JP4867899B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機の吐出冷媒を迂回流路を通して室内熱交換器の冷媒入口側に流しこの吐出冷媒により室内熱交換器で空気を加熱する車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両空調装置用において、吐出冷媒により室内熱交換器で空気を加熱するホットガス暖房モードを実施する前に、冷暖房切替弁により圧縮機の吐出口と凝縮器の冷媒入口との間を接続した状態で圧縮機を所定期間稼働後に圧縮機を停止して、高圧側冷媒圧力と定圧側冷媒圧力との圧力差により凝縮器側の寝込み冷媒を圧縮機の吸入口側に回収する冷媒回収モードを実施する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、車両空調装置用の冷凍サイクル装置において、高圧側冷媒圧力が上限圧力値に到達すると、冷媒洩れを未然に防ぐため、電磁クラッチにより圧縮機と走行用エンジンとの間を遮断して、圧縮機の停止する、いわゆる“高圧カット”を行うものがある。
さらに、車両空調装置用のスクロール型圧縮機では、車両エンジンの回転力により固定スクロールに対してスクロール(すなわち、圧縮動作)して冷媒を圧縮する可動スクロールと、固定スクロールと可動スクロールとにより圧縮された高圧冷媒から潤滑油を分離する分離機構と、この分離機構により分離された潤滑油を貯める貯油室と、固定スクロールと可動スクロールとの間に潤滑油を供給する給油通路と、高圧冷媒のうち分離機構により潤滑油が分離された残りの高圧冷媒を凝縮器側に吐出する吐出口を備えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−322420号公報 特開平11−82338号公報
本発明者等は、上述の車両用空調装置においてスクロール型圧縮機を適用してホットガス暖房モードについて鋭意検討したところ、冷媒回収モードに起因して、次のような問題が生じることが分かった。
冷媒回収モードの実施時には、冷媒は凝縮器で外気により冷却される。そして、この冷却された冷媒が減圧器、および室内熱交換器を通して圧縮機の吸入口側に回収される。このため、外気が極めて低い温度状態であると、凝縮器側から流れる冷媒により、圧縮機の固定スクロールおよび可動スクロールが低温状態に維持されることになる。このため、冷媒回収モードの後にホットガス暖房モードを開始しても、可動スクロールおよび固定スクロールの温度が上昇するには時間がかかる。
ここで、可動スクロールは、走行用エンジンの回転に連動して、スクロールする。このため、走行用エンジンが高速で回転している状態で、電磁クラッチにより圧縮機と走行用エンジンとの間を接続してホットガス暖房モードを開始した場合には、可動スクロールは高速でスクロール動作して、圧縮機の吐出冷媒圧力が直ちに上限圧力値に到達する。
すなわち、走行用エンジンが高速で回転している状態でホットガス暖房モードを開始した場合において、可動スクロールおよび固定スクロールの温度が上昇する前に、圧縮機の吐出冷媒圧力が直ちに上限圧力値に到達することになる。
これに伴い、圧縮機を停止すると、圧縮機の吐出口側の冷媒圧力により、貯油室内の潤滑油に圧力が加わり、この潤滑油を給油通路内を通して固定スクロールと可動スクロールとの間に流す現象が生じることになる。
ここで、貯油室内の潤滑油には若干の気相冷媒が含まれている。このため、圧縮機の吐出口側の冷媒圧力により、潤滑油と気相冷媒とが固定スクロールと可動スクロールとの間に流れることになる。このとき、上述の如く、可動スクロールおよび固定スクロールが低温状態であると、潤滑油に含まれた気相冷媒が固定スクロールおよび可動スクロールにより冷却されて凝縮して液相冷媒になる。
したがって、圧縮機の停止後、高圧側冷媒圧力が上限圧力値よりも低下して圧縮機が再始動する際には、固定スクロールと可動スクロールとにより液相冷媒が圧縮されることになる。このため、圧縮機の内部圧力が異常上昇して、圧縮機の故障の原因になる。
本発明は、上記点に鑑み、圧縮機で液相冷媒を圧縮することを未然に防ぐようにした車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、車両走行用エンジン(1b)の回転力により固定部(60)に対して動作して冷媒を圧縮する可動部(62)と、前記可動部により圧縮された高圧冷媒から分離機構により分離された潤滑油を貯める貯油室(68)と、前記貯油室内から前記固定部と前記可動部との間に潤滑油を流す給油通路(83a、83c、83b、51h)とを有し、前記高圧冷媒のうち前記分離機構により潤滑油が分離された残りの冷媒を吐出口(54b)から吐出する圧縮機(1)と、
前記圧縮機の吐出冷媒を車室外空気により冷却する冷却器(2)と、
前記冷却器で冷却された冷媒を減圧する減圧器(3)と、
前記減圧器で減圧された冷媒と車室内空気との間で熱交換する車室内熱交換器(4)と、
前記圧縮機の吐出冷媒を前記冷却器と前記減圧器とを迂回して前記車室内熱交換器の冷媒入口側に流す迂回流路(18)と、
前記迂回流路の冷媒入口と前記冷却器の冷媒入口とのうち一方の冷媒入口と前記圧縮機の吐出口との間を接続し、他方の冷媒入口と前記圧縮機の吐出口との間を遮断する弁(14)と、を備え、
前記弁により前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を接続し、かつ前記圧縮機を一定時間運転した後、停止した状態で、前記冷却器内の冷媒を前記圧縮機の冷媒吸入口側に回収する冷媒回収モードと、前記弁により前記圧縮機の吐出口と前記迂回流路の冷媒入口との間を接続し状態で、前記吐出冷媒により前記車室内熱交換器で前記空気を加熱する加熱モードとを実施するモード実施手段(200〜203)と、
前記圧縮機の吐出冷媒圧力を検出する圧力検出手段(22)と、
前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達したか否かを判定する第1の判定手段(103)と、
前記モード実施手段が前記加熱モードを実施している場合に、前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達したと前記第1の判定手段が判定したときには、前記圧縮機を停止する停止手段(105)と、
前記圧力検出手段の検出圧力が前記一定圧力に到達した際に、車室外の気温が一定温度未満で、かつ前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定する第2の判定手段(107、108、108a)と、
