JP4868570B2 - 抗カビ剤 - Google Patents

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Description

本発明は、プロリン誘導体を有効成分とする抗カビ剤に関する。
昆虫類は、他の動物類に認められるような免疫機構を有していない。昆虫類の生体防御に関わる化学的機構としては、昆虫類が特異な物質を生産して、細菌類やカビ類などからの感染を防いでいることが古くから知られている。
これらの中で、細菌類に対する抗菌性物質に関しての研究例は比較的多く、現在昆虫類から100種以上のこれらの物質が単離・同定されている。これらの物質はすべて低分子のポリペプチドであり、1つの物質の持つ抗菌性スペクトルは比較的広いことが知られている。また、これらの物質はすべて常在性のものではなく、細菌類が体内に侵入してから生成される誘導性物質であることも知られている。
一方、カビ類に対する抗カビ性物質に関しての研究例は、抗菌性物質に比べてその研究例は少なく、現在までに昆虫類からは10数種類の物質が明らかにされているにすぎない。例えば、センチニクバエ Sacrophaga peregrina から分離されたAFP(Iijima et al. 1993、非特許文献1)、チョウセンクロコガネ Holotrichia diomphalia から分離されたholotricin 3(Lee et al. 1995、非特許文献2)およびチャイロコメノゴミムシダマシ Tenebrio molitor からtenecin 3(Jung et al. 1995、非特許文献3)がこれまでに分離されており、これらは病原性微生物の侵入の有無に関わらず体液中に常在する構造性ペプチドであり、分子量も8〜13 kDa と抗微生物性ペプチドのなかではやや大きい。
Iijima, R., Kurata, S., and Natori, S. (1993) The Journal of Biological Chemistry, 268 (16) 5, pp. 12055-12061 Lee, S. Y., Moon, H. J., Kurata, S., Natori, S., and Lee B. L. (1995) Biol. Pharm. Bull. 18 (8) 1049-1052 Jung, Y. H., Park, B. Y., Lee, D. K., Hahn, Y., Chung, J. H., Han, D. M., Moon, H. J., Lee, B. L., and Lee, Y. (1995) Mol. Cells 5, 287-292.
今までに報告されている抗カビ性物質はすべてポリペプチドあるいは低分子のタンパク質であり、抗菌性物質と類似しているが、これらに比べ分子量が全体的に多く、また常在性のタンパク質も含まれていることが抗菌性物質と異なる点である。また、一部の抗カビ性物質は抗菌性物質との共通物質であることから、1つの物質が多機能である可能性も高いことが指摘されている。
従来分離・同定された昆虫類由来の抗菌あるいは抗カビ性物質は天然性のものであること、ポリペプチド系のタンパクであることから、他の動物などの生物に対して毒性が極めて低いこと、また抗菌スペクトルが広く耐性菌などの出現する可能性が低いことなどから、新たな医薬品としての利用価値が高いことが指摘されてきた。しかし、これまでに発見されてきた物質がポリペプチドあるいはタンパクであるため、その物質としての安定性が比較的弱いため、利用するに当たっては大きな問題となっている。
そこで本発明の目的は、天然由来の抗カビ性物質であって、ポリペプチド及びタンパク以外の比較的安定な物質を提供することにある。
本発明では、昆虫類由来の新たな抗カビ性物質を精製するために、以下の点について新たな研究方向を目指した。第1は材料としてツンベルグナガゴミムシ成虫を用いたことである。本種は昆虫寄生性カビ類の一種である Verticillium lecanii に罹病せず、また生息場所には多くのカビ類が存在していることから、抗カビ性が高いと予測された。また、本成虫は脱皮や変態はもとより休眠などは行わないため、生理的には比較的単純であるため、体液中に存在する物質が少ないことが予測された。
