JP4856981B2 - 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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これに伴い液晶表示装置において、色味、コントラスト、及びそれらの視角依存性改良に用いられる光学補償部材に対しても光学補償能のさらなる向上が求められている。
VAモード用の液晶表示装置用の光学補償フィルムとしてはAプレートとCプレートを組み合わせたものが特にコントラスト視野角の改善効果が高いことが知られている。
さらに特許文献1には面内レターデーションと厚み方向レターデーションの波長分散が異なるポリマーフィルムで光学補償をおこなうことにより、コントラストをさらに向上させ、且つ黒表示での色味をグレーに近づける技術が開示されている。
しかし、この方法では色味視野角の改良効果が不十分であり、特に高温高湿下で長時間表示した場合、色味変化が大きくなるという問題を有しており、改善が求められていた。
更に本発明の他の目的は、上記光学補償シートを具備した偏光板および液晶表示装置を提供することである。
前記延伸ポリマーフィルムのレターデーションが下記式(G)〜(J)を満たすことを特徴とする光学補償シート。
30nm<Re(546)<150nm (A)
100nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
0.95<Re(480)/Re(546)<1.05 (G)
0.95<Re(628)/Re(546)<1.05 (H)
0.95<Rth(480)/Rth(546)<1.05 (I)
0.95<Rth(628)/Rth(546)<1.05 (J)
(但し、Re(λ)は、波長λにおける面内レターデーション(nm)であり、Rth(λ)は、波長λにおける厚み方向のレターデーション(nm)である。)
2)延伸ポリマーフィルムの遅相軸と液晶化合物を含有する光学異方性層の遅相軸が直交していることを特徴とする上記1)に記載の光学補償シート。
3)光学異方性層のレターデーションが下記式(K)〜(N)を満たすことを特徴とする上記1)又は2)に記載の光学補償シート。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (K)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (L)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (M)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (N)
(但し、Re(λ)は、波長λにおける面内レターデーション(nm)であり、Rth(λ)は、波長λにおける厚み方向のレターデーション(nm)である。)
4)延伸ポリマーフィルムの光弾性係数が5×10−13cm2/dyn(5×10−8cm2/N)以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の光学補償シート。
5)延伸ポリマーフィルムがシクロオレフィン系ポリマーフィルムであることを特徴とする上記1)〜4)のいずれかに記載の光学補償シート。
6)偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなる偏光板であって、少なくとも1枚の保護フィルムが上記1)〜5)のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
7)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1つの偏光板が上記6)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
8)該液晶セルがVAモードであることを特徴とする上記7)に記載の液晶表示装置。 本発明は、上記1)〜8)に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても記載している。
まず、本発明の延伸ポリマーフィルム(以下、特定位相差フィルムとも称する)について説明する。
<ポリマー材料>
本発明において延伸ポリマーフィルム形成に用いられるポリマーとしては、固有複屈折が小さく、かつ光弾性係数が小さいものが好ましい。
光弾性係数としては5×10-8cm2/N以下であることが好ましく、より好ましくは3×10-8cm2/N以下である。
上記を満たすポリマーの中でも、シクロオレフィン系ポリマーフィルムが特に好ましい。
<シクロオレフィン系ポリマーフィルム>
(シクロオレフィン系付加重合体)
本発明において、延伸ポリマーフィルム形成に使用されるシクロオレフィン系ポリマーは下記一般式(1)で表される構造単位(a)と下記一般式(2)で表される構造単位(b)を適度の比率で含む環状オレフィン系付加重合体が好ましい。
一般式(1)
一般式(3)
一般式(2)
一般式(4)
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、などが挙げられる。これらの「特定の単量体(B)」は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明で用いられる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、未架橋の状態で180〜450℃、好ましくは200〜400℃である。該重合体のガラス転移温度が180℃未満では耐熱性が不十分で、一方、450℃を超えるとフィルムとして靭性がなく割れやすいものとなることがある。
1)−1 ニッケル化合物、コバルト化合物:以下に挙げる群から選ばれた少なくとも1種の化合物、ニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩、有機亜リン酸塩、有機リン酸塩、有機スルホン酸塩、β−ジケトン化合物などから選ばれた化合物。例えば、2−エチルヘキサン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、オレイン酸ニッケル、ドデカン酸ニッケル、ドデカン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ドデシルベンゼンスルホン酸ニッケル、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル、ビス(エチルアセトアセテート)ニッケルなど。・上記のニッケルの有機カルボン酸塩を六フッ化アンチモン酸、四フッ化ホウ素酸、トリフロロ酢酸、六フッ化アセトンなどの超強酸で変性した化合物、・ニッケルのジエンもしくはトリエン配位錯体、例えば、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル]ヘキサフロロホスフェート、およびそのテトラフロロボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフロロメチル)]ボレート錯体、5,9−シクロドデカトリエン)ニッケル、ビス(ノルボルナジエン)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルなどのニッケル錯体、ニッケルにP、N、Oなどの原子を有する配位子が配位した錯体、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロライド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジブロマイド、ビス(トリフェニルホスフィン)コバルトジブロマイド、ビス[N−(3−t−ブチルサリシリデン)フェニルアミネート]ニッケル、Ni[PhC(O)CH](Ph)、Ni(OC(C6H4)PPh)(H)(PCy3)、Ni[OC(O)(C6H4)P](H)(PPh3)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルとPhC(O)CH=PPh3との反応物、6−(i−Pr)2C6H3N=CHC6H3(O)(Anth)](Ph)(PPh3)Niなどのニッケル錯体(ここで、Anthは9−anthracenyl、Phはphenyl、Cyはcyclohexylの略称である。)が挙げられる。
本発明にかかるシクロオレフィン系ポリマーとしては、下記一般式(5)及び(6)で表わされる繰り返し単位を有する開環重合体も好ましく用いることができる。
更に、R1 とR2 、R3 とR4またはR2 とR3 は、互いに結合して、単環構造若しくは他の環が縮合して多環構造を有する炭素環または複素環を形成していてもよく、形成される炭素環または複素環は芳香環であってもよいし非芳香環であってもよい。]
上記一般式(5)及び(6)のポリマーは下記の(イ)〜(ニ)に示す単量体の(共)重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)として合成される。
(イ)下記一般式(7)で表される化合物(以下、「特定の単量体D」ともいう。)の開環重合体。
(ロ)特定の単量体Dと、当該特定の単量体Dと共重合可能な化合物(以下、「共重合性単量体」ともいう。)との開環重合体。
(ハ)上記(イ)の開環重合体または(ロ)の開環重合体の水素添加物。
(ニ)上記(イ)の開環重合体または(ロ)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化して得られた化合物若しくはその水素添加物。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基などが挙げられる。
連結基としては、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基〔例えば、−(CH2 )q −(式中、qは1〜10の整数)で表されるアルキレン基〕;酸素原子、窒素原子、イオウ原子若しくはケイ素原子を含む連結基〔例えば、カルボニル基(−CO−)、オキシカルボニル基(−O(CO)−)、スルホン基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R9 8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5. 17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
また、一般式(9)において、nは0〜5の整数、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0である。nの値が小さいものほど得られる特定重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体aは、その合成が容易である点で好ましい。
更に、特定単量体aは、一般式(7)において、一般式(9)で表される極性基が結合した炭素原子に更にアルキル基が結合したものであることが好ましく、これにより、得られる特定重合体の耐熱性と吸水性のバランスを図ることができる。ここで、アルキル基の炭素原子数は1〜5であることが好ましく、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
特定の単量体Eの具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7 ]ウンデカ−9−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(α体およびβ体)、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−フェニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(2−ナフチルカルボニルオキシメチル)メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセニルカルボニルオキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−(9−アントラセニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
アセナフチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー付加体などを挙げることができるが、特定単量体eは、これらの化合物に限定されるものでなはい。また、これらの化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて特定単量体eとして用いることができる。
他の共重合性単量体としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20が好ましく、更に好ましくは5〜12である。更にポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖にオレフィン性不飽和結合を有する不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定の単量体Dおよび必要に応じて特定の単量体Eを重合させてもよく、このようにして得られる特定重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
また、特定重合体の分子量分布は、上記のMw/Mnが通常1.5〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは2.5〜5、特に好ましくは2.5〜4.5である。
単量体の開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
(b)成分の具体例としては、n−C4 H9 Li、( C2 H5)3Al 、( C2 H5 ) 2 AlCl、( C2 H5) 1.5 AlCl1.5 、( C2 H5 )AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、更に特開平1−240517号公報に記載の化合物を使用することができる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲である。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲である。
