JP4860308B2 - 阻燃化用プリプレグ及び不燃化粧板 - Google Patents

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本発明は阻燃化用組成物、阻燃化用プリプレグ、不燃化粧板に関する。
従来、難燃剤として用いられている臭素系難燃剤やハロゲン系難燃剤は、燃焼の際の発煙量が非常に多く、燃焼時に毒性ガスが発生したり、金属腐食の原因になるなどの問題があるため、リン系難燃剤と、窒素含有樹脂とを組み合わせた難燃剤組成物が検討されていた。例えば、合成樹脂を難燃化する方法としてはリン系難燃剤、中でもとりわけ安価であり、かつ難燃付与性能の高いポリリン酸アンモニウムを配合する技術が広く知られている。
一方、これまでより、防火、不燃性等の機能を付与した化粧板が知られており、化粧板用の化粧紙に熱硬化性樹脂を主な成分とする樹脂液を含浸した樹脂含浸化粧紙と、無機繊維不織布にフェノール樹脂或いはメラミン樹脂をバインダー成分とし、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を含むスラリーを含浸したプリプレグをコア層とし、両者を積層し、熱圧成形していた。
特開2005−264052号公報 特開2005−264053号公報
しかしながら、従来の難燃剤を繊維シートに含浸しようとすると有効成分が繊維シート中に多くが浸透してしまい、表面からの熱によりその阻燃効果を充分に発揮できず、不燃性の化粧板用途としては適していなかった。
一方、不燃性の化粧板用のコア層に用いるプリプレグは、不燃性を確保する目的からバインダー成分としての有機樹脂分の配合量には限界があり、有機樹脂分が多いと不燃性が劣り、有機樹脂分が少ないとプリプレグ同士の密着が悪く、層間剥離を生じることがあった。
更に、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物は結晶水を放出する際の吸熱作用により不燃性を付与するものであるが、少量の配合では不燃効果が小さいため、有機樹脂分に比べて多量に配合しなければならず、その結果コア層の密着性の低下や刃物を傷めるなど切削性や作業性が劣るものとなっていた。
本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、繊維シートにバインダー成分としての有機樹脂と非含水性無機物とからなるスラリーが含浸、乾燥されたプリプレグに、更にバインダー成分としての有機樹脂成分と、無機リン酸のアンモニウム塩又は無機リン酸の金属化合物と、層状無機物からなる阻燃化用組成物が含浸、或いは塗工され、乾燥されてなる阻燃化用プリプレグを樹脂含浸化粧紙の少なくとも直下に配することを特徴とするものである。
これにより、不燃性能を有し、かつ強度が優れ、寸法変化が小さく、更に、コア層に用いるプリプレグ中に含まれる有機樹脂分を層間剥離が生じない程度まで増量し、密着性の向上を図ろうとするものである。
本発明の阻燃化用プリプレグは、阻燃化用組成物中の無機リン酸のアンモニウム塩又は無機リン酸の金属化合物などの有効成分が層状無機物の層間に挿入されるため無機質系繊維シートの内部まで浸透することがなく、表面に存在し、強固な断熱層を形成するものとなり、耐炎性が著しく向上する。また、充填材には金属水酸化物を用いていないので仕上がった製品の切削性がよく、刃物を傷めることがない。更に、ノンハロゲン系難燃剤を用いているので、有害有毒なガスや煙が発生せず、成形加工機械を腐食させることがない。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるコア層の基材は、無機繊維の織布又は不織布であり、無機繊維としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維などが挙げられ、基材の坪量は、10〜200g/mの範囲が好適であり、とりわけ、スラリーの含浸性が優れるガラス繊維を用いるのが好ましい。
前記の基材に含浸するスラリーは、有機樹脂分と充填材として非含水性無機物である炭酸カルシウムのみを含むスラリーであり、有機樹脂としては、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂が仕上がった製品の耐熱性、寸法変化などの諸物性に優れることから好適に用いることができ、とりわけ耐衝撃性にも優れるフェノール−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂は、アミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドを反応させて得られる。
