JP4854365B2 - ガスハイドレートの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
前記二次ガスハイドレートの製造方法の従来技術として、特許文献1(特開2005−263675号公報)に記載の方法が挙げられる。
特許文献1に記載された方法は、前記原料ガスを水中へ分散するか又は水とミキシングして低純度のガスハイドレートスラリーを製造する第1生成工程と、該第1生成工程より流入した低純度のガスハイドレートスラリーを濾過して未反応水を除去する脱水工程と、該脱水工程で脱水したガスハイドレートを原料ガス及び/又は機械的撹拌手段によって撹拌混合しながらガスハイドレートに付着している残存水と原料ガスとを再反応させて高純度のガスハイドレートを製造する第2生成工程と、によって構成されている。
脱水後の一次ガスハイドレートを第2生成工程に供給する際、その一次ガスハイドレートの粒径が揃っていないと、二次ハイドレートを生成するための第2生成器内における、ハイドレートとガスとの接触効率が不均一になり、生成する二次ハイドレートの濃度にも影響を及ぼす虞がある。
更に、一次ガスハイドレートを解砕することによってガスハイドレートの表面積を拡大し、ガスとの接触効率が高められ、効率よく高濃度の二次ガスハイドレートが形成される。
本発明によれば、破砕歯を備えた掻集作用部を回動させ、該破砕歯によって、固まった一次ガスハイドレートの表面を削り、前記メッシュ部を通過できる大きさに破砕することができる。そして、前記破砕歯によって破砕された一次ガスハイドレートを、再度掻集作用部によって掻集し、メッシュ部方向へ移動させ、該メッシュ部を通過させることによって均一な粒径に解砕することができる。
そして、均一な粒径に解砕された一次ガスハイドレートが第二生成工程に供給されるため、第二生成工程において、一次ガスハイドレートの残存水と原料ガスとの反応を安定した条件で行うことができる。第二生成器内での反応が均一に進むことによって、生成した二次ガスハイドレートの濃度勾配も少なくなり、より高濃度の二次ガスハイドレートを得ることができる。
前記掻集作用部がメッシュ部に一次ガスハイドレートを押圧することによって、該メッシュ部を詰まらせるような一次ガスハイドレートの固まりを形成する場合がある。
本発明によれば、前記破砕歯を備えたメッシュ部を回動させ、該破砕歯によって、固まった一次ガスハイドレートの表面を削り、メッシュ部を通過できる大きさに破砕することができる。
そして、該掻集部を元の位置に戻す際には、掻集部を連結部の底部に接触させずに移動させることによって、脱水部から連続的に排出されている脱水された一次ガスハイドレートを、掻集経路外に押しのけられて、蓄積されるのを防止することができる。
本発明によれば、第二生成器に供給する一次ガスハイドレートの粒径を1〜5mmとすることができ、第二生成工程において、一次ガスハイドレートと原料ガスとを接触させて反応させるために、適した粒径にすることができる。
本発明によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果が得られる。
[実施例1]
図1は本実施例に係るガスハイドレートの製造装置の一実施例を示す概略図である。本実施例に係るガスハイドレートの製造装置は、原料ガスと水とを低温及び高圧の下で反応させて一次ガスハイドレート6を生成する第一生成部である第一生成器1と、生成した一次ガスハイドレート6を脱水する脱水部である脱水塔2と、脱水一次ガスハイドレート7を均一な大きさに解砕する解砕機3と、解砕一次ガスハイドレート8と原料ガスとを再度反応させて高濃度の二次ガスハイドレート9を生成する第二生成部である第二生成器4とを備えて構成されており、前記解砕機3は、脱水塔2と第二生成器4との連結部である本実施例では円筒状の連結管5に設けられている。
第一生成器1から抜き出されたスラリー状態の一次ガスハイドレート6は、脱水部である脱水塔2に導入される。脱水塔2は、本実施例では重力および毛細管現象を利用した脱水構造のものを採用している。脱水された一次ガスハイドレート7(以下、脱水一次ガスハイドレートと称する)は、脱水塔2の上部の脱水塔出口10に押し上げられる。
この脱水一次ガスハイドレート7を更に後段の第二生成器4内でガスと接触させて反応させることにより、ガスハイドレート含有量を高め、ガス包蔵量の大きな、高濃度の二次ガスハイドレート9を得ることができる。
前記掻集作用板14の形状は、連結管5の形状及び寸法に応じて具体的に決められる。