第2は体液の採取方法を改善したことである。今回用いた方法は、外部から蒸留水を注入して体液を押しだして採取する方法を用いた。この方法を用いることにより、体液以外に由来する物質や固形物などがサンプルに混入する可能性が極めて少ないことである。
第3は、体液採取以前に大腸菌を成虫に摂取して、生体防御反応を高めたことである。前述したように、抗カビ性物質は抗菌性物質と同じ可能性が高いため、より多くの抗カビ性物質を回収する可能性が高いことである。
そして、第4は、抗カビ性物質の分離・精製には逆相高速液体クロマトグラフを用いたことである。この方法は操作が比較的容易であり、低分子化合物の分離に適しており、またポリペプチドはもとより、それ以外の物質の検出にも優れていることである。
以上の方法を有効に組み合わせることにより、新たな昆虫由来の抗カビ性物質の分離・精製を試みた。抗カビ性物質の生物検定には、植物病原性糸状菌類の一種である Cladosporium fulvum (トマト葉カビ病菌)を用いて、Liquid Growth Inhibition Assay(LGIA)法と光学顕微鏡法を併用し、抗カビ性の定性的および定量的検定を同時に行った。
その結果、ツンベルクナガゴミムシの体液中より、抗カビ活性画分を精製することに成功し、この物質をNMRによる分析を行ったところ、N-アセチルプロリンであることが判明した。本物質は既知の化合物であるが、昆虫類から精製された報告は今までに見あたらない。また、本物質の機能性を検索したところ、抗カビ性に関しては全く知られておらず、また他の微生物類に対する機能性も全く見あたらない。さらに、現在までに昆虫類から分離・精製された抗カビ性物質はすべてポリペプチドあるいは低分子のたんぱく質であり、本研究で示されたN-アセチルプロリンは昆虫由来の抗カビ性物質としては異例のものといえる。
本発明は、N-アセチルプロリンを有効成分として含有する抗カビ剤に関する。
N-アセチルプロリンは、昆虫体内より精製された天然物由来の物質であるため、抗カビ性の機能を利用した多くの薬品に用いられた場合、その安全性や生態系における分解性に優れている可能性が極めて高い。N-アセチルプロリン以外のプロリン誘導体についても同様に考えられる。
プロリン誘導体としては、以下の一般式(1)、(2)または(3)で示される化合物を挙げることができる。
(但し、一般式(1)〜(3)中、Rはアルキル基、アリール基、またはアラルキル基であり、一般式(3)中、Mは、Na、K、Mg、Ca、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムである。)
一般式中Rは、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基である。アルキル基、アリール基、およびアラルキル基は、無置換であるか、または置換基を有することができる。置換基は、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)であることができる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、トリフルオロメチル、ステアリル、パルミチル等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル、トリル、ナフチル、ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル、クロロフェニル、トリフルオロフェニル、フリル、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、ピロール等を挙げることができる。アラルキル基としては、ベンジル、ヒドロキシフェニルメチル、トリフルオロフェニルメチル、メトキシフェニルメチル等を挙げることができる。
一般式中Rは、アルキル基であることが好ましく、特に、メチルであることが好ましい。一般式(1)で示される化合物のうちRがメチルである化合物が、N-アセチルプロリンであり、特に好ましい。N-アセチルプロリンは、市販されており、プロリンに無水酢酸を加えてアセチル化することで合成できる。
