JP4862058B2 - 動力伝達部の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑液にて潤滑される動力伝達部の潤滑構造に関する。
自動車のエンジン油として用いられ、一般的な潤滑油と比較して冷却性が高く潤滑性が同等であるO/W/O型複合エマルジョン自動車用潤滑材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2513718号明細書
しかしながら、上記の如き従来の技術では、熱力学的に不安定で凍結しやすく、腐りやすい水が含まれるエマルジョンを用いるため、潤滑、冷却の各性能を長期間に亘り安定して果たすことが困難であった。
本発明は、動力伝達要素を長期間に亘り安定して潤滑、冷却することができる動力伝達部の潤滑構造を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、動力伝達要素と、前記動力伝達要素を潤滑するための潤滑液と、該潤滑液に対する非相溶性の冷媒との複合流体と、前記動力伝達要素の潤滑に供される前記複合流体を撹拌する撹拌要素と、を備えている。
請求項1記載の動力伝達部の潤滑構造では、撹拌要素によって撹拌された複合流体が動力伝達要素に供給される。これにより、動力伝達要素は、潤滑液によって良好に潤滑されつつ、冷媒との接触よって良好に冷却される。ここで、複合流体の潤滑液と冷媒とが互いに非相溶性であるため、これらの潤滑液と冷媒とは、互い独立してそれぞれの機能を安定して果たすことができる。すなわち、本動力伝達部の潤滑構造では、例えば潤滑液と冷媒との結合、該結合の解除等に起因する性能低下の虞がない。
このように、請求項1記載の動力伝達部の潤滑構造では、動力伝達部の構成部品を長期間に亘り安定して潤滑、冷却することができる。
請求項2記載の発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、請求項1記載の動力伝達部の潤滑構造において、前記冷媒として、前記潤滑液よりも粘度の低い冷媒が用いられている。
請求項2記載の動力伝達部の潤滑構造では、複合流体の冷媒が潤滑液よりも低粘度であるため、潤滑油単体を用いる場合と比較して、複合流体の流動抵抗(せん断力)が低減される。これにより、動力伝達ロスの低減が図られる。
請求項3記載の発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、請求項1又は請求項2記載の動力伝達部の潤滑構造において、前記冷媒としてフッ素系冷媒が用いられている。
請求項3記載の動力伝達部の潤滑構造では、フッ素系冷媒は、それ自体が腐食し難く、また動力伝達要素(の構成部品)を腐食させ難く、かつ凍り難い(低流動点である)ものとすることができる。このため、本動力伝達部の潤滑構造では、動力伝達部の構成部品を一層長期間に亘り一層安定して潤滑、冷却することができる。
請求項4記載の発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の動力伝達部の潤滑構造において、前記動力伝達要素を収容し、底部に前記複合流体を貯留させるハウジングをさらに備え、前記撹拌要素は、前記ハウジングの底部に貯留された前記複合流体に浸漬され、前記動力伝達要素の一部を構成する回転部材を含んで構成されている。
請求項4記載の動力伝達部の潤滑構造では、動力伝達要素の一部を構成する回転部材によって、ハウジングの底部に貯留されている複合流体が撹拌され、この複合流体が動力伝達要素の潤滑に供される。動力伝達要素自体が撹拌要素を成すので、部品点数を増すことなく複合流体による潤滑性と冷却性の両立を図ることができる。
請求項5記載の発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の動力伝達部の潤滑構造において、前記冷媒として、前記動力伝達要素の作動温度よりも沸点が低い冷媒が用いられており、気化した前記冷媒の圧力によって膨張可能な圧力調整要素と、気化した前記冷媒を冷却するための冷却要素とをさらに備えた。
請求項5記載の動力伝達部の潤滑構造では、通常の作動温度(運転温度)に達した動力伝達要素に接触した冷媒は、該動力伝達要素からの潜熱を奪いつつ蒸発する。このため、本動力伝達部の潤滑構造では、動力伝達要素の冷却性が一層高い。また、冷媒が蒸発すると圧力調整要素が膨張して内圧が過大になることが防止され、蒸発した冷媒は冷却要素に潜熱を奪われ液化する(液相に復帰する)。
