JP4856837B2 - 低硫黄/低芳香族化合物留出油の生成 - Google Patents

低硫黄/低芳香族化合物留出油の生成 Download PDF

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Description

【0001】
関連出願の相互参照
これは、1998年12月8日に出願された米国仮特許出願第60/111,346号からの優先権を主張する、1999年12月7日に出願された米国特許出願第09/457,434号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は、硫黄と芳香族化合物とがどちらも低い、留出油沸騰範囲ストリームの生成方法に関する。この留出油原料は、第一水素化脱硫段階において水素含有処理ガスおよび水素化脱硫触媒の存在下に処理され、これによってこのストリームの一部脱硫を結果として生じる。ついでこの一部脱硫された留出油ストリームは、第二水素化脱硫段階において、これもまた水素含有処理ガスおよび水素化脱硫触媒の存在下に、処理される。この水素含有処理ガスは、第三下流反応段からカスケードされる。この反応段は、芳香族化合物水素添加(水素化)段階である。
【0003】
発明の背景
環境および規制の主導者達は、留出油燃料中の硫黄と芳香族化合物との両方のレベルの低下を絶えず要求している。例えば、EUにおいて販売される留出油燃料に対して2005年に向けて提案された硫黄限度は、50wppm以下である。同様に、総芳香族化合物のより低いレベル、ならびに留出油燃料およびさらに重質な炭化水素生成物に見られる多環芳香族化合物のより低いレベルを要求する制限も提案されている。さらにはCARB標準ディーゼルおよびSwedish Class Iディーゼルについての最大許容総芳香族化合物レベルは、それぞれ10体積%(vol%)および5体積%である。さらにはCARB標準燃料は、1.4vol%以下の多環芳香族化合物(PNA)を許容している。したがって、これらの提案されている規制のために、水素化処理技術において現在多くの研究がなされつつある。
【0004】
水素化処理は、または硫黄除去の場合に水素化脱硫は、この技術においてよく知られており、一般的には、担持触媒の存在下に水素化処理条件において石油ストリームを水素で処理する必要がある。この触媒は、通常、耐火担体上の助触媒として1つ以上の第VIII族金属と共に第VI族金属から構成されている。水素化脱硫ならびに水素化脱窒素に特に適した水素化処理触媒は、一般に、第VIII族金属としてコバルト、ニッケル、鉄、またはこれらの組合せで助触された、アルミナ担体上の第VI族金属としてのモリブデンまたはタングステンを含む。アルミナ触媒上のコバルト助触媒モリブデンは、限定的な仕様が水素化脱硫であるときに最も広く用いられ、一方、アルミナ触媒上のニッケル助触媒モリブデンは、水素化脱窒素、一部芳香族飽和、ならびに水素化脱硫に最も広く用いられている。
【0005】
同様に、より活性な触媒を開発するため、およびより効果的な水素処理プロセスへの需要を満たすための反応容器の設計を開発するため、多くの研究がなされつつある。改良された様々なハードウエア配置が提案されている。かかる配置の1つは、原料が連続触媒床を通って下方に流れ、一般的に水素含有処理ガスである処理ガスも、原料と並流で流れる並流設計である。もう1つの配置は、原料が、一般的に水素含有処理ガスである上方に流れる処理ガスと向流に連続触媒床を通って下方に流れる向流設計である。原料の流れに対して下流の触媒床は、高性能ではあるがほかの点でより硫黄感度の高い(sulfur sensitive)触媒を含んでいてもよい。その理由は、上方に流れる処理ガスが、硫黄および窒素感度の高い触媒に対して有害な、例えばHSおよびNHなどのヘテロ原子成分を運び去るからである。
【0006】
その他のプロセス配置は、単一反応容器において、あるいは別々の反応容器において、多反応段の使用を含む。より硫黄感度の高い触媒は、ヘテロ原子成分のレベルが連続的に低くなって行くにつれて、下流段階で用いることができる。この点に関して、欧州特許出願第93200165.4号は、単一反応容器において実施された2段階水素化処理プロセスを教示している。
【0007】
留出油燃料の実質的な水素化脱硫(HDS)および芳香族化合物飽和(ASAT)を得るために、2種類のプロセス構成が通常用いられ、どちらも比較的高圧で操作される。一方のプロセス構成は、800psig以上の圧力で操作されているNi/MoまたはNi/W硫化物触媒を用いた単一段階プロセスである。高いレベルの飽和を得るために、2,000psig以上の圧力が必要とされる。他方のプロセス構成は2段階プロセスであり、このプロセスでは、原料がまず中程度の圧力でCo/Mo、Ni/Mo、またはNi/W硫化物触媒上で処理されてヘテロ原子レベルが低下され、一方で、芳香族化合物飽和はほとんど観察されない。第一段階後、生成物ストリームをストリッピングして、HS、NH、および軽質炭化水素を除去する。ついで第一段階生成物が、高圧で第VIII族金属水素化触媒上で反応させられ、芳香族化合物飽和が得られる。かかる2段階プロセスは、一般的には、600〜1,500psigで操作される。
【0008】
前記のことから考えて、絶えず過酷になっていく環境規制に合わせることができるように、原料ストリームを処理するための改良脱硫/芳香族飽和プロセスへのニーズがある。
【0009】
発明の概要
