本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において同様のものに関しては共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施形態では、本発明の半導体装置の基本構成について図1を用いて説明する。本発明の半導体装置は、少なくとも第1のフォトダイオード101、第2のフォトダイオード102、第1の回路群103、第2の回路群104、補正用回路105を有する。なお、第2のフォトダイオード102は遮光されており、第1のフォトダイオード101の一方の端子から得られる出力は第1の回路群103に入力され、第2のフォトダイオード102の一方の端子から得られる出力は第2の回路群104に入力される。また、第1のフォトダイオード101の他方の端子には、光が照射された際に第1の回路群103が接続された一方の端子より開放電圧が出力されるよう基準電位が供給されている。また、第2のフォトダイオード102には逆方向のバイアスより強い温度依存性を示す順方向のバイアスが印加されるよう、第2のフォトダイオード102の他方の端子には電位が供給されている。
第1のフォトダイオード101は光検出用のフォトダイオードであり、光を受光することにより照度の対数値に比例した開放電圧を出力する。得られた電圧は、第1の回路群103を介して補正用回路105に入力される。なお、第1の回路群103では、第1のフォトダイオード101から得られた高出力インピーダンスを低出力インピーダンスとする変換を行い、より確実に第1のフォトダイオード101の出力を次段に入力する。そのため、本発明では第1の回路群103に少なくともボルテージフォロワ回路を有する。
一方、第2のフォトダイオード102は補正用のフォトダイオードであり、温度等をはじめとする光以外に起因するフォトダイオードの出力特性を読み取るために遮光されている。なお、フォトダイオードの出力特性に影響を与える光以外の外部因子として様々なものを想定することができるが、ここでは第1のフォトダイオード101の出力、即ち開放電圧に大きく影響する温度について記載している。そのため、本発明は正確には温度のみの補正に限定されるものではない。なお、温度依存性を示す第2のフォトダイオード102からの出力は、オペアンプを利用した第2の回路群104を用いて必要に応じて増幅や反転、さらに所定の温度の電圧を基準とする電圧に調整された後、補正用回路105に入力される。
なお、補正用回路105の種類もしくは得たい補正用回路105からの出力電圧の正負によって、第1の回路群103は反転手段を有する場合もある。
第1の回路群103及び第2の回路群104より得られた出力電圧は、補正用回路105に入力される。補正用回路105では、第2の回路群104より得られた所定の温度の電圧を基準とする出力電圧を第1の回路群103より得られた出力電圧に加算及び減算、もしくはそのいずれか一方を行うことで温度補償を行う。即ち、第1のフォトダイオード101から得られた出力を、前記所定の温度に換算することが可能となる。このようにして、第2のフォトダイオード102を用いて第1のフォトダイオード101における温度に起因した出力変動を除去することができる。よって、光を検出する際、光以外の外部因子を取り除くことでより正確に照度を測定することが可能となる。
また、照度の検出に用いる第1のフォトダイオード101の出力、即ち開放電圧は照度の対数値に比例するため、本発明の半導体装置は広い照度範囲に渡って光を検出することができる。
なお、補正用回路105には加算器を用いることが好ましいが、必ずしもこれに限定されず、減算器であっても良い。また、補正用回路105には外部負荷等を接続して、所望の形式で出力しても良い。
次に、上述した構成要素の一構成例について説明する。本実施形態では、補正用回路105に反転加算回路を用いた例について示す。まず、第1のフォトダイオード101及び第1の回路群103が有するボルテージフォロワ回路について図2を用いて説明する。
図2に示すように、第1のフォトダイオード101の第1の端子は接地(GND)に接続され、第2の端子はボルテージフォロワ回路121が有するオペアンプ120aの非反転入力端子に接続されている。このような第1のフォトダイオード101に、光が照射されることにより生じる開放電圧を用いて照度を検出する。開放電圧は照度の対数値に比例するため、広い照度範囲に渡って光を検出することができる。なお、第1のフォトダイオード101より得られた電圧はオペアンプ120aの非反転入力端子に入力される。一方、反転入力端子にはオペアンプ120aの出力電圧が入力されている。
ボルテージフォロワ回路121の一構成について図3を用いて説明する。ボルテージフォロワ回路121は、第1のトランジスタ131、第2のトランジスタ132、第3のトランジスタ133、第4のトランジスタ134、第5のトランジスタ135、第6のトランジスタ136、第7のトランジスタ137とを有する。なお、第1のトランジスタ131、第2のトランジスタ132、第5のトランジスタ135及び第7のトランジスタ137と、第3のトランジスタ133、第4のトランジスタ134及び第6のトランジスタ136とでは、トランジスタの極性が異なる。本実施形態は、第1のトランジスタ131、第2のトランジスタ132、第5のトランジスタ135及び第7のトランジスタ137にNチャネル型トランジスタを、第3のトランジスタ133、第4のトランジスタ134及び第6のトランジスタ136にPチャネル型トランジスタを用いた場合である。