以上説明したように本発明に係る動力伝達部の潤滑構造は、動力伝達要素を長期間に亘り安定して潤滑、冷却することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造の概略構成を模式的に示す図であって、(A)は動力伝達要素の模式的な断面図、(B)は複合液体の静止時の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を評価するのに用いたブロックオンリング摩擦摩耗試験機を模式的に示す正面図である。 上記ブロックオンリング摩擦摩耗試験機によるブロック34の摩耗評価結果を示す図であって、(A)は潤滑油のみを用いた場合の摩耗状態を示す写真、(B)は冷媒のみを用いた場合の摩耗状態を示す写真、(C)は本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を用いた場合の摩耗状態を示す写真である。 本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を評価するのに用いた放熱能力試験機を模式的に示す側面図である。 (A)は、上記放熱能力試験機の計測結果より算出した被試験液体ごとの放熱性能と撹拌速度との関係を示す線図、(B)は、上記放熱能力試験機での鉄塊の温度変化から放熱性能を算出し得ることを説明するための線図である。 上記ブロックオンリング摩擦摩耗試験機による各部の温度計測結果を示す図であって、(A)は潤滑油のみを用いた場合の結果を示す線図、(B)は本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を用いた場合の結果を示す線図である。 本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を評価するのに用いた負荷試験装置を模式的に示す側面図である。 上記負荷試験装置による回転円板の回転に伴う引き摺りトルク計測結果について、潤滑油のみを用いた場合と、本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を用いた場合とを比較して示すグラフである。 上記負荷試験装置による回転円板への流体引き摺り状態を示す図であって、(A)は潤滑油のみを用いた場合の写真、(B)は本発明の第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造を構成する複合液体を用いた場合の写真である。 本発明の第2の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造の概略構成を模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造10について図面に基づいて説明する。図1(A)には、動力伝達部の潤滑構造10の概略全体構成が、模式的な断面図にて示されている。この図に示される如く、動力伝達部の潤滑構造10は、動力伝達要素12の潤滑、冷却に適用されている。
図1(A)に例示する動力伝達要素12は、ハウジング14と、該ハウジング14内に配設された歯車列16とを含んで構成されている。ハウジング14の底部には、後述する複合流体22が貯留される液溜り部18が形成されている。歯車列16の一部を成す歯車20は、少なくとも重力方向の下部が液溜り部18に浸漬されている。したがって、動力伝達部の潤滑構造10では、歯車20が自軸廻りに回転すると、複合流体22が撹拌される構成である。すなわち、図1の例では、歯車20が本発明における撹拌要素、回転部材に相当する。
そして、この実施形態では、歯車20の回転によって複合流体22は、撹拌されると共にハウジング14内で撒き上げられ(飛散され)、歯車列16を構成する他の歯車、歯車列16のシャフト16Aの軸受部16B等に供給されるようになっている。また、歯車列16の潤滑に供された複合流体22は、重力によって液溜り部18に戻されるようになっている。
複合流体22は、図1(B)に示される如く、潤滑液としての潤滑油24と、冷媒26とが混合されて構成されている。潤滑油24は、例えば鉱油や合成油をベースにした用途(動力伝達要素12の種類)に応じた一般的な潤滑油とされている。冷媒26は、潤滑油24に対し非相溶性(非溶解性)とされており、溶け合うことがない(機械的に分離可能で、分離状態では界面が形成される)ものが採用されている。