特定重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルである。
開環重合反応において用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素化合物類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸エステル類;ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、上記芳香族炭化水素類が好ましい。
溶媒の使用量としては、溶媒:特定単量体(重量比)が、通常1:1〜10:1となる量、好ましくは1:1〜5:1となる量である。
以上の開環重合により得られる開環共重合体は、そのまま特定重合体として使用することもできるが、当該開環共重合体において残留するオレフィン性不飽和結合を水素添加された水素添加物とすることが好ましい。
この水素添加物は、優れた熱安定性を有するものとなり、フィルム製膜加工時および延伸加工時、あるいは製品としての使用時において、加熱によってその特性が劣化しにくくなる。このような水素添加物において、オレフィン性不飽和結合に対する水素添加率は、50%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上である。また、水素添加に供される開環共重合体が分子内に芳香環を有するものである場合には、水素添加後において、当該芳香環が実質的に水素添加されていないことが好ましい。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属類を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
本発明においては、特定重合体よりなる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)などによりフィルムに成形することができるが、厚みの均一性が高く、表面平滑性が良好な加工前フィルムが得られる点で、溶剤キャスト法を利用することが好ましい。溶剤キャスト法としては、例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶媒に溶解または分散させることにより、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が適度の濃度で含有されてなるフィルム形成液を調製し、このフィルム形成液を適当なキャリヤー上に注ぐかまたは塗布し、これを乾燥した後、キャリヤーから剥離させる方法が挙げられる。
また、混合溶媒中に占める貧溶媒の割合は、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。また、貧溶媒の沸点と良溶媒の沸点との差は好ましくは1℃以上、更に好ましくは5℃以上、特に好ましくは10℃以上、最も好ましくは20℃以上であり、特に貧溶媒の沸点が良溶媒の沸点より高いことが好ましい。
また、得られる加工前フィルムの表面平滑性を向上させることを目的として、フィルム形成液にレベリング剤を添加してもよい。かかるレベリング剤としては、一般的なものであれは種々のものを用いることができ、その具体例としては、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
また、フィルム形成液を繰り返し塗布することにより、得られる加工前フィルムの厚みや表面平滑性を制御することもできる。
表面処理の方法としては、一般的に行われている親水化処理方法、例えばアクリル系樹脂やスルホン酸塩基含有樹脂をコーテイングやラミネートにより積層する方法、あるいは、コロナ放電処理等によりフィルム表面の親水性を向上させる方法等が挙げられる。
加工前フィルムの厚み分布は、平均値に対して通常±20%以内、好ましくは±10%以内、更に好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。加工前フィルムの厚み分布を上記の範囲内に制御することにより、当該加工前フィルムに対して延伸配向処理を行う際に、位相差ムラが発生することを防止することができる。
すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、円周の異なる二組のロールを利用する縦一軸延伸法等あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、更に好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。この時、延伸後のフィルムの屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、更に好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸倍率は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、更に好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が10倍以上であると、位相差の制御が困難になる場合がある。
寸法収縮率を上記範囲内にするためには、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の原料である、例えば特定単量体a、特定単量体bあるいはその他の共重合性単量体の選択に加え、キャスト方法や延伸方法によりコントロールすることが可能である。
なお、延伸配向処理を施していない状態の加工前フィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常5%以下、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
ここに、「輝点」とは、特定位相差フィルムをクロスニコル状態の偏光板に挟んで観察したときに肉眼で確認される部分的な光の漏れであり、通常外径1μm以上(円形のものであればその直径、その他の形状のものであれば長手方向の長さ)のものを計測する。
もちろん、要求される性能によっては、これよりも小さいものを輝点として計測する場合がある。また、かかる輝点は、微小領域における位相差の部分的なムラが原因と考えられている。すなわち、加工前フィルム中に異物や泡等が存在すると、それらが肉眼では確認できないような大きさであっても、延伸加工した際に、異物や泡等が存在する部分に応力が集中し、この応力が集中した部分の位相差が周辺部分の位相差と異なってしまうことがあり、係る位相差の違いにより光が漏れてしまうと考えられている。
ここでいう「異物」とは、特定位相差フィルムに光を透過させた場合に、実質的に光の透過を妨げるものである。このような異物が特定位相差フィルム中に存在する場合には、透過光強度に影響を与え、液晶表示素子等に用いた場合、画素抜けや特性の低下を招くおそれがある。
なお、計測すべき異物の大きさは、通常外径1μm以上(円形のものであればその直径、その他の形状のものであれば長手方向の長さ)であるが、要求される性能によっては、これよりも小さいものを異物として計測する場合がある。
以上の工程によって得られる本発明における延伸ポリマーフィルムのレターデーションは下記式(A1)、(B1)、(G)〜(J)の関係を満たすことが好ましい。
30nm<Re(546)<400nm (A1)
30nm<Rth(546)<400nm (B1)
0.95<Re(480)/Re(546)<1.05 (G)
0.95<Re(628)/Re(546)<1.05 (H)
0.95<Rth(480)/Rth(546)<1.05 (I)
0.95<Rth(628)/Re(546)<1.05 (J)
式(A1)はさらに好ましくは40nm<Re(546)<300nmであり、最も好ましくは40nm<Re(546)<200nmである。
式(B1)はさらに好ましくは50nm<Rth(546)<300nmであり、最も好ましくは70nm<Rth(546)<250nmである
式(G)はさらに好ましくは0.98<Re(480)/Re(546)<1.02である。
レターデーションの波長分散を上記範囲にすることにより、コントラスト及び色味の改良効果の大きい光学補償シートが得られる。
本発明にかかる延伸ポリマーフィルムの光弾性係数は5×10-8cm2/N以下が好ましく、4×10-8cm2/Nがより好ましく、さらに好ましくは3×10-8cm2/N(5×10-13cm2/dyn)ある。延伸ポリマーフィルムの光弾性係数を上記範囲とすることにより、偏光板に組み込まれた状態で高温高湿下にさらされた場合の光学補償フィルムのレターデーション変化を低減できるという効果を奏する。なお、延伸ポリマーフィルム上に光学異方性層を具備する本発明の光学補償フィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる際に、偏光子の両端に配置される2枚の保護フィルムの光弾性係数が互いに異なる場合は、液晶セル側に使用される保護フィルムの光弾性係数は空気側保護フィルムの光弾性係数より小さいことが好ましい。光弾性係数はエリプソメーター(島津製作所(製))により求めることができる。
透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に則り、各試料の透湿度を測定し、面積1m2あたり24時間で蒸発する水分量(g)として算出する。偏光板保護フィルムの透湿度は偏光板の耐久性と密接に関係したフィルム物性である。ポリビニルアルコールにヨウ素を染着した偏光子はヨウ素の脱色による偏光性能劣化を水分が促進することが知られている。偏光板製造時の乾燥による水分除去のためには透湿度を下げることが好ましいが、一方偏光板製造時は逆に透湿度が低いほうが外部からの水分の浸入が抑制され好ましい。
したがって、前記相反する要求を満たすため、偏光板保護フィルムは適度な透水度を有することが必要である。したがって、偏光板の保護フィルムとして偏光子と貼り付けられる延伸ポリマーフィルムの60℃90%RH24hrにおける透湿度は、1g/m2以上1000g/m2以下が好ましく、10g/m2以上700g/m2以下がさらに好ましい。
フィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は25℃80%RH温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明にかかる延伸ポリマーフィルムの25℃80%RHにおける平衡含水率は0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
本発明にかかる延伸ポリマーフィルムは偏光子、及び光学異方性層あるいは光学異方性層と本発明にかかる延伸ポリマーフィルムとの間に設けられる配向層、との密着の確保するため、表面が親水化処理されていることが好ましい。
表面処理方法としては、例えば特開2000-24167号、特開平10-130402号、特開2002-148436号、特開2002-90546号、特開2001-350017号の各公報に記載の接着層を設ける方法、また、特開2001-350018に記載のコロナ放電処理等の表面処理により親水性を付与することもできる。
次に本発明における光学異方性層について詳しく説明する。
本発明における光学異方性層は少なくとも1つの液晶性化合物を含むことが好ましい。液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物あるいは円盤状液晶性化合物であることが好ましい。
また、本発明における液晶性化合物は前記延伸ポリマーフィルムを構成するモノマーユニットよりも長波長側に吸収を有することが好ましい。これにより光学補償シートのレターデーションの波長分散を所望のパターンにコントロールすることができる。本発明における液晶性化合物の吸収極大の好ましい範囲は200nm以上370nm以下であり、さらに好ましくは220nm以上350nm以下であり、最も好ましくは240nm以上330nm以下である。吸収極大が長波長過ぎると吸収の裾が可視域にかかり光学補償シートが黄色味を帯びて好ましくない。
まず本発明における光学異方性層で使用する棒状液晶性化合物について説明する。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。低分子の液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることもできる。特に好ましく用いられる、低分子の重合性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記式(I)の棒状液晶性化合物である。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1,およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1,Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1または2である。
式(I)において、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−2:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−8:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基―O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−14:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−20:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基―O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
アルキレン基は,分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、ブタメチレン、1−メチル−ブタメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