一般式(1)で示される化合物(アシルプロリン)は、プロリンを対応する酸クロリドとトリエチルアミンのような塩基の存在下に反応させることで合成できる。一般式(2) で示される化合物(アシルプロリンアミド)も同様に、プロリンと酸クロリド類との縮合によって合成できる。(文献 Tetrahedron Letters 39 (1998) 6991-6992.,Tetrahedron 57(2001) 7277-7289, J. Org. Chem. 2000, 65, 4930-4937)
プロリン誘導体は単独で抗カビ剤とする他に、抗カビ効果を高めるためこれらの2種以上を組みあわせること、及び、他の抗カビ剤等と組みあわせることができる。具体的にはイミダゾール系化合物等の抗カビ剤、パラベン等の抗菌剤、孟宗竹エキス等の天然系抗菌抗カビ剤、次亜塩素系、過酸化水素系等の漂白作用を主とする抗菌抗カビ剤と組みあわせて効果を高めることも可能である。また、使用感の向上や、細菌臭やカビ臭のマスキングとして一般的な香料物質を併用して用いることもできる。
プロリン誘導体は、担体に保持させて液体状、ゲル状、固形状等の抗カビ剤として使用するのが、効果の発現、持続性、使用の簡便さ等の点で好ましい。
液体状担体としては、水;エタノール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;フタル酸エステル、アジピン酸エステル等のエステル類;流動パラフィン、イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油類;メチルポリシロキサン等のシリコン油類等を使用することができ、フェニルアルカノールをこれらの液体中に溶解あるいは分散させる。この際、必要に応じて各種の補助成分を添加溶解させることができる。補助成分としては、非イオン、アニオン又はカチオン界面活性剤、着色剤、粘度調節剤、酸化防止剤、pH調整剤等を挙げることができる。
ゲル状担体としては、例えば、寒天、カラギーナン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、糊、アルギン酸、ポリビニルアルコール、デキストリン、金属石けんゲル等が挙げられる。フェニルアルカノールをゲル状担体に保持させる方法としては、あらかじめ生成したゲル状物質にフェニルアルカノールを混合分散させる方法の他、ゲル状物質の製造時、特にゲル状物質を製造するための原料にフェニルアルカノールを添加する方法等がある。
固体状担体としては、無機又は有機多孔性物質を使用することができ、このような無機多孔性物質としてはケイソウ土、黄土、粘土、素焼き物、タルク、ゼオライト、アタパルジャイト、セピオライト、シリカ、シリカゲル、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、合成アルミノシリケート等が挙げられる。有機多孔性物質としては活性炭、濾紙等の紙、セルロース加工品、木材加工品、ポプリ(乾燥した草木、花卉等)、不織布、織布、デキストリン等が挙げられる。これらの多孔性物質としては、粉末状、ビーズ状、ペレット状、球状、円柱状、円筒状物等の種々の形状のものを用いることができる。
本発明では、これらの多孔性物質にプロリン誘導体を含浸等により保持させるのが好ましいが、プロリン誘導体を保持させた多孔性物質が粉末状の場合は、これを慣用の成形法により成形し、タブレット状、球状、顆粒状、円柱状、ペレット状等の各種形状の成形品とすることもできる。成形法としては、打錠成形法、押出成形法等が用いられる。成形を行う場合、成形助剤が用いてもよいが、成形助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ等の有機系バインダーや、ベントナイト、カオリン、アルミナヒドロゲル、ケイ酸ヒドロゲル等の無機系バインダーが挙げられる。さらに、成形助剤として、各種短繊維、例えば、石こうウィスカー等を用いることができる。さらに、これらのフェニルアルカノールを含む多孔性物質は、フェニルアルカノールの蒸散性を制御する目的で、多孔性物質の表面を、有効成分の蒸気を透過させる樹脂でコーティングすることもできる。
また、その他の固体状担体として、各種の合成樹脂製のシート、繊維、建材中に含浸あるいは練り込み等によって保持させることもできる。その際に、有効成分として多孔性物質に保持させたものや、マイクロカプセル封入したものを使用することもできる。
