は、通常0.5〜30時間、好ましくは1〜24時間、特に好ましくは2〜20時間である。
前記(2-3)の工程を行うに際して、圧力は0.001〜0.100MPa、好ましくは0.007〜0.098MPa、特に好ましくは0.01〜0.07MPaの範囲であり、温度は35〜200℃、好ましくは40〜180℃、特に好ましくは45〜150℃である。また、加熱時間は、0.5〜30時間、好ましくは1〜24時間、特に好ましくは2〜20時間である。
【0092】
前記(2-1)〜(2-3)の工程を行う場合の(共)重合体ペレットの平均粒径は、通常1〜30mm、好ましくは3〜20mm、より好ましくは5〜15mmの範囲にあることが望ましい。
(共)重合体の配位子除去工程は、より具体的には、例えば図3または図4に示すような工程により行うことができる。図3に、配位子除去工程の一例を表す説明図を示し、図4に、配位子除去工程の他の例を表す説明図を示す。なお図中51で示されるサイロにおいて配位子分解工程が行われ、図中52で示される押出機、54で示されるサイロ、57で示される乾燥機において分解配位子除去工程が行われる。
【0093】
以下、配位分解剤として水(水蒸気)を用いた例について説明する。図3に示す工程では、(共)重合体のパウダーは、パウダー供給管61からサイロ51に連続的に供給される。サイロ51では、下部に配設されたガス供給管62から水蒸気を含む不活性ガスがサイロ51に供給される。これにより(共)重合体のパウダーと水蒸気とが接触し、(共)重合体に含まれる配位子が分解される。サイロ51に供給された水蒸気を含む不活性ガスは、ガス排出管64からサイロ51外へ排出される。
【0094】
水蒸気と接触した(共)重合体のパウダーは、パウダー排出管63からサイロ51外へ排出され、次に押出機52へ供給される。押出機52で加熱溶融された(共)重合体は水で冷却され、ペレット化される。これにより(共)重合体に含まれる分解された配位子の一部が除去される。得られた(共)重合体のペレットは水とともにライン65を通り脱水機53に供給され、脱水された(共)重合体のペレットは、ペレット供給管67を通りサイロ54に供給される。脱水機53で分離された水は循環ライン66を通り冷却水として再利用される。なお、図中55は貯水タンク、56はポンプである。
【0095】
サイロ54では、下部に配設されたガス供給管68から水蒸気を含む不活性ガスがサイロ54に供給される。これにより(共)重合体のペレットと水蒸気とが接触し、(共)重合体に含まれる分解された配位子がさらに除去される。サイロ54に供給された水蒸気を含む不活性ガスは、ガス排出管70からサイロ54外へ排出される。分解された配位子が除去された(共)重合体のペレットは、ペレット排出管69から排出される。
【0096】
図4に示す工程では、図3に示す工程と同様に、(共)重合体のパウダーと、水蒸気を含む不活性ガスとがサイロ51内において接触し、(共)重合体に含まれる配位子が分解される。水蒸気と接触した(共)重合体のパウダーは、パウダー排出管63からサイロ51外へ排出され、次に乾燥機57へ供給される。なお、図4では乾燥機57はベルトドライヤーであるがこれに限定されない。
【0097】
乾燥機57では、ガス供給管71から加熱された不活性ガスが供給され、(共)重合体のパウダーは、加熱されるとともに不活性ガスと接触する。これにより(共)重合体に含まれる分解された配位子が除去される。乾燥機57に供給された不活性ガスは、ガス排出管72から排出される。
分解された配位子が除去された(共)重合体のパウダーは、ライン73を通り解砕機58に供給され、解砕された後排出管74から排出される。
【0098】
配位子除去工程では、重合工程で得られた(共)重合体から、(共)重合体中に残留するシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を分解し、除去しているので、成形時に臭気の発生が少ないポリオレフィンを得ることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明のオレフィン系重合体は、臭気を発生するような成分、味を変化させるような成分である、オリゴマー等の低分子量成分およびシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が少ないため、食品用途に使用したときに、臭気を発生するような成分、味を変化させるような成分の含有量が少ないため、食品の風味を損なうことが少ない。
【0100】
本発明のオレフィン系重合体の製造方法は、臭気を発生するような成分、味を変化させるような成分である、オリゴマー等の低分子量成分およびシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の含有量が少ないオレフィン系重合体を、低コストかつ生産性よく製造することができる。
【0101】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0102】
〔実施例1〕
(固体触媒成分の調製)
250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2)10kgを、154リットルのトルエンに懸濁した後、0℃まで冷却した。この懸濁液に、メチルアルミノオキサンのトルエン溶液(Al=1.52モル/リットル)50.5リットルを1時間かけて懸濁液の温度を0〜5℃に保持しながら滴下し、引続き0℃で30分間保持した後、1.5時間かけて95℃まで昇温して95℃で4時間保持した。
【0103】
その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体触媒成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン100リットルで再懸濁して全量160リットルとした。
得られた懸濁液に、ビス(1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=25.7ミリモル/リットル)22.0リットルを80℃で30分かけて滴下し、さらに80℃に2時間保持した。その後上澄み液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、シリカ1g当たり、3.2mgのジルコニウムを含有する固体触媒成分を得た。
【0104】
(固体触媒成分の予備重合)
充分に窒素置換した350リットルの反応器に、上記固体触媒成分7.0kgを装入し、ヘキサンを装入して全容積285リットルのヘキサン懸濁液とした。系内を10℃まで冷却した後、エチレンを流量8Nm3/hrで5分間、固体触媒成分のヘキサン懸濁液中に吹き込んだ。この間、系内の温度は10〜15℃に保持した。
【0105】
エチレンの供給を一旦停止した後、トリイソブチルアルミニウムを2.4モルおよび1−ヘキセン1.2kgを供給し、系内を密封系にした後、エチレンの供給を再開し、流量8Nm3/hrで15分間供給した後、流量を2Nm3/hrに下げて、系内の圧力を0.8kg/cm2-Gにした。この間に系内温度は35℃まで上昇した。
【0106】
その後、系内の温度を32〜35℃にコントロールしながら、エチレンを4Nm3/hrの流量で3.5時間供給した。この間、系内の圧力は0.7〜0.8kg/cm2-Gに保持した。次いで、系内を窒素置換し、上澄み液を除去した後、ヘキサンで2回洗浄した。予備重合後の上澄み液は無色透明であった。
上記のようにして固体触媒成分1g当たり3gの予備重合体を含む予備重合触媒を得た。この予備重合触媒(予備重合体)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.1dl/gであり、1−ヘキセン単位含量は4.8重量%であった。予備重合触媒の形状は良好であり、嵩密度は0.4g/cm3であった。
【0107】
(気相重合)
図1に示すような連続式流動床反応器を用いて気相重合を行った。
すなわち、上記のようにして得られた予備重合触媒を54g/hrの量で連続的に供給して、イソペンタンの存在下にエチレンと1−ヘキセンを連続的に重合させ、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を得た。
【0108】
重合条件は、重合温度70℃、重合圧力1.7MPa−G(ゲージ圧)、エチレン分圧1.1MPa、空塔速度0.80m/s、反応器の減速領域におけるガス(TOPガス)中のイソペンタン濃度5モル%の条件で行った。この重合が行われている間、該TOPガスの平均分子量は31.4g/モルであり、密度が20.7kg/m3であった。また、該TOPガスの露点は40.1℃であり、熱交換器の循環ガス出口側の温度が62.3℃であり、該循環ガス出口側の凝縮液比率が0重量%であった。
【0109】
なお、上記TOPガスは、エチレン、窒素、水素、1−ヘキセン、イソペンタンの混合物である。
上記のようにして得られたLLDPEは、密度(ASTM D1505)が903kg/m3であり、MFR(ASTM D1238)が3.8g/10分であった。
【0110】
(配位子分解工程)
水蒸気含有窒素ガスを導入し、圧力を0.5kPa−G、温度を80℃としたサイロに前記LLDPEのパウダーを滞留時間5分で通過させた。
このときの水とポリエチレンパウダー(PE)との重量比(水/PE)は、0.001であり、窒素ガス(N2)とポリエチレンパウダー(PE)との比(N2(N-m3)/PE(kg))は、0.004であった。
【0111】
(分解配位子除去工程)
前記配位子分解工程を経たLLDPEパウダーを、2軸押出機を用いて出口温度205℃でペレット化した。その後、水蒸気含有空気を導入し、圧力0.5kPa−G、温度80℃にしたサイロに、前記配位子分解工程を経たLLDPEパウダーを、滞留時間6時間で通過させた。
【0112】
このとき水蒸気(水)とポリエチレンペレット(PE)との重量比(水/PE)は、0.09であり、空気(Air)とポリエチレンペレット(PE)との比(Air(N-m3)/PE(kg))は、0.14であった。
(評価)
上記のように処理した後のLLDPEについて、配位子残留量、n−デカン可溶分量および臭いを評価した。結果を表1に示す。
【0113】
なお、上記処理した後のLLDPEの臭いの評価は以下のように行った。
◎:評価者3名のいずれも臭いを感じなかった。
○:評価者3名中に臭いを感じる者が1名いた。但し、強い臭いは感じなかった。
△:評価者3名中に臭いを感じる者が2、3名いた。但し、強い臭いは感じなかった。
【0114】
×:評価者3名全員が強い臭いを感じた。
【0115】
〔実施例2〜4および比較例1〜6〕
実施例1において、重合器TOPガス中のイソペンタン濃度、重合器TOPガス中の平均分子量、重合器ガスの密度、熱交換器循環ガス出側でのガス温度等を、表1に示す条件に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてLLDPEを得た。
【0116】
得られたLLDPEの配位子残留量、n−デカン可溶分量および臭いを実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】重合工程を単段で行う場合を示す説明図である。
【図2】重合工程を2段で行う場合を示す説明図である。
【図3】配位子除去工程の一例を表す説明図である。
【図4】配位子除去工程の他の例を表す説明図である。
【符号の説明】
10、40 … 抜出ライン
11、21 … 流動層反応器
12、22 … 供給ライン
18、28 … 流動層
51、54 … サイロ
52 … 押出機
57 … 乾燥器[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an olefin polymer and a method for producing the same, and more specifically, an olefin polymer having a low content of components that generate odor and components that change taste, and such olefin polymers. The present invention relates to a method for producing an olefin polymer that can be produced efficiently.
[0002]
[Prior art]
Olefin polymers such as polyethylene, polypropylene, ethylene / α-olefin copolymers, and propylene / α-olefin copolymers are widely used as various molding materials. The required properties of olefin polymers differ depending on the application. For example, in food applications, subtle smells and tastes are important, and it is required not to impair the flavor of food.
[0003]