複合流体22は、無負荷(歯車20による撹拌のない)状態では、図1(B)に示される如く、重力によって上下に分離されるようになっている。この実施形態では、冷媒26は潤滑油24よりも密度が高い。このため、静止状態の複合流体22は、冷媒26の界面が潤滑油24にて覆われる構成である。
また、この実施形態では、冷媒26としてフッ素系冷媒が用いられている。このようにフッ素系冷媒である冷媒26は、例えば水等の冷媒と比較して、化学的に安定で腐食し難く、鋼製の歯車列16やハウジング14を劣化(錆発生等)させ難く、かつ流動点が低く凍り難い構成とされている。また、この冷媒26は、潤滑油24よりも低粘度のものとされている。
より具体的には、この実施形態(後述の実験例)では、冷媒26として、住友3M(株)製のフロリナートFC−84が採用されている。このフロリナートFC−84は、その流動点が−95[℃]とされ、25[℃]での粘度が略0.0009515[Pa・s]、25[℃]での密度が略1730[kg/m]とされている。フロリナートFC−84の粘度について補足すると、粘度μ=密度ρ×動粘度νであるところ、フロリナートFC−84の動粘度は略0.55×10−6[m/s]であるから、
μ = ρ × ν
= 1730[kg/m] × 0.55×10−6[m/s]
= 0.0009515[Pa・s]
とされる。なお、この実施形態に係る潤滑油24の25[℃]での粘度、密度は、それぞれ略0.043[Pa・s]、略844.7[kg/m]である。また、この実施形態に係る冷媒26の沸点は、大気圧で略80[℃]とされている。
以上説明した動力伝達部の潤滑構造10は、例えば、動力伝達要素12としての内燃機関及び外燃機関の軸受やクランク軸や動弁系、自動車用の変速機(手動変速機、自動変速機、無段変速機を含む)、一般機械のギヤボックス等に適用される。また例えば、自動車用変速機に動力伝達部の潤滑構造10が適用された例では、撹拌要素である歯車20として、ファイナルギヤやディファレンシャルギヤ(FF車用変速機の場合)を採用することができる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成の動力伝達部の潤滑構造10が適用された動力伝達要素12では、その動作に伴って歯車列16の歯車20が回転されることで、複合流体22が撹拌され、潤滑油24と冷媒26とが溶け合うことなく混ぜられる(混濁される)。このように潤滑油24と冷媒26とが混濁された複合流体22は、ハウジング14内で飛散され(撒き上げられ)、歯車20以外の歯車列16にも供給され、該歯車列16の潤滑、冷却に供される。
ここで、動力伝達部の潤滑構造10では、潤滑油24と冷媒26との複合流体22を用いているため、例えば潤滑油24のみで潤滑を行う構成と比較して、同等の潤滑性能を確保しながら、冷却性が向上する。また、動力伝達部の潤滑構造10では、潤滑油24よりも低粘度の冷媒26と潤滑油24との複合流体22を用いているため、例えば潤滑油24のみで潤滑を行う構成と比較して、潤滑剤の流動抵抗が低く、伝達動力ロスの低減に寄与する。
以下、これらの効果について、実験結果を参照しつつ説明する。図2には、ASTM D2714に記載されているブロックオンリング摩擦摩耗試験機(LFW−1)30が模式的な側面図にて示されている。ブロックオンリング摩擦摩耗試験機30は、自軸周りに所定の周速vで回転するリング32に、ブロック34を所定の加重(面圧)Fで押し付けながら、リング32の回転トルクを測定するものである。リング32は、その下部が被試験液体に浸漬されており、該リング32とブロック34との摺動部が被試験液体にて潤滑される。
先ず、このブロックオンリング摩擦摩耗試験機30を用いた各被試験液体の潤滑特性を説明する。具体的には、ブロック34の押し付け荷重とリング32の回転トルクの測定値とに基づいて摩擦係数を算出し、また、試験後のブロック34の摩耗状況を確認した。被試験液体としては、潤滑油24単体、冷媒26単体、及び複合流体22(潤滑油24と冷媒26との混合比は体積比で50%ずつとした)の3種類を用いた。
各被試験液体を用いた場合の摩擦係数、摩耗深さ(最大)を表1に示す。また、各被試験液体を用いたブロック34の摩耗状況を図3に示す。図3(A)は被試験液体として潤滑油24単体を用いた場合、図3(B)は被試験液体として冷媒26単体を用いた場合、図3(C)は被試験液体として複合流体22を用いた場合をそれぞれ示している。なお、試験条件は、ブロック34の押し付け荷重F=444[N]、リング32の周速v=1.2[m/s]、液体総量50[ml]、測定時間30[min]とした。また、摩擦係数は、測定終了直前の1[min]の平均値とした。
