JP4852201B2 - 小直径塞栓コイルの液圧式配置システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【従来技術及びその課題】
【０００２】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体の管内の予め選定された位置に塞栓コイルを置くための医用装置に関し、より特別には血管内の予め選定された位置にコイルを送るために塞栓コイルを保持する末端部先端を有する非常に小さい直径のカテーテル及び予め選定された位置において塞栓コイルを解放するための制御機構に関する。この装置は、人の脳の蛇行性血管構造を通して塞栓コイルを送るために特に適している。
【０００３】
【従来技術及びその課題】
人体の血管内に種々の装置を置くために、多年にわたり柔軟なカテーテルが使用されてきた。かかる装置は、拡張用バルーン、放射線不透過性流体、液体薬物並びにバルーン及び塞栓コイルのような種々の形式の閉塞用装置を含む。かかるカテーテル装置の例が、米国特許５１０８４０７号「塞栓コイル配置のための方法及び装置」、米国特許５１２２１３６号「動脈、静脈、動脈瘤、血管形成異常及び動静脈フィステルにおける血栓の電気形成用の血管内の電気分解式に外し得る案内ワイヤー」において明らかにされる。これらの特許は、動脈瘤の処置のため又は血管をある特定位置において閉塞させるために、人体の血管内の予め選定された位置に塞栓コイルを送るための装置を明らかにする。
【０００４】
血管内に置かれたコイルは螺旋状に巻かれたコイルの形式とすることができ、或いは不規則に巻かれたコイル、コイル内で巻かれたコイル、又は多くのその他かかるコイル形状とすることができる。種々のコイル形状の例が、米国特許５３３４２１１０号「血管閉塞用組立体」、米国特許５３８２２５９号「取り付けられた筒状織物又は編まれた繊維状被覆を有する血管閉塞コイル」において明らかにされる。塞栓コイルは、一般に白金、金、タングステン又はこれら金属の合金のような放射線不透過性の金属材料より形成される。ときには、特定位置における血栓の形成の促進により血管を通過する血流を遮断するために所与位置に複数個のコイルが置かれる。
【０００５】
過去においては、塞栓コイルはカテーテルの末端部に置かれていた。カテーテルの末端部が適正に置かれたとき、コイルを希望位置において解放するためにコイルを案内ワイヤーによりカテーテルの端部から押し出すことができる。塞栓コイル配置のこの手順は、身体の血管構造を通るコイルの動きを監視しコイルを希望位置に置くことができるような透視検査的な可視化により導かれる。これらの配置システムでは、コイルはカテーテルの端部より先のある距離の位置に排出されるため、コイルの正確な配置に対してはごく僅かしか管理できない。明らかなように、これら後者のシステムでは、コイルが解放されたときは、コイルを回収し又はコイルを置き直すことは、不可能でないとしても極めて困難である。
【０００６】
血管内でコイルをより正確に位置決めできる多くの手順が開発された。なお別のかかる手順は、血管内の予め選定された位置にコイルを位置決めするために、柔軟なカテーテル内に置かれた案内ワイヤーに塞栓コイルを取り付けるための接着剤又は半田の使用を含む。コイルが希望位置にくると、コイルはカテーテルにより希望位置に保持され、そして案内ワイヤーがカテーテルの手前側端部から引っ張られ、これによりコイルが案内ワイヤーから外されカテーテルから解放される。かかるコイル位置決めシステムが、米国特許５２６３９６４号「同軸引張り式分離装置」において明らかにされる。
【０００７】
別のコイル位置決め用システムは、コイルの手前側端部に接着されたボールを保持するために末端部にソケットを有するカテーテルを使用する。コイルの外側直径より大きい直径のボールが、カテーテルの末端部の内腔の中のソケット内に置かれ、そしてコイルを希望位置に置くためにカテーテルが血管内に動かされる。定位置に到達すると、端部にピストンを有するプッシャーワイヤーがカテーテルの手前側端部から末端向きに押され、これによりソケットからボールを押し出して希望位置においてコイルを解放する。かかるシステムは、米国特許５３５０３９７号「軸方向で分離可能な塞栓コイル組立体」において明らかにされる。カテーテルの全長を通って伸びかつカテーテルの末端部のソケットに取り付けられたボールを外すように押すに十分な剛性を有するプッシャーワイヤーを使用するこの形式のコイル配置システムの一つの問題は、プッシャーワイヤーがカテーテルを余りにも剛くさせ、このため身体の血管構造を通してカテーテルを案内することが極めて困難なことである。
【０００８】
塞栓コイルを置くための別の方法は、カテーテルの末端部にコイルを保持するための加熱解放可能な接着剤を使用する方法である。かかるシステムの一つは、カテーテルの端部からコイルを解放するように接着剤を加熱するために光ファイバーケーブルを通して伝達されるレーザーエネルギーを使用する。かかる方法は、米国特許５１０８４０７号「塞栓コイルを配置する方法及び装置」に明らかにされる。かかるシステムも、カテーテルの全長を通して伸びカテーテルの剛性を大きくさせる別個の光ファイバー部材を有する問題に悩まされる。
