JP4863008B2 - イオン性液体 - Google Patents
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Description
ところで、イオン性化合物の中には、温度を上げてイオン間の相互作用に打ち勝つ程に熱運動を活発化させることで、そのもの自体が液体となり電気を通すようになるものがあり、このような状態の塩は、通常、溶融塩と呼ばれる。
上記イオン性液体を用いた電解による電析や、電池等の電解質への応用研究が精力的に進められているが、一般的に、イオン性液体は、吸湿性が高く、空気中での取り扱いが困難であるという欠点があり、その応用が十分になされているとはいえない。
従来の非水電解液系電気二重層キャパシタは、活性炭などの炭素質材料を主体とする正、負極の分極性電極および非水電解液から構成されるが、キャパシタの耐電圧や、静電容量には非水系電解液の組成が大きな影響を及ぼすことが知られている。
例えば、電解質塩としては、第4級アンモニウム塩(特開昭61−32509号公報、特開昭63−173312号公報、特開平10−55717号公報等)や、第4級ホスホニウム塩(特開昭62−252927号公報等)等が、有機溶媒への溶解性および解離度、ならびに電気化学的安定域が広いことからよく用いられている。一方、有機溶媒としては、高誘電率で電気化学的安定域が広く、高沸点であるものが望まれており、一般的には、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルホラン等がよく用いられている。
また、電解質塩の溶解性が低いことから、低温時に電解質塩が結晶化し易いため、電気二重層キャパシタの低温特性にも問題があった。
また、置換基としてアルコキシアルキル基を有する4級アンモニウム塩が、蓄電デバイスに用いられる非水系有機溶媒への溶解性に優れ、しかも低融点を有しているため、これらの4級塩を用いて電解液を調製した場合に、従来よりも高濃度にすることができ、かつ、低温時における電解質塩の析出が起こりにくいことを見いだすとともに、この電解液を用いて作製された電気二重層キャパシタが、高静電容量を有し、低温特性に優れることを見いだし、本発明を完成した。
1. 下記一般式(4′)で示され、融点が50℃以下の化合物からなることを特徴とするイオン性液体、
2. 前記R3が、メチル基またはエチル基である1のイオン性液体、
3. 前記R′が、メチル基である1または2のイオン性液体、
4. 前記nが、2である1〜3のいずれかのイオン性液体、
5. 前記R 3 が、メチル基である2〜4のいずれかのイオン性液体、
6. 前記Yが、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、またはCF3CO2 -である1〜4のいずれかのイオン性液体、
7. 下記式(5)で示される1のイオン性液体、
8. 下記式(5′)で示される1のイオン性液体、
9. 融点が25℃以下である1〜5のいずれかのイオン性液体
を提供する。
また、置換基としてアルコキシアルキル基を少なくとも1つ有する4級アンモニウム塩からなる蓄電デバイス用電解質塩であるから、低融点を有するとともに、非水系有機溶媒への溶解性に優れている。したがって、これらの4級塩を用いて蓄電デバイス用電解液を調製した場合に、従来よりも電解液濃度を高濃度にすることができ、かつ、低温時に電解質塩が析出することがないため、低温特性に優れるとともに、高い充放電容量、静電容量を有する蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ、二次電池、コンデンサ等)を提供することができる。
[蓄電デバイス用電解質塩]
本発明に係る蓄電デバイス用電解質塩は、下記一般式(1)で示される4級塩からなるものである。
上記炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。R′−O−(CH2)n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基、メトキシまたはエトキシプロピル基、メトキシまたはエトキシブチル基等が挙げられる。
また、置換基として、メチル基、2つのエチル基、およびアルコキシエチル基を有する下記一般式(2)で示される4級塩も好適に用いることができる。
具体例として、4級アンモニウムテトラフルオロボレートの合成法を挙げると、4級アンモニウムハライドを水に溶解させ、酸化銀を加えて塩交換を行い、4級アンモニウム水酸化物塩とした後、ホウフッ化水素酸と反応させて目的物を得ることができる。この方法は、4級アンモニウム水酸化物塩生成の際に、塩交換により生じるハロゲン化銀の除去が容易に行えるため、純度の高い4級アンモニウムテトラフルオロボレートを合成するのに有効である。
