JP4862980B2 - 最新式蒸煮プラントにおける改良されたターペンタイン回収の方法 - Google Patents

最新式蒸煮プラントにおける改良されたターペンタイン回収の方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロース系材料から蒸煮パルプを製造するための方法、および特に改良されたターペンタイン回収に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリパルピング工程および特にクラフトパルプピングが、セルロースの製造の主流であるのは、アルカリパルピングは、他のいかなる商業用パルピング工程からのものよりも強いパルプ繊維を与えるからである。木材チップを蒸煮するための既知の方法は、バッチ工程である。慣例的なクラフトバッチ工程では、木材チップは、直接もしくはコンベヤーシステムによってビンから蒸解がまへ供給され、そして蒸煮液が加えられる。その蒸煮液は、通常、ホワイトリカーと呼ばれ、水酸化ナトリウムと硫黄化合物の水溶液を含む新しい蒸煮液と、チップを覆いそして液対木材の比率を調節するために前の蒸煮からの古液(ブラックリカー)を含む。チップと液が加えられると、蒸煮は、スチームにより間接的にもしくは直接的に熱を導入することにより開始される。蒸煮それ自体は、加熱期間と“加圧”期間からなる。蒸煮条件は、通常、相当する沸点と同等な圧力である160℃ないし180℃である。非木化が所望の反応程度に進行した蒸煮の終了時には、蒸解がまの吹込バルブが開かれ、蒸解がまの内容物は、蒸解がまの中の熱液がスチームへと急速に気化し、蒸解がまから蒸煮されたパルプを押しやるので吹込みタンク中に排出される。
【0003】
蒸煮サイクルの間、蒸解がまはシステムから空気と他の非凝縮性気体を除去するために絶えずガス抜きが行われる。タ−ペンタイン、スチーム及び他の揮発性化合物もまた、このガス抜きもしくはガスオフ( gass−off)期間の間に放出される。もし蒸解がまが正しく加熱され、ガス抜きがされたならば、タ−ペンタインの大部分は蒸煮温度および圧力に達した時点で出てくるであろう。(Drew,D等の硫酸塩タ−ペンタイン回収,Pulp Chemicals Association, ニューヨーク,1971年, 70頁)。 蒸解がまからの蒸気は分離器に運ばれ、キャリーオーバーされたブラックリカー及び/又はパルプは分離され、そしてタ−ペンタイン、スチーム、及び非凝縮性な気体は 、1個あるいは複数の凝縮器に運ばれる。タ−ペンタインと水から成っている凝縮液は、デカンターに運ばれそこで二つは分離される。タ−ペンタインオーバーフローはタ−ペンタイン貯蔵タンクに運ばれる。バッチ蒸解がまのタ−ペンタイン回収については、Drew,D等による著作、硫酸塩タ−ペンタイン回収,Pulp Chemicals Association,ニューヨーク ,1971年,65ないし93頁中、“バッチ蒸解がまからのタ−ペンタイン回収”章中に広範囲にわたって記載されている。
【0004】
しかしながら、上に言及された慣例的なバッチ工程はエネルギー効率が悪く、低強度巻出のパルプを生産する。
【0005】
バッチ工程はそれ故に、とりわけエネルギーを節約することを目的とし、開発されてきた。1980年代の初めから、様々な種類の置換を使用する新しく開発されてきた効率的クラフトバッチ工程が注目を浴び始めた。液置換バッチ工程の特徴は、蒸煮の終わりに、熱いブラックリカーを回収し、その後のバッチにそのエネルギーの再利用を行うことである。この開発工程の好例は、例えば、ファガ−ランドによる米国特許 U.S.5,578,149号明細書およびオーストマンによる米国特許 U.S.4,764,251号明細書中に記載されている。通常は、100℃以上の置換された液は、通常、連続加熱回収システムを含む一つもしくは複数の加圧アキュムレーター中に貯蔵される(例えば、米国特許 U.S.6,643,410号明細書参照)。その結果、バッチ蒸煮のエネルギー効率は増加した。
【0006】
高熱吹込み技術を利用する蒸解がま排出を避けるけることによる液置換バッチ法によって、パルプの質もまた改良された。寛和な蒸解がま排出は、典型的には、排出前に蒸解がまを冷却し、蒸解がま中の加圧を開放し、そして次に、蒸解がまから蒸煮された材料を、排出することによって達成される(例えば、米国特許 U.S.4,814,042号明細書参照)。液−置換クラフトバッチ蒸煮のさらなる開発は、促進した非木化および高パルプ強度を達成するためにエネルギー効率そして残余および新しい蒸煮化学薬品の効率的な使用の組合せが関与している(例えば、米国特許 U.S.5,183,535号明細書および米国特許 U.S.6,643,410号明細書参照)。これは、蒸煮の終わりに、まず熱くて、残余硫黄が多い“マザー”ブラックリカーを一つのアキュムレーターに回収し、次に洗浄濾液によって汚染にされた固形分と温度が低いブラックリカーの一部を他のアキュームレーターに回収する置換を準備することにより達成することが可能である。貯蔵されたブラックリカーは次に、次回分の木材チップを熱いホワイトリカーで蒸煮を完成する前に順番は逆だけれど浸含させ反応させるために再利用される。この方法により、高投入量の硫黄と低投入量のヒドロキシルイオンによるクラフト蒸煮を始めることが可能になり、およびかくして熱いブラックリカーの前処理段階で、重要である硫黄−リグニン反応を実施することが可能になった。
