JP4853263B2 - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Description
従来の遠心圧縮機としては、例えば、特許文献1に開示される遠心圧縮機が存在する。
この種の遠心圧縮機は、ディフューザに連通する流路であって、ディフューザから出力された気体を収集して外部に出力する一対のスクロールと、ディフューザの通路幅を可変設定する通路幅可変手段とを備えている。
通路幅可変手段は、ディフューザを一方のスクロールのみに連通させるようにディフューザの通路幅を幅狭状態に、あるいはディフューザを両方のスクロールに連通するディフューザの通路幅を幅広状態とする手段である。
つまり、ディフューザの通路幅を幅狭状態と幅広状態とに切り替えることによって第1動作モードと第2動作モードとを2者択一的に設定することが可能であり、簡単な構成で実質的に広い流量範囲に亘って高圧縮効率を実現することができるとしている。
このため、特に、遠心圧縮機の流量が極めて少ない場合には、ディフューザにおけるストール発生が避けられないという問題がある。
因みに、ディフューザにストールが発生すると遠心圧縮機は振動を発生するなど安定した運転が困難となる。
インペラ下流から第2スクロールへ気体が導入される状態では、気体がディフューザを通ることがないから、例えば、遠心圧縮機の流量が極めて低い場合でも、ディフューザにおけるストールは発生しない。
一方、十分な流量が得られるときはディフューザを通じて気体が第1スクロールへ導入される。
この結果、広い流量範囲に亘って安定した遠心圧縮機の運転を実現することができる。
なお、「ディフューザを閉じる」とは、ディフューザの通路としての完全な物理的遮断のほか、ディフューザが殆ど遮断された状態、つまり、ディフューザにおいて隙間が存在して僅かに気体がディフューザを通る場合であっても実質的にディフューザの機能が果たされない状態を含む。
一方、十分な流量が得られるときは可動ディフューザ壁を他方のディフューザ壁から離間させることにより気体の通過を許容するディフューザが確保することができる。
さらに、可動ディフューザ壁が他方のディフューザ壁に接近離間されることにより、ディフューザの通路断面積が流量に応じて変更することができる。
可動ディフューザ壁に形成されたスクロール壁形成面は、インペラから第2スクロールへの気体の導入の円滑化に寄与する。
さらに、スクロール壁形成面は、インペラの下流における内圧に基づく荷重を受けることから、この内圧を利用して可動ディフューザ壁の他方のディフューザ壁からの離間を図ることも可能である。
可動ディフューザ壁の受圧面積の拡大によりインペラの下流側における内圧の変動に対して可動ディフューザ壁の離間の応答性を向上させることができる。
以下、第1の実施形態に係る遠心圧縮機について、図1〜図6に基づき説明する。
図1は本発明に係る遠心圧縮機の概要を破断して示す側面図である。図2は図1のA−A線断面図である。
この実施形態の遠心圧縮機10は、図1に示すように、第1ケーシング11と、第2ケーシング12と、相互に接合された両ケーシング11、12内に回転自在に収容されたインペラ14と、インペラ14の外周に亘って配置されるディフューザ20と、ディフューザ20の外周に配置された第1スクロール22と、インペラ14とディフューザ20との間に形成される第2スクロール32とを有する。
さらに、遠心圧縮機10は、インペラ14からディフューザ20を通り第1スクロール22へ至る第1流路と、インペラ14から第2スクロール32へ至る第2流路とを有し、ディフューザ20の開閉により第1流路と第2流路の切り替えを行う流路切替手段を有する。
空間17には回転軸15に固定されたインペラ14が収容されている。
回転軸15は第1ケーシング11の貫通孔13に挿通されている。
貫通孔13に挿通された回転軸15はシール機能付軸受16を介して第1ケーシング11に回転自在に支持されている。
回転軸15の後端(説明の便宜上、図1の左側を前方とし、右側を後方とする。)は、図示しないモータ等の回転駆動源と接続されている。
空間17の前方には径一定の流路18が第2ケーシング12より形成されており、さらに、流路18の前方には前方へ向けて拡径する吸入口19が形成されている。
この実施形態では、インペラ14からディフューザ20を通り第1スクロール22へ至る気体流路を第1流路としている。
第1流路は遠心圧縮機10における流量が所定以上の場合に使用される流路である。