表1及び図3から、複合流体22を用いた場合、潤滑油24単体の場合に対し少なくとも同等の潤滑性能が得られることが確かめられた。
次に、図4に示す放熱能力試験機40を用いた各被試験液体の冷却特性を説明する。放熱能力試験機40は、スターラ42にて容器44内の被試験液体を撹拌しつつ、該被試験液体中に降温に熱した鉄塊46を浸漬し、該鉄塊46の内部温度の時間変化を熱電対48にて計測するものである。図5(A)は、放熱能力試験機40による計測結果より求めた被試験液体ごとの放熱性能Phr[W/K]とスターラ42による撹拌速度(撹拌子42Aの回転数[rpm])との関係を示す線図である。この図5(A)から、複合流体22を用いた場合は、潤滑油24単体を用いた場合と比較して、各撹拌速度において(撹拌速度0として示す自然対流の条件、及び、強制対流の各条件で)、放熱性能Phrが高いことが解る。これは、複合流体22を用いた場合には、鉄塊46に潤滑油24よりも熱伝達率が高い冷媒26が流動接触することによる該冷媒26への放熱効果が得られるためと推定される。なお、放熱能力試験機40による計測では、複合流体22(潤滑油24及び冷媒26)、潤滑油24単体の沸騰は観測されていない。
放熱性能Phrについて補足すると、放熱性能Phrは、被試験液体の熱伝達係数α[W/(m・K)]と放熱面積A[m]との積(α×A)として算出される。一方、被試験液体中での鉄塊46の温度変化は、図5(B)の如くなる。ここで、図5(B)に示す温度変化を質点系(鉄塊46の熱伝導大、比熱、質量は有限)のものと仮定すると、被試験液体中での鉄塊46の温度変化は、
T’= exp(−τ)
の関係を満たす。そして、鉄塊46の温度(変数)をT、初期温度をT0、飽和温度をTsatとすると、
T’= (T−T0)/(Tsat−T0)
であるから、鉄塊46の温度Tは、
T = T0+(Tsat−T0)×exp(−τ)
となる。
また、鉄塊46の比熱をC、密度をρ、体積をV、時間をtとすると、
τc= C×ρ×V/(α×A)
として、
τ = t/τc
となるので、鉄塊46の温度Tは、
T = T0+(Tsat−T0)×exp(−t/τc)
となることが解る。
そして、この鉄塊46の温度Tの時間変化は、放熱能力試験機40を用いて計測することで図5(B)に示す如く得られるので、各被試験液体の撹拌速度ごとの放熱性能Phr=(α×A)を算出することができる。
さらに、ブロックオンリング摩擦摩耗試験機30(図2参照)を用いた各被試験液体の冷却特性について説明する。図6(A)及び図6(B)は、ブロックオンリング摩擦摩耗試験機30の運転中において、被試験液体の温度を測定する液温計36、ブロック34の温度を測定するブロック温度計38、及び図示しない室温計による各測定温度を示している。ブロック温度計38は、リング32とブロック34との接触点からの間隔Dが略1mmの位置に配置されている。図5(A)は、被試験液体として潤滑油24単体を用いた場合、図5(B)は被試験液体として複合流体22単体を用いた場合の結果をそれぞれ示している。
これらの図から解るように、両被試験流体の試験時の室温は一定とされている。また、上記の通り両被試験流体の摩擦係数は同等であるから、試験時のリング32とブロック34との摩擦に発熱量は略一定であると推定される。なお、ブロック34の温度が段階的に変化しているのは、ブロック34の押し付け荷重Fを段階的に増しているためであり、試験開始から略600秒経過後にはブロック34の押し付け荷重F=444[N]の定常試験状態とされている。
そして、これら図6(A)と図6(B)との比較から、複合流体22を用いた場合は、潤滑油24単体を用いた場合と比較して、定常試験状態において、液温、ブロック34の温度の両者とも低くなることが確かめられた。この実験において複合流体22を用いた場合に潤滑油24単体の場合よりもブロック34の温度が低くなるのは、ブロック34に潤滑油24よりも熱伝達率が高い冷媒26が流動接触することによる該冷媒26への放熱効果(図5(A)で説明した)、及び沸点が80℃である冷媒26が80℃を超える温度のブロック34との接触で気化(蒸発)されたことによる沸騰冷却効果の何れ一方又は組み合わせ効果によるものである。
また、複合流体22の液温が潤滑油24単体の液温よりも低くなるのは、試験機のハウジング等との接触によって冷媒26が(潤滑油24よりも良好に)冷却されることによるものと考えられる。
