JP4867237B2 - エレベータの操作表示装置 - Google Patents

Description

この発明は、エレベータの乗場やかご内に設けられ、エレベータ利用者が乗場呼びやかご呼びを入力する際に操作する操作表示装置に関するものである。

エレベータの乗場やかご内に設けられ、エレベータ利用者が乗場呼びやかご呼びを入力する際に操作する従来の操作表示装置は、操作表示装置の内部機器を覆うように配置されるフェースプレート、各階床入力用の押釦や戸開釦及び戸閉釦等からなるボタン体、入力された呼び情報やかご位置情報等のエレベータ情報を表示する表示部等により構成されている（例えば、特許文献１参照）。

特開昭６２−１８５６８７号公報

図４及び図５は、特許文献１記載のものを含めた従来のエレベータの操作表示装置を示したものである。図４及び図５において、１はフェースプレート、２は表示部、３はボタン体であり、上記フェースプレート１は、基板となるベース樹脂部５に、接着層６、印刷層７、クリアフィルム９及び印刷層１０が表面側に順次形成されている。ここで、上記印刷層７は、表示部２とそれ以外の部分を印刷し、一体で構成できるようになっている。また、上記クリアフィルム９の表面側に形成される印刷層１０は、クリアフィルム９の表面に印刷された艶消しインク等から構成されている。なお、この印刷層１０は、表示部２への蛍光灯等の光の写り込みを防止して、表示部２の表示が見え難くならないように施されたものである。

かかる構成を有するエレベータの操作表示装置では、艶消しインク等をクリアフィルム９の表面に印刷するといった２次加工が必要となるため、コスト高を招来する要因となっていた。また、艶消しインク等をクリアフィルム９の表面に印刷することによって印刷層１０が形成されているため、エレベータ利用者がこの印刷層１０の部分に触れることによって印刷層１０が少しずつ剥がれてしまうという問題も生じていた。

なお、表示部２への蛍光灯等の光の写り込みを防止するには、クリアフィルム９の表面に艶消しインク等を印刷する方法以外にも、例えば、金型面にシボ加工を施して、それをクリアフィルム９に転写させる方法等も考えられる。しかし、クリアフィルム９が薄く硬い素材で構成されているため、表示部２の表示がはっきりと見え、且つ、その表面への蛍光灯等の光の写り込みを防止することができるような細かいシボを上記方法によってクリアフィルム９に形成することは非常に困難であった。このため、上記方法は実用的な解決手段とはならなかった。

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、フェースプレートの製作工程を簡素化でき、且つ、表示部への蛍光灯等の光の写り込みを確実に防止することができるエレベータの操作表示装置を提供することである。

この発明に係るエレベータの操作表示装置は、フェースプレートと、このフェースプレートの開口部に配置されたボタン体と、エレベータ情報を表示する表示部とを備え、フェースプレートは、ベース樹脂部と、ベース樹脂部の表面側に形成された接着層と、接着層の表面側に形成された印刷層と、印刷層の表面側に形成されたマット状フィルムと、を備え、フェースプレートは、フィルムインサート成形により製造され、表面を形成するマット状フィルムにより、表示部を覆う部分及びフェースプレート全体がノングレア状態に仕上げられたものである。

この発明によれば、フェースプレートの製作工程を簡素化でき、且つ、表示部への蛍光灯等の光の写り込みを確実に防止することができる。

この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。

実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１におけるエレベータの操作表示装置の正面図、図２は図１に示すエレベータの操作表示装置のＡ−Ａ断面図、図３は図１に示すエレベータの操作表示装置のＢ−Ｂ断面図である。図１乃至図３において、１は操作表示装置の内部機器を覆うように配置されるフェースプレート、２はかご位置やかごの進行方向等のエレベータ情報を表示する表示部、３はフェースプレート１の開口部に配置され、エレベータ利用者が乗場呼びやかご呼び等を入力するために押す押釦や、戸開釦及び戸閉釦等からなるボタン体、４はこのボタン体３に隣接して設けられ、隣接するボタン体３の意味等を表示する点字部である。

