JP4876256B2 - 形状評価方法、形状評価装置、及び形状評価装置を備えた装置 - Google Patents

形状評価方法、形状評価装置、及び形状評価装置を備えた装置 Download PDF

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Description

本発明は、形状の曲面品質評価に関し、形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータ上でシミュレートすることによって形状評価を行う形状評価方法、形状評価装置、及び形状評価装置を備えた装置に関する。
自由曲面は、船、自動車、飛行機等、様々な工業製品のボディに用いられており、機能性と美しさの両方を兼ね備えるものであり、家庭電気製品や多くの消費材の外観など意匠的の美しい形状のデザイン設計に用いられる。これらの曲面は、Class A surface(一級曲面)と呼ばれる。Class A surface(一級曲面)の美しさを見積もるために種々の評価方法が提案され用いられている。
意匠形状の曲面の品質評価は、三次元CAD、CAMシステムの普及と共に、工業用設計や製造分野等での利用性が高まっている。例えば、自動車の外板ボディの設計では、デザイナは平行な蛍光灯をクレイモデルに照射し、クレイモデルの表面に映し出される反射光を目視し、反射光が形成曲面上に形成する反射線によって形状の外観を観察し、反射線の歪みから修正箇所を検出する。
蛍光灯からの平行光を実際のモデルに照射することによる品質評価に代えて、コンピュータ上でシミュレートを行う形状評価が提案されている。コンピュータ上において、評価対象の形状曲面に光のラインを形成する手法として、Isophotes、Reflection line(反射線)、Highlight line(ハイライト線)を用いた評価方法が知られている。これら評価方法は、評価する曲面の一回微分を用いた検査方法である。これら形状評価を行う反射線やハイライト線は特徴線(characteristic line)と総称される。
Isophotesによる形状評価は、ユーザーにより指定された方向の無限遠方にある点光源によって作り出される曲面上の一定照度の曲線を用いる。これらの曲線は曲面のゆがみを検出するのに用いられている。曲面がCM連続であればIsophotes linesはCM-1連続である(非特許文献1,2)。
反射線による形状評価は、固定点から見た平行な直線群の光源から放射される光のなめらかな曲面上での鏡像のシミュレーションによるもので、曲面の滑らかな形状からのズレを反射線のゆがみにより検出する。これらの曲面のズレは、反射線のゆがみを修正することにより修正することができる。
単純で物理的に受け入れることができるBlinn-Newellタイプの反射の写像関数を用いてトリムされたNURBS曲面における反射線を生成するものが提案されている(非特許文献3)。また、非特許文献4には直線に沿った連鎖状の小さな円形光源群の反射線の計算を行うことが提案されている。
図27(a)は反射線による形状評価を説明するための概略図である。図27(a)において、評価面100に対して線光源101から直線状の平行光を照射し、評価面100で反射した光を視点Eで観察する。視点Eと線光源101とは、評価面100上の法線Nに対して対称の角度位置(角度θ)にあり、視点Eでは線光源101は反射線102として観察される。反射線による形状評価では、線光源101及び視点Eの位置に対して評価面100上に映し出される反射線102をコンピュータによってシミュレートして求める。
また、直線状の反射線に代えてオーバール状の曲線を用いて形状評価することも提案されている(非特許文献5)。図28はオーバール状曲線による形状評価を説明するための概略図である。この非特許文献では、図28(a)において、空間上に点Psを設定したとき、入射光V*がr*方向に反射する評価面上の点Sの中で、r*のベクトルと点Sから点Psへのベクトルとが成す角度がαとなる点を求める。この2つのベクトルが成す角度がαとなる評価面上の点Sの集まりは、これを反射線として求めている角度αのアイソクライン(等斜褶曲)に近似しており、(図28(b))。なお、ここで“*”の記号はベクトルを表している。
上記した反射線に対して、ハイライト線による形状評価は反射線による形状評価を単純化したものである。ハイライト線は視点によらないため、反射線による形状評価のように視点の位置の計算が不要である(非特許文献6)。
図29(a),(b)はハイライト線による形状評価を説明するための概略図である。図29(b)において、評価面100の法線Nの延長と線光源101との距離が所定範囲内となる評価面100上の曲線が、ハイライト線103として観察される。
このハイライト線のシミュレートは、視点を不要とするため演算時間が短縮される。
このハイライト線による形状評価において、NURBS曲面に映るハイライト線の形状を特定することによって自動的にNURBS曲面の制御点を更新し、要求される形状を求める方法が提案され(非特許文献7)、NURBS boundary Gregory patchを用いて直接ハイライト線をコントロールする方法が提案されている(非特許文献8)。
また、リアルタイムでのインタラクティブ・デザインにおいてハイライト線を修正することによりNURBS曲面の局所的なゆがみを取り除く方法が提案されている(非特許文献9)。
また、処理時間が長い追跡法に代えてTalor展開を用いた方法によって局所的に変形したNURBS曲面上での動的なハイライト線を生成する方法が提案されている(非特許文献10)。
N.M.Patrikalakis and T.Maekawa. Shape Interrogation for Computer Aided Design and Manufacturing Heidelberg,Germany:Springer-Verlag,2002. T.Poeschl. Detecting surface irregularities using isophotes. Computer Aided Geometric Design,1(2):163-168,1984. I.Choi and K.Lee.Efficient generation of reflection lines to evaluate car body surfaces. Mathematical Engineering in Industry,7(2):233-250,1998. T.Kanai.Surface interrogation by reflection lines of a moving body Bachelor’s thesis The University of Tokyo, Department of Precision Machinery Engineering,Tokyo,Japan,1992.InJapanese.http://web.sfc.keio.ac.jp/kanai/rline/bth.pdf Gershon Elber.Curve Evaluation and Interrogation on Surfaces,Graphical Models,Vol.63 :197-210,2001 K.-P.Beier and Y.Chen.Highlight-line algorithm for realtime surface-quality assessment. Computer-Aided Design,26(4):268-277,1994 Y.Chen, K.-P.Beier and D.Papageorgiou.Direct highlight line modification on NURBS surfaces. Computer-Aided Geometric Design,14(6):583-601,1997 J.Sone and H.Chiyokura. Surface highlight control using quadratic blending NURBES boundary Gregory patch. Journal of Information Processing Society of Japn,37(12):2212-2222,1996.In Japanese. C.Zhang and F.Cheng. Removing local irregularities of NURBS surfaces by modifying highlight lines. Computer-Aided Design,30(12):923-930,1998. J.-H.Yong, F.Cheng, Y.Chen,P.Stewart,and K.T.Miura Dynamic highlight line generation for locally deforming NURBS surfaces. Computer-Aided Design,35(10):881-892,2003. J.E.Hacke.A simple solution of the general quartic.American Mathematical Monthly,48(5):327-328, 1941