R2は、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジンー2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジンー2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 の範囲にあることが好ましく、20乃至5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100乃至800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
本発明における光学異方性層は特定の界面活性を有する化合物により液晶化合物の平均傾斜角を調節することができる。
平均傾斜角を低下せしめる化合物としてはセルロースの低級脂肪酸エステル、含フッ素界面活性剤、または1,3,5-トリアジン環を有する化合物が上げられる。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルは、液晶性化合物の量の0.01乃至1重量%の量で使用する。
使用量は、液晶性化合物の量の0.1乃至1重量%であることが好ましく、0.3乃至0.9重量%であることがさらに好ましい。
複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。以下に、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基の例を示す。
式中、L5 は、(n+1)価の連結基であり;Pは、重合性基であり;そして、nは1乃至5の整数である。式(Rp)において、(n+1)価の連結基(L5 )は、アルキレン基、アルケニレン基、n+1価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1乃至30のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−および−SO2−からなる群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた連結基であることが好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。芳香族基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。式(Rp)のL5 の例を以下に示す。左側が式(III)のX1 、X2 またはX3に結合(X1、X2 またはX3 が単結合の場合は、1,3,5−トリアジン環に直結)し、右側が(L53〜L59ではn個の)重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基、Hcは二価のヘテロ環残基、ARは芳香族基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基、ヘテロ環残基および芳香族基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子)を有していてもよい。
L52:−AL−O−
L53:−AR(−O−AL−O−CO−)n
L54:−AR(−O−AL−O−)n
L55:−AR(−O−CO−AL−O−CO−)n
L56:−AR(−CO−O−AL−O−CO−)n
L57:−AR(−O−CO−AR−O−AL−O−CO−)n
L58:−AR(−NR−SO2 −AL−O−CO−)n
L59:−AR(−SO2 −NR−AL−O−CO−)n
TR−2:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−3:R31、R32:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−4:R31、R32:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
TR−5:R31:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−6:R31:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−7:R31、R32:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R33:-(CH2)12-CH3
TR−8:R31:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R32、R33:-(CH2)12-CH3
TR−9:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-EpEt
TR−10:R31、R32、R33:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−11:R31、R32:-(CH2)9-O-EpEt;R33:-(CH2)12-CH3
TR−12:R31、R32、R33:-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−13:R31、R32:-(CH2)9-O-CH=CH2;R33:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
TR−15:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−16:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−17:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−18:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−19:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−20:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−21:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−22:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−23:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−24:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−25:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−26:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−28:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−29:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−30:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R34、R35:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−31:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33、R34、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−32:X1、X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R33、R34、R35、R36:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−33:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−34:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−35:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−36:X1、X2:-O-;X3:-S-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−37:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−38:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−39:X1:-O-;X2、X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−41:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−42:X1、X2、X3:-S-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−43:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
TR−44:X1、X2、X3:-S-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−45:X1、X2、X3:-S-;R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−46:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
TR−47:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−48:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−49:X1、X2:-S-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−50:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−51:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−52:X1:-O-;X2:-NH-;X3:-S-;R31、R32、R33:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R35:-O-(CH2)11-CH3;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−54:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−55:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−56:X1、X2、X3:-O-;R31、R32、R34、R35、R37、R38:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
TR−57:X1、X2、X3:-O-;R31、R33、R34、R36、R37、R39:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−58:X1、X2、X3:-O-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
TR−59:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−60:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−61:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R37、R38:-O-(CH2)12-CH3
TR−62:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35:-O-(CH2)4-O-EpEt;R38:-O-CO-(CH2)11-CH3
TR−63:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R33:-O-(CH2)12-CH3;R35、R38:-O-(CH2)9-O-EpEt
TR−64:X1:-O-;X2、X3:-NH-;R31、R32:-O-(CH2)6-O-EpEt;R35、R38:-O-(CH2)11-CH3
TR−65:X1、X2:-O-;X3:-NH-;R32、R35、R38:-O-(CH2)9-O-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
EpEt:エポキシエチル
MM−2:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3MM−3:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−4:R44、R54、R64:-O-(CH2)9-CH3
MM−5:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−6:R43、R53、R63:-O-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−7:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−8:R44、R54、R64:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−9:R43、R53、R63:-O-CO-(CH2)15-CH3
MM−10:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3
MM−11:R42、R52、R62:-O-CH3;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−12:R42、R52、R62:-Cl;R43、R53、R63:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−13:R42、R52、R62:-O-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH-iso-C3H7