前記圧力検出手段の検出圧力が前記一定圧力に到達した際に、車室外の気温が一定温度未満で、かつ前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったと前記第2の判定手段が判定した場合には、前記固定部および前記可動部の温度が所定温度以下であるとして、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口側冷媒を前記冷却器の冷媒入口側に流す弁制御手段(109、110、112)と、を備えることを特徴とする。
ここで、上述の所定温度とは、固定部と可動部との間に気相冷媒が入った場合にその気相冷媒が凝縮して液相冷媒になる温度のことである。
請求項1に係る本発明によれば、車室外の気温が一定温度未満で、かつ圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったと第2の判定手段が判定した場合には、弁を制御して圧縮機の吐出冷媒を冷却器の冷媒入口側に流す。したがって、圧縮機の吐出冷媒圧力を下げることができるので、圧縮機の停止後に、圧縮機の吐出冷媒圧力により貯油室内の潤滑油が気相冷媒とともに給油通路を通して固定部と可動部との間に流れる、という現象が生じることを防止できる。
以上により、固定部および可動部の温度が上述の所定温度以下であっても、固定部と可動部との間で液相冷媒が生じることはない。このため、圧縮機が液相冷媒を圧縮することを未然に防ぐことができる。
請求項2に記載の発明では、前記停止手段が前記圧縮機を停止した後に、前記弁制御手段が、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を接続して、前記圧縮機の吐出口側冷媒を前記冷却器の冷媒入口側に流すことを特徴とする。
なお、停止手段が圧縮機を停止する前に、弁制御手段が、弁を制御して、前記圧縮機の吐出口側冷媒を冷却器の冷媒入口側に流すようにしてもよい。
請求項3に係る発明では、弁制御手段は、前記圧縮機の停止後に、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を複数回接続することを特徴とする。
これにより、圧縮機の多くの吐出冷媒を冷却器の冷媒入口側に流すことができるので、圧縮機の吐出冷媒圧力を確実に下げることができる。
請求項4に係る発明では、前記加熱モードの実行時に前記圧縮機が圧縮動作を開始してから前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達する迄の時間を計測する計測手段(102、106、115)を備え、
前記第2の判定手段は、前記計測手段により計測された時間が一定時間以下であるときに、前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定することを特徴とする。
請求項5に係る発明では、車両エンジンのエンジン回転数を検出する回転数検出手段(108a)を備え、
前記第2の判定手段は、前記回転数検出手段の検出回転数に基づいて、前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったか否かを判定することを特徴とする。
請求項6に係る発明では、車室外の気温を検出する外気温センサ(90)を備えており、
前記第2の判定手段は、前記外気温センサの検出温度に基づいて、前記車室外の気温が一定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする。
これにより、車室外の気温が一定温度未満であるか否かについて正確に判定できる。
請求項7に係る発明では、前記モード実施手段は、前記加熱モードの実施後で、かつ前記冷媒回収モードの実施前に、前記弁が前記圧縮機の吐出口と前記迂回流路の冷媒入口との間を接続した状態で、前記圧縮機を停止するリセット制御モードを実施することを特徴とする。
請求項8に係る発明では、車室内に向けて空気を流す空気流路を形成する空調ケース(38)を備えており、
前記車室内熱交換器は、前記空調ケースの空気流路内に配置されており、
前記空調ケース内の前記車室内熱交換器に向けて空気を流す送風機(32)を備えることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1ないし図4に本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態を示す。図1は車両用空調装置の冷凍サイクル装置の構成を示す。
本実施形態の車両用空調装置の冷凍サイクル装置は、図1に示すように、圧縮機1、凝縮器2、減圧器3、および蒸発器4を備えている。
圧縮機1は、電磁クラッチ1aを介して水冷式の車両用エンジン(図中E/Gと記す)1bにより駆動されて、冷媒を吸入し圧縮し吐出する。本実施形態の圧縮機1として、スクロール型圧縮機が用いられる。なお、圧縮機1の具体的な構造については後述する。
圧縮機1の吐出口側は、弁としての冷暖房切替弁14の冷媒入口が接続されている。冷暖房切替弁14は、凝縮器2の冷媒入口と迂回流路18の冷媒入口とのうち一方の入口と圧縮機1の吐出口との間を接続し、他方の入口と圧縮機1の吐出口との間を遮断する。なお、冷暖房切替弁14の具体的な構造については後述する。
凝縮器2には、圧縮機1から冷暖房切替弁14を通して高温高圧の気相冷媒が流入する。凝縮器2は、電動式の送風機(図示省略)から送風される外気(車室外空気)により高温高圧の気相冷媒を冷却して凝縮させる。
凝縮器2の出口側には、凝縮された高圧冷媒を貯める受液器21が設けられ、受液器21に貯められた液冷媒は、冷房側減圧器3により減圧される。冷房側減圧器3の冷媒出口には、逆止弁19を介して蒸発器4(車室内熱交換器)が接続されている。
蒸発器4は、後述する室内空調ユニット内に配置されて、冷媒の蒸発により空気を冷却する熱交換器である。蒸発器4の冷媒出口には、サクションタンク5を介して圧縮機1の吸入側に接続されている。サクションタンク5は、冷媒の気液を分離して液冷媒を溜め、気相冷媒および底部付近の少量の液冷媒を圧縮機1側へ吸入させる。
圧縮機1の冷媒吐出口と蒸発器4の冷媒入口との間に、凝縮器2、受液器21、および冷房側減圧器3を迂回する迂回流路18が設けてあり、この迂回流路18の上流端は、弁手段である冷暖房切替弁14に接続されている。
