JP4863473B2 - 押し込み曲線の作成方法および硬さ試験方法 - Google Patents

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Description

この出願の発明は、押し込み曲線の作成方法および硬さ試験方法に関するものである。さらに詳しくは、より精密かつ効率的に押し込み曲線を作成することができる押し込み曲線の作成方法と、それを利用した硬さ試験方法に関するものである。
微小硬さ試験あるいは超微小硬さ試験等は、材料の微小な組織の力学的特性を調べることが可能であり、近年、半導体やマイクロマシンなどの広い分野における材料の測定手法として利用が拡大している。
この微小硬さ試験あるいは超微小硬さ試験(以下、単に、微小硬さ試験等という)では、圧子を試料の表面に押し込む過程における押し込み力(F)と押し込み深さ(h)との関係、いわゆる押し込み曲線を取得して、材料の硬さ等の性質を測定する方式が広く採用されている。これは、ビッカース硬さ試験のようなマクロ硬さ試験に比べて、試料表面にできる圧痕の大きさが1ミクロンあるいはそれ以下と極めて小さくなるため、圧痕の大きさを光学顕微鏡等で測定するのが困難なためである。
また、微小硬さ試験等においては、単に圧子を試料に押し込んだ時の最大荷重における押し込み深さを求めるだけでは十分でなく、図1に模式的に示したような、荷重の負荷(load)から除荷(unload)に至る連続的な押し込み力と押し込み深さの関係、すなわち押し込み曲線を得ることが求められる。
さらに、このようにして得られた押し込み曲線から材料の特性を評価するには、最大押込み力における押し込み深さ等を単純に大小比較することで十分な場合もあるが、一方で、たとえば、圧子の形状補正や硬さなどのパラメータを算出するために、押し込み曲線を特定の関数形に合わせてフィッティングするのに用いられたり(たとえば、特許文献1、2参照)、図2に模式的に示したように、特徴点の位置を定めるために使われる場合がある(たとえば、特許文献3参照)。このような場合には、ブランクがなく、データ点密度の高い、より精密な押し込み曲線が必要とされる。
このような押し込み曲線を得る方法としては、一般に、(ア)荷重(押し込み力)制御方式、あるいは(イ)変位(押し込み深さ)制御方式のいずれかによる荷重負荷試験が行われている。(ア)荷重制御方式は、試料に負荷する荷重幅(df)が、(イ)変位制御方式は、変位幅(dh)が、それぞれ設定したある値となるように試験機を制御しながら、その際の変位あるいは荷重を測定することで、離散的に荷重と変位の関係を得るものである。図3および図4は、それぞれ(ア)荷重制御方式および(イ)変位制御方式で得られる押し込み曲線を模式的に示したものであり、実際測定される点(データ点)を黒丸で示している。図3および図4から解るとおり、(ア)荷重制御方式は、高荷重側や荷重除去過程、あるいは試料が硬い場合など、押し込み曲線の傾きの大きい領域で、一般に変位制御方式よりデータ点の密度が高くなり、また、変位制御方式に比べて、安定した制御が可能という特徴がある。一般の硬さ試験では、慣例として、同じ荷重での結果を比較する場合が多いので、指定した荷重までの結果を得ることができる。一方の(イ)変位制御方式は、低荷重側や試料が軟らかい場合など、押し込み曲線の傾きの小さい領域で、一般に荷重制御方式よりデータ点の密度が高くなるという特徴がある。
(例えば、特許文献3、非特許文献2、非特許文献3参照)。
特開平11−271202号公報 特開平09−318516号公報 特願2004−81546号明細書
しかしながら、実際の微小硬さ試験等においては、試料の硬い部分と軟らかい部分とで押し込み曲線の傾きが異なってくるため、測定場所によって最適な荷重幅(df)あるいは変位幅(dh)も変わってくる。具体的には、荷重制御方式の場合、硬い部分で試験する場合には押し込み曲線の傾きが大きいので、相対的に押し込み力の荷重幅(df)を大きく設定することができるが、軟らかい部分で試験をする場合には、逆に荷重幅(df)を小さくする必要がある。ここで、試料が均一であれば、何回か試験を行うことによって最適な荷重幅(df)を判断することが可能である。しかし、試料が均一でない場合、たとえば硬さに分布がある場合は、そもそも場所によって結果が異なるので、一定のデータ点密度を確保するためにはもっとも軟らかい部分を想定して不必要に細かい荷重幅(df)で試験を行わなければならず、測定に時間がかかるとともに、温度ドリフトの影響を受けやすくなるといった問題があった。このような問題は、変位制御方式においても同様であり、傾きの異なるさまざまな押し込み曲線に対して十分なデータ点密度が得られない、または不必要に小さい変位幅(dh)での実験を強いられている。
