JP4855280B2 - 視角制御素子、表示装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、視角制御素子、表示装置および電子機器に関し、特に、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くする技術に関する。
携帯電話、モバイルPCなどの携帯型の電子機器に搭載される表示装置には、明るさ、コントラスト、解像度、低消費電力などの特性が求められる。表示特性の1つである視野角については、携帯電子機器の使用状況によって相反した特性が求められる。例えば、携帯電話の場合、通常の使用状況ではプライバシー保護の観点から、表示装置正面の使用者のみが見える狭い視野角が望まれるが、デジタルカメラ搭載機種やテレビ搭載機種などで画像を複数人が見る場合には広い視野角が望まれる。
こうした視野角に対する要求に対して、表示装置に積層し、電気的に視野角の広/狭を制御する視角制御素子が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の視角制御素子は、180°のねじれ角を有するねじれ配向液晶層と、その両側に光軸が平行になるように配置した偏光層を用いている。非電圧印加時には視野角は広くなり、電圧印加時には視野角が狭くなる。
特開2004−361917号公報
しかしながら、特許文献1に記載の視角制御素子では、視野角を狭くする場合に電圧印加を必要とするため、携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器の場合、視角制御素子の駆動電力分だけ消費電力の増加を招く。消費電力の増加はバッテリー駆動時間を短くするという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くするような視角制御素子を提供することを目的とする。
第1の発明に係る視角制御素子は、視野角を制御する視角制御素子であって、第1透明電極を有する第1透明基板と、第2透明電極を有する第2透明基板と、右上−左下の斜め45度である第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向、及び前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向、の少なくとも何れか一方に傾斜する液晶層とを備えることを特徴とする。
第2の発明に係る視角制御素子は、視野角を制御する視角制御素子であって、第1透明電極を有する第1透明基板と、第2透明電極を有する第2透明基板と、第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には第1群の前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向に傾斜し、第2群の前記液晶分子の配向方向が前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向に傾斜する液晶層とを備えることを特徴とする。
第1の発明に係る視角制御素子は、視野角を制御する視角制御素子であって、第1透明電極を有する第1透明基板と、第2透明電極を有する第2透明基板と、右上−左下の斜め45度である第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向、及び前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向、の少なくとも何れか一方に傾斜する液晶層とを備えることを特徴とするので、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。
第2の発明に係る視角制御素子は、視野角を制御する視角制御素子であって、第1透明電極を有する第1透明基板と、第2透明電極を有する第2透明基板と、第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には第1群の前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向に傾斜し、第2群の前記液晶分子の配向方向が前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向に傾斜する液晶層とを備えることを特徴とするので、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができるとともに、電圧印加時の視角特性の対称性を向上することができる。
以下に、適宜図を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。なお、同一符号は同一または相当部分を指し、重畳する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。実施の形態1に係る視角制御素子は、透明電極(図示せず)を有する透明基板2と、透明電極(図示せず)を有する透明基板3と、透明電極同士が対面するように透明基板2および3の間で狭持された液晶層1と、透明基板2および3の両外側にそれぞれ設けられた偏光層4および5とで構成されている。
液晶層1は、液晶分子(図示せず)が透明基板2および3に対して垂直に配向している垂直配向液晶層である。また、偏光層4の光軸6および偏光層5の光軸7は互いに平行で、且つ視角制御素子を正面から見て右上−左下の斜め45°の方向になるように配置されている。ここで、偏光層の光軸とは透過軸を指す。
