JP4860124B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源からの光束で反射型表示素子を照明する照明光学系と、前記反射型表示素子から反射した光束をスクリーン面に投射する投射光学系を有する投射型表示装置に関し、特に、フィールドレンズを使用したプロジェクターに有効な技術である。
フィールドレンズを用いた従来の投射型表示装置について以下に説明する。
透過型あるいは反射型の表示素子を備えた投射型の表示装置(以下、プロジェクターという)には、赤、青、緑に対してそれぞれ表示素子を有する3板式プロジェクターと、1枚のみの表示素子を使用する単板式プロジェクターのタイプがある。
これらのタイプのうち、コンパクトなタイプは単板式プロジェクターであるが、この単板式プロジェクターの中で現在一般的な物の一つがテキサスインスツルメンツ社の開発した反射型表示素子であるDigital Micro Mirror DeviceTM(以下、DMDという)を使用したDigital Light ProcessingTM(以下、DLP方式という)と呼ばれるものである。
DMDは、図48に示すように、ヒンジで回転可能に軸支された角13.7μmあるいは角16.2μmのマイクロミラー80、81を縦横に必要な解像度数分並び備え、この微小なマイクロミラー80、81を水平位置から±12°(または±10°)の2値の間の角度で揺動させる。このマイクロミラーが+12度の場合には入射光束は図48のマイクロミラー80の角度に規制されているため投射レンズに取り込まれ、スクリーン上に投影され白表示となる。しかしながら−12度の場合には入射光束は図48のマイクロミラー81の角度に規制されているため、投射レンズ外に反射され光吸収板10に吸収される。このときスクリーン上には光は投影されないため黒表示となる。
したがってマイクロミラー80、81を高速動作させ、投射レンズに光を入射させる回数を変えることにより、投射レンズに入る光の積分量に応じてスクリーン上を見る人の目の中で明るさが時間積分されるため、画素があたかもある明るさで光っているように見え、階調のある画像を形成することができる。
単板式でDLP方式のプロジェクターの光学系において、特に小型化を目的とした光学系の構成として、フィールドレンズを用いたものがある。
これは図49に示すように、楕円リフレクター2の一方の焦点部に白色光を発する超高圧水源ランプ等からなるランプを配置した光源部1と、楕円リフレクター2のもう一方の焦点部に集光されたランプの2次光源像を取り込んで内面反射を繰り返すことにより、射出面における面内の輝度ムラを低減させる効果を持つロッドインテグレータ3と、このロッドインテグレータ3の入射面近傍に配置され、円板の中心から所定の角度で赤、青、緑の光を透過するダイクロイックコートを3分割して蒸着した円板形のガラス板をモータで回転させることにより、光源部からの白色光を光の3原色である赤、青、緑に時分割するカラーホイール4と、ロッドインテグレータ3の出射側端面を画像表示素子8の表面に結像する少なくとも1枚以上のリレーレンズ5−1、5−2、5−3と、光束の方向を変更するミラー部6と、リレーレンズからの発散光を画面表示素子であるDMD部8に集め、光束の主光線を平行にし(以下テレセントリックという)DMD部8で反射後再度透過することによって再び光束を絞る役割をするフィールドレンズ7と、微細なマイクロミラーの角度を2値の間で高速揺動することにより階調を表現して画像を形成するDMD部8と、このDMD部8に表示される画像をスクリーン面に拡大する投射レンズ9とから構成されたタイプが知られている。
上記光学系ではフィールドレンズ7によりフィールドレンズ7前後の光束径を小さくすることができ、これにより照明光学系、投射光学系の小型化が可能になっている。
ここでDMD部8は、前記カラーホイール4により時分割された赤、青、緑の光に対応した画像を表示する。この画像表示は、高速で行われるので、人間の目の残像現象が脳で合成され、1つの画像として知覚されることとなる。
しかしながら、従来のDLPシステムの光学系ではフィールドレンズ1枚のみの構成であり、そのフィールドレンズによって大きな色収差、像面湾曲が発生するため、その後のレンズ系で補正する必要があった。そのためその後のレンズ系には複雑な投射光学系が必要になった。
本発明の目的は、反射型表示素子の近傍にフィールドレンズを配置しても、大きな色収差、像面湾曲が発生せず、投射光学系の結像性能の劣化を抑えて、簡単な構成の投射光学系を備える投射型表示装置を提供することである。