【０００９】
更に別のコイル配置システムは、全長にわたる内腔を有するカテーテルであって、コイルを予め選定された位置に置くためにコイルを保持する末端側先端を有するカテーテルを組み入れる。カテーテルの末端側先端は、カテーテルの内腔が加圧されたときに末端側先端が半径方向で拡張してコイルを予め選定された位置において解放する特性を示す材料より形成される。かかる配置システムは、本願の譲受人に譲渡された１９９８年１０月２２日付け米国特許出願０９／１７７８４８号「塞栓コイル液圧式配置システム」に明らかにされる。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する非常に小さい直径の管閉塞コイル配置システムであって、コイルを管内の予め選定された部位に動かし得るようにコイルを保持するための末端側先端を有する小直径の柔軟なカテーテルを備えた前記システムに向けられる。カテーテルはその全長を通して伸びる内腔を有し、かつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ポンド毎平方インチ（ｐｓｉ））の流体圧力が加えられたとき、末端側先端の壁が外向き又は半径方向に広がりこれによりカテーテルの末端側先端の内腔を大きくさせるようなジュロメーター硬度を有する材料で形成された末端側端部も備える。塞栓コイルは、カテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有する円柱状ヘッドピース上に配置され、これに接着される。ヘッドピースはコイルの手前側端部から外向きに伸び、かつヘッドピースのこの部分はカテーテルの末端側先端において内腔内に配置されかつこれに保持される。カテーテルの内腔に流体圧力を加えるために、シリンジのような圧力液体注入装置がカテーテルの手前側端部に結合される。コイルが管内の希望位置に置かれると、圧力液体注入装置によりカテーテルの内腔に流体圧力が加えられ、これにより末端側先端の壁を外向き又は半径方向に広げ、コイルを支持しているヘッドピースを解放する。最も重要なことは、ヘッドピースの直径がカテーテルの内腔の直径にほぼ等しいか又はこれより僅かに大きく、このためヘッドピース１２２がカテーテルの末端側部分内に挿入されたとき、取り付けられたコイル１０６の外側直径がカテーテルの外側直径にほぼ等しいことである。この構造が、カテーテルの外側直径とほぼ等しい総合外側直径を有する配置システムを産む。
【００１１】
本発明の別の態様により、柔軟なカテーテルは手前側部分と比較的短い末端側部分とよりなる。手元側部分は、人の身体の血管構造を通って通過するに十分に柔軟な材料より形成され、かつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）台の流体圧力が加えられたときの外向き膨張に実質的に抵抗するジュロメーター硬度のものである。カテーテルの末端側部分は、身体の血管構造を通って通過するに同様に十分に柔軟である材料で形成されるが、手前側部分のジュロメーター硬度よりかなり低いジュロメーター硬度のものであり、カテーテルの内部に流体圧力が加えられたときに外向き又は半径方向に広がりこれによりヘッドピースの解放を許しこれにより塞栓コイルを解放する特性を示す。
【００１２】
本発明の更に別の態様により、カテーテルの末端側部分は約２５Ｄから５５Ｄの間の範囲のジュロメーター硬度を持つ。
【００１３】
本発明の更に別の態様により、塞栓コイルは、手前側端部、末端側端部及びこれを通る内腔を有する螺旋状コイルよりなる。ヘッドピースは部分的にコイルの手前側端部の内腔内に配置され、ヘッドピースの他方の部分はカテーテルの内腔と気密に組み合って置かれる。
【００１４】
本発明の別の態様によれば、カテーテルの内部に流体圧力を加えるための圧力液体注入装置は、ピストンが運動するとカテーテルの内部に流体圧力を作りこれにより塞栓コイルの解放をさせるためにカテーテルの手前側端部に結合されたシリンジの形式を取る。
【００１５】
本発明の別の態様により、塞栓コイルは血管フィルターのような別の形式の移植可能な装置の形をとることができる。
【００１６】
本発明のこれらの態様及びその利点は、本発明の好ましい実施例の以下の説明及び図面より明らかに理解されるであろう。
【００１７】
【好ましい実施例の説明】
図１は、一般に、カテーテル１０４の手前側端部に結合された圧力液体注入装置又はシリンジ１０２を備えた血管閉塞コイル配置システム１００を示す。塞栓コイル１０６は、カテーテルの末端側端部１０８の内腔内に配置された手前側ヘッドピース１２２を持つ。ヘッドピース１２２は、コイルを解放するために配置システムが作動させるまで、カテーテル１０４の末端側部分１０８の内腔内にきつく保持される。見られるように、シリンジ１０２はねじ付きピストン１１０を有し、このピストンはハンドル１１２により制御されて流体をカテーテル１０４の内部内に注入する。同様に図示のように、カテーテル１０４は、身体の血管系内へのカテーテルの挿入を支援する翼状部分のあるハブ１１４を持つ。