本発明によれば、3,000wppmよりも高い硫黄含量を有する留出油原料の多段水素化脱硫および水素化方法であって、
a)第一水素化脱硫段階において、ワンスルー水素含有処理ガスの存在下に前記原料ストリームを反応させ、前記第一水素化脱硫処理段階が1つ以上の反応域を含み、各々の反応域が水素化脱硫条件において水素化脱硫触媒の存在下に操作され、これによって3,000wppm未満の硫黄含量を有する液体生成物ストリームを、結果として生じる工程であって、第一水素化脱硫域のための前記水素含有処理ガスの少なくとも一部は本多段プロセス以外の供給源から供給される工程と、
b)第一分離域に前記液体生成物ストリームを送り、前記第一分離域において蒸気相生成物ストリームと液相生成物ストリームとが生成される工程と、
c)前記液相生成物ストリームを第二水素化脱硫段階に送る工程と、
d)前記第二水素化脱硫段階において、ここでの次の下流段階からカスケードされた、あるいは一部カスケードされた水素含有処理ガスの存在下に前記液相生成物ストリームを反応させ、この際、前記第二水素化脱硫反応段階への処理ガスの水素導入率は、前記第二反応段階における化学的水素消費率の3倍以下であり、前記第二水素化脱硫段階は、水素化脱硫条件において操作されている1つ以上の反応域を含み、各々の反応域が1つの水素化脱硫処理触媒床を含み、これによって100wppm未満の硫黄を有する液体生成物ストリームを、結果として生じる工程と、
e)前記第二水素化脱硫段階から第二分離域まで前記液体生成物ストリームを送り、前記第二分離域において蒸気相ストリームと液相ストリームとが生成される工程と、
f)前記蒸気相ストリームを回収する工程と、
g)前記液相ストリームを、ストリッピング段階に送り、ここで前記液相ストリームは、触媒の実質的不存在下、向流で流れる水素含有処理ガスと接触されることにより、ストリッピングされた液相ストリームを製造し、
h)前記液相ストリームを、工程e)から芳香族化合物水素化段階へ送る工程と、
)前記芳香族化合物水素化段階において、水素含有処理ガスの存在下に前記ストリッッピングされた液相ストリームを反応させ、前記水素化段階は、芳香族化合物水素化条件において操作されている1つ以上の反応域を含み、各々の反応域がゼオライト担体を有する芳香族化合物水素化触媒床を含み、これによって実質的に低下したレベルの硫黄と芳香族化合物とを有する液体生成物ストリームと、上流水素化脱硫段階へカスケードされる水素含有生成物ストリームとを結果として生じる工程であって、
前記芳香族化合物水素化処理段階は、異なる温度で操作される2つ以上の反応域を含み、前記反応域の少なくとも1つが、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも25℃低い温度で操作される工程、および
j)工程(h)の前記液体生成物ストリームと、(i)1つ以上の潤滑補助剤、(ii)1つ以上の粘度調整剤、(iii)1つ以上の酸化防止剤、(iv)1つ以上のセタン価向上剤、(v)1つ以上の分散剤、(vi)1つ以上の低温流れ向上剤、(vii)1つ以上の金属不活性化剤、(viii)1つ以上の腐蝕防止剤、(ix)1つ以上の清浄剤、および(x)1つ以上の留出油または品質向上された留出油よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つとを組合せる工程、
を含むことを特徴とする多段水素化脱硫および水素化方法が提供される。
【0010】
本発明の好ましい実施態様において、液相ストリームは、前記芳香族化合物水素化段階を通過する前に蒸気と接触させられ、前記気相から溶解されたガスをストリッピングする。
【0011】
本発明の好ましい実施態様において、水素化段階は、2つ以上の別々の温度域を含み、前記温度域の少なくとも1つは、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも25℃低い温度で操作される。
【0012】
本発明のさらにもう1つの好ましい実施態様において、この水素化段階は、向流モードで操作され、処理ガスは、下降流原料に対して向流で上向きに流れる。
【0013】
もう1つの好ましい実施態様において、本発明はさらに、工程(h)のこの液体生成物ストリームの少なくとも一部分と、(i)1つ以上の潤滑補助剤、(ii)1つ以上の粘度調整剤、(iii)1つ以上の酸化防止剤、(iv)1つ以上のセタン向上剤、(v)1つ以上の分散剤、(vi)1つ以上の低温流れ向上剤、(vii)1つ以上の金属不活性化剤、(viii)1つ以上の腐蝕防止剤、(ix)1つ以上の清浄剤、および(x)1つ以上の留出油または品質向上された留出油よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つとを組合せる工程も含む。
【0014】
もう1つの実施態様において、本発明は、前記留出油原料の多段水素化脱硫および水素化方法にしたがって製造される生成物である。
【0015】
発明の詳細な説明
低排出留出油燃料生成物を生成するために処理されるのに適した原料ストリームは、留出油範囲以上で沸騰する石油ベースの原料(原料基材)である。かかる原料は、一般的に、約150〜約400℃、好ましくは約175℃〜約370℃の沸騰範囲を有する。これらの原料ストリームは、通常、約3,000wppmよりも多くの硫黄を含んでいる。かかる原料ストリームの非限定例には、バージン留出油、軽質接触サイクル油、軽質コーカー油等が含まれる。精油業者が、できるだけ多くの硫黄を除去することによって、これらの種類の原料ストリームをアップグレードすること、ならびに芳香族化合物を飽和することは非常に望ましい。
