JP4872830B2 - 撮像装置、撮像方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法 - Google Patents
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ここで、図13は、従来技術の飽和・信号変動判定に基づく画像選択方法を示す図である。図13(a)においては、大きい露光量(長時間露光)の画像信号SLが飽和するか、または小さい露光量(短時間露光)の画像信号SSを感度比Kで乗算したKSSが飽和するためSSが合成画像として選択される。ここで、Kは、「大きい露光量(長いシャッタ時間)/小さい露光量(短いシャッタ時間)」から求められる値である。また、図13(b)や(d)では、SSとSLの比が1:2ではないため、SSが選択される。また、図13(c)ではSSとSLの比が1:2であるためS/Nの良いSLが選択される。ここで問題となるのが図13(b)や(d)のケースにおいてSSが選択されている根拠であり、被写体の状態変化や反射/発光のパターンによっては、SLの方がブレずに長時間露光された信頼性の高いデータである可能性も否定できない。例えば、短時間露光中には移動していた被写体が長時間露光中に停止した場合などには、SLの方が信頼性の高いデータになり得る。
受光した光を電荷に変換して蓄積する複数の光電変換素子をマトリックス状に配列した構成の光電変換部と、前記光電変換素子の露光時間を制御する機能とを備えた撮像装置であって、
前記光電変換素子が構成する各画素から、前記光電変換素子がN(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で露光された時の前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号を読み出す画素信号読出手段と、
前記画素信号読出手段で読み出した前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号の値に基づき、該画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定手段と、
前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された画素信号と、前記画素信号読出手段で読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正手段によって補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
そして、変動があったと判定された画素信号の値が補正される。一方、変動がなかったと判定された画素信号の値に対しては、補正処理が不要となる。ここで、被写体の状態変化とは、被写体の移動、被写体の急な変更(外部飛来物の侵入など)、撮像環境の変化(急な太陽光の入射などの輝度変化)などである。以下、形態13に記載の撮像方法、形態14に記載の画像処理装置、形態15に記載の画像処理プログラム、形態16に記載の画像処理方法などにおいて同じである。
また、上記非破壊読み出しは、光電変換素子から電荷(画素信号)を読み出すときに、当該光電変換素子に蓄積された電荷を空にせず蓄積状態を維持したままで読み出すものである。つまり、電荷読み出し時にリセット処理を行わないため、設定された露光時間に至るまで、電荷の蓄積途中において、異なる露光時間に対して何度でも電荷の読み出しを行うことができる。従って、非破壊読み出しは、多段階露光を容易に実現することができるという利点がある。以下、形態13に記載の撮像方法において同じである。
前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNのいずれか1つである基準の露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき補正することを特徴とする。
前記信号変動判定手段は、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の値を予測する予測部と、該予測部で予測した予測値と前記画素信号読出手段で読み出した前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の値との露光時間毎の差分値を算出する差分値算出部と、該差分値算出部で算出した差分値と所定閾値とを比較する比較部とを有し、該比較部の比較結果に基づき前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を、該画素信号に対応する前記予測値に基づき補正することを特徴とする。
以上より、基準値に対する変動の大きさから信号変動判定を行うことができるので、簡易且つ精度良く信号変動判定を行うことができると共に、比較的信頼性の低い画素信号の値を、比較的信頼性の高い値に基づき補正することができるので、信頼性の低い画素信号の値を選択し且つその値をそのまま使用して合成を行うといったことを防ぐことができる。これにより、従来に比して、より良好な画質のHDR画像を得ることができるという効果が得られる。
前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部と、該周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき前記露光時間TRを設定するTR設定部とを有することを特徴とする。