本発明は、光源からの光束で反射型表示素子を照明する照明光学系と、前記反射型表示素子から反射した光束をスクリーン面に投射する投射光学系からなる投射型表示装置において、前記照明光学系の中に前記反射型表示素子の近傍にあり、且つ少なくとも2枚のレンズから構成されたフィールドレンズを備え、前記投射光学系の中にも前記フィールドレンズを備え、前記フィールドレンズは、像面湾曲及び倍率色収差を低減するように、正のパワーを持つレンズと、負のパワーを持つレンズとを組み合わせて構成され、前記投射光学系は、前記フィールドレンズと、該フィールドレンズの照明光学系側前段に像面湾曲及び倍率色収差を補正するための正のパワーを有する第1の反射光学素子及び負のパワーを有する第2の反射光学素子とから構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、正のパワーを持つレンズの屈折率をn1、負のパワーを持つレンズの屈折率をn2としたとき以下の条件式を満たし、正のパワーを持つレンズのアッベ数をν1、負のパワーを持つレンズのアッベ数をν2としたとき以下の条件式を満たすことを特徴とする。
n2<n1
ν2<ν1
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記第1及び第2の反射光学素子の反射面形状は自由曲面形状であることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記フィールドレンズはトータルで正のパワーを持つことを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記フィールドレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つの面が非球面形状であることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記フィールドレンズのレンズ面のうち、反射型表示素子側の面が、非球面形状であることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記フィールドレンズは前記正のパワーを持つレンズと前記負のパワーを持つレンズを貼り合せたレンズであることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記反射型表示素子の表面を照明する光束の主光線は略平行であることを特徴とする。
また本発明は、前記投射型表示装置において、前記反射型表示素子面の法線と、前記照明光学系から前記反射型表示素子に入射する主光線のなす角度をθとすると5度≦θ≦15度であることを特徴とする。
本発明によれば、照明光学系の中の反射型表示素子の近傍にあり、且つ少なくとも2枚のレンズから構成されたフィールドレンズと、投射光学系の中にあるフィールドレンズとを備えるので、像面湾曲と倍率色収差を低減でき、コンパクトな投射光学系を構成することが可能になる。
また、本発明によれば、フィールドレンズはそれぞれ正のパワーと負のパワーを持つ2枚のレンズから構成され、レンズの屈折率や分散を所定の条件を満たすようにしたり、レンズ面を非球面形状にすることで、像面湾曲や色収差を低減させることができる。
また、本発明によれば、上記ダブレットフィールドレンズと、ミラーなどの反射光学素子と組み合わせることによって、少ない構成部品でコンパクトな投射光学系を作ることが可能となる。また、ミラーによる反射光学系で起こる像面湾曲およびフィールドレンズで発生する倍率色収差を補正するようなダブレットフィールドレンズと曲面ミラーを配置することにより、コンパクトで収差の少ない投射光学系を構成することが可能になる。
また、本発明によれば、反射型表示素子面での光束の主光線は略平行であるので、画像表示素子面内にあたる光の角度がほぼ均一であるため、画像面内のコントラストムラを排除できる。また、照明光学系から反射型表示素子に入射する光の角度を5度から15度程度つけることによって、結像性能劣化を低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る投射型表示装置の光学系の要部を示した概略図である。
通常超高圧水銀ランプや、メタルハライドランプなどが用いられている光源1は、楕円リフレクター2の一方の焦点に配置されており、そこから発した光は楕円リフレクター2のもう一方の焦点に集光し、そこに2次光源が生成される。
この2次光源を取り込むようにロッドインテグレータ3の入射面が配置される。ロッドインテグレータ3に入射した光束は、ロッドインテグレータ3の射出面では輝度ムラが改善されている。
