JP4855584B2 - Processed plant fiber carrying fine particles with the ability to decompose organic compounds - Google Patents

Processed plant fiber carrying fine particles with the ability to decompose organic compounds Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、大気中の有害物質を分解させる能力を付加することなどを目的として、酸化チタンやトルマリンといった有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した、紙や布などの成形品を含む、植物繊維加工品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンやトルマリンなどの有機化合物分解能力を有する微粒子を用いて、大気中の有害物質などを分解する方法が盛んに研究されている。具体的には、たとえば、酸化チタン微粒子を混入した塗料を用いて建造物の表面などを塗装することで、該粒子を該表面に結合し、たとえば、自動車エンジンから排出される排ガス中に含まれる微粒子などの、大気中に放出される種々の有害物質を分解したり、またたとえば、ホルムアルデヒドなど建物の建材から室内外に放出される有害物質を分解する、といった研究が盛んに行われているのである。
【0003】
このような有機化合物の分解能力を有する微粒子を、たとえば上記したように塗料に混入し、壁やコンクリートなどの塗布対象物の表面を塗装することによって結合する場合は、該粒子を、有機化合物分解能力を有した状態で結合対象物の表面に結合させることができるか否か、そしてさらには、かかる状態を長期間に亘って安定的に維持することができるか否か、などといった点が非常に重要なポイントとなる。
【0004】
上記した有機化合物分解能力を有する微粒子を例に説明すれば、たとえば酸化チタン微粒子は、紫外線照射を受けると微粒子の表面で正孔と電子を生じ、これにより、微粒子表面に付着した有機化合物を分解するという、光触媒機能によって有機化合物を分解するものである。したがって、当然のことかも知れないが、有機化合物分解能力を有した状態で壁やコンクリートなどの結合対象物の表面に結合させるためには、有機化合物が微粒子表面に直接付着可能な状態としなければならないのである。しかしながら、酸化チタン微粒子を塗料に混入して壁やコンクリートなどの結合対象物の表面に結合すると、酸化チタン微粒子の表面は塗料によって覆われてしまうことになる。この結果、分解されるべき有機化合物は酸化チタン微粒子の表面と直接接触できなくなり、有機化合物分解能力は大幅に低下してしまう。
【0005】
またさらには、特に屋外の壁やコンクリート部分などを塗装する際には、耐候性に優れた有機性塗料を用いるのが一般的であるが、酸化チタン微粒子などの有機化合物分解能力を有する微粒子を該有機性塗料に混入すると、該微粒子が、該微粒子の結合対象物への結合剤である塗料成分自体に作用し、分解してしまうことになる。この結果、長期的にみると、酸化チタン微粒子などを結合対象物に結合した状態を安定的に維持することは困難となり、有機性塗料の分解が進行してしまうと、結合対象物表面の保護という、塗装本来の目的自体が失われることすら起こり得る。
【0006】
上記のような課題を解決するために、これまでも多くの試みがなされている。たとえば、酸化チタン微粒子などの有機化合物分解能力を有する微粒子を混入する塗料として、有機性塗料ではなく、フッ素系塗料を用いる方法が報告されている(たとえば、平成7年特許公開第171408号公報参照)。また、単に有機性塗料に混入するのではなく、結合対象物(基盤)に、該微粒子の光触媒作用によっては分解されない物質で中間層を形成したうえで有機性塗料を塗装する方法(たとえば、工業材料、Vol.48(NO.6)、p49、2000年参照)も報告されている。
【0007】
そしてさらには、有機化合物分解能力を有する微粒子の表面を、分解されるべき有機化合物を通過させる孔を有する多孔質シリカで被覆して、いわゆるマスクメロン型触媒としておくことで、混入したとしても、該微粒子の表面が塗料などと直接接触しないようにする方法(たとえば、光触媒、Vol.3、p50、2000年)の報告もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり、有機化合物分解能力を有する微粒子を使用する方法については、従来、多くの改良がなされており、一定の効果を達成している。しかしながら、各改良方法とも、さらに改善を要する課題を有している。
【0009】
たとえば、前記した有機性塗料ではなくフッ素系塗料を用いる方法の場合では、有機性塗料と比較するとフッ素系塗料は高価であるため、その実施にはコストがかかるという新たな課題が発生する。またフッ素系塗料では、その分解時にオゾンホール破壊物質が生成する恐れがあるため、環境問題上、広く一般に使用できるというわけではなく、その適用範囲がおのずと制限を受けてしまうという課題がある。これらの課題に加え、この方法は、有機化合物分解能力を有する微粒子の表面が塗料によって覆われ、この結果、分解されるべき有機化合物が微粒子の表面と直接接触できなくなる恐れがあり、有機化合物分解能力が低下してしまうという課題の解決をもたらすものではない。
【0010】
また前記したような、いわゆるマスクメロン型触媒を用いる方法は、たとえば酸化チタン微粒子などの表面を、光触媒機能を有しない多孔質シリカで覆うことによって、これを塗料と混合した場合は該微粒子が塗料と直接には接触しないようにしてその分解が生じないようにし、その一方で、分解されるべき有機化合物については、シリカの孔を通じて酸化チタン微粒子などの表面と接触できるようにしたものである。
【0011】
この方法では、有機化合物分解能力を有する微粒子を、有機化合物分解能力を有した状態で結合対象物の表面に結合できるとともに、かかる状態を長期間に亘って安定的に維持することもできるため、前記課題を解決し得る方法として注目されているが、現在も研究中の方法であり、たとえば微粒子の被覆に用いる多孔性物質の選択、多孔性物質の種別の相違による各種有機化合物の選択的通過の課題など、実用化には多くの解決されるべき課題が残されているのが現状である。
【0012】
以上に述べたのは、壁やコンクリートなどの結合対象物を該塗料で塗装することによって有機化合物分解能力を有する微粒子を結合させる方法、すなわち、塗料のように、それ自体が有機化合物分解能力を有する微粒子を結合対象物の表面に結合させる結合剤(バインダー)として、微粒子を混入する場合に生じていた課題である。このようなもの以外にも、結合対象物が紙である場合には、たとえば、酸化チタン微粒子などの有機化合物分解能力を有する微粒子を紙に漉き込む方法が試みられている(たとえば、化学、Vol.54、No.5、33、1999年参照)。しかしながら、この方法で漉いた紙は、紙の繊維と微粒子が直接接触しているため、長時間が経過すると、酸化チタンなどの光触媒機能によってこれが分解されてしまい、紙がもろくなったり破れてしまうという課題がある。このため、上記紙は、現在までのところ、実用化されていない。
【0013】
このように、酸化チタンなどの有機化合物分解能力を有する微粒子を、植物繊維加工品を含む種々の物品にうまく結合することができるならば、大気中に存在する有害な有機化合物を分解するうえで効果的な物品を提供し得ることが実験レベルでは証明されている。しかしながら、実際にこれを実用化しようとすると、該粒子をいかにして物品に結合させるかという、基本的な部分において、解決すべき課題が存在していたのである。
【0014】
そこで本願発明は、有機化合物分解能力を有する微粒子を、有機化合物分解能力を有した状態で結合し、なおかつ、かかる状態を長期間に亘って安定的に維持できる植物繊維加工品の提供を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためになされた本願請求項1に記載した本願発明は、有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品であって、該微粒子は、結合剤(バインダー)によって該加工品と結合し、該結合剤は、下記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とすることを特徴とする。
【化3】

Figure 0004855584
(式1において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは2〜10の整数である。)また、請求項2に記載した本願発明は、前記植物繊維加工品が、植物繊維を加工して成形した成形品であることを特徴とする。請求項3に記載した本願発明は、前記請求項2に記載した発明に係るものであり、前記植物繊維加工品が、セルロースを含有する紙または布からなることを特徴とする。また、請求項4に記載した本願発明は、前記請求項1に記載した発明に係るものであり、前記有機化合物分解能力を有する微粒子として、酸化チタンまたはトルマリンを結合したことを特徴とする。また、請求項5に記載した本願発明は、前記請求項1に記載した発明に係るものであり、前記有機化合物分解能力を有する微粒子として、酸化チタンおよびトルマリンを結合したことを特徴とする
【0016】
また、請求項に記載した本願発明は、前記請求項1に記載した発明に係るものであり、前記結合剤(バインダー)が、上記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である主成分に、さらに下記化学式(2)で表される化合物を加えたものであることを特徴とする)
【化4】
Figure 0004855584
(式2において、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基もしくはフェニル基であり、nは1又は2〜10の整数である。)また、請求項に記載した本願発明は、前記請求項1または6に記載した発明に係るものであり、前記結合剤(バインダー)が、加水分解可能な有機金属化合物を含有することを特徴とする。そして請求項に記載した本願発明は、前記請求項に記載した発明に係るものであり、前記加水分解可能な有機金属化合物が、チタン、ジルコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選択された1種以上の有機金属化合物であることを特徴とする。以下、本願発明を詳細に説明する。
【0017】
本願発明は、セルロースを含有する紙、布などに代表される、植物繊維を加工した植物繊維加工品を結合対象物として、有機化合物分解能力を有する微粒子を結合したものである。なお本願発明を適用し得る植物繊維加工品は、一定の形に成形されたものに限定されず、それ以外にも、たとえば、木皮や紙、布などの天然素材やその一次加工品をも含むものであり、一般的には、室内外で用いられる紙や布製の製品であれば何ら制限されない。
【0018】
より具体的に、植物繊維加工品としては、たとえば壁紙、襖紙、障子紙、天井紙、テーブルクロス、カーテン、マット、ベッド用シーツ、ペットのトイレ用マット(匂い取り)など、各種の製品を例示することができる。
【0019】
有機化合物分解能力を有する微粒子を、有機化合物分解能力を有した状態で、なおかつ、かかる状態を長期間に亘って安定的に維持できるように植物繊維加工品に結合するためには、該粒子の光触媒機能によって分解されない結合剤(バインダー)を用いて、該微粒子を植物繊維加工品に結合することが要求される。また一方で、微粒子表面を覆う結合剤(バインダー)をできるだけ少なくすることも要求される。またさらに、有機化合物分解能力を有する微粒子が物植物繊維加工品から剥離しないようにするためには、結合剤(バインダー)が、微粒子と直接結合したり、微粒子を包み込むなどして植物繊維加工品と強固に結合させるものであることも要求される。かかる要求に対して、本願発明では、有機化合物分解能力を有する微粒子を、ゾルーゲル法を利用し、アルコキシシランという該微粒子によって分解されない結合剤(バインダー)を使用して、紙や布などの植物繊維加工品に結合するという構成を採用したものである。
【0020】
本願発明において、有機化合物分解能力を有する微粒子として植物繊維加工品に結合されるのは、具体的には、たとえば、酸化チタンまたはトルマリンなどの微粒子である。たとえば酸化チタン微粒子は、通常の光触媒用として販売されているもので十分に有機化合物分解効果を期待できるため、本願発明による該微粒子を結合した植物繊維加工品を安価に提供するうえで好ましい微粒子である。またたとえばトルマリン微粒子は、必ずしも有機化合物がその表面と接触しなくても光触媒機能を発揮し得るという特性のほか、可視光や紫外線の照射が弱い室内や暗所でも光触媒機能を発揮し得るという特性を有し、特に室内、トンネル内、暗室内などでの使用に供する本願発明の植物繊維加工品を提供するうえで好ましい。むろん、本願発明においては、これら具体的な微粒子以外の微粒子を使用することに何ら制限はない。