このような構成であれば、抽出した周波数成分から、各露光時間に対応する画素信号の画質を判断することができるので、例えば、画質の最も良い(例えば、ボケた画像とならない又は比較的ボケ具合が軽い)画素信号の露光時間を基準の露光時間TRにすることで、精度良く信号変動判定処理及び補正処理を行うことができるので、従来に比して、より良好な画質のHDR画像を得ることができるという効果が得られる。
ここで、周波数成分の抽出処理は、公知のフーリエ変換によって画素信号の値を空間周波数成分へと変換したり、ラプラシアンフィルタなどの公知のエッジフィルタを用いてエッジ抽出をすることで行われる。以下、形態7に記載の撮像装置において同じである。
前記周波数成分抽出部は、前記周波数成分として前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号のエッジ量E1〜ENを抽出し、
前記TR設定部は、前記エッジ量E1〜ENのうち最も大きいエッジ量を有する画素信号に対応する露光時間を前記基準の露光時間TRとして設定することを特徴とする。
これにより、精度良く信号変動判定処理及び補正処理を行うことができるので、従来に比して、より良好な画質のHDR画像を得ることができるという効果が得られる。
前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部を有し、該周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき、前記各画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき、前記露光時間T1〜TNのいずれか1つを基準の露光時間TRとして設定し、該露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、該露光時間TR以外の露光時間に対応する画素信号の値を補正することを特徴とする。
前記周波数抽出部は、前記周波数成分として前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号のエッジ量E1〜ENを抽出し、
前記補正手段は、前記エッジ量E1〜ENのうち最も大きいエッジ量を有する画素信号の露光時間を、前記基準の露光時間TRとすることを特徴とする。
これにより、精度良く信号変動判定処理及び補正処理を行うことができるので、従来に比して、より良好な画質のHDR画像を得ることができるという効果が得られる。
前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された補正対象の画素信号の値に対して、該画素信号の値に対応する画素周辺の所定数の画素の画素信号に対応する信号変動判定結果に基づき、該周辺の所定数の画素に対する被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する判定部を有し、該判定部において、前記所定数の画素に対する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったと判定されたときに、前記補正対象の画素信号の値を補正することを特徴とする。
これにより、従来に比して、より良好な画質のHDR画像を得ることができるという効果が得られる。
前記補正手段は、前記補正対象の画素信号の値を、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき予測した該露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の予測値へと置換する補正を行うことを特徴とする。
前記補正手段は、前記補正対象の画素信号の値を、該画素信号の値と前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき予測した該露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の予測値とを合成した値へと変換する補正を行うことを特徴とする。
前記予測値の最大値を前記光電変換素子の蓄積電荷量が飽和したときの画素信号の値としたことを特徴とする。
このような構成であれば、光電変換素子の性能(蓄積電荷量)に応じた予測値に基づき補正を行うことができるので、適切な信号レベルで合成を行うことができるという効果が得られる。
前記補正手段は、前記露光時間TRに対応する画素信号の値が前記光電変換素子の蓄積電荷量が飽和したときの値となっているときに、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TRよりも短い露光時間に対応する画素信号の値が、前記予測値を前記閾値以上下まわるものに対してのみ補正処理を行うことを特徴とする。
以上より、露光時間TRよりも短い露光時間に対応する画素信号の値に対して、不適切な補正を行うことを防ぐことができるという効果が得られる。
受光した光を電荷に変換して蓄積する複数の光電変換素子をマトリックス状に配列した構成の光電変換部と、前記光電変換素子の露光時間を制御する機能とを備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、
前記光電変換素子が構成する各画素から、前記光電変換素子がN(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で露光された時の前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号を読み出す画素信号読出ステップと、