また、図2に示したような特徴点を有する押し込み曲線の場合においても、特徴点の位置が予想できない場合には最適な荷重幅(df)あるいは変位幅(dh)を設定するのが困難であるという問題があった。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、測定者が設定を変更することなく、傾きの異なるさまざまな押し込み曲線において十分なデータ点密度を確保することができる、新しい押し込み曲線の作成方法および微小硬さ試験方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、試料の表面に圧子を押し込む過程における押し込み力と押し込み深さとの関係を示す押し込み曲線の作成に際し、(i−n)番目( ここでiおよびnは自然数で、i≧n)の測定値を基準とする判定範囲を設け、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その押し込み力における押し込み深さあるいはその押し込み深さにおける押し込み力を測定してi番目の測定値とすることを特徴とする押し込み曲線の作成方法を提供する。
この出願の発明は、上記の押し込み曲線の作成方法において、第2には、判定範囲は、(i―1)番目(ここでiは自然数)の測定値を基準として設けることを特徴とする作成方法を、第3には、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その仮測定値をi番目の測定値として採用することを特徴とする作成方法を、第4には、仮測定では、1つの仮測定点における測定回数を減らすことで測定速度を高めることを特徴とする作成方法を、第5には、仮測定では、仮測定値のアナログ信号からデジタル信号へのA/D変換の精度を落とすことで、変換速度を向上させることを特徴とする作成方法を、第6には、押し込み力の変化量が多いと予想される範囲では押し込み力を少しずつ変化させた際の押し込み深さを仮測定し、押し込み深さの変化量が多いと予想される範囲では押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み力を仮測定することを特徴とする作成方法を、第7には、判定範囲を、(i−1)番目の測定点を中心とする円形ないしは楕円形または矩形とすることを特徴とする作成方法を提供する。
また、この出願の発明は、第8には、上記いずれかの押し込み曲線から試料の圧子が押し込まれる微小領域の硬さを求めることを特徴とする硬さ試験方法をも提供する。
以上のこの出願の発明は、微小硬さ試験または超微小硬さ試験等において押し込み曲線を得る際に、予め、次の測定値として採用しない範囲(判定範囲)、すなわち必然的に採用する範囲を定めておくとともに、押し込み力(荷重)あるいは押し込み深さ(変位)の何れか一方ではなく、その両方を動的に監視し、押し込み力あるいは押し込み深さが採用する範囲に入った時点で測定点として採用するものである。
この出願の発明の押し込み曲線の作成方法によると、荷重と押し込み深さの両方を仮測定により動的に監視することによって、使用者が試験機等の設定を変更することなく、傾きの異なる様々な押し込み曲線において、十分なデータ点密度を確保することが可能となる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明の押し込み曲線の作成方法においては、試料の表面に圧子を押し込む過程における押し込み力と押し込み深さとの関係を示す押し込み曲線の作成に際し、(i−n)番目の測定値を基準とする判定範囲を設け、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その押し込み力における押し込み深さあるいはその押し込み深さにおける押し込み力を測定してi番目の測定値とするようにしている。
ここで仮測定とは、正式な測定値を採用するための測定(本測定)よりも精度が低くても、その分高速に測定することが可能な方法による測定をいう。測定の高速化を実現するために、具体的には、たとえば、A/D変換の精度を落としたり、測定値の平均回数を減じたりすることなどが例示される。
この出願の発明では、任意の材質および組織の試料を対象とする押し込み曲線の作成に利用することができるが、とりわけ、微小硬さ領域あるいは超微小硬さ領域の押し込み曲線の作成において適用するのが効果的である。また、この出願の発明においては、押し込み曲線の作成に際し、圧子についても、任意の形状の圧子を用いることができ、圧子の押し込みについては、片持ちレバー方式、あるいは両持ちレバー方式等の各種の方式を採用することができる。