本発明に係るイオン性液体は、下記一般式(1)で示され、融点が50℃以下、好ましくは25℃以下であることを特徴とする。
このイオン性液体の場合にも、置換基として、上記R′がメチル基であり、nが2のメトキシエチル基を少なくとも1つ有する4級アンモニウム塩が好適である。
また、置換基として、メチル基、2つのエチル基、およびアルコキシエチル基を有する下記一般式(2)で示される4級塩も好適に用いることができる。
具体的なイオン性液体としては、上記式(3)〜(11)で示されるものが挙げられるが、特に式(3)または式(8)で示されるものが、取り扱いやすく、しかも低温特性に優れた蓄電デバイスを得ることができて好適である。
なお、イオン性液体の製造法については、上記電解質塩で述べた通りである。
また、有機合成で広く用いられるベンゼン、塩化メチレン、エーテル等の反応溶媒は、そのほとんどが発ガン性を有する揮発性物質であるが、本発明のイオン性液体は、揮発性が極めて小さく、繰り返し利用可能な有機合成用反応溶媒としても好適に用いることができ、これにより環境負荷の低減を目的とした新しい合成プロセスを開拓するグリーンケミストリーの分野にも貢献し得るものである。
本発明に係る蓄電デバイス用電解液は、(1)上記イオン性液体または低融点の蓄電デバイス用電解質塩を単独で用いた電解液(すなわち、非水系有機溶媒を使用しない電解液)、(2)(1)の電解液にイオン導電性塩を添加した電解液(この場合も非水系有機溶媒を使用しない電解液)、(3)(2)の電解液にさらに非水系有機溶媒を加えた電解液、(4)上記イオン性液体または蓄電デバイス用電解質の少なくとも1種と、非水系有機溶媒とを含む電解液、のいずれかの形態で用いるものである。
この場合、イオン導電性塩としては、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスに使用できるものであれば特に限定はなく、例えば、アルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
(Rc−SO2)(Rd−SO2)(Re−SO2)CLi …(13)
〔式(12),(13)中、Ra〜Reは、それぞれエーテル基を1個または2個含有してもよい炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を示す。〕
(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、(C3F7SO2)2NLi、(C4F9SO2)2NLi、(CF3SO2)(C2F5SO2)NLi、(CF3SO2)(C3F7SO2)NLi、(CF3SO2)(C4F9SO2)NLi、(C2F5SO2)(C3F7SO2)NLi、(C2F5SO2)(C4F9SO2)NLi、(CF3OCF2SO2)2NLi
(CF3SO2)3CLi、(C2F5SO2)3CLi、(C3F7SO2)3CLi、(C4F9SO2)3CLi、(CF3SO2)2(C2F5SO2)CLi、(CF3SO2)2(C3F7SO2)CLi、(CF3SO2)2(C4F9SO2)CLi、(CF3SO2)(C2F5SO2)2CLi、(CF3SO2)(C3F7SO2)2CLi、(CF3SO2)(C4F9SO2)2CLi、(C2F5SO2)2(C3F7SO2)CLi、(C2F5SO2)2(C4F9SO2)CLi、(CF3OCF2SO2)3CLi
本発明に係る電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極と、これら分極性電極間に介在させたセパレータと、電解液とを含む電気二重層キャパシタにおいて、前記電解液として上記蓄電デバイス用電解液を用いるものである。
ここで、上記分極性電極としては、炭素質材料とバインダーポリマーとを含んでなる分極性電極組成物を集電体上に塗布してなるものを用いることができる。
また、炭素質材料の形状としては、破砕、造粒、顆粒、繊維、フェルト、織物、シート状等各種の形状があるが、いずれも本発明に使用することができる。
また、その添加量も、特に限定されるものではないが、静電容量および導電性付与効果等を考慮すると、炭素質材料100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
〔式中、R5およびR6は同一または異種のアミノ基、ニトロ基、カルボニル基またはエーテル基を含有していてもよい炭素数1〜10の二価炭化水素基を示し、Zは−COO−、−OCOO−、−NR7CO−(R7は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−O−またはアリーレン基を示し、h,i,jは0または1〜10の整数、qは1以上の整数を示す。〕