従来提案されている反射線による形状評価、及びハイライト線による形状評価では、光源として多くは直線状の線光源を用いているため、形成される反射線やハイライト線等の特徴線は評価面上で一方向の形状特性を表すことになる。評価面の曲面の全ての方向のゆがみを観察するには、一方向の特徴線だけでは十分に評価することができないため、光源の向きを変えて少なくとも二方向の特徴線が必要となる。
図29は従来の特徴線による形状評価を説明するための図である。図29(a)、(b)は、直線状の線光源をそれぞれ異なる配置方向とした場合に得られる二つの方向の特徴線を示している。線光源の向きを異ならせることで、一方向による特徴線で観察されない形状特性を他方向による特徴線を取得し、これにより二方向の観察を可能としている。
したがって、従来の形状評価では、曲面の全ての方向のゆがみを観察するには、複数少なくとも二回の演算が必要となり、演算時間が長時間化するという問題、あるいはより高速の演算装置が必要となるという問題がある。
また、通常、パラメータを変更しながら最適値を求める繰り返し計算を要するため、一回の演算自体においても演算に長時間を要するという問題がある。
前記した非特許文献5には、オーバール状の曲線を用いて形状評価することが提案されている。しかしながら、この形状評価では、固定点との角度が一定となるような反射光に基づいて評価面上の反射線を求めるものであるため、光源側の形状は必ずしも円環状の形状と成らない。また、反射線を求める際の演算の条件として、固定点との角度を定めているが、この条件と反射線との物理的な関係が不明である。上記したように、光源側の形状が円環形状となる保証がなく、また反射線を求める条件の基礎が不明であるため、求めた反射線が、評価対象の表面形状を正確に表しているかの保証がないという問題がある。また、ハイライト線を求めることができないという問題がある。
また、提案されている反射線による形状評価、及びハイライト線による形状評価では、光源から発せられる光は静止した状態にある。そのため、光源から発せられた光が評価面上に映し出す反射線あるいはハイライト線は、静的形状として観察される。評価者は、この静的形状に基づいて評価面の形状状態を想像し、評価しなければならないという問題がある。そのため、評価の確度は、評価者の熟練度に依存するという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータ上でシミュレートする形状評価において、全ての方向のゆがみを一回の演算で検出することを目的とする。
また、形状評価を行う特徴線の算出に要する演算回数を減らし、演算時間を短縮することを目的とする。
また、反射線やハイライト線の特徴線による形状評価を評価者に依存することなく容易に行うことを目的とし、また、反射線やハイライト線の特徴線を時間的に変化させ、動的形状による評価を可能とすることを目的とする。
本発明は、形状評価方法、形状評価装置、形状評価装置を備えた装置、及びプログラム媒体の各態様とすることができる。
本発明は、直線状の光源に代えて円環状光源乃至同心円状の光源を用いてシミュレートして形状評価を行う特徴線を算出することによって、一回の演算によって全ての方向のゆがみを観察することができる特徴線を求める。
円環状光源は、円中心から外縁部までの円内部の全面から光を発するものではなく、円の縁部を円形形状とし、線状又は環状の光を発するものである。
本発明の形状評価は、形状の曲面を特徴線によって評価する形状評価であり、三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が曲面上を照射して形成するサーキュラーハイライト線、あるいは曲面上で反射して視点位置に入射するサーキュラー反射線を特徴線とする。なお、ここでは、曲面は平面を含むものとする。
この特徴線は、円環状光源からの光が曲面上を照射又は反射する点を、曲面上の点の中から演算により抽出することで形成する。形状評価装置は、円環状光源からの光が曲面上を照射又は反射する点を曲面上の点の中から抽出して特徴線を形成する演算手段を備える。
曲面上の点の中から特徴線を形成する点を抽出する演算は、曲面上の点を通る所定方向のベクトルの中で、円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルを求め、そのベクトルが曲面上を通る点を求める。
サーキュラーハイライト線は、曲面上の点において法線方向のベクトルの中で円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離が所定範囲内となるベクトルを求め、そのベクトルが曲面上を通る点を求めることで得ることができる。
また、サーキュラー反射線は、ベクトルが通る曲面上の点における法線に対して、その点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルの中で円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離が所定範囲内となるベクトルを求め、そのベクトルが曲面上を通る点を求めることで得ることができる。
また、特徴線は曲線の他、幅を有するバンドとしてもよい。曲線は、ベクトルと円との距離を零とする点により形成される1本の曲線であり、バンドは、ベクトルと円との距離を所定範囲の上限値及び下限値とする点により形成される2本の曲線によって挟まれる。
上記演算は、より詳細には、円と前記ベクトルとの距離を表す距離ベクトルを求める工程と、距離ベクトルから距離関数を求める工程と、距離関数の値が所定値となる曲面上の点を求める工程を備える。
本発明は、特徴線を時間的に変化する動的形状とするために、円の中心及び/又は半径を時間的に変化させる。また、この時間的変化を複数の円に適用して、複数の特徴線を形成することができる。
また、複数の円の中心及び/又は半径を時間的に変化させ、各時点における特徴線の不連続点を時間順に繋ぐ連結線を形成することによって、評価面の折れ部分等の特徴的な箇所を抽出することができる。
また、形状評価装置が備える演算装置は、円と前記ベクトルとの距離を表す距離ベクトルを求める距離ベクトル演算部と、距離ベクトルから距離関数を求める距離関数部と、距離関数の値が所定値となる曲面上の点を求める距離関数演算部とを備える。
演算手段の距離ベクトル演算部において、サーキュラーハイライト線を求める場合には、曲面上の点について、その点における法線方向のベクトルと円との距離を算出し、算出した距離に基づいてサーキュラーハイライト線を形成する。
また、演算手段の距離ベクトル演算部において、反射線ハイライト線を求める場合には、曲面上の点について、その点における法線方向に対して、その点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルと円との距離を算出し、算出した距離に基づいてサーキュラー反射線を形成する。
また、演算手段の距離関数演算部は、ベクトルと円との距離を零とする点を求めて1本の曲線を形成し、ベクトルと円との距離を所定範囲の上限値及び下限値とする点を求めて2本の曲線を形成し、この曲線間で挟まれる部分でバンドを形成する。
また、距離関数による演算は、距離関数の微分式から得られる4次方程式の解析解により行うことができるため、パラメータを変更しながら数値計算を繰り返して最適値を得るといった計算処理が不要であるため、リアルタイムでの演算が可能となる。
また、演算手段は、円の中心及び/又は半径を時間的に変化させて、時間的に変化する特徴線を形成する。この演算を複数の円について行うことで複数の特徴線を形成する。また、演算手段は、複数の円について円の中心及び/又は半径を時間的に変化させ、各時点における特徴線の折れやズレ(C2不連続)を時間順に繋ぐことによって連結線を形成する。
したがって、本発明によれば、一回の演算によって全ての方向のゆがみを観察する特徴線を取得することができ、また、その演算自体においても解析解に数値を代入する計算で済むため、数値計算を用いた場合と比較した際、演算時間を短縮することができる。
また、プログラム媒体は、コンピュータに形状曲面の特徴線を形成させる演算を実行させるプログラムを記録したプログラム媒体であって、特徴線は、三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が当該曲面上に形成するサーキュラーハイライト線又はサーキュラー反射線であり、演算は、円環状光源からの光が当該曲面上を照射又は反射する点を曲面上の点の中から抽出する。