この出願の発明において特徴的なことは、図5に模式的に例示されているとおり、i番目の測定値を求める際に、(i−n)番目の測定値を基準とする判定範囲を設けていることにある。具体的には、押し込み力あるいは押し込み深さを少しづつ(ΔFあるいはΔh)変化させていき、その際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定値が判定範囲外となったときに、仮測定ではなく本測定を行い、i番目の測定を行うようにしていることである。ここでiは測定の回数を示し、i=1,2,3・・・である。また、nは判定範囲の基準とする測定値を示すために用いられる値であって、任意の自然数とすることができる。以下、判定範囲の設定に関しては、簡便のために、n=1の場合、すなわち(i−1)番目の測定値を基準として判定範囲を設定する場合を代表例にしてこの出願の発明について説明するが、もちろんこれに限定されることはない。また、0番目の測定点とは、押し込み深さおよび押し込み力がいずれも0の場合とみなすことができ
る。
判定範囲は、たとえば(i−1)番目の測定値を基準として任意の領域を設定することができるが、判定範囲内の仮測定値は測定値として採用されないことから、i番目の測定値が(i−1)番目の測定値から適切な間隔で得られるよう考慮して決定することができる。すなわち、例えば押し込み曲線における所望の測定点の間隔を、判定範囲とすることができる。この判定範囲は、測定を通じて一定でなくても良く、おおよその押し込み曲線の挙動が把握できる場合などには、例えば、荷重の小さい範囲では判定範囲の荷重方向を狭く、荷重の大きい範囲では判定範囲の荷重方向を広く設定するなど、測定中に変化をもたらすことも可能である。なお、判定範囲の設定に関し、n≧2とする場合は、n=1とする場合に比べて、基準とする測定値が遠くなることを考慮して、やや広めの判定範囲を設定することができる。
そして、この出願の発明の方法においては、押し込み曲線の作成に際し、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させていき、その際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定する。この仮測定により得られた仮測定値は、はじめはほぼ上記の判定範囲内に入るが、判定範囲外となったときに、i番目の測定値として、その押し込み力あるいは押し込み深さにおける押し込み深さあるいは押し込み力を測定する。なお、ここで、判定範囲外となったときの仮測定値をi番目の測定値として採用することもできる。ここで、少しずつ変化させる押し込み力(ΔF)あるいは押し込み深さ(Δh)としては、任意に設定することができる。より具体的には、たとえば、(1)上記の判定範囲の1/20〜1/10程度の幅の押し込み力あるいは押し込み深さを目安として設定することが例示される。これは、イメージとしては、判定範囲を10〜20程度に分割し、少しずつ仮測定を進めていく方法となる。また、(2)装置の精度をΔFあるいはΔhとして設定することも可能である。実際には、硬さ試験装置等の精度以上に細かくΔFあるいはΔhを設定しても無意味であるため、装置の能力が許す範囲で、できるだけ細かく設定することもできる。これは、イメージとしては、安全に細かく刻んで確実に仮測定を進めていくやり方であるが、その分時間を必要とすることになる。また一方で、(3)従来法において設定していた荷重幅あるいは変位幅を、ΔFあるいはΔhとすることもできる。従来法では不必要に細かい値を荷重幅、変位幅として設定することを強いられてきたのであるが、この出願の発明においては、この不必要に小さな荷重幅および変位幅を、ΔFおよびΔhとして測定に活かすことができる。