【0007】
液−置換バッチ工程ではチップは通常、液で完全に覆われる。典型的には、より高い液対木材の比が、液置換およびより効率的な液循環を可能にするため、より高い液対木材の比が、慣例的なバッチ蒸煮に比べて使用される。さらに、より高い液対木材の比およびその置換手段は、蒸解がまの内容物により均等な化学薬品および熱の分布をもたらす。その結果、製造されたパルプはより均質になる。
【0008】
このように、ほとんどが1980年代に起ったバッチ蒸煮技術の上に言及した開発は、エネルギー節約に関しての改良を特徴とするだけではなく、また非木化したセルロース材料系の改良された巻出強度も提供し、そして蒸煮中の非木化の拡大することが可能にさせた。
【0009】
しかしながら、液置換バッチシステムの導入は、低いターペンタインの収量と言う結果になることが分かった。ターペンタイン回収は、工場で、より小さい経済的役割しかもっていなかったため、一般的には、ターペンタインの回収には、余り注意が払われなった。研究の課程で、しかしながらターペンタインが、蒸解がまから排出されたパルプ中および/またはその古液中に一部分存在するということが分かった。その他の非凝縮性気体もまた蒸解がまや蒸煮プラントのガス抜きにより影響されそして結果的にターペンタイン回収にも影響を与える。従って、ガス抜きが効果的でない時には、他の気体もまた排出パルプおよび/またはその古液中に発見され得る。ブラックリカー中では、ターペンタインは例えば、石鹸溶解性に影響してそして石鹸の性質を変化させる。ブラックリカー中の高濃度のターペンタイン含有量は、石鹸溶解性を低くする。古液からの石鹸分離は、例えばパルプ洗浄エリア中で影響を受ける。蒸煮サイクル中の、不効率なターペンタインの除去は、リグノセルロース系材料からの抽出物例えば、石鹸の蒸煮液中への溶解性を減少させる。ターペンタインは、パルプ懸濁液中でも同じように石鹸に影響し、そして高濃度のターペンタインは、パルプ懸濁液の液相中への抽出物の低溶解性の原因となる。結果として、パルプを脱水および洗浄することは困難となり、そしてターペンタインの除去が効果的でないときに、洗浄中の技術問題が発生する。洗浄中の問題は例えば、化学薬品消費量の増加および漂白段階での洗浄による高い損失による製造されたパルプの低品質化などの製造困難を引き起こし得る。排出パルプ中の高いターペンタイン濃度は、例えば、洗浄プラント中で、その揮発性化合物が蒸発し得る可能性があるので、環境的被害を及ぼし、および安全損害もまた引き起こし得ることがある。最近の研究で、高品質パルプ、高率的なパルプ製造およびターペンタインの高回収効率は、しばしば一緒に作用することが分かったので、液−置換バッチシステムの開発が起こらなければならないのだった。
【0010】
従来の液−置換バッチ工程では、蒸解がまは、加圧古液アキュムレーターへガス抜きされ、そこからガスは、ターペンタイン回収へガス抜きされる(例えばRDHシステム中で(フォーラン,C.Dによる.,Kamyr蒸解がまシステム−常温吹込バッチ蒸解がまシステム−TMP工程凝縮器、デカンターおよび貯蔵システムに回収覚書,1994年 PCA/TAPPI 副生成物回収短期コース,1994年3月14から16日,ジョージア州ストーンマウンテン,17ないし19頁))、又は蒸解がまは、ターペンタイン回収システムへ直接ガス抜きされる(例えば常温−吹込システム(例えば、パターソン,B、アーネルフェルド,Bによる,“技術進歩はバッチパルピングを連続法と同じくらい効率的にする”,Pulp&Paper 1985年11月,90ないし93頁参照))かのどちらかである。上に言及したガス抜き方法の組合せ、すなわち蒸解がまの直接ガス抜きとターペンタイン回収へのアキュームレーターのガス抜きでも認めることができる。ターペンタイン回収それ自体、すなわち液分離器、凝縮器、デカンターは、慣例的なバッチ蒸煮で使用されたそれと本質的には異ならない。蒸解がまから加圧古液アキュームレーターへのガス抜きを適用する場合、ターペンタイン回収へのアキュームレーターのガス抜きは圧力制御に基づき、超過圧が液を、熱回収を通じて、常圧タンクへ押しやり、そして液の制御されていない煮沸を抑制するので、その標的は、該アキュムレーター中に超過圧およびより特別には、一定超過圧を保つことである。従って、揮発性化合物の蒸発が、アキュームレーター中ではほとんど起こらない。ターペンタインはブラックリカー中に可溶化され、およびターペンタイン回収は、より低減するであろう(フォーラン,C.Dによる.,Kamyr蒸解がまシステム−常温吹込バッチ蒸解がまシステム−TMP工程凝縮器、デカンターおよび貯蔵システム回収覚書,1994年 PCA/TAPPI 副生成物回収短期コース,1994年3月14から16日,ジョージア州ストーンマウンテン,18頁))。
【0011】
