JP4858350B2 - 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の駆動方法 Download PDF

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本発明は、電流により駆動される電流駆動素子を発光素子として用いた電気光学装置に
関する。
近年、液晶を用いた表示装置(以下、ディスプレイという)は薄型表示装置として普及
しつつある。このタイプのディスプレイは、CRTのディスプレイに比べて低消費電力で
省スペースである。したがって、このようなディスプレイの利点を活かし、より低消費電
力で、より省スペースのディスプレイを製造することが重要となる。
また、このようなタイプの表示装置に、液晶ではなく電流駆動型発光素子を用いて表示
を行うものがある。この電流駆動型発光素子は、液晶とは異なり、電流が供給されること
により発光する自発光素子であるため、バックライトが不要であり、低消費電力化という
市場の要求に対応することができる。さらに高い視野角、高いコントラスト比等の面で優
れた表示性能を有している。このような電流駆動型発光素子の中でもEL素子は、大面積
化、高精細化、フルカラー化を図ることができるので、ディスプレイには特に適している
このEL素子の中でも、有機EL素子は、高い量子効率のため注目されている。
このような、有機EL素子を駆動する回路(画素回路)としては、例えば図10(a)
に示すようなものが提案されている。図10(b)は、図10(a)の回路動作を示すタ
イミングチャートである。図10(a)の画素回路は、2つのトランジスタ、すなわちN
型トランジスタT8,P型トランジスタT9と、データ保持用の保持キャパシタCと、有
機EL素子11とから構成されている。そして、ゲート線12によってトランジスタT9
のスイッチング動作を行ってデータ線から供給されたデータ信号Vdataを電荷として
保持キャパシタCに保持し、この保持キャパシタCで保持された電荷によりトランジスタ
T8が導通状態となり、データ信号Vdataに対応する電流量が有機EL素子11に供
給され、有機EL素子11が発光する(例えば、特許文献1)。
WO98/36407号公報
ところで、例えば、有機EL素子などのように電流駆動型素子は電圧よりも電流で制御
するほうがより容易である。これは、有機EL素子は電流量に対して輝度が決定されるの
で、データ信号として電流を用いたほうがより制御が正確であるためである。さらに、例
えば、N型、P型というように複数の極性を持つトランジスタの組み合わせによって画素
回路を構成する場合、どちらか一方の極性のトランジスタのみで構成する場合に比べて、
トランジスタの製造プロセスが複雑になる。そこで、本発明の目的の一つは、画素回路に
供給するデータ信号として電流を用いることができ、なおかつ、画素回路の構成トランジ
スタの極性を統一させることにある。
さらに、トランジスタの製造プロセスによっては、トランジスタの極性としてN型しか
実現できない場合がある。そこで、本発明の目的の一つは、画素回路を構成するトランジ
スタをすべてN型で統一することにある。
さらに、有機EL素子の製造プロセスによっては、有機EL素子の陰極を複数の画素回
路間で共通構造にしなければならない場合がある。そこで、本発明の目的の一つは、有機
EL素子の陰極を複数の画素回路間で共通化することにある。
さらに、画素回路を構成するトランジスタに、アモルファスシリコントランジスタが含
まれている場合、画素回路の動作条件次第では、アモルファスシリコントランジスタの閾
値電圧がシフトする場合がある。そこで、本発明の目的の一つは、画素回路にアモルファ
スシリコントランジスタを含む場合に、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シ
フトを回復させる機能を設けることにある。
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、アクティブマトリクス駆動法によって駆動され、陽極と陰極を有する発光素子と前記発光素子の発光の階調を調節するための回路とをそれぞれ含む複数の単位回路がマトリクス状に配列された単位回路マトリクスと、前記単位回路マトリクスの行方向に沿って配列された単位回路群にそれぞれ接続された複数のゲート線と、前記単位回路マトリクスの列方向に沿って配列された単位回路群にそれぞれ接続された複数のデータ線とを備え、前記データ線を通じて前記単位回路に流れる電流の大きさに基づいて前記発光素子の発光の階調が制御され、前記単位回路に含まれる複数のトランジスタの極性がすべて同じであることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、複数のゲート線と、複数のデータ線と、前記複数のゲート線と前記複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素回路と、を備えた電気光学装置であって、前記画素回路は、陽極と陰極を有する発光素子と前記発光素子を駆動する駆動トランジスタと、を含み、前記駆動トランジスタは、第1ノードと第2ノードとに接続され、前記発光素子が発光する発光期間では、前記第1ノードの電位と前記第2ノードの電位の高低関係を逆転させる特性調整回路によって、前記第1ノードの電位は、前記第2ノードの電位より高く設定され、前記駆動トランジスタがオン状態となって前記発光素子に発光用の駆動電流が供給され、前記発光期間経過後に位置する調整期間では、前記特性調整回路によって、前記第1ノードの電位は、前記第2ノードの電位より低く設定され、前記駆動トランジスタがオフ状態となって前記発光素子が発光せず、前記調整期間では、前記駆動トランジスタのゲートの電位は、前記駆動トランジスタのゲートに接続されたスイッチングトランジスタによって、前記駆動トランジスタをオフ状態にする電位に固定され、前記駆動トランジスタの閾値電圧のシフトを回復させることを特徴とする。