第1のフォトダイオード101は第2のトランジスタ132のゲート電極に接続され、第2のトランジスタ132の第1の電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)は第3のトランジスタ133の第2の電極及び第6のトランジスタ136のゲート電極と接続されている。一方、第2のトランジスタ132の第2の電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)は第1のトランジスタ131の第1の電極及び第5のトランジスタ135の第2の電極と接続されている。また、第5のトランジスタ135の第1の電極は、第4のトランジスタ134の第2の電極及びゲート電極並びに第3のトランジスタ133のゲート電極に接続されている。第6のトランジスタ136の第1の電極は、第3のトランジスタ133及び第4のトランジスタ134の第1の電極に接続されており、これら第1の電極には電位Vddが供給されている。また、第6のトランジスタ136の第2の電極は、第5のトランジスタ135のゲート電極及び第7のトランジスタ137の第1の電極と接続されている。第7のトランジスタ137の第2の電極は第1のトランジスタ131の第2の電極と接続されており、これら第2の電極は接地(GND)に接続されている。また、第1のトランジスタ131のゲート電極と第7のトランジスタ137のゲート電極とは接続されており、これらゲート電極には電源138を用いて第1のトランジスタ131及び第7のトランジスタ137が共に導通状態となる電位が供給されている。
なお、第6のトランジスタ136の第2の電極と、第5のトランジスタ135のゲート電極と第7のトランジスタ137の第1の電極との接続箇所の電位をボルテージフォロワ回路121の出力電圧Voutとして得ている。
上記のようなボルテージフォロワ回路121を用いることにより、第6のトランジスタ136における第2の電極の電位を第5のトランジスタ135のゲート電極に帰還させることで、第2のトランジスタ132のゲート電極に入力された電圧と同一かつインピーダンス変換された出力電圧をボルテージフォロワ回路121より出力することができる。なお、この出力により第7のトランジスタ137の第1の電極の電位が低下しないように、第6のトランジスタ136のチャネル幅を第7のトランジスタ137のチャネル幅より大きく設定する方が好ましい。
また、電源138より供給する電位は、第1のトランジスタ131及び第7のトランジスタ137が共に導通状態となる電位であれば良いため、第1のトランジスタ131のしきい値電圧と第7のトランジスタ137のしきい値電圧の大きい方の値をVthとした際GND+Vth以上の電位であれば良い。よって、電源138における電源電圧を低く設定することができ、さらに電源138より供給する電位をボルテージフォロワ回路121に供給したVdd及びGNDを用いて生成することができるため、ボルテージフォロワ回路121の動作電圧を低くすることが可能となる。なお、ボルテージフォロワ回路121に供給する電圧、即ち|Vdd−GND|は、第1のトランジスタ131と第2のトランジスタ132と第3のトランジスタ133のしきい値の合計以上であれば良い。
また、ボルテージフォロワ回路121は入力された電圧と同一かつインピーダンス変換された出力電圧を得ることができれば上記に限定されない。例えば、第3のトランジスタ133と第4のトランジスタ134はカレントミラー回路を構成しており、該カレントミラー回路において第3のトランジスタ133をさらに並列に設けた構成としても良い。ただし、その場合には第1のトランジスタ131及び第2のトランジスタ132の第1の電極の電位が一段の場合の電位と同様に保つよう第1のトランジスタ131及び第2のトランジスタ132をさらに並列に設ける必要がある。もちろん、第3のトランジスタ133の第2の電極と第4のトランジスタ134の第2の電極の電位は同一であることを必要とする。
このようにして得られた出力電圧Voutを図1における第1の回路群103からの出力とし、補正用回路105に入力する。なお、図2おいて、第1のフォトダイオード101は一つの場合について述べたが、直列に多数設けられていても良い。
次に、図1における第2のフォトダイオード102及び第2の回路群104について図4を用いて説明する。なお、本実施形態では、第2の回路群104に、反転増幅回路150と、電圧調整回路155と、さらに反転増幅回路150と電圧調整回路155の間に反転回路154を設けた場合について説明する。
図4に示すように、遮光された第2のフォトダイオード102の第2の端子はGNDより高い電位V1が供給され、第1の端子は反転増幅回路150が有するオペアンプ140aの反転入力端子に接続されている。一方、オペアンプ140aの非反転入力端子は接地(GND)に接続され、出力端子は抵抗151を介してオペアンプ140aの反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ140aの出力端子は次段の反転回路154が有する抵抗152を介してオペアンプ140bの反転入力端子に接続されており、反転増幅回路150からの出力電圧が反転回路154に入力される。
反転増幅回路150の一構成について図5を用いて説明する。反転増幅回路150は、第1のトランジスタ141、第2のトランジスタ142、第3のトランジスタ143、第4のトランジスタ144、第5のトランジスタ145、第6のトランジスタ146、第7のトランジスタ147と、抵抗151とを有する。なお、第1のトランジスタ141、第2のトランジスタ142、第5のトランジスタ145及び第7のトランジスタ147と、第3のトランジスタ143、第4のトランジスタ144及び第6のトランジスタ146とでは、トランジスタの極性が異なる。本実施形態は、第1のトランジスタ141、第2のトランジスタ142、第5のトランジスタ145及び第7のトランジスタ147にNチャネル型トランジスタを、第3のトランジスタ143、第4のトランジスタ144及び第6のトランジスタ146にPチャネル型トランジスタを用いた場合である。
第2のフォトダイオード102からの出力電圧、即ち反転増幅回路150への入力電圧は、第5のトランジスタ145のゲート電極に入力される。第2のトランジスタ142のゲート電極は接地(GND)に接続され、第2のトランジスタ142の第1の電極は第3のトランジスタ143の第2の電極及び第6のトランジスタ146のゲート電極と接続されている。一方、第2のトランジスタ142の第2の電極は第1のトランジスタ141の第1の電極及び第5のトランジスタ145の第2の電極と接続されている。また、第5のトランジスタ145の第1の電極は、第4のトランジスタ144の第2の電極及びゲート電極並びに第3のトランジスタ143のゲート電極に接続されている。第3のトランジスタ143の第1の電極は、第6のトランジスタ146及び第4のトランジスタ144の第1の電極に接続されており、これら第1の電極には電位Vddが供給されている。また、第6のトランジスタ146の第2の電極は、第7のトランジスタ147の第1の電極及び抵抗151を介して第5のトランジスタ145のゲート電極と接続されている。また、第7のトランジスタ147の第2の電極は第1のトランジスタ141の第2の電極と接続されており、これら第2の電極はVssに接続されている。また、第1のトランジスタ141のゲート電極と第7のトランジスタ147のゲート電極とは接続されており、これらゲート電極には電源148を用いて第1のトランジスタ141及び第7のトランジスタ147が共に導通状態となる電位が供給されている。