プログラムは、曲面上の点を通る所定方向のベクトルの中で、円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが曲面上を通る点を求める演算をコンピュータに実行させる。より詳細には、プログラムは円とベクトルとの距離を表す距離ベクトルを求める工程と、距離ベクトルから距離関数を求める工程と、距離関数の値が所定値となる曲面上の点を求める工程をコンピュータに実行させる。
コンピュータにより形状設計を支援するCAD装置は、前記した形状の曲面を特徴線によって評価する形状評価装置を備え、形状評価装置は、ディスプレイ上に三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が曲面上に形成するサーキュラーハイライト線又はサーキュラー反射線を特徴線として表示する。
また、コンピュータにより対象物の形状データを元に当該設定対象物の生産に供する実行データの形成を支援するCAM装置は、形状データ及び/又は実行データによる形状の曲面を特徴線によって評価する形状評価装置を備え、形状評価装置は、ディスプレイ上に三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が当該曲面上に形成するサーキュラーハイライト線又はサーキュラー反射線を特徴線として表示する。
以上説明したように、本発明によれば、全ての方向のゆがみを一回の演算で検出することができる。
また、形状評価を行う特徴線の算出に要する演算回数を減らし、演算時間を短縮することができる。
また、反射線やハイライト線の特徴線による形状評価を評価者に依存することなく容易に行うことができる。
また、反射線やハイライト線の特徴線を時間的に変化する動的形状とすることができる。
本発明の形状評価方法及び形状評価装置の概略構成を説明するための図である。 本発明の形状評価の特徴線を形成する演算を説明するための概略説明図である。 本発明の形状評価の特徴線を形成する演算を説明するためのフローチャートである。 本発明のサーキュラーハイライト線の定義を説明するための図である。 本発明の距離ベクトルの定義を説明するための図である。 4次式の解析解を説明するための図である。 4次式の解析解を説明するための図である。 4次式の解析解を説明するための図である。 符号付き距離関数ds(u,v)の演算例を示す図である。 演算時間を説明するための図である。 本発明の形状評価方法及び形状評価装置の概略構成を説明するための図である。 サーキュラー反射線の定義を説明するための図である。 視点Eと曲面と円環状光源(同心円状の円環状光源を示す)との関係を示す図である。 サーキュラーハイライト線の一例を示す図である。 サーキュラーハイライト線の一例を示す図である。 円環状光源が1つの場合における動的形状による形状評価を説明する図である。 円環状光源が1つの場合における動的形状による形状評価の動作を説明するフローチャートである。 一つの円環状光源により形成される特徴線の一例を示す図である。 一つの円環状光源により形成される特徴線の一例を示す図である。 円環状光源が複数の場合を説明するための図である。 円環状光源が複数の場合を説明するための図である。 円環状光源が複数の場合を説明するためのフローチャートである 特徴線から表面形状の特徴的な部分を抽出する例を説明するための図である。 特徴線から表面形状の特徴的な部分を抽出する例を説明するためのフローチャートである。 円環状光源の中心が移動する場合を説明するための図である。 円環状光源の中心が移動する場合を説明するためのフローチャートである。 反射線及びハイライト線による形状評価を説明するための概略図である。 オーバール状曲線よる形状評価を説明するための概略図である。 従来の特徴線による形状評価を説明するための図である。
符号の説明
1…入力手段
2…演算手段
2a…距離ベクトル演算部
2b…距離関数部
2c…距離関数演算部
3…マッピング手段
4…表示手段
10…評価面
11…サーキュラーハイライト線
21…入力手段
22…演算手段
22a…ベクトル演算部
22b…距離ベクトル演算部
22c…距離関数部
22d…距離関数演算部
23…マッピング手段
24…表示手段
100…評価面
101…線光源
102…反射線
103…ハイライト線
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の形状評価方法及び形状評価装置の概略構成を説明するための図である。
本発明の形状評価装置は、三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が、評価対象である曲面の面上にサーキュラーハイライト線又はサーキュラー反射線の特徴線を形成し、この特徴線を観察することによって形状の評価を行う。形状評価装置は、円環状光源からの光が評価対象の曲面上を照射又は曲面上で反射する点を、曲面上の点の中から抽出することで特徴線を形成する演算手段を備える。
はじめに、図1〜図10を用いて、特徴線としてサーキュラーハイライト線を求める構成について説明する。サーキュラーハイライト線は、円環状光源から光が評価対象である形状の表面上に照射される光によって形成されるラインである。本発明の形状評価装置の演算手段は、このサーキュラーハイライト線の算出を、物理現象と同様に、円環状光源から放射される光が曲面に到達する位置を検出することで行うのではなく、逆に、評価対象である形状の曲面上にある複数の点における法線を考慮し、これら複数の法線の内でその延長上において円環状光源との距離が最小(零あるいは極小)となる法線を検出し、この法線が通る曲面上の複数の点によりサーキュラーハイライト線を算出するものである。
円環状光源側から曲面上のサーキュラーハイライト線の点を検出するには、例えばRunge−Kutta法のような数値積分法による数値計算を利用するため、計算速度や計算の安定性の点で問題がある。本発明では、複数の法線の内でその延長上において円環状光源と接する法線を検出し、この法線が通る曲面上の点によりサーキュラーハイライト線を算出する。この算出の演算自体は、直線と3次元空間上で任意に設定した円環状光源に対応する円との最短距離を算出する処理に相当し、この演算は結局は4次方程式を解くことに帰着する。4次方程式は、解析解が存在することが知られているため、この演算手段は、単にこの解析解に数値を代入して計算する演算ですむ。そのため、従来の数値積分法による数値計算と比較して短い時間で演算を行うことができる。
以下では、自由曲面(free-form surface)である曲面rをパラメトリック曲面を用いて表現するものとし、パラメトリック曲面表現及びベクトルについては符号の後に“*”の記号を付して示す。
演算手段2は、曲面r*上の点を通る法線方向のベクトルE*の中で、円環状光源と同径(R)で中心及び向き(A*)を同じくする三次元空間上の円L*との距離dを所定範囲内とするベクトルE*を検出し、そのベクトルE*が曲面r*上を通る点をサーキュラーハイライト線が通る点として求める。
パラメトリック曲面(parametric surface)は、形状を複数の曲面要素に分割し、曲面要素どうしを滑らかに接続することで表現するもので、パラメトリック曲面上の一点はパラメータu,v(0≦u,v≦1)によるパラメータ空間から3次元実空間への写像として定義される。パラメトリック曲面としては、例えばCoons曲面、Bezier曲面、NURBS(Non Uniform Rational B-Spline)等が知られている。
この演算手段2は、円L*と法線ベクトルE*との距離を表す距離ベクトルd*を求める距離ベクトル演算部2aと、距離ベクトルd*から距離関数を求める距離関数部2bと、距離関数の値が所定値となる曲面r*上の点を求める距離関数演算部2cを備える。
本発明の形状評価装置は、演算手段2に評価対象である曲面r*(u,v)と円環状光源に相当する円L*等の演算条件を入力する入力手段1と、演算手段2で得られた特徴線であるサーキュラーハイライト線のイメージを3次元空間に表示するためのマッピング処理手段3と、表示手段4とを備える。
なお、この形状評価装置を備えたCAD装置やCAM装置は、通常のCAD装置やCAM装置の形状評価装置を接続して形状データの授受を行う構成のほか、CAD装置やCAM装置が備える形状データの処理手段に前記した演算の機能を付加させたり、前記演算を行わせるプログラムを付加することで実現することができる。
表示手段4は、評価対象である形状の表面に、特徴線であるサーキュラーハイライト線を重ねて3次元画像で表示する。ユーザーは、表示された3次元画像によって、曲面の状態を観察し評価することができる。
次に、本発明の形状評価の特徴線を形成する演算について、図2の概略説明図、図3のフローチャート、図4のサーキュラーハイライト線の定義を説明するための図、図5の距離ベクトルの定義を説明するための図、図6〜8の4次式の解析解を説明するための図を用いて説明する。なお、図2中の(S)の符号は、図3のフローチャート中の(S)の符号と対応して示している。