前記画素信号読出ステップで読み出した前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号の値に基づき、該画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップと、を含むことを特徴とする。
これにより、形態1に記載の撮像装置と同等の作用及び効果が得られる。
N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定手段と、
前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された画素信号と、前記画素信号読出手段で読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正手段によって補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
これにより、形態1に記載の撮像装置と同等の作用及び効果が得られる。
N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする。
N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップと、を含むことを特徴とする。
これにより、形態1に記載の撮像装置と同等の作用及び効果が得られる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図7は、本発明に係る撮像装置、撮像方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法の第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る撮像装置の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る撮像装置100の構成を示すブロック図である。
第1〜第3メモリ12〜14は、フレームメモリ及びメモリコントローラから構成され、それぞれ自己に対応する露光時間で撮像された1フレーム分の画素データを記憶する。このとき、メモリコントローラによって、不図示のタイミング制御部からのピクセルクロック、垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、各画素データの2次元の格納アドレスを生成し、2次元のメモリ空間上のデータとして管理する。
撮像画像生成部17は、画素毎に、正規化後の露光時間T1〜T3に対応する第1〜第3画素データを合成して、被写体の撮像画像データを生成する。この撮像画像データは、露光時間の異なる3つの画素データを合成して生成されるため、ダイナミックレンジの広い画像データ(HDR画像データ)となる。具体的には、画素毎に、補正部16で正規化後の露光時間T1〜T3に対応する画素データの値を単純に足し合わせる。
表示部19は、HDRディスプレイ(例えば、コントラスト比が「40000:1」など)から構成されており、撮像画像生成部17から入力された撮像画像データ、又は画像保存部18によって保存された撮像画像データに基づき、被写体の画像を表示する。また、HDRディスプレイにより、撮像画像生成部17で生成された撮像画像データの画像をレンジ圧縮せずに表示することができる。
ここで、図2は、信号変動判定部15の詳細構成を示すブロック図である。
信号変動判定部15は、図2に示すように、周波数成分抽出部15aと、基準露光時間設定部15bと、差分値算出部15cと、比較部15dと、変動判定部15eとを含んで構成される。
本実施の形態においては、後者の方法を用い、公知のラプラシアンフィルタを用いて、エッジ抽出対象の画素とその周辺画素の画素データに対してフィルタ処理を行い、対象画素データに対するエッジ量を求める。
ここで、予測値は、基準露光時間TRまでの蓄積電荷の増加量を基準に算出する。具体的に、露光時間Tn(nは1以上の自然数)に対応する第n画素データ(IMG_Tn)の予測値(E_IMG_Tn)は、下式(1)に従って算出される。
E_IMG_Tn=IMG_TR×Tn/TR ・・・(1)
但し、基準露光時間TRに対する予測値は算出できないので、「Tn≠TR」のときのみ予測値を算出する。また、予測値の最大値は、画素の飽和値とする。
比較部15dは、比較回路において、差分値算出部15cで算出された、画素毎且つ露光時間毎の差分値の絶対値と、予め設定された閾値とを比較し、該比較結果を変動判定部15eに出力する。このとき、後段の処理のために、第1〜第3画素データ及びこれらに対応する各差分値を不図示の内部メモリに保持しておく。
補正部16は、図3に示すように、画素データ補正部16aと、正規化部16bとを含んで構成される。
画素データ補正部16aは、信号変動判定部15から入力された変動判定データに基づき、被写体の状態変化に伴う変動があったと判定された画素データを補正する。
但し、本実施の形態においては、基準画素データの値が飽和値であった場合で、且つ基準露光時間TRよりも短い露光時間に対応する画素データの値が予測値を上まわっている場合には、予測値への置換を行わないようにする。つまり、基準値が飽和値である場合は、基準露光時間TRよりも長い露光時間に対応する画素データの値は全て飽和値になるが、TRよりも短い露光時間に対応する画素データの値は、最低でも予測値と同じ値になるため、予測値を上まわっている場合は、その値の方が信頼性が高い可能性があるためである。
具体的に、正規化後の第n画素データを「N_IMG_Tn」とし、最長の露光時間を「TM(n<M)」として、下式(2)に基づき正規化する。