反転増幅回路150の出力電圧Voutは、第6のトランジスタ146の第2の電極と第7のトランジスタ147の第1の電極との接続箇所の電位から得ている。なお、この反転増幅回路150からの出力により第7のトランジスタ147の第1の電極の電位が低下しないように、第6のトランジスタ146のチャネル幅を第7のトランジスタ147のチャネル幅より大きく設定する方が好ましい。
また、電源148より供給する電位は、第1のトランジスタ141及び第7のトランジスタ147が共に導通状態となる電位であれば良いため、第1のトランジスタ141のしきい値電圧と第7のトランジスタ147のしきい値電圧の大きい方の値をVthとした時Vss+Vth以上の値であれば良い。よって、電源148における電源電圧を低く設定することが可能であり、さらに電源148より供給する電位を反転増幅回路150に供給したVss及びVddを用いて生成することができるため、反転増幅回路150の動作電圧を低くすることが可能となる。Vssの電位によっては、電源148は図3におけるボルテージフォロワ回路121に供給したGND及びVddやボルテージフォロワ回路121の電源138を用いても良い。なお、反転増幅回路150に供給する電圧、即ち|Vdd−Vss|は、第1のトランジスタ141と第2のトランジスタ142と第3のトランジスタ143のしきい値の合計以上であれば良い。
また、第3のトランジスタ143と第4のトランジスタ144はカレントミラー回路を構成しており、該カレントミラー回路において第3のトランジスタ143をさらに並列に設けた構成としても良い。ただし、その場合には第1のトランジスタ141及び第2のトランジスタ142の第1の電極の電位が一段の場合の電位と同様に保つよう第1のトランジスタ141及び第2のトランジスタ142をさらに並列に設ける必要がある。もちろん、第3のトランジスタ143の第2の電極と第4のトランジスタ144の第2の電極の電位は同一であることを必要とする。
このようにして得られた反転増幅回路150からの出力電圧は、図4における反転回路154に入力される。なお、反転増幅回路150が有するオペアンプ140aの出力端子は反転回路154が有する抵抗152を介してオペアンプ140bの反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ140bの非反転入力端子はGNDと接続され、出力端子は抵抗153を介してオペアンプ140bの反転入力端子に接続されている。なお、反転回路154の出力電圧は、オペアンプ140bの出力端子の電位より得ることができる。ここでは、第2のフォトダイオード102より得られた出力における増幅は反転増幅回路150が有する抵抗151を用いて行い、反転回路154では抵抗152と抵抗153の抵抗値を同一とし反転のみを行っている。なお、反転回路154が有するオペアンプ140bは上述したオペアンプ140aと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、オペアンプ140bの出力端子は、電圧調整回路155が有するオペアンプ120bの非反転入力端子に接続され、反転回路154からの出力電圧は電圧調整回路155に入力される。また、電圧調整回路155が有するオペアンプ120bの反転入力端子は抵抗157を介して電位V2に接続され、出力端子は抵抗156を介してオペアンプ120bの非反転入力端子に接続されている。なお、電圧調整回路155の出力電圧Voutは、オペアンプ120bの出力端子の電位より得ることができる。電圧調整回路155が有するオペアンプ120bは上述したオペアンプ120aと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
なお、第2のフォトダイオード102の第1の端子に供給する電位V1には、第2のフォトダイオード102における温度に対する電流特性が線形となる領域の電位を選択する。そのため、V1は前記条件を満たす電位であれば良く、オペアンプ120a、オペアンプ120b、オペアンプ140a、オペアンプ140b等に供給する電位Vdd以下とすることも可能である。
また、電圧調整回路155では入力電圧を所定の温度における電圧を0Vとする電圧値に調整する。そのため、V2は抵抗156と抵抗157の抵抗値が等しいときには、所定の温度における電圧の2倍した電位を供給すれば良い。なお、ここでは抵抗156と抵抗157の抵抗値が等しい場合について述べたが、抵抗156と抵抗157の抵抗値の比が1でない場合には所定の温度における電圧値の(1+(抵抗156)/(抵抗157))倍の電位を供給すれば良い。また、反転増幅回路150が有する抵抗151の抵抗値は、図1における第1のフォトダイオード101からの出力における温度依存性と電圧調整回路155からの出力における温度依存性が等しくなるよう設定する。そのため、電圧調整回路155における抵抗156と抵抗157の抵抗値を考慮にいれたうえで設定する必要がある。なお、反転回路154において、抵抗152と抵抗153の抵抗値が等しい場合について述べたが、これら抵抗の比を変えることで増幅機能を持たせることも可能である。その場合、もちろんこの抵抗値も考慮したうえで、反転増幅回路150及び電圧調整回路155が有する抵抗値を設定する必要がある。
このような反転増幅回路150、反転回路154及び電圧調整回路155を介して、第2のフォトダイオード102から得られた出力を図1における第2の回路群104からの出力とし、補正用回路105に入力する。また、第2の回路群104は上記の構成に限らず、さらに反転回路を有していても良い。その場合には第1の回路群103にも反転回路を追加する必要がある。