By the way, when the olefin polymer is produced by vapor phase polymerization in the presence of a solid catalyst, the polymer can be obtained in the form of particles, and after the polymerization, a polymer precipitation step or a solvent separation step, etc. Is no longer necessary. Therefore, it is known that the manufacturing process can be simplified and the manufacturing cost can be reduced. However, an olefin polymer produced by a gas phase polymerization method may generate an odor during heat processing, and may affect the flavor and the like particularly in food applications that place an emphasis on subtle odor or taste. In such applications, use has been limited.
[0004]
As a method of reducing the odor of the olefin polymer obtained by the gas phase polymerization method and the influence on the taste when used in food applications, for example, in Japanese Patent Laid-Open No. 10-45824, a metallocene catalyst is used. A method is described in which the olefin polymer obtained is brought into contact with water vapor or the like to decompose the cyclopentadienyl ligand in the polymer, thereby reducing the odor generated from the olefin polymer during molding. Yes.
[0005]
By such a method, the odor of the olefin polymer can be considerably reduced, but in recent years, further odor reduction has been desired for food applications and the like.
Under such circumstances, as a result of the study by the present inventors, when producing an olefin polymer by a gas phase polymerization method, a polymerization reaction is performed in the presence of a saturated aliphatic hydrocarbon in a fluidized bed reactor, And it came to complete this invention, discovering that an odor was reduced greatly by contacting the obtained polymer with water vapor | steam etc. FIG.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
That is, an object of the present invention is to provide an olefin polymer having a low content of a component that generates odor and a component that changes taste, and a method for producing the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The olefin polymer according to the present invention is an olefinic (co) polymer obtained by polymerizing at least one olefin selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of a metallocene catalyst. The polymer is characterized in that the n-decane soluble content is 10 wt% or less, and the content of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is 5 wt ppb or less.
[0008]
The olefin polymer is preferably a copolymer of ethylene and at least one α-olefin selected from α-olefins having 3 to 20 carbon atoms.
The olefin polymer has a density of 0.930 g / cm.ThreeThe following is preferable.
[0009]
Furthermore, the said olefin polymer polymerizes (co) polymerizes the 1 type (s) or 2 or more types of olefin chosen from ethylene and a C3-C20 alpha olefin using a fluidized bed reactor. It is preferable that it is obtained by this.
Furthermore, the olefin polymer has ethylene and carbon atoms of 3 to 20 while a saturated aliphatic hydrocarbon having 2 to 10 carbon atoms is present in the fluidized bed reactor at a concentration of 2 to 30 mol%. One or more olefins selected from α-olefins are (co) polymerized, and then the obtained (co) polymer is contacted with a ligand decomposing agent, and then contacted with a ligand decomposing agent. In addition, it is preferable to be obtained by heating the (co) polymer.
[0010]
The method for producing an olefin polymer according to the present invention uses a fluidized bed reactor to convert one or more olefins selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms into a metallocene catalyst. A method for producing an olefin polymer by (co) polymerization in the gas phase in the presence of
A polymerization step of (co) polymerizing the olefin while allowing the saturated aliphatic hydrocarbon to be present in the fluidized bed reactor at a concentration of 2 to 30 mol%;
A step of bringing the obtained (co) polymer into contact with a ligand decomposing agent, and a ligand removing step comprising a step of heating the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent.
It is characterized by having.
[0011]
In the present invention, the saturated aliphatic hydrocarbon is preferably supplied into the fluidized bed reactor in a gas-liquid two-phase coexistence state.
By the method for producing an olefin polymer, an olefin polymer having an n-decane soluble content of 10 wt% or less and a content of a ligand having a cyclopentadienyl skeleton of 5 wt ppb or less is produced. can do.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the olefin polymer and the production method thereof according to the present invention will be specifically described.
In the present invention, the term “polymerization” may be used to mean not only homopolymerization but also copolymerization, and the term “polymer” includes not only homopolymers but also copolymers. Sometimes used in meaning.
[0013]
[Olefin polymer]
The olefin polymer according to the present invention is a (co) polymer of at least one or two or more olefins selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms.
Specific examples of the α-olefin having 3 to 20 carbon atoms include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1-octene, 1-decene, 1 -Dodecene, 1-tetradecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 1-eicocene and the like. Among these, α-olefins having 3 to 10 carbon atoms, particularly 5 to 8 carbon atoms are preferably used.
[0014]
These olefins selected from ethylene and α-olefins having 3 to 20 carbon atoms can be used singly or in combination of two or more.
In the present invention, the olefin polymer is preferably a copolymer of ethylene and at least one α-olefin selected from α-olefins having 3 to 20 carbon atoms, more preferably ethylene and the number of carbon atoms. It is a copolymer with at least one α-olefin selected from 3 to 10 α-olefins.
[0015]
When the olefin polymer according to the present invention is a copolymer of at least two monomers selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms, the content of each constituent unit is not particularly limited. For example, when the copolymer is a copolymer of ethylene and an α-olefin, the structural unit derived from ethylene is 80 to 99.6 mol%, preferably 93.8 to 98 mol%, α -It is desirable to contain the structural unit derived from an olefin in the ratio of 0.4-20 mol%, preferably 2-6.2 mol%.