以上(図3、図5、及び図6の結果)により、複合流体22を用いた場合、潤滑油24単体を用いる場合と比較して、同等の潤滑性を確保しつつ、冷却性能が向上されることが確かめられた。したがって、複合流体22を用いた動力伝達部の潤滑構造10では、潤滑油24のみで潤滑を行う構成と比較して、同等の潤滑性能を確保しながら、歯車列16等の冷却性が向上する。なお、冷媒26の流動接触による冷却効果に対し冷媒26の沸騰冷却による冷却効果は大きいので、冷媒26の沸騰冷却が生じやすい設定とすることで、一層大きな冷却効果を得ることができる。
さらに、図7に示す負荷試験装置50を用いて、各被試験液体の流動抵抗について説明する。負荷試験装置50は、下部に被試験液体が貯留された透明ハウジング52内でアルミ製の回転円板54を回転させ、該回転円板54の負荷トルク(流体の引き摺りトルク)をシャフト54Aに設けた歪ゲージ54Bによる測定するものである。
図8は、各被試験液体を用いた場合の引き摺りトルクをアルミ製の回転円板54の回転速度ごとにプロット(複数回測定した最小値、最大値、及び平均値を示す)したものである。この図から、複合流体22を用いた場合は、潤滑油24単体の場合と比較して、各回転速度において引き摺りトルクが低減されることが確かめられた。引き摺りトルクの低減率は回転速度により異なる(回転速度が高いほど小さくなる)が、図8の結果では、平均的には引き摺りトルクが略30%低減されている。
このような引き摺りトルクの低減効果は、図9に示す実験状況から視覚的にも確認される。図9(A)は、アルミ製の回転円板54が矢印方向に回転した場合の潤滑油24単体の流動状態を示しており、図9(B)は、アルミ製の回転円板54が矢印方向に回転した場合の複合流体22の流動状態を示している。これらの図の比較から、複合流体22を用いた場合は、潤滑油24単体を用いた場合と比較して、アルミ製の回転円板54の回転に伴う液位の変化が小さいことが解る。
以上により、複合流体22を用いた場合、回転円板54の回転に伴う負荷が低減されることが解る。したがって、複合流体22を用いた動力伝達部の潤滑構造10では、潤滑油24のみで潤滑を行う構成と比較して、歯車列16(特に歯車20)の回転に伴う負荷が低減され、伝達動力のロス低減に寄与することが解る。
そして、動力伝達部の潤滑構造10では、潤滑油24と、該潤滑油24に対し非相溶性の冷媒26との複合流体22を用いるため、長期間に亘り安定して上記の各効果を得ることができる。例えば、水とオイルとを乳化分散させたエマルジョンを潤滑剤として用いた場合、以下に示す問題が懸念される。第1に、エマルジョンは熱力学的に不安定であるため、乳化分散状態が経時劣化しやすい。第2に、水とオイルとを均一に分散させたエマルジョンでは、冷媒成分である水分が大気に曝され、気化により消失しやすい。第3に、エマルジョン中の水分が氷点下では凍ってしまう。第4に、エマルジョン中の水分が経時劣化(腐食)しやすい。第5に、エマルジョン中の水分が動力伝達要素12の構成部品(鋼製の部品)を腐食させてしまう。
これらに対して動力伝達部の潤滑構造10では、互いに非相溶性の潤滑油24と冷媒26との複合流体22を、動力伝達要素12の運転に際してこれらを歯車20にて撹拌、混合して用いているため、エマルジョンにおける第1の問題の如く複合流体として経時劣化することがない。また、動力伝達要素12の停止状態において液溜り部18内の複合流体22は、相対的に高密度である冷媒26の界面が潤滑油24にて覆われるため、冷媒26が気化により消失されることが防止又は効果的に抑制される。
さらに、フッ素系冷媒である冷媒26は、上記の通り流動点が−95℃であるため、想定される動力伝達要素12の使用環境下(設計上の下限温度)では凍結することがない。また、この冷媒26は、フッ素系冷媒であるため、それ自身が腐食することがなく、さらに動力伝達要素12の構成部品(歯車列16、ハウジング14等の鋼製の部品)を腐食させ難い。
以上により、複合流体22を用いた動力伝達部の潤滑構造10では、上記した潤滑性能を確保しながらの冷却性能の向上効果、流動抵抗の低減効果を、長期間に亘り安定して発揮することができる。
このように、第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造10では、動力伝達要素12の歯車列16を含む構成部品を長期間に亘り安定して潤滑、冷却することができる。
なお、第1の実施形態では、冷媒26の沸騰冷却効果を奏し得る例を示したが、本発明はこれに限定されず、冷媒26としてより沸点の高い冷媒(例えば、沸点が174℃である住友3M(株)製のフロリナートFC−43等)を用いて、沸騰冷却に依らず流動接触による冷却効果(図4参照)を奏する構成としても良い。