【００１８】
図２は、カテーテル１０４の末端部をより詳細に示す。カテーテル１０４は、手前側部分１１６と末端側部分１０８とを持つ。塞栓コイル１０６はきつく巻かれ、そして円筒状ヘッドピース１２２の末端側部分に接合される。ヘッドピース１２２の手前側部分は、カテーテルの末端側部分１０８内に配置され、ヘッドピース１２２及び取り付けられたコイル１０６の解放以前は、この末端側部分１０８の内腔１２０内にきつく保持される。認められるであろうように、図２は、シリンジのピストンの作動以前でかつコイルの解放以前における血管閉塞コイル配置システムを示す。
【００１９】
塞栓コイル１０６は、図２には螺旋巻コイルが示されるが、種々の形式及び形状を取ることができ、不規則に巻かれたコイルとすることさえできる。コイルには、コイル１０６の全長を伸びる内腔１２３内に配置された手前側部分を有するヘッドピース１２２が設けられる。ヘッドピース１２２は、コイル１０６を保持するように働き、かつ流体がコイル１０６の内腔を通って流れることを防ぐようにも作用する。ヘッドピース１０６が内腔１２０と気密に組み合って置かれると、ヘッドピースはカテーテル１０４の末端における気密封鎖を提供するように作用する。コイルの手前側部分１１８におけるコイル１０６の隣接した巻回は、連続的に一緒に溶接され、一方、一般に一体構造を提供するようにヘッドピース１２２に溶接されることが好ましい。最も重要な点は、ヘッドピースの直径がカテーテルの内腔の直径とほぼ等しいか又はこれよりやや大きく、このためヘッドピース１２２がカテーテルの末端側部分内に挿入されたとき、取り付けられたコイル１０６の外側直径がカテーテルの外側直径にほぼ等しいことである。この構造により、カテーテルの外側直径とほぼ等しい外側総合直径を有する配置システムが得られる。
【００２０】
カテーテル１０４の手前側部分１１６と末端側部分１０８とは、異なったジュロメーター硬度を有する材料より形成されることが好ましい。手前側部分１１６は約６２Ｄから７５Ｄの範囲のジュロメーター硬度を有するペバックス（Ｐｅｂａｘ）材料より形成されることが好ましい。手前側部分は人の身体の血管を横切るに十分に柔軟であるが、カテーテルのこの部分の内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき、この部分の壁の半径方向の拡張があったとしても極めて小さいように十分に剛である。一方では、カテーテルの末端側部分１０８は、ジュロメーター硬度が比較的小さくかつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたときに、末端側部分１０８の壁が、バルーン膨張の作動と幾分か似て半径方向に伸びてこれによりコイル１０６の手前側端部１１８を解放する特性を示すポリマー材料より形成されることが好ましい。認められるであろうように、カテーテル１０４の手前側部分１１６と末端側部分１０８とを構成するために使用し得る多くの材料があるが、末端側部分１０８は、２５Ｄから５５Ｄの間のジュロメーター硬度、好ましくは４０Ｄのジュロメーター硬度を有するペバックスのようなブロック共重合体から形成されることが好ましい。
【００２１】
図３及び図４は、一般に、作動時の血管閉塞カテーテル配置システムのコイル解放機構を示す。より特別には、図３に示されるように、液体圧力がカテーテル１０４の内部１２４に加えられたとき、カテーテルの比較的硬度の小さい末端側部分１０８が、膨張過程中にバルーンが膨らむのと同様に半径方向に膨張をし始める。末端側部分１０８が半径方向で膨張し続けると図４に示された点に達する。この状態においては、ヘッドピース１２２及び取り付けられたコイル１０６が末端側部分１０８の内腔から外れ、コイルはカテーテルから解放され、そして血管内に配置される。
【００２２】
図５に示されるように、ヘッドピース１２２とコイル１０６とがカテーテル１０４から解放されたときは、希望の部位に置かれたコイルを残してカテーテルを引き抜くことができる。
【００２３】
本発明の血管閉塞コイル配置システムにより、塞栓コイルを血管内の希望位置に極めて正確に置くことができる。カテーテルのしようによりコイルがこの位置に置かれると、カテーテルの内部に液体圧力を加えることによりカテーテルが操作され、これによりカテーテルにコイルを解放させ、そしてコイルを希望位置に極めて正確に置かせる。
【００２４】
明らかなように、多くのコイル巻回形態を含んだコイル、或いは血管フィルターのような別形式の移植装置多くの変更及び変化のような本技術熟練者に容易に明らかであろう上述の好ましい実施例の多くの変更例がある。カテーテルの末端側部分を拡張させるためにカテーテルの内部の圧力を上昇させるための多くのその他の流体圧力発生システムを含むカテーテルの内部に流体圧力を加えるためのシリンジ装置の明らかな変更がある。また、これらの変更は、本発明に関係する技術の通常の技術者に明らかであり、かつ特許請求の範囲内にあることが意図される。