図2は、本実施の形態1に係る視角制御素子の構成を示す概略断面図である。透明基板2および3の液晶層1側の面には、それぞれ透明電極8および9が形成されており、液晶層1の厚み方向に電圧が印加できるようになっている。さらに透明電極8および9の液晶層1側には、それぞれ垂直配向膜10および11が形成されており、これにより、液晶層1の液晶分子(図示せず)は透明基板2および3に対して垂直に配向される。液晶層1にネガ型液晶を用いることにより、透明基板2および3に対して垂直に配向した液晶分子は、電圧印加時に印加電圧に応じた傾斜角で傾斜する。液晶層1の配向状態は、このように電圧印加により制御することができる。
液晶層1を構成する液晶分子の傾斜方向を制御する方法として、透明電極8および9をパターニングして、電極エッジ部に発生する斜め電界により制御する方法を用いる。具体的に、図3(a)に透明電極8および9の平面的な透視図を示し、図3(b)に、図3(a)中のA−B断面図を示す。透明基板2上に形成された透明電極8には、長尺状の開口部12が形成されており、同様に、透明基板3上に形成された透明電極9にも、長尺状の開口部13が形成されている。
図3(a)に示すように、開口部12および13は、視角制御素子を正面から見て、長辺が左上−右下の斜め45°の方向(すなわち、光軸6および7に垂直)で、且つ透明基板2および3上でそれぞれ互い違いになるように配置されている。また、開口部12および13は、短辺が5μm幅であり、それぞれ100μmピッチで形成されている。
透明電極8および9に電圧を印加すると、図3(b)に示すように、電極エッジ部で斜め電界14が発生し、これにより液晶層1を構成する液晶分子15は開口部12および13の長辺に垂直な2つの方向にそれぞれ傾斜する。すなわち、液晶分子15は、図1において矢印16および17に示すように、光軸6および7と平行かつ互いに反対な2つの方向に傾斜する。
続いて、本実施の形態1に係る視角制御素子の光学特性について以下に説明する。液晶材料には、誘電率異方性Δε:−4(25℃、1kHz値)、複屈折Δn:0.085(25℃、589nm値)のネガ型液晶を用いた。液晶層1の厚みd(セルギャップとも呼ぶ)は、10μmとした。この場合、液晶層1の厚み方向の位相差(Δnとdの積)は、850nm(25℃、589nm値)である。偏光層4および5には、ヨウ素錯体を吸着させたPVA(ポリビニールアルコール)を延伸し、TAC(トリアセチルセルロース)を保護フィルムとして貼り付けたものを用いた。なお、偏光層については、例えば、SEMIスタンダードFPDテクノロジー部会編「カラーTFT液晶ディスプレイ」共立出版、P.232に詳しく解説されてものを用いることができる。
図4および5に、本実施の形態1に係る視角制御素子の視角方向に対する透過率の分布を示す。図の動径方向は傾斜角(0°から80°まで)を示し、0°は正面である。円周方向は方位角を示し、0°は視角制御素子を正面から見て右方向である。図中の複数の曲線は等透過率曲線である。図4は電圧を印加しない場合(狭い視野角時)の透過率の分布であり、図5は電圧を印加した場合(広い視野角時)の透過率の分布である。透過率は視角制御素子がない場合の光源の輝度を1として規格化した。なお、光源は複数の偏光状態を含む白色光を用いている。
電圧を印加しない場合には、図4に示すように、視角制御素子を正面から見て上下左右4方向それぞれの傾斜角50〜60°の視角領域において、透過率が0.02以下と低くなり、視野角が狭くなることが示された。電圧を印加すると、図5に示すように、上下左右4方向に見られた低透過率領域がなくなり、視野角が広くなることが示された。図6に電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比、すなわち広い視野角時に対する狭い視野角時の輝度の減少率を示す。上下左右4方向それぞれの傾斜角50〜60°の視角領域では、広い視野角時に比べて狭い視野角時は10%以下の輝度になり、覗き見を防止するのに充分な効果があることが示された。
以上のように、本実施の形態1に係る視角制御素子は、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。したがって、例えば携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器に本実施の形態1に係る視角制御素子を適用した場合、消費電力の増加を抑制し、バッテリーの駆動時間の短縮を抑制することができる。
また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て斜め45°の方向とすることで、非電圧印加時に、上下左右の4方向で視野角を狭くすることができる。
さらに、斜め電界14により液晶層1の配向状態を制御する方法は、実施の形態3で詳述するラビング法のように製造中に発塵を伴うことがないため、高い歩留まりで本実施の形態1に係る視角制御素子を製造することができる。
次に、本発明者は、本実施の形態1に係る視角制御素子が、覗き見防止に十分な視野角を有するのに必要な液晶層1の厚み方向の位相差に関する検討を行っている。図17は、液晶層1の厚み方向の位相差を変えた場合の、非電圧印加時(狭い視野角時)の視角方向に対する透過率の分布を示す。図17(a)は液晶層1の厚み方向の位相差が600nm、図17(b)は650nm、図17(c)は850nm、図17(d)は1000nmの場合の透過率の分布である。
図17(a)に示すように、液晶層1の厚み方向の位相差が小さい場合には、上下左右4方向それぞれの傾斜方向で、傾斜角に依存した透過率低下が小さく(傾斜角が60°以上で透過率が0.02以下の領域が表れる)、覗き見を防止する効果が小さいことが分かる。一方、図17(b)〜(d)に示すように、液晶層1の厚み方向の位相差が650nm以上の場合には、上下左右4方向それぞれの傾斜方向で、傾斜角に依存した透過率低下が大きくなり(傾斜角60°未満で透過率が0.02以下の領域が表れる)、十分な覗き見防止効果が得られる。