MM−14:R42、R52、R62:-Cl;R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−15:R42、R46、R52、R56、R62、R66:-Cl;R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)19-CH3
MM−16:R43、R54:-O-(CH2)9-CH3;R44、R53、R63、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−17:R44:-O-(CH2)11-CH3;R54:-O-(CH2)15-CH3;R64:-O-(CH2)17-CH3
MM−18:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-NH-CO-(CH2)14-CH3
MM−19:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-(CH2)3-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−20:R42、R52、R62:-NH-SO2-(CH2)15-CH3;R44、R45、R54、R55、R64、R65:-Cl
MM−21:R42、R43、R52、R53、R62、R63:-F;R44、R54、R64:-CO-NH-(CH2)15-CH3;R45、R46、R55、R56、R65、R66:-Cl
MM−22:R42、R52、R62:-Cl;R44、R54、R64:-CH3;R45、R55、R65:-NH-CO-(CH2)12-CH3
MM−23:R42、R52、R62:-OH;R44、R54、R64:-CH3;R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3
MM−24:R42、R45、R52、R55、R62、R65:-O-CH3;R44、R54、R64:-(CH2)11-CH3
MM−25:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)11-CH3
MM−26:R42、R52、R62:-S-(CH2)11-CH3;R45、R55、R65:-SO2-NH2
MM−28:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
MM−29:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-(CH2)7-O-CO-CH=CH2
MM−30:R44、R54、R64:-CO-O-(CH2)12-O-CO-C(CH3)=CH2
MM−31:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-CO-p-Ph-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−32:R42、R44、R52、R54、R62、R64:-NH-SO2-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;R45、R55、R65:-Cl
MM−33:R42、R52、R62:-NH-SO2-CH3;R45、R55、R65:-CO-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−34:R44、R54、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−36:R44、R54、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−37:R43、R44、R53、R54、R63、R64:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−38:R43、R45、R53、R55、R63、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−39:R43、R44、R45、R53、R54、R55、R63、R64、R65:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−40:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−41:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−42:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-(CH2)12-CH3
MM−43:R44、R54:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R63、R64:-O-CO-(CH2)11-CH3
MM−44:R43、R45:-O-(CH2)12-CH3;R54、R64:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
MM−45:R43、R44:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
MM−46:R43、R44、R45:-O-(CH2)6-O-CO-CH=CH2;R54、R64:-O-(CH2)11-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
p-Ph:p−フェニレン
MM−48:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)17-CH3
MM−49:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−50:R45、R55、R65:-O-(CH2)17-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-CH3
MM−51:R43、R53、R63:-O-(CH2)15-CH3
MM−52:R41、R51、R61:-O-(CH2)17-CH3
MM−53:R46、R56、R66:-SO2-NH-Ph;R48、R58、R68:-O-(CH2)11-CH3
MM−54:R45、R55、R65:-O-(CH2)21-CH3;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−55:R41、R51、R61:-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−56:R46、R48、R56、R58、R66、R68:-SO2-NH-(CH2)7-CH3
MM−57:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)10-O-CO-CH=CH2;R48、R58、R68:-O-(CH2)12-CH3
MM−58:R45、R55、R65:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2;R47、R57、R67:-SO2-NH-Ph
MM−59:R43、R53、R63:-O-(CH2)16-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
Ph:フェニル
p-Ph:p−フェニレン
MM−61:R42、R52、R62:-O-(CH2)17-CH3
MM−62:R44、R54、R64:-O-(CH2)15-CH3
MM−63:R45、R55、R65:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−64:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;R44、R54、R64:-OH
MM−65:R45、R55、R65:-O-(CH2)15-CH3;R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−66:R47、R57、R67:-O-(CH2)21-CH3
MM−67:R44、R54、R64:-O-p-Ph-(CH2)11-CH3
MM−68:R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)15-CH3
MM−69:R43、R53、R63:-CO-NH-(CH2)17-CH3;R44、R54、R64:-O-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−70:R45、R55、R65:-O-(CH2)8-O-CO-CH=CH2;R46、R56、R66:-SO2-NH-(CH2)11-CH3
MM−71:R43、R46、R53、R56、R63、R66:-SO2-NH-(CH2)8-0-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
p-Ph:p−フェニレン
MM−73:R41、R43、R45:-C2H5
MM−74:R41、R43:-C2H5;R45:-CH3
MM−75:R41、R43、R45:-(CH2)3-CH3
MM−77:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
MM−78:R42、R44:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−79:R42、R44:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
MM−80:R42:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−81:R42:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−82:R42、R44:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R46:-(CH2)12-CH3
MM−83:R42:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2 ;R44、R46:-(CH2)12-CH3
MM−84:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-EpEt
MM−85:R42、R44、R46:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt
MM−86:R42、R44:-(CH2)9-O-EpEt;R46:-(CH2)12-CH3
MM−87:R42、R44、R46:-(CH2)9-O-CH=CH2
MM−88:R42、R44:-(CH2)9-O-CH=CH2;R46:-(CH2)12-CH3
(註)EpEt:エポキシエチル
MM−90:R41、R43、R45:-CH3;R42、R44、R46:-(CH2)17-CH3
MM−91:R41、R42、R43、R44:-(CH2)7-CH3;R45、R46:-(CH2)5-CH3
MM−92:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-CyHx
MM−93:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)2-O-C2H5
MM−94:R41、R43、R45:-CH 3;R42、R44、R46:-(CH2)12-O-CO-CH=CH2
MM−95:R41、R42、R43、R44、R45、R46:-(CH2)8-O-CO-CH=CH2
(註)CyHx:シクロヘキシル
CO−2:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−3:R72:-H;R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−4:R72:-H;R81、R82:-O-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−5:R72:-H;R81、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−6:R72:-H;R81、R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−7:R72:-CH3;R82:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−8:R72:-(CH2)11-CH3;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−9:R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−10:R72:-(CH2)9-O-CO-EpEt;R82:-O-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
CO−11:R72:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R81、R83:-O-(CH2)12-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
EpEt:エポキシエチル
CO−13:R82、R83:-O-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
CO−15:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-H
CO−16:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−17:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-CH3
CO−18:R71:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−19:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-Ph