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂は、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのフェノール類のフェノール性水酸基1モルに対してホルムアルデヒドを1〜3モルの割合でアンモニア、水酸化ナトリウム、トリエチルアミンなどの塩基性触媒下で反応させて得られる。
炭酸カルシウムとしては特に制約はなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)などを用いることができる。平均粒子径が0.05〜10μm、より好ましくは1〜5μmの重質炭酸カルシウムが好ましく、下限に満たないと二次凝集しやすく塊ができ含浸適正が悪くなりやすく、上限を超えると熱硬化性樹脂化粧板の表面が平滑にならず、外観不良となる。尚、軽質炭酸カルシウムとは石灰石を焼成し化学的に製造される炭酸カルシウムをいい、重質炭酸カルシウムとは白色結晶質石灰石を乾式又は湿式粉砕して造った微粉炭酸カルシウムをいう。
有機樹脂分と炭酸カルシウムの配合割合は固形分重量比で1:5〜15とするのが好ましく、炭酸カルシウムが下限に満たないと化粧板の反りが大きく、上限を超えると化粧板の耐水性、強度が低下することとなる。より好適には平均粒子径の異なるものを複数種用いて最密充填するのが好ましく、例えば、平均粒子径が1〜2μmのものと平均粒子径が4〜5μmものを80〜50:20〜50の割合で用いると充填率が向上し、コア層が強固なものとなり、防湿性能が向上する。この配合比率以外では炭酸カルシウム粒子間で凝集を起こし、無機繊維基材に対する含浸性が低下しやすくなる。
基材へのスラリーの含浸率は数1で示される算出方法で500〜3000%とするのが好ましく、含浸率が上限を超えると固形分の脱落が多くなり取り扱いにくく、また下限に満たないと層間剥離しやすくなる。
Figure 0004860308
プリプレグ中の有機樹脂成分の含有率は、数2で示される算出方法で3〜50%とするのが望ましく、下限に満たないと耐熱性が悪くなり、上限を超えると強度、密着性が劣りやすくなる。
Figure 0004860308
また、スラリー中には後述の樹脂含浸化粧紙との密着性を向上させるためにシランカップリング剤が配合され、アミノーホルムアルデヒド樹脂のメチロール基およびフェノールーホルムアルデヒド樹脂のヒドロキシル基、ガラス繊維と反応し、3次元的に強固に結合する。有機樹脂分とシランカップリング剤の配合割合は固形分比で1:0.02〜0.3とするのが好ましく、シランカップリング剤が下限に満たないと表面意匠層との十分な密着が得られず、上限を超えると著しく増粘し、含浸が困難になる。
シランカップリング剤としての中でもエポキシ系シランカップリング剤が密着性の面からとりわけ好ましく、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の阻燃化用プリプレグは前記のスラリーを含浸、乾燥して得られたプリプレグに、バインダー成分としての有機樹脂成分と、無機リン酸化合物と、層状無機物などを含む阻燃化用組成物が含浸、或いは塗工され、乾燥されてなるものである。
阻燃化用組成物の含浸或いは塗工量は前記乾燥して得られたプリプレグ中の前記のスラリー中の有機樹脂成分量を100重量部に対して、30〜400重量部するのが好ましく、下限に満たないと、十分な断熱効果が得られず、不燃性能が得られない。上限を超えると、含浸性および塗工性が低下する。また、耐水性、耐熱性も低下しやすくなる。


バインダー成分としての有機樹脂は、前述のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂や、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、或いはこれらの混合物が用いられる。バインダー成分は無機リン酸化合物100重量部に対して50〜300重量部とするのが好ましく下限に満たないとコア層、樹脂含浸化粧紙との密着性が劣りやすく、上限を超えると不燃性能が劣りやすくなる。
スラリー中に配合される無機リン酸化合物は燃焼に伴う熱を受けた際にリンによる脱水作用を受けて炭化層となるのもで、無機リン酸のアンモニウム塩や無機リン酸の金属塩が用いられる。
無機リン酸のアンモニウム塩は、加熱により分解温度に達すると脱アンモニアにより縮合リン酸を生じる。この縮合リン酸が有機物の脱水触媒として作用し、有機物を炭化させる結果、炭化層を形成し、この際発生するアンモニアガスは、発泡剤として作用し、樹脂組成物を膨張させる働きを有するもので、具体的には、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