すなわち、十分な覗き見防止効果を得るためには、液晶層1の厚み方向の位相差は650nm以上とすることが望ましい。
なお、本実施の形態1では、偏光層4の光軸6および偏光層5の光軸7を、視角制御素子を正面から見て右上−左下45°の方向としているが、光軸6および7を共に時計回りに(あるいは反時計回りに)90°回転させた方向、すなわち左上−右下45°の方向としても良い。その場合、光軸6および7の方向に合わせて、電圧印加時に液晶分子15が傾斜する方向も回転させる。すなわち、長尺状の開口部12および13を90°回転させて形成する。
この場合、電圧印加時および非電圧印加時の透過率の分布も光軸6および7の方向に合わせて90°回転するが、同様に、非電圧印加時の狭い視野角のときは、上下左右の4方向で覗き見を防止する効果がある。
(実施の形態2)
図7は、本発明に係る実施の形態2の視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。実施の形態2に係る視角制御素子では、図1に示す実施の形態1と比較して、電圧印加時の液晶分子(図示せず)の傾斜する方向(矢印16および17)が異なっており、偏光層4の光軸6および偏光層5の光軸7に対して垂直な2つの方向に傾斜する。以下、具体的に説明する。
電圧印加時の液晶層1の配向制御方法は、実施の形態1と同じく、透明電極8および9をパターニングして、電極エッジ部に発生する斜め電界により制御する方法を用いる。図8に透明電極8および9の平面的な透視図を示す。実施の形態1では、長尺状の開口部12および13の長辺が光軸6および7に対して垂直な方向であったのに対し、実施の形態2では平行な方向となっている。なお、実施の形態1と同様に、開口部12および13は透明基板2および3上でそれぞれ互い違いになるように配置されており、短辺の幅、ピッチ間隔も実施の形態1と同じである。
したがって、透明電極8および9に電圧を印加すると、電極エッジ部で斜め電界が発生し、液晶層1を構成する液晶分子が開口部12および13の長辺に垂直な2つの方向にそれぞれ傾斜する。すなわち、液晶分子は、図7において矢印16および17に示すように、光軸6および7と垂直かつ互いに反対な2つの方向に傾斜する。
続いて、本実施の形態2に係る視角制御素子の光学特性について以下に説明する。液晶材料、セルギャップ、偏光層とも実施の形態1と同じである。図9および10に、本実施の形態2に係る視角制御素子の視角方向に対する透過率の分布を示す。図9は電圧を印加しない場合の透過率であり、図10は電圧を印加した場合の透過率である。
電圧を印加しない場合には、図9に示すように、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域において、透過率が0.02以下と低くなり、視野角が狭くなることが示された。電圧を印加すると、図10に示すように、上下左右4方向に見られた低透過率領域がなくなり、視野角が広くなることが示された。図11に電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す。実施の形態1と同様に、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域では、広い視野角時に比べて狭い視野角時は10%以下の輝度になり、覗き見を防止するのに充分な効果があることが示された。
以上のように、本実施の形態2に係る視角制御素子においても、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。したがって、例えば携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器に本実施の形態2に係る視角制御素子を適用した場合、消費電力の増加を抑制し、バッテリーの駆動時間の短縮を抑制することができる。
また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て斜め45°の方向とすることで、非電圧印加時に、上下左右の4方向で視野角を狭くすることができる。
さらに、実施の形態3で詳述するラビング法のように製造中に発塵を伴うことがないため、高い歩留まりで本実施の形態2に係る視角制御素子を製造することができる。
なお、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、液晶層1の厚み方向の位相差は650nm以上であることが望ましい。また、同様に、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て、左上−右下45°の方向とした上で、長尺状の開口部12および13の長辺を90°回転させて形成しても良い。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3の視角制御素子について説明する。実施の形態1および2では、透明電極に長尺状の開口部を形成して、電圧印加時に液晶層の配向制御を行っているが、本実施の形態3では、ラビング法により配向制御を行う。ラビング法とは、配向膜の表面をレーヨン、コットンなどのベルベット織物で擦り(ラビングし)、液晶層の配向を制御する方法である。
図13は、本実施の形態3に係る視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。なお、本実施の形態3に係る視角制御素子は、配向制御の方法に伴って透明電極が一様な平面形状であり、垂直配向膜の表面にラビング処理が施されていること以外は、実施の形態1と同一の構成である。
次に、液晶層1付近の断面図を図12に示す。なお、図12は、視角制御素子を正面から見て、右上−左下45°の方向で切断した断面図である。図12に示すように、透明電極8および9は、実施の形態1のような長尺状の開口部は形成されておらず、一様な平面形状を有している。その替わり、垂直配向膜10が矢印18(図12、13参照)の方向にラビングされている。ラビング方向は、光軸6および7に平行な方向であり、視角制御素子を正面から見て右上45°の方向である。