[0016]
Further, in the present invention, a structural unit derived from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms and a structural unit derived from polyenes as necessary may be contained, for example, a conjugate such as butadiene or isoprene. It may contain structural units derived from non-conjugated dienes such as dienes, 1,4-hexadiene, dicyclopentadiene, and 5-vinyl-2-norbornene.
[0017]
The olefin polymer according to the present invention has an n-decane soluble content of 10% by weight or less, preferably 5% by weight or less, more preferably 3% by weight or less. The lower limit of the n-decane soluble content is preferably 0% by weight, but is practically 0.1% by weight of the measurement limit.
An olefin polymer having an n-decane soluble content in the above range has a low content of low molecular weight components such as oligomers, so that odor is less likely to occur during molding, and the olefin polymer is used for food applications. When used, there is little loss of subtle smell or taste.
[0018]
The amount of n-decane soluble component is measured as follows. That is, 3 g of a polymer sample, 20 mg of 2,6-di-tert-butyl-4-methylphenol, and 500 ml of n-decane are placed in a 1 liter flask equipped with a stirrer, and dissolved by heating in an oil bath at 145 ° C. After the polymer sample has dissolved, it is cooled to room temperature over about 8 hours and then held on a 23 ° C. water bath for 8 hours. The precipitated polymer (n-decane insoluble part) and the n-decane solution containing the dissolved polymer are separated by filtration with a G-4 (or G-2) glass filter. The solution thus obtained is heated under the conditions of 10 mmHg and 150 ° C., and the polymer dissolved in the n-decane solution is dried until it becomes quantitative, and its weight is defined as the amount of n-decane soluble component.
[0019]
In the olefin polymer according to the present invention, the content of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is 5 wt ppb or less, preferably 2 wt ppb or less, more preferably 1 wt ppb or less. The lower limit of the content of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is preferably 0 weight ppb, but is substantially 1 weight ppb at the measurement limit.
[0020]
When the content of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is within the above range, odor is hardly generated at the time of molding, and when the olefin polymer is used for food, a subtle odor or taste is generated. There is little damage.
The content of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is measured as follows. That is, a ligand having a cyclopentadienyl skeleton is extracted using toluene, and identification and quantification are performed by gas mass using a calibration curve method.
[0021]
The olefin polymer according to the present invention has a number average molecular weight measured by gel permeation chromatography (GPC) usually in the range of 1,250 to 8,500, and Mw / Mn is usually 1.8 to 3.5. The density measured by the density gradient tube method is usually 0.930 g / cm.ThreeOr less, preferably 0.880 to 0.930 g / cmThreeIt is in the range.
[0022]
As described above, the olefin polymer according to the present invention uses, for example, a fluidized bed reactor to gasify one or two or more olefins selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. It can be obtained by (co) polymerization.
More specifically, as will be described later, one or more olefins selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms in the presence of a saturated aliphatic hydrocarbon in the fluidized bed reactor. Obtained by (co) polymerizing, then contacting the resulting (co) polymer with a ligand decomposing agent and then heating the (co) polymer contacted with the ligand decomposing agent. .
[0023]
[Method for producing olefin polymer]
The method for producing an olefin polymer according to the present invention includes a polymerization step of (co) polymerizing an olefin while a saturated aliphatic hydrocarbon is present in a fluidized bed reactor,
The obtained (co) polymer is brought into contact with a ligand decomposing agent, and then the ligand removing step of heating the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent is included.
[0024]
(Polymerization process)
In the polymerization step, in a fluidized bed in which solid particles containing a catalyst are maintained in a fluidized state by a gas stream containing a polymerized monomer flowing through the fluidized bed reactor, ethylene and carbon atoms of 3 as a polymerization monomer are present in the presence of the catalyst. When producing an olefin polymer by polymerizing in the gas phase with at least one olefin (polymerization monomer) selected from -20 α-olefins, a saturated aliphatic hydrocarbon in a gas-liquid mixed state together with the polymerization monomer Are introduced from the bottom of the fluidized bed reactor to carry out the polymerization reaction.
[0025]
Here, the polymerization process will be described in detail with reference to FIG. FIG. 1 shows the polymerization step, and the ligand decomposition step is omitted.
In the polymerization step, the catalyst is supplied from the
[0026]
In such a
On the other hand, the gas discharged from the
[0027]
As described above, the fluidizing gas composed of the polymerization monomer and the circulating gas is introduced into the
[0028]
In the polymerization step, the polymerization can be performed in two or more stages by changing reaction conditions. Next, the polymerization process in the case where the polymerization is performed in two or more stages will be specifically described with reference to FIG. FIG. 2 shows only the polymerization step, and the ligand decomposition step is omitted.
When the polymerization is performed in two or more stages, for example, when the polymerization is performed in a multistage gas phase polymerization apparatus having two gas phase fluidized bed reactors connected in series, the polymerization is performed as follows.
[0029]
In the multistage gas phase polymerization apparatus, for example, as shown in FIG. 2, a first
That is, the catalyst is supplied from the
[0030]
The produced polymer particles are extracted continuously or intermittently, and are solid-gas separated in the solid-
[0031]
In addition, the unreacted gaseous olefin, saturated aliphatic hydrocarbon, and the like that have passed through the
Unreacted gaseous olefin, saturated aliphatic hydrocarbon, and the like discharged from the first
[0032]
On the other hand, in the second
[0033]
The fluidized gas supplied from the bottom of the second
[0034]
And the polymer particle obtained in the 2nd
Further, the unreacted gaseous olefin, saturated aliphatic hydrocarbon, and the like that have passed through the
[0035]
Unreacted gaseous olefin, saturated aliphatic hydrocarbon, etc. discharged from the second
[0036]
As described above, in the first
Specifically, the amount of fluidized gas introduced from the bottom of the reactor from the
[0037]
The multi-stage gas phase polymerization apparatus in which two fluidized bed reactors, that is, the first
In the present invention, in the fluidized bed maintained in a fluidized state as described above, the polymerization monomer supplied into the reactor, that is, at least one olefin selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms is polymerized. I am letting.
[0038]
In the present invention, polyenes and the like may be copolymerized with the olefin as necessary, for example, conjugated dienes such as butadiene and isoprene, 1,4-hexadiene, dicyclopentadiene, 5-vinyl-2-norbornene. Non-conjugated dienes such as can be copolymerized.
In the polymerization step, the supply amount of each monomer when copolymerizing two or more monomers selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms is not particularly limited, but for example, ethylene and 2 to 2 carbon atoms. When 20 α-olefins are copolymerized, they are usually supplied in an amount of 0.015 to 0.15 mol, preferably 0.02 to 0.08 mol, per mol of ethylene.
[0039]
In the present invention, the polymerization reaction is carried out by introducing a saturated aliphatic hydrocarbon in a gas-liquid mixed state together with the polymerization monomer from the bottom of the reactor. Specific examples of such saturated aliphatic hydrocarbons include ethane, propane, n-butane, i-butane, n-pentane, i-pentane, hexane, heptane, octane, nonane, decane and 2,2-dimethyl. Propane, 2,2-dimethylbutane, 2,3-dimethylbutane, 2,2,3-trimethylbutane, 2-methylpentane, 3-methylpentane, 2,2-dimethylpentane, 3,3-dimethylpentane, 2 , 3-dimethylpentane, 2,4-dimethylpentane, 2-methylhexane, 3-methylhexane, 4-methylhexane, 2,3-dimethylhexane, cyclopentane, cyclohexane, methylcyclopentane, dimethylcyclopentane, etc. A C2-C10 saturated aliphatic hydrocarbon is mentioned. Among these, those having 3 to 8 carbon atoms are preferable.
[0040]
In the present invention, two or more kinds of saturated aliphatic hydrocarbons are used, at least one kind of saturated aliphatic hydrocarbon is introduced into the polymerizer in a gas-liquid mixed state, and the other saturated aliphatic hydrocarbons are gaseous. It may be introduced into the polymerization vessel. In this case, ethane, propane, n-butane, i-butane, i-pentane, n-pentane, hexane and the like are preferable as the saturated aliphatic hydrocarbon introduced into the reactor in a gaseous state, and these are used in combination. May be.