ロッドインテグレータ3から出射した光束は、リレーレンズ5−1、5−2、5−3及び2枚以上のレンズで構成されるフィールドレンズ7−1、7−2によって画像表示素子8の表面を照明すると同時にロッド3の射出面が画像表示素子8の表面に結像するように設計されている。
ここで画像表示素子8の表面を照明する光束の主光線は略平行であるのがよい。
主光線が略平行であれば、画像表示素子面内にあたる光の角度がほぼ均一であるため、画像面内のコントラストムラを排除できるからである。
画像表示素子8には反射型表示素子を用いることができ、例えばDMD素子、LCoS(Liquid Cristal on Silicon)などが利用できる。
図1ではDMD素子について説明をしている。
画像表示素子8により反射され射出した光は、再びフィールドレンズ7−1、7−2に入射し、投射レンズ9などでスクリーンなどへ投射されるのが通常である(図に記載無し)。
ここでフィールドレンズ7−1、7−2を透過した光は、フィールドレンズの焦点位置近傍で集光されるため、照明光学系と投射光学系の両方のサイズを小さくすることができるという利点がある。これにより、コンパクトで輝度ムラの少ない照明光学系が提供される。
またプロジェクターには通常レトロフォーカスタイプと呼ばれる投射レンズが用いられている。これは図2に示すように画像表示素子8に近い側にある全体として正のパワーを持つレンズ群9−1と、スクリーンに近い側にある全体として負のパワーを持つレンズ群9−2から構成されている。これは図から分かるように、画像表示側の主点位置Hが画像表示側に近くなるので、バックフォーカスs´(投射レンズの最も画像表示素子に近い側のレンズ9−1から画像表示素子8の表面までの距離)を長くするのに有利なレンズタイプであり、バックフォーカス内に光学部品が入ることが多いプロジェクターに適した投射光学系である。
ここでフィールドレンズにより発生する収差が、結像性能に与える影響について以下に示す。フィールドレンズは結像面近傍に置かれるが、上記記載のように光学系のコンパクト化を目的としている場合は、フィールドレンズはトータルとして正のパワーを持つことになる。
図3に理想レンズで作成したレトロフォーカスレンズ9−1,9−2にフィールドレンズ7を1枚入れたときの光学系の構成図を、またそのときの倍率色収差を図4、像面湾曲を図5に示す。また光学データを図6に示す。
理想レンズ9−1,9−2では像面湾曲・倍率色収差は発生しないが、フィールドレンズ7が入ることにより倍率色収差・像面湾曲が増大していることがわかる。
以下、像面湾曲及び倍率色収差についての説明をする。
光軸を含む光束を用いる光学系において、正のパワーを持つレンズが画像表示素子面の近傍に置かれることによって、像面は図7に示すように画角が大きい部分がレンズ側に倒れる方向の曲面となる。逆に負のパワーを持つレンズが配置されると逆に像面は画角が大きい部分がレンズとは反対側に倒れる方向の曲面となる。この性質を像面湾曲と呼ぶ。
投射光学系全体を考えたとき、全光学系では正のパワーを持つため像面は像高が高い部分がレンズ側に倒れる方向の曲面となるため、フィールドレンズとしては負の形状にしたほうが全光学系の像面湾曲を減らすためには有効である。しかしながら本発明のフィールドレンズは正のパワーを持つため、全体の像面湾曲を増やす方向に作用してしまう。そのためフィールドレンズによって発生した像面湾曲も、それ以降のレンズ系で取り除く必要が生じてしまう。
ここで実際のレンズ系の像面湾曲を減らすためには、使用されているレンズ系の屈折面をk個、i面のレンズ系の曲率半径をri、屈折率をniとしたとき、以下の式のPを小さくするようにレンズの曲率半径と屈折率を決定するのが良いということが知られている。
Figure 0004860124
上式を屈折面におけるペッツバールの法則といい、Pの値をペッツバール和という。上式より正のパワーを持つレンズ(凸レンズ)は正の値を、負のパワーを持つレンズ(凹レンズ)は負の値のペッツバール和が発生させることがわかる。また上式は構成単レンズを薄肉レンズとした場合、以下の式になる。
Figure 0004860124
これより、全体として正のパワーを持つフィールドレンズによって発生する像面湾曲を低減させるためには、フィールドレンズを複数枚にし、正のパワーを持つレンズには高屈折率硝材負のパワーを持つレンズには低屈折率硝材を用いることにより像面湾曲を低減させることができることがわかる。
すなわち正のパワーを持つレンズの屈折率をn1、負のパワーを持つレンズの屈折率をn2とすると、n1>n2であることが必要である。またガラスやプラスチックなどの屈折率の分布を考慮すると、