無機リン酸の金属塩は、加熱環境下において、発生した自己縮合水と粒体内反応し、ガスを発生し、また、脱水触媒として作用するほか、自らも不燃性の無機質リン酸被膜を形成する働きをもつもので、例えば、亜リン酸アルミニウムが発泡性を有することから好ましい。
層状無機物として層状珪酸塩や層状黒鉛などを用いるが、層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。層状黒鉛は、天然黒鉛の中でも、鱗片状黒鉛を強酸で洗浄し、高温下アルカリ中で焼結し、硝酸や過マンガン酸カリウムなどの酸化剤で前処理し、硫化系、窒素系、有機酸系の化学品が挿入されたものが用いられる。これらの層状無機物は、加熱により膨張し、結晶層間に無機のリン酸アンモニウム塩や無機リン酸金属塩或いはアミノーホルムアルデヒド樹脂を層間に保持するため、前記の炭化層をより強固なものとし、断熱効果が向上して相乗効果が現れると考えられる。
前記の層状無機物は、無機リン酸化合物100重量部に対して0.05〜20重量部配合するのが好ましく、下限に満たないと、十分な断熱効果が得られず、不燃性能が得られない。上限を超えると凝集し、スラリーが著しく増粘し、含浸性および塗工性が低下する。
有機樹脂成分と、無機リン酸化合物と、層状無機物の各成分がプリプレグ内部への浸透を防止し、シート表面に存在させて阻炎効果を向上させるために鱗片状の無機物質が配合されるのがより好ましい。この該鱗片状の無機物質としては、白雲母、金雲母、合成雲母、金属酸化物被覆雲母等の雲母、タルク、カオリン、ベントナイト、セピオライト、黒鉛、ガラスフレーク、板状酸化鉄顔料、金属粉などが挙げられ、金属粉としては、酸化鉄、アルミ粉などが挙げられる。
鱗片状の無機物質は、平均フレーク径が100μm以下、好ましくは50μm以下のものがよく、重量平均アスペクト比(フレークの平均直径/平均厚み)は10以上、好ましくは20以上のものが浸透抑制の点でよい。
鱗片状の無機物質の配合量は、炭化層形成剤100重量部に対して、25〜500重量部とするのが望ましく、鱗片状の無機物質の割合が下限未満の時は強靱な発泡層が得られない。逆に、上限を超えるとスラリーが著しく増粘するため、塗布性が著しく低下する。また、発泡は抑制され、密着性が劣る。
発泡剤の発泡中に熱によって炭化して、気泡を内部に含む多孔質の炭化層を形成する成分として炭化層生成剤が配合されるが、炭化層生成剤としては、多価アルコール、水溶性多糖類、フェノール類、膨張性黒鉛等の炭素、酸素、水素のみからなるものが使用できる。
炭化層形成剤の配合量は、無機リン酸化合物の配合量を100重量部に対して、3〜70重量部とするのが望ましく、鱗片状の無機物質の割合が下限未満の時は強靱な発泡層が得られない。逆に、上限を超えるとスラリーが著しく増粘するため、作業性が著しく低下する。また、発泡は抑制され、密着性が劣る。
多価アルコールとしては、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、トリエチレングリコール、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、イノシトールなどを挙げることができる。
水溶性多糖類は、常温で1重量%以上溶解するものをいい、ゲル化剤として作用し、ゲル化後は高いガスバリア性を示し、プリプレグから発生する燃焼性ガスを遮断する。
具体的には、澱粉、セルロース、デキストリンあるいはこれらの誘導体などが挙げられ、とりわけセルロースやデキストリンは、化学修飾が容易であり、分子内に親水性構造部分と疎水性構造部分とを有するよう調節しやすく好適に用いられる。塗布含浸のバインダーも兼ねることができ、5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部ある。
セルロースあるいはその誘導体としては、水和セルロース、カルボキシメチルセルロースまたはそのナトリウム誘導体、セルロースエステル、セルロースエーテルなどが例示でき、セルロースエーテルが特に好ましい。
セルロースエーテルは、セルロースを構成する単糖単位(β1→4グリコシド結合しているグルコース)の3個の水酸基の水素原子の全てまたは一部が、アルキル基(置換アルキル基を含む)により置換されている化合物であり、具体的には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ジエチルアミノエチルセルロース、1,3−ジヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、二種類以上のアルキル基により置換されているセルロースの混合エーテルの例としては、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)および2−ヒドロキシエチル−1−ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂化粧板は、基材にスラリーを含浸し、乾燥させて得られるプリプレグを複数枚と、化粧層としての樹脂含浸化粧紙と、必要に応じて樹脂含浸表面紙を積層し、少なくとも化粧層の直下には前記阻燃シートが配されて平板プレス機、連続プレス機などで熱圧成形して得られる。熱圧条件は、温度120〜140℃、圧力40〜70kgf/cmであればよい。