【0016】
本発明のプロセスは、本明細書の図1に例証されている好ましい実施態様の記載によって、よりよく理解することができる。好ましくは本明細書の図1に示されているプロセス構成は、これらの段階の少なくとも1つにおいてワンスルー水素処理ガスを用いる。(i)反応器の中に導入されたすべての水素含有処理ガスがその中で消費されるとき、あるいは(ii)反応器の蒸気相流出物中に存在する未反応水素含有処理ガスがこの反応器から運び去られるとき、その場合にはこの処理ガスは「ワンスルー」処理ガスと呼ばれる。
【0017】
好ましくは第一水素化脱硫段階は、硫黄と窒素との両方のレベルを低下させる。硫黄レベルは、約1,000wppm未満であり、より好ましくは約500wppm未満までになる。第二水素化脱硫段階は、硫黄レベルを約100wppm未満に低下させる。第三段階すなわち芳香族化合物水素化段階は、かなりの量の芳香族化合物を飽和し、同様にさらに約50wppm以下まで硫黄レベルを低下させる。この発明の実施において、処理ガス中の水素は、不純物と反応し、これらをHS、NH、および水蒸気に転化し、これらは蒸気流出物の一部として除去され、この水素はまた、オレフィンおよび芳香族化合物も飽和する。雑多な反応容器の内部装置、バルブ、ポンプ、熱電対、および伝熱装置等は、簡略化のために図示されていない。図1は、反応域aおよびbを含む水素化脱硫反応容器R1を示している。これらの反応域の各々は、水素化脱硫触媒床から構成されている。2つの反応域が示されているが、この反応段は、1つの反応域を含んでいてもよく、あるいはまた2つ以上の反応域を含んでいてもよい。触媒は、固定床として反応器の中にあるのが好ましい。ただし他の種類の触媒配列、例えばスラリーまたは沸騰床も用いることができる。各々の反応域の下流は、非反応域aおよびbである。この非反応域は一般的に触媒を含まない。すなわちこれは、触媒に関して、この容器内の空の区域である。図示されていないが、同様に各反応段の上流に液体分配手段が備えられていてもよい。液体分配手段の種類は、本発明の実施を制限しないと考えられるが、トレイ配列、例えばシーブトレイ、バブルキャップトレイ、あるいはスプレーノズル、煙突、管等を有するトレイが好ましい。蒸気−液体混合装置(図示されていない)も、温度制御のために急冷流体(液体または蒸気)を導入する目的で、非反応域aにおいて用いることができる。
【0018】
原料ストリームは、第二水素化脱硫反応段R2からカスケードされる、ライン16を経る水素含有処理ガスと共に、ライン10を経て反応容器R1に供給される。「カスケードされる」という用語は、処理ガスに関連して用いられるとき、第一反応段の蒸気流出物から分離され、ついで圧縮機を通過せずに第二反応段の入口に送られる処理ガスストリームを意味する。第二反応段は、液体の流れに関して第一反応段の上流または下流であってもよい。換言すれば、第一および第二反応段、および付随する分離域における相対的反応条件は、第一段階の蒸気相流出物中の処理ガスの圧力を高める必要もなく、第一段階から来る蒸気相流出物中の処理ガスが、自然に第二段階まで流れるように調節される。
【0019】
このことは必要とされていないが、水素含有処理ガスのすべてまたは一部分はまた、ライン18を経て水素化脱硫反応段R1に運ばれてもよい。この追加の水素含有処理ガスは一般的に、カスケードされるか、あるいはまた例えばナフサ水素精製器などの別の精油プロセス装置から得られる。S1からの蒸気流出物は、(i)ライン20、22、および16を経て再循環されてもよく、(ii)ライン50を経てこのプロセスから運び去られてもよく、あるいは(iii)(i)と(ii)との組合せで用いられてもよい。「再循環された」という用語は、水素処理ガスに関して本明細書において用いられるとき、反応段の入口に送られる前にその圧力を高めるためにガス圧縮機23を通過する、1つの段階から蒸気流出物として分離される水素含有処理ガスストリームを示すものとする。この圧縮機はまた一般に、例えばHSなどの望ましくない種を水素再循環ストリームから除去するためのスクラバーも含むことに注目すべきである。原料ストリームと水素含有処理ガスとは、水素化脱硫段階R1の1つ以上の反応域を並流で通過して、この原料ストリームからかなりの量のヘテロ原子、好ましくは硫黄を除去する。第一水素化脱硫段階は、耐火担体上のCo−Mo、またはNi−Moから成る触媒を含むことが好ましい。
【0020】
本明細書において用いられている「水素化脱硫」という用語は、水素含有処理ガスが、主としてヘテロ原子、好ましくは硫黄および窒素の除去のために、および芳香族化合物の何らかの水素化のために活性である適切な触媒の存在下に用いられる。本発明の反応容器R1に用いるのに適した水素化脱硫触媒には、比較的高い表面積の耐火担体物質、好ましくはアルミナ上の通常の水素化脱硫触媒、例えば少なくとも1つの第VIII族金属、好ましくはFe、Co、またはNi、より好ましくはCoおよび/またはNi、最も好ましくはCo;および少なくとも1つの第VI族金属、好ましくはMoまたはW、より好ましくはMoから成る触媒が含まれる。その他の適切な水素化脱硫触媒担体には、例えばシリカ、ゼオライト、非晶質シリカ−アルミナ、およびチタニア−アルミナなどの耐火性酸化物が含まれる。例えばPのような添加剤が存在してもよい。同じ反応容器および同じ反応域において、1つ以上の種類の水素化脱硫触媒が用いられることも、本発明の範囲内にある。第VIII族金属は、一般的に、約2〜20重量%(wt%)、好ましくは約4〜15重量%の範囲の量で存在する。第VI族金属は、一般的に、約5〜50重量%、好ましくは約10〜40重量%、より好ましくは約20〜30重量%の範囲の量で存在する。すべての金属重量パーセントは、触媒の重量を基準にしている。典型的な水素化脱硫温度は、約200℃〜約400℃であり、全圧は約50psig〜約3,000psig、好ましくは約100psig〜約2,500psig、より好ましくは約150〜500psigである。より好ましい水素分圧は、約50〜2,000psig、最も好ましくは約75〜800psigである。