これにより、単位回路に供給するデータ信号として電流を用いることができ、発光素子
である有機EL素子の制御の高精度化が実現できる。さらに、単位回路に含まれるトラン
ジスタの極性がすべて同一であるため、異なる極性のトランジスタを組み合わせるよりも
製造プロセスの簡素化や製造歩留まりの向上が期待できる。
上述した電気光学装置において、前記単位回路に含まれる複数のトランジスタの極性は
すべてN型であることが好ましい。
この場合は、N型のトランジスタしか用いることができない製造プロセスにおいても本
発明が適用できることになる。そのため、トランジスタの製造プロセスにおける制約条件
が少なくなることになり製造費用の削減が期待できる。
上述した電気光学装置において、前記発光素子の陰極は複数の前記単位回路間で共通接
続されることが好ましい。
この場合は、有機EL素子の製造において、陰極を共通化しなければならない製造プロ
セスにおいても本発明を適用できる。したがって、有機ELの製造プロセスにおける制約
条件が少なくなることになり製造費用の削減が期待できる。
また、本発明の電気光学装置は、前記単位回路に含まれるトランジスタの動作状態を変
化させる機能を持つ特性調整回路を備えることを特徴とする。
上述した電気光学装置において、前記特性調整回路は前記単位回路に含まれる所定トラ
ンジスタのソースとドレインの関係を入れ替える機能を持つことが好ましい。
この発明によれば、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合にお
いて、そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
また、本発明の電気光学装置は、前記特性調整回路が電位固定回路を含み、前記電位固
定回路が前記単位回路に含まれる所定トランジスタのゲートまたはソースまたはドレイン
のうち少なくとも一つの端子の電位を所定電位に固定する機能を有することを特徴とする
これにより、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合において、
そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
上述した電気光学装置において、前記特性調整回路は電位固定回路を含み、前記電位固
定回路は前記単位回路に含まれる所定トランジスタのゲートを該トランジスタのソースよ
りも低い電圧に設定する機能を有することが好ましい。
この発明によれば、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合にお
いて、そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
上述した電気光学装置において、前記単位回路はアモルファスシリコントランジスタを
含み、前記特性調整回路は前記アモルファスシリコントランジスタのソースとドレインの
関係を入れ替える機能を有することが好ましい。
この場合は、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
上述した電気光学装置において、前記単位回路はアモルファスシリコントランジスタを
含み、前記電位固定回路は前記アモルファスシリコントランジスタのゲートまたはソース
またはドレインのうち少なくとも一つの端子の電位を所定電位に固定する機能を有するこ
とが好ましい。
この場合も、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
上述した電気光学装置において、前記単位回路はアモルファスシリコントランジスタを
含み、前記電位固定回路は前記アモルファスシリコントランジスタのゲートを該アモルフ
ァスシリコントランジスのソースよりも低い電圧に設定する機能を有することが好ましい
この場合も、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
また、本発明の電気光学装置は、前記単位回路内に前記有機EL素子の電流経路を遮断
する電流遮断手段を備え、前記データ線を通じて前記単位回路に電流を流す期間のうちの
少なくとも一部の期間において、前記電流遮断手段を活性状態に設定する機能を有するこ
とを特徴とする。
これにより、データ線を介して単位回路に電流を流す期間、すなわち、単位回路への電
流書き込み期間において、電流書き込み経路から有機EL素子を排除することが可能とな
る。大きな寄生抵抗を持つ有機EL素子を電流書き込み経路から電気的に除外することで
、電流書き込み動作に必要な時間を短縮できる。
また、本発明の電気光学装置は、前記単位回路内に前記有機EL素子の陽極と陰極との
間を接続する短絡手段を備え、前記データ線を通じて前記単位回路に電流を流す期間のう
ちの少なくとも一部の期間において、前記短絡手段を活性状態に設定する機能を有するこ
とを特徴とする。
これにより、単位回路への電流書き込み期間において、電流書き込み経路の抵抗を小さ
くできるので、電流書き込み動作に必要な時間を短縮できる。
次に、本発明の電気光学装置の駆動方法は、陽極と陰極を有する発光素子と前記発光素
子の発光の階調を調節するための回路とをそれぞれ含む複数の単位回路がマトリクス状に
配列された単位回路マトリクスと、前記単位回路マトリクスの行方向に沿って配列された
単位回路群にそれぞれ接続された複数のゲート線と、前記単位回路マトリクスの列方向に
沿って配列された単位回路群にそれぞれ接続された複数のデータ線とを備え、アクティブ
マトリクス駆動法が用いられる電気光学装置を駆動するものであって、前記単位回路に含
まれる複数のトランジスタの極性がすべて同じであり、前記データ線を通じて前記単位回
路に流れる電流の大きさに基づいて前記発光素子の発光の階調が制御されることを特徴と
する。
これにより、単位回路に供給するデータ信号として電流を用いることができ、有機EL