本発明に係る抗カビ剤は種々の形態で製品化することができ、具体的には液体状担体に保持させた場合、トリガー式のスプレー製品、穴のあいたスクイズ式(押出し式)の製品、計量キャップ付きボトル製品、エアゾール式のスプレー製品、機械噴霧式の製品、カプセル型又は粘度調整を行なってジェル状の型の製品とすることができる。用途としては、抗カビ剤としての使用の他に、さらに界面活性剤を加え、液体タイプの衣料用仕上げ剤、衣料用洗剤、衣料用柔軟剤、住居用洗剤、排水口用洗剤、浴室用洗剤、洗濯機用洗剤等の製品とすることができる。また、無機粉体に保持させた場合、他のバインダーや界面活性剤と組み合わせることによってタブレット状、顆粒状とした後、箱や樹脂ボトル等に入れ製品とすることができる。用途としては衣料用仕上げ剤、衣料用洗剤、衣料用柔軟剤、排水口用洗剤、浴室用洗剤、洗濯機用洗剤、入浴剤等の製品とすることができる。
本発明の抗カビ剤は、液体の製品(トリガー式、スクイズ式、計量キャップ付きボトル式、エアゾール式等)の場合は、含有量はプロリン誘導体として、概ね組成物中の0.001〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲であるのがよい。洗剤等の粉末状の製品とする場合は、含有量はプロリン誘導体として、概ね配合物中の0.001〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.01〜5重量%の範囲であるのがよい。
また、本発明に係る抗カビ剤は、異臭発生原因となるカビの発生を抑えることによって防臭剤としての使用も可能である。本発明の抗カビ剤は、以下に示すような用途が考えられる。
1)植物病原性カビ類を対象とした殺菌剤への利用
2)抗カビ活性を利用した医薬品への利用
3)抗カビ活性を利用した食品添加物への利用
4)抗カビ活性を利用した家庭用衛生品への利用
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
材料と方法
1.供試昆虫
実験に用いたゴミムシ類成虫は2004年5月上旬から10月にかけて、帯広市大正地区および幕別町札内地区の防風林において、生け捕りベイトトラップによって採集した。トラップは図1 に示されるように、下部に排水用の穴の開いた17.5cm×58cm×17cm(縦×横×高さ)のプラスチックプランターを用いた。約3cm角に切った新鮮なリンゴ5、6個と小枝や葉を入れたプランターの上端が地表面と同じ高さになるように土中に埋め込んだ。採集したゴミムシ類成虫は実験に使用するまで25℃、日長条件16L−8Dの条件に調整されたインキュベータ内で飼育した。飼育にはプラスチック容器(直径10cm×高さ6cm)に、霧吹きで湿らせたろ紙を敷いたものを用い、この中にゴミムシ成虫を種類ごとに5〜10頭ずつ入れた。餌として約3cm角に切った新鮮なリンゴを与え、5日おきに交換した。
2.昆虫体からの体液採取
体液を採取するゴミムシ類成虫の生体防御反応を誘導させるために、各個体に体液採取24時間前に大腸菌による処理を行った。用いた大腸菌Escherichia coliは本学大動物特殊疾病センターより譲り受けた菌株を供試した。本菌を37℃の温度条件下で24時間振蕩培養し、遠心分離で集菌したペレットに浸した針で、ゴミムシ各個体の腹部を刺し、25℃の温度条件下で24時間保った。大腸菌処理を行った後、各個体をジエチルエーテルに数分間さらして麻酔を施した。実体顕微鏡下でゴミムシの上翅と後翅を取り外し、腹部背側にピンセットで小さな穴を開け、マイクロシリンジを用いて約25μlの蒸留水を肩部より体内に注入した。これにより腹部の穴から押し出されたゴミムシ類成虫の体液を、ヘマクリット毛細管で吸い取り、予めフェニルチオウレアの結晶を少量入れておいたマイクロチューブに集めた。ただし、HPLC抽出前のツンベルグナガゴミムシ体液の抗カビ活性を検定する場合については、フェニルチオウレアを加えずにマイクロチューブに体液を集め、ただちに液体窒素により凍結させたものを用いた。集めた体液は佐藤ら(1999)の方法に従って、酸メタノール抽出液(メタノール:体液:酢酸=90:9:1)でホモジナイズし、10,000×gで15分間遠心分離を行い、血球を取り除いた。この上澄みをまず吸引乾燥で濃縮し、再び蒸留水に溶解し更に凍結乾燥によって乾燥させ、実験に用いるまで−80℃で保存した。ただし、吸引乾燥させた体液試料の中には非水溶性成分も含まれていたが、これらは実験には用いなかった。