また、上記qは1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10〜200の数を示す。
この場合、イソシアネート化合物の〔NCO〕と、ポリオール化合物の〔OH〕との化学量論比は〔NCO〕>〔OH〕であり、具体的には〔NCO〕:〔OH〕=1.03/1〜10/1の範囲、好ましくは1.10/1〜5/1の範囲である。
なお、2つ以上の活性水素基を有する化合物としては、上述と同様のものを用いることができる。
この場合にも、三次元網目構造を形成するためには、上述のような分子中に反応性二重結合を2つ以上有する化合物を添加する必要がある。
なお、不飽和ポリウレタン化合物またはポリオキシアルキレン成分を含有するジエステル化合物と、ポリオキシアルキレン成分を含有するモノエステル化合物との組成比は、特に限定されるものではない。
なお、熱可塑性ポリウレタン系樹脂には、ウレタン結合を有するポリウレタン樹脂以外にも、ウレタン結合とウレア結合とを有するポリウレタンウレア樹脂も含まれる。
(E)成分のポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
このような低分子量化合物としては、公知の種々の化合物を使用でき、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート等の芳香族ジオールまたは脂環式ジオール;ヒドラジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン等のジアミン;アジピン酸ヒドラジド等のアミノアルコール等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
なお、バインダーポリマーの添加量は、炭素質材料100重量部に対して、0.5〜20重量部、特に、1〜10重量部であることが好ましい。
なお、分極性電極は、分極性電極組成物を溶融混練した後、押出し、フィルム成形することにより形成することもできる。
これらのセパレータを用いた場合、電極用ポリマーバインダー(熱可塑性樹脂)と組成が共通し、電極−セパレータ間の界面を一体化制御できるので、さらに内部抵抗を下げることができる。
以上のような特性を有する本発明の電気二重層キャパシタは、携帯電話、ノート型パソコンや携帯用端末等のメモリーバックアップ電源用途、携帯電話、携帯用音響機器等の電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、太陽光発電、風力発電等と組み合わせることによるロードレベリング電源等の種々の小電流用の蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、大電流で充放電可能な電気二重層キャパシタは、電気自動車、電動工具等の大電流を必要とする大電流蓄電デバイスとして好適に使用することができる。
本発明に係る二次電池は、正極および負極と、これら正負極間に介在させたセパレータと、電解液とを含む二次電池において、前記電解液として上述したイオン導電性塩を添加した蓄電デバイス用電解液([蓄電デバイス用電解液]で説明した(2)、(3)の電解液)を用いるものである。
ここで、正極を構成する正極活物質としては、電極の用途、電池の種類等に応じて適宜選定されるが、例えば、リチウム二次電池やリチウムイオン二次電池の正極とする場合、リチウムイオンを吸着・離脱可能なカルコゲン化合物またはリチウムイオン含有カルコゲン化合物等を用いることができる。
上記リチウムイオン含有カルコゲン化合物としては、例えばLiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiMo2O4、LiV3O8、LiNiO2、LixNiyM1-yO2(但し、Mは、Co、Mn、Ti、Cr、V、Al、Sn、Pb、およびZnから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を表し、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0)などが挙げられる。
また、リチウムイオンを吸蔵放出する周期表8〜15族の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物としては、例えば、スズケイ素酸化物(SnSiO3)、リチウム酸化ビスマス(Li3BiO4)、リチウム酸化亜鉛(Li2ZnO2)等が挙げられる。