ラビングされた垂直配向膜10の表面では、液晶分子15がラビング方向に僅かに(数°程度)傾斜する。電圧印加時には、垂直配向膜10の表面付近の液晶分子15の傾斜方向に沿って、液晶層1内部の液晶分子15も傾斜し、配向状態が制御される。すなわち、電圧印加時に、液晶分子15は、光軸6および7と平行な方向に傾斜する。
続いて、本実施の形態3に係る視角制御素子の光学特性について以下に説明する。液晶材料、セルギャップ、偏光層とも実施の形態1と同じである。図14および15に、本実施の形態3に係る視角制御素子の視角方向に対する透過率の分布を示す。図14は電圧を印加しない場合の透過率であり、図15は電圧を印加した場合の透過率である。電圧を印加しない場合には、図14に示すように、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域において、透過率が0.02以下と低くなり、視野角が狭くなることが示された。電圧を印加しない場合の液晶層1の配向状態は、実施の形態1とほぼ同じであるので、電圧を印加しない場合の透過率の分布も実施の形態1とほぼ同じになる。
電圧を印加すると、図15に示すように、上下左右4方向に見られた低透過率領域がなくなり、視野角が広くなることが示された。図16には、電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す。実施の形態1と同様に、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域では、広い視野角時に比べて狭い視野角時は10%以下の輝度になり、覗き見を防止するのに充分な効果があることが示された。
以上のように、本実施の形態3に係る視角制御素子においても、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。したがって、例えば携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器に視角制御素子を適用した場合、消費電力の増加を抑制し、バッテリーの駆動時間の短縮を抑制することができる。
また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て斜め45°の方向とすることで、非電圧印加時に、上下左右の4方向で視野角を狭くすることができる。
なお、本実施の形態3でも、実施の形態1と同様に、液晶層1の厚み方向の位相差は650nm以上であることが望ましい。また、同様に、光軸6および7は、視角制御素子を正面から見て左上−右下45°の方向としても良い。この場合、ラビング方向は右下45°の方向とすればよいことは言うまでもない。
なお、本実施の形態3では、ラビング方向は視角制御素子を正面から見て右上45°の方向として説明したが、反対方向すなわち左下45°の方向であってもよい。
なお、本実施の形態3では、透明基板2上に形成された垂直配向膜10に対してのみラビングを行っているが、これに限らない。例えば、透明基板3上に形成された垂直配向膜11に対してのみ行ってもよいし、垂直配向膜10および11の両方にラビングを行ってもよい。ただし、垂直配向膜10および11の両方にラビングを行う場合は、それぞれ反対の方向にラビングを行う。例えば、垂直配向膜10のラビング方向が、視角制御素子を正面から見て右上45°の方向のときは、垂直配向膜11のラビング方向は左下45°の方向である。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、先の実施の形態に係る視角制御素子を用いた視角制御機能付き表示装置を説明する。視角制御機能付き表示装置の一例として、実施の形態1で述べた視角制御素子を用いた液晶表示装置の概略断面図を図18に示す。視角制御付き表示装置は、バックライトユニット20および液晶表示パネル21からなる液晶表示装置22と、液晶表示パネル21上に積層して形成された視角制御素子23とで構成されている。
まず、液晶表示装置22について概説する。液晶表示パネル21としては、ねじれ角が90°のねじれ配向液晶層を有するパネルを用いた。液晶表示パネル21は、一般にTN(Twist Nematic)液晶表示パネルと呼ばれるものである。TN液晶表示パネルは、液晶層を一対の基板で狭持し、その両側に偏光層が配置されて構成される。両側の偏光層の光軸は互いに直交しており、且つTN液晶表示パネルを正面から見た場合に光軸が斜め45°の方向に配置されている。また、両基板の液晶層側にはそれぞれ透明電極が形成されており、ねじれ配向液晶層の配向状態を電圧制御することができる。
非電圧印加状態では、バックライトユニット20から偏光層を通過した直線偏光がねじれ配向液晶層で偏光面が90°ねじられ、白表示となる。また、電圧が十分に印加された状態では、バックライトユニット20から偏光層を通過した直線偏光が偏光状態を変化させずにねじれ配向液晶層を通過して、黒表示となる。液晶表示パネル21上に形成された画素毎に電圧を制御することで、画像が表示される。なお、TN液晶表示パネルについては、例えば、日本液晶学会誌「液晶」2002、Vol.6、No.1、日本液晶学会、p.84に詳しく解説されたものを用いることができる。
液晶表示パネル21を通過した光は、実施の形態1に係る視角制御素子23を通過する。視角制御素子23は、電圧印加時には液晶表示装置22の視野角を広くし、非電圧印加時には液晶表示装置22の視野角を狭くする。なお、液晶表示パネル21に印加する電圧および視角制御素子23に印加する電圧は互いに独立して制御されることは言うまでもない。