【0021】
上記した有機化合物分解能力を有する微粒子は、2種類以上を同時に使用する、すなわち、2種以上を同時に、同一の植物繊維加工品に結合することもできる。特に酸化チタン微粒子とトルマリン微粒子の2種類の微粒子を同時に植物繊維加工品に結合させておくと、それぞれの性質から、十分な光が植物繊維加工品を照射している間は酸化チタン微粒子による有機化合物の分解が、そして光の照射量が少ないときにはトルマリン微粒子による分解が起こって、光の照射量が異なったり、変動する条件下であっても、一定の有機化合物分解効果を達成できる植物繊維加工品を提供できる。たとえば、屋内で使用する植物繊維加工品であれば、光の照射量が多い日中はもとより、照射量の少ない朝夕、さらには電灯などの光の照射しかない夜間にも、室内に存在する一定の有機化合物を分解することができるのである。
【0022】
本願発明は、前記した有機化合物分解能力を有する微粒子と前記した植物繊維加工品とを、下記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)によって結合したことを特徴とするものである。より詳しくは、結合剤(バインダー)の溶液に該微粒子を混入しておき、これを植物繊維加工品の表面に塗布して、結合剤(バインダー)を縮合、硬化させて塗布膜を形成させるのであるが、この結合剤(バインダー)の縮合、硬化の際に形成されるネットワーク中に該微粒子が取り込まれるのである。
【0023】
結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物は、下記化学式(1)で表されるものである(式1において、R1、R2、R3、R4は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは2〜10の整数である。)。
【0024】
【化5】
Figure 0004855584
上記化学式(1)で表される化合物としては、具体的にたとえば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン等の縮合体を例示できる。植物繊維加工品の表面に塗布後、縮合、硬化に時間を要することになるから、n=2から10、好ましくはn=2から8程度の縮合体を使用する。なお、化学式(1)で表される化合物は、前記例示した単量体の1種類のみを縮合したものであっても、また、例示した単量体の2種類以上を縮合したものであっても良い。
【0026】
本願発明における結合剤(バインダー)は、前記したアルコキシシラン化合物を主成分とするものであるが、該主成分に、これとは異なるアルコキシシラン化合物を加えることができる。主成分に加えるアルコキシシラン化合物としては、たとえば、化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物である式2において、R5、R6、R7、R8は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基もしくはフェニル基である)。
【0027】
【化6】
Figure 0004855584
【0028】
上記化学式(2)で表される化合物としては、具体的にたとえば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等またはこれらの縮合体を例示できる。単量体(n=1)を使用しても良いが、この場合には植物繊維加工品の表面に塗布後、縮合、硬化に時間を要することになるから、n=2から10、特に好ましくはn=2から8程度の縮合体を使用すると良い。なお、化学式(2)で表される化合物は、前記例示した単量体の1種類のみを縮合したものであっても、また、例示した単量体の2種類以上を縮合したものであっても良い。
【0029】
以上に例示した、化学式(1)及び化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物は、それぞれ単独で使用しても良いし、また、2種類以上を混合して使用しても良い
【0030】
来からゾルーゲル法で用いられているアルコキシシランは、テトラアルコキシシラン((RO)4Si)が一般的である。テトラアルコキシシランは、完全に加水分解すると、図1に示したように、シロキサン結合(−Si−O−Si−)のみの構造となり、硬いがしかし脆い塗布膜となる。従って、ガラスや金属など、それ自体が硬く、柔軟性を有していないか、あるいは必要としない植物繊維加工品の表面に有機化合物分解能力を有する微粒子を結合する場合の結合剤(バインダー)としては使用可能であるが、植物繊維加工品の中でも、柔軟性が要求されるものの表面に該結合剤(バインダー)を用いて微粒子を結合した場合は、その伸縮あるいは屈曲時に、剥離してしまう可能性がある。
【0031】
したがって、植物繊維加工品の中でも、紙や布などの柔軟性が要求されるものの表面に有機化合物分解能力を有する微粒子を結合する場合には、縮合、硬化した後にあっても柔軟性を発揮し得る結合剤(バインダー)を使用することが要求されるが、かかる観点から、本願発明においては、前記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を結合剤(バインダー)の主成分として使用している。化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物では、ケイ素原子の4個の置換基のうち、1個が加水分解されないために、テトラアルコキシシランと比較すると、隣のケイ素原子との間で、強固なシロキサン結合の数が1つ足りない構造をしている。最終的には、この未反応な置換基が「宙ぶらりん」の形で残り、この結果、縮合、硬化して植物繊維加工品と微粒子を結合させた後にも柔軟性が保持され、植物繊維加工品が伸縮、屈曲しても、剥離しないのである。
【0032】
化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物は、主成分として用いたアルコキシシラン化合物に対して、さらなる柔軟性を付与する目的で使用することができる。化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物では、ケイ素原子の4個の置換基のうち、2個が加水分解されないものであるために、化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物と比較しても、より柔軟な結合を形成するものである。したがって、これは、たとえば化学式(1)で表されたアルコキシシラン化合物が縮合してネットワークを形成する際に、その主鎖構造に入り込み、最終的には、結合剤(バインダー)が縮合、硬化して植物繊維加工品と微粒子を結合させた後にもより一層の柔軟性が保持されることになる。
【0033】
このように、本願発明では、化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とし、必要に応じて化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物を加えた結合剤(バインダー)を用い、植物繊維加工品と有機化合物分解能力を有する微粒子を結合する、という構成を採用することによって、前述した目的を達成しつつ、紙や布などの柔軟な植物繊維加工品に対して、剥離などを生じることなく、前記微粒子を結合することを可能とするのである。なお、化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物は、一般的には、主成分たるアルコキシシラン化合物の50%を超えない範囲で使用することが好ましい。この範囲を超えると、主成分であるアルコキシシラン化合物とうまく縮合せず、塗布膜の強度が低下して有機化合物分解能力を有する微粒子の植物繊維加工品への結合が弱くなるおそれがある。したがって、化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物を使用する場合には、好ましくは予備的実験を行い、適当な使用量を決定すると良い。
【0034】
ところで、化学式(1)で表されたアルコキシシラン化合物における未反応置換基R4と、化学式(2)で表されたアルコキシシラン化合物における未反応置換基R6およびR8を、有機性置換基とすれば、縮合、硬化した結合剤(バインダー)に柔軟性を与えたうえに、硬化した結合剤(バインダー)に撥水性を付与することもできる。一般に、有機性置換基はその炭素数が増えるほど、有機性、すなわち撥水性が増加するが、しかし、炭素数があまりに大きくなると立体障害がおこり、硬化した結合剤(バインダー)により形成される膜の内部に歪が生じて、結果的に強度が低下する恐れがある。したがって、硬化した結合剤(バインダー)の撥水性を利用して、植物繊維加工品に撥水性を付与することを目的に、前記R4、R6またはR8のいずれかあるいは全てを有機性置換基とする場合は、その種類や結合剤として使用する量を目的によって調整し、かつ、好ましくは予備的実験を行ったうえで決定すると良い。
【0035】
結合剤(バインダー)を縮合して硬化(固化)させるには触媒を用いるが、該触媒としては、一般に用いられている触媒を使用すれば良い。かかる触媒としては、酸触媒や塩基触媒を例示できる。酸触媒としては、具体的にはたとえば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸などを例示することができる。塩基触媒としては、具体的にたとえば、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化2―ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示することができる。
【0036】
酸触媒や塩基触媒を用いて、結合剤(バインダー)を硬化させるのであれば、反応水を供給する必要がある。ここで、結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物は、反応水および触媒が共存すると容易にゲル化してしまい、長期保存が困難になる。したがって、結合剤(バインダー)の溶液を、ゲル化を引き起こすことなく長期間に亘って保存するのであれば、前記した触媒は使用せずに加水分解可能な有機金属化合物を加えると良い。有機金属化合物を加えた結合剤(バインダー)は、例えば紙などの表面に塗布した場合、紙および空気中の水分(湿気)を吸い、酸やアルカリなどの触媒無しで自ら加水分解するが、この時同時に、主成分であるアルコキシシラン化合物と縮合してネットワークを形成し、硬化する。したがって、加水分解可能な有機金属化合物を触媒として用いる場合には、反応水を共存させる必要がなく、溶液状態で長期間、安定的に保存することが可能だからである。
【0037】
上記目的で使用し得る有機金属化合物としては、具体的にたとえば、チタン、ジルコン、アルミ、スズを含むものを例示できる。さらに具体的には、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、トリプロポキシアルミネート、アルミニウムアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどを例示することができる。
【0038】
有機化合物分解能力を有する微粒子、結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物、触媒または有機金属化合物、そして必要であるならば反応水からなる反応溶液を植物繊維加工品の表面に塗布するのみで、該植物繊維加工品に微粒子を結合することができる。反応溶液は、ミキサーやペイントシェーカなどを用いて各成分を十分に混合すれば良い。
【0039】
前記溶液には、各成分を均一に混合するため、有機溶剤を加えることが好ましい。この目的で使用される有機溶剤としては、アルコールを例示することができる。アルコールとしては、具体的にたとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどを例示することができる。なお、上記例示した有機溶剤は、各成分の均一混合という目的の外に、反応溶液の粘度や、反応溶液の乾燥速度を調整する目的で加えても良い。
【0040】
反応溶液には、酸化チタンやトルマリンなどの有機化合物分解能力を有する微粒子が含まれるが、これら微粒子は特に均一に分散させておく必要がある。このため、反応溶液の粘度調整は重要である。反応溶液の粘度調節には、前記のとおり、アルコールが使用できるのであるが、粘度調整の目的のためにはアルコール以外にも、粘度や沸点の高いものを用いることができる。具体的には、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、そして、メトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノールなどのセルソルブ類を例示することができる。またさらには、界面活性剤を使用することにより、粘度を調整することもできる。