【0021】
組合された液相/蒸気相生成物ストリームは、ライン24を経て水素化脱硫段階R1から出て行き、分離域S1に送られ、この分離域において、液相生成物ストリームが、蒸気相生成物ストリームから分離される。液相生成物ストリームは一般的に、約150℃〜約400℃の範囲で沸騰する成分を有するストリームであるが、原料ストリームよりも大きい上限の沸騰範囲を有していない。蒸気相生成物ストリームは、ライン20を経てオーバーヘッド回収される。
【0022】
分離域S1から来る液体反応生成物は、ライン26を経て水素化脱硫段階R2に送られ、反応域28aおよび28bを通って下方に送られる。非反応域は、29aおよび29bで表わされている。
【0023】
水素含有処理ガスが、ライン30を経て反応段R2の中に導入され、これは芳香族化合物水素化段階R3からカスケードされ、原料と並流で送られる。議論されているような「カスケードされた」という用語は、処理ガスが下流反応段、例えば水素化段階から、同じ圧力またはそれよりも低い圧力にある上流段階まで流れ、したがってこのガスは圧縮される必要がないことを意味する。このことは必要とされないが、この処理ガスのすべてまたは一部分が、ライン32を経てR2に加えられてもよい。この追加処理ガスは、例えばナフサ水素精製器などの別の精油プロセス装置から来るものであってもよい。処理ガス中に含まれている水素の導入率は、この率の化学的水素消費率の3倍以下、より好ましくは約2倍未満、最も好ましくは約1.5倍未満であることが好ましい。原料ストリームと水素含有処理ガスとは、水素化脱硫段階R2の1つ以上の反応域を並流で通過し、好ましくは原料ストリームが約50wppm未満の硫黄、より好ましくは約25wppm未満の硫黄を有するレベルまでかなりの量の残留硫黄を除去する。
【0024】
本発明における反応容器R2に用いるのに適した水素化脱硫触媒には、例えばR1に用いるために記載された触媒などの通常の水素化脱硫触媒が含まれる。貴金属触媒も用いることができ、好ましくはこの貴金属は、PtおよびPd、あるいはこれらの組合せから選択される。Pt、Pd、あるいはこれらの組合せは一般的に、約0.5〜5重量%、好ましくは約0.6〜1重量%の範囲の量で存在する。一般的な水素化脱硫温度は、約200℃〜約400℃であり、全圧は約50psig〜約3,000psig、好ましくは約100psig〜約2,500psig、より好ましくは約150〜1,500psigである。より好ましい水素分圧は、約50psig〜約2,000psig、最も好ましくは約75psig〜約1,000psigである。好ましくはR2出口圧力は、約500psig〜約1,000psigである。
【0025】
第二水素化脱硫段階R2から来る反応生成物は、ライン38を経て第二分離域S2に送られる。この分離域において、水素を含む蒸気生成物は、オーバーヘッド回収され、ライン34および16を経て水素化脱硫段階R1へ送られるか、またはライン34および35を経て再循環されるか、あるいはその両方である。あるいはまた、S2の蒸気生成物のすべてまたは一部分は、このプロセスから運び去られてもよい。液体留分は、ライン39を経て芳香族化合物水素化段階R3に送られる。ここでこれは、反応域36aおよび36bを通って下方に流れる。R2およびR3における非反応域と同様な非反応域は、37aおよび37bで表わされている。R3の反応域を通って下方に送られる前に、前記液体留分はまず、閉じ込められた蒸気成分を液体ストリームから除去するために、ストリッピング域(図示されていない)において接触させることもできる。例えば液体生成物ストリームは、ストリッピング域を通って流れるにつれて、これは、原料不純物(HSおよびNH)の少なくとも一部分を液体から蒸気に移すのに効果的な条件下において、水素含有処理ガスを上向きに流すことによって接触させられる。残留HSおよびNHの少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%が、下降流液体ストリームから除去されることが好ましい。接触手段は、あらゆる既知の蒸気−液体接触手段、例えばラシヒリング、バールサドル、金網、リボン、オープンハネカム、例えばバブルキャップトレイなどの気−液接触トレイ、およびその他の装置等を含んでいる。ストリッピング域が、反応容器R3の一部であってもよいこと、あるいはこれが別個の容器であってもよいことも、この発明の範囲内にある。本発明の図面は、処理ガスが原料の流れと向流に流れる向流モードで操作されている水素化段階を示しているが、この水素化段階は、並流モードで操作することもできると理解すべきである。
【0026】