CO−20:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−21:R71:-(CH2)4-O-CO-CH=CH2;R72:-(CH2)12-CH3
CO−22:R71:-(CH2)9-O-EpEt;R72:-H
CO−23:R71:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-EpEt;R72:-H
CO−24:R71、R72:-(CH2)9-O-EpEt
CO−25:R71、R72:-(CH2)9-O-CO-CH=CH2
CO−26:R71、R72:-(CH2)4-CH=CH-(CH2)4-O-CO-CH=CH2
(註)Ph:フェニル
EpEt:エポキシエチル
MP−2:R71:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−3:R71、R72:-CH3;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−4:R71:-Ph;R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)8-CH3
MP−5:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−6:R73、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−7:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−8:R73、R76:-CH2-NH-CO-C2H5;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)16-CH3;R75:-CH2-OH
MP−9:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−10:R73、R76:-CH2-O-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−11:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-O-CH3
MP−12:R73、R76:-CH2-O-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R74:-CH2-NH-CO-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3;R75:-CH2-OH
MP−13:R73、R74、R75、R76:-CH2-O-(CH2)11-O-CO-CH=CH2
MP−14:R73、R75、R76:-CH2-NH-CO-CH=CH2;R74:-CH2-O-(CH2)16-CH3
(註)定義のないR:無置換(水素原子)
Ph:フェニル
本発明にかかる光学異方性層は含フッ素界面活性剤の添加により液晶性化合物を安定かつ均一に配向させることができる。
本発明で用いられる含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式(II)で表わされる。
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素残基であり;L3 は、単結合または二価の連結基であり;そして、Hyは親水性基である。式(II)のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素残基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。炭化水素残基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素残基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)で置換されていてもよい。Rfの例を以下に示す。
Rf2:n−C6 F13−
Rf3:Cl−(CF2 −CFCl)3 −CF2 −
Rf4:H−(CF2 )8 −
Rf5:H−(CF2 )10−
Rf6:n−C9 F19−
Rf7:ペンタフルオロフェニル
Rf8:n−C7 F15−
Rf9:Cl−(CF2 −CFCl)2 −CF2 −
Rf10:H−(CF2 )4 −
Rf11:H−(CF2 )6 −
Rf12:Cl−(CF2 )6 −
Rf13:C3 F7 −
L31:−SO2 −NR−
L32:−AL−O−
L33:−CO−NR−
L34:−AR−O−
L35:−SO2 −NR−AL−CO−O−
L36:−CO−O−
L37:−SO2 −NR−AL−O−
L38:−SO2 −NR−AL−
L39:−CO−NR−AL−
L40:−AL1 −O−AL2 −
L41:−Hc−AL−
L42:−SO2 −NR−AL1 −O−AL2 −
L43:−AR−
L44:−O−AR−SO2 −NR−AL−
L45:−O−AR−SO2 −NR−
L46:−O−AR−O−
Hy2:−(CH2 CH2 O)n −R1(nは5乃至30の整数、R1 は炭素原子数が1乃至6のアルキル基)
Hy3:−(CH2 CHOHCH2 )n −H(nは5乃至30の整数)
Hy4:−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy5:−SO3 M(Mは水素原子、アルカリ金属原子または解離状態)
Hy6:−(CH2 CH2 O)n −CH2 CH2CH2 −SO3 M(nは5乃至30の整数、Mは水素原子またはアルカリ金属原子)
Hy7:−OPO(OH)2
Hy8:−N+ (CH3 )3 ・X- (Xはハロゲン原子)
Hy9:−COONH4
FS−2:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−3:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−4:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−5:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=6)
FS−6:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=11)
FS−7:Rf1−L31(R=C2 H5 )−Hy1(n=16)
FS−8:Rf1−L31(R=C2 H7 )−Hy1(n=21)
FS−9:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=6)
FS−10:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=11)
FS−11:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=16)
FS−12:Rf2−L31(R=C3 H7 )−Hy1(n=21)
FS−13:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−14:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−15:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−16:Rf3−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−17:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=7)
FS−18:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=13)
FS−19:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=19)
FS−20:Rf4−L33(R=C3 H7 )−Hy1(n=25)
FS−21:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=11)
FS−23:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−24:Rf5−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−25:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=11)
FS−26:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=17)
FS−27:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=23)
FS−28:Rf6−L34(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=29)
FS−29:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−30:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=30)
FS−31:Rf1−L35(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy1(n=40)
FS−32:Rf1−L36−Hy1(n=5)
FS−33:Rf1−L36−Hy1(n=10)
FS−34:Rf1−L36−Hy1(n=15)
FS−35:Rf1−L36−Hy1(n=20)
FS−36:Rf7−L36−Hy1(n=8)
FS−37:Rf7−L36−Hy1(n=13)
FS−38:Rf7−L36−Hy1(n=18)
FS−39:Rf7−L36−Hy1(n=25)
FS−40:Rf1−L0−Hy1(n=6)
FS−42:Rf1−L0−Hy1(n=16)
FS−43:Rf1−L0−Hy1(n=21)
FS−44:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=7、R1 =C2H5 )
FS−45:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=13、R1 =C2H5)
FS−46:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=20、R1 =C2H5)
FS−47:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy2(n=28、R1 =C2H5)
FS−48:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=5)
FS−49:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=10)
FS−50:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=15)
FS−51:Rf8−L32(AL=CH2 )−Hy1(n=20)
FS−52:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=5)
FS−53:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=7)
FS−54:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=9)
FS−55:Rf1−L37(R=C3 H7 、AL=CH2CH2)−Hy3(n=12)
FS−56:Rf9−L0−Hy4(M=H)
FS−57:Rf3−L0−Hy4(M=H)
FS−58:Rf1−L38(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=K)
FS−59:Rf4−L39(R=C3 H7 、AL=CH2 )−Hy4(M=Na)
FS−61:Rf10−L40(AL1 =CH2 、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−62:Rf11−L40(AL1 =CH2、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−63:Rf5−L40(AL1 =CH2、AL2 =CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−64:Rf1−L38(R=C3 H7、AL=CH2CH2CH2)−Hy5(M=Na)
FS−65:Rf1−L31(R=C3 H7)−Hy6(n=5、M=Na)FS−66:Rf1−L31(R=C3H7 )−Hy6(n=10、M=Na)
FS−67:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=15、M=Na)
FS−68:Rf1−L31(R=C3 H7 )−Hy6(n=20、M=Na)
FS−69:Rf1−L38(R=C2 H5 、AL=CH2 CH2)−Hy7
FS−70:Rf1−L38(R=H、AL=CH2CH2CH2 )−Hy8(X=I)
FS−71:Rf11−L41(下記Hc、AL=CH2CH2CH2)−Hy6(Mは解離)
FS−73:Rf12−L0−Hy5(M=Na)
FS−74:Rf13−L43(AR=o-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−75:Rf13−L43(AR=m-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−76:Rf13−L43(AR=p-フェニレン)−Hy6(M=K)
FS−77:Rf6−L44(R=C2H5、AL=CH2CH2)−Hy5(M=H)
FS−78:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=9)
FS−79:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=14)
FS−80:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=19)
FS−81:Rf6−L45(AR=p-フェニレン、R=C2H5)−Hy1(n=28)