[0041]
Here, the gaseous saturated aliphatic hydrocarbon is a substance in which substantially all of the saturated aliphatic hydrocarbon is present as a gas phase. Specifically, 99% or more of 100% of all saturated aliphatic hydrocarbons are present. What exists as a gas phase, that is, a vapor fraction of 0.99 or more. This gas phase is present in the vapor-liquid equilibrium constant K according to the Soave-Redlich-Kwong method shown in Chem. Eng. Sci., 27, 1197 (1972).iCan be obtained from
[0042]
Further, the saturated aliphatic hydrocarbon introduced into the reactor in a gas-liquid mixed state has a boiling point higher than that of the saturated aliphatic hydrocarbon introduced into the reactor in a gaseous state, and is cooled by a heat exchanger or the like. One that is easy to condense is selected. As the saturated aliphatic hydrocarbon, for example, i-pentane, n-pentane, hexane, heptane and the like are preferable, and these may be used in combination.
[0043]
In the present invention, when a saturated aliphatic hydrocarbon introduced in a gas-liquid mixed state and a saturated aliphatic hydrocarbon introduced in a gaseous state are used in combination, ethane and i-pentane are combined, or ethane and It is preferable to use hexane in combination.
The composition of the gas discharged from the reactor (that is, the gas composition of the fluidized bed reaction system) varies depending on the number of carbon atoms of the saturated aliphatic hydrocarbon, the polymerization temperature, the flow rate of the fluidizing gas, etc. It is desirable that the concentration of the saturated aliphatic hydrocarbon is usually 2 to 30 mol%, preferably about 5 to 20 mol%.
[0044]
When a saturated aliphatic hydrocarbon introduced in a gas-liquid mixed state and a saturated aliphatic hydrocarbon introduced in a gaseous state are used in combination, the concentration in the exhaust gas (saturated fat introduced in a gaseous state) Group hydrocarbon) / (saturated aliphatic hydrocarbon introduced in a gas-liquid mixed state) is preferably 60 to 100% by weight.
Saturated aliphatic hydrocarbons are usually introduced into the reactor from the feed line through the feed port at the bottom of the reactor together with the polymerization monomer as described above, but are replenished from any one place in the reactor or from different places. May be.
[0045]
In the fluidized bed, the polymerization of at least one olefin selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms performed in the presence of a saturated aliphatic hydrocarbon is carried out by the type and ratio of the olefin to be polymerized, saturated fat The polymerization pressure is usually 0.1 to 10 MPa, preferably 0.2 to 4 MPa, and the polymerization temperature is usually 20 to 130 ° C., preferably 50 It is desirable that the reaction be performed at ˜120 ° C., more preferably at 70 to 110 ° C.
[0046]
The copolymerization can be carried out in the presence of a molecular weight regulator such as hydrogen, if necessary, and can be supplied from any place in the reactor.
The saturated aliphatic hydrocarbon as described above is a non-polymerizable hydrocarbon, and is not consumed by polymerization once supplied to the reactor, and is usually extracted from the discharge line together with unreacted polymerization monomers, It is circulated to the reactor as a fluidizing gas.
[0047]
Specifically, this exhaust gas may contain a saturated aliphatic hydrocarbon in a total amount of 0.8 to 80 mol%, but it varies depending on the number of carbon atoms of the saturated aliphatic hydrocarbon. The gas discharged from the reactor is usually led to a heat exchanger and cooled, and after the heat of polymerization is removed, it is circulated from the supply port to the reactor as a circulating gas. At this time, the saturated aliphatic hydrocarbon cooled in the heat exchanger is circulated to the reaction system in a gas-liquid mixed state. When the exhaust gas is circulated through the reactor in this way, a part of the exhaust gas may be purged.
[0048]
In the present invention, the molecular weight of the resulting olefin polymer can be adjusted by changing the polymerization conditions such as the polymerization temperature, or can be adjusted by controlling the amount of hydrogen (molecular weight regulator) used. it can.
At least one selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms by introducing a gaseous saturated aliphatic hydrocarbon and a saturated aliphatic hydrocarbon in a gas-liquid mixed state into the reactor as described above. A kind of olefin is polymerized, and a low molecular weight component in the produced polymer is removed by a saturated aliphatic hydrocarbon, so that a polymer having very few n-decane soluble components can be obtained. Further, the polymerization heat of the fluidized bed can be removed by the latent heat of evaporation of the saturated aliphatic hydrocarbon introduced in the gas-liquid mixed state.
[0049]
In the present invention, the polymerization as described above can be carried out using a wide variety of known catalysts for ethylene polymerization such as Ziegler type titanium catalyst, Philip type chromium oxide catalyst, metallocene catalyst, etc. The olefin polymer is obtained when a metallocene catalyst is used. Specifically, the metallocene catalyst preferably used in the present invention is, for example,
(A) a metallocene compound of a transition metal selected from Group IVB of the periodic table,
and
(B) (B-1) Organoaluminum oxy compound,
(B-2) an organoaluminum compound, and
(B-3) Is it a compound that reacts with the metallocene compound (A) to form an ion pair?
At least one compound selected from the group consisting of:
[0050]
((A) metallocene compound)
The metallocene compound (A) of a transition metal selected from Group IVB of the periodic table is specifically represented by the following formula (i).
MLx ... (i)
Wherein M is a transition metal selected from Zr, Ti, Hf, V, Nb, Ta and Cr, L is a ligand coordinated to the transition metal, and at least one L is cyclopentadi L is a ligand having an enyl skeleton, and L other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton is a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, an alkoxy group, an aryloxy group, a trialkylsilyl group Group or SOThreeR is a R group (where R is a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms which may have a substituent such as halogen), and x is a valence of the transition metal. )
Examples of the ligand having a cyclopentadienyl skeleton include cyclopentadienyl group, methylcyclopentadienyl group, dimethylcyclopentadienyl group, trimethylcyclopentadienyl group, tetramethylcyclopentadienyl group, penta Methylcyclopentadienyl group, ethylcyclopentadienyl group, methylethylcyclopentadienyl group, propylcyclopentadienyl group, methylpropylcyclopentadienyl group, butylcyclopentadienyl group, methylbutylcyclopentadienyl And an alkyl-substituted cyclopentadienyl group such as hexylcyclopentadienyl group or indenyl group, 4,5,6,7-tetrahydroindenyl group, fluorenyl group and the like. These groups may be substituted with a halogen atom, a trialkylsilyl group or the like.
[0051]
Of these, an alkyl-substituted cyclopentadienyl group is particularly preferable.
Specific examples of the ligand other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton include halogen, fluorine, chlorine, bromine, iodine and the like, and the hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms is a methyl group. Alkyl groups such as ethyl group, propyl group, isopropyl group and butyl group, cycloalkyl groups such as cyclopentyl group and cyclohexyl group, aryl groups such as phenyl group and tolyl group, aralkyl groups such as benzyl group and neophyll group, etc. Examples of the alkoxy group include a methoxy group, an ethoxy group, and a butoxy group. Examples of the aryloxy group include a phenoxy group.ThreeExamples of the R group include a p-toluenesulfonate group, a methanesulfonate group, and a trifluoromethanesulfonate group.
[0052]
When the compound represented by the above general formula contains two or more groups having a cyclopentadienyl skeleton, the two groups having a cyclopentadienyl skeleton are alkylene groups such as ethylene and propylene, isopropyl It may be bonded via a substituted alkylene group such as lidene or diphenylmethylene, a silylene group or a dimethylsilylene group, a substituted silylene group such as a diphenylsilylene group or a methylphenylsilylene group.
[0053]
The metallocene compound containing a ligand having such a cyclopentadienyl skeleton is more specifically represented by the following formula (ii) when the valence of the transition metal is 4, for example.