【0041】
上記したグリコール類やセルソルブ類は、その分子内に水酸基を有している。このため、結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物がこれらの水酸基と反応、縮合してネットワークを形成し、硬化すると、シロキサン結合のネットワーク内にこのような有機性を持った分子が導入され、柔軟性がさらに増すこととなる。また、反応溶液の粘度を上げるためには、いわゆる増粘剤を加えても良い。増粘剤としては、具体的にたとえば、コロイダルシリカ、ケイソウ土などを例示することができる。
【0042】
さて、上記のような反応溶液を、例えば紙や布などの植物繊維加工品の表面に塗布すると、結合剤の主成分であるアルコキシシラン化合物が縮合、硬化して塗布膜を形成し、その際、ネットワーク中に有機化合物分解能力を有する微粒子を取り込んで植物繊維加工品表面に結合するが、同時に、柔軟性が失われることなしに、植物繊維加工品の耐水性や耐摩耗性といった物理特性が向上する。これは、下記のような理由によるものと推定される。
【0043】
一般にアルコキシシランを加水分解すると、下記反応式(1)から(3)に示した反応を経て、シロキサン結合(反応式中、−Si−O−Si−)が生成する。このようにして生成したシロキサン結合内の−Si−Oの結合エネルギーは106kcal/molであり、一方、有機化合物の典型的な結合であるC−C結合エネルギーは82.6kcal/molである。従って、前記化学式(1)で表される、結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物や化学式(2)で表されるアルコキシシラン化合物が加水分解して縮合、硬化したシロキサン結合のネットワーク、すなわちガラス質の塗布膜は、有機化合物に比べ、熱的にははるかに安定な結合であり、この結果、かかる膜が形成されることによって、植物繊維加工品の耐水性や耐摩耗性といった物理特性が向上するのである。
【0044】
【反応式1】
Figure 0004855584
【0045】
【反応式2】
Figure 0004855584
【0046】
【反応式3】
Figure 0004855584
【0047】
なお、反応溶液中に、酸やアルカリなどの触媒に代えてたとえばテトラブトキシチタニウムなどの有機金属化合物が含まれる場合には、前記したように、反応溶液中に反応水が含まれていなくとも、上記反応式(1)から(3)に類した反応が進行することはすでに述べたが、この場合に生じる反応は、詳しくは下記反応式(4)および(5)のようにしてシロキサン結合が生成する。そして、このようにして生成した−Ti−O結合がシロキサン結合のネットワークに導入されることにより、シロキサン結合のみの場合と比較して、さらに植物繊維加工品の耐熱性や耐摩耗性などの物理特性は向上されるのである。このように、有機金属化合物を使用すると、前記した以外に、結合剤(バインダー)が縮合、硬化して形成される塗布膜の物理特性向上、強いては植物繊維加工品の物理特性向上にも寄与することになる。
【0048】
【反応式4】
Figure 0004855584
【0049】
【反応式5】
Figure 0004855584
【0050】
前記反応溶液を、紙や布などの植物繊維加工品に塗布するには、いわゆるデッピング法、スプレー法、刷毛塗り法などの一般的な方法を用いれば良い。これらの方法は当業者であれば容易に実施し得る。反応溶液を塗布した後は、乾燥するだけ結合剤(バインダー)の縮合、硬化が生じるが、乾燥方法としては、一般には塗布後室温で10分間程度放置し、その後、120℃で10分程度乾燥すれば十分である。もっとも、これは一例であって、反応溶液の組成、塗布した反応溶液の量、すなわち植物繊維加工品の表面に形成される膜の厚さ、気温、そして植物繊維加工品の表面の性質などにより変化し得るものであるから、好ましくは、実際に実施する条件に沿って予備的な実験を行うなどし、適当な乾燥条件を決定しておくべきである。
【0051】
反応溶液に含まれる、酸化チタンやトルマリンなどの有機化合物分解能力を有する微粒子は、アルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)とともに、植物繊維加工品の表面に塗布される。そして溶剤が乾燥し、結合剤(バインダー)が縮合、硬化して植物繊維加工品表面に結合する段階で、アルコキシシラン化合物のネットワークに取り込まれ、強く固定される。
【0052】
本願発明において、前記反応溶液を紙や布などの植物繊維加工品の表面に塗布した場合には、結合剤(バインダー)が繊維質と絡み合い、この状態で硬化するため、繊維質と有機化合物分解能力を有する微粒子とは強固に結合されることになる。また、乾燥によって蒸発しなかった結合剤(バインダー)は、毛細管現象により繊維質の間に吸収された状態で維持されることとなる。この状態を模式的に図で示すと、図2に示すように、微粒子1は結合剤(バインダー)に覆われていない状態、すなわち、微粒子表面が外部に露出した状態で植物繊維加工品の表面に結合され、また、微粒子と繊維との結合部分2は、結合剤(バインダー)を介して結合される。
【0053】
したがって、これにより、臭気などの有機化合物は、直接微粒子表面と接触することが可能であり、微粒子の有機化合物分解能力が如何なく発揮できるのに対し、さらに、繊維との間には、結合剤(バインダー)を介して結合状態が維持されているので、光や温度条件によって、繊維自体を分解することがない。かかる現象は、本願発明者の知見では、これまでのところ紙や布などの繊維成分を有する結合対象物でしか観察することができないものである。なお、図2において、符号1は、酸化チタン(TiO2)等の微粒子、2は、当該微粒子とセルロース繊維との接合部分、3は、繊維、4は、当該繊維内に結合剤(バインダー)成分が吸収された部分を模式的に示したものである。
【0054】
ところで、前記したように、毛細管現象により繊維質の間に吸収された結合剤(バインダー)は、表面張力により、繊維質と微粒子の接点に集まる(図2参照)。接点に集まった結合剤(バインダー)はその後、縮合、硬化するが、このように、繊維質と微粒子との間では、多数のネットワークが形成され、微粒子は、非常に強固に植物繊維加工品に結合されることになる。
【0055】
一般的に、紙や布の植物繊維加工品は、その繊維質がセルロースを中心に構成されている。セルロースは水酸基を有しており、この水酸基が結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物と反応する。この反応の結果、セルロース―ケイ素―微粒子が化学的に強く結合する。この結合状態を酸化チタン(TiO2)を例にして、それがセルロース等の繊維と結合する状態は、図3に示すようになると推定され、酸化チタン(TiO2)が、ケイ素を介して結合していると、このように、本願発明において、植物繊維加工品として、特に紙や布などのセルロースを含有しているものを用いると、結合剤(バインダー)は、ケイ素を介して微粒子と植物繊維加工品を化学的に結合し、かつ、微粒子を取り込みつつネットワークを形成し、その表面にこれを強固に結合する。つまり、セルロースを含む植物繊維加工品に対しては、単に微粒子をネットワークに取り込む以上に、化学的結合によって、両者をより強固に結合するのである。
【0056】
また、表面張力又は毛細管現象により、結合剤が植物繊維加工品表面の繊維質と有機化合物分解能力を有する微粒子との接点に集まることで、前記した以外に、微粒子の光触媒機能によって該繊維質が分解されることが防止される。これは、結合剤(バインダー)が繊維質と微粒子との接点に集まり、両者の間で硬化することにより、直接に微粒子と繊維質とが接触するのを妨げ、いわば緩衝材の役割を果たすためであると考えられる。
【0057】
このような緩衝剤的な効果を最大限発揮させるには、微粒子に対する結合剤(バインダー)、すなわちアルコキシシラン化合物の濃度(主成分たるものと副成分たるものの合計量)が重要であるが、該濃度は、使用する微粒子の粒子径、植物繊維加工品の表面に存在する繊維の種類、太さや、さらには当該繊維の織り方などに変化するため、好ましくは、予備的な実験を行って適宜最適な濃度を決定することが良い。本願発明者の知見によれば、一般的には、有機化合物分解能力を有する微粒子の重量に対し、10から100%重量、特に好ましくは30から60%重量の結合剤(バインダー)を使用すると繊維の自壊作用を阻止し、さらには、好結果の臭気物質分解効率を達成しうることを知り得た。
【0058】
むろん、この範囲を外れると本願発明を実施できないというわけではないが、あまり大量の結合剤(バインダー)を用いると、微粒子の結合に関与しない、無駄が増えるばかりでなく、結合剤(バインダー)が微粒子の表面を覆ってしまい、微粒子活性が低下する恐れがある。この逆に、用いる結合剤(バインダー)の量があまり少ないと、繊維質と有機化合物分解能力を有する微粒子との間の化学結合はもとより、結合剤(バインダー)が縮合して形成されるネットワーク中に微粒子を取り込むことが困難となって、微粒子が植物繊維加工品から剥離しやすくなると共に、微粒子と植物繊維加工品自体が接触し、繊維自体が分解されるおそれがあるため、製品の持続ができず、注意が必要である。
【0059】
【発明の効果】
本願発明は、酸化チタンやトルマリンなどの、有機化合物分解能力を有する微粒子を、該微粒子に上記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)によって植物繊維加工品の表面に強固に結合させるために、該微粒子の光触媒機能によって結合剤(バインダー)が分解され、剥離するなどという心配がない。
【0060】
特に、植物繊維加工品が、セルロース繊維を主成分とする紙や布など、アルコキシシランと反応し得る官能基を有するものである場合には、前述したように、結合剤(バインダー)の使用量を制御することで、有機化合物分解能力を有する微粒子の表面が、過度に結合剤(バインダー)によって覆われ、その結果、光触媒機能が低下するという課題が生じることもない。またこの場合には、植物繊維加工品と微粒子とを、化学結合とネットワーク中への取り込みという機械的結合の双方によって、より強固に結合できるとう効果や、結合剤(バインダー)が、植物繊維加工品と微粒子が接触するのを妨げることから、酸化チタン微粒子を用いた場合であっても、該微粒子の光触媒機能によって植物繊維加工品そのものが分解されることも防止できるという効果も達成できる。
【0061】
以上のとおり、本願発明は、上記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)を用いて、有機化合物分解能力を有する微粒子を、植物繊維加工品に結合させる、という構成によって、該微粒子を、有機化合物分解能力を有した状態で結合し、なおかつ、かかる状態を長期間に亘って安定的に維持した植物繊維加工品を提供したものである。
【0062】
また、前記結合剤(バインダー)の主成分であるアルコキシシラン化合物は、縮合、硬化することによって植物繊維加工品の表面にガラス質の塗布膜を形成するものである。したがって、前記したように、有機化合物分解能力を有する微粒子を植物繊維加工品に結合するのみではなく、同時に、植物繊維加工品に耐水性や耐摩耗性、さらには耐熱性などを付与することもできる。この結果、植物繊維加工品は光沢を呈するようになり、屋内インテリアとしても価値はもとより、風雪にさらされる屋外での使用にも耐えうるものとなる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、これら実施例はあくまで一例であって、本願発明を限定するものではない。
【0064】
実施例1
メチルトリメトキシシランのオリゴマー体(平均重合度3から4量体)19.0g、ジブチルスズジアセテート0.8gおよびイソプロピルアルコール20gを十分に混合し、有機化合物分解能力を有する微粒子である光触媒用酸化チタン(AMT−100、商品名、テイカ(株)製、アナタース型、平均粒径6nm)32gを加え、さらにホモジナイザーにて十分に混合して分散し、反応溶液を調製した。
【0065】
次に、A4判にカットした和紙の両面に、刷毛を用いて上記反応溶液を塗布した。反応溶液を塗布した和紙は、室温で10分間乾燥し、さらに130℃で10分間乾燥させた。なお、このようにして製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が19.0g増加していた。
【0066】
実施例2
アルコキシシラン化合物として、メチルトリメトキシシランのオリゴマー体(平均重合度3から4量体)17gおよびジメチルジメトキシシランのオリゴマー体(平均重合度4から5量体)2gを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が17.3g増加していた。