野外からは主にツンベルグナガゴミムシPterostichus thunbergii、マルガタナガゴミムシPterositichus subovatus、エゾマルガタナガゴミムシPterostichus adstrictus およびオオクロツヤヒラタゴミムシ Synuchus nitidus など数種類が捕獲され、これらのゴミムシ類の種類ごとに体液を採集し乾燥試料を用意した(表1)。これらの中で最も採集捕獲個体数の多かったツンベルグナガゴミムシの試料は全ての実験を通して用い、また一部の実験においてツンベルグナガゴミムシと同じナガゴミムシ属であるマルガタナガゴミムシの試料も用いた。
3.抗カビ活性画分の分離・精製
ゴミムシ類成虫の体液中に含まれる抗カビ活性をもつ画分の分離とその精製は、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)と凍結乾燥を繰り返して行った。具体的な方法は以下に示す。
1)採取した体液の分離(第一段階)
採取した体液を分離する第一段階のHPLCシステム(以下システムIと呼ぶ)は以下の通りである。HPLCは島津製作所のものとし、TSKgel ODS-80Ts カラム(4.6mm×250mm; Tosoh)を逆相として用い、試料注入口にガードカラムを取り付けた。流動条件は、まず0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)溶液を開始液として流し平衡化した後、流速1.0 ml/min 条件にて0−100%のアセトニトリル濃度勾配に従って溶出させた。アセトニトリルの濃度は0−10分までは0%、10−35分までは0−50%、35−45分までは50−100%となるように設定した。乾燥させた体液試料を0.1% TFA に溶解し、サンプル濃度が2.5 mg/200μlになるように調節した。これをMillex 0.45μmのフィルター(Millipore)でろ過し、HPLCシステムに注入した。溶出したものの検出は紫外可視分光光度計検出器(SPD-10A; Shimadzu)で220nmにおける吸光度によって行い、レコーダー(C-R6A; Shimadzu)で記録した。それぞれの画分を約10分(約10ml)ごとに分けて回収し、これを凍結乾燥した。また、同時に添加したフェニルチオウレアは個別に採取した。
2)第一段階により抽出された各画分の分離(第二段階)
第一段階で分離して得られたツンベルグナガゴミムシ体液の5画分の中で、高い抗カビ活性を示したF3およびF4の2つの画分を下記に示すHPLCシステム(システムII)により更に細かく分離した。HPLCの機器ならびにカラムについてはシステムIと同じであるが、アセトニトリルの濃度勾配を以下に示す条件とした。すなわち、F3については0.1% TFA中において5%アセトニトリルで平衡化させた後0−5分までは5%、5−40分は5−30%、40−45分は30−100%のアセトニトリル濃度勾配となるように調整した。F4画分についてはF3の場合と同様に20%アセトニトリルで平衡化した後0−5分までは20%、5−40分は20−50%、40−45分は50−100%の濃度勾配となるように調整した。なお、F3画分にフェニルチオウレアがわずかに残っていたことが判明したのでこの除去も行った。
3)第二段階で分離された各ピーク物質の精製(第三段階)
第二段階で分離して得られたツンベルグナガゴミムシ体液に由来する、最も抗カビ活性の高かったピーク物質を精製するため、以下のHPLCシステム(システムI)により分離を
行った。これまでと同じ機器類を利用し、TSKgel Amide-80 カラム(4.6mm×250mm; Tosoh)を逆相として用いた。アセトニトリルの流動条件は、0.1% TFA 溶液中で5−100%のアセトニトリル濃度勾配において、流速0.5 ml/分として行った。アセトニトリル濃度勾配は0−5分を5%、5−40分は5−10%、40−45分は10−100%となるように調整した。溶出したものの検出システムは第一段階と同じである。
4.抗カビ活性分析
1)供試糸状菌