チップ前処理の後に循環が適用されている場合、従来技術の液置換工程の典型的なのは蒸解がまが実際の蒸煮相中で高い開始温度を持っているということである。従って、蒸解がまは、慣例的な蒸煮よりもより急速に蒸煮温度へ加熱される。このようにして、チップ前処理の間、ガスオフ(gass−off)時間がないので、ガスオフ(gass−off)時間は短い。
【0012】
慣例的なバッチ蒸煮に関しての他の相違点は、蒸解がまがより高い液対木材の比で操作されるということである。従って、ターペンタインは、ブラックリカー中に溶解し、慣例的バッチ蒸煮と比較して回収されたターペンタインの量が減少する。熱い液の一部を蒸解がまの上部で液体−蒸気界面を作り出すために除去し,そして次に、直接、ターペンタイン回収へ向けられた蒸気を除去する方法もまた、PCT出願WO 98/56978号国際公開公報およびフォークランド諸島保護領FI出願951399に記載されているように提案された。しかしながら、蒸解がまの上部に汚れのない液体−蒸気界面を使用する液−蒸気界面より上での液循環およびターペンタイン回収への直接ガス抜きする常温吹込工程および蒸解がまは液圧的にいっぱいではなく、液−気体界面が存在し、直接ガス抜きが使用される上に言及された方法を使用するミル試験での我々の経験も又ターペンタイン収量が慣例的バッチ蒸煮の水準にないことを示している。
【0013】
従って、蒸煮工程からより効果的にターペンタインを回収し、より効果的に他の揮発性ガスを除去する液置換バッチ工程の改良の必要性は明らかである。
【0014】
連続蒸煮工程では、チップ材料は、熱いブラックリカーのフラッシングから得られるフラッシュスチームにより蒸解がまに導入される前に加熱される。ターペンタインおよび非凝縮性気体は連続蒸煮の間、蒸解がまから除去されない。代わりに、ターペンタインは典型的には、蒸解がまから150ないし170℃の温度で抽出された古(ブラック)液から除去されなければならない。連続蒸煮では、古液は蒸発器供給貯蔵所へ運ばれる前にフラッシングされる。液は多様な段階で、典型的には、約100℃の温度へと2度フラッシュされる。第一のフラッシュスチームは、入ってくるチップを、予熱するためにスチーム容器へ戻される。第一のフラッシュタンクのアンダーフローは再びフラッシュされる。旧タイプの連続蒸煮デザインでの第二フラッシュタンクからのフラッシュスチームはスチーム容器からのガスと組合され、サイクロン分離器、凝縮器およびターペンタインデカンターへ送られる。第一のフラッシュスチームは、第二のフラッシュスチームより多くのターペンタインを含んでいる。より旧式デザインの欠点は、第一のフラッシュスチーム中のターペンタインがスチーム容器中で凝縮されることである。
【0015】
より新しいデザインの連続蒸解がまでは、第二のフラッシュスチームの一部が、チップを、プレスチームするためにチップビンの底に戻される。第二フラッシュスチームがチップビンの中のチップを加熱するために戻された場合、第二フラッシュスチーム中のターペンタインが、チップ上で凝縮する。スチーム容器中のチップを加熱するための、第一フラッシュスチームから放出された熱は、主に水の凝縮から得られる。これは、スチーム容器中の常温チップ上で第一フラッシュスチームターペンタインの凝縮を防止することにより、スチーム容器からターペンタインを抜くことになる。より新しい連続蒸煮デザインでは、スチーム容器からのガスは、サイクロン分離器、凝縮器およびターペンタインデカンターへ送られる。第二スチームの一部もまた凝縮器およびターペンタインデカンターへ導かれる。しかしながら、連続蒸煮のターペンタイン回収収量は、慣例的バッチ蒸解がまからよりも明らかに低い。連続蒸煮でのターペンタイン回収のより詳細は、フォーラン,C.Dによる.,Kamyr蒸解がまシステム−常温吹込バッチ蒸解がまシステム−TMP工程凝縮器、デカンターおよび貯蔵システム回収覚書,1994年 PCA/TAPPI 副生成物回収短期コース,1994年3月14から16日,ジョージア州ストーンマウンテン,4ないし14頁に記載されている。従って、連続蒸煮での、ターペンタインおよび他の揮発性化合物の回収の改良の必要性もまた明らかである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の工業的条件下で使用されてきた手段と比較した、パルプ蒸煮システム中で得られた改良されたターペンタイン分離による方法に関したものである。
【0017】
従来技術であるクラフト蒸煮中で、多量のターペンタイン化合物が、古液中に可溶化されることが知られているので、パルプ蒸煮工程中での古液の膨張およびフラッシングは、重要な要素である。古液中のターペンタインの高い含有量は、蒸煮および洗浄プラント中に、臭気問題を引き起こし得る;ターペンタインが例えば常圧タンク中のブラックリカー貯蔵中および洗浄中に気化され得るので弱臭気ガスの蓄積による安全損害を引き起こし、弱臭気ガスの処理に問題が起き、および古液中の抽出物のより低い溶解性を引き起こし、それによって抽出物が、パルプ上に付着し得、その品質を下げ、パルプ洗浄をより困難にさせる。
【0018】