次に、本実施形態の圧縮機1の具体的な構造について図2〜図4を参照して説明する。図2は圧縮機1の縦断面図であり、図3は図2中A−A断面図であり、図4は図2中B−B断面図である。
圧縮機1では、図2に示すように、外郭(ケース)を形成するシェル51の前部にOリングを介して前部ハウジング52が、図4に示す複数本のボルト53により締結され、シェル51の後部にガスケット83を介して後部ハウジング54が複数本のボルトにより締結されている。
シェル51内には、図4にも示すように、渦巻溝51aが凹設されており、これにより内外壁の固定渦巻部51b及び残部の固定側板51cからなる固定スクロール60が形成されている。
シェル51には、渦巻溝51aの外周端に近接する位置に吸入口51f(図4参照)が貫設されており、吸入口51fは、吸入サービスバルブを介して蒸発器4と接続されている。
図2に示すように、前部ハウジング52内には軸封装置55及び軸受装置56を介して駆動軸57が回転可能に支持されており、駆動軸57の内端には軸芯から偏心してスライドキー58が駆動軸57と一体に後方に突設されている。スライドキー58には、径方向に微少に移動可能に駆動ブッシュ59が係合されており、駆動ブッシュ59には軸受装置61を介して可動スクロール62が支持されているとともに、カウンタウェイト63が固定されている。
可動スクロール62は、軸受装置61側の可動側板62cと、この可動側板62cから渦巻状に突出する突起により形成された可動渦巻部62bとからなる。可動スクロール62における可動側板62cおよび可動渦巻部62bは、固定スクロール60の固定側板51c及び固定渦巻部51bと噛合し、圧縮室Pを形成する。
さらに、前部ハウジング52には複数本のピン64が固定され、他方可動スクロール62の可動側板62cにも複数本のピン65が固定され、これらピン64、65は前部ハウジング52に凹設された座面を摺動するリテーナ66にそれぞれ嵌合されている。ピン64、65及びリテーナ66が自転防止機構を構成している。
また、図2及び図4に示すように、固定スクロール60の固定側板51cの中央部には吐出口51eが貫設されている。吐出口51eは図示しない吐出弁により開閉可能になされている。吐出弁は固定側板1cに固定したリテーナ70により開度が規制されるようになっている。
シェル51と後部ハウジング54とには、図3にも示すように、吐出室67及び高圧貯油室68が形成され、後部ハウジング54には、図2に示すように、油分離室69が形成されている。吐出室67は吐出口51eにより圧縮後の圧縮室Pと連通しており、この吐出室67は排出口54aにより油分離室69に連通している。油分離室69には内部が吐出口54bとなる吐出サービスバルブ82が設けられている。これら排出口54a、油分離室69及び吐出サービスバルブ82は、遠心力利用の潤滑油の分離機構を構成している。
油分離室69の底部には高圧貯油室68と連通する通孔54cが貫設されている。また、固定スクロール60の固定側板51cの下方とガスケット83の下方との間には、シェル51側の高圧貯油室68の最下部にフィルタ84が軸方向で挟持されている。ガスケット83の下方では、図3に示すように、フィルタ84の内部と連通する給油孔83aが貫設されており、ガスケット83の上方では給油孔83bが貫設されている。
給油孔83a、83bは後部ハウジング54の合わせ面側に凹設された給油孔83cにより連通しており、給油孔83bは、図3及び図4に示すように、シェル51に貫設した給油孔51hにより固定渦巻部51bと可動側板62cとの摺動部位に開口している。
ここで、給油孔83a、給油孔83c、給油孔83bおよび給油孔51hが給油通路を構成している。
以上のように構成された圧縮機1では、駆動軸57が車両用エンジン1bから電磁クラッチ1aを介してベルトにより回転される。これにより、スライドキー58が駆動され、駆動ブッシュ59が自転防止機構との協働により可動スクロール62を公転円に沿って公転(スクロール)させる。このため、圧縮室Pは順次容積を縮小させながら渦巻き中心方向へ移動される。
このため、図4に示すように、シェル51の渦巻溝51aの外周端では、可動スクロール62の可動渦巻部62bが一対の圧縮室Pを形成せんとする際、気相冷媒が蒸発器4から吸入口51fを経てそれぞれの圧縮室Pに均等に吸入される。圧縮室Pの移動によって圧縮された冷媒ガスは、吐出口51eを介して吐出室67へ吐出される。この後、吐出室67内の冷媒ガスは、排出口54aから油分離室69内に排出され、吐出サービスバルブ82の筒部を回り、その間に遠心力により含有するミスト状の潤滑油を分離し、通孔54cを経て高圧貯油室68に貯留される。油分離室69内で潤滑油を分離した冷媒ガスは、吐出サービスバルブ82の吐出口54bから吐出される。
また、高圧貯油室68内の潤滑油は、図3に示すように、給油孔83a、給油孔83c、給油孔83b、給油孔51hを経て、図2に示すように、固定渦巻部51bと可動側板62cとの間の摺動部位に供給される。
次に、本実施形態の冷暖房切替弁14について図5を参照して説明する。
冷暖房切替弁14は、ソレノイド15、弁体15a、および差圧弁16から構成されている。
弁体15aは、ソレノイド15により駆動されて、圧縮機1の吐出側と凝縮器2の入口側との間を開閉する。差圧弁16は、バネ16aにより付勢されて、圧縮機1の吐出口側と迂回流路18の入口側との間を開閉する弁体であって、圧縮機1の吐出側の圧力と凝縮器2の入口側の圧力との間の圧力差が所定値以上になると開弁する。
ソレノイド15がオフ状態では、弁体15aが開弁状態になる。このため、圧縮機1の吐出側と凝縮器2の入口側との間が連通される。このとき、差圧弁16は、圧縮機1の吐出口側と迂回流路18の入口側との間を閉鎖する。したがって、圧縮機1で圧縮された気相冷媒が凝縮器2側に導入され、その後、受液器21→冷房側減圧器3→蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環することで冷房運転ができる。
一方、ソレノイド15がオン状態では、弁体15aが閉弁状態になる。このため、圧縮機1の吐出側と凝縮器2の入口側との間が閉鎖される。このとき、差圧弁16は、圧縮機1の吐出側の圧力と凝縮器2の入口側の圧力との間の圧力差が所定値以上になり開弁する。したがって、圧縮機1の吐出口側と迂回流路18の入口側とが差圧弁16を介して連通する。
つまり、圧力差が所定値以上になると、圧縮機1で圧縮された気相冷媒が迂回流路18側に導入されて蒸発器4に気相冷媒が循環して、蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1→迂回流路18→蒸発器4の順に冷媒が循環することで暖房運転が実施できる。