活性分析には植物病原性糸状菌の一種Cladosporium fulvum(トマト葉カビ病菌:本学環境微生物学研究室の小池正徳助教授より譲り受けた)を用いた。本菌を用いた理由として、第一にこれまで昆虫体液から分離された抗カビ活性ペプチドは植物病原性糸状菌に対しては高い成長抑制活性をもつものが多いこと(Fehlbaum et al. 1994, 1996; 佐藤ら, 1999; Suzuki et al. 1999; Sato et al. 2002)、第二に本菌の培養や分生子の回収が容易であるからである。C. fulvum は実験に用いる前にPotato Dextrose Agar培地上で約1週間、25℃で培養した。C. fulvum 分生子を寒天培地から筆で掻き取り滅菌水に懸濁した後、血球計算板を使い溶液中の胞子濃度を算出した。この胞子懸濁液をPotato Dextrose Broth培地(Sigma, in half-strength)に加え、培地中における胞子濃度を1.0×105 spores/ml に調整し、活性分析実験に用いた。
2)活性分析方法
試料の抗カビ活性の分析には2つの生物検定法を併用して行った。第一の検定法はLiquid Growth Inhibition Assay(以下LGIA法と呼ぶ)(Iijima et al. 1993; Fehlbaum et al. 1994)を用いた。この方法は、用いた試料の液体培地中でのカビ胞子に対する成長抑制率を算出することによって示される検定法である。1×105 spores/ml に調整したC. fulvum 胞子懸濁液を、あらかじめ蒸留水に溶かし所定濃度に調整した試料50μlを入れておいたマイクロプレートのウェルにそれぞれ50μlずつ加え、25℃の暗黒条件下でインキュベートした。インキュベートする際は、試料の蒸散を防ぐためマイクロプレートをプラスチックバッグに入れ密閉した。インキュベート開始前と48時間後に595nmにおける培地の吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio-Rad)で測定し、対照区に対する各画分の抑制率を以下に示す式により求めた。
一つの処理に対して3反復行い、抑制率はその平均値から算出した。第二の検定法は上記により得られたサンプルを24および48時間後に光学実体顕微鏡下で観察し、カビ胞子の発芽や菌糸の成長の様子を記録することにより行った(以下光学法と呼ぶ)。試料に対するネガティブコントロールとして蒸留水、ポジティブコントロールとしてメリチン(Sigma)を用いた。メリチンはミツバチの毒針に含まれる毒液成分の一つで、26個のアミノ酸残基で構成されるペプチドである。溶血作用によりカビの細胞膜を破壊する作用をもつ(Dempsey,1990)。
5.精製された物質の質量分析
三段階のHPLCシステムによって分離、精製された抗カビ活性画分の質量を分析するために、Tanaka et al.(1998)の方法に従い、MALDI-TOFMS(Matrix Assisted Laser Desprption/Ionization-Time of Flight Mass Spectrometry;Shimadzu)を用いた。すなわちツンベルグナガゴミムシ体液のF3-P1画分に含まれている成分の質量測定を試みた。陰イオン化基質として、α-cyano- 4-hydroxycinnamic acid (α-CHCA)を用いた。F3-P1画分を0.1% TFA溶液に溶かし135 μg/μlとした。この試料1 μlと、同様に0.1 % TFAに溶かした基質1 μlを合わせサンプルスライドに滴下し、これを約30分間乾燥させた後測定を行った。
6.構造解析
精製をした抗カビ活性物質の構造解析をNMRにより行った。
評価結果
1.ツンベルグナガゴミムシ体液の抗カビ活性
ツンベルグナガゴミムシ体液試料を2つの濃度(5.35 mg/ml および24.8 mg/ml)に調整して、抗カビ活性の生物検定を行い、LGIA法による結果を図2 に、光学法による結果を図3 に示した。低濃度処理における吸光度は対照区と同等に増加し、両者には統計的に有意な差が認められなかった(p=0.188)。光学法による結果を見ても、体液処理区において菌糸が繁茂しているのが観察され、対照区との差は認められなかった。一方、高濃度処理における48時間後の吸光度は対照区よりも有意に増加したが(p=0.015)、光学法においては48時間後においても胞子の発芽は確認されず、対照区との明らかな差が認められた。