【００２５】
本発明の実施態様は以下の通りである。
【００２６】
１．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００２７】
２．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料でり形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項１に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００２８】
３．螺旋状に巻かれたコイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項１に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００２９】
４．カテーテルの末端側部分が２５Ｄから５５Ｄの間の範囲のジュロメーター硬度を有するポリマーで形成される請求項３に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３０】
５．カテーテルの末端側部分が約４５Ｄのジュロメーター硬度を有するポリマーで形成される請求項３に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３１】
６．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３２】
７．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項６に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３３】
８．コイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項６に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３４】
９．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内部に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の壁が外向きに広がる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより塞栓コイルを解放するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３５】
１０．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項９に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３６】
１１．コイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項９に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３７】
１２．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力発生装置が適用されたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合された流体
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３８】
１３．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分最も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項１０に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３９】
１４．螺旋状に巻かれたコイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項１２に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の液圧式血管閉塞コイル配置システムの拡大された部分的断面図である。
【図２】コイルの配置以前のコイル配置システムの末端部を示す拡大された部分的断面図である。
【図３】塞栓コイルが解放されるときのコイル配置システムの末端部先端の半径方向拡張の逐次段階を示す。
【図４】塞栓コイルが解放されるときのコイル配置システムの末端部先端の半径方向拡張の逐次段階を示す。
【図５】塞栓コイルの解放後のコイル配置システムの末端部先端を示す。