以下、圧縮機1の吐出側と凝縮器2の入口側との間が連通して差圧弁16が閉弁している状態を冷暖房切替弁14の閉弁状態とし、差圧弁16が開弁して圧縮機1の吐出口側と迂回流路18の入口側とが差圧弁16を介して連通している状態を、冷暖房切替弁14の開弁状態という。
本実施形態では、冷暖房切替弁14により圧縮機1の吐出冷媒を迂回流路18側に導入して、圧縮機1→迂回流路18→蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環する冷媒回路を、以下、ホットガスサイクルという。
次に、本実施形態の室内空調ユニットの概略構成について図6を参照して説明する。
室内空調ユニット30Aは、空調ケーシング38を有し、この空調ケーシング38は、車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する。空調ケーシング38の空気通路の最上流部には、内気導入口30aおよび外気導入口30bを内外気切替ドア31により切替開閉するようになっている。この内外気切替ドア31はサーボモータ(図示省略)によって駆動される。
内気導入口30aおよび外気導入口30bの下流側には、車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機32を配置している。この送風機32は、遠心式の送風ファンを電動モータにより駆動するようになっている。送風機32の下流側には送風空気を冷却する蒸発器4を配置している。
蒸発器4は、冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。蒸発器4の下流側には空調ケーシング38内を流れる空気を加熱するヒータユニット34を配置している。ヒータユニット34は車両エンジンの温水(すなわち、エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器4通過後の空気(冷風)を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータユニット34の上側にはバイパス通路33が形成され、このバイパス通路33をヒータユニット34のバイパス空気が流れる。
蒸発器4とヒータユニット34との間に温度調整手段をなすエアミックスドア32を回転自在に配置してある。エアミックスドア32はサーボモータ(図示省略)により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
エアミックスドア32の開度によりヒータユニット34を通る空気量(温風量)と、バイパス通路33を通過してヒータユニット34をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
空調ケーシング38の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口30c、乗員顔部(乗員上半身)に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口30d、および乗員足元部(乗員下半身)に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口30eの計3種類の吹出口が設けられている。
空調ケーシング38内においてバイパス通路33を通過する冷風とヒータユニット34を通過する温風とが混合されて吹出口30c、30d、30eから車室内に吹き出される。
これら吹出口30c、30d、30eの上流部にはデフロスタドア35、フェイスドア36およびフットドア37が回転自在に配置されている。これらのドア35、36、37は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータによって開閉操作される。
次に、本実施形態の車両用空調装置の電気的構成について図1を参照して説明する。
車両用空調装置は、電子制御装置(ECU)6を備えており、電子制御装置6には、アナログ/デジタル変換器を有し、アナログ/デジタル変換器は、空調用センサ群90〜94からの検出信号、エンジン回転数センサ23、圧力センサ22および空調操作パネル95からの各種操作信号をそれぞれサンプリングする。
空調用センサ群として、外気温(車室外温度)Tamを検出する外気温センサ90、内気温(車室内温度)Trを検出する内気センサ91、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ92、蒸発器4の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ93、ヒータユニット34に流入する温水(エンジン冷却水)温度Twを検出する水温センサ94等が設けられる。
エンジン回転数センサ23は、走行用エンジン1bの回転数Ncを検出するセンサである。圧力センサ22は、圧縮機1の冷媒吐出口と冷暖房切替弁14の冷媒入口との間に配置されて、圧縮機1の吐出冷媒圧力Phを検出する圧力検出手段である。
また、空調操作パネル95には車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチが設けられる。
電子制御装置6は、CPU、ROM、複数のタイマ、およびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。電子制御装置6は、そのROM内に空調制御のためのコンピュータプログラムを記憶しており、そのコンピュータプログラムに基づいて、電磁クラッチ1a、冷暖切替弁14、送風機32の電動モータ、および各種のサーボモータをそれぞれ制御する。
次に、本実施形態の暖房制御について説明する。
図7は暖房制御の全体の制御処理を示すフローチャートであり、図8は電磁クラッチ1a、および冷暖房切替弁14の作動を示すタイミングチャートである。
電子制御装置6は、図7のフローチャートにしたがって、暖房制御の実行を開始する。
まず、ステップ200、201において冷媒回収モードを開始する(図8(a)、(b)参照)。具体的には、ステップ200において、所定時間T1(20秒)に亘って、電磁クラッチ1aをオンした状態で、冷暖切替弁14を閉弁させる。
このとき、圧縮機1の吐出側と凝縮器2の入口側とが連通し、かつ圧縮機1と車両用エンジン1bとの間が接続された状態で、圧縮機1が車両用エンジン1bの回転力により駆動される。