素子の制御の高精度化が実現できる。さらに、単位回路に含まれる複数のトランジスタの
極性がすべて同一であるため、異なる極性のトランジスタを組み合わせるよりも製造プロ
セスの簡素化や製造歩留まりの向上が期待できる。
また、本発明の電気光学装置の駆動方法は、特性調整回路を備え、前記特性調整回路が
前記単位回路に含まれるトランジスタの動作状態を変化させることを特徴とする。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記特性調整回路は前記単位回路に含まれ
る所定トランジスタのソースとドレインの関係を入れ替えることが好ましい。
この発明によれば、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合にお
いて、そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記特性調整回路は電位固定回路を含み、
前記電位固定回路は前記単位回路に含まれる所定トランジスタのゲートまたはソースまた
はドレインのうち少なくとも一つの端子の電位を所定電位に固定することが好ましい。
この発明によれば、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合にお
いて、そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記特性調整回路は電位固定回路を含み、
前記電位固定回路は前記単位回路に含まれるトランジスタのゲートを該トランジスタのソ
ースよりも低い電圧に設定することが好ましい。
この発明によれば、単位回路にアモルファスシリコントランジスタが含まれる場合にお
いて、そのトランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記単位回路はアモルファスシリコントラ
ンジスタを含み、前記特性調整回路は前記アモルファスシリコントランジスタのソースと
ドレインの関係を入れ替えることが好ましい。
この場合は、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記単位回路はアモルファスシリコントラ
ンジスタを含み、前記電位固定回路は前記アモルファスシリコントランジスタのゲートま
たはソースまたはドレインのうち少なくとも一つの端子の電位を所定電位に固定すること
が好ましい。
この場合も、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記特性調整回路は電位固定回路を含み、
前記電位固定回路は前記単位回路に含まれるトランジスタのゲートを該トランジスタのソ
ースよりも低い電圧に設定することが好ましい。
この場合も、アモルファスシリコントランジスタの閾値電圧シフトを回復させることが
可能となる。
また、本発明の電気光学装置の駆動方法は、前記単位回路内に前記有機EL素子の電流
経路を遮断する電流遮断手段を備え、前記データ線を通じて前記単位回路に電流を流す期
間のうちの少なくとも一部の期間において、前記電流遮断手段を活性状態に設定すること
を特徴とする。
これにより、単位回路への電流書き込み期間において、電流書き込み経路から有機EL
素子を電気的に除外することが可能となる。大きな寄生抵抗を持つ有機EL素子を電流書
き込み経路から排除することで、電流書き込み動作に必要な時間を短縮できる。
また、本発明の電気光学装置の駆動方法は、前記単位回路内に前記有機EL素子の陽極
と陰極との間を接続する短絡手段を備え、前記データ線を通じて前記単位回路に電流を流
す期間のうちの少なくとも一部の期間において、前記短絡手段を活性状態に設定すること
を特徴とする。
これにより、単位回路への電流書き込み期間において、電流書き込み経路の抵抗を小さ
くできるので、電流書き込み動作に必要な時間を短縮できる。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、単位回路マトリクス1
000を示す図である。単位回路マトリクス1000は、マトリクス状に配列された複数
の単位回路101を有している。単位回路101のマトリクスには、その列方向に沿って
伸びる複数のデータ線と、行方向に沿って伸びる複数のゲート線とがそれぞれ接続されて
いる。
まず、第1実施形態を説明する。図2(a)は、第1実施形態における電気光学装置に
設けられる単位回路、すなわち画素回路の構成を示す回路図である。画素回路101は、
陽極と陰極を有する発光素子である有機EL素子1と、前記有機EL素子1の発光の階調
を調節するための回路を構成するトランジスタT1,T2,T3,T4と、前記画素回路
の行方向に沿って接続されるゲート線と、前記画素回路の列方向に沿って接続されるデー
タ線4と、を備えている。データ保持用の保持キャパシタCは、前記データ線から供給さ
れる電流に応じてトランジスタT1のゲート/ソース間電圧を保持するためのものである
。ここで、ゲート線は、2本のサブゲート線2,3を含んでいる。
画素回路101は、データ線4に流れる電流値に応じて有機EL素子1の階調を調節す
る電流プログラム回路である。具体的には、この画素回路101は、有機EL素子1の他
に、第1のトランジスタT1,第2のトランジスタT2,第3のトランジスタT3,第4
のトランジスタT4と、保持キャパシタCとを有している。保持キャパシタCは、データ
線4を介して供給されたデータ信号に応じた電荷を保持し、これによって、有機EL素子
1の発光の階調を調節するためのものである。すなわち、保持キャパシタCは、データ線
4に流れる電流に応じた電圧を保持する電圧保持手段に相当する。有機EL素子1は、フ
ォトダイオードと同様の電流注入型(電流駆動型)の発光素子なので、ここではダイオー
ドの記号で描かれている。
トランジスタT1のソースは有機EL素子1に接続されている。また、トランジスタT