次に、第1の回路群103からの出力及び第2の回路群104からの出力を加算及び減算、もしくはそのいずれか一方を行う補正用回路105について図6を用いて説明する。なお、第1の回路群103からの出力電圧をVa、第2の回路群104からの出力電圧をVbと記す。本実施形態では、補正用回路105として上述したように反転加算回路を用いた例について説明する。なお、反転加算回路160が有するオペアンプ140は上述したオペアンプ140a及びオペアンプ140bと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、第1の回路群103における出力端子は抵抗161を介してオペアンプ140の反転入力端子に接続され、同様に第2の回路群104における出力端子は抵抗162を介してオペアンプ140の反転入力端子に接続されている。なお、これら各回路群の出力端子がそれぞれ抵抗を介し接続されている箇所をノード164とすると、オペアンプ140の出力端子は抵抗163及びノード164を介して反転入力端子に接続されている。一方、非反転入力端子は接地(GND)に接続されている。ここでは、反転加算回路160の働きを出力電圧Vaと出力電圧Vbとの加算のみとすると、抵抗161、抵抗162及び抵抗163における抵抗値は同一のものとすれば良い。なお、これに限定されず、出力を増幅したい場合等については、これら抵抗の値を適宜選択すれば良い。
上記反転加算回路160を用いて、第1の回路群から得られた出力電圧Vaと第2の回路群から得られた出力電圧Vbを加算することができる。
このように、図1に示す補正用回路105では、第2の回路群104より得られた所定の温度の電圧を基準とする電圧を第1の回路群103より得られた電圧に加算及び減算、もしくはそのいずれか一方を行うことで温度補償を行う。即ち、第1のフォトダイオード101から得られた出力を、第2のフォトダイオード102を用いて前記所定の温度に換算することが可能となる。このようにして、第1のフォトダイオード101における温度に起因した出力変動を除去することができる。よって、光を検出する際、光以外の外部因子を取り除くことでより正確に照度を測定することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施形態では、本発明における半導体装置の作製方法について説明する。なお、本発明において回路群を構成するトランジスタと第1及び第2のフォトダイオードとを抜き出した部分断面図の一例を図7乃至図9に示し、これを用いて説明する。
まず、図7(A)に示すように基板701の一表面に下地膜として機能する絶縁膜702と半導体膜703(例えば、非晶質珪素を含む膜)を積層して形成する。
なお、基板701は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えばセラミック基板またはステンレス基板など)、Si基板等の半導体基板から選択されるものである。他にもプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリルなどの基板を選択することもできる。
また、絶縁膜702は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、絶縁膜702を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜702は、基板701からその上に形成される素子に不純物元素が混入することを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブロッキング層として機能する絶縁膜702を形成することによって、基板701からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属がこの上に形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板701として石英を用いるような場合には絶縁膜702を省略してもよい。
次に、半導体膜703にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により半導体膜703の結晶化を行ってもよい。その後、図7(B)に示すように得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして結晶化した結晶質半導体膜704a〜704cを形成し、少なくとも当該半導体膜704a〜704cを覆うようにゲート絶縁膜を形成する。なお、ここでは、半導体膜704a〜704cを覆うようにゲート絶縁膜705を形成している。
なお、ゲート絶縁膜705は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶縁膜705を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成してもよい。
結晶質半導体膜704a〜704cの作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜704a〜704cを形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
