JP4873535B2 - 超音波流量計及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波送受波器間で送受波される超音波の伝播時間に応じて流量を計測可能な超音波流量計及びその製造方法に関する。
従来のこの種の超音波流量計としては、図8(A)に示すように、流体が流れる計測管1の外周面で1対の超音波センサの間に複数の凹凸部2を形成することで、計測管1の壁部を伝播する超音波を低減させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−236042号公報(段落[0020]、図1)
ところが上述した従来の超音波流量計では、壁部のうち計測管1の内周面寄り部分を伝播する超音波が、流体中を伝播した超音波よりも速く超音波センサに到達するため、伝播時間を正確に計測できないという問題が起こり得る。
これに対し、壁部を伝播する超音波の到達を遅らせるために、例えば、図8(B)に示すように、計測管3のうち超音波センサ5,5の間部分に蛇腹筒部4を設けて伝播距離を延長した構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、蛇腹の凹凸が計測管3の軸方向に並んでいるため、計測管3自体が伸縮或いは曲がって、超音波センサ5,5間の距離が変動するという問題が起こり得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より計測精度を向上させることが可能な超音波流量計及びその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る超音波流量計は、ハウジングに1対の超音波送受波器を対向配置して保持し、一方の超音波送受波器側から他方の超音波送受波器側に向けて流体を流したときに、それら超音波送受波器間で送受波される超音波の伝搬時間に応じて流量を計測可能な超音波流量計において、ハウジングは、一方の超音波送受波器を保持した第1ハウジングと、他方の超音波送受波器を保持した第2ハウジングとに分割され、第1ハウジングには、超音波送受波器同士の対向方向に延びて先端が開放した第1筒体が一体に設けられ、第2ハウジングには、超音波送受波器同士の対向方向に延びて先端が開放しかつ第1筒体の外側に遊嵌された第2筒体が一体に設けられ第1筒体と第2筒体との間の筒状空間に、少なくとも1つの中間筒体が収容され、第1筒体及び第2筒体と少なくとも1つの中間筒体とからなる少なくとも3つの同心筒体のうち隣り合った同心筒体同士の間で一の開口端部同士を周方向全体で結合すると共に、その外側で隣り合った同心筒体同士の間で一の開口端部とは逆側の開口端部同士を周方向全体で結合して、第1筒体と第2筒体との間を塞いだ多重筒部を形成したところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の超音波流量計において、中間筒体を複数備え、多重筒部の断面が蛇腹構造をなしたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の超音波流量計において、複数の中間筒体を、一端から他端に向かってテーパー状に拡径した錐筒形状にすると共にそれら複数の中間筒体の間でテーパー角を統一し、隣り合った中間筒体の開口端部同士を溶接又は接着したところに特徴を有する。ここで、本発明における「錐筒形状」には、円錐筒形状や多角錐筒形状が含まれる。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の超音波流量計において、同心筒体同士の結合部分に、それら同心筒体同士の間の隙間を閉塞する環状スペーサを備えたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の超音波流量計において、流体を伝播媒体としたときの超音波の伝搬速度をV1、1対の超音波送受波器の間の距離をL1、少なくとも3つの同心筒体を構成する壁部を伝播媒体としたときの超音波の伝搬速度をV2、少なくとも3つの同心筒体の軸長の和をL2としたときに、
L2>(V2/V1)・L1
上記関係式が成立するように構成したところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項5に記載の超音波流量計において、少なくとも3つの同心筒体をステンレス製とし、L2がL1の5倍以上になるように構成したところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の超音波流量計において、中間筒体の肉厚は第1筒体及び第2筒体よりも薄肉であるところに特徴を有する。