R2 kRThree lRFour mRFive nM (ii)
Wherein M is the transition metal and R2Is a group (ligand) having a cyclopentadienyl skeleton, and RThree, RFourAnd RFiveIs a group having a cyclopentadienyl skeleton or another group as described above, k is an integer of 1 or more, and k + l + m + n = 4. )
In the present invention, this formula R2 kRThree lRFour mRFive nIn M, R2, RThree, RFourAnd RFiveAt least two of them, eg R2And RThreeHowever, a metallocene compound which is a group (ligand) having a cyclopentadienyl skeleton is preferably used. These groups having a cyclopentadienyl skeleton may be bonded via an alkylene group, a substituted alkylene group, a silylene group, a substituted silylene group, or the like.
[0054]
Specific examples of the metallocene compounds as described above include, when M is zirconium, bis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (cyclopentadienyl) zirconium dibromide, bis (cyclopentadienyl) dimethylzirconium, Bis (cyclopentadienyl) diphenylzirconium, bis (cyclopentadienyl) dibenzylzirconium, bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (methanesulfonate), bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (p-toluenesulfo Nate), bis (cyclopentadienyl) zirconium bis (trifluoromethanesulfonate), bis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride Bis (ethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (propylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylpropylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (butyl Cyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (methylbutylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (trimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, bis (indenyl) zirconium dichloride, bis (indenyl) zirconium dibromide, bis (4, 5,6,7-tetrahydroindenyl) zirconium dichloride, bis (fluorenyl) zirconium dichloride, ethylenebis (indenyl) zirconium dichloride , Ethylenebis (indenyl) zirconium dibromide, ethylenebis (indenyl) dimethylzirconium, isopropylidene (cyclopentadienyl-fluorenyl) zirconium dichloride, isopropylidene (cyclopentadienyl-methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethyl Silylenebis (cyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (methylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (dimethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (indenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis ( 2-methylindenyl) zirconium dichloride, dimethylsilylenebis (2-methyl-4-isopropylindenyl) Zirconium dichloride, dimethylsilylene (cyclopentadienyl - fluorenyl) zirconium dichloride, diphenylsilylene bis (indenyl) zirconium dichloride, and the like methylphenyl (indenyl) zirconium dichloride.
[0055]
In the above examples, the disubstituted product of the cyclopentadienyl ring includes 1,2- and 1,3-substituted products, and the trisubstituted product includes 1,2,3- and 1,2,4-substituted products. . Alkyl groups such as propyl and butyl include isomers such as n-, i-, sec- and tert-.
Further, in the zirconium metallocene compound as described above, a compound in which zirconium is replaced with titanium, hafnium, vanadium, niobium, tantalum, or chromium can also be exemplified.
[0056]
In the present invention, a zirconium metallocene compound having a ligand containing at least two cyclopentadienyl skeletons is preferably used as the metallocene compound (A).
These metallocene compounds (A) can be used singly or in combination of two or more.
[0057]
((B-1) Organoaluminum oxy compound)
(B-1) The organoaluminum oxy compound may be a conventionally known benzene-soluble aluminoxane, or a benzene-insoluble organoaluminum oxy compound as disclosed in JP-A-2-276807. Good.
[0058]
The aluminoxane may contain a small amount of an organometallic component. Further, after removing the solvent or the unreacted organoaluminum compound from the recovered aluminoxane solution by distillation, it may be used by re-dissolving in the solvent.
Specific examples of the organoaluminum compound used in the production of aluminoxane include those described later as the organoaluminum compound (B-2), and these can be used in combination of two or more.
[0059]
Of these, trialkylaluminum and tricycloalkylaluminum are particularly preferred.
The benzene-insoluble organoaluminum oxy compound has an Al component dissolved in benzene at 60 ° C. of 10% or less, preferably 5% or less, particularly preferably 2% or less in terms of Al atom, and is insoluble or difficult to benzene. It is soluble.
[0060]
The solubility of such an organoaluminum oxy compound in benzene is determined by suspending the organoaluminum oxy compound corresponding to 100 milligrams of Al in 100 ml of benzene, mixing at 60 ° C. for 6 hours with stirring, and then attaching a jacket. Using a G-5 glass filter, hot filtration was performed at 60 ° C., and the solid portion separated on the filter was washed four times with 50 ml of benzene at 60 ° C., and the Al atoms present in the total filtrate were removed. It is determined by measuring the abundance (x mmol) (x%).
[0061]
The organoaluminum oxy compound (B-1) can be used alone or in combination of two or more.
((B-2) Organoaluminum compound)
The organoaluminum compound (B-2) is represented by the following general formula (iii), for example.
R1 nAlX3-n ... (iii)
(In formula (iii), R1Is a C1-C12 hydrocarbon group, X is a halogen atom or a hydrogen atom, and n is 1-3. )
In the general formula (iii), R1Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, such as an alkyl group, a cycloalkyl group, or an aryl group. Specifically, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an isobutyl group, a pentyl group, Hexyl group, octyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, phenyl group, tolyl group and the like.
[0062]
Specific examples of the organoaluminum compound (B-2) include trialkylaluminum such as trimethylaluminum, triethylaluminum, triisopropylaluminum, and triisobutylaluminum; alkenylaluminum such as isoprenylaluminum; dimethylaluminum chloride, Dialkylaluminum halides such as diethylaluminum chloride, diisopropylaluminum chloride, diisobutylaluminum chloride; alkylaluminum sesquichlorides such as methylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquichloride, isopropylaluminum sesquichloride; methylaluminum dichloride, ethylaluminum dichloride, isopropylaluminum dichloride, etc. No al Kill aluminum dihalide; alkylaluminum hydrides such as diethylaluminum hydride and diisobutylaluminum hydride.
[0063]
As the organoaluminum compound (B-2), a compound represented by the following general formula (iv) can also be used.
R1 nAlY3-n … (Iv)
(In formula (iv), R1Is the same as above, and Y is -OR.2Group, -OSiRThree ThreeGroup, -OAlRFour 2Group, -NRFive 2Group, -SiR6 ThreeGroup or -N (R7AlR8 2A group, n is 1-2, R2, RThree, RFourAnd R8Is a methyl group, an ethyl group, an isopropyl group, an isobutyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, and the like;FiveIs a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, an isopropyl group, a phenyl group, a trimethylsilyl group, etc., and R6And R7Is a methyl group, an ethyl group or the like. )
[0064]
Of these, trialkylaluminum is preferable, and triisobutylaluminum is particularly preferable.
The organoaluminum compound (B-2) can be used alone or in combination of two or more.
((B-3) Compound that reacts with metallocene compound (A) to form an ion pair)
Examples of the compound (B-3) that reacts with the metallocene compound (A) to form an ion pair include JP-A-1-501950, JP-A-1-502036, JP-A-3-179005, and JP-A-3. Examples include Lewis acids, ionic compounds, and carborane compounds described in JP-A Nos. -179006, JP-A-3-207703, JP-A-3-207704, and US-547718.
[0065]
Lewis acids include triphenylboron, tris (4-fluorophenyl) boron, tris (p-tolyl) boron, tris (o-tolyl) boron, tris (3,5-dimethylphenyl) boron, tris (pentafluorophenyl) ) Boron, MgCl2, Al2OThree, SiO2-Al2OThreeEtc.
Examples of ionic compounds include triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, tri-n-butylammonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, ferrocenium tetra (Pentafluorophenyl) borate and the like.
[0066]
The carborane compounds include dodecaborane, 1-carbaundecaborane, bis n-butylammonium (1-carbedodeca) borate, tri-n-butylammonium (7,8-dicarboundeca) borate, tri-n-butylammonium (trideca Hydride-7-carbaoundeca) borate and the like.
These can be used alone or in combination of two or more.
[0067]
In the present invention, as the cocatalyst component (B), at least one compound selected from the above components (B-1), (B-2) and (B-3) is used, and these are appropriately combined. Can also be used. Among these, it is desirable to use at least (B-1) or (B-3) as the cocatalyst component (B).
In the present invention, it is preferable to use a catalyst containing the metallocene catalyst component and the cocatalyst component as described above, but these catalyst components are usually used as a carrier-supported catalyst (solid catalyst) by contacting with a particulate carrier compound. Is preferred.