なお、結晶化に用いるレーザー発振器としては、連続発振型のレーザービーム(CWレーザービーム)やパルス発振型のレーザービーム(パルスレーザービーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザービームは、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザービームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザービームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶のYAG、YVO4、フォルステライト(Mg2SiO4)、YAlO3、GdVO4、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y2O3、YVO4、YAlO3、GdVO4に、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、またはTi:サファイアレーザーは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザービームを発振させると、半導体膜がレーザーによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜705は、半導体膜704a〜704cに対し前述の高密度プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような高密度プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さのばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界において酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜705は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、さらにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜704a〜704cは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜705上に、第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。ここでは、第1の導電膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いて形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成しても良い。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、図7(C)に示すように半導体膜704a〜704cの上方にゲート電極706を形成する。ここでは、ゲート電極706として、第1の導電膜706aと第2の導電膜706bの積層構造で設けた例を示している。
次に、ゲート電極706をマスクとして半導体膜704a〜704cに、イオンドープ法またはイオン注入法により、n型を付与する不純物元素を低濃度に添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度に添加する。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1015〜1×1019/cm3の濃度で含まれるように半導体膜704a〜704cに選択的に導入し、n型を示す不純物領域707を形成する。また、p型を付与する不純物元素としてボロン(B)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように選択的に半導体膜704cに導入し、p型を示す不純物領域708を形成する。
続いて、ゲート絶縁膜705とゲート電極706を覆うように、絶縁膜を形成する。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。次に、絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、図7(D)に示すようにゲート電極706の側面に接する絶縁膜709(サイドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜709は、LDD(Lightly Doped Drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極706および絶縁膜709をマスクとして用いて、半導体膜704a、704bにn型を付与する不純物元素を高濃度に添加して、n型を示す不純物領域710を形成する。ここでは、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1019〜1×1020/cm3の濃度で含まれるように半導体膜704a、704bに選択的に導入し、高濃度のn型を示す不純物領域710を形成する。
以上の工程により、nチャネル型薄膜トランジスタ700a、700bとpチャネル型薄膜トランジスタ700cが形成される。このように複数の薄膜トランジスタを同一工程にて作製することで、製造コストを削減し、信頼性を向上させることが可能である。
なお、nチャネル型薄膜トランジスタ700aは、ゲート電極706と重なる半導体膜704aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極706及び絶縁膜709と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域710が形成され、絶縁膜709と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域710の間の領域には低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジスタ700bも同様にチャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域710が形成されている。
また、pチャネル型薄膜トランジスタ700cは、ゲート電極706と重なる半導体膜704cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極706と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域708が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ700cには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成としてもよい。