ここで、上述したように、液晶表示パネル21を構成する偏光層の光軸は、液晶表示パネル21を正面から見て斜め45°の方向であり、視角制御素子23を構成する偏光層の光軸と一致する。そのため、液晶表示装置22の輝度をほとんど損なうことなく、視野角を制御することができる。
さらに、液晶表示パネル21を構成する偏光層と視角制御素子を構成する偏光層をそれぞれ一つの偏光層で共用する事ができる。具体的に、本実施の形態4に係る視角制御機能付き表示装置の基本構成を示す平面模式図を図19に示す。液晶表示パネル21は、ねじれ配向液晶層24と、ねじれ配向液晶層24の両側に配置された偏光層25および26で構成されている。偏光層25の光軸27は、液晶表示パネル21を正面から見て、左上−右下45°の方向であり、偏光層26の光軸28は右上−左下45°の方向である。
視角制御素子23は、垂直配向の液晶層1と、液晶層1の両側に配置された偏光層5および26で構成されている。なお、液晶表示パネル21および視角制御素子23はそれぞれ液晶層と偏光層のみで構成されているものとして模式的に示しているが、実際には、基板、配向膜、電極等を含んでいる。
すなわち、液晶表示パネル21および視角制御素子23は偏光層26を共用した構成となっており、偏光層26は視角制御素子23および液晶表示パネル21の偏光層として機能する。従って、偏光層1層分の厚みを減らすことができ、薄型の視角制御機能付き表示素子を実現することができる。また同時に、偏光層の光軸に平行な直線偏光に対する吸収による透過率低下を偏光層1層分だけ減らすことができ、正面輝度の明るい表示を行うことができる。
なお、本実施の形態4では、視角制御素子23を液晶表示装置22の手前に配置したが、液晶表示パネル21とバックライトユニット20の間に配置しても良い。図20は視角制御素子23を液晶表示パネル21とバックライトユニット20の間に配置した場合の、液晶表示装置22と視角制御素子23の偏光層の光軸方向、および視角制御素子23の液晶分子の傾斜する方向を示す平面模式図である。
この場合、視角制御素子23は、垂直配向の液晶層1と、液晶層1の両側に配置された偏光層4および25で構成されている。すなわち、液晶表示パネル21および視角制御素子23が偏光層25を共用している。ただし、視角制御素子23を時計回りに(あるいは反時計回りに)90°回転させて配置している。
従って、偏光層1層分の厚みを減らすことができ、薄型の視角制御機能付き表示素子を実現することができる。また同時に、偏光層の光軸に平行な直線偏光に対する吸収による透過率低下を偏光層1層分だけ減らすことができ、正面輝度の明るい表示を行うことができる。
なお、本実施の形態4では、実施の形態1に係る視角制御素子を用いて説明したが、実施の形態2または3に係る視角制御素子を用いてもよいことは言うまでもない。
なお、本実施の形態4では、液晶表示装置として、TN液晶表示パネルを用いたが、偏光層と液晶層との間に光学補償層が配置された広視野角のTN液晶表示パネルを用いても良い。光学補償層が用いられたTN液晶パネルについては、例えば、H.Moriら、Jpn.J.Appl.Phys.36(1997)、p.143に詳しく解説されているものを用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、先の実施の形態に係る視角制御素子を用いた表示装置を搭載する電子機器について説明する。一例として、実施の形態1ないし3のいずれかに係る視角制御素子を用いた表示装置を搭載した携帯電話を図21に示す。携帯電話は、実施の形態1ないし3のいずれかに係る視角制御素子(図示せず)を用いた表示装置29と、操作ボタン30と、受話口31と、送話口32とを備えている。表示装置29は、液晶だけでなく、例えば、PDP、有機EL等の自発発光タイプの表示装置を用いることができる。
使用者一人が表示装置29の正面で見る場合には、例えば、使用者が操作ボタン30を操作して狭視野角モードを選択することで、視角制御素子に電圧が印加されず、表示装置29は狭い視野角特性を有し、上下左右からの覗き見を防止することができる。また、この時、視角制御素子は駆動されていないので、電力を消費せずバッテリー駆動時間の短縮を抑制することができる。
表示装置29を複数人で見る場合には、例えば、使用者が操作ボタン30を操作して広視野角モードを選択することで、視角制御素子に電圧が印加され、表示装置29の視覚特性を広く切り替えることができる。
なお、本実施の形態5では、携帯電話を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ノートPC、PDA(個人情報端末)、電子手帳、電子ブック、電子辞書などに適用することができる。
いずれの電子機器においても、視野角を容易に制御することができると共に、使用者が一人で見るような狭い視野角特性時には視角制御素子は電力を消費しないため、長いバッテリー駆動時間を実現することができる。
(実施の形態6)
本発明に係る実施の形態6の視角制御素子について説明する。
図22は、本発明に係る実施の形態6の視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。実施の形態6に係る視角制御素子では、図1に示す実施の形態1および図7に示す実施の形態2と比較して、電圧印加時の液晶分子(図示せず)の傾斜する方向が、偏光層4の光軸6および偏光層5の光軸7に対して平行な2つの方向あるいは垂直となる2つの方向のいずれかの2方向ではなく、平行な2つの方向と垂直となる2つの方向の合わせて4方向に傾斜する。以下、具体的に説明する。