【符号の説明】
１００ コイル配置システム
１０２ シリンジ
１０４ カテーテル
１０６ コイル
１１０ ピストン
１１４ ハブ
１２２ ヘッドピース
【従来技術及びその課題】
【０００２】
【産業上の利用分野】
本発明は、人体の管内の予め選定された位置に塞栓コイルを置くための医用装置に関し、より特別には血管内の予め選定された位置にコイルを送るために塞栓コイルを保持する末端部先端を有する非常に小さい直径のカテーテル及び予め選定された位置において塞栓コイルを解放するための制御機構に関する。この装置は、人の脳の蛇行性血管構造を通して塞栓コイルを送るために特に適している。
【０００３】
【従来技術及びその課題】
人体の血管内に種々の装置を置くために、多年にわたり柔軟なカテーテルが使用されてきた。かかる装置は、拡張用バルーン、放射線不透過性流体、液体薬物並びにバルーン及び塞栓コイルのような種々の形式の閉塞用装置を含む。かかるカテーテル装置の例が、米国特許５１０８４０７号「塞栓コイル配置のための方法及び装置」、米国特許５１２２１３６号「動脈、静脈、動脈瘤、血管形成異常及び動静脈フィステルにおける血栓の電気形成用の血管内の電気分解式に外し得る案内ワイヤー」において明らかにされる。これらの特許は、動脈瘤の処置のため又は血管をある特定位置において閉塞させるために、人体の血管内の予め選定された位置に塞栓コイルを送るための装置を明らかにする。
【０００４】
血管内に置かれたコイルは螺旋状に巻かれたコイルの形式とすることができ、或いは不規則に巻かれたコイル、コイル内で巻かれたコイル、又は多くのその他かかるコイル形状とすることができる。種々のコイル形状の例が、米国特許５３３４２１１０号「血管閉塞用組立体」、米国特許５３８２２５９号「取り付けられた筒状織物又は編まれた繊維状被覆を有する血管閉塞コイル」において明らかにされる。塞栓コイルは、一般に白金、金、タングステン又はこれら金属の合金のような放射線不透過性の金属材料より形成される。ときには、特定位置における血栓の形成の促進により血管を通過する血流を遮断するために所与位置に複数個のコイルが置かれる。
【０００５】
過去においては、塞栓コイルはカテーテルの末端部に置かれていた。カテーテルの末端部が適正に置かれたとき、コイルを希望位置において解放するためにコイルを案内ワイヤーによりカテーテルの端部から押し出すことができる。塞栓コイル配置のこの手順は、身体の血管構造を通るコイルの動きを監視しコイルを希望位置に置くことができるような透視検査的な可視化により導かれる。これらの配置システムでは、コイルはカテーテルの端部より先のある距離の位置に排出されるため、コイルの正確な配置に対してはごく僅かしか管理できない。明らかなように、これら後者のシステムでは、コイルが解放されたときは、コイルを回収し又はコイルを置き直すことは、不可能でないとしても極めて困難である。
【０００６】
血管内でコイルをより正確に位置決めできる多くの手順が開発された。なお別のかかる手順は、血管内の予め選定された位置にコイルを位置決めするために、柔軟なカテーテル内に置かれた案内ワイヤーに塞栓コイルを取り付けるための接着剤又は半田の使用を含む。コイルが希望位置にくると、コイルはカテーテルにより希望位置に保持され、そして案内ワイヤーがカテーテルの手前側端部から引っ張られ、これによりコイルが案内ワイヤーから外されカテーテルから解放される。かかるコイル位置決めシステムが、米国特許５２６３９６４号「同軸引張り式分離装置」において明らかにされる。
【０００７】
別のコイル位置決め用システムは、コイルの手前側端部に接着されたボールを保持するために末端部にソケットを有するカテーテルを使用する。コイルの外側直径より大きい直径のボールが、カテーテルの末端部の内腔の中のソケット内に置かれ、そしてコイルを希望位置に置くためにカテーテルが血管内に動かされる。定位置に到達すると、端部にピストンを有するプッシャーワイヤーがカテーテルの手前側端部から末端向きに押され、これによりソケットからボールを押し出して希望位置においてコイルを解放する。かかるシステムは、米国特許５３５０３９７号「軸方向で分離可能な塞栓コイル組立体」において明らかにされる。カテーテルの全長を通って伸びかつカテーテルの末端部のソケットに取り付けられたボールを外すように押すに十分な剛性を有するプッシャーワイヤーを使用するこの形式のコイル配置システムの一つの問題は、プッシャーワイヤーがカテーテルを余りにも剛くさせ、このため身体の血管構造を通してカテーテルを案内することが極めて困難なことである。
【０００８】
塞栓コイルを置くための別の方法は、カテーテルの末端部にコイルを保持するための加熱解放可能な接着剤を使用する方法である。かかるシステムの一つは、カテーテルの端部からコイルを解放するように接着剤を加熱するために光ファイバーケーブルを通して伝達されるレーザーエネルギーを使用する。かかる方法は、米国特許５１０８４０７号「塞栓コイルを配置する方法及び装置」に明らかにされる。かかるシステムも、カテーテルの全長を通して伸びカテーテルの剛性を大きくさせる別個の光ファイバー部材を有する問題に悩まされる。