次に、図8(A)に示すように、半導体膜704a〜704c、ゲート電極706等を覆うように、絶縁膜を単層または積層にして形成し、薄膜トランジスタ700a〜700cのソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域708、710と接続するソース電極又はドレイン電極712及び電極713、714、715を形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法、SOG法、液滴吐出法、スクリーン印刷法等により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料やシロキサン材料等により、単層または積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で設け、1層目の絶縁膜711aとして窒化酸化珪素膜で形成し、2層目の絶縁膜711bとして酸化窒化珪素膜で形成する。また、ソース電極又はドレイン電極712及び電極713、714、715は同一の材料で同時に形成することができる。
なお、絶縁膜711a、711bを形成する前、または絶縁膜711a、711bのうちの1つまたは複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを適用するとよい。
また、ソース電極又はドレイン電極712及び電極713、714、715は、CVD法やスパッタリング等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料を用いて、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えばアルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料等に相当する。なお、ソース電極又はドレイン電極712及び電極713、714、715は、後に形成する光電変換層(代表的にはアモルファスシリコン)と反応して合金になりにくい材料を用いることが望ましい。
また、図8(A)に示すようにソース電極又はドレイン電極712及び電極713、714、715の端部は、テーパ形状とすることが好ましい。なお、テーパー角は80度以下、望ましくは45度以下になるよう、例えばエッチング法により形成する。これにより、後に形成する光電変換層のカバレッジがよくなり、信頼性を向上することができる。なお、ここでテーパ角とは、電極の側面と底面がなす傾斜角をいう。
次に、図8(B)に示すように電極713の一部に接してp型半導体層716p及び電極714上にp型半導体層717pを形成する。本実施形態ではp型半導体層716p、717pとして、例えばp型アモルファス半導体膜を形成する。p型アモルファス半導体膜は、周期表第13族の不純物元素、例えばホウ素(B)を含んだセミアモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成しても良いし、セミアモルファスシリコン膜を形成後、13族の不純物元素を導入してもよい。
なお、セミアモルファス半導体膜とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)膜の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体膜は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体膜であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体膜中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体膜は、そのラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端化するために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。本明細書では便宜上、このような半導体膜をセミアモルファス半導体(SAS)膜と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体膜が得られる。なお、微結晶半導体膜(マイクロクリスタル半導体膜)もセミアモルファス半導体膜に含まれる。
また、SAS膜は珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪素を含む気体をとしては、SiH4であり、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪素を含む気体を希釈して用いることで、SAS膜の形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪素を含む気体を希釈することが好ましい。また、さらに珪素を含む気体中に、CH4、C2H6などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
p型半導体層716p、717pを形成した後、さらに導電型を付与する不純物を含まない半導体層(真性半導体層、またはi型半導体層という)716i、717i及びn型半導体層716n、717nを順に形成する。
なお、本明細書においてはi型半導体層とは、半導体層に含まれるp型もしくはn型を付与する不純物濃度が1×1020cm−3以下であり、酸素及び窒素が5×1019cm−3以下である半導体層を指す。なお、光伝導度は暗伝導度に対して1000倍以上であることが好ましい。また、i型半導体層には、ホウ素(B)が10〜1000ppm添加されていてもよい。
i型半導体層716i、717iとしては、例えばプラズマCVD法でセミアモルファスシリコン膜を形成すればよい。また、n型半導体層716n、717nは、周期表15族の不純物元素、例えばリン(P)を含むセミアモルファスシリコン膜を形成してもよいし、セミアモルファスシリコン膜を形成後、15族の不純物元素を導入してもよい。