図2は、本発明の形状評価が求める特徴線の一例であるサーキュラーハイライト線11を示している。図2は、3次元の実空間にある円環状光源(図2中の円Lが相当している)から、同じく実空間にある評価面10に光が照射されて形成されるサーキュラーハイライト線11を、演算によってシミュレートして求める手順の概略を示している。
実空間にある評価面10は、評価面r(u,v)のパラメトリック曲面表現で表される。この評価面r(u,v)は、入力手段1から入力する他、図示しない記憶手段から読み込んだり、あるいは、別形式で表現された形状データをパラメトリック曲面表現にデータ変換して得ることができる。
本発明の形状評価では、評価対象である形状の曲面(評価面10)上にある複数の点における法線E*の延長上において、円環状光源(円L*)との距離dが最小となる法線E*を検出し、検出された複数の法線E*が通る曲面上の複数の点によりサーキュラーハイライト線を求める(図2の左方部分参照)。
サーキュラーハイライト線をシミュレートにより演算で求めるために、uvパラメータ空間(図2中の一点鎖線で示す)において、評価面r上の各点Qについて円環状光源との距離ベクトルd*(u,v)を求め、この距離ベクトルd*(u,v)から距離ds(u,v)を求め、距離ds(u,v)が最小となる点Qを求める演算を行う(図2の右方部分参照)。
このパラメトリック曲面(NURBS曲面)で表された評価面r*(u,v)においてパラメータu,v(0≦u,v≦1)を設定することで、評価面r*(u,v)上の点Q*(u,v)を選択する。この点Q*の選択は、実空間の評価面10の表面上における点を選択することに対応する(S1)。
サーキュラーハイライト線は、円環状光源L*と法線N*の延長線E*との間の距離dが零となるような曲面上の点の集まりとして定義することができる。図4はサーキュラーハイライト線を説明するための図である。
ここで、円環状光源に対応する円L*をパラメトリック曲面表現で表すと式(1)で示すことができる。
L*(θ)=A*+R(cosθn*+sinθb*) …(1)
なお、A*,Rは円環状光源を表す円の中心位置及び半径であり、互いに直交する単位ベクトルn*とb*は円環状光源を含む面上に存在する。ベクトルn*とb*は単位ベクトルt*(=n*×b*)を形成する。この単位ベクトルt*は円環状光源を含む面に対して垂直である。
ベクトルE*は、評価面r*(u,v)上の点Q*における単位法線ベクトルN*を延長したものであり、以下の式(2)で表される。
E*(τ)=Q*+τN* …(2)
ここで、τはパラメータであり、単位法線ベクトルN*は以下の式(3)で表される。
N*(u,v)=(ru*(u,v)×rv*(u,v))/|ru*(u,v)×rv*(u,v)| …(3)
選択した点Q*について、以下の(S2)〜(S4)によって距離ベクトルd*(u,v)を求める。
図5は距離ベクトルの定義を説明するための図である。図5において、延長した法線ベクトルE*から円L*(θ)への距離ベクトルd*は以下の式(4)で表される。
d*=A*+R(cosθn*+sinθb*)−(Q*+τN*) …(4)
ここで自乗距離関数Dを以下の式(5)
D(τ,θ)=d*・d*
=|(A*+R(cosθn*+sinθb*))−(Q*+τN*)| …(5)
で表し、最小距離について考慮すると、以下式(6)の偏微分式Dで表される極値条件を満たす必要がある。
Dτ(τ,θ)=Dθ(τ,θ)=0 …(6)
この条件は、式(5)を用いて以下の式(7),(8)で書き表すことができる。
(A*−Q*)・N*+R(cosθn*・N*+sinθb*・N*)=τ …(7)
(A*−Q*−τN*)・(cosθb*−sinθn*)=0 …(8)
マトリックス形式では以下の式(9)で表される。
上記式をクラメルの法則を用いて解くと、
cosθ=((τ−(A*−Q*)・N*)(τN*−A*+Q*)・n*)/Det
sinθ=((τ−(A*−Q*)・N*)(τN*−A*+Q*)・b*)/Det …(10)
が得られる。
なお、Detはマトリックスの式(9)から以下の式(11)で与えられる。
Det=R(n*・N*)(Q*+τN*−A*)・n*
+R(b*・N*)(Q*+τN*−A*)・b* …(11)
ここで、
B*=A*−Q*,α=n*・N*,β=b*・N*,γ=B*・n*,δ=B*・b*,ε=B*・N* …(12)
とすると、式(11)は以下の式(13)に書き直すことができる。
Det=Rα(ατ−γ)+Rβ(βτ−δ) …(13)
式(12)を用いて、式(10)を以下の式(14)の拘束条件を適用させると、
cosθ+ sinθ=1 …(14)
τに関する式(15)が得られる。
cτ4+cτ+cτ+cτ+c=0 …(15)
なお、係数c,c,c,c,cは以下の式(16)〜(20)で表される。
c=α+β …(16)
c=−2((αγ+βδ)+(α+β)ε) …(17)
c=(α+β)ε+4ε(αγ+βδ)+(γ+δ)−R(α+β …(18)
c=−2((αγ+βδ) ε+(γ+δ)ε
−R(α+β)(αγ+βδ)) …(19)
c0=(γ+δ)ε−R(αγ+βδ) …(20)
したがって、パラメータτは4次式を解くことで求めることができる。パラメトリック曲面r*(u,v)上の点Q*(u,v)に対して、式(15)を解くことでτを求め、式(10)からcosθ,sinθを求め、式(4)から距離ベクトルd*を求める。Detが零でない場合には、パラメータτを解く4次式は解析解を有しているため、この解析解によって距離ベクトルd*を求めることができる。
ここで、図6,7は4次式の典型的な解によるパラメータτを説明するための図である。図6は4次式の解が4つの実根τ1〜τ4を有する場合であり、図7は4次式の解が2つの実根τ1,τ2と2つの虚根を有する場合である。
最小距離となる距離ベクトルは、これらの複数の実根の内で距離が小さい方を選択することで求めることができる。
なお、Detが零となるのは、図8に示すように4つの場合がある。
第1の場合は、N*がt*と平行となる場合である(図8(a))。この場合には、3次元での直線と円の距離は2次元での距離に書き替えられ、このときの距離ベクトルd*は以下の式(21)で表される。
d*=A*−(Q*+τN*)−(A*−(Q*+τN*))R/|A*−(Q*+τN*)|
=(A*−(Q*+τN*))(1−R/|A*−(Q*+τN*)|) …(21)
なお、τ=ε=(A*−Q*)・N*である。
第2の場合は、N*がt*と交差し、Q*+τN*=A*+ξt*で表される場合である(図8(b))。この場合には、4次式は以下の式(22)で表される。
(τ−τD(τ−ε−R√(α+β))(τ−ε+R√(α+β))=0 …(22)
ここで、τD=γ/α=δ/βである。
したがって、この場合には根はτ1=ε+R√(α+β),τ2=ε−R√(α+β
であり、図8(b)において重根τ3=τ4=τDである。
第3の場合は、N*がt*と垂直となる場合である(図8(c))。この場合には、α+β=1,αγ+βδ=εであり、Det=R(τ−ε)となり、4次式は以下の式(23)で表される。
(τ−ε)((ατ−γ)+(βτ−δ)−R)=0 …(23)
τ=εの場合には、Det=0となるが重根は前記式(6)を満足する。
第4の場合は、N*がA*を通過する場合である(図8(d))。この場合には、γ=εα、δ=εβであるので、Det=R(α+β)(τ−ε)となり、4次式は以下の式(22)で表され、前記した第2の場合と同様となる。
したがって、距離ベクトルd*(u,v)は前記式(4)によって表される。距離ベクトルd*が最小距離をとる極値条件(式(6))を満足するパラメータτを求める(S2)。また、前記式(11)のDetを求めて(S3)、前記式(10)で表されるcosθ,sinθを求める(S4)。
前記(S2)〜(S4)の工程で求めたパラメータτ,Det,cosθ,sinθを用いて、式(4)の距離ベクトルd*(u,v)を求める(S5)。この距離ベクトルd*(u,v)を、評価面r*(u,v)上の全点Q*(u,v)について求める(S6)。
図2中の距離ベクトルd*(u,v)は、上記工程(S5),(S6)で求めた距離ベクトルをuvパラメータ空間においてマトリックスで表している。
次に、(S7)〜(S11)の工程により距離ベクトルd*(u,v)から最小距離となる評価面上の点を求める。
(u,v)のパラメータを設定することで距離ベクトルd*(u,v)を選択し(S7)、選択した距離ベクトルd*の大きさ(距離)を求める。距離ベクトルd*の大きさは以下の式(24)に示す符号付き距離関数ds(u,v)によって評価する。
ds(u,v)=(A*+R(cosθn*+sinθb*))−(Q*(u,v)+τN*(u,v)))・
(N(u,v)×dL*(θ)/dθ)/|N(u,v)×dL*(θ)/dθ| …(24)