【0067】
実施例3
有機化合物分解能力を有する微粒子として、酸化チタンに代えてトルマリン(エコ・アカデミー社製、ショートトルマリン粉末、平均粒径3μm)32gを使用した以外は、実施例2と同様にして、トルマリン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造したトルマリン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が14.7g増加していた。
【0068】
実施例4
有機化合物分解能力を有する微粒子として、実施例1で用いた酸化チタン16gと、実施例2で用いたトルマリン16gの、合計32gを使用した以外は、実施例2と同様にして、酸化チタンおよびトルマリン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタンおよびトルマリン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が18.7g増加していた。
【0069】
実施例5
メチルトリメトキシシランのオリゴマー体(平均重合度3から4量体)の使用量を9.5gとし、さらにジブチルスズジアセテートの使用量を0.4gとした以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が18.9g増加していた。
【0070】
実施例6
メチルトリメトキシシランのオリゴマー体(平均重合度3から4量体)の使用量を4.8gとし、さらにジブチルスズジアセテートの使用量を0.2gとした以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が19.2g増加していた。
【0071】
実施例7
酸化チタンの使用量を4gとした以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が17.3g増加していた。
【0072】
比較例1
アルコキシシラン化合物として、テトラメトキシシランのオリゴマー体(通称MS−51、平均重合度3から4量体)19.0gを使用した以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン結合和紙を製造した。なお、本実施例で製造した酸化チタン結合和紙は、材料として用いた和紙に比べ、乾燥後で重量が17.3g増加していた。
【0073】
実施例 微粒子の紙に対する結合性性試験
微粒子の紙に対する結合性試験を、以下のようにして行った。
【0074】
まず、実施例1から7及び比較例1で製造した有機化合物分解能力を有する微粒子結合和紙の表面を、軍手を着用した手の指で強く5回擦って微粒子の剥げ落ちる程度を測定し、微粒子の紙に対する結合性を観察した。
【0075】
結果を表1に示す。表中の測定結果において、二重丸は上記試験にて微粒子がまったく剥離しなかったことを、丸は上記試験にて微粒子がごくわずかだが剥離したことを、四角は上記試験にて微粒子がわずかではあるが剥離したことを、そして、バツは、上記試験にてかなりの微粒子が剥離したことをそれぞれ示すものである。
【0076】
表1から明らかなように、テトラメトキシシラン、すなわち縮合した際に、シロキサン結合(−Si−O−Si−)のみの、硬い塗布膜を形成するアルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)を使用して製造した比較例1の和紙では、かなりの微粒子が剥離した。しかし、その他の上記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とする結合剤(バインダー)を使用して製造した和紙では、微粒子の剥離はわずかであった。なかでも、2種類のアルコキシシラン化合物を結合剤(バインダー)として製造した和紙(実施例2から4や、適当量の結合剤(バインダー)を使用して製造されたと推定される和紙(実施例7)では、微粒子の剥離は観察されなかった。
【0077】
【表1】
Figure 0004855584
【0078】
実施例 耐光試験および強伸試験
実施例2および3で製造した和紙について、以下の要領にしたがって耐光試験を行った。また比較のため、材料として用いた和紙(ブランク)についても耐光試験および強伸試験を行った。
【0079】
試験方法:JIS L08432 カーボン アーク燈光試験
ブラックパネル温度63±3℃ 100時間照射
【0080】
強伸試験は、燈光試験後の和紙について、以下の要領にしたがって実施した。
【0081】
試験方法:JIS P8113 紙および板紙引張特性試験
テンシロン引張試験機、試料幅15mm、つかみ間隔100mm、引張速度10mm/min
【0082】
結果を表2に示す。表2から明らかなように、結合剤(バインダー)の縮合、硬化によって和紙の表面に塗布膜が形成されたことにより、実施例2および3で製造された微粒子結合和紙では、耐光性が向上していることがわかる。また実施例2および3で製造された和紙では、耐強伸性も格段に向上していることがわかる。
【0083】
【表2】
Figure 0004855584
【0084】
実施例10 ホルムアルデヒド分解能力試験
実施例2、3および7で製造した微粒子結合和紙を用いて、シックハウス症の原因物質として近年問題となっているホルムアルデヒドの分解能力試験を行った。また比較のため、材料として用いた和紙(ブランク)についても同様の試験を行った。
【0085】
試験は、まず、一辺10cmの正方形に切断した和紙を、1Lテドラーバッグに封入した。このバッグに、24ppmに調整したホルムアルデヒドガスを充填し、ガス濃度の経時変化を、検知管法によって測定し、ホルムアルデヒド分解能力の評価とした。
【0086】
結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例で製造した和紙は、いずれもホルムアルデヒド分解能を有していることがわかる。
【0087】
【表3】
Figure 0004855584

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来からゾルーゲル法で用いられているテトラアルコキシシラン((RO)4Si)が完全に加水分解した様子を説明するための図である。
【図2】図2は、毛細管現象により繊維質の間に吸収された結合剤(バインダー)により、微粒子が結合剤(バインダー)に覆われていない状態、で植物繊維加工品の表面に結合される様子を説明するための図である。
【図3】図3は、酸化チタン(TiO2)を例にして、それがセルロース等の繊維と結合する状態を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
1・・・酸化チタン(TiO2)等の微粒子、
2・・・微粒子とセルロース繊維との接合部分、
3・・・繊維、
4・・・繊維内に結合剤(バインダー)成分が吸収された部分[0001]
[Industrial application fields]
  The present invention relates to a plant fiber, including a molded article such as paper or cloth, to which fine particles having an ability to decompose organic compounds such as titanium oxide and tourmaline are combined for the purpose of adding an ability to decompose harmful substances in the atmosphere. It relates to processed products.
[0002]
[Prior art]
  A method for decomposing harmful substances in the atmosphere using fine particles having an ability to decompose organic compounds such as titanium oxide and tourmaline has been actively studied. Specifically, for example, the surface of a building is coated by using a paint mixed with titanium oxide fine particles to bind the particles to the surface and are contained in, for example, exhaust gas discharged from an automobile engine. Active research has been conducted to decompose various harmful substances released into the atmosphere, such as fine particles, and decompose harmful substances released from the building materials such as formaldehyde indoors and outdoors. is there.
[0003]
  In the case where such fine particles having the ability to decompose organic compounds are mixed in a paint as described above and bonded by coating the surface of an object to be coated such as a wall or concrete, the particles are decomposed into organic compounds. Whether or not it can be bound to the surface of the object to be bound with the ability,AcrossWhether it can be stably maintained or not is a very important point.
[0004]
  Taking the fine particles having the ability to decompose organic compounds as an example, for example, titanium oxide fine particles generate holes and electrons on the surface of the fine particles when irradiated with ultraviolet rays, thereby decomposing the organic compound adhering to the fine particle surface. The organic compound is decomposed by the photocatalytic function. Therefore, as a matter of course, in order to bond to the surface of a binding object such as a wall or concrete with the ability to decompose organic compounds, the organic compound must be in a state where it can directly adhere to the surface of the fine particles. It will not be. However, when the titanium oxide fine particles are mixed in the paint and bonded to the surface of the object to be bonded such as a wall or concrete, the surface of the titanium oxide fine particles is covered with the paint. As a result, the organic compound to be decomposed cannot be in direct contact with the surface of the titanium oxide fine particles, and the organic compound decomposing ability is greatly reduced.