N_IMG_Tn=IMG_Tn×TM/Tn ・・・(2)
本実施の形態においては、露光時間がT1〜T3の3種類となるので、最も露光時間の長いT3に合わせて、露光時間T1、T2に対応する第1、第2画素データを正規化する。
次に、図4〜図7に基づき、本実施の形態の撮像装置100の動作を説明する。
周波数成分抽出部15aは、注目画素及び周辺画素の第1〜第3画素データが入力されると、ラプラシアンフィルタの原理を用いたエッジ抽出回路において、注目画素及び周辺画素(ここでは、注目画素の上下左右に位置する4画素とする)に対してフィルタ処理を実行する。フィルタ処理は、各露光時間に対応した画素データ毎に行われ、ラプラシアンフィルタにおける各画素位置に対応して設定されたフィルタ係数を、乗算器によって該当の画素データの値に乗算し、加算器によって乗算後の全ての画素データの値の総和をとる処理となる。この総和が、注目画素に対するエッジ量(周波数成分)となる。
基準露光時間設定部15bは、エッジ量E1〜E3が入力されると、各エッジ量を比較し、最も多いエッジ量に対応する露光時間を基準露光時間TRとして設定し、該設定したTRの情報を差分値算出部15cに出力する。ここでは、エッジ量E2が最も多かったとして、露光時間T2を基準露光時間TRに設定する。
第1及び第3予測値が算出されると、第1及び第3画素データと、第1及び第3予測値との差分値をそれぞれ算出する。第1画素データの差分値(第1差分値(D_IMG_T1))は、「D_IMG_T1=IMG_T1-E_IMG_T1」と算出され、第3画素データの差分値(第3差分値(D_IMG_T3))は「D_IMG_T3=IMG_T3-E_IMG_T3」と算出される。
比較部15dは、比較回路において、差分値算出部15cから入力された第1及び第3差分値の絶対値と閾値「Th」とを比較し、その比較結果を、変動判定部15eに出力する。
変動判定部15eは、比較部15dから入力された比較結果に基づき、差分値が閾値以上である場合は、変動判定データとして「1」を生成し、差分値が閾値未満である場合は、変動判定データとして「0」を生成する。ここでは、露光時間T2が基準露光時間TRとなっているので、第1及び第3画素データに対する第1及び第3変動判定データDRT1及びDRT3が生成される。
補正部16は、信号変動判定部15から第1及び第3変動判定データDRT1及びDRT3、第1〜第3画素データ、第1差分値及び第1及び第3予測値が入力されると、まず、変動判定データに基づき、第1及び第3画素データに対する変動の有無を調べ、変動があった画素データに対して補正処理を実行する。
まず、図4に示す、基準露光時間TRの信号レベルが基準レベル未満のときの動作を説明する。ここで、基準レベルとは、一定の増加量で露光時間0HからT3(500H)まで露光をしたときに、T3(500H)で丁度飽和値に到達する場合の露光時間TRにおける信号レベルである。つまり、被写体に状態変化がなく一定の増加量で増加していった場合(線形に変化した場合)に、露光時間TRの画素データの信号レベルが基準レベル以下の場合は、500Hにおいて飽和しないことになる。一方、露光時間TRの画素データの信号レベルが基準レベルを超える場合は、500H以前に飽和することになる。
次に、図5に示す、基準露光時間TRの信号レベルが基準レベルを超えている(但し、飽和レベル未満)ときの動作を説明する。
つまり、図5に示す例では、露光時間TR(100H)の画素データの信号レベル(図5中の灰色の丸)が基準レベルよりも大きくなっており、そのT3(500H)に対する予測値の信号レベルも飽和値となっている。この場合に、図5中の15Hの「○」に示すように、第1画素データの信号レベルが第1予測値のレベルを上まわっている場合は、変動ありと判定されていれば、第1画素データの値を第1予測値へと置換する補正処理を実行する。また、図5中の500Hの「○」に示すように、第3画素データの信号レベルが第3予測値と同じ飽和レベルとなっている場合は、差分値が「0」になるため、変動判定データも「0」となるので、補正処理は行われない。また、図5中の「●」に示すように、第1及び第3画素データの信号レベルが第1及び第3予測値のレベルをそれぞれ下まわっている場合は、両者とも変動ありと判定されていれば、第1及び第3画素データの値を第1及び第3予測値へと置換する補正処理を実行する。一方、変動ありと判定されていない場合(差分値が閾値th未満の場合)は、予測値を上まわっていても下まわっていても、予測値への置換は行われない。
次に、図6に示す、基準露光時間TRの信号レベルが飽和レベルに達しているときの動作を説明する。
つまり、図6に示す例では、露光時間TR(100H)の画素データの信号レベル(図6中の灰色の丸)が飽和レベルに達しており、それ以降の露光時間に対する信号レベルが全て飽和レベルとなっている。この場合に、図6中の500Hの「○」又は「●」に示すように、第3画素データの信号レベルが第3予測値と同じ飽和レベルとなった場合は、差分値が0になるため、変動判定データは「0」となり、補正処理は行われない。また、図6中の15Hの「●」に示すように、第1画素データの信号レベルが第1予測値のレベルを下まわった場合は、変動ありと判定されていれば、第1画素データの値を第1予測値へと置換する補正処理を実行する。また、図6中の15Hの「○」に示すように、第1画素データの信号レベルが第1予測値のレベルを上まわっている場合は、露光時間TR(100H)の画素データの信号レベルが飽和レベルに達していることから、この場合の第1画素データが予測値よりも信頼性が低いとは限らない(正確な判断ができない)。従って、このような場合に、画素データ補正部16aは、第1画素データの予測値への置換を行わない。一方、変動ありと判定されていない場合は、予測値を上まわっても下回っても、予測値への置換は行わない。