新鮮な水素含有処理ガスが、ライン40を経て反応段R3に導入され、液体反応生成物の流れに対して向流で上方方向に送られる。処理ガス率は、好ましくは、約400〜1,200scf/bbl(1バレルあたり標準立方フィート)、より好ましくは約500〜1,000scf/bblである。クリーンな処理ガス(HSおよびNHが実質的に含まれていないガス)の導入によって、反応段R3は、HSおよびNHによって及ぼされる触媒への活性抑制効果の低下およびH分圧の増加によってより効率的に操作されうる。この種類の多段階操作は、硫黄および窒素の非常に深い除去のために、あるいはより感度の高い触媒(すなわち水素化分解、芳香族飽和等)が第二反応器において用いられるときに特に魅力がある。本発明のもう1つの利点は、処理ガス率が、より通常のプロセスと比べて比較的低いということである。比較的低い処理ガス率の使用は、主として、既に水素化処理された留出油原料の使用によるものである。それ以上の効率は、処理ガスの再循環を要求しないことによって得られる。換言すれば、1つの実施態様において、この処理ガスは、ワンススルー処理ガスである。
【0027】
液体ストリームと処理ガスとは、1つ以上の触媒床、または反応域36aおよび36bを通って互いに対して向流で送られる。その結果生じた液体生成物ストリームは、ライン42を経て反応段R3を出て行き、水素含有蒸気生成物ストリームは、反応段R3を出て行き、ライン30を経て反応段R2へカスケードされる。この第二反応段の反応域において用いられる触媒は、あらゆる適切な芳香族化合物飽和触媒であってもよい。芳香族水素化触媒の非限定的な例には、ニッケル、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステン、および貴金属含有触媒が含まれる。貴金属触媒が好ましい。貴金属触媒の非限定例には、白金および/またはパラジウムをベースとする触媒が含まれる。これは、好ましくは、適切な担体物質、一般的に例えばアルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ、多孔質珪藻土、珪藻土、マグネシア、およびジルコニアなどの耐火性酸化物物質上に担持されている。ゼオライト担体も用いることができる。かかる触媒は、一般的に、硫黄および窒素阻害または活性低下を受けやすい。芳香族飽和段階は、好ましくは約40℃〜約400℃、より好ましくは約200℃〜約350℃の温度、約100psig〜約3,000psig、好ましくは約200psig〜約1,200psigの圧力、約0.3V/V/Hr〜約10V/V/Hr、好ましくは約1〜5V/V/Hrの液時空間速度(LHSV)で操作される。
【0028】
図面は、また、いくつかの選択肢も示している。例えばライン44および46は、液体であるかまたは気体であってもよい急冷流体を運ぶことができる。水素が好ましいガス急冷流体であり、ケロシンが好ましい液体急冷流体である。
【0029】
本発明の実施において用いられる反応段は、所望の反応に適した温度および圧力で操作されているが、これらは、好ましくは、R2およびR3からR1にカスケードする処理ガス、およびR2におけるワンスルー処理ガスを供給するように調節される。例えば一般的な水素処理温度は、約50psig〜約3,000psigにおいて、約20℃〜約400℃であるが、反応条件、特に反応圧力は、一般に、例えば圧縮機などの付属圧力調節設備の必要性を最小限にするか、あるいは好ましくは除去するために、所望の処理ガスの流れを供給するように調節される。
【0030】
水素化段階が、異なる温度で操作されている2つ以上の反応域を含むことも、同様にこの発明の範囲内にある。すなわち、これらの反応域の少なくとも1つは、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも25℃、好ましくは少なくとも約50℃低い温度で操作される。原料の流れに関して最後の下流反応域は、低い方の温度で操作される反応域であることが好ましい。
【0031】
水素処理の目的で、および本発明の文脈において、「水素」および「水素含有処理ガス」という用語は同義語であり、純粋水素であってもよく、あるいは意図されている反応にとって、少なくとも十分な量にある水素プラス、これらの反応または生成物を妨害せず悪影響も与えないその他の1つまたは複数のガス(例えば窒素および例えばメタンなどの軽質炭化水素)を含む処理ガスストリームである水素含有処理ガスであってもよい。例えばHSおよびNHなどの不純物は望ましくなく、有意量で存在するならば、R1反応器に供給される前に、普通は処理ガスから除去されるであろう。反応段に導入された処理ガスストリームは、好ましくは、少なくとも約50vol%の水素、より好ましくは少なくとも約75vol%の水素、最も好ましくは少なくとも約95vol%の水素を含むであろう。何らかの特定の段階の蒸気流出物中の未反応水素が、何らかの段階において水素処理のために用いられている操作において、その段階の蒸気流出物がその後の1つまたは複数の段階にとって十分な水素を含むためには、その段階に導入された新鮮な処理ガス中に十分な水素が存在しなければならない。1つの実施態様において、第一段階水素処理(R1)に必要とされる水素のすべてまたは一部分は、第一段階に供給される第二段階蒸気流出物に含まれている。第一段階蒸気流出物が冷却されて凝縮され、水素化処理された比較的クリーンでより重質な(例えばC4+)炭化水素が回収される。
【0032】