以上のようにして、p型半導体層716pとi型半導体層716iとn型半導体層716nとを積層した構成の光電変換層を有する第1のフォトダイオード716及びp型半導体層717pとi型半導体層717iとn型半導体層717nとを積層した構成の光電変換層を有する第2のフォトダイオード717が作製される。
またp型半導体層716p、717p、i型半導体層716i、717i、n型半導体層716n、717nとして、セミアモルファス半導体膜だけではなく、アモルファス半導体膜を用いて形成してもよい。
次に、図8(C)に示すように全面を覆って絶縁膜718を形成する。なお、絶縁膜718には絶縁膜711a、711bと同様の材料及び同様の作製方法を適宜選択して用いることが可能であるが、ここではスクリーン印刷法を用いてエポキシ樹脂が形成されている。
次いで、図9(A)に示すように絶縁膜718上に、薄膜トランジスタ700aのソース電極又はドレイン電極712に接続される電極719を形成する。同様に、絶縁膜718上に第1のフォトダイオード716が有する光電変換層の最上層(ここではn型半導体層716n)に接続される電極720が形成される。また、第2のフォトダイオード717が有する光電変換層の最上層(ここではn型半導体層717n)には前記光電変換層より大きな占有面積を占める電極721が形成されている。このように、第2のフォトダイオード717が有する光電交換層は電極714及び電極721を用いて遮光された構成となっている。なお、電極719、720、721は同一の材料で同時に形成することができる。また、これら電極は、電極713、714等と同様の材料及び同様の作製方法を適宜選択して用いることが可能であるが、後の工程で設けられる半田とのぬれ性や実装時の強度等を考慮して選択することが好ましい。例えば、電極719、720、721は、スパッタリング法及びフォトリソグラフィ法を用いてチタン(Ti)で形成すれば良い。
次に封止樹脂として絶縁膜722を、絶縁膜718、電極719、720、721上にスクリーン印刷等により形成する。絶縁膜722には絶縁膜711a、711bと同様の材料及び同様の作製方法を適宜選択して用いることが可能である。ただし、絶縁膜722は、外部からの入力や外部への出力に用いる電極上の一部には形成されず、ここでは電極719の一部に露出した領域が形成された場合について示している。なお、図9(A)とは異なる断面では、第1のフォトダイオード716におけるn型半導体層716nに接続される電極720及び第2のフォトダイオード717におけるp型半導体層717pに接続される電極721の一部においても露出した領域が形成されている。
次いで図9(B)に示すように、絶縁膜722上に、電極719に接続される電極723をスクリーン印刷法等によって形成する。電極723は半田電極であり、外部からの入力電極もしくは外部への出力電極としての機能を有する。また、電極723には、半田の他に金属(金、銀等)で形成されるバンプ、又は導電性樹脂で形成されるバンプ等を用いることができる。また、環境問題を考慮して鉛フリー半田を用いてもよい。
以上のようにして、本発明の半導体装置を作製することができる。よって、同一基板上にトランジスタを用いて構成された回路群及びフォトダイオードを一体形成することによって、コストの削減、薄型化による部品体積の低減及び実装面積の縮小を図ることができる。また、ノイズの重畳を低減することも可能である。
また、第1のフォトダイオード716及び第2のフォトダイオード717を同一工程にて作製することで、これらフォトダイオードの特性を揃えることにでき、さらに本発明の半導体装置における信頼性を向上させることが可能である。
なお、第1のフォトダイオード716及び第2のフォトダイオード717において、p型半導体層、i型半導体層及びn型半導体層の積層順序は上記に限定されず、n型半導体層、i型半導体層及びp型半導体層の順で積層してもよい。
また、本発明の半導体装置は上記に限定されず、例えば図10に示すように第2のフォトダイオード817を第1のフォトダイオード716と同様の構造としても良い。なお、このような構造とすることで、フォトダイオードの静電気による破壊を抑制することができるためより好ましい。ただし、第2のフォトダイオード817は遮光されている必要があり、ここでは遮光膜806を用いて第2のフォトダイオード817への光の入射を遮断している。この遮光膜806は、薄膜トランジスタ700a〜700cのゲート電極706と同一の材料で同時に形成することができる。このように、第1のフォトダイオード716と第2のフォトダイオード817を同様の構造とすることができる。また、第2のフォトダイオードを遮光するために必ずしもp型半導体層とi型半導体層とn型半導体膜とが積層された光電変換層に接続された電極を用いる必要はない。
また、薄膜トランジスタ700a〜700cはトップゲート型薄膜トランジスタに限らず、図11に示すように半導体層の下にゲート電極901を有するボトムゲート型薄膜トランジスタでもよい。なお、半導体層にはn型もしくはp型を示す不純物領域及びチャネル形成領域が形成されている。また、第2のフォトダイオード817は電極721及び遮光膜902を用いて遮光されている。この遮光膜902は、薄膜トランジスタ900a〜900cのゲート電極901と同一の材料で同時に形成することができる。
また、本実施形態では第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードはPIN型としたが、特にこれに限定されない。
以上のように、本発明の半導体装置は第2のフォトダイオードが遮光されれば上記に限定されず様々な構成をとることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることが可能である。
(実施の形態3)
本実施形態では、本発明により得られた半導体装置を光センサとして様々な電子機器に組み込んだ例について説明する。本発明が適用される電子機器として、コンピュータ、ディスプレイ、携帯電話、テレビなどが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図12乃至図15に示す。なお、本発明の半導体装置が適用される電子機器は、これら具体的な例示に限定されない。