本発明にしたがって、リグノセルロース系材料が入っている蒸解がまおよび古液貯蔵のためのタンクを含む蒸煮プラント中の熱い液体を膨張させることおよびフラッシングさせるために本方法は開発され、これにより、本質的には後の、例えば洗浄および古液処理および蒸発などの蒸煮の後の工程から揮発性(例えばターペンタイン)および凝縮不可能(例えば空気)ガスが入ってくることを、防止する。本発明による方法では、回収されたターペンタインの量が増加し、より容易に洗浄されるパルプを供給し、パルプ品質を改良しおよびプラント内部の臭気ガスの蓄積を改良する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明にしたがって、クラフトパルピング工程の改良は、蒸解がまから加圧タンクへ導かれた少なくとも一つの古液の膨張およびターペンタイン回収設備へ放出された蒸気を導き、結果として、ターペンタイン回収の改良、洗浄プラントの操作改良、およびパルプ品質の改良がなされるクラフトパルピング工程によって達成された。本発明によって、蒸解がまから加圧タンクへ導かれた古液の少なくとも一つは、膨張前の液の沸点に相当する第二圧力より低い圧力である第一圧力で、膨張させられる。圧力降下は、1ないし5℃の温度差に相当する。膨張により生じた蒸気は、ターペンタイン回収へと導かれる。
【0020】
本発明の工程の一つの態様にしたがって、膨張は、沸点より1℃ないし5℃高い温度に相当する圧力で液を加熱することおよび加熱された液をフラッシュすることにより行われる。
【0021】
本発明のもう一つの態様にしたがって、液が減圧されると、結果として、1℃ないし5℃の温度降下が生じる。
【0022】
本発明の工程のもう一つの態様にしたがって、膨張は、加圧タンク中に貯蔵された古液上でおよび温度100℃以上で行われる。好ましくは、膨張は、最大温度を有するそれら加圧タンク中に貯蔵された古液上で行われる。
【0023】
本発明のもう一つの態様にしたがって、タンク中の液の温度が、入ってくる液の温度より低いので、膨張は、飽和圧力で液を保持しているタンク中へ古液を供給することにより実施される。
【0024】
本発明のもう一つの態様にしたがって、古液がタンクに導入され、そして液の一つの流れが、タンクから加熱装置を通ってタンク中の液体表面より高い位置にあるガス空間へ導入される。好ましくは、古液は、タンク中の液体表面より高い位置にあるタンクに導入される。
【0025】
本発明のもう一つの態様にしたがって、液がタンクに導入され、そして液の一つの流れが、タンクから加熱装置を通って膨張容器へ導入される。好ましくは、液は膨張容器からタンクへ戻される。
【0026】
本発明のもう一つの態様にしたがって、工程は、アルカリ蒸煮を使用するリグニン−含有セルロース材料からのパルプの製法に与えられ、該工程は、
a)蒸解がまへリグノセルロース−含有材料を満たすこと、
b)前記リグノセルロース−含有材料を含浸液でおよび続けて熱いブラックリカーおよび予熱されたホワイトリカーを含むより熱い液で前処理を行うこと、同時に蒸解がまから液を置き換えること、
c)蒸煮されたリグノセルロース−含有材料および蒸煮液を製造するために、蒸解がまをガス抜きしながら、前記リグノセルロース−含有材料を加熱および蒸煮すること、
d)古液を置き換え蒸解がま内容物を冷却するために、所望した蒸煮度で、上記蒸煮液を、洗浄濾液で置き換え、そして
e)蒸解がまをからにすること
を含み、段落b)、c)およびd)で除去された古液は、常圧および加圧タンクで貯蔵される;そして加圧タンク中に貯蔵された液は、約1℃ないし約5℃の温度差を利用して膨張させられ、および放出された膨張スチームおよび蒸解がまガスは、ターペンタイン回収へ導かれる。ホワイトリカーは、段落c)に加えられることができ、それによって、相当量の古液が除去される。
【0027】
本発明のもう一つの態様にしたがって、膨張は、連続蒸解がまから排水された加圧された液上で行われる。
【0028】
該方法は、有意にターペンタインの回収量を改良し、洗浄プラントの操作を改良し、それによってパルプの品質を改良し、臭気ガスの蓄積、特に蒸煮および洗浄プラント中の臭気ガス蓄積を改良し、および石鹸分離の制御を改良する。
【0029】
図1は、液−置換クラフトバッチシステムの構成図を示す。図は、必要とされたタンク、流れおよび蒸煮順序を説明している。
図2は、バッチおよび連続蒸解がまへのタンクの接続の従来技術配置を示す。
図3は、本発明による配置接続を示す。
【0030】
図1および図2に関する本発明を以下に記載する。蒸解がまを木材チップで満たすことおよび、蒸解がまを排気することでクラフト蒸煮は開始される。蒸解がまが本質的に、含浸液タンク5からの含浸液Aで満たされ、チップを浸軟および加熱する前に、チップは、スチームで充填され得るかもしくはもしくは予備蒸気化され得る。木材チップ充填および含浸液充填は、好ましくは、重なり合う。ポイントA1でのオーバーフローは、ポイントABのブラックリカータンク4へ、空気および希釈液の最前面を除去するために行われる。流れA1を閉じた後、蒸解がまは加圧され、含浸は完了する。より高い含浸液温度は残留アルカリを必要以上に速く消費させ、結果として、より高い不合格品、不均一な蒸煮およびより低いパルプ品質を生じさせるため、含浸の間中、比較的低い温度が好ましい。好ましくは、この含浸段階での温度は、100℃以下である。実際には、約20℃ないし100℃の温度が使用される。