樹脂含浸化粧紙は、80〜160g/mの化粧板用の化粧紙に熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸し、乾燥させたもので、熱硬化性樹脂としては、前述のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂が、耐熱性、耐摩耗性などに優れ好適に用いられる。
樹脂含浸表面紙は、化粧紙として印刷紙を用いた際の耐摩耗性を向上させる目的で用いられ、20〜40g/mの含浸後透明となる表面紙に、熱硬化性樹脂からなる樹脂液を含浸し、乾燥させたもので、熱硬化性樹脂としては、化粧紙の場合と同様にアミノ−ホルムアルデヒド樹脂が好適に用いられる。
以下、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明をより具体的に示すものであって、特に限定するものではない。尚、実施例、比較例中の部は固形分重量を示す。
コア層
100g/mのガラス繊維不織布に、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂12部に対して、平均粒子径2μmの炭酸カルシウム60部、平均粒子径5μmの炭酸カルシウム27.5部、グリシドキシプロピルトリメトキシシシラン(SH−6040:東レ・ダウコーニング株式会社製)0.5部を配合したスラリーを、数1に示す含浸率が1000%となるように含浸してプリプレグを得た。
尚、この場合、数1よりスラリー含浸後固形分重量は1100g/mであり、スラリー分は1100g/mからガラス繊維不織布の重量を差し引き1000g/mである。
更に、1000g/mは、フェノール樹脂12部、炭酸カルシウムを87.5部、シランカップリング剤0.5部を含むことより、有機樹脂成分は120g/m、炭酸カルシウムは875g/mである。
従って、数2より算出されるプリプレグ中の有機樹脂成分の含有率(%)は120/(100+120+875)×100により11.0%である。
阻燃化用プリプレグ
表1に示す阻燃化用組成物をプリプレグの表面に塗布量が80g/mになるように塗布、乾燥して阻燃化シートを得た。
化粧層
坪量120g/mの無地柄の化粧紙に,メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を数1で示す含浸率が100%となるように含浸してメラミン樹脂含浸化粧紙を得た。
熱硬化性樹脂化粧板
下から順に、メラミン樹脂含浸化粧紙を1枚、プリプレグを3枚、阻燃化用プリプレグを1枚、メラミン樹脂含浸化粧紙を1枚積層して、フラット仕上げプレートを用いて140℃,100kg/cm、90分間の条件で熱圧成形して実施例1の熱硬化性樹脂化粧板を得た。
表1に示す阻燃化用組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
表1に示す阻燃化用組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例1(層状無機物が下限未満の場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例2(層状無機物が上限を越える場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例3(バインダー成分が下限未満の場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例4(バインダー成分が上限を越える場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例5(鱗片状無機物が炭化層形成材に対して下限未満の場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例6(鱗片状無機物が炭化層形成材に対して上限を越える場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例7(炭化層形成剤が無機リン酸化合物に対して下限未満の場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例8(炭化層形成剤が無機リン酸化合物に対して上限を越える場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例9(層状無機物が無機リン酸化合物対して下限未満の場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