この実施形態のディフューザ20は、第1ケーシング11及び第2ケーシング12による一対のディフューザ壁により形成されている。
一対のディフューザ壁のうち、一方のディフューザ壁は第1ケーシング11が有する可動ディフューザ壁27であるが、可動ディフューザ壁27については後述する。
他方のディフューザ壁は第2ケーシング12が形成する固定ディフューザ壁21である。
一方、固定ディフューザ壁21の周囲には、第2ケーシング12により形成される第1スクロール22が備えられている。
第1スクロール22はディフューザ20と連通するほか、図示しない吐出口に接続されている。
第2ケーシング12における固定ディフューザ壁21とインペラ14の間には、ほぼ半円状に窪む曲面壁31が形成されている。
曲面壁31は第2スクロール32の一部を形成する壁面である。
内周空間23には、環状の回転支持板25が配置されており、回転支持板25はシール機能付軸受26を介して第1ケーシング11に回転可能に支持されている。
外周空間24は、回転軸15の軸心方向に寸法を内周空間23より大きく設定している。
外周空間24には、ディフューザ20を挟んで固定ディフューザ壁21と対向するように環状の可動ディフューザ壁27が配置されている。
可動ディフューザ壁27はその内周面をダイヤフラムで構成した環状の可撓性部材28を介して回転支持板25に支持されている。
ダイヤフラムで構成した環状の可撓性部材28は低流量時における可動ディフューザ壁27のディフューザ20側へ突出と、高流量時における外周空間24への可動ディフューザ壁27の入り込みを可能とする。
可撓性部材28のその内周縁28aを回転支持板25に形成した環状溝に保持させるとともに、外周縁28bを可動ディフューザ壁27に形成した別の環状溝に保持させている。
これにより回転支持板25、可撓性部材28及び可動ディフューザ壁27を一体化した構造とする。
従って、可動ディフューザ壁27は回転支持板25及び可撓性部材28とともに周方向に回転可能となり、さらに可撓性部材28によって回転軸15の軸心方向に移動変位が可能となる。
可動カム35は可動ディフューザ壁27と同心となるように円弧状に形成され、そのカム面は図2で見て時計方向(図6の上方向)に向け低くなる傾斜面で形成されている。
第1ケーシング11の前面には、円弧状に形成された斜面形の固定カム36が可動カム35と対応する位置に4個所配設されている。
固定カム36のカム面は可動カム35と逆になるように、図2で見て反時計方向に低くなる傾斜面で形成されている。
また、可動カム35と固定カム36とは常時接触する位置に配設されている。
本実施形態では、可動カム35はディフューザ20の気体圧力により固定カム36側に押圧されているが、例えばスプリング等を利用して接触状態を維持するようにしてもよい。
連結ピン37の長さは可動ディフューザ壁27が回転軸15の軸心方向に移動する距離よりも長く形成されている。
また連結ピン37は、第1ケーシング11に取り付けられたアクチュエータ40が有するロッド41と回転可能に連結され、ロッド41は連結ピン37の長手方向に対して摺動可能である。
従って、アクチュエータ40が作動し、ロッド41がロッド41の長手方向に変位すると、可動ディフューザ壁27が所定量回動される。
なお、アクチュエータ40は、詳しく説明はしないがロッド41を進退させる駆動源であり遠心圧縮機10の流量に応じて作動する。
この実施形態では一定以上の流量を認識したときにアクチュエータ40を作動させるようにしており、流体圧シリンダや電動モータ等を用いることが好ましい。
ディフューザ壁面29は固定ディフューザ壁21と相対しており、可動ディフューザ壁27の移動変位に伴ってディフューザ壁面29は固定ディフューザ壁21に接近離間する。
ディフューザ壁面29が固定ディフューザ壁21に最も接近するとき両者29、21は密着し、ディフューザ20を閉じる。
ディフューザ壁面29が固定ディフューザ壁21に密着した状態では、第2スクロール32が曲面壁31とスクロール壁形成面30により形成され、インペラ14を通り第2スクロール32へ至る第2流路が形成される。
第2スクロール32の出口は第1スクロール22と合流している。
遠心圧縮機10が停止している状態のアクチュエータ40は作動していない状態、つまり停止状態にある。
このとき、ロッド41は図5に示す位置を保ち、可動カム35は図6のように固定カム36の斜面の実線位置に位置し、可動ディフューザ壁27も実線位置にある。
この状態では、図4に示すように、ディフューザ壁面29が固定ディフューザ壁21に密着しており、第2流路が形成された状態にある。