[0005]
  Furthermore, it is common to use organic paints with excellent weather resistance, especially when painting outdoor walls or concrete parts. However, fine particles having the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide fine particles are used. When mixed in the organic paint, the fine particles act on the coating component itself that is a binder to the binding target of the fine particles and are decomposed. As a result, in the long term, it becomes difficult to stably maintain the state in which the titanium oxide fine particles and the like are bonded to the binding target, and the decomposition of the organic paint proceeds, so that the surface of the binding target is protected. Even the original purpose of painting itself can be lost.
[0006]
  Many attempts have been made to solve the above problems. For example, a method of using a fluorine-based paint instead of an organic paint as a paint for mixing fine particles having an ability to decompose organic compounds such as titanium oxide fine particles has been reported (see, for example, JP-A-171408). ). In addition, a method for coating an organic paint on an object to be bound (substrate) after forming an intermediate layer with a substance that is not decomposed by the photocatalytic action of the fine particles (for example, industrial paint) Materials, Vol. 48 (NO. 6), p49, 2000) have also been reported.
[0007]
  And furthermore, even if it is mixed by covering the surface of the fine particles having the ability to decompose organic compounds with porous silica having pores through which the organic compound to be decomposed passes, as a so-called mask melon type catalyst, There is also a report of a method (for example, photocatalyst, Vol. 3, p50, 2000) that prevents the surface of the fine particles from coming into direct contact with a paint or the like.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
  As described above, many improvements have been made in the past with respect to methods using fine particles having the ability to decompose organic compounds, and certain effects have been achieved. However, each improvement method has a problem requiring further improvement.
[0009]
  For example, in the case of a method using a fluorine-based paint instead of the organic paint, the fluorine-based paint is more expensive than the organic paint, and thus a new problem arises that its implementation is costly. In addition, in the case of fluorine-based paints, ozone hole destructive substances may be generated at the time of decomposition, so that they cannot be used widely in general due to environmental problems, and there is a problem that the application range is naturally limited. In addition to these problems, this method has a problem that the surface of fine particles having the ability to decompose organic compounds is covered with paint, and as a result, the organic compound to be decomposed may not be in direct contact with the surface of the fine particles. It does not bring about the solution of the problem of reduced ability.
[0010]
  Further, the method using the so-called musk melon type catalyst as described above is, for example, by covering the surface of titanium oxide fine particles or the like with porous silica having no photocatalytic function. The organic compound to be decomposed can be brought into contact with the surface of titanium oxide fine particles or the like through the pores of silica.
[0011]
  In this method, fine particles having the ability to decompose organic compounds can be bonded to the surface of the object to be bonded in a state having the ability to decompose organic compounds, and such a state can be maintained for a long period of time.AcrossAlthough it can be stably maintained, it is attracting attention as a method that can solve the above-mentioned problems. However, it is a method that is still under study, for example, selection of a porous material used for coating fine particles, type of porous material. At present, many problems to be solved remain in practical use, such as the problem of selective passage of various organic compounds due to the difference in the above.
[0012]
  What has been described above is a method of binding fine particles having an organic compound decomposing ability by coating an object to be bonded such as a wall or concrete with the paint, that is, the organic compound decomposing ability itself as a paint. This is a problem that arises when fine particles are mixed as a binder (binder) that binds the fine particles to the surface of the object to be bonded. In addition to the above, when the binding object is paper, for example, a method in which fine particles having the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide fine particles are put into paper has been tried (for example, chemical, Vol. .54, No. 5, 33, 1999). However, since the paper woven by this method is in direct contact with the fiber and fine particles of the paper, after a long time, it is decomposed by a photocatalytic function such as titanium oxide, and the paper becomes brittle or torn. There is a problem. For this reason, the paper has not been put into practical use so far.
[0013]
  In this way, if fine particles having the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide can be successfully bound to various articles including processed plant fiber products, it is necessary to decompose harmful organic compounds present in the atmosphere. It has been proven at the experimental level that it can provide an effective article. However, when this was actually put into practical use, there was a problem to be solved in the basic part of how to bond the particles to an article.
[0014]
  Therefore, the present invention is to bind fine particles having an organic compound decomposing ability in a state having an organic compound decomposing ability, and to maintain such a state for a long period of time.AcrossThe object is to provide a plant fiber processed product that can be stably maintained.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention described in claim 1, which has been made to achieve the above object, is a processed vegetable fiber product in which fine particles having the ability to decompose organic compounds are combined., YuiCombined with the processed product by a mixture (binder)The binder is mainly composed of an alkoxysilane compound represented by the following chemical formula (1).It is characterized by that.
[Chemical 3]
Figure 0004855584
(In Formula 1, R 1 , R 2 , R Three , R Four Are hydrogen, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or a phenyl group, which may be the same or different, and n is an integer of 2 to 10. )Moreover, the present invention described in claim 2 is characterized in that the processed plant fiber product is a molded product obtained by processing a plant fiber. The present invention described in claim 3 relates to the invention described in claim 2, wherein the processed plant fiber is made of paper or cloth containing cellulose. In addition, the present invention described in claim 4 relates to the invention described in claim 1, characterized in that titanium oxide or tourmaline is bound as the fine particles having the ability to decompose organic compounds. Further, the present invention described in claim 5 relates to the invention described in claim 1, characterized in that titanium oxide and tourmaline are bound as fine particles having the ability to decompose organic compounds..
[0016]
  Claims6The present invention described in claim 1 relates to the invention described in claim 1, wherein the binder (binder) isthe aboveIn addition to the main component which is an alkoxysilane compound represented by the chemical formula (1),followingIt is characterized by adding a compound represented by the chemical formula (2)).
[Formula 4]
Figure 0004855584
(In Formula 2, R Five , R 6 , R 7 , R 8 Are the same or different, hydrogen, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms or a phenyl group, and n is 1 or an integer of 2 to 10. )Claims7The present invention described in claim 1 is the above claim 1.Or 6And the binder (binder) contains a hydrolyzable organometallic compound. And claims8The invention of the present application described in claim 17The hydrolyzable organometallic compound is one or more organometallic compounds selected from the group consisting of titanium, zircon, aluminum and tin. Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0017]
  The present invention is obtained by binding fine particles having an ability to decompose an organic compound using a processed plant fiber processed from plant fiber, such as paper and cloth containing cellulose, as a binding target. The plant fiber processed products to which the present invention can be applied are not limited to those formed into a certain shape, but also include, for example, natural materials such as bark, paper, and cloth, and primary processed products thereof. In general, any product made of paper or fabric used indoors or outdoors is not limited.
[0018]
  More specifically, as processed plant fiber products, various products such as wallpaper, paperboard, shoji paper, ceiling paper, tablecloths, curtains, mats, bed sheets, pet toilet mats (odor remover), etc. It can be illustrated.
[0019]
  Fine particles having the ability to decompose organic compounds can be used for a long period of time while maintaining the ability to decompose organic compounds.AcrossIn order to bind to a processed plant fiber so that it can be stably maintained, it is required to bind the fine particles to the processed plant fiber using a binder that is not decomposed by the photocatalytic function of the particles. . On the other hand, it is also required to reduce the binder (binder) covering the surface of the fine particles as much as possible. Furthermore, in order to prevent fine particles having the ability to decompose organic compounds from being peeled off from processed plant fiber products, a processed product of plant fibers is obtained by binding a binder (binder) directly to the fine particles or enclosing the fine particles. It is also required to be tightly coupled with. In response to such demands, the present invention uses fine particles having an organic compound decomposing ability using a sol-gel method and using a binder (binder) that is not decomposed by the fine particles, such as alkoxysilane, to produce plant fibers such as paper and cloth. A configuration is adopted in which it is combined with a processed product.
[0020]
  In the present invention, specifically, it is fine particles such as titanium oxide or tourmaline that are bonded to the processed plant fiber as fine particles having the ability to decompose organic compounds. For example, titanium oxide fine particles, which are sold for ordinary photocatalysts, can be expected to sufficiently decompose organic compounds, so that they are preferable for providing a processed plant fiber product combined with the fine particles according to the present invention at a low cost. is there. In addition, for example, tourmaline fine particles can exhibit a photocatalytic function even if an organic compound is not in contact with the surface thereof, and also can exhibit a photocatalytic function even in a room or dark place where irradiation with visible light or ultraviolet light is weak. In particular, it is preferable for providing a processed plant fiber product of the present invention for use in a room, tunnel, dark room or the like. Of course, in the present invention, there is no limitation on the use of fine particles other than these specific fine particles.
[0021]
  Two or more kinds of the above-mentioned fine particles having the ability to decompose organic compounds can be used simultaneously, that is, two or more kinds can be simultaneously bonded to the same processed plant fiber product. In particular, when two kinds of fine particles, titanium oxide fine particles and tourmaline fine particles, are bonded to the processed plant fiber at the same time, the organic properties of the fine titanium oxide particles are sufficient while sufficient light is radiated to the processed vegetable fiber. Plant fiber processing that can achieve a certain organic compound degradation effect even under conditions where the degradation of the compound and when the amount of light irradiation is small causes degradation by tourmaline fine particles, and the light irradiation amount varies or fluctuates Can provide goods. For example, in the case of processed plant fiber products used indoors, there is a certain amount that is present indoors not only during the day when there is a large amount of light, but also in the morning and evening when the amount of light is low, and even at night when there is only light such as light It is possible to decompose these organic compounds.
[0022]
  The present invention relates to the fine particles having the ability to decompose organic compounds as described above and the processed plant fiber as described above,It is represented by the following chemical formula (1)AlkoxysilaneCompoundIt is characterized by being bonded by a binder (binder) containing as a main component. More specifically, the fine particles are mixed in a solution of a binder (binder), applied to the surface of the processed vegetable fiber product, and the binder (binder) is condensed and cured to form a coating film. However, the fine particles are taken into the network formed during the condensation and curing of the binder (binder).
[0023]
  Alkoxysilane, the main component of the binderThe compound isIt is represented by the following chemical formula (1) (in formula 1, R1, R2, RThree, RFourAre the same or different and are each hydrogen, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or a phenyl group.N is an integer of 2-10.).