ここで、上記フェースプレート１は、基板となるベース樹脂部５に、接着層６、印刷層７、マット状フィルム８（例えば、東山フィルム株式会社製 ＴＨＣフィルム）が表面側に順次形成されている。ここで、上記印刷層７は、表示部２とそれ以外の部分を印刷し、一体で構成できるようになっている。また、フェースプレート１の最も表面側に設けられたマット状フィルム８は、表示部２や点字部４及びその他の平面部を覆うように、フェースプレート１の表面全体に設けられているが、ボタン体３の部分については開口部が形成されている。即ち、ボタン体３はマット状フィルム８によって覆われてはおらず、エレベータ利用者は直接ボタン体３を押すことになる。これは、マット状フィルム８の耐久性を考慮したものである。

また、上記マット状フィルム８の表面８ａは、柔軟性のあるマット素材により構成されるとともに、この表面８ａ全体には、非常に目の細かい凹凸が形成され、蛍光灯等の光の写り込みを防止するノングレア処理が施されている。なお、マット状フィルム８の表示部２を覆う部分にさえ上記ノングレア処理が施されていれば、蛍光灯等の光の写り込みを防止する効果を奏するが、実施の形態１に示すフェースプレート１においては、表面８ａの全体にノングレア処理が施されている。

次に、上記フェースプレート１の製造方法について説明する。フェースプレート１はフィルムインサート成形により製作されている。即ち、その表面が既にノングレア状態に仕上げられたマット状フィルム８を金型に装着して射出成形することにより、フェースプレート１が製造される。これにより表面がノングレア状態で仕上がるため、従来のように表示部２の部分に艶消しインク等を印刷するといった２次加工を必要とせず、フェースプレート１の表面全体に施されるノングレア処理を、フィルムインサート成形により一体形成することが可能となり、製作工程を簡素化でき、且つ、安価に製造することができる。

また、フィルムインサート成形によりフェースプレート１を製作しているため、フィルムインサート成形時に点字部４も一体成形することが可能となる。したがって、従来のように点字銘板等により後付けしていたものが不要となり、製作工程を簡素化できるようになる。また、マット状フィルム８は、従来フェースプレート１の表面に使用されていたクリアフィルムよりも滑り性が良いため、点字の読み取りが容易になるといった効果も奏する。

また、マット状フィルム８の表面８ａは全面に渡ってノングレア処理が施されているため、エレベータ利用者の指紋が付着若しくは目立ち難く、意匠性の良い操作表示装置を提供することも可能となる。なお、従来のようにエレベータ利用者が触れることによって印刷層が剥がれてしまうといった問題も解消することが可能である。

この発明の実施の形態１におけるエレベータの操作表示装置の正面図である。 図１に示すエレベータの操作表示装置のＡ−Ａ断面図である。 図１に示すエレベータの操作表示装置のＢ−Ｂ断面図である。 従来のエレベータの操作表示装置の正面図である。 図５に示すエレベータの操作表示装置のＣ−Ｃ断面図である。

符号の説明

１ フェースプレート
２ 表示部
３ ボタン体
４ 点字部
５ ベース樹脂部
６ 接着層
７ 印刷層
８ マット状フィルム
８ａ 表面
９ クリアフィルム
１０ 印刷層

Claims (2)

1. フェースプレートと、
   このフェースプレートの開口部に配置されたボタン体と、
   エレベータ情報を表示する表示部と
   を備え、
   前記フェースプレートは、
   ベース樹脂部と、
   前記ベース樹脂部の表面側に形成された接着層と、
   前記接着層の表面側に形成された印刷層と、
   前記印刷層の表面側に形成されたマット状フィルムと、
   を備え、
   前記フェースプレートは、フィルムインサート成形により製造され、表面を形成する前記マット状フィルムにより、前記表示部を覆う部分及びフェースプレート全体がノングレア状態に仕上げられたことを特徴とするエレベータの操作表示装置。
2. 前記フェースプレートは、
   前記ボタン体に隣接して配置された点字部と、
   を更に備え、
   前記点字部は、フィルムインサート成形時に一体成形されたことを特徴とする請求項１に記載のエレベータの操作表示装置。

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