電圧印加時の液晶層1の配向制御方法は、実施の形態1あるいは2と同じく、透明電極8および9をパターニングして、電極エッジ部に発生する斜め電界により制御する方法を用いる。図23に透明電極8および9の平面的な透視図を示す。実施の形態1あるいは2では、1つの方向に長い長尺状の開口部12および13を上下基板(透明基板2および3)で互い違いに設けたのに対し、実施の形態6ではジグザグ形状の開口部12および13を設けている。なお、実施の形態1あるいは2と同様に、ジグザグ形状の開口部12および13は透明基板2および3上でそれぞれ互い違いになるように配置されている。
ジグザグ形状の開口部12は光軸6および7に対して平行な長尺状の開口部121と、光軸6および7に対して垂直な長尺状の開口部122とを有しており、これらの開口部121,122が視角制御素子を正面から見て上下方向で交互につながっている。即ち、ジグザグ形状の開口部12を構成する1辺の長辺方向は、正面から見て右上−左下の斜め45°の方向と、それと垂直な左上−右下の斜め45°の方向とを含むように形成されている。開口部121,122の1辺の短辺の幅は10μmで、長辺に垂直な方向でのピッチ間隔は80μmである。ジグザグの折れ曲がりのピッチは250μmである。なお、ジグザグ形状の開口部13も開口部12と同一形状である。
透明電極8および9に電圧を印加すると、電極エッジ部で斜め電界が発生し、液晶層1を構成する液晶分子が開口部12および13の各長辺に垂直な2つの方向にそれぞれ傾斜する。すなわち、図23の領域Aでの液晶分子(第1群の液晶分子に相当)は、正面から見て右上方向、および左下方向に傾斜する。また、図23の領域Bでの液晶分子(第2群の液晶分子に相当)は、正面から見て左上方向、および右下方向に傾斜する。なお、領域A,Bは、図23の上下方向に繰り返し交互に形成される。したがって液晶分子は、図22において4本の矢印33に示すように、光軸6および7と平行かつ互いに反対の2つの方向と、光軸6および7に垂直かつ互いに反対な2つの方向の合わせて4方向に傾斜する。
続いて、本実施の形態6に係る視角制御素子の光学特性について以下に説明する。液晶材料には、誘電率異方性Δε:−4(25℃、1kHz値)、複屈折Δn:0.210(25℃、589nm値)のネガ型液晶を用いた。液晶層1の厚みd(セルギャップとも呼ぶ)は、4.0μmとした。この場合、液晶層1の厚み方向の位相差(Δnとdの積)は840nm(25℃、589nm値)である。図24および25に、本実施の形態6に係る視角制御素子の視角方向に対する透過率の分布を示す。図24は電圧を印加しない場合の透過率であり、図25は電圧を印加した場合の透過率である。
電圧を印加しない場合には、図24に示すように、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域において、透過率が0.02以下と低くなり、視野角が狭くなることが示された。電圧を印加すると、図25に示すように、上下左右4方向に見られた低透過率領域がなくなり、視野角が広くなることが示された。
実施の形態1と比較する(図5と図25を比較する)と、正面から見て左上および右下の傾斜方向で見られた透過率の低くなる領域が小さくなり、より広視野角になっている。また、傾斜角0°から40°付近までの等透過率曲線がより真円に近づいており、中心からみた対称性に優れた透過率分布になっている。つまり、電圧印加時の視野角をより広げることができるとともに、視野角特性の対称性を向上することができる。
図26に電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す。実施の形態1あるいは2と同様に、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域では、広い視野角時に比べて狭い視野角時は10%以下の輝度になり、覗き見を防止するのに充分な効果があることが示された。
以上のように、本実施の形態6に係る視角制御素子においても、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。したがって、例えば携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器に本実施の形態6に係る視角制御素子を適用した場合、消費電力の増加を抑制し、バッテリーの駆動時間の短縮を抑制することができる。
また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て斜め45°の方向とすることで、非電圧印加時に、上下左右の4方向で視野角を狭くすることができる。
さらに、実施の形態3で詳述するラビング法のように製造中に発塵を伴うことがないため、高い歩留まりで本実施の形態6に係る視角制御素子を製造することができる。
なお、本実施の形態6でも、液晶層1の厚み方向の位相差は650nm以上であることが望ましい。また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て、左上−右下45°の方向としても良い。また、本実施の形態6では、電極のジグザグ形状の開口部は、視角制御素子を正面から見て上下方向につながった形状で設けたが、図27に示すような左右方向につながった形状で設けても良い。
なお、本実施の形態6では、領域A,Bでの液晶分子は互いに反対な2つの方向に傾斜しているがこれに限らず、領域A,Bでの液晶分子は1つの方向に傾斜していてもよい。一例として図28(a)に透明電極8および9の平面図を示し、図28(b)に、図28(a)の中のC−D断面図を示す。即ち、視角制御素子を正面に見て開口部12,13が一部重なる部分を有している。より具体的には、視角制御素子を正面に見て開口部12を紙面右方向に平行移動した位置に開口部13が設けられている。
図28(b)に示すように、電極エッジ部で斜め電界14が発生し、これにより領域Aの液晶層1を構成する液晶分子15は開口部12及び13の長辺に垂直な1つの方向に傾斜する。同様に、領域Bの液晶層1を構成する液晶分子15は開口部12及び13の長辺に垂直な1つの方向に傾斜する。