上記のようにして、補正処理が実行されると、補正処理を経た第1〜第3画素データは、正規化部16bに出力される。
正規化部16bは、露光時間T3に対応する第3画素データに合わせて、上式(2)に従い、第1及び第2画素データを正規化する。例えば、補正後の画素データが、第1画素データ「E_IMG_T1」、第2画素データ「IMG_T2」、第3画素データ「E_IMG_T3」の場合は、正規化後の第1、第2、第3画素データは、「N_IMG_T1=E_IMG_T1×T3/T1」、「N_IMG_T2=IMG_T2×T3/T2」、「N_IMG_T3=IMG_T3×T3/T3=IMG_T3」となる。
撮像画像生成部17は、画素データ補正部16aから正規化後の第1〜第3画素データ「N_IMG_T1〜N_IMG_T3」が入力されると、これらを単純に加算合成することで、撮像画素データを生成する。具体的に、合成後の撮像画素データを「HDR_IMG(x,y)」とすると、「HDR_IMG(x,y)=N_IMG_T1+N_IMG_T2+N_IMG_T3」と加算合成される。ここで、(x,y)は、合成対象画素のアドレスを示す。
表示部19は、リアルタイムに映像を表示する場合は、撮像画像生成部17から入力された撮像画像データに基づき、被写体の画像を表示する。一方、リアルタイムに映像を表示しない場合は、表示部19は、ユーザからの指示に応じて、画像保存部18によって保存された撮像画像データを読み出し、該読み出した撮像画像データに基づき、被写体の画像を表示する。
図7に示すように、露光時間T1〜T3で撮像された画像を単純に合成した場合は、露光時間T3の撮像画像における窓際の人物の腕がブレているため、そのブレた画像部分が合成後の画像にも残ってしまう。
更に、上記算出した差分値及び予め設定された閾値に基づき、被写体の状態変化に伴う変動の有無を判定し、変動があったと判定された画素データを、上記算出した予測値に置換する補正処理を実行することが可能である。
以上より、信頼性の高い画素データを基準画素データとして設定することができるので、この基準画素データの予測値に対する変動量(差分値)の大きさから、被写体の移動に伴う画素データの変動の有無をより正確に判定することができる。また、この判定結果に基づき、変動のあった画素データ(信頼性の比較的低い画素データ)を、これよりも信頼性の高い画素データ(予測値)に確実に置換する補正処理を行うことができるので、従来に比して、撮像画像の画質を向上することができる。
次に、本発明に係る撮像装置、撮像方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法の第1の実施の形態の変形例1を説明する。
本変形例1は、上記第1の実施の形態において、補正部16の画素データ補正部16aで、変動があったと判定された画素データを、予測値に置換する補正処理を行っているのに対して、変動があったと判定された画素データの値と予測値との両方の値を用いて補正処理を行う点が異なる。従って、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分のみ詳細に説明する。
合成方法としては、具体的に、該当画素データの値と予測値との加算平均を算出する方法、該当画素データの値と予測値とに対して、変動(差分値)の大きさに応じた重み付けを行って加算する方法などがある。
R_IMG_Tn=(IMG_Tn+E_IMG_Tn)/2 ・・・(3)
例えば、第2画素データが基準画素データであり、第1画素データ(IMG_T1)及び第3画素データ(IMG_T3)が変動ありと判定されている場合に、加算平均を用いた補正処理を行うと、補正後の第1画素データは、「R_IMG_T1=(IMG_T1+E_IMG_T1)/2」と算出され、補正後の第3画素データは、「R_IMG_T3=(IMG_T3+E_IMG_T1)/2」と算出される。
R_IMG_Tn=(1−α)×IMG_Tn+α×E_IMG_Tn ・・・(4)
例えば、第2画素データが基準画素データであり、第1画素データ(IMG_T1)及び第3画素データ(IMG_T3)が変動ありと判定されている場合に、重み付けによる加算合成を用いた補正処理を行うと、補正後の第1画素データは、「R_IMG_T1=(1−α)×IMG_T1+α×E_IMG_T1」と算出され、補正後の第3画素データは、「R_IMG_T3=(1−α)×IMG_T3+α×E_IMG_T3」と算出される。
以上、本変形例の撮像装置100は、被写体の状態変化に伴う変動があったと判定された画素データに対して、該画素データの値と、該画素データに対応する予測値とを合成した値に変換する補正処理を行うことが可能である。
上記変形例1において、補正部16は、形態1、2、3、10、12及び14のいずれか1の補正手段又は形態13、15及び16のいずれか1に記載の補正ステップに対応する。
次に、図8〜図10に基づき、本発明に係る撮像装置、撮像方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法の第1の実施の形態の変形例2を説明する。
本変形例2は、上記第1の実施の形態及び上記変形例1において、補正部16の画素データ補正部16aで、変動があったと判定された画素データに対して補正処理を行っているのに対して、変動があったと判定された画素データに対して、更に、その周辺の画素の画素データの変動の有無を調べ、周辺画素に対しても変動ありと判定されている場合に補正処理を行う点が異なる。従って、同じ機能を有する構成部については同じ符号を付して適宜説明を省略し、上記第1の実施の形態及び変形例1と異なる部分を詳細に説明する。