FS−82:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=5)
FS−83:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=10)
FS−84:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=15)
FS−85:Rf6−L46(AR=p-フェニレン)−Hy1(n=20)
配向膜は、光学異方性層に含まれる液晶性化合物の配向方向を決定する機能を有する。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア−ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
疎水性基は、炭素原子数が6以上の脂肪族基(好ましくは、アルキル基またはアルケニル基)または芳香族基が好ましい。
ポリビニルアルコールの主鎖末端に疎水性基を結合させる場合、疎水性基と主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2 −、−CS−およびそれらの組み合わせが含まれる。上記R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数が1乃至6のアルキル基)である。
市販の変性ポリビニルアルコール(例、MP103、MP203、R1130、クラレ(株)製)を用いてもよい。
配向膜に用いる(変性)ポリビニルアルコールのケン化度は、80%以上であることが好ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、200以上であることが好ましい。
ラビング処理は、配向膜の表面を、紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均一に植毛した布を用いることが好ましい。
なお、光学異方性層の液晶性化合物を配向膜で配向させた後、配向膜を除去しても、液晶性化合物の配向状態を維持することができる。すなわち、配向膜は液晶性化合物を配向させるため、光学補償シートの製造において必須であるが、製造された光学補償シートにおいては必須ではない。
配向膜を延伸ポリマーフィルムと光学異方性との間に設ける場合は、さらに接着層(下塗り層)を延伸ポリマーフィルムと配向膜との間に設けてもよい。
本発明における光学異方性層のRe(546)は10nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上250nmがさらに好ましい。Rth(546)は10nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上250nm以下が好ましい。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (K)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (L)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (M)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (N)
式(K)はより好ましくは1.02<Re(480)/Re(546)<1.50であり、さらに好ましくは1.05<Re(480)/Re(546)<1.30である。
式(L)はより好ましくは0.75<Re(628)/Re(546)<0.98である。
式(M)はより好ましくは1.02<Rth(480)/Rth(546)<1.50であり、さらに好ましくは1.05<Rth(628)/Rth(546)<1.30である。
上記範囲にレターデーションを調節することによりコントラストが高く、色味変化の小さい光学補償シートが得られる。
本発明の光学補償シートは、延伸ポリマーフィルム上に光学異方性層を有し、延伸ポリマーフィルムの遅相軸と光学異方性層の遅相軸とが直交するように配置される。
このように配置されることによって、光学補償シートのReの波長分散が短波長側ほど小さい形になるという効果を奏する。
30nm<Re(546)<150nm (A)
100nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
式(A)は35nm<Re(546)<120nmが好ましく、40nm<Re(546)<100nmがさらに好ましい。
式(B)は110nm<Rth(546)<350nmが好ましく、120nm<Rth(546)<300nmがさらに好ましい。
式(C)は0.6<Re(480)/Re(546)<0.95が好ましく0.7<Re(480)/Re(546)<0.9がさらに好ましい。
式(D)は1.0<Re(628)/Re(546)<1.50が好ましく1.02<Re(628)/Re(546)<1.30がさらに好ましい。
式(E)は1.00<Rth(480)/Rth(546)<1.30が好ましく、1.01<Rth(480)/Rth(546)<1.20がさらに好ましい。
式(F)は0.8<Rth(628)/Rth(546)<1.0が好ましく0.85<Rth(628)/Rth(546)<0.99がさらに好ましい。
光学補償シートのレターデーションを上記範囲に調節することにより、液晶表示装置の視角による色味変化を小さくできるという効果が得られる。
次に本発明の光学補償シートを含む偏光板について図面を基に説明する。
図1の(A)は一般的な偏光板の断面図を模式的に示した図であり、偏光子2の両端に保護フィルム1、3を貼り合せて構成される。一方、図1(B)は本発明の光学補償シートを偏光板の保護フィルムとした場合の一例を示す断面模式図であり、偏光子2の片面に保護フィルム1aを貼り合わせ、偏光板の他方の面に本発明の光学補償シート(光学異方性層 3、延伸ポリマーフィルム 4)を延伸ポリマーフィルム4が偏光子側となるように貼り合せることで構成される。
本発明の偏光板は偏光子の両側に1ずつ合計2枚の保護フィルムを有し、少なくとも1枚は本発明の光学補償シートであることが好ましい。
本発明において偏光子の他方の面に用いられる保護フィルム(透明支持体)はノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリスルフォン、セルロースアシレートなどから製造されたポリマーフィルムであることが好ましく、セルロースアシレートフィルムであることが最も好ましい。
次に本発明の偏光板に用いられる偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーは特許2978219号に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号に記載されている45〜52.5%も好ましく用いることができる。
PVAフィルムの結晶化度は、特に限定されないが、特許第3251073号に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%や、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いることができる。
31等のジナフチルアミン系、C.I.Direct Red 81、 C.I.Direct Violet 9、 C.I.Direct Blue 78等のJ酸系を挙げることができる。
これ以外にも、C.I.Direct Yellow 8、C.I.Direct Yellow 28、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 87、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Orange 26、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 106、C.I.Direct Orange 107、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Direct Red 240、C.I.Direct Red 242、C.I.Direct Red 247、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 51、C.I.Direct Violet 98、C.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 71、C.I.Direct、
Blue 98、C.I.Direct Blue 168、C.I.Direct Blue 202、C.I.Direct Blue 236、C.I.Direct Blue 249、C.I.Direct Blue 270、C.I.Direct Green 59、C.I.Direct Green 85、C.I.Direct Brown 44、C.I.Direct Brown 106、C.I.Direct Brown 195、C.I.Direct Brown 210、C.I.Direct Brown 223、C.I.Direct Brown 224、C.I.Direct Black 1、C.I.Direct Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 54等が、さらに特開昭62−70802号、特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開平1−248105号、特開平1−265205号、特開平7−261024号、の各公報記載の二色性染料等も好ましく使用することができる。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号に記載されているように吸着厚みが4μm以上であってもよい。
偏光子の好ましい膜厚としては、5μm〜40μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜30μmである。偏光子の厚さと後述する保護フィルムの厚さの比を、特開2002−174727号に記載されている0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護フィルム膜厚)≦0.16範囲とすることも好ましい。
保護フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸の交差角は、任意の値でよいが、平行もしくは45±20゜の方位角であることが好ましい。
次に、本発明の偏光板の製造工程について説明する。
本発明における偏光板の製造工程は、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程から構成されることが好ましい。染色工程、硬膜工程、延伸工程の順序を任意に変えること、また、いくつかの工程を組み合わせて同時に行っても構わない。また、特許第3331615に記載されているように、硬膜工程の後に水洗することも好ましく行うことができる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃以上60℃以下、5秒以上2000秒以下が好ましい。
染色工程は、特開2002−86554に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を攪拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
また、特許第3145747号に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加しても良い。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554に記載の方法に従うが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特開平07−325220号に記載されているように温湿度管理をした雰囲気でエージングすることも好ましい。
(1)透過率および偏光度
本発明の偏光板の好ましい単板透過率は42.5%以上49.5%以下であるが、さらに好ましくは42.8%以上49.0%以下である。式4で定義される偏光度の好ましい範囲は99.900%以上99.999%以下であり、さらに好ましくは99.940%以上99.995%以下である。平行透過率の好ましい範囲は36%以上42%以下であり、直交透過率の好ましい範囲は、0.001%以上0.05%以下である。次に示す式5で定義される二色性比の好ましい範囲は48以上、1215以下であるが、さらに好ましくは53以上525以下である。
y(λ):XYZ系における等色関数
τ(λ):分光透過率
平行透過率は、特開2001−083328号や特開2002−022950号に記載されているように波長依存性が小さくてもよい。偏光板をクロスニコルに配置した場合の光学特性は、特開2001−091736号に記載されている範囲であってもよく、平行透過率と直交透過率の関係は、特開2002−174728号に記載されている範囲内であってもよい。
本発明の偏光板の色相は、CIE均等知覚空間として推奨されているL*a*b*表色系における明度指数L*およびクロマティクネス指数a*とb*を用いて好ましく評価される。
L*、a*、b*は、上述のX、 Y、 Zを用いて式6で定義される。
偏光板をクロスニコルに配置して波長550nmの光を入射させる場合の、垂直光を入射させた場合と、偏光軸に対して45度の方位から法線に対し40度の角度で入射させた場合の、透過率比やxy色度差を特開2001−166135号や特開2001−166137号に記載された範囲とすることも好ましい。また、特開平10−068817号に記載されているように、クロスニコル配置した偏光板積層体の垂直方向の光透過率(T0)と、積層体の法線から60°傾斜方向の光透過率(T60)との比(T60/T0)を10000以下としたり、特開2002−139625号に記載されているように、偏光板に法線から仰角80度までの任意な角度で自然光を入射させた場合に、その透過スペクトルの520〜640nmの波長範囲において波長域20nm以内における透過光の透過率差を6%以下としたり、特開平08−248201号に記載されている、フィルム上の任意の1cm離れた場所における透過光の輝度差が30%以内とすることも好ましい。
(4−1)湿熱耐久性
