JP4860124B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
透過型あるいは反射型の表示素子を備えた投射型の表示装置(以下、プロジェクターという)には、赤、青、緑に対してそれぞれ表示素子を有する3板式プロジェクターと、1枚のみの表示素子を使用する単板式プロジェクターのタイプがある。
ここでDMD部8は、前記カラーホイール4により時分割された赤、青、緑の光に対応した画像を表示する。この画像表示は、高速で行われるので、人間の目の残像現象が脳で合成され、1つの画像として知覚されることとなる。
n2<n1
ν2<ν1
通常超高圧水銀ランプや、メタルハライドランプなどが用いられている光源1は、楕円リフレクター2の一方の焦点に配置されており、そこから発した光は楕円リフレクター2のもう一方の焦点に集光し、そこに2次光源が生成される。
この2次光源を取り込むようにロッドインテグレータ3の入射面が配置される。ロッドインテグレータ3に入射した光束は、ロッドインテグレータ3の射出面では輝度ムラが改善されている。
ここで画像表示素子8の表面を照明する光束の主光線は略平行であるのがよい。
主光線が略平行であれば、画像表示素子面内にあたる光の角度がほぼ均一であるため、画像面内のコントラストムラを排除できるからである。
画像表示素子8には反射型表示素子を用いることができ、例えばDMD素子、LCoS(Liquid Cristal on Silicon)などが利用できる。
図1ではDMD素子について説明をしている。
ここでフィールドレンズ7−1、7−2を透過した光は、フィールドレンズの焦点位置近傍で集光されるため、照明光学系と投射光学系の両方のサイズを小さくすることができるという利点がある。これにより、コンパクトで輝度ムラの少ない照明光学系が提供される。
理想レンズ9−1,9−2では像面湾曲・倍率色収差は発生しないが、フィールドレンズ7が入ることにより倍率色収差・像面湾曲が増大していることがわかる。
光軸を含む光束を用いる光学系において、正のパワーを持つレンズが画像表示素子面の近傍に置かれることによって、像面は図7に示すように画角が大きい部分がレンズ側に倒れる方向の曲面となる。逆に負のパワーを持つレンズが配置されると逆に像面は画角が大きい部分がレンズとは反対側に倒れる方向の曲面となる。この性質を像面湾曲と呼ぶ。
2.5>n1>n2>1.3
の範囲で設計したほうが良い。
またガラスは波長に応じて屈折率が異なり、短波長側のほうが高屈折率であるという性質(分散)を持つため、正のパワーを持つ凸レンズが入ると、短波長側が近くに長波長側は遠くに結像することとなる。
また図9ではダブレットレンズ7−1,7−2は接合されているが、必ずしも接合する必要は無い。但し接合をしない場合は界面反射によるゴーストが発生しやすくなる、2枚のレンズの光軸合わせをする必要があるなどの問題点がある。
但し、本発明ではフィールドレンズは投射光学系の1部として用いられると同時に、照明光学系の1部としても用いられるため、照明光学系で用いられるときの影響も考慮する必要がある。
上記項目については、DMD8の表面での結像スポットダイアグラムの面内のムラとDMD8の表面を照明する照明光の像の歪によって引き起こされるため、照明光学系としては、これらの性能を確保することが重要となる。
これを比較すると、DMD8の表面の結像スポットサイズと対角方向の歪はほぼ同等であり、照明光学系については性能改善はできていないことがわかる。
これより斜め光を入れたときの像の歪の補正に第1面の非球面が非常に大きな寄与をしていることが分かる。
図39においてCを中心とする単一球面である反射面Rの曲率半径をr、物体面をO、Rに対するOの軸上共役点I、CからOまでの距離をl、CからIまでの距離をl´とした場合、図から分かるように以下の条件が成立している。
l=s−r 、l´=s´−r
また反射面に対する結像関係は以下の式で示される。
このためミラーによる反射光学系で起こる像面湾曲およびフィールドレンズで発生する倍率色収差を補正するようなダブレットフィールドレンズと曲面ミラーを配置することにより、コンパクトで収差の少ない投射光学系を構成することが可能になる。
これによると曲面ミラー2枚のみの投射光学系に対して、非球面ダブレットフィールドレンズと曲面ミラー2枚を用いた投射光学系では、サジタル像面とタンジェンシャル像面を近づけることが可能になっており、像面湾曲も補正されている。また、色収差の補正も非球面ダブレットフィールドレンズにより改善されている。この構成により単純でコンパクトな光学系を構成できることが分かる。
尚、図39、図40から分かるように、画像の対象性を保つために、i>3以上の奇数項の係数Aiは0としている。
2 楕円リフレクター
3 ロッドインテグレータ
4 カラーホイール
5−1 リレーレンズ1
5−2 リレーレンズ2
5−3 リレーレンズ3
6 ミラー
7 フィールドレンズ
7−1 フィールドレンズ1
7−2 フィールドレンズ2
8 画像表示素子
81 DMD素子上で+12度に傾斜しているマイクロミラー
82 DMD素子上で−12度に傾斜しているマイクロミラー
9 投射レンズ
9−1 正のパワーを持つレンズ群
9−2 負のパワーを持つレンズ群
10 曲面ミラー
10−1 曲面ミラー1
10−2 曲面ミラー2
Claims (9)
- 光源からの光束で反射型表示素子を照明する照明光学系と、前記反射型表示素子から反射した光束をスクリーン面に投射する投射光学系からなる投射型表示装置において、
前記照明光学系の中に前記反射型表示素子の近傍にあり、且つ少なくとも2枚のレンズから構成されたフィールドレンズを備え、
前記投射光学系の中にも前記フィールドレンズを備え、
前記フィールドレンズは、像面湾曲及び倍率色収差を低減するように、正のパワーを持つレンズと、負のパワーを持つレンズとを組み合わせて構成され、
前記投射光学系は、前記フィールドレンズと、該フィールドレンズの照明光学系側前段に像面湾曲及び倍率色収差を補正するための正のパワーを有する第1の反射光学素子及び負のパワーを有する第2の反射光学素子とから構成されることを特徴とする投射型表示装置。 - 正のパワーを持つレンズの屈折率をn1、負のパワーを持つレンズの屈折率をn2としたとき以下の条件式を満たし、
正のパワーを持つレンズのアッベ数をν1、負のパワーを持つレンズのアッベ数をν2としたとき以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
n2<n1
ν2<ν1 - 前記第1及び第2の反射光学素子の反射面形状は自由曲面形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記フィールドレンズはトータルで正のパワーを持つことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記フィールドレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つの面が非球面形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記フィールドレンズのレンズ面のうち、反射型表示素子側の面が、非球面形状であることを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。
- 前記フィールドレンズは、前記正のパワーを持つレンズと前記負のパワーを持つレンズを貼り合せたレンズであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記反射型表示素子の表面を照明する光束の主光線は略平行であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記反射型表示素子面の法線と、前記照明光学系から前記反射型表示素子に入射する主光線のなす角度をθとすると5度≦θ≦15度であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の投射型表示装置。
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