[0024]
[Chemical formula 5]
Figure 0004855584
  Specific examples of the compound represented by the chemical formula (1) include methyltrimethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, propyltrimethoxysilane, butyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltriethoxysilane, and propyltrimethoxysilane. Ethoxysilane, butyltriethoxysilane, methyltripropoxysilane, ethyltripropoxysilane, propyltripropoxysilane, butyltripropoxysilaneEtc.Condensates can be exemplified. PlantingAfter application to the surface of the processed fiber product, it takes time to condense and cure, so n = 2 to 10GoodPreferably, a condensate with n = 2 to 8 is used.TheIn addition, the compound represented by the chemical formula (1) may be obtained by condensing only one kind of the exemplified monomers, or may be obtained by condensing two or more kinds of the exemplified monomers. Also good.
[0026]
  The binder (binder) in the present invention is the alkoxysilane described above.CompoundThe main component is a different alkoxysilane.CompoundCan be added. Alkoxysilane added to the main componentCompoundFor example, an alkoxysilane represented by the chemical formula (2)CompoundIs(In Equation 2, RFive, R6, R7, R8Are the same or different and each represents hydrogen, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or a phenyl group).
[0027]
[Chemical 6]
Figure 0004855584
[0028]
  Specific examples of the compound represented by the chemical formula (2) include dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, diethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, diphenyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, methylvinyldimethoxysilane, Examples thereof include methylvinyldiethoxysilane and the condensates thereof. A monomer (n = 1) may be used, but in this case, n = 2 to 10, particularly preferably, since it takes time to condense and cure after coating on the surface of the processed plant fiber product. Is preferably a condensate of n = 2 to 8. In addition, the compound represented by the chemical formula (2) may be one obtained by condensing only one kind of the exemplified monomers, or may be obtained by condensing two or more kinds of the exemplified monomers. Also good.
[0029]
  The alkoxysilanes represented by the chemical formulas (1) and (2) exemplified aboveCompoundMay be used alone or in combination of two or more..
[0030]
ObedienceAlkoxysilanes that have been used in the sol-gel process are tetraalkoxysilanes (RO)FourSi) is common. When the tetraalkoxysilane is completely hydrolyzed, as shown in FIG. 1, it becomes a structure having only a siloxane bond (—Si—O—Si—), and becomes a hard but brittle coating film. Therefore, as a binder (binder) for binding fine particles having the ability to decompose organic compounds to the surface of processed plant fiber products such as glass and metal that are hard and have no flexibility or are not necessary. Can be used, but among the processed fiber products of the plant, if the surface is flexible but the fine particles are bonded to the surface using the binder (binder), it may be peeled off when it is stretched or bent There is sex.
[0031]
  Therefore, among the processed vegetable fiber products that require flexibility, such as paper and cloth, when binding fine particles with the ability to decompose organic compounds to the surface, they exhibit flexibility even after condensation and curing. It is required to use a binder (binder) that can be obtained.,in frontAlkoxysilane represented by chemical formula (1)CompoundAs the main component of the binderis doing.Alkoxysilane represented by chemical formula (1)CompoundThen, since one of the four substituents of the silicon atom is not hydrolyzed, the number of strong siloxane bonds is one less than that of the adjacent silicon atom as compared with the tetraalkoxysilane. I am doing. Eventually, this unreacted substituent remains in the form of “dangling”, and as a result, the flexibility is maintained even after condensation and curing to combine the processed plant fiber and the fine particles, and the processed plant fiber product. Even if it expands and contracts, it does not peel off.
[0032]
  Alkoxysilane represented by chemical formula (2)CompoundIs the alkoxysilane used as the main componentCompoundOn the other hand, it can be used for the purpose of imparting further flexibility. Alkoxysilane represented by chemical formula (2)CompoundThen, since four of the four substituents of the silicon atom are not hydrolyzed, the alkoxysilane represented by the chemical formula (1)CompoundCompared to, a more flexible bond is formed. Therefore, this is, for example, an alkoxysilane represented by the chemical formula (1)CompoundEnters into the main chain structure when it condenses to form a network, and eventually becomes even more flexible after the binder (binder) condenses and hardens to bind the processed plant fiber to the fine particles. Sex will be maintained.
[0033]
  Thus, in the present invention,,Alkoxysilane represented by the formula (1)CompoundAs the main component and, if necessary, an alkoxysilane represented by the chemical formula (2)CompoundBy using a binder (binder) to which a processed vegetable fiber is combined with fine particles having the ability to decompose organic compounds, a flexible material such as paper or cloth can be achieved while achieving the above-mentioned object. This makes it possible to bind the fine particles to the processed plant fiber product without causing peeling. In addition, alkoxysilane represented by chemical formula (2)CompoundIn general, alkoxysilane as the main componentCompoundIt is preferable to use it in a range not exceeding 50%. Beyond this range, the main component alkoxysilaneCompoundCondensation does not occur well, and the strength of the coating film is reduced, and the binding of fine particles having the ability to decompose organic compounds to the processed plant fiber may be weakened. Therefore, alkoxysilane represented by chemical formula (2)CompoundIn the case of using, preferably a preliminary experiment is performed to determine an appropriate amount to be used.
[0034]
  By the way, alkoxysilane represented by the chemical formula (1)CompoundUnreacted substituent R inFourAnd an alkoxysilane represented by the chemical formula (2)CompoundUnreacted substituent R in6And R8Can be used as an organic substituent to give flexibility to the condensed and cured binder (binder) and to impart water repellency to the cured binder (binder). In general, as the number of carbon atoms of an organic substituent increases, the organic property, that is, the water repellency increases. However, if the carbon number becomes too large, steric hindrance occurs and the film is formed by a cured binder. There is a risk that distortion will occur in the interior of the steel, resulting in a decrease in strength. Therefore, for the purpose of imparting water repellency to a processed vegetable fiber product using the water repellency of the cured binder (binder), the RFour, R6Or R8In the case where any or all of the organic substituents are used as organic substituents, the type and amount used as a binder are adjusted according to the purpose, and are preferably determined after preliminary experiments.
[0035]
  A catalyst is used to condense and cure (solidify) the binder (binder). As the catalyst, a commonly used catalyst may be used. Examples of such catalysts include acid catalysts and base catalysts. Specific examples of the acid catalyst include hydrochloric acid, nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, formic acid, and acetic acid. Specific examples of the base catalyst include ammonia, tetramethylammonium hydroxide, 2-hydroxyethyltrimethylammonium hydroxide, ethanolamine, diethanolamine, and triethanolamine.
[0036]
  If the binder (binder) is cured using an acid catalyst or a base catalyst, it is necessary to supply reaction water. Here, alkoxysilane which is the main component of binder (binder)CompoundWhen the reaction water and the catalyst coexist, they easily gel, making long-term storage difficult. Therefore, the solution of the binder (binder) can be applied for a long time without causing gelation.AcrossIf it is to be preserved, a hydrolyzable organometallic compound may be added without using the aforementioned catalyst. When a binder (binder) added with an organometallic compound is applied to the surface of paper, for example, it absorbs moisture (humidity) in the paper and air and hydrolyzes itself without a catalyst such as acid or alkali. At the same time, the main component alkoxysilaneCompoundTo form a network and harden. Therefore, when a hydrolyzable organometallic compound is used as a catalyst, it is not necessary to coexist with reaction water, and it can be stably stored in a solution state for a long period of time.
[0037]
  Specific examples of organometallic compounds that can be used for the above purpose include those containing titanium, zircon, aluminum, and tin. More specifically, tetrapropoxy titanate, tetrabutoxy titanate, tetrapropoxy zirconate, tetrabutoxy zirconate, tripropoxy aluminate, aluminum acetylacetonate, dibutyltin diacetate, dibutyltin dilaurate and the like can be exemplified.
[0038]
  Alkoxysilane which is the main component of fine particles and binder (binder) having the ability to decompose organic compoundsCompoundThe fine particles can be bound to the processed plant fiber by simply applying a reaction solution comprising a catalyst or an organometallic compound and, if necessary, a reaction water to the surface of the processed plant fiber. The reaction solution may be sufficiently mixed with each component using a mixer, a paint shaker, or the like.
[0039]
  An organic solvent is preferably added to the solution in order to uniformly mix the components. Examples of the organic solvent used for this purpose include alcohol. Specific examples of the alcohol include methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, pentanol, and hexanol. The organic solvent exemplified above may be added for the purpose of adjusting the viscosity of the reaction solution and the drying speed of the reaction solution in addition to the purpose of uniformly mixing the components.
[0040]
  The reaction solution contains fine particles having the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide and tourmaline, but these fine particles need to be dispersed particularly uniformly. For this reason, adjustment of the viscosity of the reaction solution is important. As described above, alcohol can be used to adjust the viscosity of the reaction solution. For the purpose of adjusting viscosity, those having a high viscosity and boiling point can be used in addition to alcohol. Specifically, for example, glycols such as ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, polyethylene glycol, dipropylene glycol, and polypropylene glycol, and methoxyethanol, propoxyethanol, butoxyethanol, methoxypropanol, ethoxypropanol, propoxypropanol, butoxy Cellsolves such as propanol can be exemplified. Furthermore, the viscosity can be adjusted by using a surfactant.
[0041]
  The glycols and cellsolves described above have a hydroxyl group in the molecule. For this reason, alkoxysilane, the main component of the binder (binder)CompoundWhen these groups react with these hydroxyl groups, condense to form a network and cure, molecules having such organic properties are introduced into the network of siloxane bonds, and the flexibility is further increased. In order to increase the viscosity of the reaction solution, a so-called thickener may be added. Specific examples of the thickener include colloidal silica and diatomaceous earth.
[0042]
  Now, when the reaction solution as described above is applied to the surface of a processed plant fiber product such as paper or cloth, alkoxysilane which is the main component of the binderCompoundCondensed and cured to form a coating film, in which fine particles having the ability to decompose organic compounds are taken into the network and bonded to the surface of the processed plant fiber, but at the same time, without loss of flexibility, Physical properties such as water resistance and abrasion resistance of the processed fiber product are improved. This is presumably due to the following reasons.