1のドレインは、トランジスタT4を介して電源電位VDDに接続されている。トランジ
スタT2のドレインは、トランジスタT3のソースと、トランジスタT4のソースと、ト
ランジスタT1のドレインと、にそれぞれ接続されている。トランジスタT2のソースは
、トランジスタT1のゲートに接続されている。保持キャパシタCは、トランジスタT1
のソースとゲートとの間に接続されている。トランジスタT3のドレインは、データ線4
に接続されている。有機EL素子1は、トランジスタT1のソースと接地電位VSSとの
間に接続されている。トランジスタT2,T3のゲートは、第1のサブゲート線2に共通
に接続されている。また、トランジスタT4のゲートは、第2のサブゲート線3に接続さ
れている。
トランジスタT2,T3は、保持キャパシタCに電荷を蓄積する際に使用されるスイッ
チングトランジスタである。トランジスタT4は、有機EL素子1の発光期間においてオ
ン状態に保たれるスイッチングトランジスタである。また、トランジスタT1は、有機E
L素子1に流れる電流値を制御するための駆動トランジスタである。トランジスタT1の
電流値は、保持キャパシタCに保持される電荷量(蓄積電荷量)によって制御される。
図2(b)は、画素回路101の通常の動作を示すタイミングチャートである。ここで
は、第1のサブゲート線2の電圧値sel1と、第2のサブゲート線3の電圧値sel2
と、データ線4の電流値Idataと、有機EL素子1に流れる電流値IELとが示され
ている。
駆動周期Tcは、プログラミング期間Tprと発光期間Telとを含んでいる。ここで
、「駆動周期Tc」とは、電気光学装置におけるすべての有機EL素子1の発光階調が1
回ずつ更新される周期を意味しており、いわゆるフレーム周期と同じものである。階調の
更新は、1行分の画素回路群毎に行われ、駆動周期Tcの間にN行分の画素回路群の階調
が順次更新される。例えば、30Hzで全画素回路の階調が更新される場合には、駆動周
期Tcは約33msである。
「プログラミング期間Tpr」は、有機EL素子1の発光の階調を画素回路101内に
設定する期間である。本明細書では、画素回路101への階調の設定を「プログラミング
」と呼んでいる。例えば、駆動周期Tcが約33msであり、ゲート線の総数Nが480
本である場合には、プログラミング周期Tprは約69μs(=33ms/480)以下
になる。
プログラミング期間Tprでは、まず、第2のサブゲート信号3をLレベルに設定して
トランジスタT4をオフ状態(閉状態)に保つ。次に、データ線4に発光階調に応じた電
流値Idataを流しながら、第1のサブゲート信号2をHレベルに設定してトランジス
タT2,T3をオン状態(開状態)にする。この電流値Idataは、有機EL素子1の
発光の階調に応じた値に設定されている。
保持キャパシタCは、トランジスタT1(駆動トランジスタ)を流れる電流値Idat
aに対応した電荷を保持した状態となる。この結果、トランジスタT1のゲート/ソース
間には、保持キャパシタ1に記憶された電圧が印加される。なお、本明細書では、プログ
ラミングに用いられるデータ信号の電流値Idataを「プログラミング電流値Idat
a」と呼ぶ。
プログラミングが終了すると、第1のサブゲート信号2がLレベルに設定されトランジ
スタT2,T3がオフ状態となり、また、データ線4に流れるデータ信号Idataが停
止される。
発光期間Telでは、第1のサブゲート信号2をLレベルに維持してトランジスタT2
,T3をオフ状態に保ったまま、第2のサブゲート信号3をHレベルに設定してトランジ
スタT4をオン状態に設定する。保持キャパシタCには、プログラミング電流値Idat
aに対応した電圧が予め記憶されているので、トランジスタT1にはプログラミング電流
値Idataとほぼ同じ電流が流れる。従って、有機EL素子1にもプログラミング電流
値Idataとほぼ同じ電流が流れ、この電流値Idataに応じた階調で発光する。
図3(a)は、第1実施形態における別の画素回路例である。図3(a)におけるトラ
ンジスタT1のソースは接地電位VSSに接続されている。また、トランジスタT1のド
レインは、トランジスタT4を介して有機EL素子1に接続されている。トランジスタT
2のドレインは、トランジスタT3のソースと、トランジスタT4のソースと、トランジ
スタT1のドレインと、にそれぞれ接続されている。トランジスタT2のソースは、トラ
ンジスタT1のゲートに接続されている。保持キャパシタCは、トランジスタT1のソー
スとゲートとの間に接続されている。トランジスタT3のドレインは、データ線4に接続
されている。有機EL素子1は、トランジスタT4のドレインと電源電位VDDとの間に
接続されている。トランジスタT2,T3のゲートは、第1のサブゲート線2に共通に接
続されている。また、トランジスタT4のゲートは、第2のサブゲート線3に接続されて
いる。
トランジスタT2,T3は、保持キャパシタCに電荷を蓄積する際に使用されるスイッ
チングトランジスタである。トランジスタT4は、有機EL素子1の発光期間においてオ
ン状態に保たれるスイッチングトランジスタであると同時に、プログラミング期間Tpr
において有機EL素子1の電流経路を遮断する電流遮断手段としても機能する。また、ト
ランジスタT1は、有機EL素子1に流れる電流値を制御するための駆動トランジスタで
ある。トランジスタT1の電流値は、保持キャパシタCに保持される電荷量(蓄積電荷量
)によって制御される。
図3(b)は、図3(a)の画素回路の動作を示すタイミングチャートであるが動作原
理は図2(a)の画素回路と同様であるので説明は省略する。なお、図3(a)の画素回
路は、プログラミング期間Tprにおいて、Idataの電流経路に有機EL素子1が含
まれない点で図2(a)の画素回路と異なっている。この点は、Idataの駆動負荷軽
減に効果を発揮する。
図11(a)は、第1実施形態における別の画素回路例である。図11(a)における