同じく硫化物としては、リチウム硫化鉄(LixFeS2(0≦x≦3))、リチウム硫化銅(LixCuS(0≦x≦3))等が挙げられる。
同じく窒化物としては、リチウム含有遷移金属窒化物が挙げられ、具体的には、LixMyN(M=Co、Ni、Cu、0≦x≦3、0≦y≦0.5)、リチウム鉄窒化物(Li3FeN4)等が挙げられる。
さらに、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出可能な炭素材料としては、グラファイト、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼結体等が挙げられる。
なお、電解液には、必要に応じて、(メタ)アクリレート、エポキシ基含有化合物、熱硬化性ウレタン等の反応硬化性物質を添加し、反応硬化させることもできる。
さらに、正負極どちらか一方の電極として電気二重層キャパシタに通常用いられる分極性電極を用い、対する他方の電極として、通常リチウムイオン二次電池で使用するような、リチウムイオンを挿入、脱離できる物質を活物質とする電極を使用したハイブリッド型の蓄電デバイスにも上記電解液で説明した(2),(3)の電解液を使用することができる。
得られた2−メトキシエチルジエチルアミン8.24gをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)10mlに溶解し、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)4.0mlを加えた。30分後、アイスバスを外し、室温にて一晩撹拌した。この反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた固形分をエタノール(和光純薬工業(株)製)−テトラヒドロフラン系で再結晶し、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩を16g得た。
続いて、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩15.0gを蒸留水100mlに溶解し、酸化銀(関東化学(株)製)6.37gを加え、3時間撹拌した。この反応混合物を減圧濾過して、沈殿物を取り除いた後、撹拌下、42%テトラフルオロホウ酸(関東化学(株)製)を反応液がpH5〜6付近になるまで少量ずつ加えた。この反応溶液を凍結乾燥し、さらに真空ポンプで水を十分留去し、室温(25℃)で液体状の化合物(3)を12.39g得た。
化合物(3)のNMRチャート(溶媒:重クロロホルム)を第1図に示す。
化合物(4)のNMRチャート(溶媒:重クロロホルム)を第2図に示す。
化合物(5)のNMRチャート(溶媒:重クロロホルム)を第3図に示す。
化合物(6)のNMRチャート(溶媒:重クロロホルム)を第4図に示す。
得られた2−メトキシエチルトリエチルホスホニウム塩化物塩20.0gを蒸留水100mlに溶解し、酸化銀(関東化学(株)製)10.89gを加え2時間撹拌した。減圧濾過により沈殿物を取り除いた後、撹拌下、42%テトラフルオロホウ酸(関東化学(株)製)を反応液がpH5〜6付近になるまで、少量ずつ加えた。この反応溶液を凍結乾燥し、さらに真空ポンプで水を十分留去し、室温(25℃)で液体状の化合物(7)を23.87g得た。
アセトニトリルを減圧留去し、残留分に水を加え、2層に分離した有機層を分液し、水で5回洗浄し、有機層中の不純物を取り除いた。
洗浄後の有機層を真空ポンプにて減圧にし、水を十分に留去し、室温で液体状の化合物(8)を6.8g得た。
化合物(8)のNMRチャート(溶媒:重クロロホルム)を第5図に示す。
反応液をセライト濾過し、反応液中の固体分を取り除き、溶媒留去後、さらに真空下で充分乾燥させ、常温(25℃)で液体の化合物(9)を10.1g得た。
化合物(9)のNMRチャート(溶媒:重ジメチルスルホキシド)を第6図に示す。
化合物(10)のNMRチャート(溶媒:重ジメチルスルホキシド)を第7図に示す。
化合物(11)のNMRチャート(溶媒:重ジメチルスルホキシド)を第8図に示す。
合成例1〜5で得られた各電解質塩を、それぞれプロピレンカーボネート(以下、PCという)に2.0M溶解させた溶液を電解液とし、以下のような手順で電気二重層キャパシタを作製した。
まず、フェノール樹脂原料のアルカリ賦活品からなる活性炭(MSP−20、関西熱化学(株)製)、導電性カーボン、ポリウレタン樹脂、N−メチルピロリドン(以下、NMPという)を、活性炭:導電性カーボン:ポリウレタン樹脂:NMP=41.9:3.7:2.2:52.2の割合で混合してペースト状にし、電気二重層キャパシタの正負極の分極性電極組成物を調製した。得られたペースト状の分極性電極組成物をアルミニウム基板に、乾燥膜厚が100μmとなるようにドクターブレードにより塗布し、80℃で4時間乾燥させた後、圧延して分極性電極を得た。この分極性電極を用い、セルロース系のセパレータを一対の分極性電極間に介在させてセルを組み立て、上記各電解液を注液して電気二重層キャパシタとした。