請求項8の発明に係る超音波流量計の製造方法は、請求項3に記載の超音波流量計の製造方法であって、テーパー形状をなした錐筒部材を輪切り状に切断して複数の中間筒体を形成し、それら中間筒体を窄む方向が隣り合う中間筒体同士で相互に逆向きになるように内外に配置し、中間筒体の大径開口端部をその外側に配された中間筒体の小径開口端部に溶接又は接着し、中間筒体の小径開口端部をその内側に配された中間筒体の大径開口端部に溶接又は接着し、最も内側に配された中間筒体の小径開口端部を第1筒体の開口端部に溶接又は接着し、最も外側に配された中間筒体の大径開口端部を第2筒体の開口端部に溶接又は接着するところに特徴を有する。
[請求項1,5,7の効果]
請求項1の発明によれば、一方の超音波送受波器から送信された超音波のうち、ハウジングの壁部を伝播する超音波(以下、適宜、「筐体伝播波」という)は、多重筒部を通って他方の超音波送受波器に向かう。例えば、第1ハウジングに保持された超音波送受波器から超音波が送信された場合、筐体伝播波は、第1筒体を通ってその開口端部に向かい、第1筒体の開口端部で折り返して中間筒体に入射し、中間筒体を通って第2筒体の開口端部に向かい、第2筒体の開口端部で再び折り返して第2筒体に入射し、第2筒体を通って第2ハウジングに保持された超音波送受波器に向かう。つまり筐体伝搬波を、ハウジングの軸方向で往復するように伝播させて、伝播距離を延ばすことができるから、流体中を伝播する超音波(以下、適宜、「流体伝播波」という)より遅れて超音波送受波器に受信させることができる。また、受信側の超音波送受波器に到達するまでに筐体伝播波を減衰させることも可能である。さらに、1対の超音波センサ間を蛇腹筒構造とした場合(図8(B)参照)のように、ハウジングが軸方向に伸縮して超音波送受波器間の距離が変動することもない。これらにより、従来よりも流速・流量の計測精度を向上させることができる。
ここで、受信側の超音波送受波器における筐体伝播波の受信タイミングを、流体伝播波の受信タイミングより遅らせるには、流体中における超音波の伝播速度をV1、1対の超音波送受波器の間の距離をL1、少なくとも3つの同心筒体を構成する壁部における超音波の伝播速度をV2、少なくとも3つの同心筒体の軸長の和をL2としたときに、
L2>(V2/V1)・L1
上記関係式が成立するように構成すればよい(請求項5の発明)。なお、本発明における「同心筒体の軸長の和L2」とは、第1筒体の軸長と、第2筒体の軸長と、個々の中間筒体の軸長とを足したものである。
また、中間筒体の肉厚は第1筒体及び第2筒体よりも薄肉にすることが好ましい(請求項7の発明)。
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、筐体伝播波をハウジングの軸方向で複数回往復させて伝搬距離をさらに延長することができるので、筐体伝播波をさらに減衰させたり、筐体伝播波の受信タイミングをさらに遅らせることができる。
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、一の中間筒体の大径開口端部に、その一の中間筒体の内側に配された中間筒体の小径開口端部を溶接又は接着し、一の中間筒体の小径開口端部に、その一の中間筒体の外側に配された中間筒体の大径開口端部を溶接又は接着することで、複数の中間筒体が断面蛇腹状の多重筒構造になって連結される。
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、環状スペーサにより、隣り合った同心筒体の開口端部同士が結合され、それら同心筒体同士の間の隙間が閉塞されると共に、開口端部以外の部分では、それら同心筒体の内周面と外周面とが互いに離して配置される。
[請求項6の発明]
ステンレスを伝播媒体とした超音波の伝播速度V2は、約4000m/secだから、少なくとも3つの同心筒体の軸長の和L2を1対の超音波送受波器の間の距離L1の5倍以上とした場合には、超音波の伝播速度V1が約800m/secを超える流体(例えば、水素ガス(約1200m/sec)や水(約1500m/sec))について、筐体伝播波の受信タイミングを流体伝播波より遅らせることができ、流速・流量を精度よく計測することができる。
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、テーパー形状をなした錐筒部材を輪切り状に切断して複数の中間筒体を形成するから、各中間筒体のテーパー角が統一される。そして、中間筒体を窄む方向が隣り合う中間筒体同士で相互に逆向きになるように内外に配置すると、隣り合う中間筒体の大径開口端と小径開口端とが嵌合して、それら中間筒体が芯だしされる。そして、中間筒体の嵌合部分を溶接又は接着すれば、複数の中間筒体が断面蛇腹状の多重筒構造になって連結される。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1における符号10は、本発明の「超音波流量計」であって、例えば、流体としてのガス(具体的には、水素ガス)が流れる配管の途中に取り付けられている。