本発明に用いられる反応容器における液相は、一般的に、主としてこの原料の比較的高い沸点の成分から成る。蒸気相は、一般的に、水素含有処理ガス、例えばHSおよびNHなどのヘテロ原子不純物、および新鮮な原料中のより低い沸騰の気化成分、ならびに水素処理反応の軽質生成物の混合物である。蒸気相流出物が、さらにそれ以上の水素処理を必要とするならば、これは追加の水素処理触媒を含む蒸気相反応段に送られ、さらなる反応に適した水素処理条件に付されてもよい。あるいはまた蒸気相生成物中の炭化水素は、蒸気の冷却によって凝縮することができ、その結果生じた凝縮物液体は、必要であれば反応段のどちらにも再循環される。既に適切に低レベルのヘテロ原子を含んでいる原料が、芳香族飽和および/または分解のための反応段に直接供給されることも、本発明の範囲内にある。
【0033】
1つの実施態様において、本発明の液相生成物は、他の留出油またはアップグレードされた留出油と組合されてもよい。議論されているように、これらの生成物は、例えば潤滑補助剤、セタン向上剤などの燃料添加剤の有効量と適合しうるものである。好ましくは大きい方の量の生成物が、小さい方の量の添加剤と組合されるが、燃料添加剤は、燃料の性能を損なわない限度まで用いられてもよい。用いられるあらゆる添加剤の特定の量は、この生成物の用途に応じて様々であろうが、これらの量は一般に、この生成物および添加剤の重量を基準にして0.05〜2.0重量%であろう。ただしこの範囲に限定されない。これらの添加剤は、単一であるいは所望に応じて組合せて用いることができる。
【0034】
議論されているように、比較的低レベルの硫黄および多環芳香族化合物(PNA)および総芳香族化合物対PNAの比較的高い比を有することを特徴とする留出油燃料生成物は、かかるプロセスにしたがって形成されてもよい。かかる留出油燃料は、例えばディーゼルエンジン、特にいわゆる「希薄混合」ディーゼルエンジンなどの圧縮−着火エンジンに用いることができる。かかる燃料は、下記のものと適合性がある。すなわち、例えば(i)硫黄感度の高いNOx転化排ガス触媒、(ii)微粒子トラップを含むエンジン排ガス微粒子排出削減技術、および(iii)(i)と(ii)との組合せを用いた自動車ディーゼル系などの圧縮−着火エンジン系である。かかる留出油燃料は、中程度のレベルの総芳香族化合物を有し、よりクリーンな燃焼のディーゼル燃料の生産コストを削減し、同様にこのプロセスにおいて消費される水素の量を最小限にすることによってCO排出を減少する。
【0035】
1つの実施態様において、本発明の留出油組成物は、約50wppm未満、好ましくは約25wppm未満、より好ましくは約10wppm未満、最も好ましくは約5wppm未満の硫黄を含む。これらは、好ましくは、約5〜15重量%、より好ましくは約10〜15重量%の総芳香族化合物含量を有する。本発明の実施によって得られる留出油生成物組成物のPNA含量は、約1.5重量%未満、好ましくは約1.0重量%未満、より好ましくは約0.5重量%である。芳香族化合物対PNA比は、少なくとも約11、好ましくは少なくとも約14、より好ましくは少なくとも約17である。もう1つの実施態様において、芳香族化合物対PNA比は、11〜約50、好ましくは11〜約30、より好ましくは11〜約20である。
【0036】
PNAという用語は、そのアルキルおよびオレフィン置換誘導体を含む、2つ以上の芳香族環を有する芳香族種として規定される多環芳香族化合物のことをいうものとする。ナフタレンおよびフェナントレンは、PNAの例である。芳香族化合物という用語は、そのアルキルおよびオレフィン置換誘導体を含む、1つ以上の芳香族環を含む種のことをいうものとする。したがってナフタレンおよびフェナントレンは、また、ベンゼン、トルエン、およびテトラヒドロナフタレンと共に芳香族化合物と考えられる。液体生成物ストリームのPNA含量を低下させることが望ましいが、それは、PNAが、ディーゼルエンジンにおける排出に有意に寄与するからである。しかしながら経済的理由から水素消費を最小限にすること、および蒸気改質による水素の製造に関連したCO排出を最小限にすることも同様に望ましい。したがって本発明は、液体生成物における高い芳香族化合物対PNA比を得ることによってこれらの両方を達成する。本発明にしたがって製造された燃料は、好ましくは、約190℃〜400℃の範囲で沸騰する。総芳香族化合物/PNA比>11を有する本発明の燃料は、単環芳香族化合物を含むがPNAは、ほとんど含まない、多量のより軽質な物質をブレンドすることによって調製することができる。本発明の燃料は、また、これらとは下記の点で異なる。すなわち、T10沸点が200℃よりも高く、API比重が43未満であるという点である。
【0037】
【実施例】
下記の実施例は、本発明を例証するために示されており、本発明の範囲を限定すると考えるべきではない。
【0038】
実施例1〜3
約10,000〜12,000wppmの硫黄を含むバージン留出油原料を、工業用水素化脱硫装置(第一水素化脱硫段階)において、通常の工業用NiMo/Al(Akzo−Nobel KF−842/840)とCoMo/Al(Akzo−Nobel KF−752)との両方を含む反応器を用いて、下記の一般的条件下で処理した。すなわち、300〜350psig;150〜180psig出口H;75%H処理ガス;500〜700SCF/B処理ガス率;0.3〜0.45LHSV;330〜350℃である。
【0039】
この第一水素化脱硫段階からの液体生成物ストリームを、第二水素化脱硫段階への原料ストリームとして用いた。この第二水素化脱硫段階のためのプロセス条件も、下記の表1に示されている。工業用NiMo触媒(2.6重量%Niと14.3重量%Moとを含むCriterion C−411)を、これらの運転のすべてに用いた。
【0040】