非水系電気二重層キャパシタ用電解質塩として一般に普及しているテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(以下、TEAという)を用い、この電解質塩のPC飽和溶液(濃度約1.5M)を電解液として用いた以外は、上記参考例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
電解液として、TEAをPCに1M溶解させた溶液を用いた以外は、上記参考例と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
上記各参考例および比較参考例で得られた電気二重層キャパシタについて、下記条件にて電流密度充放電試験を行い、静電容量を測定するとともに、−20℃におけるイオン電導率を測定した。
(静電容量測定条件)
各電気二重層キャパシタを電流密度1.59mA/cm2、2.0〜2.5Vの設定で充放電を行った。定電流で充電し、電圧が設定電圧に達してから2時間以上定電圧充電を行った後に、1.59mA/cm2の電流密度で放電を行い、電気エネルギーの積算値から静電容量を算出した。結果を表1に示す。
また、参考例1〜5では、各比較参考例よりも高濃度であるにも拘わらず、電解質塩の析出がないため、比較参考例2のイオン電導率よりも高くなり、低温時においてより多くの電気量が取り出せ有用であることがわかる。なお、比較参考例1の電解液では、電解質塩が析出してイオン電導率の測定が不可能であった。
合成例1で得られた電解質塩を、PCとエチレンカーボネート(以下、ECという)との混合溶媒(PC:EC=9:1)に溶かし、濃度2.0Mの電解液とした後、両面塗りの分極性電極(8cm×16cm)2枚、片面塗りの分極性電極(8cm×16cm)2枚を作製し、Niタブ端子を溶接した。
これらの分極性電極を両面塗り2枚の外側両側に片面塗り各々1枚を正負極となるように組み合わせ、ラミネートでパックして電気二重層キャパシタを試作した。得られた電気二重層キャパシタについて、充放電試験を行い、放電カーブを用いてエネルギー換算法で静電容量を求めたところ、180Fであった。
[1]活性炭の製造(ポリカルボジイミドを原料とするもの)
2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート(80/20)の混合物54重量部をテトラクロロエチレン500重量部中で、カルボジイミド化触媒(1−フェニル−3−メチルホスフォレンオキサイド)0.12重量部とともに、120℃で4時間反応させ、ポリカルボジイミド溶液を得た。溶媒を減圧留去により除去し、粘性の高い液体状のポリカルボジイミド樹脂を得た。
続いて、得られたカルボジイミド樹脂を300℃で5時間処理して完全に固化させた後、800℃で1時間加熱処理して炭化させた。この炭化物を900℃で1時間当たり炭化物1重量部に対し、水5重量部の割合で水を導入する水蒸気賦活処理を2時間行い、目的の活性炭を6.2重量部得た。
[2]電気二重層キャパシタの製造
合成例1で得られた電解質塩をPCに溶かして濃度2.0Mの電解液とし、分極性電極に用いる活性炭をMSP−20から上記方法で作製した活性炭に代えた以外は、実施例6と同様の方法で電気二重層キャパシタを作製した。
得られた電気二重層キャパシタについて、充放電試験を行い、放電カーブを用いてエネルギー換算法で静電容量を求めたところ、178Fであった。
活性炭(MSP−20、関西熱化学(株)製)、導電材(デンカブラック HS100、電気化学工業(株)製)、結着剤(PVdF900、呉羽化学(株)製)を用い、配合比(活性炭100に対する配合比(質量比))を活性炭:導電剤:結着剤=100:3:5とした充填物質およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)(一級品、片山化学工業(株)製)を、充填物質:NMP=100:212.5(質量比)の割合で混合したスラリーを、Al/AlOxシート(30CB、日本蓄電器工業(株)製)(250mm×150mm×0.030mm)に幅90mmで塗布後、乾燥(80℃)、圧延(充填密度、約0.7g/cm3)し、50.0mm(内、塗布部40.0mm)×20mmに裁断したものを電極とした。
この際、正極は約0.092g、負極は約0.096gの質量を持つ電極を選び、正極には幅3.0mmのAlテープ、負極には幅3.0mmのNiテープを溶接した。