(実施の形態7)
本発明に係る実施の形態7の視角制御素子について説明する。
実施の形態7の視角制御素子の基本構成は、実施の形態6と同じであり、図22に示すとおりである。実施の形態6に係る視角制御素子では、図23に示すように、透明電極8,9にそれぞれ設けられたジグザグ形状の開口部12,13は、視角制御素子を正面から見て右上−左下の斜め45°方向の長尺状の開口部121と左上−右下の斜め45°方向の長尺状の開口部122を等しい長さで形成した。本実施の形態7においては、図29に示すように、左上−右下の斜め45°方向の長尺状の開口部121よりも、右上−左下の斜め45°方向の長尺状の開口部122の方が長くなるように形成されている。2つの方向の長尺状の開口部121,122の長辺の長さの比は9:16である。開口部121,122の1辺の短辺の幅は10μmで、長辺に垂直な方向でのピッチ間隔は80μmである。ジグザグの折れ曲がりのピッチは180μmと320μmで、交互のピッチ値で折れ曲がる形状である。
透明電極8および9に電圧を印加すると、電極エッジ部で斜め電界が発生し、液晶層1を構成する液晶分子が開口部12および13の各長辺に垂直な2つの方向にそれぞれ傾斜する。すなわち、図29の領域Aでは、液晶分子は、正面から見て右上方向、および左下方向に傾斜する。また、図29の領域Bでは、液晶分子は、正面から見て左上方向、および右下方向に傾斜する。(領域A,Bは、図29の上下方向に繰り返し交互に形成される。)したがって液晶分子は、図22において4本の矢印33に示すように、光軸6および7と平行かつ互いに反対の2つの方向と、光軸6および7に垂直かつ互いに反対な2つの方向の合わせて4方向に傾斜する。
実施の形態6では光軸6および7と平行かつ互いに反対の2つの方向に傾斜する液晶分子と、光軸に垂直かつ互いに反対な2つの方向に傾斜する液晶分子の比率が同じであったのに対し、本実施の形態7では、光軸と平行かつ互いに反対の2つの方向に傾斜する液晶分子よりも、光軸に垂直かつ互いに反対な2つの方向に傾斜する液晶分子の方が、比率的に高くなっている。
続いて、本実施の形態7に係る視角制御素子の光学特性について以下に説明する。液晶材料には、実施の形態6で用いたものと同じネガ型液晶を用いた。液晶層の厚みdは、4.0μmとした。この場合、液晶層の厚み方向の位相差(Δnとdの積)は840nm(25℃、589nm値)である。図30および31に、本実施の形態7に係る視角制御素子の視角方向に対する透過率の分布を示す。図30は電圧を印加しない場合の透過率であり、図31は電圧を印加した場合の透過率である。
電圧を印加しない場合には、図30に示すように、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域において、透過率が0.02以下と低くなり、視野角が狭くなることが示された。電圧を印加すると、図31に示すように、上下左右4方向に見られた低透過率領域がなくなり、視野角が広くなることが示された。
実施の形態6と比較(図25と図31を比較)すると、正面から見て左上および右下の斜め方向で見られた透過率の低くなる領域が小さくなり、左右方向での対称性に優れた透過率分布になっている。また、傾斜角0°から40°付近までの等透過率曲線がさらに真円に近づいており、中心からみた対称性に優れた透過率分布になっている。つまり、電圧印加時の視野角特性の対称性をさらに向上することができる。
図32に電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す。実施の形態6と同様に、上下左右4方向のそれぞれ傾斜角50〜60°の視角領域では、広い視野角時に比べて狭い視野角時は10%以下の輝度になり、覗き見を防止するのに充分な効果があることが示された。
以上のように、本実施の形態7に係る視角制御素子においても、非電圧印加時に視野角を狭くし、電圧印加時に視野角を広くすることができる。したがって、例えば携帯電話のように通常狭い視野角で表示することが多い携帯電子機器に本実施の形態7に係る視角制御素子を適用した場合、消費電力の増加を抑制し、バッテリーの駆動時間の短縮を抑制することができる。
また、光軸6および7の方向を、視角制御素子を正面から見て斜め45°の方向とすることで、非電圧印加時に、上下左右の4方向で視野角を狭くすることができる。
なお、本実施の形態7でも、充分な覗き見防止効果を得るためには、液晶層1の厚み方向の位相差は650nm以上であることが望ましい。
実施の形態1に係る視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の構成を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す図である。 実施の形態2に係る視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。 実施の形態2に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態2に係る視角制御素子の非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態2に係る視角制御素子の電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態2に係る視角制御素子の電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す図である。 実施の形態3に係る視角制御素子の液晶層付近の断面図である。 実施の形態3に係る視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。 