これを模式的に例示したのが図5であり、(i−1)番目の測定点が得られており、次のi番目の測定点を取得する様子を示している。たとえばこの図の場合では、(i−1)番目の測定値を座標の基準(原点)として、(0,0),(df,0),(df,dh),(0,dh)の4点を結ぶ範囲を判定範囲としている。ここで、dfおよびdhは、従来の押し込み曲線の測定において荷重幅および変位幅としていた設定に相当すると考えることができる。ΔFおよびΔhは、仮測定を行う際に変化させる荷重幅および変位幅である。そしてこの出願の発明の方法では、荷重および変位のどちらを変化させる方式でもかまわない。たとえば、荷重を変化させる場合には、従来のように押し込み力を一度に押し込み力の荷重幅(df)まで上げずに、押し込み力を少し(ΔF)ずつ変化させてそのときの押し込み深さ(h)を仮測定していき、得られた測定値(x・ΔF,h)が判定範囲外にでたときに、はじめてi番目の測定を行うか、またはその値をi番目の測定値として採用するようにしている。たとえば、図5の場合では、図中の四角で示した判定範囲の上辺側で外れた場合は荷重制御方式と、右辺側で外れた場合は変位制御方式とそれぞれ等価であるといえる。したがって、各測定点においては、荷重制御方式と変位制御方式のうちのより精度の高い方式を動的に選択しているといえる。
このような測定方式の動的な選択により、使用者がいちいち装置等の設定を変更する必
要なく、高精度で押し込み曲線を取得することが可能となる。
なお、図5では、簡便のため、押し込み曲線が右上がりに伸びていく場合のみを想定して説明したが、たとえば除荷曲線のように左下がりになる場合なども考慮されるため、より一般的な判定範囲の設定は、たとえば、図6に示すように、上下左右に範囲を持つ領域を採用することが望ましい。判定範囲の形態には制限はないが、より一般的には、判定範囲としては、正方形や各種の長方形等の矩形、菱形、また、測定値間の距離を一定にするために、円形ないしは楕円形等に設定したりすることが好適な例として示される。また、上記のとおり、押し込み力あるいは押し込み深さに応じて判定範囲を変化させることなども考慮される。
さらに、図5では、簡便のため、押し込み力を少し(ΔF)ずつ増加させる場合について示したが、もちろん、同様にして、押し込み深さを少し(Δh)ずつ増加させていくことも考慮される。なお、押し込み曲線の精度をさらに向上させるため、i番目の測定ごとに、押し込み力の変化量が多いと予想される範囲では押し込み力を少しずつ変化させて押し込み深さを仮測定したり、押し込み深さの変化量が多いと予想される範囲では押し込み深さを少しずつ変化させたて押し込み力を仮測定するようにしてもよい。
上記のとおり、この出願の発明における仮測定とは、正式な測定値を採用するための測定(本測定)よりも精度が低くても、その分高速に測定することが可能な方法による測定をいう。測定の高速化を実現するために、具体的には、たとえば、A/D変換の精度を落としたり、測定値の平均回数を減じたりすることなどが例示される。
A/D変換の精度を落とす方法とは、一般的に用いられている硬さ試験装置等において、アナログ信号(ここでは電圧)をデジタル信号(コンピュータ等のメモリに格納する値)に変換する際の精度を犠牲にして、速度を向上させるものである。例えば0〜10Vの範囲の信号を変換する場合、変換のビット数に応じて、精度(刻み)はそれぞれ次の表1のようになる。
ビット数を上げることにより精度は向上するが、その際のA/D変換にかかる時間は増えてしまう。そのため、適切なレベルにまでビット数を下げて変換速度を向上させるようにする。あるいは、用いるA/D変換ボードの種類によって、精度を落としてその分高速に測定を行うことを選択可能としておくこともできる。例えば、キーエンス社製A/D変換ボードKV-AD40を用いることで、下記の高速モードを仮測定に利用することができる。
・「通常」 精度:フルスケールの0.2% 変換速度:1.6ms
・「高速」 精度:フルスケールの0.5% 変換速度:0.2ms
また一方の測定値の平均回数を減らす方法とは、一般的な各種機械測定における測定値には、さまざまな要因の偶然誤差が含まれため、1つの測定点において1回だけの測定ではなく、複数回の測定を行い、その平均値を採用するのが通常とされている。そして、一
般的な押し込み曲線取得の際にも、1つの測定点において1回ではなく、例えば100回から1000回程度の測定を行い、これらの値をA/D変換してその平均値を使うようにしている。平均の回数は増やすと精度向上になるが、測定にかかる時間は長くなるため、仮測定においては1つの測定点における平均回数(すなわち、仮測定のための測定回数)を減らして、精度を犠牲に測定時間を短くする方法を採用することもできる。このような点を考慮すると、例えば、従来の測定よりも、A/D変換を10倍高速とし、かつ平均回数を1/10とすることで、仮測定を100倍もの高速で実施することができる。この高速な「仮測定」という手法を巧みに最大限に利用するのが、この出願の発明の本質であるといえる。