ここでいう一定以下の流量とは、第1流路のディフューザ20に気体を通したときに、ディフューザ20におけるストール発生が避けられない程度の流量を含む。
遠心圧縮機10の運転によりインペラ14に吸入される気体はインペラ14から第2スクロール32へ至る第2流路を通る。
このときディフューザ20は閉じられているので第1スクロール22へ気体が導入されることはない。
なお、インペラ14から出た気体はスクロール壁形成面30及び曲面壁31に沿って案内されて旋回流となり、第2スクロール32内を通って第1スクロール22へ抜けて最終的に吐出口から吐出される。
この場合、インペラ14から出た気体はディフューザ20を経由することがなく、ディフューザ20におけるストールは発生しない。
ここでいう一定の流量を越える場合とは、第1流路のディフューザ20に気体を通したときに、ディフューザ20におけるストール発生のおそれがない程度の流量がある場合を含む。
遠心圧縮機10により生成される流量が一定の流量を越えると、アクチュエータ40が作動してロッド41が変位される。
ロッド41の変位により連結ピン37が周方向(図2の左方)へ引かれることになり、可動ディフューザ壁27は図2のように角度θだけ時計方向に回動される。
可動カム35は、図6に示すように、可動ディフューザ壁27の回動に伴い、固定カム36の斜面を実線位置から仮想線(2点鎖線)位置まで移動し、可動ディフューザ壁27は実線位置から仮想線位置へ距離dだけ移動する。
即ち、可動ディフューザ壁27は可撓性部材28の撓みによって固定ディフューザ壁21から離間し、外周空間24内に埋没する方向へ平行移動する。
ディフューザ20が開かれることにより、インペラ14からディフューザ20を通って第1スクロール22へ至る第1流路が形成され、インペラ14から出た気体はディフューザ20を通って第1スクロール22に導入される。
このとき、遠心圧縮機10における流量が一定以上であることから、ディフューザ20においてストールが生じることはなく、遠心圧縮機10は安定した状態で運転される。
具体的には、ディフューザ20においてストールが発生するおそれのある流量(通常、極めて低流量)のとき、可動ディフューザ壁27を固定ディフューザ壁21に当接させ、ディフューザ20を閉じてしまうから、ディフューザ20に気体を通すことのない第2流路が用いられる。
逆に、ディフューザ20においてストールが発生するおそれのない流量のときは、可動ディフューザ壁27を固定ディフューザ壁21から離間させ、ディフューザ20を開き、ディフューザ20に気体を通す第1流路が用いられる。
従って、極めて低流量であってもディフューザ20におけるストールは防止され、安定した遠心圧縮機10の運転が行われ、流量が十分な場合にはディフューザ効果が十分に得られ、効率の良い気体の圧縮作用が実施される。
(1)可動ディフューザ壁27による第1流路と第2流路との切り替えにより、インペラ14から出る気体がディフューザ20を通って第1スクロール22へ導入される動作状態と、インペラ14から出る気体がディフューザ20を通ることなく第2スクロール32へ導入される動作状態が設定される。このため、インペラ14下流から第2スクロール32へ気体が導入される状態では、気体がディフューザ20を通ることがなく、遠心圧縮機10の流量が極めて低い場合でも、ディフューザ20におけるストールは発生せず、一方、十分な流量が得られるときはディフューザ20を通じて気体が第1スクロール22へ導入される。この結果、広い流量範囲に亘って安定した遠心圧縮機10の運転を実現することができる。
(2)可動ディフューザ壁27が固定ディフューザ壁21に対して接近離間することにより、ディフューザ20の通路断面積を流量に応じて変更することができる。これにより、ディフューザ20に気体を通す場合にはディフューザ効果が十分に得られ、効率の良い気体の圧縮作用を実現することができる。
(3)可動ディフューザ壁27がディフューザ20を閉じるときには、曲面壁31とスクロール壁形成面30が第2スクロール32の一部を形成するから、可動ディフューザ壁27に形成されたスクロール壁形成面30は、インペラ14から第2スクロール32への気体を円滑に導入することができる。
次に、第2の実施形態に係る遠心圧縮機について図7に基づき説明する。
この実施形態に係る遠心圧縮機の構成は、第1の実施形態において説明した遠心圧縮機10と一部共通する構成を有する。
この実施形態では、共通する構成要素については第1の実施形態の説明を援用するほか符号を共通して用いる。