比較例10(層状無機物が無機リン酸化合物に対して上限を越える場合)
表1に示す組成物を実施例1と同様に塗布、乾燥した。
Figure 0004860308
無機リン酸化合物
ポリリン酸アンモニウム(AP462、クラリアントジャパン株式会社製)
無機物1:層状珪酸塩
モンモリロナイト(商品名クニピアF クニミネ工業株式会社製)
無機物2:層状黒鉛
鱗片状無機物質
雲母(A21 株式会社山口雲母工業所製)
有機物1:炭化層生成剤
トリペンタエリスルトール
有機物2:有機樹脂バインダー
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂
有機物3:有機樹脂バインダー
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
比較例11〜13(阻燃化用組成物の塗工量を変更させた場合)
実施例1の阻燃化用組成物の塗工量は有機樹脂成分120g/mに80g/mであったが、比較例11,12、13ではそれぞれ0g/m、30g/m、600g/m塗布した以外は同様に実施した。
実施例1、比較例11,12,13のプリプレグ中の有機樹脂成分と阻燃化用組成物の塗工量を表2に示す。
Figure 0004860308

評価結果を表3、4に示す。
Figure 0004860308
Figure 0004860308
評価方法は以下の通りとした。
不燃性;ISO5660準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験の発熱性試験・評価方法において総発熱量が8MJ/m以下であり、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない場合を○とする。
密着性;化粧層にカッターナイフにてクロスカットの切り込みをコア層に達するまで入れ、セロハンテープを貼り付け、急激に剥がし、化粧層の剥離がなかったものを合格、剥離があったものを不合格とした。また、沸騰水の中に2時間浸漬後、80℃の恒温槽に24時間放置し、化粧層の剥離、コア層と化粧層の間での著しい亀裂が無かったものを合格、剥離および亀裂があったものを不合格とした。上記の試験を行い、共に合格のものを○、そうでないものを×とした。
塗布性;プリプレグに対して、組成物を目的の塗布量分を塗布出来たものを○、凝集して、塗布量をコントロールできなかったものを×とした。
耐熱性試験;200℃の熱源を接触した状態で1分間変化がないものを○、膨れやパンクが発生したものを×とした。
本発明の不燃化粧板の構成断面図。
符号の説明
1 樹脂含浸化粧紙層
2 プリプレグ
3 コア層
5 阻燃化用プリプレグ
7 熱硬化性樹脂化粧板

Claims (4)

  1. バインダー成分としての有機樹脂成分と、無機リン酸のアンモニウム塩又は無機リン酸の金属化合物と、層状無機物と、鱗片状の無機物質と、炭化層形成剤とを含み、
    前記無機リン酸化合物100重量部に対して、前記有機樹脂成分が50〜300重量部、前記層状無機物が0.05〜20重量部、前記炭化層形成剤が3〜70重量部、
    前記鱗片状の無機物質は、前記炭化層形成剤が100重量部に対して、25〜500重量部の配合割合である阻燃化用組成物が、
    繊維シートにバインダー成分としての有機樹脂と非含水性無機物とからなるスラリーが含浸、乾燥されたプリプレグに、前記プリプレグ中の有機樹脂分100重量部に対して30〜400重量部、含浸、或いは塗工され、乾燥されてなることを特徴とする阻燃化用プリプレグ。
  2. 前記層状無機物が層状珪酸塩及び/又は層状黒鉛であることを特徴とする請求項1記載の阻燃化用プリプレグ
  3. 前記鱗片状の無機物質が雲母であることを特徴とする請求項1又は2記載の阻燃化用プリプレグ。
  4. コア層の少なくとも片面に化粧層が形成された不燃化粧板であって、前記コア層は、繊維シートにバインダー成分としての有機樹脂と非含水性無機物とからなるスラリーが含浸、乾燥されたプリプレグであり、少なくとも化粧層の直下には、請求項1、2又は3記載の阻燃化用プリプレグが配されてなることを特徴とする不燃化粧板。
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