2.5>n1>n2>1.3
の範囲で設計したほうが良い。
またガラスは波長に応じて屈折率が異なり、短波長側のほうが高屈折率であるという性質(分散)を持つため、正のパワーを持つ凸レンズが入ると、短波長側が近くに長波長側は遠くに結像することとなる。
図8に示すように画角が大きくなるとこの現象が倍率に影響するため、短波長側よりも長波長側のほうが、結像倍率が大きくなる。これによって画像周辺部で色ずれが起こる現象を倍率色収差という。
ここでレンズにより発生する色収差を低減するためには、正のパワーを持ち分散の小さいレンズと負のパワーを持ち分散の大きいレンズ2枚のフィールドレンズを組み合わせればよいことが知られている。
具体的には、正レンズの焦点距離をf1、アッベ数(分散の度合いを表す)をν1、負レンズの焦点距離をf2、分散度合いを表すアッベ数をν2としたとき、以下の関係が成り立つように硝材と焦点距離を決定すればよい。
Figure 0004860124
また合成焦点距離をfとしたとき以下の関係が成り立つことが知られている。
Figure 0004860124
ここで上記2式より、以下の式が導出される。
Figure 0004860124
フィールドレンズ部の合成焦点距離fは正であるとすると、f1>0、f2<0とすれば、ν1>ν2となる。また実用的なガラスのアッベ数の分布より、95>ν1>ν2>20の範囲内で決定したほうが良い。
上記したf1>0、f2<0、ν1>ν2、ν1>ν2とした条件のフィールドレンズを用いたときと、フィールドレンズ無しのときと、1枚のフィールドレンズを用いたときの実際の投影レンズの構成図を図9〜図11に、倍率色収差の比較を図12に、像面湾曲の比較を図13に示す。
またフィールドレンズ無し、1枚、2枚のときの光学データを図14〜図16に示す。尚、2枚のレンズによって構成された組レンズのことをダブレットレンズといい、以下ダブレットレンズと記載する。
また図9ではダブレットレンズ7−1,7−2は接合されているが、必ずしも接合する必要は無い。但し接合をしない場合は界面反射によるゴーストが発生しやすくなる、2枚のレンズの光軸合わせをする必要があるなどの問題点がある。
図12、図13を見ると、1枚のフィールドレンズ7によって悪化していた色収差および像面湾曲はフィールドレンズ無での性能と同等或いはそれ以上に低減できていることがわかる。
但し、本発明ではフィールドレンズは投射光学系の1部として用いられると同時に、照明光学系の1部としても用いられるため、照明光学系で用いられるときの影響も考慮する必要がある。
照明光学系の性能としては、面内の照明ムラと光の有効利用効率が重要となる。
上記項目については、DMD8の表面での結像スポットダイアグラムの面内のムラとDMD8の表面を照明する照明光の像の歪によって引き起こされるため、照明光学系としては、これらの性能を確保することが重要となる。
前述したとおり照明光学系はロッドインテグレータ3の出射面を、DMD8の表面に結像しているが、このときDMD8の表面への照明光は斜めから入ることになる。このため結像面に対する距離が対角方向で変わるため、対角方向で、近い部分の対角が小さく遠い部分の対角が大きくなるような像の歪が発生することになる。
上記条件で設計した1枚のフィールドレンズとダブレットフィールドレンズを照明光学系に使用したときの光学系の構成図を図17、図18に、照明光学系のDMD面での像の歪を図19(a),(b)に、面内のスポットダイアグラムを図20(a),(b)に示す。またこのときの光学データを図21、図22に示す。
これを比較すると、DMD8の表面の結像スポットサイズと対角方向の歪はほぼ同等であり、照明光学系については性能改善はできていないことがわかる。
次に、図23、図24に示すように、それぞれ1枚のフィールドレンズ7とダブレットフィールドレンズ7−1,7−2を用いた投影光学系において、フィールドレンズのDMD素子側の面を非球面化したときの投射光学系の像面湾曲を図25、図26に、倍率色収差を図27、図28に示す。このときの光学データを図29、図30に示す。
これによると1枚のフィールドレンズ7では入射面を非球面化しても大きな効果は得られないことが分かる。しかしながらダブレットのフィールドレンズ7−1、7−2を非球面化したものでは、非球面化していないダブレットフィールドレンズに対して像面湾曲と倍率色収差が大きく低減できていることが分かる。このときダブレットフィールドレンズの非球面形状は、双曲面形状になっている。