【0031】
次の段階では、木材チップは、実際の蒸煮前により熱い液でさらに処理される。より熱い液の温度とは、120℃ないし180℃の間である。図1中で、熱いブラックリカーのタンク1から熱いブラックリカーBが蒸解がま中へ注入される方法を記載した。タンク1からのブラックリカーは、一定温度で、乾燥固体含有物とアルカリ含有物も一定量なので蒸煮から蒸煮への一定性を保つことを容易にさせる。これは、熱いブラックリカーが木材に対する主要化学効果を持ち、ホワイトリカーを用いた蒸煮段階での選択性および蒸煮速度を制御するので重要なことである。熱いブラックリカーによって置き換えられたポイントABのより冷めたブラックリカーA2は、ブラックリカータンク4へ導かれ、蒸煮液の回収のために蒸発プラントへ、もしくはポイントEの最後の置換の初期部分へ含浸段階中に溶解したカルシウムを最終的に処理するために排出される。タンク3から蒸解がま中へ熱いホワイトリカーCの注入が蒸煮順序を継続する。熱いホワイトリカーは、通常、とても高いアルカリ濃度のホワイトリカーを希釈するため、熱いブラックリカーによって希釈される。ホワイトリカー充填させた後、より少量のブラックリカー充填量が蒸解がまへのラインをフラッシュするために注入される。液体D2は、約常圧沸点以上の熱い液によって置換され、熱いブラックリカータンク2へ導かれる。
【0032】
上に記載された充填手順の後、蒸解がまの温度は、ほとんど最終蒸煮温度に近い。最終蒸煮温度は、木材原料および製造される品質に依存して、約140℃ないし約180℃の間であり得る。最終の昇温は、直接もしくは間接スチーム加熱および蒸解がま再循環を使用して行われる。蒸煮の間中に、タンク3から任意の追加新蒸煮液Cが、アルカリ分布を均一化するために加えられ得る。古液B2はその後、蒸解がまからタンク1もしくはタンク2へ除去される。
【0033】
所望された蒸煮時間の後、木化が、所望された反応度ほど進行された時、古液は、洗浄濾液Fで置換され得る。最初に、液Eが、含浸液段階中に溶解したカルシウムを熱的に処理するために使用され得る。最終置換では、第一に、熱いブラックリカーの最初の部分B1がB2と一緒に、充填段階中に必要とされる全体積Bに相当する。使用された置換液によって希釈されているが、なおその常圧沸点以上である置換されたブラックリカーの第二部分D1は、ポイントDで、熱いブラックリカータンク2へ導かれる。最終置換が完了した後、蒸解がま中の内容物は、さらなるパルプの加工のために排出される。上記蒸煮順序が、さらに繰返され得る。
【0034】
蒸煮工程の装置にはまた新しい液および古液が貯蔵され、熱が回収されるタンク貯蔵施設も含まれる。熱いブラックリカータンク2は、冷却された蒸発ブラックリカーを、回収サイクルへ供給し、含浸液ブラックリカーを、タンク5へ供給し、熱交換によりその熱をホワイトリカーおよび水に移す。蒸気、液および蒸解がまガス抜きからのガスは、熱いブラックリカータンク2へ導かれ、そのガスはさらにターペンタイン凝縮器および強臭気ガスの回収へ導かれる。タンク2は、蒸解がまガス抜きで入ってくる液を分離する。熱いブラックリカータンク1は、液体表面下に加熱および循環配管を備えられている。熱いブラックリカータンク2は、いかなる加熱もしくは循環も備えていない。従来技術の液−置換バッチ蒸煮によれば、加圧アキュームレーター、例えばタンク1およびタンク2は、常にかなりの超加圧に保たれており、それは揮発性および非凝縮性ガスをブラックリカー中へ溶解させる。従って、ターペンタイン回収は低くなり、製造されるパルプおよび古液が、揮発性ターペンタイン化合物並びに、所望してない非凝縮性ガスを含むために工程の乱れが引き起こされ得る。
【0035】
図2は、蒸解がまから置換された液を処理するための従来技術によるタンク配置を示している。図2a)中では、導管20が、液−ガス界面24以下で、蒸解がまからの古液を、タンク23に運ぶタンク23を示す。バルブ25は、タンク23中の圧力(P)および導管22を通るガスの流量を制御する。導管22は、ガスを次の段階、例えばターペンタイン回収へ送る。図2a)の配置は、図1で示したタンク2に関して典型的である。タンク23は常に導管20を通って供給された液の温度と比較して新しいスチーム、他のタンクもしくは高い圧力で操作している蒸解がまからの蒸気およびガスの添加により超加圧が保たれている。従って、次の段階へと導かれるその液は、超加圧で保たれたタンク中では全く又はほんの少しの膨張(揮発)しか起こさないから本質的には供給される液と同じ温度である(他の発熱もしくは吸熱反応を考慮に入れない場合)。
【0036】