トランジスタT1のドレインは電源電位VDDに接続されている。また、トランジスタT
1のソースは、トランジスタT3のドレインと、トランジスタT4のドレインと、にそれ
ぞれ接続されている。トランジスタT2のドレインは、電源電位VDDに接続されている
。トランジスタT2のソースは、トランジスタT1のゲートに接続されている。保持キャ
パシタCは、トランジスタT1のソースとゲートとの間に接続されている。トランジスタ
T3のソースは、データ線4に接続されている。有機EL素子1は、トランジスタT4の
ソースと接地電位VSSとの間に接続されている。トランジスタT2,T3のゲートは、
第1のサブゲート線2に共通に接続されている。また、トランジスタT4のゲートは、第
2のサブゲート線3に接続されている。
トランジスタT2,T3は、保持キャパシタCに電荷を蓄積する際に使用されるスイッ
チングトランジスタである。トランジスタT4は、有機EL素子1の発光期間においてオ
ン状態に保たれるスイッチングトランジスタであると同時に、プログラミング期間Tpr
において有機EL素子1の電流経路を遮断する電流遮断手段である。また、トランジスタ
T1は、有機EL素子1に流れる電流値を制御するための駆動トランジスタである。トラ
ンジスタT1の電流値は、保持キャパシタCに保持される電荷量(蓄積電荷量)によって
制御される。
図11(b)は、図11(a)の画素回路の動作を示すタイミングチャートであるが動
作原理は図2(a)の画素回路と同様であるので説明は省略する。なお、図11(a)の
画素回路は、プログラミング期間Tprにおいて、Idataの電流経路に有機EL素子
1が含まれない点で図2(a)の画素回路と異なっている。この点は、Idataの駆動
負荷軽減に効果を発揮する。
図15(a)は、第1実施形態における別の画素回路例である。トランジスタT1のソ
ースは有機EL素子1に接続されている。また、トランジスタT1のドレインは、トラン
ジスタT4を介して電源電位VDDに接続されている。トランジスタT2のドレインは、
トランジスタT3のソースと、トランジスタT4のソースと、トランジスタT1のドレイ
ンと、にそれぞれ接続されている。トランジスタT2のソースは、トランジスタT1のゲ
ートに接続されている。トランジスタT10のドレインは、トランジスタT1のソースと
、有機EL素子1の陽極と、にそれぞれ接続されている。また、トランジスタT10のソ
ースは、有機EL素子1の陰極と、接地電位VSSと、にそれぞれ接続されている。保持
キャパシタCは、トランジスタT1のソースとゲートとの間に接続されている。トランジ
スタT3のドレインは、データ線4に接続されている。有機EL素子1は、トランジスタ
T1のソースと接地電位VSSとの間に接続されている。トランジスタT2,T3,T1
0のゲートは、第1のサブゲート線2に共通に接続されている。また、トランジスタT4
のゲートは、第2のサブゲート線3に接続されている。
トランジスタT2,T3は、保持キャパシタCに電荷を蓄積する際に使用されるスイッ
チングトランジスタである。トランジスタT4は、有機EL素子1の発光期間においてオ
ン状態に保たれるスイッチングトランジスタである。また、トランジスタT1は、有機E
L素子1に流れる電流値を制御するための駆動トランジスタである。トランジスタT1の
電流値は、保持キャパシタCに保持される電荷量(蓄積電荷量)によって制御される。な
お、トランジスタT10はプログラミング期間Tprにおいて有機EL素子1の陽極と陰
極とを短絡させる短絡手段として機能する。
図15(b)は、図15(a)画素回路の動作を示すタイミングチャートであるが動作
原理は図2(a)の画素回路と同様であるので説明は省略する。なお、図15(a)の画
素回路では、プログラミング期間TprにおいてトランジスタT10がオン状態となるた
め、有機EL素子1の陽極と陰極とが短絡され、図2(a)に比べてIdata電流経路
の総抵抗が小さくなる。これにより、Idataの駆動負荷が軽減される。
ここで、図2(a)、図3(a)、図11(a)、及び、図15(a)に示す画素回路
101は、データ信号としてプログラミング電流Idataを用いている。さらに、画素
回路101に含まれるトランジスタの極性がすべて統一されている。そのため、有機EL
素子1の制御の高精度化が実現でき、さらに、異なる極性のトランジスタを組み合わせる
よりも製造プロセスの簡素化や製造歩留まりの向上が期待できる。
また、図2(a)、図3(a)、図11(a)、及び、図15(a)に示す画素回路1
01に含まれるトランジスタの極性はすべてすべてN型のトランジスタとなっている。そ
のため、N型のトランジスタしか用いることができない製造プロセスにおいても、これら
の画素回路が実現できる。したがって、トランジスタの製造プロセスにおける制約条件が
少なくなることになり製造費用の削減が期待できる。
また、図2(a)、図11(a)、及び、図15(a)の場合、画素回路101に含ま
れる有機EL素子1の陰極が複数の画素回路101間で共通接続されている。そのため、
有機EL素子1の製造において、陰極を共通化しなければならない製造プロセスにおいて
も、これらの回路が実現できる。したがって、有機ELの製造プロセスにおける制約条件
が少なくなることになり製造費用の削減が期待できる。また、図3(a)及び図11(a
)に示す画素回路101は、プログラミング期間Tprにおいて、Idataの電流経路
に有機EL素子1が含まれない構成である。一般に、有機EL素子1は所定の抵抗値を持
っており、その抵抗値はトランジスタのオン抵抗に比べて非常に大きな値となる場合があ
る。図3(a)及び図11(a)に示す画素回路はIdataの電流経路に有機EL素子
1が含まれないので、電流経路の総抵抗を小さくできる。これは、図15(a)にも同様
に当てはまることであり、これらの画素回路を用いれば、Idataの電流経路の両端に
かける電圧を低電圧化できる。同時に、Idataのプログラムにかかる時間の短縮が可