まず、脱水塔2の脱水塔出口10に押し上げられた脱水一次ガスハイドレート7を、前記掻集部15の掻集作用板14を連結管5の底部に当接させて移動させることによって掻集し、前記メッシュ部12側へ押し集める[図3(a)参照]。そして、該脱水一次ガスハイドレート7は、該メッシュ部12を通過させることによって均一な粒径に解砕される。この解砕動作を繰り返すことによって、均一な粒径の解砕一次ガスハイドレート8が第二生成工程に供給される[図3(b)参照]。
そのため、掻集作用板14を上流側へ移動させる際には、軸13を回転させて掻集作用板14を連結管5の底部に接触しない位置にして上流側へ移動させることで、掻集作用板14がメッシュ部12付近の破砕された脱水一次ガスハイドレート7を掻き戻さないようにすることができる[図4(b)参照]。
前記解砕工程によって解砕された解砕一次ガスハイドレート8は、メッシュ部12の下流側の導入口11から、第二生成器4に供給される。第二生成器4では、ガスハイドレート含有量が約50wt%である前記解砕一次ガスハイドレート8に、原料ガスをブローし、解砕一次ガスハイドレート8の残存水と原料ガスとを再反応させ、高濃度の二次ガスハイドレート9を生成させる第二生成工程が行われる。
該第二生成工程によって、ガスハイドレート含有量が約90wt%の高濃度の二次ガスハイドレート9を得ることができる。生成した二次ガスハイドレート9は、スクリューコンベア18で次工程に送られる。
本実施例によれば、脱水塔2と第二生成器4との間の連結管5に設けられた解砕機3によって、脱水一次ガスハイドレート7を解砕する解砕工程を行うことによって、均一な粒径の解砕一次ガスハイドレート8を第二生成器4に供給することができる。
そして、前記破砕歯16によって破砕された脱水一次ガスハイドレート7は、掻集作用板14によって再び掻集され、メッシュ部12側に押し集められ、前記解砕動作を行うことによって均一な粒径に解砕することができる。
このことによって、掻集部15を脱水塔2側からメッシュ部12側、すなわち下流側へ移動させる際には、半円状の掻集作用板14の弧の部分が円筒状の連結管5の底部に接しながら移動して、脱水一次ガスハイドレート7を効率よく掻集することができる。
次に、発明に係るガスハイドレートの製造装置の解砕機の他の実施例について説明する。水と原料ガスとを反応させて一次ガスハイドレートを生成する第一生成器1と、一次ガスハイドレートを脱水する脱水塔2については、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
メッシュ部12はその上流側のメッシュ面に破砕歯17を備え、手動または公知の動力装置(図示せず)によって、その面に平行に回動するように構成されている。
脱水一次ガスハイドレート7を、掻集部15の掻集作用板14によって掻集し、メッシュ部12側へ押し集めて該メッシュ部12を通過させ、脱水一次ガスハイドレート7を均一な粒径にする解砕動作は、実施例1と同様であるため、その詳細は省略する。この解砕動作を繰り返すことによって、均一な粒径の解砕一次ガスハイドレート8が第二生成工程に供給される。
本実施例では、図6に示すように、メッシュ部12はその上流側のメッシュ面に破砕歯17を備え、該メッシュ部12をそのメッシュ面に平行に回動させることによって、固まった脱水一次ガスハイドレート7が削られ、破砕されるように構成されている。
メッシュ部12の上流側である連結管5側に溜まった破砕された脱水一次ガスハイドレート7は、掻集部15の掻集作用板14によって再び掻集され、メッシュ部12側に押し集められ、前記解砕動作を行うことによって解砕され、解砕一次ガスハイドレート8が第二生成工程に供給される。該第二生成工程は、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
本発明によれば、実施例1と同様に、脱水一次ガスハイドレート7を解砕して均一な粒径に揃えた上で、第二生成部にて更に原料ガスと反応させることにより、解砕一次ガスハイドレート8の残存水とガスとの接触効率が高められ、効率よく高濃度の二次ガスハイドレート9を生成させることができる。
5 連結管、 6 一次ガスハイドレート、 7 脱水一次ガスハイドレート、
8 解砕一次ガスハイドレート、 9 二次ガスハイドレート、
10 脱水塔出口、 11 導入口、
12 メッシュ部、 13 軸部、 14 掻集作用板、
15 掻集部、 16、17 破砕歯、 18 スクリューコンベア
Claims (6)