2.体液のHPLCシステムIによる分離(第一段階)
ツンベルグナガゴミムシとマルガタナガゴミムシの体液をHPLCシステムIにより分離したところ、それぞれ図4および図5 に示される結果が得られた。図からも明らかなように、2種の体液成分の分離パターンはほぼ同じであった。
3.システムIにより分けられた溶出物の抗カビ活性検定
上記により分離された体液をリテンションタイム10分ごとに分けて採取し、時間の早いものから順にF1からF5とし、それぞれの抗カビ活性を調べた。ただし、F5画分については約5分間分取した。また、体液採集時に添加したフェニルチオウレアのピークはアセトニトリル濃度31%付近に現れたため、ツンベルグナガゴミムシにおいてはこれを分けて集め、一方マルガタナガゴミムシにおいてはこれを分離せずにまとめて回収した。
a)ツンベルグナガゴミムシ
濃度三段階(0.1 mg/ml、0.5 mg/ml および1.0 mg/ml)に調整した各画分試料のLGIA法による検定結果を図6に示した。図からも明らかなように、F1、F2およびF5画分における結果を見ると、試料の濃度に関わらず抑制率は低い値を示した。一方、F3またはF4画分における結果を見ると、試料濃度が高くなるに従って抑制率も増加した。最も高い濃度(1.0 mg/ml)の試料における抑制率はF3においては96.2%、F4においては89.5%と高い抑制率を示した。フェニルチオウレア画分の結果をみると、0.1 mg/mlにおいても高い抑制率を示したが、0.5mg/mlおよび1.0 mg/mlにおいてはF3とほぼ同じ結果が得られた。
1.0 mg/ml 濃度処理した場合の光学法による48時間後の結果を図7 に示した。F3実験区ではカビ胞子の発芽は全く確認されなかった。一方F4実験区では、胞子は発芽していたがコントロールと比較すると明らかに菌糸の伸長が阻害されており、またその形態もコントロールとは異なっていた。これに対しF1、F2およびF5の実験区では菌糸がコントロールと同様に伸長しているのが観察された。
b)マルガタナガゴミムシ
濃度二段階に調整した各画分試料のLGIA法による検定結果を表 2 に示した。表からも明らかなように、F1およびF5実験区では、試料濃度が0.1 mg/ml の場合は低い抑制率を示し、0.5 mg/ml と試料濃度を高くすると更に抑制率が減少した。F2 については0.1 mg/ml の場合は同様に低い値を示したが、画分濃度を高くするとわずかに抑制率が高くなった。F3 およびF4 処理区においては0.1 mg/ml 濃度では他の処理区よりも高い抑制率となり、0.5 mg/ml では更に抑制率が高くなった。
0.5 mg/mlの各画分を処理した場合の光学法による結果を図8 に示した。F3実験区ではカビ胞子の発芽は確認されなかった。一方F4処理区においては、胞子は発芽していたもののコントロールと比較すると明らかに菌糸の伸長が阻害されており、またその形態もコントロールとは異なっていた。これに対しF1、F2およびF5実験区では菌糸がコントロールと同様に繁茂しているのが観察された。
4.システムIIによる分離(第二段階)
システムIにおいて分離された、ツンベルグナガゴミムシ体液のF3およびF4画分をHPLCシステムIIによって分離を行ったところ、それぞれ図9 および図10 に示される結果が得られた。
5.システムIIにより分離された溶出物の抗カビ活性検定
a)F3画分
上記により分離されたF3画分をリテンションタイム7から10分ごと、および大きなピーク2つに分けて採取し、溶出時間の早いものから順にF3-1〜F3-5またはF3-P1およびF3-P2とし、それぞれの抗カビ活性を調べた。
0.5 mg/ml に調整した各画分試料のLGIA法による検定結果を図11 に示した。F3-1、F3-P1およびF3-2においてそれぞれ高い抑制率を示した。一方、F3-P2、F3-4およびF3-5実験区において抑制率は非常に低い値となった。
光学法による48時間後の結果を図12 に示した。F3-P1では胞子の発芽は見られず、その後7日を経ても発芽は確認されなかった。F3-1、F3-2およびF3-3実験区では発芽は見られたが、菌糸の伸長は対照区よりも明らかに抑制されていた。一方F3-P2、F3-4およびF3-5においては対照区と同様に菌糸が繁茂しているのが観察された。