能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。図4(a)は、第2実施形態における電気光学装置に
設けられる画素回路と特性調整回路の回路図である。図4(a)における画素回路101
は第1実施形態を示した図2(a)と同一の構成になっている。
特性調整回路102は画素回路101に含まれるトランジスタのうち、少なくともトラ
ンジスタT1に対して機能する回路である。特性調整回路102は電源電位VRFと、ス
イッチとして機能する第5のトランジスタT5と、トランジスタT5のオン/オフを制御
する信号RFと、を含んでいる。トランジスタT5はN型でありトランジスタT5のゲー
トは信号RFに、ソースはデータ線4に、ドレインは電源電位VRFに、それぞれ接続さ
れている。なお、電源電位VRFは接地電位VSS以下の電圧となるよう設定されている
。また同時に、信号RF、及び、第1のサブゲート信号2、及び、第2のサブゲート信号
3のLレベルは電源電位VRF以下に設定される。これにより、トランジスタT2,T3
,T4,T5を確実なオフ状態に設定できるようになる。
図4(b)は、図4(a)回路の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、第
1のサブゲート線2の電圧値sel1と、第2のサブゲート線3の電圧値sel2と、デ
ータ線4の電流値Idataと、有機EL素子1に流れる電流値IELと、信号RFの電
圧値と、が示されている。
駆動周期Tcは、プログラミング期間Tprと発光期間Telと調整期間Trfとを含
んでいる。ここで、「駆動周期Tc」と「プログラミング期間Tpr」は、第1の実施の
形態と同様であるが、新たに「調整期間Trf」が加わっている。調整期間Trfは特性
調整回路102が画素回路101に対して影響を与える期間である。
図4(a)の回路動作を説明する。プログラミング期間Tprで、トランジスタT1の
ゲート/ソース間に電流値Idataに応じた電圧が保持キャパシタCに記憶される。次
に、発光期間Telで有機EL素子1にプログラミング電流値Idataとほぼ同じ電流
が流れ、この電流値Idataに応じた階調で発光する。プログラミング期間Tprから
発光期間Telまでは、トランジスタT5がオフ状態に設定されているため、特性調整回
路102は画素回路101に対して影響を及ぼさない。その後、調整期間TrfではId
ataが停止し、トランジスタT2,T3,T5がすべてオン状態となり、トランジスタ
T1のゲートが電源電位VRFとなる。このとき、図4(a)のノードqは有機EL素子
1を介して接地電位VSSと接続されているので、ノードqの電位は接地電位VSS以上
の値になっている。トランジスタT1のゲート、及び、ノードpは接地電位VSS以下の
電位である電源電位VRFに設定されているので、結果としてトランジスタT1はオフ状
態となる。トランジスタT1がオフ状態であるので、有機EL素子1は発光しないことに
なる。
ここで、電源電位VRFを接地電位VSSより低い電位にした場合、ノードpとノード
qにおける電位の大小関係は、プログラミング期間Tpr及び発光期間Telでは、ノー
ドpの電位>ノードqの電位、であるのに対し、調整期間Trfでは、ノードpの電位<
ノードqの電位、となり、電位の大小関係が逆転することになる。すなわち、トランジス
タT1のソース/ドレインが入れ替わることになる。例えば、画素回路101内のトラン
ジスタT1がアモルファスシリコントランジスタの場合、トランジスタT1を継続的に直
流状態で使用すると、一般的に閾値電圧がシフトしてしまう。これを防ぐ方法としては、
トランジスタのソース/ドレインを入れ替える方法やトランジスタを定期的にオフ状態に
設定する方法、等が知られている。図4(a)の回路によれば、トランジスタT1をアモ
ルファスシリコントランジスタで構成した際に、トランジスタT1のソース/ドレインが
入れ替わる駆動のため、閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
図5(a)は、第2実施形態における電気光学装置に設けられる別の回路例である。図
5(a)の回路は、電位固定回路103以外の部分については図4(a)と同様の構成に
なっている。
電位固定回路103は画素回路101の所定ノードを電位固定する回路である。電位固
定回路103はスイッチとして機能する第6のトランジスタT6を備え、トランジスタT
6のゲートには接地電位VSSが供給されている。トランジスタT6はN型でありトラン
ジスタT6のソース、及び、ドレインはトランジスタT1のソース、及び、ドレインに接
続されている。なお、図5(a)回路の場合、電源電位VRFは、接地電位VSSよりも
トランジスタT6の閾値電圧Vth(T6)だけ低い電位以下となるよう設定されている
。また、図4(a)同様、信号RF、及び、第1のサブゲート信号2、及び、第2のサブ
ゲート信号3のLレベルは電源電位VRF以下に設定される。これにより、トランジスタ
T2,T3,T4,T5を確実なオフ状態に設定できるようになる。なお、本明細書では
、電位固定回路103が特性調整回路102の一部であるとして説明する。
図5(b)は、図5(a)回路の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、第
1のサブゲート線2の電圧値sel1と、第2のサブゲート線3の電圧値sel2と、デ
ータ線4の電流値Idataと、有機EL素子1に流れる電流値IELと、信号RFの電
圧値と、が示されている。図4(a)同様、駆動周期Tcは、プログラミング期間Tpr
と発光期間Telと調整期間Trfとを含んでいる。ここで、「駆動周期Tc」と「プロ
グラミング期間Tpr」は、図4(a)の回路と同様であるが、「調整期間Trf」の動
作は図4(a)の回路と異なっている。
図5(a)の回路動作を説明する。プログラミング期間Tprで、トランジスタT1の