上記の例示以外にも、仮測定ではデータの保存をしないため、例えばデジタルシグナルプロセッサからパソコンへの転送や、パソコンから記憶装置への転送にかかる時間を省略することなども考慮できる。さらに、仮測定値が判定範囲から外れた場合、その仮測定値をi番目の測定の精度向上のために利用することなども考慮できる。
なお、仮測定は本測定よりも精度が低いので、判定範囲に対して仮測定の値を比較することで誤判定が生じる可能性が考えられる。この場合、(1)判定範囲内の仮測定値を判定範囲外に出たとみなす誤判定、(2)判定範囲外の仮測定値を判定範囲内とみなす誤判定の、二通りの場合が考えられる。しかし、仮測定後に本測定を行うことで、このような誤判定を引き起こした仮測定値の影響を最小限に抑制することができる。誤判定の影響は、(1)の場合には本来不要であったデータ点が1点追加されるだけであり、(2)の場合にも、すぐに次の仮測定値を測定するのであるから、仮測定の際の刻み幅であるΔFあるいはΔhの分だけ、データ点の密度が局所的にわずかに低下するのみで、いずれの場合にも影響は小さい。測定プロセスの全体を考えると、一部の点でこのような誤判定が生じたとしても、この出願の発明の意義が失われるということはない。
このようにしてi番目の測定を行ったら、(i+1)番目・・・と順次同様の手順を繰り返して測定を行い、最終的に必要となる最大押し込み力または最大押し込み深さに到達した時点で、除荷過程に移行することができる。除荷過程についても、上記と同様の手順で行うことができる。しかし、除荷過程における押し込み曲線の挙動は、一般に、従来の荷重制御方式により十分なデータが得られることがあるため、たとえば押し込み力ΔFをdfに等しくし、実質的に従来の荷重制御方式と同様の測定に切り替えることなども可能である。
なお、n≧2とする場合には、n番目までの測定は従来法により測定を行っても良いし、たとえば、m番目までの測定をn=1として行い、m番目からの測定をn=mと行うことでもよい。図16に、(1)n=1として場合の測定例、(2)n=2とした場合の測定例を模式的に示した。両者を比較すると、n=2とした場合に得られる押し込み曲線はn=1とした場合に得られるものと、本質的には同じとなるが、nの値は測定対象を考慮する等して設定することができる。また、n=mおよびn=(m+1)の両方とすることを考慮して、m番目と(m+1)番目の測定値の中間値(平均)を基準として判定範囲を設定するなどしても良いことは言うまでもない。
以上のこの出願の発明の押し込み曲線の作成方法は、たとえば、コンピュータあるいはデジタルシグナルプロセッサによるプログラミングを利用することで、産業上、実際に実現が可能である。
そこで、この出願の発明の方法で押し込み曲線の負荷過程を作成する場合の流れ図の一例を図7に例示した。なお、図7の流れ図では、判定範囲として、図6に例示した判定範囲を採用している。また、比較のため従来の荷重制御方式の流れ図を図8に示した。これ
らの図中の記号は以下のとおりである。
F:押し込み力
h:押し込み深さ
i:ループ変数
Fi:i番目の測定点(押し込み力、測定値)
hi:i番目の測定点(押し込み深さ、測定値)
Fmax:最大押し込み力
hmax:最大押し込み深さ
df:押し込み力のステップ
dh:押し込み深さのステップ
ΔF:仮測定における押し込み力の増加分
Δh:仮測定における押し込み深さの増加分
図8の従来の荷重制御方式では、単純にi番目の設定値である押し込み力Fiを試料に加えてそのときの押し込み深さhiを取得していた。これに対し、本願発明の方法では、たとえば図7に例示したように、押し込み深さの仮測定を行いながら、押し込み力を少し(ΔF)ずつ変化させており、フローが二重のループ構造となっている。このような二段階の測定を行うことによって、単純に従来の荷重制御方式のdfを小さくするなどしてデータ点数を増加させる方式に比べて、無駄な測定を省き、必要な測定を効率的に行うことができる。したがって、過密的でも過疎的でもなく、効率的に測定値を得ることができ、高精度な押し込み曲線を取得することが可能となる。
またこの出願の発明が提供する硬さ試験方法は、上記のようにして得られる押し込み曲線から、試料の圧子が押し込まれる微小領域の硬さを求めることを特徴としている。微小硬さ試験等では、押し込み曲線およびその解析が重要であり、効率的に高精度で得られる押し込み曲線を用いることで、より精密な硬さ試験が実現される。
以下に実施例を示し、この出願の発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