実施の形態3に係る視角制御素子の非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態3に係る視角制御素子の電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態3に係る視角制御素子の電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す図である。 実施の形態1に係る視角制御素子の液晶層の厚み方向の位相差を変えた場合の、非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態4に係る視角制御機能付き表示装置の概略断面図である。 実施の形態4に係る視角制御機能付き表示装置の平面模式図である。 実施の形態4に係る視角制御機能付き表示装置の平面模式図である。 実施の形態5に係る視角制御素子を備えた電子機器の斜視図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の基本構成を示す平面模式図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態6に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態7に係る視角制御素子の透明電極の形状を示す図である。 実施の形態7に係る視角制御素子の非電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態7に係る視角制御素子の電圧印加時の視角方向に対する透過率の分布を示す図である。 実施の形態7に係る視角制御素子の電圧印加時に対する非電圧印加時の透過率の比を示す図である。
符号の説明
1 液晶層、2,3 透明基板、4,5,25,26 偏光層、8,9 透明電極、12,13,121,122 開口部、15 液晶分子、21 液晶表示パネル、23 視角制御素子、24 ねじれ配向液晶層。

Claims (9)

  1. 視野角を制御する視角制御素子であって、
    第1透明電極を有する第1透明基板と、
    第2透明電極を有する第2透明基板と、
    右上−左下の斜め45度である第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、
    前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、
    前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向、及び前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向、の少なくとも何れか一方に傾斜する液晶層と
    を備えることを特徴とする視角制御素子。
  2. 前記第1及び第2透明電極は、長辺が前記第1の方向に略平行又は前記第3の方向に略平行な長尺状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の視角制御素子。
  3. 前記電圧の印加時に前記液晶分子が前記第1の方向に略平行又は前記第3の方向に略平行な方向で互いに反対な2つの方向に傾斜する部分を有することを特徴とする請求項1又は2記載の視角制御素子。
  4. 視野角を制御する視角制御素子であって、
    第1透明電極を有する第1透明基板と、
    第2透明電極を有する第2透明基板と、
    第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第1透明電極と反対側で前記第1透明基板に設けられる第1偏光層と、
    前記第1の方向に平行な偏光軸を有し、前記第2透明電極と反対側で前記第2透明基板に設けられる第2偏光層と、
    前記第1透明基板及び前記第2透明基板に略垂直な第2の方向に配向した液晶分子の複数を有し、前記第1透明電極側及び前記第2透明電極側でそれぞれ前記第1透明基板及び前記第2透明基板に挟持され、前記第1透明電極及び前記第2透明電極によって電圧が印加され、前記電圧の印加時には第1群の前記液晶分子の配向方向が、前記第1の方向に略平行な方向に傾斜し、第2群の前記液晶分子の配向方向が前記第1の方向及び前記第2の方向に略垂直な第3の方向に傾斜する液晶層と
    を備えることを特徴とする視角制御素子。
  5. 前記電圧の印加時に前記第1群の前記液晶分子は前記第1の方向に平行で互いに反対な2つの方向に傾斜し、前記第2群の前記液晶分子は前記第3の方向に平行で互いに反対な2つの方向に傾斜することを特徴とする請求項4に記載の視角制御素子。
  6. 前記第1透明電極及び第2透明電極には、長辺が前記第1の方向に略平行な長尺状の開口部と、長辺が前記第3の方向に略平行な長尺状の開口部の両方が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の視角制御素子。
  7. 前記液晶層の厚み方向の位相差が650nm以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の視角制御素子。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の視角制御素子と、
    ねじれ角が90度のねじれ配向液晶層を用いた液晶表示パネルと
    を備え、
    前記第1偏光層あるいは第2偏光層のいずれか一方は、前記液晶表示パネルの偏光層として機能することを特徴とする表示装置。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の視角制御素子を備えることを特徴とする電子機器。
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