60℃、95%RHの雰囲気に500時間放置した場合のその前後における光透過率及び偏光度の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下であることが好ましい。また、特開平07−077608号に記載されているように80℃、90%RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透過率が38%以上であることも好ましい。
80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率及び偏光度の変化率も絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に、光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
さらに、特開平06−167611号に記載されているように80℃で2時間放置した後の収縮率を0.5%以下としたり、ガラス板の両面にクロスニコル配置した偏光板積層体を69℃の雰囲気中で750時間放置した後のx値及びy値を特開平10−068818号に記載されている範囲内としたり、80℃、90%RHの雰囲気中で200時間放置処理後のラマン分光法による105cm-1及び157cm-1のスペクトル強度比の変化を、特開平08−094834号や特開平09−197127号に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
PVAの配向度は高い程良好な偏光性能が得られるが、偏光ラマン散乱や偏光FT−IR等の手段によって算出されるオーダーパラメーター値として0.2〜1.0が好ましい範囲である。また、特開昭59−133509号に記載されているように、偏光子の全非晶領域の高分子セグメントの配向係数と占領分子の配向係数(0.75以上)との差を少なくとも0.15としたり、特開平04−204907号に記載されているように偏光子の非晶領域の配向係数を0.65〜0.85としたり、I3 -やI5―の高次ヨウ素イオンの配向度を、オーダーパラメーター値として0.8〜1.0とすることも好ましく行うことができる。
特開2002−006133号に記載されているように、80℃30分加熱したときの単位幅あたりの吸収軸方向の収縮力を4.0N/cm以下としたり、特開2002−236213号に記載されているように、偏光板を70℃の加熱条件下に120時間置いた場合に、偏光板の吸収軸方向の寸法変化率及び偏光軸方向の寸法変化率を、共に±0.6%以内としたり、偏光板の水分率を特開2002−090546号に記載されているように3質量%以下とすることも好ましく行うことができる。さらに、特開2000−249832号に記載されているように延伸軸に垂直な方向の表面粗さを中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下としたり、特開平10−268294号に記載されているように透過軸方向の屈折率n0を1.6より大きくしたり、偏光板の厚みと保護フィルムの厚みの関係を特開平10−111411号に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
本発明の偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合してもよい。
本発明の偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、もしくは薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、及び低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報, vol.38, No.1, may, 2000, 26頁〜28頁や特開2002−301783号などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104等)、特定の分散剤併用する(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明の偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明の偏光板と組み合わせることができる。
19頁〜21頁などを参考にすることができる。
本発明の偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは視野角補償フィルムにおける光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、もしくは両面の設けて使用できる。
本発明の偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱による硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO0/46617号公報等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
前方散乱層は、本発明の偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明の偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
次に本発明の光学補償シートを含む偏光板が好ましく用いられる液晶表示装置について図面を基に説明する。
図2において、液晶表示装置は、液晶セル、液晶セルの両側に配置された一対の偏光板1、14からなる。液晶セルと偏光膜との間にカラーフィルターを配置してもよい。透過型として使用する場合は、冷陰極あるいは熱陰極蛍光管、あるいは発光ダイオード、フィールドエミッション素子、エレクトロルミネッセント素子を光源とするバックライトを背面に配置する。また反射型として使用する場合において偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セル背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろん前記光源を用いたフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。
本発明の液晶表示装置はVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作成する。液晶層7の厚さdは3.5μmに設定してある。ここで厚さdと屈折率異方性Δnの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るために0.2から0.5μmの範囲になるように設定する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル材の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
例えばVA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
<光学補償シートA−1の作製>
(延伸ポリマーフィルムA−1の作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解した後、平均孔径34μmの濾紙及び平均孔径10μmの焼結金属フィルターで濾過した。
環状ポリオレフィン溶液 D−5
―――――――――――――――――――――――――――――――――
環状ポリオレフィン:ARTON‐G 150質量部
流動パラフィン:ダフニーオイルCP68(出光興産(株)) 15質量部
ジクロロメタン 450質量部
界面活性剤RZ‐13 0.7質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
微粒子分散液 M−5
―――――――――――――――――――――――――――――――――
1次平均粒径16nmのシリカ粒子
(aerosil R972 日本アエロジル(株)) 2質量部
ジクロロメタン 83質量部
環状ポリオレフィン溶液 D−5 10質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
更にテンター内で、170℃に加熱し、フィルムを搬送方向と垂直方向に1.7倍に延伸し、その後、90℃の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、更に室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、延伸ポリマーフィルム(A−1)を得た。厚みは63μmであった。
また、Re(480)/Re(546)は1.01、Re(628)/Re(546)は0.99であった。Rth(480)/Rth(546)は1.00、Rth(628)/Rth(546)は1.00であった。延伸ポリマーフィルムA−1の光弾性係数は2×10-8cm2/Nであった。
上記で得られた延伸ポリマーフィルム(A−1)の両面に、下記組成の塗布液を乾燥膜厚0.3μmになるように塗設して、疎水性セルロースエステル含有層(DAC含有層)を形成した。
セルロースジアセテート(DAC:アセテートフレークスL−AC、ダイセル化学工業
(株)製、5質量%アセトン溶液に調製) 50ml
酢酸エチル 40ml
メタノール 10ml
アエロジルR−972(日本アエロジル社製:層内で平均粒径が0.3μmになるように分散調製した) 1g
密着付与層を塗布した延伸ポリマーフィルム(A−1)の片方の面に、下記の組成の塗布液を、#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、延伸ポリマーフィルム(A−1)の延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と90゜の方向に、形成した膜に対してラビング処理を実施した。
配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────
配向膜上に、下記組成の塗布液を、#6のワイヤーバーコーターで23.1ml/m2塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、液晶性化合物を配向させた。次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。
光学異方性層塗布液組成
─────────────────────────────────────
棒状液晶性化合物I−6 100質量部
架橋性基含有ポリマー(1) 0.7重量部
フッ素系ポリマー(大日本インク(株)製 メガファック F-780-F)
0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 2.9質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 262質量部
─────────────────────────────────────
延伸ポリマーフィルムA−1の遅相軸と光学異方性層の遅相軸とが直交となるように配置した。
<光学補償シートA−2の作製>
(延伸ポリマーフィルムA−2の作製)
上記環状ポリオレフィン溶液D‐5を100質量部、微粒子分散液M−5を1.35質量を混合し、製膜用ドープを調製した。上述のドープをバンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量が約25質量%でバンドから剥ぎ取ったフィルムを120℃で乾燥した。
更にをテンター内で、170℃に加熱し、フィルムを搬送方向と垂直方向に1.5倍に延伸し、その後、90℃の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、更に室温で冷却し、テンター内から取り出すことにより、延伸ポリマーフィルム(A−2)を得た。厚みは69μmであった。
また、Re(480)/Re(546)は1.01、Re(628)/Re(546)は0.99であった。Rth(480)/Rth(546)は1.00、Rth(628)/Rth(546)は1.00であった。延伸ポリマーフィルムA−1の光弾性係数は1×10-8cm2/Nであった。
延伸ポリマーフィルムA−2の遅相軸と光学異方性層の遅相軸とが直交となるように配置した。
延伸ポリマーフィルム(A−2)の両面に12W・分/m2の条件で春日電機(株)製コロナ放電して親水性を付与した。
延伸ポリマーフィルム(A−2)の面に、下記の組成の塗布液を、#14のワイヤーバーコーターで24ml/m2 塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
次に、延伸ポリマーフィルム(A−2)の延伸方向(遅相軸とほぼ一致)と90゜の方向に、形成した膜に対してラビング処理を実施した。
配向膜塗布液組成
────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
────────────────────────────────────
配向膜上に、下記組成の塗布液を、#4のワイヤーバーコーターで15.4ml/m2塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、100℃の恒温槽中で2分間加熱し、液晶性化合物を配向させた。次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間UV照射し液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。
光学異方性層塗布液組成
────────────────────────────────────
棒状液晶性化合物I−1 100質量部
架橋性基含有ポリマー(1) 0.7重量部
フッ素系ポリマー(大日本インク(株)製メガファック F-780-F)
0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 2.9質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
メチルエチルケトン 253質量部
────────────────────────────────────
<光学補償シートB−1の作製>
(セルロースアシレートフィルムB−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Bを調製した。