超微小硬さ試験において、標準試料として用いられるタングステン単結晶を試料とし、同一の圧子および硬さ試験機を用いて、さまざまな制御法により押し込み曲線を作成した。その結果を、図9〜12に示した。図9は従来の荷重制御方式、図10は従来の変位制御方式、図11はこの出願の発明の方法により得られた押し込み曲線であり、図12は図9〜11の結果を同一のグラフにプロットした図である。
まず、図12から、図9〜図11の押し込み曲線はいずれもプロット点が大きくずれることはなく、押し込み曲線の絶対値が制御方式の違いに影響されないことが確認された。なお、図12の図中に矢印で示した不連続部分は、pop-inと呼ばれる現象であり、弾性変形から塑性変形への遷移点と考えられている。このpop-inは瞬時に発生することから、明瞭に取得することは困難である。
図9(a)(b)は、従来の荷重制御方式により得られた押し込み曲線である。制御条件は、ステップdfをdf=11.5μNとする荷重制御方式であって、負荷過程のデータはいずれも200点であった。図9(a)(b)では、図中の矢印で示した部分に、データ点の疎な領域が生じてしまった。このような疎な部分は、押し込み曲線における特徴点や、pop-inのような現象と紛らわしいため、解析する上で好ましくない。また、図3で
も示したように、荷重制御方式では、曲線の傾きが小さい部分でこのような現象が生じやすいことが指摘されており、図9(a)(b)も予想通りの結果となった。
図10(a)(b)は、従来の変位制御方式により得られた押し込み曲線である。ただし、除荷過程は荷重制御方式が優れていることが明らかであるため、負荷過程のみを変位制御方式とした。制御条件は、ステップdhをdh=2.0nmとする荷重制御方式であって、負荷過程のデータは139点および147点であった。図10(a)(b)においても、図中の矢印で示した部分に、データ点の疎な領域が生じてしまった。図4でも示したように、変位制御方式では、曲線の傾きが大きい部分でデータ点数の少なさが目立つことが指摘されており、図10(a)(b)も予想通りの結果となった。特に原点に近い初期領域でのデータ点不足が目立つ。これは、たとえば弾性部分をフィッティングしてヤング率を求める場合に誤差が大きくなるという問題を招くため好ましくない。
図11(a)(b)は、この出願の発明の方法により得られた押し込み曲線である。制御条件は、ステップdfをdf=11.5μN、ステップdhをdh=2.0nmとする混合制御方式とし、負荷過程のデータはいずれも214点であった。図11(a)(b)においては、負荷過程におけるデータ点の疎な部分が極端に減少し、pop-inを除いてほぼ連続的な押し込み曲線が得られたことが確認された。これは、たとえば、この実施例において荷重制御方式よりも混合制御方式の方が取得データが14点多いが、荷重制御方式におけるデータの欠損領域をこの14点で効果的にカバーしてデータを取得しているためであると考えられる。
この実施例の結果から、荷重制御方式あるいは変位制御方式のいずれよりも、それらを効果的に複合化したこの出願の発明の手法が優れていることが明らかとなった。
(実施例2)
この出願の発明の押し込み曲線の作成方法と、従来法の荷重制御方式による押し込み曲線の作成方法とをシミュレーションにより比較した。シミュレーションにおける前提条件は、以下のとおりとした。
・押し込み曲線は、F=c×Hの形式で表される(ここでcは材料に依存する比例定
数)
・試料は不均一であって、硬い部分と軟らかい部分が50%ずつある
・1つのデータ点(測定値)を得るのに、A/D変換および平均化等を含めて1秒かかる
・仮測定は、通常の測定に比べて100倍高速(すなわち0.01秒)で測定できる
従来の方法とこの出願の発明の方法により、上記条件のもと得られる押し込み曲線をシミュレートした結果を、図13および図14にそれぞれ例示した。両図とも、図中の左側の曲線は硬い部分で、右側の曲線は軟らかい部分で得られる押し込み曲線を示している。なお、図中の軸は任意目盛りであって、曲線は負荷過程のみを示すものとする。
図13では、従来の荷重制御方式においてデータ点数がN=301になるよう、df=3.3としたものである。測定時間は、データ点を1つ得るのに1秒かかるので、一つの押し込み曲線を取得するのに301秒かかることになる。
図14では、この出願の発明の方法において、df=10nm、dh=1nmとし、従来法のdf値とΔFを一致させてΔF=3.3としたものである。この図14において、データ点数は、硬い部分の曲線でN=110、軟らかい部分の曲線でN=139しかないが、図13とほぼ同等の、なめらかな曲線が得られることが確認される。測定にかかる時間は、実測定にかかる時間に仮測定にかかる時間を加えたものであり、表2の通りである