図2b)中に、蒸解がまからのライン30が接続されているタンク33を示す。導管30は、液−ガス界面34以下で、蒸解がまからの古液を、タンク33に運ぶ。古液は、液の温度を調整するためにポンプ37および導管35により熱交換器36を通って循環され、導管31を通って次の蒸煮段階へ運ばれる液の一定温度を確実にする。バルブ38は、タンク33中の圧力(P)を制御する。導管32は、ガスを次の段階、例えばターペンタイン回収もしくは他のタンクへ送る。図2b)の配置は、図1に従った液−置換システムのタンク1のためには典型的である。タンク33は常に、導管30を通って供給された液の沸点に相当する圧力以上の圧力で保たれており、および熱交換器36で温度調整された後のタンク33中の液の温度と比較される。超加圧は、タンク33のガス空間(G)へスチームの添加によって与えられ得る。
【0037】
図2c)中では、蒸解がまからのライン40が接続されているタンク43を示す。導管40は、液−ガス界面44以下で、蒸解がまからの古液を、タンク43に運ぶ。バルブ45は、タンク43中の圧力(P)を制御する。導管42は、ガスおよびスチームを次の段階、例えばスチームをプレスチーム容器、加熱装置へもしくは他のタンクへ送る。タンク43は、エネルギーおよびターペンタインを回収するための連続蒸解がまシステム中のフラッシュタンクの典型的な配置である。タンク43では、圧力は減圧され、スチームは、例えばプレスチームもしくは他の加熱のために製造され、そして導管41を通って導かれる液の温度は、明らかに、導管40を通ってタンクへ供給された液の温度以下である。膨張は通常、効率的にスチームを製造するために20℃以上であり、それは、通常、蒸煮前にチップを加熱するために使用される。その後、多量のターペンタインがチップの上へ凝縮し、ターペンタイン回収効率は低くなる。
【0038】
本発明の方法は、蒸解がまの液置換バッチシステムでガス抜きおよびタンク中に貯蔵された熱いブラックリカーの少なくとも1つの膨張および、膨張中に放出された蒸気を、ターペンタイン回収へ導くことを含む。この文脈における“飽和圧力”は、与えられた液の沸点に相当する圧力を意味する。本発明によれば、タンクの少なくとも1つの圧力は、ブラックリカーの飽和圧力もしくはその近辺で保たれる。膨張帯では、蒸気は、膨張帯へもってこられたブラックリカーの飽和圧力もしくはそれ以下の圧力へ圧力を調節することにより関連タンク中に貯蔵されたブラックリカーから放出される。好ましくは、圧力は、膨張帯へもってこられたブラックリカーの飽和圧力より最高でも1バール以下で減圧される。膨張帯は、タンクの内部もしくはタンクの外部に位置され得る。圧力調整は膨張帯へ供給された液と膨張帯から導かれた液の温度を比較した時、約1℃ないし約5℃の温度差に相当する。それ故に、ターペンタインおよび揮発性化合物および非凝縮性ガスは、本質的にエネルギー回収に影響を及ぼすことなく、プラントの操作を改善しそしてターペンタイン回収の増加を改良するためにシステムから除去され得る。
【0039】
本発明に従ったシステムでは、液−置換バッチ蒸解がまのガス抜きは、温度調整の間中に、液循環下の蒸煮相で蒸解がまのガスを抜くことによって起こる。好ましくは、上部液循環導管が、温度調整および液循環下の蒸煮相の間にフラッシングを改善するために、蒸解がまの上部の液−蒸気界面の表面より高い位置に、もしくは、蒸解がまの上部の外側で液−蒸気界面の表面より高い位置にある容器の中へ配置される。圧力制御は、液−蒸気界面へ戻された液の飽和圧力より大きいもしくはほぼ同等の圧力で蒸解がまからガス抜き調節することにより行われる。好ましくは、圧力は、液−蒸気界面に戻された液の飽和圧力とほぼ同等に保たれる。液−置換バッチ蒸解がまの蒸煮段階の間中に、蒸解がまから放出されるガスを処理する方法は二つある。ガスは、熱いブラックリカータンクへ導かれ、そこで、液滴が除去され、ガスはそこからターペンタイン凝縮器および強臭気ガスの回収へ導かれるか、もしくは蒸解がまは液分離器、凝縮器、デカンターを含むターペンタイン回収施設へ直接ガス抜きされるかのどちらかである。前者は蒸解がまからアキュームレータータンクへの圧力降下が約3.5バール以上である場合に可能である。後者は蒸解がまと最低圧力を有するアキュームレーターの間の圧力差が、約3.5バール以下である場合に可能である。前者では、アキュームレータは液として働き、液滴分離装置を備えており、そしていかなる分離液および液滴分離機もターペンタイン回収に必要とされない。
【0040】
本発明に従ったバッチ蒸煮法では、上記に示した理由のために蒸解がまガス抜きに加えて、蒸解がまから置換された熱いブラックリカーの少なくとも一つが、膨張させられる。
【0041】
図3は、本発明に従って蒸解がまから置換された古液のためのタンク配置を示している。図3a)は、ライン50が、蒸解がまから接続されていることを示している。蒸解がまからの古液は、導管55を通って、タンク53の液−ガス界面54より高い位置に導入される。バルブ57は、タンク53中の圧力(P53)を制御する。本発明に従って、バルブはオリフィスプレート型が好ましい。導管52は、ガスを次の段階例えばターペンタイン回収へ送る。本発明に従って、タンク53は、図1に示されるタンク2のための配置である。タンク53は、圧力(P53)で保たれており、それは、膨張を引き起こし、可能な反応エネルギーを除いて、液入口50と液出口51を比較した場合、約1℃ないし約5℃の温度差を引き起こす。それにより、ターペンタインおよび揮発性有機化合物および非凝縮性ガスは、効果的に液から除去される。