この第二水素化脱硫段階から来る液体生成物ストリームを、芳香族化合物飽和段階への原料として用いた。用いられた触媒は、CriterionからのSyncat−4であった。用いられた条件および原料および生成物特性を、下記の表1に示す。
【0041】
実施例1〜3は、50ppm未満のSを含む生成物を生成することができることを実証している。この場合、第二反応段における処理ガスへの水素の導入率は、化学的水素消費率の3倍以下である。実施例1〜3は、また、総芳香族化合物対PNA比が約11よりも大きく、T10沸点が200℃よりも大きい、5〜15重量%の芳香族化合物を含む生成物を生成することができることを実証している。
【0042】
【表1】
Figure 0004856837
【0043】
比較例A〜E
比較例A〜Eは、すべて、50wppm未満の硫黄(S)を有する通常の燃料である。比較例A、B、C、およびDは、15重量%よりも高い総芳香族化合物レベルを有する燃料について記載しており、すべて、総芳香族化合物対PNA比が10未満であり、これは、本発明の範囲外である。比較例Eは、5重量%未満の非常に低い総芳香族化合物レベルおよび25よりも大きい総芳香族化合物対PNA比を有するSwedish Class 1ディーゼルである。5重量%未満の総芳香族化合物を有する生成物は、本発明の範囲外である。
【0044】
【表2】
Figure 0004856837
【0045】
表2のボックスの中の区域は、この発明の生成物を規定している。総芳香族化合物/PNA比は、30よりも大きくてもよい。たとえ表2の横座標が、分かりやすくするために30のところで省略されていても、総芳香族化合物/PNA比は、30を超えてもよいと理解すべきである。総芳香族化合物(5〜15重量%)および総芳香族化合物/PNA基準に加えて、本発明の好ましい生成物は、約50wppm未満の硫黄(S)レベル、200℃よりも高いT10沸点、および43未満のAPI比重を有する。「FIA」、「MS」、および「SFC」という名称は、この技術において分析技術としてよく知られている。例えば「FIA」は、蛍光指示薬分析を表わし、「MS」はマススペクトロフォトメトリーを表わし、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを表わす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本明細書の図1は、低排出の留出油燃料組成物を生成するために本発明を実施するための1つの好ましいプロセス構成を示している。このプロセス構成は、2つの水素化脱硫段階と1つの芳香族化合物飽和段階とを示している。図1は、また、下流反応段から上流反応段までカスケードされる水素含有処理ガスも示している。
【図2】 本明細書の図2は、この発明の実施によって生成された生成物のいくつかの特性に関するデータのプロットである。総芳香族化合物含量が、総芳香族化合物対多環芳香族化合物の比に対してプロットされている。

Claims (17)

  1. 3,000wppmよりも高い硫黄含量を有する留出油原料の多段水素化脱硫および水素化方法であって、
    a)第一水素化脱硫段階において、ワンスルー水素含有処理ガスの存在下に前記原料ストリームを反応させ、前記第一水素化脱硫処理段階が1つ以上の反応域を含み、各々の反応域が水素化脱硫条件において水素化脱硫触媒の存在下に操作され、これによって3,000wppm未満の硫黄含量を有する液体生成物ストリームを、結果として生じる工程であって、第一水素化脱硫域のための前記水素含有処理ガスの少なくとも一部は本多段プロセス以外の供給源から供給される工程と、
    b)第一分離域に前記液体生成物ストリームを送り、前記第一分離域において蒸気相生成物ストリームと液相生成物ストリームとが生成される工程と、
    c)前記液相生成物ストリームを第二水素化脱硫段階に送る工程と、
    d)前記第二水素化脱硫段階において、ここでの次の下流段階からカスケードされた、あるいは一部カスケードされた水素含有処理ガスの存在下に前記液相生成物ストリームを反応させ、この際、前記第二水素化脱硫反応段階への処理ガスの水素導入率は、前記第二反応段階における化学的水素消費率の3倍以下であり、前記第二水素化脱硫段階は、水素化脱硫条件において操作されている1つ以上の反応域を含み、各々の反応域が1つの水素化脱硫処理触媒床を含み、これによって100wppm未満の硫黄を有する液体生成物ストリームを、結果として生じる工程と、
    e)前記第二水素化脱硫段階から第二分離域まで前記液体生成物ストリームを送り、前記第二分離域において蒸気相ストリームと液相ストリームとが生成される工程と、
    f)前記蒸気相ストリームを回収する工程と、
    g)前記液相ストリームを、ストリッピング段階に送り、ここで前記液相ストリームは、触媒の実質的不存在下、向流で流れる水素含有処理ガスと接触されることにより、ストリッピングされた液相ストリームを製造し、
    h)前記液相ストリームを、工程e)から芳香族化合物水素化段階へ送る工程と、
    )前記芳香族化合物水素化段階において、水素含有処理ガスの存在下に前記ストリッピングされた液相ストリームを反応させ、前記水素化段階は、芳香族化合物水素化条件において操作されている1つ以上の反応域を含み、各々の反応域がゼオライト担体を有する芳香族化合物水素化触媒床を含み、これによって実質的に低下したレベルの硫黄と芳香族化合物とを有する液体生成物ストリームと、上流水素化脱硫段階へカスケードされる水素含有生成物ストリームとを結果として生じる工程であって、