一方、沸騰冷却を利用する場合、例えば、気化された冷媒26をハウジング14との熱交換によって凝縮させるために、ハウジング14の外面に放熱フィンを設ける構成としても良い。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態と基本的に同一の部分等については、上記第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。図10には、本発明の第2の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造60が図1に対応する模式的な断面図にて示されている。この図に示される如く、動力伝達部の潤滑構造60は、ハウジング14に連通した圧力調整要素としてのバッファ部62を備えている点で、第1の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造10とは異なる。
具体的には、この実施形態に係るバッファ部62は、連通管64を介してハウジング14の上部空間に連通すると共に、該ハウジング14の上部空間よりも重力方向の上側に配置されている。このバッファ部62は、例えば蛇腹状に形成されることで、内部空間であるバッファ室の容量を拡縮し得る構成とされている。なお、バッファ部62は、ダイヤフラムや可動蓋(ピストン)等の変位によってバッファ室の容量を変化させ得る構成としても良い。
そして、この実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造60では、冷媒26の沸点が動力伝達要素12の作動温度(通常の運転温度)よりも低く設定されている。この実施形態では、動力伝達要素12の作動温度、140℃(潤滑油24のみで潤滑した場合の作動温度)に対し冷媒26の沸点が80℃に設定されている。これにより、動力伝達部の潤滑構造60では、動力伝達要素12(の歯車列16)が主に冷媒26の気化に伴う沸騰冷却効果により冷却される構成とされている。このような冷媒26としては、例えば住友3M(株)製のフロリナートFC−84を用いることができる。
この動力伝達部の潤滑構造60では、通常の運転温度で運転中の歯車列16に接触した冷媒26が気化され、該気化された冷媒26が連通管64を通じてバッファ部62のバッファ室に導入されるようになっている。バッファ部62は、気相の冷媒26の圧力によってバッファ室の容量を拡大することで、ハウジング14の内圧が所定圧力を超えて高くなることを防止するようになっている。なお、冷媒26は、この所定圧力以下の圧力において沸点が動力伝達要素12の作動温度に対し低くなる構成とされている。
また、動力伝達部の潤滑構造60は、気化した冷媒26を冷却して液化させるための冷却要素としての熱交換器(凝縮器)56を備えている。この実施形態では、熱交換器66は、連通管64に設けられている。より具体的には、熱交換器66は、連通管64の外周部にフィン66Aを設けることで外気に放熱する空冷式の凝縮器として構成されている。熱交換器66は、フィン66Aに冷却風を導くファンを設けても良く、例えば自動車用途では、走行風がフィン66Aに導かれるように構成されても良い。また、連通管64は、液化された冷媒6を重力によってハウジング14内の液溜り部18に戻すべく、バッファ部62からハウジング14へ向けて部分的な低所のない下り勾配を成すように設けられている。
以上説明した動力伝達部の潤滑構造60の作用について、動力伝達部の潤滑構造10の作用と異なる部分を主に説明する。
動力伝達部の潤滑構造60が適用された動力伝達要素12では、その動作に伴って歯車列16の歯車20が回転されることで、複合流体22が撹拌され、潤滑油24と冷媒26とが溶け合うことなく混ぜられる(混濁される)。このように潤滑油24と冷媒26とが混濁された複合流体22は、ハウジング14内で飛散され(撒き上げられ)、歯車20以外の歯車列16に供給され、該歯車列16の潤滑、冷却に供される。
複合流体22中の冷媒26の沸点が動力伝達要素12の作動温度よりも低いので、該動力伝達要素12の歯車列16に接触した冷媒26は気化(蒸発)され、該歯車列16から気化熱(潜熱)を奪う。すなわち、動力伝達部の潤滑構造60では、歯車列16が沸騰冷却により冷却される。