したがって、圧縮機1で圧縮された気相冷媒が凝縮器2側に導入され、その後、受液器21→冷房側減圧器3→蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環する。
次のステップ201において、所定時間T2(30秒)に亘って、冷暖切替弁14を閉弁した状態で、電磁クラッチ1aをオフする。このとき、圧縮機1と車両用エンジン1bとの間が遮断される。
すると、圧縮機1の圧縮動作が停止して、圧縮機1の吐出側冷媒圧力(高圧側圧力)と吸入口側圧力(低圧側圧力)との圧力差により凝縮器2に滞留した冷媒が蒸発器4側に回収される。
次のステップ202において、所定時間T3(1時間)に亘って、暖房モード(加熱モード)を実行する。以下、暖房モードの概略作動について説明する。すなわち、冷暖切替弁14を開弁して、かつ電磁クラッチ1aをオンする。
これにより、圧縮機1の吐出側と迂回流路18の入口側との間が連通し、かつ圧縮機1と車両用エンジン1bとの間が接続された状態で、圧縮機1が車両用エンジン1bの回転力により駆動される。すると、圧縮機1で圧縮された気相冷媒が迂回流路18側に導入され、その後、蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環する。
ここで、空調ケーシング38の内気導入口30aは内外気切替ドア31により閉鎖されて外気導入口30bが開放されている。このため、外気導入口30bから空調ケーシング38内に外気が導入される。このため、蒸発器4は、この導入空気を冷媒により加熱する。その後、この加熱された空気は、バイパス通路33、或いはヒータユニット34を通過して吹出口30c、30d、30eか車室内に吹き出される。なお、暖房モードにおいて圧縮機1の吐出口側冷媒圧力を下げる処理については後述する。
次のステップ203において、リセットモードを実行する。具体的には、所定時間T4に亘って、冷暖切替弁14を開弁した状態で、電磁クラッチ1aをオフする。
これにより、圧縮機1の吐出側と迂回流路18の入口側との間が連通し、かつ圧縮機1と車両用エンジン1bとの間が遮断される。これにより、圧縮機1の圧縮動作が停止して、上述のホットガスサイクル内が均圧される。
その後、ステップ200、210、202、203が繰り返される。このため、リセットモードによりホットガスサイクル内の冷媒圧力が均圧された後に、冷媒回収モードを行うことになり、冷凍サイクル内における冷媒圧力差により凝縮器2に滞留した冷媒がホットガスサイクル内に回収されることになる。
なお、冷媒回収モードを実施する理由は、ホットガスサイクル内を閉塞する冷暖切替弁14および逆止弁19には、製造上の洩れ規制値(例えば、5cc/min程度)があり、その洩れ規制値を考慮して暖房モードの連続運転を、例えば1時間程度に設定し、その1時間毎に冷媒回収を行うためである。また、ステップ200〜203の処理は、モード実施手段を構成している。
次に、本実施形態の暖房モードの制御処理の詳細について図9を参照して説明する。図9は暖房モードの制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態の暖房モードでは、上述の如く、圧縮機1の吐出冷媒により蒸発器4にて空気を加熱させる制御を行う一方、固定スクロール60および可動スクロール62が低温状態である場合に、圧縮機1の高速の圧縮動作に起因して吐出冷媒圧力Phが上限圧力値に到達したときには、圧縮機1の吐出口側の冷媒圧力を下げる処理を行う。
以下、暖房モードの制御処理について具体的に説明する。
まず、ステップ100で、外気温Tamおよび吐出冷媒圧力Phのサンプリングを開始する。次のステップ101において、電磁クラッチ1aをオンして、かつ冷暖切替弁14を開弁する。これにより、圧縮機1→迂回流路18→蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環する。
次のステップ102で第1、第2のタイマのカウントを開始させる。その後、ステップ103において、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pd以上であるか否かを判定する。このとき、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pd未満である場合には、NOと判定して、ステップ103に戻る。このため、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pd未満である限り、ステップ103の判定処理を繰り返すことになる。なお、ステップ103が特許請求範囲の第1の判定手段に相当する。
その後、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pd以上になると、ステップ103でYESと判定して、電磁クラッチ1aをオフする(ステップ105:停止手段)。これにより、圧縮機1と車両用エンジン1bとの間が遮断されて、圧縮機1の圧縮動作が停止する。
これに伴い、ステップ106において、第1タイマのカウントを停止する。これにより、圧縮機1が圧縮動作を開始してから吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達する迄の時間Tcを計測することができる。
次に、ステップ107において、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL(所定温度)以下であるか否かを判定する。これにより、固定スクロール60および可動スクロール62が所定温度以下であるかを判定することになる。当該所定温度とは、固定スクロール60と可動スクロール62との間に気相冷媒が入った場合にその気相冷媒が凝縮して液相冷媒になる温度のことである。
なお、ステップ108の外気温の判定では、ステップ103の判定処理時にサンプリングした外気温Tamのサンプリングデータが用いられる。
次に、ステップ108において、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、圧縮機1の高速の圧縮動作を行っていたのか否かを判定する。すなわち、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定する。
具体的には、第1タイマの計測時間Tcが所定時間Thb以下であるか否かを判定することにより、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定する。