【０００９】
更に別のコイル配置システムは、全長にわたる内腔を有するカテーテルであって、コイルを予め選定された位置に置くためにコイルを保持する末端側先端を有するカテーテルを組み入れる。カテーテルの末端側先端は、カテーテルの内腔が加圧されたときに末端側先端が半径方向で拡張してコイルを予め選定された位置において解放する特性を示す材料より形成される。かかる配置システムは、本願の譲受人に譲渡された１９９８年１０月２２日付け米国特許出願０９／１７７８４８号「塞栓コイル液圧式配置システム」に明らかにされる。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する非常に小さい直径の管閉塞コイル配置システムであって、コイルを管内の予め選定された部位に動かし得るようにコイルを保持するための末端側先端を有する小直径の柔軟なカテーテルを備えた前記システムに向けられる。カテーテルはその全長を通して伸びる内腔を有し、かつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ポンド毎平方インチ（ｐｓｉ））の流体圧力が加えられたとき、末端側先端の壁が外向き又は半径方向に広がりこれによりカテーテルの末端側先端の内腔を大きくさせるようなジュロメーター硬度を有する材料で形成された末端側端部も備える。塞栓コイルは、カテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有する円柱状ヘッドピース上に配置され、これに接着される。ヘッドピースはコイルの手前側端部から外向きに伸び、かつヘッドピースのこの部分はカテーテルの末端側先端において内腔内に配置されかつこれに保持される。カテーテルの内腔に流体圧力を加えるために、シリンジのような圧力液体注入装置がカテーテルの手前側端部に結合される。コイルが管内の希望位置に置かれると、圧力液体注入装置によりカテーテルの内腔に流体圧力が加えられ、これにより末端側先端の壁を外向き又は半径方向に広げ、コイルを支持しているヘッドピースを解放する。最も重要なことは、ヘッドピースの直径がカテーテルの内腔の直径にほぼ等しいか又はこれより僅かに大きく、このためヘッドピース１２２がカテーテルの末端側部分内に挿入されたとき、取り付けられたコイル１０６の外側直径がカテーテルの外側直径にほぼ等しいことである。この構造が、カテーテルの外側直径とほぼ等しい総合外側直径を有する配置システムを産む。
【００１１】
本発明の別の態様により、柔軟なカテーテルは手前側部分と比較的短い末端側部分とよりなる。手元側部分は、人の身体の血管構造を通って通過するに十分に柔軟な材料より形成され、かつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）台の流体圧力が加えられたときの外向き膨張に実質的に抵抗するジュロメーター硬度のものである。カテーテルの末端側部分は、身体の血管構造を通って通過するに同様に十分に柔軟である材料で形成されるが、手前側部分のジュロメーター硬度よりかなり低いジュロメーター硬度のものであり、カテーテルの内部に流体圧力が加えられたときに外向き又は半径方向に広がりこれによりヘッドピースの解放を許しこれにより塞栓コイルを解放する特性を示す。
【００１２】
本発明の更に別の態様により、カテーテルの末端側部分は約２５Ｄから５５Ｄの間の範囲のジュロメーター硬度を持つ。
【００１３】
本発明の更に別の態様により、塞栓コイルは、手前側端部、末端側端部及びこれを通る内腔を有する螺旋状コイルよりなる。ヘッドピースは部分的にコイルの手前側端部の内腔内に配置され、ヘッドピースの他方の部分はカテーテルの内腔と気密に組み合って置かれる。
【００１４】
本発明の別の態様によれば、カテーテルの内部に流体圧力を加えるための圧力液体注入装置は、ピストンが運動するとカテーテルの内部に流体圧力を作りこれにより塞栓コイルの解放をさせるためにカテーテルの手前側端部に結合されたシリンジの形式を取る。
【００１５】
本発明の別の態様により、塞栓コイルは血管フィルターのような別の形式の移植可能な装置の形をとることができる。
【００１６】
本発明のこれらの態様及びその利点は、本発明の好ましい実施例の以下の説明及び図面より明らかに理解されるであろう。
【００１７】
【好ましい実施例の説明】
図１は、一般に、カテーテル１０４の手前側端部に結合された圧力液体注入装置又はシリンジ１０２を備えた血管閉塞コイル配置システム１００を示す。塞栓コイル１０６は、カテーテルの末端側端部１０８の内腔内に配置された手前側ヘッドピース１２２を持つ。ヘッドピース１２２は、コイルを解放するために配置システムが作動させるまで、カテーテル１０４の末端側部分１０８の内腔内にきつく保持される。見られるように、シリンジ１０２はねじ付きピストン１１０を有し、このピストンはハンドル１１２により制御されて流体をカテーテル１０４の内部内に注入する。同様に図示のように、カテーテル１０４は、身体の血管系内へのカテーテルの挿入を支援する翼状部分のあるハブ１１４を持つ。