超音波流量計10のうち、メーターハウジング11は、例えば、ステンレス(具体的には、SUS316)製であって、第1ハウジング12と第2ハウジング13とに分割される。第1ハウジング12及び第2ハウジング13には、先端部が開放した、例えば円筒形状の筒体12A,13A(図2を参照)が一体形成されており、第1ハウジング12に形成された第1筒体12Aの外側に、第2ハウジング13に形成された第2筒体13Aが遊嵌している。第1筒体12Aの外周面と第2筒体13Aの内周面との間に形成された筒状空間19には、後述する多重パイプ30が収容され、この多重パイプ30により、第1筒体12Aと第2筒体13Aとの間の隙間が塞がれている。なお、第1筒体12A及び第2筒体13Aのうち、開口端部12B,13Bとは反対側の基端部側面からはそれぞれ管連結部14,14が同方向に延びている。これら管連結部14,14に配管が連結され、配管を流れるガスがメーターハウジング11内を通過する。
第1筒体12Aの軸心部には、両端開放の計測管15が配置されている。この計測管15は、その長手方向の中間部分に一体形成された区画壁16によって第1筒体12Aの内部に固定されており、一端側の開口部15Aが、第1筒体12Aの開口端部12Bよりも突出している。区画壁16は、計測管15の全周に亘って形成されて第1筒体12Aの内周面に密着しており、メーターハウジング11の内部空間を、計測管15の一端側の開口部15Aと第1筒体12Aの開口端部12Bとを含んだ領域と、計測管15の他端側の開口部15Bを含んだ領域とに区画している。これにより、一方の管連結部14からメーターハウジング内に流れ込んだガスは、全て計測管15を通過し、他方の管連結部14からメーターハウジング11の外に排出される。
また、計測管15の両端の開口部15A,15Bは、第1筒体12A及び第2筒体13Aの端部壁17,17に所定の間隔を空けて対向している。これら両端部壁17,17には、それぞれ超音波センサ20,20(本発明の「超音波送受波器」に相当する)が固定されており、これら超音波センサ20,20が、計測管15に形成された計測流路18を挟んで対向している。そして、計測管15(計測流路18)を流れるガスの流量は、上流側の超音波センサ20から発信した超音波を下流側の超音波センサ20で受信する迄の時間(順方向伝播時間)と、下流側の超音波センサ20から発信した超音波を上流側の超音波センサ20で受信する迄の時間(逆方向伝播時間)との差に基づいて演算される。
さて、多重パイプ30は、第1ハウジング12及び第2ハウジング13と同じく例えば、ステンレス(具体的には、SUS316)製であって、その構造は以下のようである。図3に示すように、多重パイプ30は、同心でかつ互いに隙間を空けて配置された複数本(本実施形態では、例えば5つ)の中間筒体31からなる多重筒構造をなしている。そして、複数本の中間筒体31のうち、内外で隣り合った中間筒体31,31同士の間で、一の開口端部31A,31B同士が周方向の全体で結合されている。
より詳細には、各中間筒体31は、図5に示すように、外径よりも軸長が長くなっており、その長手方向の一端から他端に向かって緩やかに拡径した円錐台形の筒状をなしている。各中間筒体31のテーパー角は統一されており、軸長も、第1筒体12Aと第2筒体13Aの互いに重なった部分と同じ長さに統一されている。さらに、中間筒体31の肉厚は、少なくとも第1筒体12A及び第2筒体13Aよりも薄肉となっている。
そして多重パイプ30は、図4に示すように一の中間筒体31の小径開口端部31Bと、その一の中間筒体31の内側に配された中間筒体31の大径開口端部31Aとが結合し、一の中間筒体31の大径開口端部31Aと、その一の中間筒体31の外側に配された中間筒体31の小径開口端部31Bとが結合している。
また、多重パイプ30のうち、最も外側に配された中間筒体31の大径開口端部31Aは第2筒体13Aの開口端13Bの全周に結合しており、最も内側に配された中間筒体31の小径開口端部31Bは、第1筒体の開口端部12Bの全周に結合している。つまり、第1筒体12Aと第2筒体13A及び、それらを連結した多重パイプ30とからなる本発明の「多重筒部」の断面は、メーターハウジング11の長手方向(図4における左右方向)にほぼ沿って、第1筒体12Aと第2筒体13Aの各開口端部12B,13B側で順次折り返された蛇腹構造をなしている。