ゲート/ソース間に電流値Idataに応じた電圧が保持キャパシタCに記憶される。次
に、発光期間Telで有機EL素子1にプログラミング電流値Idataとほぼ同じ電流
が流れ、この電流値Idataに応じた階調で発光する。プログラミング期間Tprから
発光期間Telまでは、トランジスタT5がオフ状態に設定されている。また、トランジ
スタT6のゲート電位はノードp、及び、ノードqの電位以下であるためトランジスタT
6がオフ状態になっている。そのため、電位固定回路103を含めた特性調整回路102
は画素回路101に対して影響を及ぼさない。その後、調整期間TrfではIdataが
停止し、トランジスタT2,T3,T5がすべてオン状態となり、トランジスタT1のゲ
ートが電源電位VRFとなる。このとき、図5(a)のノードpはVSS−Vth(T6
)以下の電位である電源電位VRFに設定されているので、トランジスタT6がオン状態
となり、ノードqが電源電位VRFに設定される。この状態ではトランジスタT1のゲー
ト,ソース,ドレインがすべて電源電位VRFになるのでトランジスタT1はオフ状態と
なる。また、ノードqがVSS−Vth(T6)以下の電位である電源電位VRFに設定
されているので有機EL素子1は逆バイアス状態となり、発光しないことになる。
ここで、トランジスタT6のオン抵抗を考慮すると、ノードpの電位はノードqの電位
よりも低くなるはずである。したがって、ノードpとノードqにおける電位の大小関係は
、プログラミング期間Tpr及び発光期間Telでは、ノードpの電位>ノードqの電位
、であるのに対し、調整期間Trfでは、ノードpの電位<ノードqの電位、となり、図
4(a)の回路同様、電位の大小関係が逆転することになる。これにより、例えば、画素
回路101内のトランジスタT1をアモルファスシリコントランジスタで構成した際に、
トランジスタT1の閾値電圧シフトを回復させることが可能となる。
図4(a)の回路と異なっているのは、ノードqが電源電位VRFに固定される点であ
る。図4(a)回路の場合、ノードqがフローティング状態になっているので、トランジ
スタT1に対して、ノードpの電位<ノードqの電位、と確実に設定できないのに対し、
図5(a)回路の場合、ノードqが電源電位VRFになっているので、トランジスタT1
に対して、ノードpの電位<ノードqの電位、と確実に設定できる。そのため、トランジ
スタT1をアモルファスシリコントランジスタで構成した際に、図4(a)回路に比べて
図5(a)回路の方が、トランジスタT1の閾値電圧シフトを回復させる効果が大きいと
考えられる。
図6(a)は、第2実施形態における電気光学装置に設けられる別の回路例である。図
6(a)の回路は、図4(a)の回路に対して特性調整回路102の構成が変更されてい
る。また、図5(a)の回路とは異なり電位固定手段103が、そのまま特性調整回路1
02になっている。
電位固定回路103は図5(a)の回路同様、画素回路101の所定ノードを電位固定
する回路である。電位固定回路103は電源電位VRFと、スイッチとして機能する第7
のトランジスタT7と、トランジスタT7のオン/オフを制御する信号RFと、を含んで
いる。トランジスタT7はN型でありトランジスタT7のゲートは信号RFに、ドレイン
はトランジスタT1のゲートに、ソースは電源電位VRFに、それぞれ接続されている。
図6(b)は、図6(a)回路の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、第
1のサブゲート線2の電圧値sel1と、第2のサブゲート線3の電圧値sel2と、デ
ータ線4の電流値Idataと、有機EL素子1に流れる電流値IELと、信号RFの電
圧値と、が示されている。図4(a)、図5(a)同様、駆動周期Tcは、プログラミン
グ期間Tprと発光期間Telと調整期間Trfとを含んでいる。ここで、「駆動周期T
c」と「プログラミング期間Tpr」は、図4(a)の回路と同様であるが、「調整期間
Trf」の動作は図4(a)、図5(a)の回路と異なっている。
図6(a)の回路動作を説明する。プログラミング期間Tprで、トランジスタT1の
ゲート/ソース間に電流値Idataに応じた電圧が保持キャパシタCに記憶される。次
に、発光期間Telで有機EL素子1にプログラミング電流値Idataとほぼ同じ電流
が流れ、この電流値Idataに応じた階調で発光する。プログラミング期間Tprから
発光期間Telまでは、トランジスタT7がオフ状態に設定されているため、特性調整回
路102は画素回路101に対して影響を及ぼさない。その後、調整期間Trfではトラ
ンジスタT2,T3がオフ状態、トランジスタT7がオン状態となるので、トランジスタ
T1のゲートが電源電位VRFに設定される。電源電位VRFを十分低い電圧に設定すれ
ば、トランジスタT1はオフ状態となり、有機EL素子1は発光しないことになる。
ここで、プログラミング期間Tpr及び発光期間Telでは、トランジスタT1がオン
状態であるのに対し、調整期間Trfでは、トランジスタT1がオフ状態となり、トラン
ジスタT1がオンとオフの両方の状態を持つことになる。これにより、例えば、トランジ
スタT1をアモルファスシリコントランジスタで構成した際に、トランジスタT1の閾値
電圧シフトを回復させることが可能となる。また、電源電位VRFを調整することにより
、トランジスタT1オフのバイアス状態を調節できるので、例えば、トランジスタT1の
ゲートをソースよりも低い電圧に設定することにより、閾値電圧シフトの効果的な回復が
期待できる。
次に、第1実施形態における図3(a)回路を元にして第2実施形態を実現した回路を
図7(a)、図8(a)、図9(a)に示す。図7(a)は図4(a)に対応し、図8(
a)は図5(a)に対応し、図9(a)は図6(a)に対応する。なお、図8(a)の回
路については、図5(a)におけるトランジスタT5と電源電位VRFが削除されている