補正部16’は、図8に示すように、判定結果保存部16cと、変動真偽判定部16dと、画素データ補正部16aと、正規化部16bとを含んで構成される。
判定結果保存部16cは、メモリを有し、露光時間T1〜T3に対応する画素データの変動判定データを全画素分、前記メモリに記憶保持する。ここで、全画素分の変動判定データが記憶されたときに、通知信号によって、変動真偽判定部16dに通知する。
次に、図9に基づき、変動真偽判定部16dにおける変動真偽判定処理の流れを説明する。ここで、図9は、変動真偽判定部16dにおける変動真偽判定処理を示すフローチャートである。
ステップS104では、変動真偽判定部16dにおいて、ステップS102で読み出した変動判定データに基づき、補正処理対象の画素データに対する変動判定結果が「変動あり」か否かを判定し、変動ありと判定した場合(Yes)は、ステップS106に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS114に移行する。
ステップS108では、変動真偽判定部16dにおいて、ステップS106で読み出した変動判定データに基づき、周辺画素の画素データに対する変動判定結果は、全て「変動なし(0)」か否かを判定し、全て「変動なし(0)」であると判定した場合(Yes)は、ステップS112に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS110に移行する。
一方、ステップS112に移行した場合は、変動真偽判定部16dにおいて、補正処理対象の画素データに対する変動判定データを、「変動あり(1)」から「変動なし(0)」に変更且つ確定して、ステップS114に移行する。
ステップS116では、変動真偽判定部16dにおいて、ステップS114で出力された変動判定データは、最終画素のものか否かを判定し、最終画素のものであると判定した場合(Yes)は処理を終了し、そうでない場合(No)は、ステップS102に移行する。ここで、真偽判定処理は、基準露光時間を抜かした他の露光時間の全ての画素に対して行う。
次に、図10に基づき、本変形例の撮像装置100の動作を説明する。
ここで、図10(a)及び(b)は、補正処理対象の画素とその周辺の画素の変動判定結果の一例を示す図である。
以下、補正部16’の動作から説明する。
補正部16’は、信号変動判定部15から変動判定デーが入力されると、判定結果保存部16cにおいて、該入力された変動判定データをメモリに順次記憶する。これにより、変動判定データが、基準露光時間TR以外の露光時間に対する変動判定データが全画素分、メモリに記憶されると、判定結果保存部16cは、そのことを通知する通知信号を、変動真偽判定部16dに出力する。
この場合に、変動真偽判定部16dは、補正処理対象の画素データの画素の周辺8画素(上下左右斜めの8画素)に対応する露光時間T3の変動判定データを、判定結果保存部16cから読み出す(ステップS106)。
上記のような変動真偽判定処理を、判定対象の全ての画素に対して行うことで(ステップS116の「Yes」の分岐)、処理が終了する。
以降の、画素データ補正部16a、正規化部16b、撮像画像生成部17、画像保存部18、表示部19における各処理は、上記第1の実施の形態又は上記変形例1と同様となるので説明を省略する。
これにより、ノイズの影響などによって変動があったと誤判定された画素データに対して補正処理を行わないようにできるので、画素データの誤補正を防ぐことができ信頼性を確保できる。
〔第2の実施の形態〕
以下、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図11〜図12は、本発明に係る撮像装置、撮像方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法の第2の実施の形態を示す図である。
まず、図11に基づき、本発明に係る撮像装置100’における信号変動判定部15’の詳細な構成を説明する。ここで、図11は、信号変動判定部15’の詳細構成を示すブロック図である。
周波数成分抽出部15aは、上記第1の実施の形態と同様に、公知のラプラシアンフィルタを用いて、エッジ抽出対象の画素とその周辺画素の画素データに対してフィルタ処理を行い、対象画素データに対するエッジ量を求める。なお、露光時間T1〜T3に対応するエッジ量E1〜E3は、比較部15fに出力されると共に、補正部16’’に出力される。
この比較結果は、変動判定部15gに出力される。
補正部16’’は、図12に示すように、基準露光時間設定部16eと、画素データ補正部16fと、正規化部16bとを含んで構成される。
基準露光時間設定部16eは、上記第1の実施の形態における、基準露光時間設定部15bと同様の機能を有しており、エッジ量E1〜E3のうち、最も多いエッジ量に対応する露光時間を、基準露光時間TRに設定する。設定した基準露光時間TRの情報は、画素データ補正部16fに出力される。
ここで、周波数成分抽出部15aのエッジ量の抽出処理までの動作は、上記第1の実施の形態の撮像装置100と同様となるので、説明を省略する。
以下、エッジ量E1〜E3の抽出後の動作から説明する。
周波数成分抽出部15aは、エッジ量E1〜E3を抽出すると、該抽出したエッジ量E1〜E3を、比較部15fに出力すると共に、補正部16’’に出力する。