式(24)において、(N(u,v)×dL*(θ)/dθ)/|N(u,v)×dL*(θ)/dθ|は、距離ベクトルd*と同方向単位ベクトルであり、dL*(θ)/dθは以下の式(25)で示されるように円L*の微分である。
dL(θ)/dθ=R(−sinθn*+cosθb*) …(25)
なお、上記式は、d*・N*=0、d*・dL*(θ)/dθ=0であり、スカラー積の定義から得られる(N*×dL*(θ)/dθ)・N*=0、(N*×dL*(θ)/dθ)・dL*(θ)/dθ=0の関係から、距離ベクトルd*は(N(u,v)×dL*(θ)/dθ)と平行である。
サーキュラーハイライト線は、符号付き距離関数ds(u,v)を演算し(S8)、その値が設定値以下となるようなパラメータ(u,v)を求め(S9,S10,S11)、求めたパラメータ(u,v)を用いて実空間で評価面上の点Qを求め、これら点Qの集まりから求める(S12)。
なお、図2において、(S8)の工程のマトリックスは、点の径によって符号付き距離関数ds(u,v)の大きさを概略的に示し、また、(S10)の工程のマトリックスは、符号付き距離関数ds(u,v)が設定値以下であるパラメータ(u,v)を概略的に示している。
符号付き距離関数ds(u,v)の大きさは距離ベクトルd*と円環状光源との距離を示すものであり、この距離が“0”となるような評価面上の点はサーキュラーハイライト線上の点となる。
(S9)の工程において、設定値を“0”に設定した場合には、パラメータ(u,v)の設定精度によって符号付き距離関数ds(u,v)の大きさが必ずしも“0”とならないため、符号付き距離関数ds(u,v)の大きさが実質的に“0”と見なせる設定値を選択する。
また、設定値について上限値ds=ρと下限値ds=−ρを設定することによって、サーキュラーハイライト線を約2ρの幅を持つバンドとして求めることもできる。
図9は符号付き距離関数ds(u,v)の演算例を示している。図9において、メッシュ形状は符号付き距離関数ds(u,v)のu,vパラメータ空間における大きさを基準位置からの変位として示す。
このメッシュ形状において、設定値ρ=0の面を求めることでサーキュラーハイライト線を求めることができ、設定値ρ=0.1,−0.1の2面を求めることでサーキュラー反射線のバンドを求めることができる。
演算時間Tは、u,vパラメータの各点における距離ベクトルd*の演算時間T1、距離ベクトルd*の大きさを求める演算時間T2、サーキュラーハイライト線を3次元実空間にマッピングする時間T3を含み、いずれの時間もu,vパラメータ空間において演算を行う格子点数に依存する。
上記演算時間において、距離ベクトルd*の大きさを求める演算時間T2は4次式の解析解についての数値を求める演算であるため、図10において、実線は本発明のサーキュラーハイライト線の場合を示し、破線は従来の直線状光源によるハイライト線の場合を示している。ハイライト線の場合には、異なる方向のハイライト線についても求める必要があるため、図10中の演算時間の少なくとも2倍を要することになり、トータルの所要時間ではサーキュラーハイライト線よりも長時間を要する。
次に、図11〜図13を用いて、特徴線としてサーキュラー反射線を求める構成について説明する。サーキュラー反射線は、円環状光源から光が評価対象である形状の曲面上で反射し、視点位置で観察される際に、曲面上に形成される反射ラインである。
サーキュラー反射線は、曲面上の点について、その点における法線方向に対して、その点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルと円との距離を算出し、算出した距離に基づいて形成する。
本発明の形状評価装置の演算手段は、このサーキュラー反射線の算出を、物理現象と同様に、円環状光源から放射される光が曲面で反射して視点に到達する際に曲面上の点を検出することで行うのではなく、逆に、評価対象である形状の曲面上にある複数の点における法線を考慮し、これら複数の法線に対して、その点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルを前記したサーキュラーハイライト線における法線に対応させ、このベクトルと円との距離が最小(零あるいは極小)となるベクトルを検出し、このベクトルが通る曲面上の複数の点によりサーキュラー反射線を算出するものである。
図11は、本発明の形状評価方法及び形状評価装置の概略構成を説明するための図である。
本発明の形状評価装置は、円環状光源からの光が評価対象の曲面上で反射する点を、曲面上の点の中から抽出することで特徴線を形成する演算手段22を備える。
演算手段22は、評価面上の点Q*から視点E*へのベクトルe*、及び点Q*から法線ベクトルN*に対して対称で円L*方向に向かうベクトルc*を求めるベクトル演算部22aと、円L*とベクトルc*との距離を表す距離ベクトルd*を求める距離ベクトル演算部22bと、距離ベクトルd*から距離関数を求める距離関数部22cと、距離関数の値が所定値となる曲面r*上の点を求める距離関数演算部22dを備える。
また、サーキュラー反射線を求める形状評価装置は、前記図1で示した構成と同様に、演算手段2に評価対象である曲面r*(u,v)と円環状光源に相当する円L*等の演算条件を入力する入力手段21と、演算手段22で得られた特徴線であるサーキュラー反射線のイメージを3次元空間に表示するためのマッピング処理手段23と、表示手段24とを備える。
表示手段24は、評価対象である形状の表面に特徴線であるサーキュラー反射線を重ねて3次元画像で表示する。ユーザーは、表示された3次元画像によって、曲面の状態を観察し評価することができる。
なお、この形状評価装置を備えたCAD装置やCAM装置についても、通常のCAD装置やCAM装置の形状評価装置を接続して形状データの授受を行う構成のほか、CAD装置やCAM装置が備える形状データの処理手段に前記した演算の機能を付加させたり、前記演算を行わせるプログラムを付加することで実現することができる。
図12は、サーキュラー反射線の定義を説明するための図である。図12において、入射角と反射角の関係により、視点ベクトルe*と曲面の法線ベクトルN*と反射ベクトルc*の関係は、e*とN*間の角度、またN*とc*間の角度をαとすると、次式(26)〜(28)で表すことができる。
c*・N*(u,v)=cosα
c*・e*(u,v)=cos2α
|c*|=1 …(26)
ここで、反射ベクトルc*は
(L*(θ)−Q(u,v))/|L*(θ)−Q(u,v)|
で表される単位ベクトルであり、
視点ベクトルe*は
(E*(θ)−Q(u,v))/|E*(θ)−Q(u,v)|
で表される単位ベクトルである。
また、cosαは視点ベクトルと曲面の法線ベクトルとの関係から求めることができる。
上記式から反射ベクトルc*を求め、サーキュラーハイライト線の法線ベクトルN*を反射ベクトルc*に置き換えることにより、サーキュラー反射線を計算する。
つまり、サーキュラーハイライト線は曲面の法線ベクトルと円環状光源との距離が“0”である点の集まりにより形成するのに対して、サーキュラー反射線は反射ベクトルと円環状光源との距離が“0”になる曲面上の点の集まりにより形成する。図13は、視点Eと曲面と円環状光源(同心円状の円環状光源を示す)との関係を示している。
なお、サーキュラー反射線の演算時間は、サーキュラーハイライト線の演算時間と比較して、反射ベクトルの演算に要する時間の差だけでありほぼ同様となる。
図14、図15にサーキュラーハイライト線の一例を示す。図14(a)は楕円形状について本発明のサーキュラーハイライト線による表示例であり、図14(b)は楕円形状について従来のハイライト線による表示例である。図14の比較から、本発明のサーキュラーハイライト線によれば、曲面形状の状態をより詳細に観察することができる。
また、図15(a)は自動車のフードについて本発明のサーキュラーハイライト線による表示例であり、図15(b)は従来のハイライト線による表示例である。
この例では、u=0.25,u=0.75,v=0.25,v=0.75とするcubic B-Splineのiso-parametric line上にC不連続面があり、サーキュラーハイライト線によれば、u及びvの両方向において、そのC不連続性を観察することができる。一方、図15(b)のハイライト線ではv方向についてのみ2次の不連続性を観察することができる。なお、曲面がC連続であれば、サーキュラーハイライト線はC連続となる。
なお、以下に4次式の解析解は以下により求めることができる。(非特許文献11)
前記式(15)は以下の式(27)で表すことができる。
+px+qx+r=0 …(27)
なお、
x=τ+c/4c …(28)
p=(−3c +8cc2)/8c …(29)
q=(c −4ccc2+8c c1)/8c …(30)
r=(−3c +16cc c2−64c cc1+256c c)/256c …(31)
である。
ここで、任意のyに対して
(x+y)=x+2xy+y …(32)
であり、式(27)を用いてxを除くと、
