JP4864995B2 - メカニカルシール - Google Patents
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Description
そこで、一定の周期毎、例えば回転機器のバッジ毎または長期停止時などに、メカニカルシールを分解して、前記スラリが堆積した部位を洗浄することが行われている。
この場合には、シリンダ内の第1室および第2室に導入される作動流体によるピストンの進退動作に伴って洗浄液供給路の開閉が行えるので、流体圧シリンダを用いた非常に簡単な構成で洗浄液供給路を開閉させることができる。
この場合には、シリンダ内の第1室に導入する作動流体として、洗浄液供給路からの洗浄液を用いることができ、この洗浄液の流体圧よりも第2室に導入される作動流体通路からの作動流体の流体圧が高いときにピストンを進出させて、そのピストンと共に進出するピストンロッドに取り付けた弁体によって洗浄液供給路が閉塞される。また、洗浄液供給路からの洗浄液の流体圧が作動流体通路からの作動流体の流体圧よりも高くなったときにピストンが後退して前記洗浄液供給路が開放される。したがって、洗浄液と作動流体との差圧によってシール面の外周外方の環状空間に対する洗浄液の供給と供給停止とを簡単に制御することができる。
このように、洗浄液供給路の下流端に、環状空間の周方向に沿って所定間隔毎に噴射ポートが設けられていると、シール面の外周外方の環状空間に対し洗浄液が周方向から満遍なく噴射されて、シール面やOリングの環状溝が効果的に洗浄され、メカニカルシールのシール性を円滑に保つことができる。
このように、ケーシング内において静止密封環と同心に設けられた環状の空間よりなるシリンダの内部空間に、円筒形状のピストンが嵌装されているので、単一のピストンの進退動作に伴って各洗浄液供給路が弁体により開閉され、環状空間の周方向に沿って所定間隔毎に設けられた複数の噴射ポートからの洗浄液の噴射と噴射停止とを単一のピストンによって簡単かつ効率よく行うことができる。
この場合には、回転機器外で加圧された外部流体が作動流体として用いられるので、回転機器の稼働中および停止中に係わらずピストンの進退動作を行え、いつでも洗浄することができる。
この場合には、回転機器の内部で加圧された被密封流体によって作動流体が賄えるので、作動流体を加圧するためのポンプが不要となる。
このように、環状空間A1に噴射された洗浄液によって密封端面311,321やOリング12用の環状溝111に堆積したスラリが除去されることから、一定の周期毎、例えば回転機器1のバッジ毎または長期停止時などに回転機器1の分解作業が不要となり、メカニカルシールZのメンテナンスコストを抑えることができる。
本発明に係る実施の形態では、シリンダ16の第2室162に流入する作動流体として、外部流体に代えて、回転機器1の内部で加圧されるスラリ流体を用いている。
また、スラリ流体通路62からシリンダ16の第2室162に流入するスラリ流体の流体圧は、回転機器1の稼動時に内部で加圧されたスラリ流体が被密封流体領域Aに供給されている状況下では、シリンダ16の第1室161に流入する洗浄液の流体圧よりも高く、回転機器1の稼動を停止して被密封流体領域Aからスラリ流体を排出した際にはシリンダ16の第1室161に流入する洗浄液の流体圧よりも自ずと低くなる。このことから、被密封流体領域Aからシリンダ16の第2室162に流入するスラリ流体の流体圧と、シリンダ16の第1室161に流入する洗浄液の流体圧との差圧を利用することにより、ピストン18の進退動作が行われる。つまり回転機器1の稼動時にはシリンダ16の第2室162に流入するスラリ流体の流体圧が第1室161に流入する洗浄液の流体圧よりも高いためにピストン18が進出する。一方、回転機器1の稼動を停止して被密封流体領域Aからスラリ流体を排出すると、シリンダ16の第2室162に流入するスラリ流体の流体圧が第1室161に流入する洗浄液の流体圧よりも低くなってピストン18が後退する。要するに、噴射ポート531からの洗浄液の噴射は、回転機器1の稼動を停止して被密封流体領域Aからスラリ流体が排出された状況下においてのみ行われる。この場合、スラリ流体通路62には、必要によりシリンダ16の第2室162へのスラリの浸入を防止する濾過器(図示せず)を介在する。
また、環状空間A1に対する洗浄液の供給が回転機器1の稼動を停止してスラリ流体を被密封流体領域Aから排出した状況下でのみ行われるので、被密封流体領域Aでのスラリ流体と洗浄液との混合を回避することができる。
11 ケーシング
16 シリンダ
160 流体圧シリンダ
161 第1室
162 第2室
18 ピストン
180 ピストンロッド
181 弁体
19 開閉手段
2 回転軸
31 回転密封環
311 密封端面(シール面)
32 静止密封環
321 密封端面(シール面)
5 洗浄液供給路
531 噴射ポート
61 外部流体通路(作動流体通路)
62 スラリ流体通路(作動流体通路)
A1 環状空間
D 内部空間
Z タブル型メカニカルシール(メカニカルシール)
Claims (3)
- ケーシングに取り付けられた静止密封環と、前記ケーシングを貫通する回転軸に一体回転可能に取り付けられる回転密封環とが互いに相対回転可能に摺接するシール面によって回転機器の内部の被密封流体をシールするメカニカルシールであって、
前記ケーシングに設けられ、前記シール面の外周外方の環状空間に対し洗浄液を供給する洗浄液供給路と、
前記洗浄液供給路を開閉する開閉手段とを備え、
前記開閉手段は、
シリンダと、作動流体を導入する第1室および第2室に前記シリンダ内を仕切るピストンとを有する流体圧シリンダと、
前記ピストンの進退動作に伴って前記洗浄液供給路を開閉する弁体とを備え、
前記第1室が前記洗浄液供給路に連通し、
前記第2室が前記ピストンを進出させるための作動流体を流通させる作動流体通路に連通し、
前記ピストンが、前記洗浄液の流体圧と前記作動流体の流体圧との差圧によって進退動作するとともに、その進出に伴って前記洗浄液供給路を閉塞可能に前記弁体を取り付けたピストンロッドを備え、
前記作動流体通路を流通する作動流体が、前記回転機器の内部で当該回転機器の稼働によって、前記洗浄液の流体圧よりも高い流体圧に加圧された被密封流体であることを特徴とするメカニカルシール。 - 前記洗浄液供給路の下流端には、前記環状空間に対し洗浄液を噴射する噴射ポートが、前記環状空間の周方向に沿って所定間隔毎に設けられている請求項1に記載のメカニカルシール。
- 前記シリンダの内部空間は、前記ケーシング内において前記静止密封環と同心に設けられた環状の空間よりなるとともに、
前記ピストンは、前記シリンダの内部空間に嵌装される円筒形状を呈しており、
前記弁体は、前記複数の噴射ポートを開閉可能に設けられている請求項2に記載のメカニカルシール。
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