また1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを照明光学系に使用したときの、照明光学系構成図を図31に、像の歪を図32に、面内のスポットダイアグラムを図33に示す。このときの光学データを図34に示す。
これより斜め光を入れたときの像の歪の補正に第1面の非球面が非常に大きな寄与をしていることが分かる。
1枚のフィールドレンズ、ダブレットフィールドレンズ、1面を非球面化したダブレットフィールドレンズの3種類につき、照明光学シミュレーションを行ったときのDMD面の照明ムラのデータを図35から図37に、光利用効率のデータを図38に示す。
これより1面を非球面化したダブレットフィールドレンズの像の歪補正、スポットダイアグラムの改善が光利用効率、照明ムラを大きく改善していることが分かる。更にフィールドレンズの枚数を増やすことによって性能を上げることは可能であるが、サイズとコストが増大してしまうという不利な点もある。
上記ダブレットフィールドレンズは単体で収差補正がされているため、ミラーなどの反射光学素子と組み合わせることによって少ない構成部品でコンパクトな投射光学系を作ることが可能となる。ミラーなどの反射光学素子での反射では、屈折光学素子であるレンズとは異なり分散がなく、また前述したように屈折率の差を用いて像面湾曲の補正をするといったことができないからである。
ここで反射光学素子でのペッツバール和について以下に記載する。
図39においてCを中心とする単一球面である反射面Rの曲率半径をr、物体面をO、Rに対するOの軸上共役点I、CからOまでの距離を、CからIまでの距離をl´とした場合、図から分かるように以下の条件が成立している。
l=s−r 、l´=s´−r
また反射面に対する結像関係は以下の式で示される。
Figure 0004860124
上2式より、以下の式が成り立つ。
Figure 0004860124
物体面が平面であるとき、右辺が像面湾曲を表すことが分かる。光学系のすべての反射面の像面湾曲の合計がペッツバール和となるため、反射光学系のペッツバール和Pは以下の式で示される。
Figure 0004860124
光軸を含む光束を用いた光学系において、像面湾曲を小さくするためには、pを0に近づける必要がある。また上式は凸ミラーと凹ミラーの組み合わせによりペッツバール和を低減できることを示している。しかしながら同時に反射面の枚数が少ないと、ペッツバール和を低減するのが困難となる。枚数を3枚、4枚と増やしていくと反射面間に距離が必要であるためミラーサイズの大型化を招き投射光学系が大型化してしまう。
このためミラーによる反射光学系で起こる像面湾曲およびフィールドレンズで発生する倍率色収差を補正するようなダブレットフィールドレンズと曲面ミラーを配置することにより、コンパクトで収差の少ない投射光学系を構成することが可能になる。
図40に、1面を非球面としたダブレットフィールドレンズ7−1,7−2と曲面ミラー2枚(11,12)を用いた反射型投射光学系の1例を、図41に曲面ミラー2枚(11,12)のみを用いた光学系の構成図を示す。また光学データを図42、図43、図44に示す。
図42〜図44よりペッツバール和を計算すると曲面ミラー2枚のみの反射型投射光学系でのペッツバール和は0.012、ダブレットフィールドレンズと曲面ミラー2枚を用いた反射型投射光学系では0.006となっており大きくペッツバール和を改善できていることが分かる。
このときの像面湾曲の比較を図45に、倍率色収差の比較を図46に示す。
これによると曲面ミラー2枚のみの投射光学系に対して、非球面ダブレットフィールドレンズと曲面ミラー2枚を用いた投射光学系では、サジタル像面とタンジェンシャル像面を近づけることが可能になっており、像面湾曲も補正されている。また、色収差の補正も非球面ダブレットフィールドレンズにより改善されている。この構成により単純でコンパクトな光学系を構成できることが分かる。
また反射型光学系ではミラーの角度をあおると、結像性能の劣化が大きいためなるべくミラーのあおり角を小さくしたい。そのため上記光学系では照明光学系から反射型表示素子に入射する光の角度を5度から15度程度つけることによって、結像性能劣化を低減させている。
尚、ここで2枚の曲面ミラーはZERNIKEの多項式と呼ばれる自由曲面形状であり、その形状は以下の式で与えられている。
Figure 0004860124
また、z(ρ,ψ)は図47の通り与えられる。
尚、図39、図40から分かるように、画像の対象性を保つために、i>3以上の奇数項の係数Aiは0としている。