図7は、第2の実施形態に係る遠心圧縮機の要部断面図である。
遠心圧縮機50が有する第2ケーシング12、インペラ14及び回転軸15は実質的に第1の実施形態と同一である。
収容空間52は機外と連通する連絡通路54が接続されている。
収容空間52には可動ディフューザ壁57が収容されている。
可動ディフューザ壁57の前面は、第1の実施形態と同様のディフューザ壁面58とスクロール壁形成面59を有する。
この実施形態の可動ディフューザ壁57におけるスクロール壁形成面59は、第2スクロール32の壁面の一部を構成するほか、インペラ14の下流側における内圧を受ける受圧面としても機能する。
可動ディフューザ壁57の外周縁と第1ケーシング51との間には同様のダイヤフラムである第2可撓性部材56が介在されている。
両可撓性部材55、56は、可動ディフューザ壁57の移動を許容させるための部材として機能するほか、インペラ14の下流側における内圧を受ける受圧面としても機能する。
ディフューザ20と収容空間52は、可動ディフューザ壁57と両可撓性部材55、56により隔絶されている。
なお、収容空間52は連絡通路54により機外と連通するから、収容空間52内の雰囲気は大気圧に設定される。
圧縮コイルばね60はディフューザ20を閉じる方向への付勢力を可動ディフューザ壁57に付与する。
圧縮コイルばね60のたわみ量はディフューザ20の前後方向の寸法以上とすればよい。
なお、収容空間52には、圧縮コイルばね60を保持するための有底孔61が形成されており、有底孔61は圧縮コイルばね60の径方向の位置ずれを規制するようにしている。
有底孔61及び圧縮コイルばね60は、収容空間52の周方向において複数箇所設けることが好ましい。
インペラ14から出る気体の流量が少ない場合、インペラ14の下流側における内圧は低い。
この場合、受圧面であるスクロール壁形成面59に作用する内圧は、可動ディフューザ壁57に圧縮コイルばね60の付勢力と逆向きの荷重を付与する。
しかし、その荷重が小さいことから圧縮コイルばね60の付勢力に抗して可動ディフューザ壁57を第1ケーシング11側へ移動させることができない。
その結果、圧縮コイルばね60はその付勢力により可動ディフューザ壁57を固定ディフューザ壁21に当接させた状態を保つ。
この状態ではディフューザ20が閉じられ、インペラ14から出た気体は第2流路を通る。
受圧面であるスクロール壁形成面59に作用する内圧が所定値を超えると、可動ディフューザ壁57に作用する荷重が圧縮コイルばね60の付勢力を凌駕する。
このとき、可動ディフューザ壁57は圧縮コイルばね60の付勢力に抗して第1ケーシング51側へ移動される。
可動ディフューザ壁57が第1ケーシング51側へ移動されることにより、ディフューザ20が開かれて第1流路が形成される。
インペラ14から出た気体は、ディフューザ20を通過して第1スクロール22へ導入される。
さらに言うと、スクロール壁形成面59は、インペラ14の下流における内圧に基づく荷重を受けることから、この内圧を利用して可動ディフューザ壁57の固定ディフューザ壁21からの離間を図ることができる。
また、この実施形態では、インペラ14の下流側における内圧に基づく荷重と圧縮コイルばね60の付勢力とにより可動ディフューザ壁57を自律的に移動させることができるから、アクチュエータを用いる場合と比較して、可動ディフューザ壁57を固定ディフューザ壁21に対して接近離間させるための動力源を別途設ける必要がなく、遠心圧縮機50の構造を簡素化することができる。
また、可動ディフューザ壁57におけるスクロール壁形成面59は、第2スクロール32の壁面を一部形成するほか、受圧面として機能させることができるから、可動ディフューザ壁57において別に受圧面を設ける必要がない。
次に、第3の実施形態に係る遠心圧縮機について図8に基づき説明する。
この実施形態に係る遠心圧縮機の構成は、第1の実施形態において説明した遠心圧縮機10と一部共通する構成を有するから、共通する構成要素については第1の実施形態の説明を援用するほか符号を共通して用いる。
図8は第3の実施形態に係る遠心圧縮機の要部拡大断面図である。
この実施形態の遠心圧縮機70に係る可動ディフューザ壁75は、第2の実施形態と同様に、インペラ14の下流側における内圧に応じて自律的に移動する部材である。
可動ディフューザ壁75は、内周側及び外周側の可撓性部材73、74により保持され、図示しない回転軸の軸心方向に移動自在である。
図8において付勢部材は図示しないが、第2の実施形態の圧縮コイルばね60と同様の付勢部材を用いてもよい。