図12は携帯電話に本発明を適用した一例であり、本体(A)1201、本体(B)1202、筐体1203、操作キー1204、音声出力部1205、音声入力部1206、回路基板1207、表示パネル(A)1208、表示パネル(B)1209、蝶番1210、透光性材料部1211、光センサ1212を有している。本発明は光センサ1212に適用することができる。
光センサ1212は透光性材料部1211を透過した光を検知し、検知した外部光の照度に合わせて表示パネル(A)1208及び表示パネル(B)1209の輝度コントロールを行ったり、光センサ1212で得られる照度に合わせて操作キー1204の照明制御を行う。これにより携帯電話の消費電力を低減することができる。また、本発明の半導体装置は低い電源電圧で動作させることが可能なため、さらに消費電力を低減することができる。
次に上記とは異なる携帯電話の例について図13(A)及び図13(B)に示す。図13(A)及び図13(B)において、1221は本体、1222は筐体、1223は表示パネル、1224は操作キー、1225は音声出力部、1226は音声入力部、1227及び1228は本発明を適用した光センサである。
図13(A)に示す携帯電話では、本体1221に設けられた光センサ1227により外部の光を検知することにより表示パネル1223及び操作キー1224の輝度を制御することが可能である。
また、図13(B)に示す携帯電話では、図13(A)の構成に加えて、本体1221の内部に光センサ1228を設けている。光センサ1228により、表示パネル1223に設けられているバックライトの輝度を検出し、輝度を制御することも可能となる。
これら光センサ1227、1228により携帯電話の消費電力を低減することが可能となる。さらに、本発明の半導体装置は低い電源電圧で動作させることが可能なため、さらに消費電力を低減することができる。
図14(A)はコンピュータであり、本体1231、筐体1232、表示部1233、キーボード1234、外部接続ポート1235、ポインティングデバイス1236等を含む。また、図14(B)は表示装置でありテレビ受像器などがこれに当たる。本表示装置は、筐体1241、支持台1242、表示部1243などによって構成されている。
図14(A)のコンピュータに設けられる表示部1233、及び図14(B)に示す表示装置の表示部1243として、液晶パネルを用いた場合の詳細な構成を図15に示す。図15に示す液晶パネル1262は、筐体1261に内蔵されており、基板1251a及び1251b、基板1251a及び1251bに挟まれた液晶層1252、偏光フィルタ1252a及び1252b、バックライト1253等を有している。なお、筐体1261には光センサ部1254が形成されている。
本発明を用いて作製された光センサ部1254はバックライト1253からの光量を感知し、その情報がフィードバックされて液晶パネル1262の輝度が調節される。よって、コンピューターや表示装置の消費電力を低減することが可能となる。さらに、本発明の半導体装置は低い電源電圧で動作させることが可能なため、さらに消費電力を低減することができる。
図16(A)及び図16(B)は、本発明の光センサをカメラ、例えばデジタルカメラに組み込んだ例を示す図である。図16(A)は、デジタルカメラの前面方向から見た斜視図、図16(B)は、後面方向から見た斜視図である。図16(A)において、デジタルカメラには、リリースボタン1301、メインスイッチ1302、ファインダ窓1303、フラッシュ1304、レンズ1305、鏡胴1306、筺体1307、光センサ1314が備えられている。また、図16(B)において、ファインダ接眼窓1311、モニタ1312、操作ボタン1313が備えられている。
リリースボタン1301は、半分の位置まで押下されると、焦点調整機構および露出調整機構が作動し、最下部まで押下されるとシャッターが開く。メインスイッチ1302は、押下又は回転によりデジタルカメラの電源のON/OFFを切り替える。ファインダ窓1303は、デジタルカメラの前面のレンズ1305の上部に配置されており、図16(B)に示すファインダ接眼窓1311から撮影する範囲やピントの位置を確認するための装置である。フラッシュ1304は、デジタルカメラの前面上部に配置され、被写体輝度が低いときに、リリースボタンが押下されてシャッターが開くと同時に補助光を照射する。レンズ1305は、デジタルカメラの正面に配置されている。レンズは、フォーカシングレンズ、ズームレンズ等により構成され、図示しないシャッター及び絞りと共に撮影光学系を構成する。また、レンズの後方には、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子が設けられている。鏡胴1306は、フォーカシングレンズ、ズームレンズ等のピントを合わせるためにレンズの位置を移動するものであり、撮影時には、鏡胴を繰り出すことにより、レンズ1305を手前に移動させる。また、携帯時は、レンズ1305を沈銅させてコンパクトにする。なお、本実施の形態においては、鏡胴を繰り出すことにより被写体をズーム撮影することができる構造としているが、この構造に限定されるものではなく、筺体1307内での撮影光学系の構成により鏡胴を繰り出さずともズーム撮影が可能なデジタルカメラでもよい。ファインダ接眼窓1311は、デジタルカメラの後面上部に設けられており、撮影する範囲やピントの位置を確認する際に接眼するために設けられた窓である。操作ボタン1313は、デジタルカメラの後面に設けられた各種機能ボタンであり、セットアップボタン、メニューボタン、ディスプレイボタン、機能ボタン、選択ボタン等により構成されている。
本発明を適用した光センサを図16(A)及び図16(B)に示すカメラに組み込むと、光センサが光の有無及び強さを感知することができ、より正確にカメラの露出調整等を行うことができる。
また本発明の光センサはその他の電子機器、例えばプロジェクションテレビ、ナビゲーションシステム等に応用することが可能である。すなわち光を検出する必要のあるものであればいかなるものにも用いることが可能である。光を検出した結果を、電子機器が有する照明制御装置等にフィードバックすることで、消費電力を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることが可能である。