以降の、正規化部16b、撮像画像生成部17、画像保存部18、表示部19における各処理は、上記第1の実施の形態と同様となるので説明を省略する。
以上、本実施の形態の撮像装置100’は、CCDイメージセンサの各画素を、3種類の露光時間T1〜T3で露光して得られた画素データの周波数成分(エッジ量)に基づき、被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定することができると共に、基準となる露光時間TRを設定することができる。
なお、上記第1及び第2の実施の形態においては、撮像部10を、CCDイメージセンサを有する構成としたが、これに限らず、各画素がCMOS素子で構成されるCMOSイメージセンサを有する構成など他の構成としても良い。CMOSイメージセンサを有する構成であれば、各画素から非破壊で画素信号を読み出すことができるので、1フレームの期間において、複数種類の露光時間に対応する画素信号を読み出すことができる。これにより、例えば、ローリングシャッタ方式の電子シャッタ機能を有するものであれば、画像のライン単位で順次露光時間の異なる画素信号を読み出すことができるようになるため、各露光時間の画素データを全画素分取得してから処理を行うのと比較して、上記各処理を高速に行うことができる。また、ライン毎に順次処理を行うことができるので、画素データや変動判定データの保持に必要なメモリの容量を大幅に減らすことができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、同一画素に対する露光時間の異なる各画素データの周波数成分に基づき、基準露光時間TRを設定する構成としたが、これに限らず、予め基準露光時間TRを決められた露光時間に設定する構成としても良い。
Claims (16)
- 受光した光を電荷に変換して蓄積する複数の光電変換素子をマトリックス状に配列した構成の光電変換部と、前記光電変換素子の露光時間を制御する機能とを備えた撮像装置であって、
前記光電変換素子が構成する各画素から、前記光電変換素子がN(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で露光された時の前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号を読み出す画素信号読出手段と、
前記画素信号読出手段で読み出した前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号の値に基づき、該画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定手段と、
前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された画素信号と、前記画素信号読出手段で読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正手段によって補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNのいずれか1つである基準の露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき補正することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記信号変動判定手段は、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の値を予測する予測部と、該予測部で予測した予測値と前記画素信号読出手段で読み出した前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の値との露光時間毎の差分値を算出する差分値算出部と、該差分値算出部で算出した差分値と所定閾値とを比較する比較部とを有し、該比較部の比較結果に基づき前記露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を、該画素信号に対応する前記予測値に基づき補正することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部と、該周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき前記露光時間TRを設定するTR設定部とを有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の撮像装置。
- 前記周波数成分抽出部は、前記周波数成分として前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号のエッジ量E1〜ENを抽出し、
前記TR設定部は、前記エッジ量E1〜ENのうち最も大きいエッジ量を有する画素信号に対応する露光時間を前記基準の露光時間TRとして設定することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 - 前記信号変動判定手段は、前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号の周波数成分を抽出する周波数成分抽出部を有し、該周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき、前記各画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定し、