さらに、本実施形態の超音波流量計10では、メーターハウジング11の壁部を伝播する超音波が、流体中を伝播する超音波よりも遅れて受信側の超音波センサ20で受信されるように構成されている。
具体的には、流体を伝播媒体としたときの超音波の伝播速度をV1とし、1対の超音波センサ20,20間の距離(以下、「センサ間距離」という)をL1とし、メーターハウジング11(詳細には、第1筒体12A、第2筒体13A及び多重パイプ30)の壁部を伝播媒体としたときの超音波の伝播速度をV2とし、第1筒体12Aの軸長Laと第2筒体13Aの軸長Lb(図1を参照)と5つの中間筒体31の軸長Lc(図3を参照)とを全部足した長さを(以下、「筐体伝播距離」という)L2とした場合に、
L2>(V2/V1)・L1
上記関係式が成立するように構成されている。
例えば、流体が水素ガスであり、メーターハウジング11がステンレス製である場合には、センサ間距離L1及び筐体伝播距離L2を以下のような長さにすればよい。即ち、水素ガスを伝播媒体としたときの超音波の伝播速度V1は約1200(m/sec)であり、メーターハウジング11の壁部を伝播媒体としたときの超音波の伝播速度V2は約4000(m/sec)になるから、上記関係式が成立するように、筐体伝播距離L2をセンサ間距離L1の約3.4倍以上の長さになるように構成すれば、メーターハウジング11の壁部を伝播する超音波が、水素ガス中を伝播する超音波よりも遅れて受信側の超音波センサ20で受信される。
また、例えば、流体が水であり、メーターハウジング11がステンレス製である場合は、水中における伝播速度V1は約1500(m/sec)なので、上記関係式が成立するように筐体伝播距離L2をセンサ間距離L1の約2.7倍以上の長さになるように構成すれば、メーターハウジング11の壁部を伝播する超音波が、水中を伝播する超音波よりも遅れて受信側の超音波センサ20で受信される。ここで、本実施形態の超音波流量計10では、筐体伝播距離L2は、センサ間距離L1の約5倍となるように構成されているから、メーターハウジング11の壁部を伝播する超音波が、水又は水素ガスを伝播する超音波よりも遅れて受信側の超音波センサ20で受信される。
なお、筐体伝播距離L2は、センサ間距離L1、メーターハウジング11の材質及び流体の種類に応じて決定すればよい。伝播媒体毎の超音波の伝播速度V1,V2は、理科年表等から得ることができる。
本実施形態の超音波流量計10の構成は以上である。次に、超音波流量計10の製造方法について説明する。まず、多重パイプ30を製造する。具体的には、図6(A)に示すように、一端から他端に向かってテーパー状に拡径した断面円形の錐筒部材40を、例えば、同一軸長となるように輪切り状に切断して、複数(具体的には5本)の中間筒体31を製造する。次に、図6(B)に示すように、一の中間筒体31の大径開口端部31Aから他の中間筒体31を順次挿入して、5本の中間筒体31を、隣り合う中間筒体31同士で窄む方向が相互に逆向きになるように重ねる。すると、内外で隣り合った中間筒体31の大径開口端部31Aと小径開口端部31Bとが嵌合するので、その嵌合した開口端部同士を例えば、溶接する。これで、多重パイプ30が完成する。次に、多重パイプ30を第1ハウジング12及び第2ハウジング13に取り付ける。即ち、多重パイプ30を、第1筒体12Aの外側に挿入して、最内部の中間筒体31を第1筒体12Aの開口端部12Bに例えば、溶接する。ここで、最内部に配された中間筒体31の小径開口端部31Bには、内側に向かって鍔部32(図4を参照)が張り出しているから、この鍔部32に第1筒体12Aの開口端部12Bを係止させて、その係止部分を例えば、溶接する。
次に、多重パイプ30を第1筒体12Aと共に第2筒体13Aの内側に挿入して、最外部の中間筒体31を第2筒体13Aの開口端13Bに例えば、溶接する。ここで、最外部に配された中間筒体31の大径開口端部31Aには、外側に向かって鍔部33(図4を参照)が張り出しているから、この鍔部33に第2筒体13Aの開口端部13Bを係止させて、その係止部分を例えば、溶接する。これで、第1筒体12Aと第2筒体13Aとの間の隙間が塞がれ、超音波流量計10が完成する。
次に、上記構成からなる本実施形態の作用・効果を説明する。超音波流量計10が図示しない配管に連結されると、その配管内を流れるガスが、メーターハウジング11内を通過する。
メーターハウジング11に流入したガスは、計測管15に案内されて一方の超音波センサ20から他方の超音波センサ20に向かって流れる。そして、超音波流量計10が作動すると、一方の超音波センサ20から発信した超音波が他方の超音波センサ20に受信される迄の時間と、他方の超音波センサ20から発信した超音波が一方の超音波センサ20に受信される迄の時間との差が信号処理回路(図示せず)によって求められ、その差に基づいてガスの流速・流量が演算される。