本発明に係る投射型表示装置の光学系の要部を示した概略図である。 レトロフォーカスレンズの原理図である。 理想レンズとフィールドレンズ1枚の光学系構成図である。 1枚のフィールドレンズで発生する画像表示面での倍率色収差量を示す図である。 1枚のフィールドレンズで発生する画像表示面での像面湾曲量を示す図である。 理想レンズとフィールドレンズ1枚で構成された投射光学系光学データである。 正のパワーを持つレンズでの像面湾曲の発生を示す原理図である。 正のパワーを持つレンズでの色収差の発生を示す原理図である。 ダブレットフィールドレンズと屈折光学系での投射光学系構成図である。 屈折光学系のみでの投射光学系構成図である。 1枚フィールドレンズと屈折光学系での投射光学系構成図である。 投射型屈折光学系とフィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での倍率色収差比較図である。 投射型屈折光学系とフィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での像面湾曲量比較図である。 ダブレットフィールドレンズと屈折光学系で構成された投射光学系光学データである。 屈折光学系のみで構成された投射光学系光学データである。 1枚フィールドレンズと屈折光学系で構成された投射光学系光学データである。 1枚フィールドレンズを用いた照明光学系構成図である。 ダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系構成図である。 フィールドレンズを用いた照明光学系での照明光の歪を示す図である。 フィールドレンズを用いた照明光学系でのスポットダイアグラムである。 1枚フィールドレンズを用いた照明光学系光学データである。 ダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系光学データである。 1面を非球面化した1枚フィールドレンズと屈折光学系での投射光学系構成図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと屈折光学系での投射光学系構成図である。 投射型屈折光学系と1面を非球面化した1枚フィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での像面湾曲量を示す図である。 投射型屈折光学系と1面を非球面化したダブレットフィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での像面湾曲量を示す図である。 投射型屈折光学系と1面を非球面化した1枚フィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での像面湾曲量を示す図である。 投射型屈折光学系と1面を非球面化したダブレットフィールドレンズの組み合わせでの画像表示面での像面湾曲量を示す図である。 1面を非球面化した1枚フィールドレンズと屈折光学系で構成された投射光学系光学データである。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと屈折光学系で構成された投射光学系光学データである。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系構成図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系での照明光の歪を示す図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系でのスポットダイアグラムである。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系光学データである。 1枚フィールドレンズを用いた照明光学系でのDMD面の照明ムラを示す図である。 ダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系でのDMD面の照明ムラを示す図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズを用いた照明光学系でのDMD面の照明ムラを示す図である。 照明光学系とフィールドレンズの組み合わせでの光利用効率比較したデータである。 反射光学系でのペッツバール和の算出のための基本構成図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと2枚の曲面ミラーでの投射光学系構成図である。 