セルロースセパレータ(厚さ0.035mm、FT40−35、日本高度紙工業(株)製)を54.0×22.0mmに裁断したもの2枚を介して、上述のようにして作製した正極2枚、負極2枚を対向させて組み、上記30CB(t=30μm、50.0mm×20.0mm)にAlテープを溶接したものをAl/AlOx参照電極としてセパレータに介して電極群を得た。
合成例6で得られた4級塩(イオン性液体)を電解液とし、これを上記電極群の空間体積に対して100.0vol%注液した後、約76Torrで30分間減圧し、ラミネートパッキングして電気二重層キャパシタを得た。
TEA(テトラエチルアンモニウム)−BF4の1.0Mプロピレンカーボネート溶液(LIPASTE−P/EAFIN、富山化学工業(株)製)を電解液とし、これを上記実施例8と同様にして得られた電極群に、実施例8と同様にして注液し、電気二重層キャパシタを得た。
[1]初期容量
下記サイクルを3回行った。
充電:10mA,2.5V、1mA終止(25℃)
休止:1時間(25℃)
放電:10mA,0.0V終止(25℃)
[2]温度別放電性能
充電:10mA,2.5V、1mA終止(x℃)
休止:6時間(x℃)
放電:10mA,0.0V終止(x℃)
x=−20.0、0.0、25.0、40.0、60.0
[3]自己放電性能
下記条件で充電後60.0℃にて放置。
充電:10mA,2.5V、1mA終止(25℃)
第9図に示されるように、参考例8で得られた電気二重層キャパシタは、比較参考例とほぼ同等の電気量が得られていることがわかる。
第10図に示されるように、参考例8で得られた電気二重層キャパシタは、低温側において放電容量を得ることが難しいものの、高温側において良好な放電容量が得られていることがわかる。
第11図に示されるように、自己放電性能においても、参考例8と比較参考例3で得られた電気二重層キャパシタは同等であることがわかる。
このように、イオン性液体のみを電解液として用いた場合にも、通常の有機電解液と同等の性能の電気二重層キャパシタを得ることができ、コスト面、安全面を考慮すれば、イオン性液体のみからなる電解液は、有用な蓄電デバイス用電解液となり得ることがわかる。
[1]電解液の調製
合成例6で得られた4級塩(イオン性液体)70.8重量部にトリフルオロスルホン酸イミドリチウム29.2重量部を混合・溶解することで電解液を調製した。
[2]正極の作製
正極活物質であるLiCoO291重量部と、導電剤であるケッチェンブラック3重量部と、N−メチル−2−ピロリドン90重量部にポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を溶解した溶液を60重量部と、N−メチル−2−ピロリドン15重量部と、を撹拌・混合し、ペースト状の正極合剤を調製した。
この正極合剤をアルミ箔上に乾燥膜厚100μmとなるようにドクターブレードにより塗布した後、80℃で2時間乾燥し、圧延することによってLiCoO2正極を作製した。
[3]リチウム二次電池の作製
上記で得られた正極および負極である金属リチウムをそれぞれ12φの大きさに切り取り、セパレータであるポリオレフィン多孔膜(E25MMS、東燃タピルス(株)製)を、切り取った各正負極の間に挟み、上記にて調製した電解液を注液・含浸させることによって、コイン型のリチウム二次電池を作製した。
電解液として、合成例1で得られた4級塩(イオン性液体)90.6重量部と、テトラフルオロホウ酸リチウム9.4重量部とを混合・溶解したものを用いた以外は、実施例9と同様にしてコイン型のリチウム二次電池を作製した。
その結果、参考例9の二次電池におけるLiCoO2当たりの放電容量は117.8mAh/gであり、参考例10におけるLiCoO2当たりの放電容量は115.4mAh/gであり、いずれもリチウム二次電池として十分な値を示した。参考例9の二次電池における充放電特性のグラフを第12図に示す。
Claims (9)
- 前記R3が、メチル基またはエチル基である請求項1記載のイオン性液体。
- 前記R′が、メチル基である請求項1または2記載のイオン性液体。
- 前記nが、2である請求項1〜3のいずれか1項記載のイオン性液体。
- 前記R 3 が、メチル基である請求項2〜4のいずれか1項記載のイオン性液体。
- 前記Yが、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、またはCF3CO2 -である請求項1〜4のいずれか1項記載のイオン性液体。
- 融点が25℃以下である請求項1〜5のいずれか1項記載のイオン性液体。
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