さて、超音波センサ20が超音波を発信すると、その超音波はガス中だけでなく、メーターハウジング11を構成する壁部にも伝播する。例えば、第1ハウジング12に固定された超音波センサ20が超音波を送信した場合、メーターハウジング11を伝播する筐体伝播波は、超音波センサ20が固定された端部壁17から第1筒体12Aを伝播して、第1筒体12Aの開口端部12Bに向かい、開口端部12Bで折り返して多重パイプ30に入射する。筐体伝播波は多重パイプ30の壁部を、メーターハウジング11の長手方向に沿って往復するように伝播して第2筒体13Aの開口端13Bに向かい、開口端13Bで再び折り返して第2ハウジング13に固定された超音波センサ20に向かう。
ここで、本実施形態の超音波流量計10では、第1筒体12A、第2筒体13A、多重パイプ30によって多重筒部が構成されたことで筐体伝播波の伝播距離が延び、メーターハウジング11を伝播した筐体伝播波は、水素ガス中を伝播した超音波(流体伝播波)よりも遅れて受信側の超音波センサ20に受信される。また、受信側の超音波センサ20に到達するまでに筐体伝播波を減衰させることができる。しかも、第1ハウジング12と第2ハウジング13は多重パイプ30によって結合されているから、センサ間距離L1が変動することもない。これらにより、流体伝播波の伝播時間を正確に計測することができ、流体(具体的には、水素ガス)流速・流量の計測精度を従来よりも向上することができる。
[第2実施形態]
この第2実施形態は、多重パイプの構成を上記第1実施形態とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の多重パイプ130は、軸方向における内径及び外径が均一な複数本(例えば、5本)の中間筒体131を、同心でかつ互いに隙間を空けて配置した多重筒構造となっている。これら中間筒体131は、隣り合った中間筒体131同士の間で一の開口端部同士を周方向全体で結合すると共に、その外側で隣り合った中間筒体同士の間で一の開口端部とは逆側の開口端部同士を周方向全体で結合してある。詳細には、中間筒体131の開口端部同士の間には、中間筒体131同士の間の隙間を閉塞する環状スペーサ132が嵌合されている。この環状スペーサ132により、内外で隣り合った中間筒体131同士が結合され、断面蛇腹状をなす多重パイプ130が構成されている。なお、環状スペーサ132も、例えば、ステンレス製である。
また、第1筒体12Aの開口端部12Bの外周面と、第2筒体13Aの開口端部13Bの内周面には、全周に亘って段差凸部12C,13Cが形成されている。段差凸部12Cには最も内側に配された中間筒体131の開口端部の内周面が結合し、段差凸部13Cには最も外側に配された中間筒体131の開口端部の外周面が結合している。これにより、第1筒体12Aと第2筒体13Aとの間の隙間が、多重パイプ130によって塞がれている。なお、中間筒体131と第1筒体12A、第2筒体13A及び環状スペーサ132との間は、例えば、接着剤で接着してもよい。本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)多重パイプ30,130は、5本以上の奇数本の中間筒体31,131で構成してもよい。また、多重パイプ30,130の代わりに、1本の中間筒体31,131の両端部を、それぞれ第1筒体12Aの開口端部12Bと、第2筒体13Aの開口端部13Bとに結合してもよい。
(2)多重パイプ30,130を構成する中間筒体31,131の軸長は全て同じでもよいし、異なっていてもよい。
(3)中間筒体31,131はステンレス以外の金属で構成してもよいし、合成樹脂で構成してもよい。なお、水素ガスを流す場合には、腐食性や透過性の点で、ステンレスが好ましい。
(4)超音波流量計10で計測する流体は、水素ガスに限るものではなく、他のガス(例えば、空気、ヘリウムガス、プロパンガス)でもよいし、液体(例えば、水道水)であってもよい。
(5)テーパー形状の中間筒体31と、軸方向における内径及び外径が均一な中間筒体131及び環状スペーサ132を組み合わせて多重パイプを構成してもよい。
(6)前記第1実施形態では、中間筒体31同士、最外部の中間筒体31と第2筒体13A、最内部の中間筒体31と第1筒体12Aを何れも溶接していたが、例えば、接着剤で接着してもよい。
(7)前記第1及び第2実施形態では、第1筒体12Aの内側に計測管15と区画壁16とを備えていたが、計測管15及び区画壁16を備えていない構成でもよい。