(x+y)=−px−qx−r+2xy+y
=(2y−p)x−qx+(y−r) …(33)
となる。
式(33)の右辺はxの判別式が零である場合には、
−4(2y-p)(y−r)=0 …(34)
8y−4py−8ry+4pr−q=0 …(35)
となる。
ここで、yを実根としたとき式(33)は
(x+y=K−2KLx+L …(36)
となる。
なお、ここで
=2y−p,L=y −r,2KL=q …(37)
である。
したがって、以下の2式が得られ、
−Kx+y+L=0,x+Kx+y−L=0 …(38)
この根は
x=(K±√(K−4(y+L))/2
x=(−K±√(K−4(y−L))/2 …(39)
で表される。
上記では、特徴線が時間的に変化しない静的形状によって形状評価を行う例を説明したが、本発明は、特徴線が時間的に変化する動的形状によって形状評価を行うこともできる。
次に、特徴線を時間的に変化させて動的形状によって形状評価を行う例について、図16〜図26を用いて説明する。
なお、以下では、動的形状による形状評価として、円環状光源が1つの場合を図16〜図19を用いて説明し、円環状光源が複数(ここでは2つ)の場合を図20〜図22を用いて説明し、特徴線から表面形状の特徴的な部分を抽出する例を図23、図24を用いて説明し、円環状光源の中心が移動する場合を図25、図26を用いて説明する。
はじめに、円環状光源が1つの場合における動的形状による形状評価を説明する。図16(a)は、円の半径が時間と共に変化する円環状光源によって評価表面上に形成されるサーキュラーハイライト線を示し、また、図16(b)は、円の半径が時間と共に変化する円環状光源によって評価表面上に形成されるサーキュラー反射線を示している。以下では、主に図16(a)のサーキュラーハイライト線について説明する。
ここで、前記したように、円環状光源の円Lは中心Aと径Rで表される。動的形状は、この径Rの大きさを時間tと共に変化させることで形成することができる。図16(a)に示すサーキュラーハイライト線は、円環状光源の径Rが時間tと共に拡大した例を示している。なお、径Rは、時間tと共に縮小させる態様としてもよい。また、ここでは、時間と共に複数のサーキュラーハイライト線を発生させ、各サーキュラーハイライト線がそれぞれ時間tと共に変化する例を示している。
これによって、評価者は、サーキュラーハイライト線が動的に変化する状態を観察することができ、評価表面の評価が容易となる。また、複数のサーキュラーハイライト線を動的に変化させることによって、評価表面の評価を容易とすることができる。
図16(b)に示すサーキュラー反射線の場合にも、サーキュラーハイライト線と同様に、円環状光源の径Rの大きさを時間tと共に変化させることによって動的形状を形成することができる。
図17は、円環状光源が1つの場合における動的形状による形状評価の動作を説明するフローチャートである。図17のフローチャートにおいて、S1、S2〜S12は前記図3で説明した工程と同様であるため、ここでは、動的形状による形状評価の工程のみについて説明し、S1〜S12の説明は省略する。
S1の工程によって実空間の評価面の表面上の点Qを選択した後、円環状光源の円Lの径Rの初期値R0を設定する。円Lの径Rは、この初期値R0から時間tと共に増加あるいは減少する。また、径Rの増減は必要に応じて繰り返すことができ、一方向に増加あるいは減少し、所定の大きさに達した後あるいは所定時間が経過した後、初期値に戻って繰り返す他、増加と減少を繰り返しても良い。また、一様に増加あるいは減少する他に、予め定めたパターンで増減を行うようにしてもよい(S100)。
S100の工程で初期値R0を定めた後、時間t=0とした後(S101)、開始時にt=t+1とし(S102)、径Rを順に変化させる。ここでは、R(t)=R0+ΔR・tとしてΔRを単位として変化させる。なお、ΔRを単位とするRの大きさの変化は一例であって、所定の関数やテーブルを用いて任意の変化に設定してもよい(S103)。
S103で径Rの大きさを定めた後、前記したS2〜S12の工程によって、サーキュラーハイライト線あるいはサーキュラー反射線の特徴線を形成し、表示する。
上記した特徴線の処理(S102,S103,S2〜S12)は、径Rが所定の大きさ(ここではRmax)になるまで、あるいは所定時間が経過するまで(ここではtmax)行う(S104)。また、前記したように、図17に示す動作を複数回繰り返してもよい。
また、図17、図のフローチャートは、円環状光源で形成する特徴線が一つの場合の動作を示しているが、複数の特徴線を形成するには、S101で行う特徴線の形成の開始時をずらしながら、図17のフローチャートによる動作を並行して行う。これによって、複数の特徴線を発生させることができる。
図18、図19は、一つの円環状光源により形成される特徴線の一例であり、t=t1〜t=t6における特徴線を示している。なお、図に示す複数の特徴線はシミュレーショ結果に基づいて時間経過に沿って選択しているが、動的形状の状態を説明するために適宜抽出したものであるため、t1〜t6の時間間隔は必ずしも一定ではない。図18(a)〜(c)はt=t1〜t=t3の特徴線を示し、図19(a)〜(c)はt=t4〜t=t6の特徴線を示している。なお、図18,19において、上方には円環状光源の円Lを示し、下方には評価面上に表示した特徴線を示している。
次に、円環状光源が複数の場合を図20〜図22を用いて説明する。ここでは、複数の円環状光源として2つの円環状光源を例としている。図20(a)は、2つの円環状光源A1,A2の円L1,L2の半径が時間と共に変化し、これによって評価表面上に2つのサーキュラーハイライト線が形成される例を示し、また、図20(b)は、同様に、2つの円環状光源の円の半径が時間と共に変化し、これによって評価表面上に2つのサーキュラー反射線が形成される例を示している。以下では、主に図20(a)のサーキュラーハイライト線について説明する。
前記した図16で説明したように、円環状光源A1、A2の円L1,L2は中心A1,A2と径R1,R2で表される。動的形状は、この径R1,R2の大きさを時間tと共に変化させることで形成する。図20(a)に示すサーキュラーハイライト線は、円環状光源A1,A2の径R1,R2が時間tと共に拡大した例を示している。
なお、前記した同様に、径R1,R2は時間tと共に縮小させる態様としてもよい。また、時間と共に複数のサーキュラーハイライト線を発生させ、各サーキュラーハイライト線が時間tと共にそれぞれ変化する例を示している。
これによって、評価者は、複数の円環状光源によるサーキュラーハイライト線が動的に変化する状態を観察することができ、評価表面の広い範囲の評価が容易となる。
図20(b)に示すサーキュラー反射線の場合にも、サーキュラーハイライト線と同様に、円環状光源の径Rの大きさを時間tと共に変化させることによって動的形状を形成することができる。
図21は複数の円環状光源による特徴線の表示例を示す図である。図21(a)〜図21(e)は2つの円環状光源からそれぞれ1つの特徴線を形成し、各特徴線が時間変化する例を示している。また、図21(f)〜図21(g)は2つの円環状光源からそれぞれ2つの特徴線を形成し、各特徴線が時間変化する例を示している。
図22は、複数の円環状光源の場合における動的形状による形状評価の動作を説明するフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、S1、S2〜S12は前記図3で説明した工程と同様であるため、ここでは、動的形状による形状評価の工程のみについて説明し、S1〜S12の説明は省略する。
S1の工程によって実空間の評価面の表面上の点Qを選択した後、複数の円環状光源の円Lの中心A(A1,A2,…)を設定し(S200)、円環状光源の円Lの径Rの初期値R0(R10,R20、…)を設定する。円Lの径Rは、この初期値R0から時間tと共に増加あるいは減少する。また、径Rの増減は必要に応じて繰り返すことができ、一方向に増加あるいは減少し、所定の大きさに達した後あるいは所定時間が経過した後、初期値に戻って繰り返す他、増加と減少を繰り返しても良い。また、一様に増加あるいは減少する他に、予め定めたパターンで増減を行うようにしてもよい(S201)。
S201の工程で初期値R0を定めた後、時間t=0とした後(S202)、開始時にt=t+1とし(S203)、径Rを順に変化させる。ここでは、R(t)=R0+ΔR・tとしてΔRを単位として変化させる。なお、ΔRを単位とするRの大きさの変化は一例であって、所定の関数やテーブルを用いて任意の変化に設定してもよい(S204)。
S204で径Rの大きさを定めた後、前記したS2〜S12の工程によって、サーキュラーハイライト線あるいはサーキュラー反射線の特徴線を形成し、表示する。
上記した特徴線の処理(S203,S204,S2〜S12)は、径Rが所定の大きさ(ここではRmax)になるまで、あるいは所定時間が経過するまで(ここではtmax)行う(S205)。また、前記したように、図22に示す動作を複数回繰り返してもよい。