- 原料ガスと水とを低温及び高圧の下で反応させて一次ガスハイドレートを生成する第一生成部と、生成した一次ガスハイドレートを脱水する脱水部と、脱水された一次ガスハイドレートを均一な大きさに解砕する解砕部と、一次ガスハイドレートと原料ガスとを再度反応させて高濃度の二次ガスハイドレートを生成する第二生成部と、を有するガスハイドレートの製造装置であって、
前記解砕部は、前記脱水部と前記第二生成部との間の連結部に設けられ、第二生成部への導入口の近傍に設けられたメッシュ部と、軸と該軸の先端に設けられた掻集作用部によって構成された掻集部とを備え、
該掻集部は、前記掻集作用部が前記脱水部の出口を通り、前記メッシュ部との間を軸方向に往復動可能に形成され、
前記掻集作用部は、前記一次ガスハイドレートを破砕するための破砕歯を備え、且つ軸を中心として回動可能に構成されていることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。 - 原料ガスと水とを低温及び高圧の下で反応させて一次ガスハイドレートを生成する第一生成部と、生成した一次ガスハイドレートを脱水する脱水部と、脱水された一次ガスハイドレートを均一な大きさに解砕する解砕部と、一次ガスハイドレートと原料ガスとを再度反応させて高濃度の二次ガスハイドレートを生成する第二生成部と、を有するガスハイドレートの製造装置であって、
前記解砕部は、前記脱水部と前記第二生成部との間の連結部に設けられ、第二生成部への導入口の近傍に設けられたメッシュ部と、軸と該軸の先端に設けられた掻集作用部によって構成された掻集部とを備え、
該掻集部は、前記掻集作用部が前記脱水部の出口を通り、前記メッシュ部との間を軸方向に往復動可能に形成され、
前記メッシュ部は、前記一次ガスハイドレートを破砕するための破砕歯をメッシュ面に備え、メッシュ面に平行に回動可能に構成されていることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。 - 請求項1又は2に記載されたガスハイドレートの製造装置において、前記掻集作用部を前記脱水部側から前記メッシュ部側へ移動させる際には、該掻集作用部を前記連結部の底部に接触させて移動させることによって、一次ガスハイドレートをメッシュ部側へ掻集し、
前記掻集作用部を前記メッシュ部側から前記脱水部側へ移動させる際には、該掻集作用部を前記連結部の底部に接触させずに移動させることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。 - 請求項3に記載されたガスハイドレートの製造装置において、前記掻集作用部は、前記軸を回転させることによって、前記連結部の底部と該掻集作用部との位置関係を調整できるような形状に構成されていることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載されたガスハイドレートの製造装置において、前記メッシュ部のメッシュは1〜5mmであることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。
- 原料ガスと水とを低温及び高圧の下で反応させて一次ガスハイドレートを生成する第一生成工程と、生成した一次ガスハイドレートを脱水する脱水工程と、脱水された一次ガスハイドレートを均一な大きさに解砕する解砕工程と、一次ガスハイドレートと原料ガスとを再度反応させて高濃度の二次ガスハイドレートを生成する第二生成工程と、を有するガスハイドレートの製造方法であって、
前記解砕工程は、
掻集作用部を摺動させて前記脱水工程を経た前記一次ガスハイドレートを掻集し、
当該掻集作用部の前記摺動を続けて、前記第二生成工程を実行する第二生成部への導入口の近傍に設けられたメッシュ部方向へ当該掻集した一次ガスハイドレートを移動させ、
当該掻集作用部の前記摺動を続けて当該掻集した一次ガスハイドレートを、該メッシュ部を通過させることによって行われ、
前記掻集作用部及びメッシュ部の少なくとも一方が破砕歯を備えていて、前記解砕工程において、前記掻集作用部が前記メッシュ部に一次ガスハイドレートを押圧することによって、該メッシュ部を詰まらせるような一次ガスハイドレートの固まりを形成した場合には、前記破砕歯を備えている部材を回動させることによって、固まった一次ガスハイドレートを、メッシュ部を通過できる大きさに破砕する破砕工程を行うことを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
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