【００１８】
図２は、カテーテル１０４の末端部をより詳細に示す。カテーテル１０４は、手前側部分１１６と末端側部分１０８とを持つ。塞栓コイル１０６はきつく巻かれ、そして円筒状ヘッドピース１２２の末端側部分に接合される。ヘッドピース１２２の手前側部分は、カテーテルの末端側部分１０８内に配置され、ヘッドピース１２２及び取り付けられたコイル１０６の解放以前は、この末端側部分１０８の内腔１２０内にきつく保持される。認められるであろうように、図２は、シリンジのピストンの作動以前でかつコイルの解放以前における血管閉塞コイル配置システムを示す。
【００１９】
塞栓コイル１０６は、図２には螺旋巻コイルが示されるが、種々の形式及び形状を取ることができ、不規則に巻かれたコイルとすることさえできる。コイルには、コイル１０６の全長を伸びる内腔１２３内に配置された手前側部分を有するヘッドピース１２２が設けられる。ヘッドピース１２２は、コイル１０６を保持するように働き、かつ流体がコイル１０６の内腔を通って流れることを防ぐようにも作用する。ヘッドピース１０６が内腔１２０と気密に組み合って置かれると、ヘッドピースはカテーテル１０４の末端における気密封鎖を提供するように作用する。コイルの手前側部分１１８におけるコイル１０６の隣接した巻回は、連続的に一緒に溶接され、一方、一般に一体構造を提供するようにヘッドピース１２２に溶接されることが好ましい。最も重要な点は、ヘッドピースの直径がカテーテルの内腔の直径とほぼ等しいか又はこれよりやや大きく、このためヘッドピース１２２がカテーテルの末端側部分内に挿入されたとき、取り付けられたコイル１０６の外側直径がカテーテルの外側直径にほぼ等しいことである。この構造により、カテーテルの外側直径とほぼ等しい外側総合直径を有する配置システムが得られる。
【００２０】
カテーテル１０４の手前側部分１１６と末端側部分１０８とは、異なったジュロメーター硬度を有する材料より形成されることが好ましい。手前側部分１１６は約６２Ｄから７５Ｄの範囲のジュロメーター硬度を有するペバックス（Ｐｅｂａｘ）材料より形成されることが好ましい。手前側部分は人の身体の血管を横切るに十分に柔軟であるが、カテーテルのこの部分の内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき、この部分の壁の半径方向の拡張があったとしても極めて小さいように十分に剛である。一方では、カテーテルの末端側部分１０８は、ジュロメーター硬度が比較的小さくかつカテーテルの内部にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたときに、末端側部分１０８の壁が、バルーン膨張の作動と幾分か似て半径方向に伸びてこれによりコイル１０６の手前側端部１１８を解放する特性を示すポリマー材料より形成されることが好ましい。認められるであろうように、カテーテル１０４の手前側部分１１６と末端側部分１０８とを構成するために使用し得る多くの材料があるが、末端側部分１０８は、２５Ｄから５５Ｄの間のジュロメーター硬度、好ましくは４０Ｄのジュロメーター硬度を有するペバックスのようなブロック共重合体から形成されることが好ましい。
【００２１】
図３及び図４は、一般に、作動時の血管閉塞カテーテル配置システムのコイル解放機構を示す。より特別には、図３に示されるように、液体圧力がカテーテル１０４の内部１２４に加えられたとき、カテーテルの比較的硬度の小さい末端側部分１０８が、膨張過程中にバルーンが膨らむのと同様に半径方向に膨張をし始める。末端側部分１０８が半径方向で膨張し続けると図４に示された点に達する。この状態においては、ヘッドピース１２２及び取り付けられたコイル１０６が末端側部分１０８の内腔から外れ、コイルはカテーテルから解放され、そして血管内に配置される。
【００２２】
図５に示されるように、ヘッドピース１２２とコイル１０６とがカテーテル１０４から解放されたときは、希望の部位に置かれたコイルを残してカテーテルを引き抜くことができる。
【００２３】
本発明の血管閉塞コイル配置システムにより、塞栓コイルを血管内の希望位置に極めて正確に置くことができる。カテーテルのしようによりコイルがこの位置に置かれると、カテーテルの内部に液体圧力を加えることによりカテーテルが操作され、これによりカテーテルにコイルを解放させ、そしてコイルを希望位置に極めて正確に置かせる。
【００２４】
明らかなように、多くのコイル巻回形態を含んだコイル、或いは血管フィルターのような別形式の移植装置多くの変更及び変化のような本技術熟練者に容易に明らかであろう上述の好ましい実施例の多くの変更例がある。カテーテルの末端側部分を拡張させるためにカテーテルの内部の圧力を上昇させるための多くのその他の流体圧力発生システムを含むカテーテルの内部に流体圧力を加えるためのシリンジ装置の明らかな変更がある。また、これらの変更は、本発明に関係する技術の通常の技術者に明らかであり、かつ特許請求の範囲内にあることが意図される。