2枚の曲面ミラーのみでの投射光学系構成図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと2枚の曲面ミラーで構成された投射光学系光学データである。 図42に続く1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと2枚の曲面ミラーで構成された投射光学系光学データである。 2枚の曲面ミラーのみで構成された投射光学系光学データである。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズ有無の投射型光学系でのスクリーン面での像面湾曲量の比較図である。 1面を非球面化したダブレットフィールドレンズと2枚の曲面ミラーでのスクリーン面での倍率色収差図である。 (ρ,ψ)の関数を示す図である。 DMDの原理図である。 従来例の基本構成図である。
符号の説明
1 光源
2 楕円リフレクター
3 ロッドインテグレータ
4 カラーホイール
5−1 リレーレンズ1
5−2 リレーレンズ2
5−3 リレーレンズ3
6 ミラー
7 フィールドレンズ
7−1 フィールドレンズ1
7−2 フィールドレンズ2
8 画像表示素子
81 DMD素子上で+12度に傾斜しているマイクロミラー
82 DMD素子上で−12度に傾斜しているマイクロミラー
9 投射レンズ
9−1 正のパワーを持つレンズ群
9−2 負のパワーを持つレンズ群
10 曲面ミラー
10−1 曲面ミラー1
10−2 曲面ミラー2

Claims (9)

  1. 光源からの光束で反射型表示素子を照明する照明光学系と、前記反射型表示素子から反射した光束をスクリーン面に投射する投射光学系からなる投射型表示装置において、
    前記照明光学系の中に前記反射型表示素子の近傍にあり、且つ少なくとも2枚のレンズから構成されたフィールドレンズを備え、
    前記投射光学系の中にも前記フィールドレンズを備え、
    前記フィールドレンズは、像面湾曲及び倍率色収差を低減するように、正のパワーを持つレンズと、負のパワーを持つレンズとを組み合わせて構成され
    前記投射光学系は、前記フィールドレンズと、該フィールドレンズの照明光学系側前段に像面湾曲及び倍率色収差を補正するための正のパワーを有する第1の反射光学素子及び負のパワーを有する第2の反射光学素子とから構成されることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 正のパワーを持つレンズの屈折率をn1、負のパワーを持つレンズの屈折率をn2としたとき以下の条件式を満たし、
    正のパワーを持つレンズのアッベ数をν1、負のパワーを持つレンズのアッベ数をν2としたとき以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
    n2<n1
    ν2<ν1
  3. 前記第1及び第2の反射光学素子の反射面形状は自由曲面形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記フィールドレンズはトータルで正のパワーを持つことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の投射型表示装置。
  5. 前記フィールドレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つの面が非球面形状であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の投射型表示装置。
  6. 前記フィールドレンズのレンズ面のうち、反射型表示素子側の面が、非球面形状であることを特徴とする請求項に記載の投射型表示装置。
  7. 前記フィールドレンズは、前記正のパワーを持つレンズと前記負のパワーを持つレンズを貼り合せたレンズであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の投射型表示装置。
  8. 前記反射型表示素子の表面を照明する光束の主光線は略平行であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の投射型表示装置。
  9. 前記反射型表示素子面の法線と、前記照明光学系から前記反射型表示素子に入射する主光線のなす角度をθとすると5度≦θ≦15度であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の投射型表示装置。
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