ステップ108において、第1タイマの計測時間Tcが所定時間Thb以下であるときには、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったとしてYESと判定する。
このようにステップ107、108でそれぞれYESと判定することにより、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に外気温Tamが下限気温TEL以下で、かつ圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定することになる。
言い換えれば、固定スクロール60および可動スクロール62が低温状態である場合に、圧縮機1の高速の圧縮動作に起因して吐出冷媒圧力Phが上限圧力値に到達したと判定することになる。なお、ステップ107、108が特許請求範囲に記載の第2の判定手段に相当する。
次のステップ109において、冷暖切替弁14を所定時間T4に亘って閉弁する(図8(b)時刻t1参照)。すると、圧縮機1の冷媒吐出口と凝縮器2の冷媒入口との間が連通する。これにより、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒が冷暖切替弁14を通して凝縮器2の冷媒入口側に流れる。
次のステップ110において冷暖切替弁14を開弁する(図8(b)時刻t2参照)。これにより、圧縮機1の吐出側と迂回流路18の入口側との間が連通する。
その後、ステップ112で冷暖切替弁14を所定時間T4に亘って閉弁する(図8(b)時刻t3参照)。すると、圧縮機1の冷媒吐出口と凝縮器2の冷媒入口との間が連通する。これにより、圧縮機1の冷媒口側の冷媒が冷暖切替弁14を通して凝縮器2の冷媒入口側に流れる。
このように冷暖切替弁14を2回に亘って閉弁して、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒を2回に亘って凝縮器2の冷媒入口側に流すので、圧縮機1の冷媒口側冷媒圧力を下げることができる。その後、ステップ113に移行する。なお、ステップ109、110、112が特許請求範囲に記載の弁制御手段に相当する。
また、上述のステップ108において、第1タイマの計測時間Tcが所定時間Thbよりも長いとき(Tc<Thb)には、NOと判定する。すなわち、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度未満であったとしてNOと判定する。その後、ステップ113に移行する。
さらに、上述のステップ107において、外気温Tamが下限気温TEL(所定温度)未満であるときには、NOと判定する。その後、ステップ113に移行する。
このように、ステップ107或いはステップ108の処理後にステップ113に進むと、吐出冷媒圧力Phがリセット圧力値pr(<pd)以下であるか否かを判定する。吐出冷媒圧力Phがリセット圧力値prよりも高いときには、ステップ113でNOと判定してステップ113の判定を繰り返す。
その後、吐出冷媒圧力Phがリセット圧力値prよりも低くなると、ステップ113でYESと判定して電磁クラッチ1aをオンする。これにより、圧縮機1→迂回流路18→蒸発器4→サクションタンク5→圧縮機1の順に冷媒が循環する。次のステップ115で第1のタイマのカウントを開始する。
次のステップ116で、暖房モードの稼働時間が所定時間T3よりも長いか否かを判定する。暖房モードの稼働時間は、暖房モードを継続的に実行している時間であって、第2のタイマにより計測される。ここで、第2のタイマの計測時間Tonが所定時間T3よりも短いときには、暖房モードの実行開始後に所定時間T3経過していないとして、NOと判定して、ステップ103に戻る。
その後、第2のタイマの計測時間Tonが所定時間T3に到達するまで、上述と同様に、ステップ103、105、106、107、108、110、112、113、114、115、116の各処理を実行する。
その後、第2のタイマの計測時間Tonが所定時間T3に到達するとステップ116でYESと判定して、第2タイマのカウントを停止する。その後、上述のリセットモードに移行する。
以上説明した本実施形態によれば、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL以下で、かつ圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定した場合には、冷暖切替弁14を2回に亘って閉弁して、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒を2回に亘って凝縮器2の冷媒入口側に流すので、圧縮機1の冷媒口側の冷媒圧力を下げることができる。
従来、冷媒回収モードの実施により、圧縮機1の固定スクロール60および可動スクロール62が低温状態になり、その後、走行用エンジン1bが高速で回転した状態で電磁クラッチ1aをオンして暖房モードを開始すると、可動スクロール62は高速で公転(圧縮動作)して圧縮機1の吐出冷媒圧力が上限圧力値に到達する。これに伴い、圧縮機1aの停止後に、圧縮機1の吐出口側の冷媒圧力により、高圧貯油室68内の潤滑油に圧力が加わり、この潤滑油とこの潤滑油内の気相冷媒とが給油通路内を通して固定スクロール60と可動スクロール62との間に流れ、気相冷媒が固定スクロール60と可動スクロール62とにより冷却されて凝縮して液相冷媒になる現象が生じる場合があった。
これに対し、本実施形態では、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL以下で、かつ圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定した場合には、圧縮機1の冷媒口側の冷媒圧力を下げる。このため、圧縮機1aの停止後に、圧縮機1の吐出口側の冷媒圧力により、高圧貯油室68から固定スクロール60と可動スクロール62との間に気相冷媒を流すことを未然に防止できる。これにより、固定スクロール60と可動スクロール62との間に液相冷媒が生じることを未然に防止でき、圧縮機1で液相冷媒を圧縮することを未然に防ぐことができる。