[0068]
As the carrier compound, a granular or fine particle solid having a particle size of 10 to 300 μm, preferably 20 to 200 μm is used. The specific surface area of this carrier is usually 50 to 1000 m.2/ G, and the pore volume is 0.3 to 2.5 cm.Three/ G is desirable.
As such a carrier, a porous inorganic oxide is preferably used, specifically, SiO.2, Al2OThree, MgO, ZrO2TiO2, B2OThree, CaO, ZnO, BaO, ThO2Or mixtures thereof, such as SiO2-MgO, SiO2-Al2OThree, SiO2-TiO2, SiO2-V2OFive, SiO2-Cr2OThree, SiO2-TiO2-MgO or the like is used. Among these, SiO2And / or Al2OThreeThe main component is preferred.
[0069]
The inorganic oxide contains a small amount of Na2COThree, K2COThree, CaCOThree, MgCOThree, Na2SOFour, Al2(SOFour)Three, BaSOFour, KNOThree, Mg (NOThree)2, Al (NOThree)Three, Na2O, K2O, Li2Carbonate such as O, sulfate, nitrate, and oxide component may be contained.
An organic compound can also be used as the carrier. For example, a (co) polymer produced mainly from an olefin having 2 to 14 carbon atoms such as ethylene, propylene, 1-butene, 4-methyl-1-pentene, etc. Alternatively, a polymer or copolymer produced mainly with vinylcyclohexane or styrene can be used.
[0070]
The contact between the carrier and each of the above components is usually carried out at a temperature of -50 to 150 ° C, preferably -20 to 120 ° C for 1 minute to 50 hours, preferably 10 minutes to 25 hours.
The solid catalyst prepared as described above has 5 × 10 5 metallocene compounds (A) as transition metal atoms per gram of support.-6~ 5x10-FourGram atoms, preferably 10-Five~ 2x10-FourIn an amount of gram atoms, component (B) is 10 as aluminum or boron atoms per gram of support.-3~ 5x10-2Gram atoms, preferably 2 × 10-3~ 2x10-2It is preferably supported in the amount of gram atoms.
[0071]
Furthermore, in the present invention, the solid catalyst as described above can be used in the polymerization as it is, but it can also be used after preliminarily polymerizing the olefin with this solid catalyst to form a prepolymerized catalyst.
In the present invention, the solid catalyst or the prepolymerized catalyst is transition metal / liter (polymerization volume), usually 10-8-10-3Gram atom / liter or even 10-7-10-FourIt is desirable to be used in an amount of gram atoms / liter.
[0072]
When using a prepolymerization catalyst, component (B) may or may not be used, but the atomic ratio of aluminum or boron in component (B) to transition metal in the polymerization system (Al or B / transition metal) 5 to 300, preferably 10 to 200, and more preferably 15 to 150.
The density (ASTM D 150 E) of the olefin polymer obtained as described above is preferably 0.865 to 0.930 g / cm.Three, More preferably 0.880-0.930 g / cmThreeIt is.
[0073]
When the olefin polymer is an ethylene / α-olefin copolymer, the structural unit derived from ethylene is 87.0-97.6 mol%, preferably 90.0-96.8 mol%. Thus, it is desirable to contain a structural unit derived from an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms in an amount of 13.0 to 2.4 mol%, preferably 10.0 to 3.2 mol%.
[0074]
The olefin polymer may contain units derived from polyenes in an amount of 10% by weight or less, preferably 5% by weight or less, particularly preferably 3% by weight or less.
(Ligand removal step)
The polymer particles ((co) polymer) extracted from the extraction line (10, 40) in the polymerization step as described above are sent to the ligand removal step, and the polymer particles in the polymer particle are removed in the ligand removal step. The ligand is removed.
[0075]
The ligand removal step (1) decomposes the ligand in the (co) polymer by bringing the (co) polymer obtained in the polymerization step as described above into contact with a ligand decomposing agent. A step (ligand decomposition step) and (2) a step of heating the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent to remove the decomposed ligand from the (co) polymer ( Decomposition ligand removal step).
[0076]
(Ligand decomposition agent)
Examples of the ligand decomposing agent used in the ligand decomposing step include water, oxygen, alcohol, alkylene oxide, peroxide and the like. Specifically, methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, pentanol, Monoalcohols such as hexanol, heptanol, octanol, cyclopentanol and cyclohexanol, alcohols having 10 or less carbon atoms such as dialcohols such as ethylene glycol; alkylenes such as ethylene oxide, propylene oxide, trimethylene oxide, tetrahydrofuran and tetrahydropyran Oxides; peroxides such as propylene peroxide and butene peroxide.
[0077]
Among these, water or an alcohol having 5 or less carbon atoms is preferable, and water is particularly preferable.
As a method of bringing the (co) polymer and the ligand decomposing agent into contact, for example, there is a method of bringing the (co) polymer and a gas stream containing the ligand decomposing agent into contact. In this case, for example, the (co) polymer powder is passed through the container while introducing a gas containing a ligand decomposing agent into the container.
[0078]
The average particle size of the (co) polymer powder when contacting with the ligand decomposing agent is usually in the range of 50 to 5,000 μm, preferably 80 to 3,000 μm, more preferably 100 to 2,000 μm. .
Examples of the gas containing the ligand decomposing agent include inert gases such as nitrogen gas and argon gas. The gas containing the ligand decomposing agent usually contains a vapor of the ligand decomposing agent. The content of the ligand decomposing agent in the ligand decomposing agent-containing gas is usually 0.1% by weight to 40% by weight, preferably 0.5% by weight to 20% by weight, particularly preferably 1% by weight to 10% by weight. % Range.
[0079]
The superficial velocity of the ligand decomposing agent-containing gas is usually 0.01 to 20 cm / second, preferably 0.1 to 10 cm / second, and particularly preferably 0.5 to 5 cm / second. The superficial velocity depends on the temperature and pressure of the gas containing the ligand decomposing agent at the gas outlet in the apparatus used when the (co) polymer and the ligand decomposing agent are brought into contact with each other. Calculated based on area.
[0080]
When the (co) polymer and the ligand decomposing agent are brought into contact with each other, the temperature when the crystallinity of the (co) polymer is 40% or more is usually higher than the crystallization temperature of the (co) polymer. And below the decomposition temperature of the (co) polymer, specifically in the range of 100 to 300 ° C, preferably 100 to 280 ° C. When the crystallinity of the (co) polymer is less than 40%, the melting point of the (co) polymer is −15 ° C. or more and less than the decomposition temperature of the (co) polymer. It is 300 degreeC, Preferably it is the range of 90-280 degreeC.
[0081]
The crystallinity of the (co) polymer (Xc) Is measured by the following method. That is, after preheating the (co) polymer at 190 ° C. for 7 minutes, pressurizing at 9.8 MPa for 2 minutes and then cooling under the conditions of 20 ° C. and 9.8 MPa to produce a 5 mm thick press sheet. About 5 mg of a test piece (sample) cut out from the press sheet is inserted into an aluminum pan. Using a DSC-II manufactured by PerkinElmer, an endothermic curve is obtained by measuring from room temperature to 150 ° C. at a heating rate of 10 ° C./min. Separately, the endothermic curve area of the sample is used to convert the endothermic curve of the sample into the heat of fusion. The point of 35 ° C. on the endothermic curve of the sample and the point at which the endothermic peak is not completely generated are connected to form a baseline. The value obtained by dividing the heat of fusion (A (J / g)) obtained by measurement by the heat of fusion (260 (J / g)) of 100% polyethylene crystal (Xc= A / 260) is the crystallinity.
[0082]
The pressure for contacting the (co) polymer with the ligand decomposing agent is usually 0.0001 to 0.6 MPa, preferably 0.001 to 0.35 MPa, and particularly preferably 0.01 to 0.25 MPa. It is a range. The contact time (residence time) is usually 1 minute to 3 hours, preferably 2 minutes to 2 hours, particularly preferably 5 minutes to 1 hour.