可動ディフューザ壁75の第2ケーシング12側(ディフューザ78側の壁面)は、ディフューザ壁面76とスクロール壁形成面77を有する。
この実施形態のディフューザ壁面76は、固定ディフューザ壁21と平行でないテーパ状の面に形成されている。
この状態では、ディフューザ壁面76と固定ディフューザ壁21との間に空間が存在するものの、ディフューザ78は気体通路としては遮断された状態にある。
つまり、可動ディフューザ壁75におけるディフューザ壁面76は受圧面として機能する。
ディフューザ壁面76がテーパ状の面に形成されている理由は、ディフューザ壁面76を受圧面として機能させ、可動ディフューザ壁75における受圧面積を拡大するためである。
可動ディフューザ壁75における受圧面積が広いほど内圧に対する可動ディフューザ壁75の移動応答性が向上する。
ディフューザ壁面76が最も固定ディフューザ壁21に接近した状態では、インペラ14から出る気体は第2流路の第2スクロール32に導入される。
受圧面積の拡大により受圧面がスクロール壁形成面77のみの場合と比較して、内圧に対する可動ディフューザ壁75の移動応答性を向上させることができる。
例えば、図9(a)に示すように、可動ディフューザ壁57を固定ディフューザ壁21との間に微小な間隙kを設け、気体が間隙kを通過する際の圧損により実質的にディフューザ20が機能しない場合でもあってよい。
あるいは、図9(b)に示すように、可動ディフューザ壁57のディフューザ壁面58と固定ディフューザ壁21を凹凸状に形成し、両者58、21が接近した状態では微小な間隙を保ちラビリンス・シールLを形成させるようにしてもよい。
図9(a)及び図9(b)のように、可動ディフューザ壁57のディフューザ壁面58と固定ディフューザ壁21とを当接させなくても、ディフューザ20を機能させることなく、実質的にディフューザが閉じていることに等しい。
なお、図9(a)及び図9(b)では、説明の便宜上、第1、第2の実施形態で用いた符号を共通して用いている。
流路切替手段としての可動ディフューザ壁は、遠心圧縮機の構造や条件に応じて適宜の設置することができる。
この場合、別のスクロール壁形成面は第1スクロールへの気体を案内するだけでなく、第1流路の内圧を受ける受圧面として機能させることができる。
このため、第2、第3の実施形態のように、付勢部材を用いて可動ディフューザ壁を移動させる場合には、第1流路が形成されているときに可動ディフューザ壁の移動応答性をさらに高めることができる。
11、51、71 第1ケーシング
12 第2ケーシング
14 インペラ
20 ディフューザ
22 第1スクロール
27、57、75 可動ディフューザ壁
28 可撓性部材
29、58、76 ディフューザ壁面
30、59、77 スクロール壁形成面
31 曲面壁
32 第2スクロール
52、72 収容空間
55、73 第1可撓性部材
56、74 第2可撓性部材
60 圧縮コイルばね
d 可動ディフューザ壁の移動距離
θ 可動ディフューザ壁の回動角度
k 間隙
L ラビリンス・シール
Claims (2)
- ケーシングにより支持される回転軸に固定されたインペラと、前記インペラの周囲に配置されるディフューザと、前記ディフューザの周囲に配置される第1スクロールとを有する遠心圧縮機において、
前記ディフューザと前記インペラとの間に配置された第2スクロールと、
前記インペラから前記ディフューザを通り前記第1スクロールへ至る第1流路と、
前記インペラから前記第2スクロールへ至る第2流路と、
前記ディフューザの開閉により前記第1流路と前記第2流路との切り替えを行う流路切替手段と、を有し、
前記流路切替手段は、前記ディフューザを挟んで配設された一対のディフューザ壁のうち、少なくとも一方に備えられる可動ディフューザ壁であり、
前記可動ディフューザ壁は他方の前記ディフューザ壁に接近離間し、
前記可動ディフューザ壁の前記ディフューザ側の壁面は、ディフューザ壁面と、前記第2スクロールの内壁面の一部を形成するスクロール壁形成面とを有することを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記ディフューザ壁面は、前記インペラの下流側における内圧を受ける受圧面積を拡大させたテーパ状の面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の遠心圧縮機。
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