前記補正手段は、前記周波数成分抽出部で抽出した周波数成分に基づき、前記露光時間T1〜TNのいずれか1つを基準の露光時間TRとして設定し、該露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき、該露光時間TR以外の露光時間に対応する画素信号の値を補正することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記周波数抽出部は、前記周波数成分として前記露光時間T1〜TNに対応する各画素信号のエッジ量E1〜ENを抽出し、
前記補正手段は、前記エッジ量E1〜ENのうち最も大きいエッジ量を有する画素信号の露光時間を、前記基準の露光時間TRとすることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。 - 前記補正手段は、前記信号変動判定手段で変動があったと判定された補正対象の画素信号の値に対して、該画素信号の値に対応する画素周辺の所定数の画素の画素信号に対応する信号変動判定結果に基づき、該周辺の所定数の画素に対する被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する判定部を有し、該判定部において、前記所定数の画素に対する画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったと判定されたときに、前記補正対象の画素信号の値を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記補正手段は、前記補正対象の画素信号の値を、前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき予測した該露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の予測値へと置換する補正を行うことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記補正手段は、前記補正対象の画素信号の値を、該画素信号の値と前記露光時間TRに対応する画素信号の値に基づき予測した該露光時間TR以外の各露光時間に対応する画素信号の予測値とを合成した値へと変換する補正を行うことを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記予測値の最大値を前記光電変換素子の蓄積電荷量が飽和したときの画素信号の値としたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の撮像装置。
- 前記補正手段は、前記露光時間TRに対応する画素信号の値が前記光電変換素子の蓄積電荷量が飽和したときの値となっているときに、前記露光時間T1〜TNのうち前記露光時間TRよりも短い露光時間に対応する画素信号の値が、前記予測値を下まわるものに対してのみ補正処理を行うことを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 受光した光を電荷に変換して蓄積する複数の光電変換素子をマトリックス状に配列した構成の光電変換部と、前記光電変換素子の露光時間を制御する機能とを備えた撮像装置に用いられる撮像方法であって、
前記光電変換素子が構成する各画素から、前記光電変換素子がN(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で露光された時の前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号を読み出す画素信号読出ステップと、
前記画素信号読出ステップで読み出した前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応する画素信号の値に基づき、該画素信号に対して被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップと、を含むことを特徴とする撮像方法。 - N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定手段と、
前記信号変動判定手段で変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された画素信号と、前記画素信号読出手段で読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正手段によって補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする画像処理プログラム。 - N(Nは、3以上の自然数)種類の露光時間T1〜TN(T1<T2<・・・<T(N−1)<TN)で被写体を撮像して得られる、前記露光時間T1〜TNにそれぞれ対応した画素信号の値に基づき、該画素信号に対して前記被写体の状態変化に伴う変動があったか否かを判定する信号変動判定ステップと、
前記信号変動判定ステップで変動があったと判定された画素信号の値を補正する補正ステップと、
前記補正ステップで補正された画素信号と、前記画素信号読出ステップで読み出した露光時間T1〜TNに対応する画素信号のうち前記補正ステップで補正された画素信号に対応する露光時間以外の露光時間に対応する画素信号とを合成して前記被写体の撮像画像を生成する撮像画像生成ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
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