【0042】
加えて、態様は、熱いブラックリカータンク2から熱交換機を通ってタンク5もしくは蒸発プラントへ排出するポンプを必要とする。この利点は、より高い度合いの膨張および減圧がタンク2中で使用され得るということであり、図3に示した配置による。
【0043】
膨張は、液が次の工程段階に導く前に、関連するタンクの外の特殊な容器中でもまた起こり得る。ターペンタインおよび他の揮発性ガスは、圧力を減圧、好ましくは、最高で1バール減圧することによって、ブラックリカーから放出される。図3b)はそのような例を示し、ライン60が、蒸解がまから接続されているタンク63である。導管60は、古液を蒸解がまからタンク63の液−ガス界面64下に導管60を通って運ぶ。バルブ69a)は、タンク63中の超加圧(P63)を制御する。超加圧が調節される場合、導管62はガスおよび蒸気を、次の段階例えば、ターペンタイン回収およびさらに臭気ガス処理へ送る。導管61は、膨張容器67へ液を供給する。タンク63は、圧力(P63)で保たれており、この圧力は、タンク67中に膨張を引き起こし、それによりより低い圧力(P67)で保たれ、本発明に従って、これらの液入口61と液出口65を比較した場合、約1℃ないし約5℃の温度差を引き起こす。導管66は、放出された蒸気およびガスを次の工程段階へ、好ましくはターペンタイン回収へ導く。
【0044】
膨張帯がタンクの内部に位置され、およびタンクに液循環が与えられた場合、循環戻りループは、本発明に従って、液体−ガス界面増大のために、液体表面より上のタンクの上部の部分に接続されている。次回のバッチのいかなる重要な液の使用前に、膨張は起こる。加熱することおよび圧力調節は、膨張推進力を与える。加熱は、次のバッチで使用される熱いブラックリカーの温度を調整するために必要とされる。図3c)およびd)は、どのようにこれが配置され得るかの例を示す。
【0045】
本発明に従って、膨張圧力において、沸点温度よりも約1℃ないし約5℃上の温度へ液を加熱すること、およびそれに応じて減圧することは、ブラックリカーを膨張させ、それによって蒸気が製造される。膨張帯へ放出された蒸気は、ターペンタイン回収施設に導かれる。
【0046】
図3c)およびd)に従った配置は、液置換バッチシステム中の図1のタンク1のために適当である。方法はまた図1のタンク2において、タンク中の液面よりも高い上部の部分への内容物の循環を含み得る。図3c)に従った配置では、加熱することは、熱交換器76中で、導管77を通ってタンク73のガス空間中の膨張帯へ戻される液中のより高い温度を産み出すために適用されるので、そこでは、導管77および71中の液の温度差を比較した場合、約1℃ないし約5℃の温度差に相当する減圧が行われる。
【0047】
図3d)に従った配置では、液はタンク83から熱交換器88を通って別の膨張容器92へ注入され、その圧力は、バルブ94bによって調節される。フラッシュスチームは、導管91を通って取り去られ、および液は導管90を経由してタンク83中の液体の本体へ戻される。導管89と90の間の圧力差は、約1℃ないし約5℃の温度差に相当する。
【0048】
本発明の態様に従って、加熱装置を有するタンクは、タンク接続の2つのグループを分離するための混合−減圧遮断壁をもつ:一方は、タンクへの液入口および加熱装置へ液を導いている配管への液入口、および他方は、液又はフラッシュスチームをタンクへ戻すよう振り分けている一本以上のラインおよびタンク出口である。ガス空間は両側とも共通である。混合−減圧遮断壁は、液面を調節するために、壁に穴があるもしくは壁の両側が配管でつながり得る。この装置は、均一特性および次の段階へ分配する液の低ターペンタイン含有量を確実にする。図3c)は、タンク73への液入口70および71を通って次の段階へ導かれる液の均一特性を確実にするために、タンク73へ液を配分するライン77から加熱装置76へ導いているライン75を分離している遮断壁Wを表す。また図3d)は、液入り口80および81を通って次の段階へ導かれる液の均一特性を確実にするために、タンク83へ配分しているライン90から加熱装置88へ液を導くライン85を分離している遮断壁Wを表す。
【0049】
本発明に従って、連続蒸煮に適当なシステムは、図2c)類似の配置中の蒸解がまから導かれた古液のための約1℃ないし約5℃の膨張を使用する。これらのシステムは、最小のエネルギー損失で、効果的にターペンタインおよび他のガスを導管45を通って除去する。それ故に、連続蒸煮がまシステムのエネルギー効率は、影響を受けない。導管41を通って導かれた液は、さらにタンク43の後に続くフラッシュタンクで、減圧される。
【0050】