本実施形態では、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL以下で、かつ圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定したときに、冷暖切替弁14を二回に亘って閉弁する。このため、圧縮機1の冷媒口側の冷媒圧力を確実に下げることができるので、圧縮機1の吐出口側の冷媒圧力により、高圧貯油室68から固定スクロール60と可動スクロール62との間に気相冷媒を流すことを確実に防止できる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、第1タイマの計測時間Tcを用いて、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定した例について説明したが、これに限らず、第2実施形態では、エンジン回転数を用いて圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定する。
図10のフローチャートに、本実施形態の暖房モードの制御処理を示す。図10において、図9と同一ステップは同一処理、或いは実質的に同一処理を示す。
以下、本実施形態の暖房モードの制御処理について具体的に説明する。
まず、ステップ100aで、外気温Tamおよび走行用エンジン1bの回転数Ncのサンプリングを開始する。次のステップ101において、電磁クラッチ1aをオンして、かつ冷暖切替弁14を開弁する。次のステップ102で第2タイマのカウントを開始させる。なお、本実施形態では第1タイマは用いられない。
その後、ステップ103において、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pd以上であると判定した場合には、YESとして、電磁クラッチ1aをオフする(ステップ105)。
次に、ステップ107において、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL(所定温度)以下であるか否かを判定する。
次に、ステップ108aにおいて、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、走行用エンジン1bの回転数Ncが所定回転数NH以上であるか否かを判定する。このエンジン回転数の判定では、ステップ103の判定処理時にサンプリングした回転数Ncのサンプリングデータが用いられる。なお、ステップ108aが特許請求範囲に記載の回転数検出手段に相当する。
以上により、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際には、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定できる。ステップ108aにおいて、走行用エンジン1bの回転数Ncが所定回転数NH以上であるときには、圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったとしてYESと判定する。
その後、ステップ109、110、112の処理により、冷暖切替弁14を2回に亘って閉弁して、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒を2回に亘って凝縮器2の冷媒入口側に流すので、圧縮機1の冷媒口側冷媒圧力を下げることができる。
その後、ステップ113において、吐出冷媒圧力Phがリセット圧力値prよりも低いときにはYESと判定してステップ114で電磁クラッチ1aをオンする。その後、ステップ116で、暖房モードの稼働時間が所定時間T3よりも長いとしてYESと判定すると、ステップ117において第2タイマのカウントを停止する。
以上説明した本第2実施形態によれば、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL(所定温度)以下で、かつ走行用エンジン1bの回転数Ncが所定回転数NH以上であるときには、ステップ109、110、112の処理により、冷暖切替弁14を2回に亘って閉弁して、圧縮機1の冷媒口側冷媒圧力を下げることができる。これにより、上述の第1実施形態と同様に、固定スクロール60と可動スクロール62との間に液相冷媒が生じることを未然に防止でき、圧縮機1で液相冷媒を圧縮することを未然に防ぐことができる。
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達して、電磁クラッチ1aをオフして圧縮機1aを停止した後に、冷暖切替弁14を閉弁して、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒を冷暖切替弁14を通して凝縮器2の冷媒入口側に流した例について説明したが、これに限らず、圧縮機1aを停止する前に、冷暖切替弁14を閉弁して、圧縮機1の冷媒口側の吐出冷媒を凝縮器2の冷媒入口側に流すようにしてもよい。
上述の各実施形態では、暖房側絞り17を冷暖房切替弁14内に一体に形成させたが、これに限らず、迂回流路18側にオリフィス、キャピラリチューブ等の固定絞りで構成して冷暖房切替弁14に直列に設けても良い。
上述の各実施形態では、吐出冷媒圧力Phが上限圧力値pdに到達した際に、外気温Tamが下限気温TEL以下で、かつ圧縮機1の圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定したときに、冷暖切替弁14を閉弁した回数を二回とした例について説明したが、これに限らず、冷暖切替弁14を閉弁する回数は、1回でもよく、また3回以上でもよい。
上述の各実施形態では、圧縮機1としてスクロール型圧縮機を用いた例について説明したが、これに限らず、圧縮機1としてレシプロ型の圧縮機を用いてもよい。
例えば、吐出容量を略0%〜100%の範囲内で可変可能に構成される可変容量型圧縮機を用いてもよい。この場合、可変容量型圧縮機の吐出容量を略0%にすることにより、電磁クラッチ1aに関係なく、可変容量型圧縮機の圧縮動作を実質的に停止できる。このため、可変容量型圧縮機の吐出容量を略0%に設定可能である圧縮機1であるならば、電磁クラッチ1aを用いなくてもよい。
本発明に係る第1実施形態の車両用空調装置の冷凍サイクル装置の構成を示す模式図である。 図1の圧縮機の断面図である。 図2中A−A断面図である。 図2中B−B断面図である。 図2中の冷暖房切替弁の構成を示す図である。 第1実施形態の車両用空調装置の室内空調ユニットを示す図である。 第1実施形態の暖房制御の全体の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の暖房制御の全体の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の車両用空調装置の暖房モードの詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の車両用空調装置の暖房モードの詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1…圧縮機、2…凝縮器、4…蒸発器、5…サクションタンク、