また、図22のフローチャートは、円環状光源で形成する特徴線が一つの場合の動作を示しているが、複数の特徴線を形成するには、S203で行う特徴線の形成の開始時をずらしながら、図22のフローチャートによる動作を並行して行う。これによって、複数の特徴線を発生させることができる。
次に、特徴線から表面形状の特徴的な部分を抽出する例を図23、図24を用いて説明する。表面形状には、湾曲半径が小さく不連続部分と見なせるような特徴的な部分が含まれることがある。このような特徴的な部分は、特徴線の静的形状や動的形状を表示することで観察することができるが、この特徴的な部分を抽出することでより明確に表示することができる。
ここでは、特徴線が動的に変化する間において、各時点での不連続点を検出し、この不連続点を連結することで特徴的な部分を抽出して、連結線を形成する。図23(a)〜図23(d)は、連結線の形成を時間的変化で示している。図23(b)において、時間t=t2の特徴線から不連続点M1,N1を抽出し、この不連続点M1,N1を結ぶ連結線K1を形成する。図23(c)において、時間t=t3の特徴線から不連続点M2,N2を抽出し、この不連続点M1,N1,M2,N2を結ぶ連結線K2を形成する。図23(d)において、時間t=t4の特徴線から不連続点M3,N3を抽出し、この不連続点M1,N1,M2,N2,M3,N3を結ぶ連結線K3を形成する。
なお、各不連続点間の点は内挿によって求め、また不連続点の外側については外挿によって求めることができる。
図24は、特徴線から表面形状の特徴的な部分を抽出する動作を説明するフローチャートである。図24のフローチャートにおいて、S1、S2〜S12は前記図3で説明した工程と同様であるため、ここでは、動的形状による形状評価の工程のみについて説明し、S1〜S12の説明は省略する。
S1の工程によって実空間の評価面の表面上の点Qを選択した後、複数の円環状光源の円Lの中心A(A1,A2,…)を設定し(S300)、円環状光源の円Lの径Rの初期値R0(R10,R20、…)を設定する。円Lの径Rは、この初期値R0から時間tと共に増加あるいは減少する。また、径Rの増減は必要に応じて繰り返すことができ、一方向に増加あるいは減少し、所定の大きさに達した後あるいは所定時間が経過した後、初期値に戻って繰り返す他、増加と減少を繰り返しても良い。また、一様に増加あるいは減少する他に、予め定めたパターンで増減を行うようにしてもよい(S301)。
S301の工程で初期値R0を定めた後、時間t=0とした後(S302)、開始時にt=t+1とし(S303)、径Rを順に変化させる。ここでは、R(t)=R0+ΔR・tとしてΔRを単位として変化させる。なお、ΔRを単位とするRの大きさの変化は一例であって、所定の関数やテーブルを用いて任意の変化に設定してもよい(S304)。
S304で径Rの大きさを定めた後、前記したS2〜S12の工程によって、サーキュラーハイライト線あるいはサーキュラー反射線の特徴線を形成し、表示する。
求めた特徴線について不連続点を求める。不連続点は、例えば、特徴線の折れやズレの位置を求めることで求めることができる(S305)。求めた不連続点を記憶手段に記憶し(S306)、これら不連続点を繋ぐ連結線を形成する(S307)。形成した連結線を表示する(S308)。
上記した特徴線の処理(S203,S204,S2〜S12)は、径Rが所定の大きさ(ここではRmax)になるまで、あるいは所定時間が経過するまで(ここではtmax)行う(S205)。また、前記したように、図24に示す動作を複数回繰り返してもよい。
また、図24のフローチャートは、円環状光源で形成する特徴線が一つの場合の動作を示しているが、複数の特徴線を形成するには、S303で行う特徴線の形成の開始時をずらしながら、図24のフローチャートによる動作を並行して行う。これによって、複数の特徴線を発生させることができる。
次に、円環状光源の中心が移動する場合を図25、図26を用いて説明する。前記した例は円環状光源の中心を固定して行っているが、円環状光源の中心を移動させる態様としてもよい。なお、この円環状光源の中心の移動軌跡は、直線に限らず任意の曲線としても良い。
なお、円環状光源の移動による特徴線の形成は、同じ円環状光源が時間と共に移動する態様や、複数の円環状光源の発生位置が時間と共に移動する態様がある。
以下では、複数の円環状光源の発生位置が時間と共に移動する態様について説明する。図25は、円環状光源の中心が時間と共に移動する状態を示している。図25(a)はt=t1において円環状光源A1による特徴線の形成が開始される状態を示している。円環状光源A1の中心位置自体は、時間変化にかかわらず同一位置にあり、この円環状光源A1によって形成される特徴線は時間と共に変化する。
図25(b)はt=t2において円環状光源A2による特徴線の形成が開始される状態を示している。円環状光源A2で形成される特徴線の他に、t=t1で形成が開始された円環状光源A1の特徴線も表示される。このとき、円環状光源A1で形成される特徴線は経過時間分だけ変化している。
図25(c)はt=t3において円環状光源A3による特徴線の形成が開始される状態を示している。円環状光源A3で形成される特徴線の他に、t=t1で形成が開始された円環状光源A1の特徴線、及びt=t2で形成が開始された円環状光源A2の特徴線も同時に表示される。このとき、円環状光源A1,A2で形成される各特徴線は、それぞれ経過時間分だけ変化している。この態様によれば、広範囲の評価面についての評価が可能となる。
図26は、円環状光源の中心を移動する動作を説明するフローチャートである。図26のフローチャートにおいて、S1、S2〜S12は前記図3で説明した工程と同様であるため、ここでは、動的形状による形状評価の工程のみについて説明し、S1〜S12の説明は省略する。
S1の工程によって実空間の評価面の表面上の点Qを選択した後、複数の円環状光源の円Lの中心A(A1,A2,…)を設定し(S400)、円環状光源の円Lの径Rの初期値R0(R10,R20、…)を設定する。円Lの径Rは、この初期値R0から時間tと共に増加あるいは減少する。また、径Rの増減は必要に応じて繰り返すことができ、一方向に増加あるいは減少し、所定の大きさに達した後あるいは所定時間が経過した後、初期値に戻って繰り返す他、増加と減少を繰り返しても良い。また、一様に増加あるいは減少する他に、予め定めたパターンで増減を行うようにしてもよい(S401)。
S401の工程で初期値R0を定めた後、時間T=0として、円環状光源の第1の中心A1を読み出し(S402)、T=T+1として円環状光源の中心移動の動作を開始する(S403)。
次に、時間t=0とした後(S404)、t=t+1として特徴線の変化を開始して (S405)、径Rを順に変化させる。ここでは、R(t)=R0+ΔR・tとしてΔRを単位として変化させる。なお、ΔRを単位とするRの大きさの変化は一例であって、所定の関数やテーブルを用いて任意の変化に設定してもよい(S406)。
S406で径Rの大きさを定めた後、前記したS2〜S12の工程によって、サーキュラーハイライト線あるいはサーキュラー反射線の特徴線を形成し、表示する(S407)。
円環状光源の中心移動を定める時間Tが所定時間ΔTを経過したとき(S408)、S402に戻って、第2の中心位置A2を読み出し、次の円環状光源による特徴線の形成を行う。S408において、時間Tが所定時間ΔTを経過していない間は、径Rが所定の大きさ(ここではRmax)になるまで、あるいは所定時間が経過するまで(ここではtmax)、上記した特徴線の処理(S203,S204,S2〜S12)を行う(S409)。
また、図26のフローチャートは、円環状光源で形成する特徴線が一つの場合の動作を示しているが、複数の特徴線を形成するには、S404で行う特徴線の形成の開始時をずらしながら、図26のフローチャートによる動作を並行して行う。これによって、複数の特徴線を発生させることができる。
本発明は、形状設定、形状加工等の形状評価を利用する任意の分野に適用することができ、特にリアルタイム処理が求められる処理に好適である。

Claims (20)

  1. 形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータでシミュレートして形状の曲面を評価する特徴線を求め、当該特徴線によって形状の曲面を評価する形状評価方法であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラーハイライト線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    コンピュータにより、形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を照射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成する演算を行うことを特徴とする形状評価方法。