この出願の発明の方法によると、従来法に比べて、半分以下の時間で同等の精度の測定が可能となることが解る。この測定時間の比は、従来法においてdfあるいはdhを小さく設定すればするほど、高い値となる。
なお、参考のため、従来法において、この出願の発明の方法と同じ測定時間(127秒)となるように、条件をデータ点N=127、つまりdf=8nmとして得られる押し込み曲線をシミュレートした結果を図15に示した。図15においては、低荷重側、とりわけ軟らかい部分の押し込み曲線の低荷重側において、データ点の不足が発生することがわかる。
以上のことから、本願発明の方法によると、より短時間で、かつ効率的に、精密な押し込み曲線を作成できることが確認された。
荷重の負荷(load)から除荷(unload)に至る連続的な押し込み曲線を例示した図である。 特徴点を持つ押し込み曲線を例示した図である。 荷重制御方式で得られる押し込み曲線を模式的に例示した図である。 変位制御方式で得られる押し込み曲線を模式的に例示した図である。 この出願の発明の方法においてi番目の測定点を取得する様子を模式的に説明する図である。 この出願の発明の方法における判定範囲の設定領域を模式的に例示した図である。 この出願の発明の方法により押し込み曲線の負荷過程を作成する場合の流れ図の一例である。 従来の押し込み曲線の負荷過程を作成する場合の流れ図である。 (a)(b)は、従来の荷重制御方式より得られた押し込み曲線である。 (a)(b)は、従来の変位制御方式より得られた押し込み曲線である。 (a)(b)は、この出願の発明の方法により得られた押し込み曲線である。 図9〜11を同一のグラフにプロットした図である。 実施例において従来法により得られる押し込み曲線をシミュレートした結果である。 実施例においてこの出願の発明の方法により得られる押し込み曲線をシミュレートした結果である。 実施例において従来法により得られる押し込み曲線をシミュレートした結果である。 (1)(2)は、この出願の発明の方法で得られる押し込み曲線と判定範囲の関係を模式的に例示した図である。

Claims (8)

  1. 試料の表面に圧子を押し込む過程における押し込み力と押し込み深さとの関係を示す押し込み曲線の作成に際し、(i−n)番目(ここでiおよびnは自然数で、i≧n)の測定値を基準とする判定範囲を設け、押し込み力あるいは押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み深さあるいは押し込み力をそれぞれ仮測定し、仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その押し込み力における押し込み深さあるいはその押し込み深さにおける押し込み力を測定してi番目の測定値とすることを特徴とする押し込み曲線の作成方法。
  2. 判定範囲は、(i―1)番目(ここでiは自然数)の測定値を基準として設けることを特徴とする請求項1の押し込み曲線の作成方法。
  3. 仮測定により得られた仮測定値が判定範囲外となったときに、その仮測定値をi番目の測定値として採用することを特徴とする請求項1または2記載の押し込み曲線の作成方法。
  4. 仮測定では、1つの仮測定点における測定回数を減らすことで測定速度を高めることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。
  5. 仮測定では、仮測定値のアナログ信号からデジタル信号へのA/D変換の精度を落とすことで、変換速度を向上させることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。
  6. 押し込み力の変化量が多いと予想される範囲では押し込み力を少しずつ変化させた際の押し込み深さを仮測定し、押し込み深さの変化量が多いと予想される範囲では押し込み深さを少しずつ変化させた際の押し込み力を仮測定することを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。
  7. 判定範囲を、(i−n)番目の測定点を中心とする円形ないしは楕円形または矩形とすることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の押し込み曲線の作成方法。
  8. 請求項1ないし7いずれかの押し込み曲線から試料の圧子が押し込まれる微小領域の硬さを求めることを特徴とする硬さ試験方法。
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