    前記芳香族化合物水素化処理段階は、異なる温度で操作される2つ以上の反応域を含み、前記反応域の少なくとも1つが、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも25℃低い温度で操作される工程、および
    j)工程(h)の前記液体生成物ストリームと、(i)1つ以上の潤滑補助剤、(ii)1つ以上の粘度調整剤、(iii)1つ以上の酸化防止剤、(iv)1つ以上のセタン価向上剤、(v)1つ以上の分散剤、(vi)1つ以上の低温流れ向上剤、(vii)1つ以上の金属不活性化剤、(viii)1つ以上の腐蝕防止剤、(ix)1つ以上の清浄剤、および(x)1つ以上の留出油または品質向上された留出油よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つとを組合せる工程、
    を含むことを特徴とする多段水素化脱硫および水素化方法。
  2. 工程d)は、液体生成物ストリームが、50wppm未満の硫黄を含むように実施されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  3. 工程d)は、液体生成物ストリームが、25wppm未満の硫黄を含むように実施されることを特徴とする請求項2に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  4. 前記第一および第二水素化脱硫段階の触媒は、無機耐火担体上の、少なくとも1つの第VI族金属と少なくとも1つの第VIII族金属とから成る触媒から選択されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  5. 前記第VI族金属は、MoまたはWから選ばれ、前記第VIII族金属は、NiまたはCoから選択されることを特徴とする請求項4に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  6. 前記第一分離段階から来る蒸気相ストリームの少なくとも一部分は、前記第一水素化脱硫段階に再循環されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  7. 前記第二分離段階から来る蒸気相ストリームの少なくとも一部分は、前記第一水素化脱硫段階に再循環されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  8. 前記第二水素化脱硫段階は、異なる温度で操作される2つ以上の反応域を含み、前記反応域の少なくとも1つが、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも25℃低い温度で操作されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  9. 前記第二水素化脱硫段階は、2つ以上の異なる反応域を含み、前記反応域の少なくとも1つが、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも50℃低い温度で操作されることを特徴とする請求項に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  10. 原料の流れに関して前記第二水素化脱硫段階の最後の下流反応域は、低い方の温度の反応域であることを特徴とする請求項に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  11. 前記水素化段階は、2つ以上の異なる反応域を含み、前記反応域の少なくとも1つが、1つまたは複数のその他の反応域よりも少なくとも50℃低い温度で操作されることを特徴とする請求項に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  12. 原料の流れに関して前記最後の下流反応域は、低い方の温度の反応域であることを特徴とする請求項に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  13. 水素含有処理ガスと前記芳香族化合物水素化段階の液相ストリームとは、互いに対して向流で流れることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  14. 前記第二水素化脱硫反応段から来る蒸気相ストリームが冷却され、その結果生じる凝縮液体ストリームが、残留非凝縮ストリームから分離され、この凝縮液体ストリームの一部分が、芳香族化合物水素化段階への液体原料と組合されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  15. 前記芳香族化合物水素化触媒は、無機耐火担体上の貴金属から成る触媒から選択されることを特徴とする請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  16. 前記貴金属は、PtまたはPdから選択されることを特徴とする請求項15に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
  17. 前記芳香族化合物水素化段階に供給される前記処理ガスは、ワンスルー(once−through)処理ガスであることを特徴とする、請求項1に記載の多段水素化脱硫および水素化方法。
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