  2. 形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータでシミュレートして形状の曲面を評価する特徴線を求め、当該特徴線によって形状の曲面を評価する形状評価方法であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラー反射線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    コンピュータにより、形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線に対して当該点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を反射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成する演算を行うことを特徴とする形状評価方法。
  3. コンピュータが行う曲面上を通る点を求める演算は、
    前記円と前記ベクトルとの距離を表す距離ベクトルを求め、
    前記距離ベクトルから距離関数を求め、
    前記距離関数の値が所定値となる前記曲面上の点を求める演算であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の形状評価方法。
  4. コンピュータが行う前記演算によって形成する特徴線は曲線又はバンドであり、
    前記ベクトルと前記円環との距離を零とする点を演算で求めて1本の曲線を形成し、
    前記バンドは、前記ベクトルと前記円との距離を所定範囲の上限値及び下限値とする点を演算で求めて2本の曲線によって挟まれるバンドを形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載の形状評価方法。
  5. コンピュータが行う前記演算において、前記円の中心及び/又は半径を時間的に変化させることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の形状評価方法。
  6. コンピュータが行う前記演算において、前記円を複数有し、前記特徴線を複数形成することを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の形状評価方法。
  7. コンピュータが行う前記演算において、前記円を複数とし、当該円の中心及び/又は半径を時間的に変化させ、
    各時点における特徴線の不連続点を時間順に繋ぐ連結線を形成することを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の形状評価方法。
  8. コンピュータが行う前記演算において、前記距離関数の微分式から得られる四次方程式の解析解を求める演算を行うことを特徴とする請求項3から7の何れか一つに記載の形状評価方法。
  9. 形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータでシミュレートして形状の曲面を評価する特徴線を求め、当該特徴線によって形状の曲面を評価する形状評価装置であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラーハイライト線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を照射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成する演算手段を備えることを特徴とする形状評価装置。
  10. 形状曲面上に光を照射して映し出される光のラインをコンピュータでシミュレートして形状の曲面を評価する特徴線を求め、当該特徴線によって形状の曲面を評価する形状評価装置であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラー反射線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    コンピュータにより、形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線に対して当該点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を反射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成する演算手段を備えることを特徴とする形状評価装置。
  11. 前記演算手段は、
    前記円と前記ベクトルとの距離を表す距離ベクトルを求める距離ベクトル演算部と、
    前記距離ベクトルから距離関数を求める距離関数部と、
    前記距離関数の値が所定値となる前記曲面上の点を求める距離関数演算部とを備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の形状評価装置。
  12. 前記演算手段の距離関数演算部は、
    前記ベクトルと前記円との距離を零とする点を求めて1本の曲線を形成し、又は
    前記ベクトルと前記円との距離を所定範囲の上限値及び下限値とする点を求めて2本の曲線を形成し、当該曲線間で挟むバンドを形成することを特徴とする、請求項11に記載の形状評価装置。
  13. 前記演算手段は、前記円の中心及び/又は半径を時間的に変化させ、時間的に変化する特徴線を形成することを特徴とする、請求項9から12の何れか一つに記載の形状評価装置。
  14. 前記演算手段は、前記複数の円についてそれぞれ特徴線を形成することを特徴とする請求項9から13の何れか一つに記載の形状評価装置。
  15. 前記演算手段は、前記複数の円について、当該円の中心及び/又は半径を時間的に変化させそれぞれ特徴線を形成し、
    各時点における特徴線の不連続点を時間順に繋ぐ連結線を形成することを特徴とする請求項9乃至12の何れか一つに記載の形状評価装置。
  16. 前記演算手段の距離関数演算部は、前記距離関数の微分式から得られる四次方程式の解析解を演算することを特徴とする請求項9から15の何れか一つに記載の形状評価装置。
  17. コンピュータに形状曲面の特徴線を形成させる演算を実行させるプログラムを記録したプログラム媒体であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラーハイライト線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    前記演算は、形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を照射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成することを特徴とするプログラム媒体。
  18. コンピュータに形状曲面の特徴線を形成させる演算を実行させるプログラムを記録したプログラム媒体であって、
    三次元空間上で任意の向きにあり、半径を可変とし、中心位置を移動可能とする円環状光源が、前記曲面上に形成するサーキュラー反射線を形状の曲面を評価する特徴線とし、
    前記演算は、形状の曲面上の各点について、当該曲面上の点を通る法線に対して当該点から視点へのベクトル方向と対称の方向のベクトルの中で、前記円環状光源と同径で位置及び向きを同じくする三次元空間上の円との距離を所定範囲内とするベクトルが前記曲面上を通る点を求めることにより、前記曲面上の複数の点の中から、前記円環状光源からの光が当該曲面上を反射する点を抽出し、当該抽出した点によって前記特徴線を形成することを特徴とするプログラム媒体。
  19. コンピュータにより形状設計を支援するCAD装置において、
    前記形状の曲面を特徴線によって評価する請求項9から16の何れか一つに記載の形状評価装置を備え、
    前記形状評価装置は、ディスプレイ上に三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が当該曲面上に形成する特徴線を表示することを特徴とする、CAD装置。
  20. コンピュータにより対象物の形状データを元に当該設定対象物の生産に供する実行データの形成を支援するCAM装置において、
    前記形状データ及び/又は実行データによる形状の曲面を特徴線によって評価する請求項9から16の何れか一つに記載の形状評価装置を備え、
    前記形状評価装置は、ディスプレイ上に三次元空間上で任意の向きにある円環状光源が当該曲面上に形成する特徴線を表示することを特徴とする、CAM装置。
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