本発明の第1実施形態に係る超音波流量計の断面図 超音波流量計の側面図 多重パイプの断面図 メーターハウジングの部分断面図 中間筒体の斜視図 (A)錐筒部材の側面図、(B)中間筒体の内側に他の中間筒体を挿入した状態の斜視図 第2実施形態に係る超音波流量計の部分断面図 (A)従来の超音波流量計の断面図、(B)他の従来の超音波流量計の断面図
符号の説明
10 超音波流量計
11 メーターハウジング(ハウジング)
12 第1ハウジング
12A 第1筒体
12B 開口端部
13 第2ハウジング
13A 第2筒体
13B 開口端部
18 計測流路
19 筒状空間
20 超音波センサ(超音波送受波器)
30,130 多重パイプ
31,131 中間筒体
31A 大径開口端部
31B 小径開口端部
40 錐筒部材
132 環状スペーサ

Claims (8)

  1. ハウジングに1対の超音波送受波器を対向配置して保持し、一方の前記超音波送受波器側から他方の前記超音波送受波器側に向けて流体を流したときに、それら超音波送受波器間で送受波される超音波の伝搬時間に応じて流量を計測可能な超音波流量計において、
    前記ハウジングは、一方の前記超音波送受波器を保持した第1ハウジングと、他方の前記超音波送受波器を保持した第2ハウジングとに分割され、
    前記第1ハウジングには、前記超音波送受波器同士の対向方向に延びて先端が開放した第1筒体が一体に設けられ、
    前記第2ハウジングには、前記超音波送受波器同士の対向方向に延びて先端が開放しかつ前記第1筒体の外側に遊嵌された第2筒体が一体に設けられ
    前記第1筒体と前記第2筒体との間の筒状空間に、少なくとも1つの中間筒体が収容され、
    前記第1筒体及び前記第2筒体と前記少なくとも1つの中間筒体とからなる少なくとも3つの同心筒体のうち隣り合った同心筒体同士の間で一の開口端部同士を周方向全体で結合すると共に、その外側で隣り合った同心筒体同士の間で前記一の開口端部とは逆側の開口端部同士を周方向全体で結合して、前記第1筒体と前記第2筒体との間を塞いだ多重筒部を形成したことを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記中間筒体を複数備え、前記多重筒部の断面が蛇腹構造をなしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記複数の中間筒体を、一端から他端に向かってテーパー状に拡径した錐筒形状にすると共にそれら複数の中間筒体の間でテーパー角を統一し、隣り合った中間筒体の開口端部同士を溶接又は接着したことを特徴とする請求項2に記載の超音波流量計。
  4. 前記同心筒体同士の結合部分に、それら同心筒体同士の間の隙間を閉塞する環状スペーサを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  5. 前記流体を伝播媒体としたときの超音波の伝搬速度をV1、
    前記1対の超音波送受波器の間の距離をL1、
    前記少なくとも3つの同心筒体を構成する壁部を伝播媒体としたときの超音波の伝搬速度をV2、
    前記少なくとも3つの同心筒体の軸長の和をL2としたときに、
    L2>(V2/V1)・L1
    上記関係式が成立するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の超音波流量計。
  6. 前記少なくとも3つの同心筒体をステンレス製とし、前記L2が前記L1の5倍以上になるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の超音波流量計。
  7. 前記中間筒体の肉厚は前記第1筒体及び前記第2筒体よりも薄肉であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の超音波流量計。
  8. 請求項3に記載の超音波流量計の製造方法であって、
    テーパー形状をなした錐筒部材を輪切り状に切断して複数の前記中間筒体を形成し、それら中間筒体を窄む方向が隣り合う中間筒体同士で相互に逆向きになるように内外に配置し、前記中間筒体の大径開口端部をその外側に配された前記中間筒体の小径開口端部に溶接又は接着し、前記中間筒体の小径開口端部をその内側に配された前記中間筒体の大径開口端部に溶接又は接着し、最も内側に配された前記中間筒体の小径開口端部を前記第1筒体の開口端部に溶接又は接着し、最も外側に配された前記中間筒体の大径開口端部を前記第2筒体の開口端部に溶接又は接着することを特徴とする超音波流量計の製造方法。

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