[0043]
  Generally, when alkoxysilane is hydrolyzed, a siloxane bond (-Si-O-Si- in the reaction formula) is generated through the reactions shown in the following reaction formulas (1) to (3). The bond energy of —Si—O in the siloxane bond thus formed is 106 kcal / mol, while the CC bond energy, which is a typical bond of an organic compound, is 82.6 kcal / mol. Therefore, the alkoxysilane which is the main component of the binder (binder) represented by the chemical formula (1)CompoundOr alkoxysilane represented by chemical formula (2)CompoundHydrolyzed, condensed, and cured siloxane bond networks, i.e. glassy coatings, are thermally stable bonds compared to organic compounds, resulting in the formation of such films. The physical properties such as water resistance and abrasion resistance of the processed plant fiber are improved.
[0044]
[Reaction Formula 1]
Figure 0004855584
[0045]
[Reaction Formula 2]
Figure 0004855584
[0046]
[Reaction Formula 3]
Figure 0004855584
[0047]
  When the reaction solution contains an organometallic compound such as tetrabutoxy titanium in place of the catalyst such as acid or alkali, as described above, even if the reaction solution does not contain reaction water, Although it has already been described that the reaction similar to the above reaction formulas (1) to (3) proceeds, the reaction generated in this case is described in detail in the following reaction formulas (4) and (5). Generate. Then, by introducing the -Ti-O bond generated in this way into the network of siloxane bonds, the physical properties such as heat resistance and wear resistance of the processed plant fiber are further increased compared to the case of siloxane bonds alone. The characteristics are improved. In this way, using an organometallic compound contributes to the improvement of the physical properties of the coating film formed by condensation and curing of the binder (binder), as well as the improvement of the physical properties of the processed plant fiber product. Will do.
[0048]
[Reaction Formula 4]
Figure 0004855584
[0049]
[Reaction Formula 5]
Figure 0004855584
[0050]
  In order to apply the reaction solution to a processed plant fiber such as paper or cloth, a general method such as a so-called dipping method, spray method or brush coating method may be used. Those skilled in the art can easily carry out these methods. After applying the reaction solution, condensation and curing of the binder (binder) occurs only by drying. Generally, the drying method is left at room temperature for about 10 minutes after coating, and then dried at 120 ° C. for about 10 minutes. It is enough. However, this is an example, and depends on the composition of the reaction solution, the amount of the reaction solution applied, that is, the thickness of the film formed on the surface of the processed plant fiber product, the temperature, and the nature of the surface of the processed plant fiber product. Since it can be changed, it is preferable that a suitable drying condition should be determined, for example, by conducting a preliminary experiment in accordance with the actual conditions.
[0051]
  The fine particles with the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide and tourmaline contained in the reaction solution are alkoxysilanes.CompoundIt is applied to the surface of the processed vegetable fiber product together with a binder (binder) containing as a main component. At the stage where the solvent is dried and the binder (binder) is condensed and cured to bind to the processed surface of the plant fiber,CompoundIt is taken in by the network and is firmly fixed.
[0052]
  In the present invention, when the reaction solution is applied to the surface of a processed plant fiber product such as paper or cloth, the binder (binder) is entangled with the fiber and hardens in this state. The fine particles having the ability are firmly bonded. Moreover, the binder (binder) which has not evaporated by drying will be maintained in the state absorbed between the fibers by capillary action. When this state is schematically shown in the drawing, as shown in FIG. 2, the fine particles 1 are not covered with a binder (binder), that is, the surface of the processed vegetable fiber product with the fine particle surface exposed to the outside. In addition, the bonding portion 2 between the fine particles and the fibers is bonded through a binder (binder).
[0053]
  Therefore, this allows organic compounds such as odor to come into direct contact with the surface of the fine particles, and the organic compound can be effectively decomposed by the fine particles. Since the bonding state is maintained via (binder), the fiber itself is not decomposed by light or temperature conditions. According to the knowledge of the present inventor, such a phenomenon can only be observed so far with a binding object having a fiber component such as paper or cloth. In FIG. 2, reference numeral 1 denotes titanium oxide (TiO 2).2) And the like, 2 is a bonded portion between the fine particle and cellulose fiber, 3 is a fiber, and 4 is a portion schematically showing a portion in which the binder (binder) component is absorbed in the fiber. .
[0054]
  By the way, as described above, the binder (binder) absorbed between the fibers due to the capillary phenomenon gathers at the contact points between the fibers and the fine particles due to the surface tension (see FIG. 2). The binder (binder) gathered at the contact is then condensed and cured. In this way, a large number of networks are formed between the fiber and the fine particles, and the fine particles are very strongly converted into processed plant fiber products. Will be combined.
[0055]
  In general, a processed fiber product of paper or cloth is mainly composed of cellulose. Cellulose has a hydroxyl group, and this hydroxyl group is the main component of the binder (binder).CompoundReact with. As a result of this reaction, cellulose-silicon-fine particles are chemically strongly bonded. This bonded state is changed to titanium oxide (TiO2) As an example, it is presumed that the state of bonding with fibers such as cellulose is as shown in FIG.2) Are bonded via silicon, as described above, in the present invention, when a plant fiber processed product containing a cellulose such as paper or cloth is used, the binder (binder) is Then, the fine particles and the processed plant fiber are chemically bonded via silicon, and a network is formed while taking in the fine particles, and this is firmly bonded to the surface. In other words, for processed plant fiber products containing cellulose, both are bonded more firmly by chemical bonding than simply incorporating fine particles into the network.
[0056]
  In addition to the above, the binder gathers at the contact point between the fiber on the surface of the processed plant fiber and the fine particles having the ability to decompose organic compounds due to surface tension or capillary action. It is prevented from being decomposed. This is because the binder (binder) gathers at the contact point between the fiber and the fine particles and cures between them, preventing direct contact between the fine particles and the fiber, so to speak as a buffer material It is thought that.
[0057]
  In order to maximize the buffer effect, a binder (binder) for fine particles, that is, alkoxysilaneCompound(The total amount of the main component and the subcomponent) is important, the concentration is determined by the particle diameter of the fine particles used, the type of fiber present on the surface of the processed plant fiber, the thickness, Since it changes to the weaving method of the fiber, it is preferable to determine the optimum concentration appropriately by conducting a preliminary experiment. According to the knowledge of the present inventor, generally, when a binder (binder) is used in an amount of 10 to 100% by weight, particularly preferably 30 to 60% by weight, based on the weight of fine particles having the ability to decompose organic compounds, the fiber is used. It has been found that the self-destructive action of sucrose can be prevented, and furthermore, a successful odor decomposition efficiency can be achieved.
[0058]
  Of course, it is not that the present invention cannot be carried out outside this range. However, when a large amount of binder (binder) is used, not only is it not involved in the binding of fine particles, but waste is increased, and the binder (binder) is not used. The surface of the fine particles may be covered, and the fine particle activity may be reduced. On the contrary, if the amount of binder (binder) used is too small, not only the chemical bond between the fiber and the fine particles capable of decomposing organic compounds, but also in the network formed by condensation of the binder (binder) It is difficult to incorporate the fine particles into the processed fiber, and the fine particles are easily separated from the processed vegetable fiber product, and the fine particle and the processed vegetable fiber product may come into contact with each other. It cannot be done and attention is needed.
[0059]
【The invention's effect】
  The present invention relates to fine particles having the ability to decompose organic compounds such as titanium oxide and tourmaline.Represented by the above chemical formula (1)AlkoxysilaneCompoundTherefore, there is no concern that the binder (binder) is decomposed and peeled off by the photocatalytic function of the fine particles because it is firmly bonded to the surface of the processed vegetable fiber product by the binder (binder) containing as a main component.
[0060]
  In particular, when the processed plant fiber has a functional group capable of reacting with alkoxysilane, such as paper or cloth mainly composed of cellulose fiber, the amount of binder (binder) used as described above. By controlling the above, the surface of the fine particles having the ability to decompose organic compounds is excessively covered with the binder (binder), and as a result, the problem that the photocatalytic function is lowered does not occur. In this case, the plant fiber processed product and the fine particles can be bonded more firmly by both the chemical bond and the mechanical bond of incorporation into the network. Since the product and the fine particles are prevented from coming into contact with each other, even when titanium oxide fine particles are used, an effect that the processed plant fiber itself can be prevented from being decomposed by the photocatalytic function of the fine particles can also be achieved.
[0061]
  As described above, the present inventionRepresented by the above chemical formula (1)AlkoxysilaneCompoundBy binding the fine particles having the ability to decompose organic compounds to the processed plant fiber product using a binder (binder) containing as a main component, the fine particles are bonded in a state having the ability to decompose organic compounds. In addition, such a state for a long timeAcrossA plant fiber processed product that is stably maintained is provided.
[0062]
  In addition, alkoxysilane which is the main component of the binder (binder)CompoundIs a method of forming a glassy coating film on the surface of a processed vegetable fiber product by condensation and curing. Therefore, as described above, not only the fine particles having the ability to decompose organic compounds are bound to the processed vegetable fiber product, but at the same time, it is possible to impart water resistance, abrasion resistance, heat resistance, etc. to the processed vegetable fiber product. it can. As a result, the processed vegetable fiber product becomes glossy, and is not only valuable as an indoor interior, but also can withstand outdoor use exposed to wind and snow.
[0063]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated in detail based on an Example, these Examples are an example to the last, Comprising: This invention is not limited.
[0064]
  Example 1
  Methyltrimethoxysilane oligomer (average polymerization degree: 3 to 4 mer) 19.0 g, dibutyltin diacetate 0.8 g and isopropyl alcohol 20 g are sufficiently mixed to form fine particles having the ability to decompose organic compounds. 32 g (AMT-100, trade name, manufactured by Teika Co., Ltd., anatase type, average particle size 6 nm) was added, and the mixture was further mixed and dispersed with a homogenizer to prepare a reaction solution.