気化された冷媒26は、連通管64を通じてバッファ部62のバッファ室に導かれ、該バッファ室を膨張させる、このため、冷媒26の気化によりハウジング14内の圧力が所定圧力を超えて高くなることが防止される。また、連通管64の流通に伴って熱交換器66にて冷却された冷媒26の一部は、液化(凝縮)されて重力にて液溜り部18に戻される。また、動力伝達要素12の運転停止後は、バッファ室内の冷媒26が冷却、液化されて液溜り部18に回収される。
以上により、動力伝達部の潤滑構造60は、主に冷媒26の沸騰冷却によって動力伝達要素12が冷却される点で動力伝達部の潤滑構造10とは異なり、冷却メカニズムを除く他の作用効果は動力伝達部の潤滑構造10の作用効果と共通する。したがって、第2の実施形態に係る動力伝達部の潤滑構造60によっても、基本的に動力伝達部の潤滑構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
特に、動力伝達部の潤滑構造60では、冷媒26が沸騰冷却にて動力伝達要素12を冷却するため、該動力伝達要素12の冷却性能が高い。そして、動力伝達部の潤滑構造60では、気化した冷媒26が導入されるバッファ部62を備えるため、ハウジング14内の過度の圧力上昇が防止され、ハウジング14の内圧に対し軸受部16B等のシール性が確保される。換言すれば、バッファ部62を備えた動力伝達部の潤滑構造60では、冷媒26の沸騰冷却効果を積極的に利用して冷却性能を向上することができる。
なお、第2の実施形態では、連通管64にフィン66Aを設けて熱交換器66が構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、連通管64の外周を冷却水ジャケットで覆ったり、バッファ部62や連通管64内に冷却水配管を導入したりすることで熱交換器66を構成しても良い。
また、上記した各実施形態では、複合流体22を構成する冷媒26としてフッ素系冷媒を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、潤滑油24と非相溶性の各種冷媒を採用することができる。
さらに、上記した各実施形態では、潤滑、冷却対象である歯車列16を構成する歯車20を撹拌要素として機能させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、液溜り部18内に撹拌(撒き上げ)専用の撹拌装置を設けても良い。さらに、本発明は、複合流体22を撒き上げて歯車列16に供給する構成には限定されず、例えば、液溜り部18内の複合流体22をオイルポンプで汲み上げて歯車列16の上方から流下して供給するようにしても良い。この場合、オイルポンプを撹拌要素として用いる構成としても良く、またオイルポンプの下流に撹拌機等の撹拌要素を配設しても良い。後者の場合、撹拌機は、外部動力により複合流体22を撹拌する構成としても良く、複合流体22の流れによって該複合流体22が撹拌される構成としても良い。
10 動力伝達部の潤滑構造
12 動力伝達要素
14 ハウジング
16 歯車列(動力伝達要素)
20 歯車(撹拌要素、回転部材)
22 複合流体
24 潤滑油
26 冷媒
60 動力伝達部の潤滑構造
62 バッファ部(圧力調整要素)
66 熱交換器(冷却要素)

Claims (5)

  1. 動力伝達要素と、
    前記動力伝達要素を潤滑するための潤滑液と、該潤滑液に対する非相溶性の冷媒との複合流体と、
    前記動力伝達要素の潤滑に供される前記複合流体を撹拌する撹拌要素と、
    を備えた動力伝達部の潤滑構造。
  2. 前記冷媒として、前記潤滑液よりも粘度の低い冷媒が用いられている請求項1記載の動力伝達部の潤滑構造。
  3. 前記冷媒としてフッ素系冷媒が用いられている請求項1又は請求項2記載の動力伝達部の潤滑構造。
  4. 前記動力伝達要素を収容し、底部に前記複合流体を貯留させるハウジングをさらに備え、
    前記撹拌要素は、前記ハウジングの底部に貯留された前記複合流体に浸漬され、前記動力伝達要素の一部を構成する回転部材を含んで構成されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載の動力伝達部の潤滑構造。
  5. 前記冷媒として、前記動力伝達要素の作動温度よりも沸点が低い冷媒が用いられており、
    気化した前記冷媒の圧力によって膨張可能な圧力調整要素と、気化した前記冷媒を冷却するための冷却要素とをさらに備えた請求項1〜請求項4の何れか1項記載の動力伝達部の潤滑構造。
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