セルロースアシレート溶液B組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル化度1.0、プロピオニル化度1.4のセルロースアシレート
100.0質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤) 9.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 3.5質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 362.0質量部
エタノール(第2溶媒) 100.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
マット剤溶液組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒径20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
エタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液B 10.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
紫外線吸収剤溶液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤(A) 4.0質量部
紫外線吸収剤(B) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.2質量部
エタノール(第2溶媒) 11.2質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレートフィルムB−1を、2.3 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05 mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
このようにして、比較例の光学補償シートB−1を作製した。
<光学補償シートB−2の作製>
(セルロースアシレートフィルムB−2の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Cを調製した。
セルロースアシレート溶液C組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル化度1.1、プロピオニル化度1.5のセルロースアシレート
100.0質量部
トリフェニルフォスフェート(可塑剤) 9.0質量部
エチルフタリルエチルグリコレート(可塑剤) 3.5質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 362.0質量部
エタノール(第2溶媒) 100.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
マット剤溶液組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒径20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
エタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液C 10.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
紫外線吸収剤溶液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤(A) 4.0質量部
紫外線吸収剤(B) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.2質量部
エタノール(第2溶媒) 11.2質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレートフィルムB-2を、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、比較例の光学補償シートB−2を作製した。
(光学特性の測定)
自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)を用い25℃60%RHでRe及びRthを測定した。測定波長は480nm、546nm、628nmとした。
3.5cm×12cmに切り出してフィルムについて、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重におけるReを測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから光弾性率を算出した。測定波長は630nmとした。
<偏光板の作製>
(延伸ポリマーフィルムの鹸化処理)
市販のセルロースアシレートフィルム(富士タックTD80)を1.5 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で1分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
重合度1700、厚さ39μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水浴にて膨潤した後、ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液からなる30℃の染色浴にて約4倍に延伸した。次いで、ホウ酸とヨウ化カリウムの入った50℃の架橋浴にて総延伸倍率が5.5倍になるように延伸し、架橋した。これを、35℃のヨウ化カリウム水溶液中に10秒間浸漬して色相の調整を行った。さらに水洗、乾燥して、厚さ18μmの偏光子を得た。この偏光子の水分率は14%であった。また波長900nmにおける複屈折率(Δn)は0.0482、透過率は43%、偏光度は99.9%であった。
ポリエステル系ウレタン(三井武田ケミカル社製,タケラックXW−74−C154)10部およびイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製,タケネートWD−725)1部を、水に溶解し、固形分を20%に調整した溶液を調製した。これを接着剤として用いた。
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、実施例1で作製した光学補償シートA−1と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板1を作製した。光学補償シートA−1については光学異方性が空気側となるように貼り合せた。得られた偏光板の透過率は42%、偏光度は99.9%であった。
上記偏光子の両面に、上記接着剤溶液を塗布した後、実施例2で作製した光学補償シートA−2と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板2を作製した。光学補償シートA−2については光学異方性が空気側となるように貼り合せた。得られた偏光板の透過率は41%、偏光度は99.9%であった。
(偏光板3の作製)
実施例3と同様にして、比較例1で作製した光学補償シートフィルムB−1と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板3を作製した。得られた偏光板の透過率は43%、偏光度は99.9%であった。
実施例3と同様にして、比較例2で作製した光学補償シートフィルムB−2と上記で作製した鹸化処理済みの富士タックTD80とを偏光子を挟み込むように貼り合わせ、40℃のオーブンで72時間乾燥キュアして、偏光板4を作製した。得られた偏光板の透過率は42%、偏光度は99.9%であった。
図3の液晶表示装置を作製した。即ち、観察方向(上)から上側偏光板、VAモード液晶セル(上基板、液晶層、下基板)、下側偏光板を積層し、さらにバックライト光源を配置した。以下の例では、上側偏光板に市販品の偏光板(HLC2−5618)を用いて、下側偏光板に偏光板1〜4を使用している。
液晶セルは、基板間のセルギャップを3.6μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を形成して作製した。液晶層のリターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を275nmとした。なお、液晶材料は垂直配向するように配向させた。
1を作製した。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
偏光板 3についても実施例4と同様にして液晶表示装置2を作製した。
実施例4及び比較例4で作製した液晶表示装置を30℃80%RHの環境下で点灯直後及び500hr時間点灯後の正面の色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、xy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めた。
結果を表2に示す。
〔VA液晶表示装置の作成と評価2〕
ポリビニルアルコール3重量%水溶液に、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(カップリング剤)を1重量%添加した。これを、ITO電極付のガラス基板上にスピンコートし、160℃で熱処理した後、ラビング処理を施して、垂直配向膜を形成した。ラビング処理は、2枚のガラス基板において反対方向となるようにした。セルギャップ(d)が5μmとなるように2枚のガラス基板を向かい合わせた。セルギャップに、エステル系とエタン系を主成分とする液晶性化合物(Δn:0.08)を注入し、垂直配向液晶セルを作成した。Δnとdとの積は400nmであった。
実施例5と同様にして垂直配向液晶セルの両面に、上記で作成した偏光板4を粘着シートを用いて貼り付けて、液晶表示装置4を作製した。
実施例5及び比較例5で作製した液晶表示を30℃80%RHの環境下で点灯直後及び1000hr時間点灯後の正面の色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、xy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めた。
結果を表3に示す。
2 偏光子
3 光学異方性層
4 延伸ポリマーフィルム
1‥‥上偏光板
2‥‥上偏光板吸収軸
3‥‥第1光学異方性層
4‥‥第1光学異方性層遅相軸の方向
5‥‥液晶セル上電極基板
6‥‥上基板配向制御方向
7‥‥液晶層
8‥‥液晶セル下電極基板
9‥‥下基板配向制御方向
10‥‥第2光学異方性層1
11‥‥第2光学異方性層1遅相軸の方向
12‥‥第2光学異方性層2
13‥‥第2光学異方性層2遅相軸の方向
14‥‥下偏光板
15‥‥下偏光板吸収軸の方向
Claims (8)
- 延伸ポリマーフィルム上に、少なくとも1つの液晶化合物を含有する光学異方性層を有し、レターデーションが下記(A)〜(F)の関係を満たす光学補償シートであって、
前記延伸ポリマーフィルムのレターデーションが下記式(G)〜(J)を満たすことを特徴とする光学補償シート。
30nm<Re(546)<150nm (A)
100nm<Rth(546)<400nm (B)
0.5<Re(480)/Re(546)<1 (C)
1.0<Re(628)/Re(546)<2.0 (D)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<1.5 (E)
0.7<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (F)
0.95<Re(480)/Re(546)<1.05 (G)
0.95<Re(628)/Re(546)<1.05 (H)
0.95<Rth(480)/Rth(546)<1.05 (I)
0.95<Rth(628)/Rth(546)<1.05 (J)
(但し、Re(λ)は、波長λにおける面内レターデーション(nm)であり、Rth(λ)は、波長λにおける厚み方向のレターデーション(nm)である。) - 延伸ポリマーフィルムの遅相軸と液晶化合物を含有する光学異方性層の遅相軸が直交していることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シート。
- 光学異方性層のレターデーションが下記式(K)〜(N)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償シート。
1.0<Re(480)/Re(546)<2.0 (K)
0.5<Re(628)/Re(546)<1.0 (L)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<2.0 (M)
0.5<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (N)
(但し、Re(λ)は、波長λにおける面内レターデーション(nm)であり、Rth(λ)は、波長λにおける厚み方向のレターデーション(nm)である。) - 延伸ポリマーフィルムの光弾性係数が5×10-13cm2/dyn(5×10-8 cm2/N)以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償シート。
- 延伸ポリマーフィルムがシクロオレフィン系ポリマーフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償シート。
- 偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなる偏光板であって、少なくとも1枚の保護フィルムが請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償シートであることを特徴とする偏光板。
- 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも1つの偏光板が請求項6に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
- 該液晶セルがVAモードであることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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