従来技術フラッシング(例えば連続蒸煮)と比較した本発明の明確な違いは、フラッシング中の温度差および圧力降下が明確に低いということである。連続蒸解がまの第一のフラッシュタンクの典型的な圧力降下は、約25ないし30℃以上の温度差に相当する約2ないし3バール(bar)以上である。蒸煮システムにおいての古液のフラッシング従来技術では、主要目的は、充填チップ材料を加熱するために生じたフラッシュスチームを使用することによるエネルギー節約である。私達は意外にもただ低い程度の膨張だけが、古液からターペンタインを遊離するのに必要であるということを発見した。より低い程度の膨張の使用の利点は、ターペンタイン回収のためにエネルギー損失がより少なく、および低い凝縮物量が作られるということである。これは、液置換バッチ蒸煮システムの熱回収に適合し、そこでは、熱いブラックリカーは蒸煮の終わりに回収され、そのエネルギーは1)次回のバッチの間、蒸解がまへ注入されるべき直接熱媒体としておよび、2)熱交換器によりホワイトリカーを加熱するために、再利用される。
【0051】
これはまた回収されたターペンタインの量を増加するため、および本質的にプラントのエネルギー経済に影響をおよぼすことなく蒸解がまおよび洗浄の操作を改善するための連続蒸煮にもふさわしい。それ故に、本発明に従って連続システム中の第一のフラッシングは、低い減圧温度降下が使用され得る。より大きい温度降下による第二のフラッシングは熱回収目的のために、一度フラッシュした液で行われ得る。
【0052】
【実施例】
工業液置換バッチ蒸煮プラントで、軟材チップが蒸煮された。表1に示したタンク1およびタンク2からの液は、本工程と接続されている実験室用膨張タンクを使用し膨張させられた。膨張タンクに関するターペンタインのバランスが、算出された。表1はその結果を示す。
表1.様々な減圧程度によるタンク1およびタンク2のフラッシング液の結果を温度差として示した。0℃の△Tは、膨張タンク中の超加圧を適用した従来技術を表す。
【表1】
Figure 0004862980
タンク1の結果では、液が0.2バール(bar)減圧されそして温度が1℃減少した場合、ターペンタイン濃度がかなり減少する。5℃の温度差は、ターペンタイン含有量を、さらに多く減少させる。タンク2の液では、1℃の温度差を使用する膨張は、かなりの減少を示した。実施例の驚くべき結果は、より高いエネルギーの損失はもっと高いのでブラックリカーからターペンタインを除去するために20℃ないし30℃の温度降下に相当する膨張および相当する圧力降下を使用する必要がないということを明確に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】液−置換クラフトバッチシステムの構成図を示す。図は、必要とされたタンク、流れおよび蒸煮順序を説明している。
【図2a】バッチおよび連続蒸煮がまへのタンクの接続の従来技術配置を示す。
【図2b】バッチおよび連続蒸煮がまへのタンクの接続の従来技術配置を示す。
【図2c】バッチおよび連続蒸煮がまへのタンクの接続の従来技術配置を示す。
【図3a】本発明による配置接続を示す。
【図3b】本発明による配置接続を示す。
【図3c】本発明による配置接続を示す。
【図3d】本発明による配置接続を示す。
【図3e】本発明による配置接続を示す。

Claims (9)

  1. アルカリ蒸煮手段によるリグノセルロース材料からの化学パルプを製造するための改良された方法であり、該方法は、蒸解がま中で前記材料を蒸煮し、そして蒸解がまから置換された古液を加圧タンクへ導くことを含み、蒸解がまから置換された古液の少なくとも1つが、膨張前の液の沸点より1℃ないし5℃低い温度に相当する圧力で膨張させられ、そしてその膨張により生じる蒸気は、ターペンタイン回収へと導かれることを特徴とする方法。
  2. タンク中の液の温度が、入ってくる液の温度より低いので、前記膨張が、飽和圧力で液を保持しているタンク中へ古液を供給することにより実施されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記古液がタンク中の液体表面より高いタンク内部に導入されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記古液がタンクに導入され、そして液の一つの流れが、タンクから加熱装置を通ってタンク中の液体表面より高いガス空間へ導入されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記液がタンクに導入され、そして液の一つの流れが、タンクから加熱装置を通って膨張容器へ導入されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記液が膨張容器からタンクへ戻されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 減圧混合のための非密閉遮断壁がタンク中の液体入口と液体出口との間に備えられており、加熱循環路の入口が前記遮断壁のタンク入口側にあり、加熱循環路出口が前記遮断壁のタンク出口側にあることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記蒸煮工程がバッチ置換工程であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記蒸煮工程が連続蒸煮工程であることを特徴とする請求項1記載の方法。
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