[0065]
  Next, the reaction solution was applied to both sides of Japanese paper cut to A4 size using a brush. The Japanese paper coated with the reaction solution was dried at room temperature for 10 minutes, and further dried at 130 ° C. for 10 minutes. The titanium oxide bonded Japanese paper produced in this way had a weight increase of 19.0 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0066]
  Example 2
  AlkoxysilaneCompoundAs in Example 1, except that 17 g of an oligomer of methyltrimethoxysilane (average polymerization degree 3 to 4 mer) and 2 g of an oligomer of dimethyldimethoxysilane (average polymerization degree 4 to 5 mer) were used. Thus, a titanium oxide-bonded Japanese paper was manufactured. Note that the titanium oxide bonded Japanese paper produced in this example had an increase in weight of 17.3 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0067]
  Example 3
  As in Example 2, tourmaline-bound Japanese paper was used in the same manner as in Example 2 except that 32 g of tourmaline (Eco Academy, short tourmaline powder, average particle size 3 μm) was used as fine particles having the ability to decompose organic compounds. Manufactured. The tourmaline-bonded Japanese paper produced in this example had a weight increase of 14.7 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0068]
  Example 4
  Titanium oxide and tourmaline were used in the same manner as in Example 2 except that 16 g of titanium oxide used in Example 1 and 16 g of tourmaline used in Example 2 were used as fine particles having the ability to decompose organic compounds. Bonded Japanese paper was produced. The titanium oxide and tourmaline-bonded Japanese paper produced in this example had an increased weight of 18.7 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0069]
  Example 5
  Except that the amount of methyltrimethoxysilane oligomer (average polymerization degree 3 to tetramer) used was 9.5 g and the amount of dibutyltin diacetate used was 0.4 g, the same as in Example 1, Titanium oxide bonded Japanese paper was produced. Note that the titanium oxide-bonded Japanese paper produced in this example had an increase in weight of 18.9 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0070]
  Example 6
  Except that the amount of methyltrimethoxysilane oligomer (average polymerization degree 3 to 4) used was 4.8 g, and the amount of dibutyltin diacetate used was 0.2 g, the same as in Example 1, Titanium oxide bonded Japanese paper was produced. Note that the titanium oxide bonded Japanese paper produced in this example had a weight increase of 19.2 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0071]
  Example 7
  A titanium oxide-bonded Japanese paper was produced in the same manner as in Example 1 except that the amount of titanium oxide used was 4 g. Note that the titanium oxide bonded Japanese paper produced in this example had an increase in weight of 17.3 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0072]
  Comparative Example 1
  AlkoxysilaneCompoundAs in Example 1, a titanium oxide-bonded Japanese paper was produced in the same manner as in Example 1 except that 19.0 g of tetramethoxysilane oligomer (commonly referred to as MS-51, average polymerization degree 3 to 4 mer) was used. Note that the titanium oxide bonded Japanese paper produced in this example had an increase in weight of 17.3 g after drying compared to the Japanese paper used as a material.
[0073]
  Example8   Bondability test of fine particles to paper
The binding test of fine particles to paper was performed as follows.
[0074]
  First, from Example 17 and Comparative Example 1The surface of the fine particle-bonded Japanese paper having the ability of decomposing organic compounds produced in the above was measured by rubbing the surface of the hand with a hand worn by a hand 5 times strongly, and the degree of the fine particle peeling off was measured.
[0075]
  The results are shown in Table 1. In the measurement results in the table, the double circle indicates that the fine particles did not peel off at all in the above test, the circle indicates that the fine particles were slightly peeled off in the above test, and the square indicates that the fine particles did not peel off in the above test. However, it shows that it peeled off, and X indicates that a considerable amount of fine particles peeled off in the above test.
[0076]
  As is apparent from Table 1, tetramethoxysilane, that is, alkoxysilane that forms a hard coating film with only siloxane bonds (—Si—O—Si—) when condensed.CompoundManufactured using a binder (binder) based onComparative Example 1In the Japanese paper, considerable fine particles were peeled off. But otherthe aboveAlkoxysilane represented by chemical formula (1)CompoundIn the Japanese paper produced using a binder (binder) containing as a main component, the separation of fine particles was slight. Among them, two types of alkoxysilanesCompoundSeparation of fine particles was observed in Japanese paper (Examples 2 to 4) produced using a binder as a binder (binder) and Japanese paper (Example 7) presumed to have been produced using an appropriate amount of binder (binder). There wasn't.
[0077]
[Table 1]
Figure 0004855584
[0078]
  Example9   Light resistance test and strong stretch test
The Japanese paper produced in Examples 2 and 3 was subjected to a light resistance test according to the following procedure. In addition, for comparison, Japanese paper (blank) used as a material was also subjected to a light resistance test and a strong elongation test.
[0079]
  Test method: JIS L08432 carbon arc fluorescence test
Black panel temperature 63 ± 3 ℃ 100 hours irradiation
[0080]
  The strong-stretching test was performed on the Japanese paper after the fluorescent test according to the following procedure.
[0081]
  Test method: JIS P8113 paper and paperboard tensile property test
Tensilon tensile tester, sample width 15mm, gripping distance 100mm, tensile speed 10mm / min
[0082]
  The results are shown in Table 2. As is apparent from Table 2, the light-fastness improved in the fine particle-bound Japanese paper produced in Examples 2 and 3 by forming a coating film on the surface of the Japanese paper by condensation and curing of a binder (binder). You can see that In addition, it can be seen that the Japanese paper produced in Examples 2 and 3 has markedly improved strength and elongation resistance.
[0083]
[Table 2]
Figure 0004855584
[0084]
  Example10   Formaldehyde decomposition ability test
Using the fine particle-bound Japanese paper produced in Examples 2, 3, and 7, a formaldehyde decomposition ability test that has recently become a problem as a causative agent of sick house disease was performed. For comparison, the same test was performed on Japanese paper (blank) used as a material.
[0085]
  In the test, first, Japanese paper cut into a square of 10 cm on a side was sealed in a 1 L tedlar bag. This bag was filled with formaldehyde gas adjusted to 24 ppm, and the change over time in the gas concentration was measured by a detector tube method to evaluate the ability to decompose formaldehyde.
[0086]
  The results are shown in Table 3. As is apparent from Table 3, it can be seen that all the Japanese paper produced in the examples has formaldehyde resolution.
[0087]
[Table 3]
Figure 0004855584

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows tetraalkoxysilane ((RO)) conventionally used in the sol-gel method.FourIt is a figure for demonstrating a mode that Si) hydrolyzed completely.
[Fig. 2] Fig. 2 shows a state in which fine particles are not covered with a binder (binder) by a binder (binder) absorbed between fibers by capillarity, and are bonded to the surface of a processed plant fiber product. It is a figure for demonstrating a mode.
FIG. 3 shows titanium oxide (TiO2) As an example, it is a schematic diagram schematically showing a state in which it binds to fibers such as cellulose.
[Explanation of symbols]
1. Titanium oxide (TiO2Fine particles)
2 ... Junction between fine particles and cellulose fiber,
3 ... fiber,
4 ... The part in which the binder (binder) component is absorbed in the fiber

Claims (8)

有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品であって、
該微粒子は、結合剤(バインダー)によって該加工品と結合し
前記結合剤は、下記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を主成分とすることを特徴とする、前記植物繊維加工品。
Figure 0004855584
(式1において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは2〜10の整数である。)
A processed vegetable fiber product combined with fine particles having the ability to decompose organic compounds,
Microparticles, bound to the workpiece by the binding agent (binder),
The processed vegetable fiber product, wherein the binder contains an alkoxysilane compound represented by the following chemical formula (1) as a main component .
Figure 0004855584
(In Formula 1, R 1 , R 2 , R 3 , R 4 may be the same or different and each represents hydrogen, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or a phenyl group, and n is 2 to 10 (It is an integer.)
前記植物繊維加工品は、植物繊維を加工して成形した成形品であることを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。  The processed plant fiber product according to claim 1, wherein the processed plant fiber product is a molded product obtained by processing a vegetable fiber and is bonded with fine particles having an organic compound decomposing ability. 前記植物繊維加工品は、セルロースを含有する紙または布からなることを特徴とする、請求項2に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。  The plant fiber processed product combined with fine particles having an organic compound decomposing ability according to claim 2, wherein the plant fiber processed product is made of paper or cloth containing cellulose. 前記有機化合物分解能力を有する微粒子として、酸化チタンまたはトルマリンを結合したことを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。  The plant fiber processed product combined with fine particles having an organic compound decomposing ability according to claim 1, wherein titanium oxide or tourmaline is combined as the fine particles having an organic compound decomposing ability. 前記有機化合物分解能力を有する微粒子として、酸化チタンおよびトルマリンを結合したことを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。  The processed plant fiber product combined with fine particles having an organic compound decomposing ability according to claim 1, wherein titanium oxide and tourmaline are combined as the fine particles having an organic compound decomposing ability. 前記結合剤(バインダー)は、前記化学式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である主成分に、さらに下記化学式(2)で表される化合物を加えたものであることを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。
Figure 0004855584
(式2において、R5、R6、R7、R8は、それぞれ同一でも異なっていても良い、水素もしくは炭素数が1〜4のアルキル基もしくはフェニル基であり、nは1又は2〜10の整数である。
Said binder (binder) is characterized by the principal component is an alkoxysilane compound represented by Formula (1), in which further adding a compound represented by the following chemical formula (2), wherein Item 10. A processed plant fiber product obtained by binding fine particles having the ability to decompose an organic compound according to Item 1.
Figure 0004855584
(In the formula 2, R 5, R 6, R 7, R 8 are each may be the same or different, hydrogen or carbon atoms Ri alkyl group or a phenyl group der of 1 to 4, n is 1 or 2 It is an integer of -10.
前記結合剤(バインダー)は、加水分解可能な有機金属化合物を含有することを特徴とする、請求項1または6に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。It said binder (binder) is characterized by containing a hydrolyzable organic metal compound, according to claim 1 or 6 plant fiber processed product that combines the fine particles having an organic compound decomposing ability according to. 前記加水分解可能な有機金属化合物は、チタン、ジルコン、アルミニウムおよびスズからなる群から選択された1種以上の有機金属化合物であることを特徴とする、請求項に記載の有機化合物分解能力を有する微粒子を結合した植物繊維加工品。The organic compound decomposability according to claim 7 , wherein the hydrolyzable organometallic compound is one or more organometallic compounds selected from the group consisting of titanium, zircon, aluminum and tin. A processed vegetable fiber product that combines fine particles.
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