。これは、トランジスタT5と電源電位VRFがなくとも図5(a)と同等の効果が得ら
れるためである。
図7(a)、図8(a)、図9(a)のタイミングチャートを、それぞれ、図7(b)
、図8(b)、図9(b)に示す。図7(a)、図8(a)、図9(a)の基本的な回路
動作は、図4(a)、図5(a)、図6(a)と同様であるので説明は省略するが、図4
(a)、図5(a)、図6(a)と同等の効果が期待できる。
次に、第1実施形態における図11(a)回路を元にして第2実施形態を実現した回路
を図12(a)、図13(a)、図14(a)に示す。図12(a)は図4(a)に対応
し、図13(a)は図5(a)に対応し、図14(a)は図6(a)に対応する。なお、
図13(a)の回路については、図5(a)におけるトランジスタT5と電源電位VRF
が削除されている。これは、トランジスタT5と電源電位VRFがなくとも図5(a)と
同等の効果が得られるためである。
図12(a)、図13(a)、図14(a)のタイミングチャートを、それぞれ、図1
2(b)、図13(b)、図14(b)に示す。図12(a)、図13(a)、図14(
a)の基本的な回路動作は、図4(a)、図5(a)、図6(a)と同様であるので説明
は省略するが、図4(a)、図5(a)、図6(a)と同等の効果が期待できる。
次に、第1実施形態における図15(a)回路を元にして第2実施形態を実現した回路
を図16(a)、図17(a)、図18(a)に示す。図16(a)は図4(a)に対応
し、図17(a)は図5(a)に対応し、図18(a)は図6(a)に対応する。なお、
図17(a)の回路については、図5(a)におけるトランジスタT5と電源電位VRF
が削除されている。これは、トランジスタT5と電源電位VRFがなくとも図5(a)と
同等の効果が得られるためである。
図16(a)、図17(a)、図18(a)のタイミングチャートを、それぞれ、図1
6(b)、図17(b)、図18(b)に示す。図16(a)、図17(a)、図18(
a)の基本的な回路動作は、図4(a)、図5(a)、図6(a)と同様であるので説明
は省略するが、図4(a)、図5(a)、図6(a)と同等の効果が期待できる。
上述した各実施例では、有機EL素子を用いた電気光学装置の例を説明したが、本発明
は、有機EL素子以外の発光素子を用いた電気光学装置や表示装置にも適用可能である。
例えば、駆動電流に応じて発光の階調が調整可能な他の種類の発光素子(LEDやFED
など)を有する装置にも適用することができる。
本発明における単位回路マトリクスを示す概略図。 本発明の第1実施形態を示す回路図とそのタイミング図の一例。 本発明の第1実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図とそのタイミング図の一例。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図の一例。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 従来の画素回路を示す回路図とそのタイミング図の一例。 本発明の第1実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第1実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。 本発明の第2実施形態を示す回路図の変型例とそのタイミング図。
符号の説明
1,11…有機EL素子、2…第1のサブゲート信号、3…第2のサブゲート信号、4
,13…データ線、12…ゲート線、101,201…画素回路、102…特性調整回路
、103…電位固定回路、1000…単位回路マトリクス。

Claims (5)

  1. 複数のゲート線と、
    複数のデータ線と、
    前記複数のゲート線と前記複数のデータ線との各交差に対応して設けられた複数の画素回路とを備えた電気光学装置であって、
    前記画素回路は、陽極と陰極を有する発光素子と前記発光素子を駆動する駆動トランジスタとを含み、
    前記駆動トランジスタは、第1ノードと第2ノードとに接続され、
    前記発光素子が発光する発光期間では、前記第1ノードの電位と前記第2ノードの電位の高低関係を逆転させる特性調整回路によって、前記第1ノードの電位は、前記第2ノードの電位より高く設定され、前記駆動トランジスタがオン状態となって前記発光素子に発光用の駆動電流が供給され、
    前記発光期間経過後に位置する調整期間では、前記特性調整回路によって、前記第1ノードの電位は、前記第2ノードの電位より低く設定され、前記駆動トランジスタがオフ状態となって前記発光素子発光せず、
    前記調整期間では、前記駆動トランジスタのゲートの電位は、前記駆動トランジスタのゲートに接続されたスイッチングトランジスタによって、前記駆動トランジスタをオフ状態にする電位に固定され、前記駆動トランジスタの閾値電圧のシフトを回復させることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項に記載の電気光学装置において、
    前記駆動トランジスタを含め、前記画素回路に含まれる複数のトランジスタの極性がすべてN型であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1または2に記載の電気光学装置において、
    前記発光素子の陰極が複数の前記画素回路間で共通接続されることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記駆動トランジスタはアモルファスシリコントランジスタであることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする電気光学装置。
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