By contacting the (co) polymer and the ligand decomposing agent as described above, the ligand can be decomposed, and the ligand having a high boiling point can be converted into a low boiling point compound. . Further, depending on the type of ligand, it may be brominated without decomposition.
[0083]
Next, the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent is heated to remove the decomposed ligand in the (co) polymer. Examples of a method for removing the decomposed ligand by heating the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent include the following methods.
(1) A method of heating a (co) polymer under an inert gas flow using a dryer such as a rotary dryer, belt dryer, flash dryer, spray dryer or paddle dryer.
(2) A method of heating and melting a (co) polymer using a single-screw or twin-screw extruder.
[0084]
When the method (2) is employed, the heated and melted (co) polymer may be pelletized and further subjected to any one of the following steps (2-1) to (2-3).
(2-1) The step of bringing the pellet into contact with hot water
(2-2) Contacting the pellet with water vapor
(2-3) A step of heating the pellets under a pressure of 0.001 to 0.098 MPa.
In carrying out the method (1), the heating temperature of the (co) polymer is usually the crystallization temperature of the (co) polymer when the crystallinity of the (co) polymer is 40% or more. Above and below the decomposition temperature of the (co) polymer, or above the crystallization temperature of the (co) polymer and below the melting point of the (co) polymer, specifically 100 to 300 ° C., preferably 100 to The range is 280 ° C.
[0085]
When the crystallinity of the (co) polymer is less than 40%, the melting point of the (co) polymer is -15 ° C. or more and less than the decomposition temperature of the (co) polymer, or the melting point of the (co) polymer. It is −15 ° C. or higher and below the melting point of the (co) polymer, specifically 85 to 300 ° C., preferably 90 to 280 ° C.
The pressure is usually in the range of 0.0001 to 0.6 MPa, preferably 0.001 to 0.35 MPa, particularly preferably 0.01 to 0.25 MPa. The heating time (residence time) is usually 1 minute to 3 hours, preferably 2 minutes to 2 hours, particularly preferably 5 minutes to 1 hour.
[0086]
Examples of the inert gas include nitrogen gas, helium gas, and argon gas. The gas flow rate in the dryer is usually in the range of 0.01 to 20 cm / second, preferably 0.1 to 10 cm / second, particularly preferably 0.5 to 5 cm / second.
In carrying out the method (2), the heating temperature of the (co) polymer is the same as the method (1). In the present invention, in the decomposition ligand removal step, when heating at a temperature equal to or higher than the melting point of the (co) polymer and lower than the decomposition temperature, it is preferable to heat the (co) polymer while applying a shearing force, As a method for applying a shear force to the (co) polymer, there is a method using a paddle dryer, a single screw or a twin screw extruder, or the like.
[0087]
In the present invention, when the method (2) is adopted, the heat-melted (co) polymer is pelletized, and then any one of the following steps (2-1) to (2-3) is performed. May be.
The apparatus that can be used for carrying out the process (2-1) includes a countercurrent extraction tower, a storage tank having a stirring device, a multistage horizontal extraction tank, etc., and the processes (2-2) and (2-3). Examples of devices that can be used when performing the above are silos and hoppers.
[0088]
In performing the step (2-1), the temperature of the hot water is 35 to 200 ° C., preferably 40 to 180 ° C., particularly preferably 45 to 150 ° C., and the contact time is 1 to 900 minutes, preferably Is in the range of 5 to 600 minutes, particularly preferably 10 to 360 minutes.
In the step (2-2), the water vapor-containing gas and the (co) polymer are brought into contact in the same manner as in the ligand decomposition step. Examples of the gas containing water vapor include the same inert gas and air as described above.
[0089]
The temperature at which the (co) polymer is brought into contact with the water vapor-containing gas is usually equal to or higher than the crystallization temperature of the (co) polymer when the crystallinity of the (co) polymer is 40% or more, and It is below the decomposition temperature of the (co) polymer, or above the crystallization temperature of the (co) polymer and below the melting point of the (co) polymer, specifically 100 to 300 ° C., preferably 100 to 280 ° C. Range.
[0090]
When the crystallinity of the (co) polymer is less than 40%, the melting point of the (co) polymer is -15 ° C. or more and less than the decomposition temperature of the (co) polymer, or the melting point of the (co) polymer. It is −15 ° C. or higher and below the melting point of the (co) polymer, specifically 85 to 300 ° C., preferably 90 to 280 ° C.
The pressure is usually in the range of 0.0001 to 0.6 MPa, preferably 0.001 to 0.35 MPa, particularly preferably 0.01 to 0.25 MPa. The water vapor content in the water vapor-containing gas is usually in the range of 0.1 wt% to 40 wt%, preferably 0.5 wt% to 20 wt%, particularly preferably 1 wt% to 10 wt%.
[0091]
The superficial velocity of the water vapor-containing gas is usually 0.01 to 20 cm / second, preferably 0.1 to 10 cm / second, particularly preferably 0.5 to 5 cm / second. The contact time (residence time) is usually 0.5 to 30 hours, preferably 1 to 24 hours, particularly preferably 2 to 20 hours.
In carrying out the step (2-3), the pressure is in the range of 0.001 to 0.100 MPa, preferably 0.007 to 0.098 MPa, particularly preferably 0.01 to 0.07 MPa, and the temperature is 35. It is -200 degreeC, Preferably it is 40-180 degreeC, Most preferably, it is 45-150 degreeC. The heating time is 0.5 to 30 hours, preferably 1 to 24 hours, particularly preferably 2 to 20 hours.
[0092]
The average particle diameter of the (co) polymer pellets when the steps (2-1) to (2-3) are performed is usually in the range of 1 to 30 mm, preferably 3 to 20 mm, more preferably 5 to 15 mm. It is desirable to be.
More specifically, the ligand removal step of the (co) polymer can be performed by a step as shown in FIG. 3 or FIG. 4, for example. FIG. 3 is an explanatory diagram showing an example of the ligand removing step, and FIG. 4 is an explanatory diagram showing another example of the ligand removing step. The ligand decomposition step is performed in the silo indicated by 51 in the drawing, and the decomposition ligand removal step is performed in the extruder indicated by 52, the silo indicated by 54, and the dryer indicated by 57 in the drawing.
[0093]
Hereinafter, an example in which water (water vapor) is used as a coordination decomposition agent will be described. In the step shown in FIG. 3, the (co) polymer powder is continuously supplied from the
[0094]
The (co) polymer powder in contact with the water vapor is discharged out of the
[0095]
In the
[0096]
In the step shown in FIG. 4, as in the step shown in FIG. 3, the (co) polymer powder and the inert gas containing water vapor contact in the
[0097]
In the
The (co) polymer powder from which the decomposed ligand has been removed is supplied to the
[0098]
In the ligand removal step, the ligand having the cyclopentadienyl skeleton remaining in the (co) polymer is decomposed and removed from the (co) polymer obtained in the polymerization step, so that molding is performed. Sometimes polyolefins with less odor generation can be obtained.
[0099]
【The invention's effect】
The olefin polymer of the present invention has a low content of low molecular weight components such as oligomers and ligands having a cyclopentadienyl skeleton, which are components that generate odors and components that change taste. When used in food applications, the content of components that generate odors and components that change the taste is small, so that the flavor of the food is rarely impaired.
[0100]
The method for producing an olefin polymer of the present invention comprises a component that generates odor, a component that changes taste, a low molecular weight component such as an oligomer, and a ligand content having a cyclopentadienyl skeleton. Can produce an olefin polymer with a low cost and high productivity.
[0101]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further more concretely based on an Example, this invention is not limited to these Examples.
[0102]
[Example 1]
(Preparation of solid catalyst component)
Silica (SiO2) dried at 250 ° C. for 10 hours2) 10 kg was suspended in 154 liters of toluene and then cooled to 0 ° C. To this suspension, 50.5 liters of a toluene solution of methylaluminoxane (Al = 1.52 mol / liter) was added dropwise over 1 hour while maintaining the temperature of the suspension at 0 to 5 ° C. After maintaining at 0 ° C. for 30 minutes, the temperature was raised to 95 ° C. over 1.5 hours and maintained at 95 ° C. for 4 hours.