6…電子制御装置、14…冷暖切替弁、15…ソレノイド、
16…差圧弁、18…迂回流路、68…高圧貯油室、
60…固定スクロール、62…可動スクロール。

Claims (8)

  1. 車両走行用エンジン(1b)の回転力により固定部(60)に対して動作して冷媒を圧縮する可動部(62)と、前記可動部により圧縮された高圧冷媒から分離機構により分離された潤滑油を貯める貯油室(68)と、前記貯油室内から前記固定部と前記可動部との間に潤滑油を流す給油通路(83a、83c、83b、51h)とを有し、前記高圧冷媒のうち前記分離機構により潤滑油が分離された残りの冷媒を吐出口(54b)から吐出する圧縮機(1)と、
    前記圧縮機の吐出冷媒を車室外空気により冷却する冷却器(2)と、
    前記冷却器で冷却された冷媒を減圧する減圧器(3)と、
    前記減圧器で減圧された冷媒と車室内空気との間で熱交換する車室内熱交換器(4)と、
    前記圧縮機の吐出冷媒を前記冷却器と前記減圧器とを迂回して前記車室内熱交換器の冷媒入口側に流す迂回流路(18)と、
    前記迂回流路の冷媒入口と前記冷却器の冷媒入口とのうち一方の冷媒入口と前記圧縮機の吐出口との間を接続し、他方の冷媒入口と前記圧縮機の吐出口との間を遮断する弁(14)と、を備え、
    前記弁により前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を接続し、かつ前記圧縮機を一定時間運転した後、停止した状態で、前記冷却器内の冷媒を前記圧縮機の冷媒吸入口側に回収する冷媒回収モードと、前記弁により前記圧縮機の吐出口と前記迂回流路の冷媒入口との間を接続し状態で、前記吐出冷媒により前記車室内熱交換器で前記空気を加熱する加熱モードとを実施するモード実施手段(200〜203)と、
    前記圧縮機の吐出冷媒圧力を検出する圧力検出手段(22)と、
    前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達したか否かを判定する第1の判定手段(103)と、
    前記モード実施手段が前記加熱モードを実施している場合に、前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達したと前記第1の判定手段が判定したときには、前記圧縮機を停止する停止手段(105)と、
    前記圧力検出手段の検出圧力が前記一定圧力に到達した際に、車室外の気温が一定温度未満で、かつ前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったのか否かを判定する第2の判定手段(107、108、108a)と、
    前記圧力検出手段の検出圧力が前記一定圧力に到達した際に、車室外の気温が一定温度未満で、かつ前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったと前記第2の判定手段が判定した場合には、前記固定部および前記可動部の温度が所定温度以下であるとして、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口側冷媒を前記冷却器の冷媒入口側に流す弁制御手段(109、110、112)と、を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記停止手段が前記圧縮機を停止した後に、前記弁制御手段が、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を接続して、前記圧縮機の吐出口側冷媒を前記冷却器の冷媒入口側に流すことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記弁制御手段は、前記圧縮機の停止後に、前記弁を制御して前記圧縮機の吐出口と前記冷却器の冷媒入口との間を複数回接続することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記加熱モードの実行時に前記圧縮機が圧縮動作を開始してから前記圧力検出手段の検出圧力が一定圧力に到達する迄の時間を計測する計測手段(102、106、115)を備え、
    前記第2の判定手段は、前記計測手段により計測された時間が一定時間以下であるときに、前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったと判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 車両エンジンのエンジン回転数を検出する回転数検出手段(108a)を備え、
    前記第2の判定手段は、前記回転数検出手段の検出回転数に基づいて、前記圧縮機の冷媒圧縮の動作速度が一定速度以上であったか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 車室外の気温を検出する外気温センサ(90)を備えており、
    前記第2の判定手段は、前記外気温センサの検出温度に基づいて、前記車室外の気温が一定温度未満であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記モード実施手段は、前記加熱モードの実施後で、かつ前記冷媒回収モードの実施前に、前記弁が前記圧縮機の吐出口と前記迂回流路の冷媒入口との間を接続した状態で、前記圧縮機を停止するリセット制御モードを実施することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 車室内に向けて空気を流す空気流路を形成する空調ケース(38)を備えており、
    前記車室内熱交換器は、前記空調ケースの空気流路内に配置されており、
    前記空調ケース内の前記車室内熱交換器に向けて空気を流す送風機(32)を備えることを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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