b)F4画分
上記により分離されたF4画分をリテンションタイム10から15分ごとおよび大きなピーク2つに分けて採取し、溶出時間の早いものから順にF4-1〜F4-4またはF4-P1およびF4-P2とし、それぞれの抗カビ活性を調べた。
0.5 mg/ml に調整した各画分のLGIAによる結果を図13 に示した。図からも明らかなように全ての処理区において抑制率は低い値となった。
光学法による48時間後の結果を図14 に示した。F4-P2およびF4-3の実験区においては対照区よりも菌糸の伸長が抑制されていた。その他の実験区においては対照区と同様に菌糸が繁茂しているのが観察された。
6.システムIIIによる分離(第三段階)
システムIIにおいて分離されたツンベルグナガゴミムシのF3-P1画分をHPLCシステムIIIによって分離を行ったところ、図15 に示される結果が得られた。アセトニトリル濃度5.6%部分の主要ピーク(B画分)の直前にわずかなピーク(A画分)が見られた。これらを分けそれぞれについて活性を調べた。
7.システムIIIにより分離された溶出物の抗カビ活性検定
0.5mg/ml に調整した2つの画分のLGIA法による検定の結果、抑制率がB画分実験区においては99.1 %、A画分の実験区では95.1 %となった。
光学法による48時間後の結果を図16 に示した。B画分においては胞子の発芽は見られなかった。A画分の実験区においては、胞子は発芽をしていたものの、対照区より明らかに成長は抑制されていた。この結果より、F3-P1 のB画分が抗カビ活性の主要成分であると判明した。この抗カビ活性画分は以上三段階の逆相HPLCシステムを経て単一ピークとして分離された(図17)。
8. マススペクトル解析
ツンベルグナガゴミムシ体液のHPLCシステムIIにおいて分離したF3-P1画分を、MALDI-TOFMSを利用した質量分析器によって分析した。その結果、突出したピークは見られず、F3-P1 成分の質量を測定する事は出来なかった。FAB−MSを測定したところ、N-アセチルプロリンに相当する分子量を観測できた。
9.構造解析
抗カビ物質のマススペクトルおよびNMRスペクトルデータは、N-アセチルプロリンの標品のそれらと一致した。これより、N-アセチルプロリンの構造を同定した。
本発明の抗カビ剤、特に、N-アセチルプロリンを有効成分とする抗カビ剤は、安全性や生態系における分解性に優れており、種々の分野で利用可能である。
生け捕りベイトトラップを示す。 抗カビ活性の生物検定結果(LGIA法)。 抗カビ活性の生物検定結果(光学法)。 体液のHPLCシステムIによる分離結果(ツンベルグナガゴミムシ)。 体液のHPLCシステムIによる分離結果(マルガタナガゴミムシ)。 ツンベルグナガゴミムシからの各画分試料の検定結果(LGIA法)。 ツンベルグナガゴミムシからの画分試料の検定結果(1.0 mg/ml 濃度、光学法、48時間後)。 ツンベルグナガゴミムシからの画分試料の検定結果(0.5 mg/ml、光学法)。 ツンベルグナガゴミムシ体液のF3およびF4画分のHPLCシステムIIによる分離結果。 ツンベルグナガゴミムシからの画分試料の検定結果(1.0 mg/ml 濃度、LGIA法、48時間後)。 ツンベルグナガゴミムシからの画分試料の検定結果(0.5 mg/ml濃度、LGIA法)。 ツンベルグナガゴミムシからの画分試料の検定結果(0.5 mg/ml濃度、光学法、48時間後)。 F4-P1およびF4-P2の抗カビ活性試験結果(0.5 mg/ml濃度、 LGIA法)。 F4-P1およびF4-P2の抗カビ活性試験結果(0.5 mg/ml濃度、光学法、48時間後)。 ツンベルグナガゴミムシのF3-P1画分のHPLCシステムIIIによる分離結果。 システムIIIにより分離された溶出物の抗カビ活性検定結果(0.5mg/ml濃度、光学法、48時間後)。 抗カビ活性画分は三段階の逆相HPLCシステムを経て単一ピークとして分離された結果。

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  1. N-アセチルプロリンを有効成分として含有する抗カビ剤。
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