[0103]
Thereafter, the temperature was lowered to 60 ° C., and the supernatant was removed by decantation. The solid catalyst component thus obtained was washed twice with toluene and then resuspended in 100 liters of toluene to a total volume of 160 liters.
To the obtained suspension, 22.0 liters of a toluene solution of bis (1,3-n-butylmethylcyclopentadienyl) zirconium dichloride (Zr = 25.7 mmol / liter) was added at 80 ° C. over 30 minutes. The solution was added dropwise and kept at 80 ° C. for 2 hours. Thereafter, the supernatant was removed and washed twice with hexane to obtain a solid catalyst component containing 3.2 mg of zirconium per 1 g of silica.
[0104]
(Preliminary polymerization of solid catalyst components)
Into a 350 liter reactor sufficiently purged with nitrogen, 7.0 kg of the above solid catalyst component was charged, and hexane was charged to obtain a hexane suspension having a total volume of 285 liters. After cooling the system to 10 ° C, ethylene was flowed at 8 Nm.Three/ Hr for 5 minutes into a solid catalyst component hexane suspension. During this time, the temperature in the system was maintained at 10 to 15 ° C.
[0105]
After the supply of ethylene was temporarily stopped, 2.4 mol of triisobutylaluminum and 1.2 kg of 1-hexene were supplied to make the inside of the system a sealed system, and then the supply of ethylene was resumed, with a flow rate of 8 Nm3 / hr. After supplying for 1 minute, the flow rate is 2NmThree/ Hr, the pressure in the system is 0.8 kg / cm2-G. During this time, the system temperature rose to 35 ° C.
[0106]
Then, while controlling the temperature in the system to 32 to 35 ° C., ethylene was reduced to 4 Nm.Three/ Hr was supplied for 3.5 hours. During this time, the pressure in the system is 0.7 to 0.8 kg / cm.2-Hold on G. Next, the system was purged with nitrogen, the supernatant was removed, and then washed twice with hexane. The supernatant liquid after preliminary polymerization was colorless and transparent.
As described above, a prepolymerized catalyst containing 3 g of the prepolymer per 1 g of the solid catalyst component was obtained. This prepolymerized catalyst (prepolymer) had an intrinsic viscosity [η] measured in decalin at 135 ° C. of 2.1 dl / g and a 1-hexene unit content of 4.8% by weight. The shape of the prepolymerized catalyst is good and the bulk density is 0.4 g / cm.ThreeMet.
[0107]
(Gas phase polymerization)
Gas phase polymerization was performed using a continuous fluidized bed reactor as shown in FIG.
That is, the prepolymerized catalyst obtained as described above was continuously supplied in an amount of 54 g / hr, and ethylene and 1-hexene were continuously polymerized in the presence of isopentane. LLDPE).
[0108]
The polymerization conditions were a polymerization temperature of 70 ° C., a polymerization pressure of 1.7 MPa-G (gauge pressure), an ethylene partial pressure of 1.1 MPa, a superficial velocity of 0.80 m / s, and a gas in the reactor deceleration region (TOP gas). The test was performed under the condition of an isopentane concentration of 5 mol%. During this polymerization, the TOP gas has an average molecular weight of 31.4 g / mol and a density of 20.7 kg / m.ThreeMet. The dew point of the TOP gas was 40.1 ° C., the temperature on the circulating gas outlet side of the heat exchanger was 62.3 ° C., and the condensate ratio on the circulating gas outlet side was 0% by weight.
[0109]
The TOP gas is a mixture of ethylene, nitrogen, hydrogen, 1-hexene and isopentane.
The LLDPE obtained as described above has a density (ASTM D1505) of 903 kg / m.ThreeThe MFR (ASTM D1238) was 3.8 g / 10 min.
[0110]
(Ligand decomposition step)
Steam-containing nitrogen gas was introduced, and the LLDPE powder was passed through a silo having a pressure of 0.5 kPa-G and a temperature of 80 ° C. with a residence time of 5 minutes.
The weight ratio (water / PE) of water and polyethylene powder (PE) at this time is 0.001, and nitrogen gas (N2) And polyethylene powder (PE) ratio (N2(NmThree) / PE (kg)) was 0.004.
[0111]
(Decomposing ligand removal step)
The LLDPE powder that had undergone the ligand decomposition step was pelletized at an outlet temperature of 205 ° C. using a twin screw extruder. Thereafter, steam-containing air was introduced, and the LLDPE powder that had undergone the ligand decomposition step was passed through a silo that had a pressure of 0.5 kPa-G and a temperature of 80 ° C. in a residence time of 6 hours.
[0112]
At this time, the weight ratio (water / PE) of water vapor (water) and polyethylene pellets (PE) is 0.09, and the ratio of air (Air) to polyethylene pellets (PE) (Air (N-mThree) / PE (kg)) was 0.14.
(Evaluation)
The LLDPE after the treatment as described above was evaluated for the residual ligand amount, the n-decane soluble content, and the odor. The results are shown in Table 1.
[0113]
In addition, evaluation of the odor of LLDPE after the said process was performed as follows.
A: None of the three evaluators felt odor.
○: One of the three evaluators felt odor. However, I did not feel a strong smell.
Δ: Among the three evaluators, there were a few who felt odor. However, I did not feel a strong smell.
[0114]
X: All three evaluators felt a strong odor.
[0115]
[Examples 2 to 4 and Comparative Examples 1 to 6]
In Example 1, the isopentane concentration in the polymerizer TOP gas, the average molecular weight in the polymerizer TOP gas, the density of the polymerizer gas, the gas temperature at the outlet side of the heat exchanger circulation gas, etc. were changed to the conditions shown in Table 1. Except that, LLDPE was obtained in the same manner as in Example 1.
[0116]
Table 1 shows the results of evaluating the ligand residual amount, n-decane soluble content and odor of the obtained LLDPE in the same manner as in Example 1.
[0117]
[Table 1]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a case where a polymerization process is performed in a single stage.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a case where a polymerization process is performed in two stages.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing an example of a ligand removal step.
FIG. 4 is an explanatory diagram illustrating another example of a ligand removal step.
[Explanation of symbols]
10, 40 ... Extraction line
11, 21 ... Fluidized bed reactor
12, 22 ... Supply line
18, 28 ... Fluidized bed
51, 54 ... silos
52 ... Extruder
57… dryer
Claims (5)
上記流動層反応器中に飽和脂肪族炭化水素を5〜30モル%の濃度で存在させながらオレフィンを(共)重合する重合工程と、
得られた(共)重合体を、水または炭素原子数5以下のアルコールである配位子分解剤に接触させ、次いで配位子分解剤と接触させた上記(共)重合体を加熱する配位子除去工程とを
有することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。Using a fluidized bed reactor, one or more olefins selected from ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms are (co) polymerized in the gas phase in the presence of a metallocene catalyst. A method for producing an olefin polymer, comprising:
A polymerization step of (co) polymerizing the olefin while allowing the saturated aliphatic hydrocarbon to be present in the fluidized bed reactor at a concentration of 5 to 30 mol%;
The obtained (co) polymer is brought into contact with a ligand decomposing agent which is water or an alcohol having 5 or less carbon atoms, and then the (co) polymer brought into contact with the ligand decomposing agent is heated. A method for producing an olefin polymer, comprising a ligand removal step.
(A)周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物、
および
(B)(B−1)有機アルミニウムオキシ化合物、
(B−2)有機アルミニウム化合物、および
(B−3)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン系重合体の製造方法。Metallocene catalyst
(A) a metallocene compound of a transition metal selected from Group IVB of the periodic table,
And (B) (B-1) an organoaluminum oxy compound,
2. (B-2) An organoaluminum compound and (B-3) at least one compound selected from compounds that react with the metallocene compound (A) to form an ion pair. The manufacturing method of the olefin polymer in any one of -4.
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