【００２５】
本発明の実施態様は以下の通りである。
【００２６】
１．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００２７】
２．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料でり形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項１に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００２８】
３．螺旋状に巻かれたコイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項１に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００２９】
４．カテーテルの末端側部分が２５Ｄから５５Ｄの間の範囲のジュロメーター硬度を有するポリマーで形成される請求項３に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３０】
５．カテーテルの末端側部分が約４５Ｄのジュロメーター硬度を有するポリマーで形成される請求項３に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３１】
６．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３２】
７．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項６に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３３】
８．コイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項６に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３４】
９．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内部に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の壁が外向きに広がる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより塞栓コイルを解放するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３５】
１０．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項９に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３６】
１１．コイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項９に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３７】
１２．管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるように通して伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力発生装置が適用されたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成される前記カテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている前記塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合された流体
を具備した管閉塞コイル配置システム。
【００３８】
１３．前記カテーテルの前記手前側部分が身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟な材料で形成されかつカテーテルの手前側部分の内腔にほぼ２１．１ｋｇ／ｃｍ2（３００ｐｓｉ）の流体圧力が加えられたとき半径方向の膨張が実質的にない特性を示す材料で形成され、末端側部分最も同様に身体の血管構造を通って通過させるに十分に柔軟であってかつ手前側部分のジュロメーター硬度より実質的に低いジュロメーター硬度のものである材料で形成される請求項１０に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【００３９】
１４．螺旋状に巻かれたコイルがカテーテルの外側直径にほぼ等しい外側直径を有しこれにより均一な外側直径のコイル配置システムを提供する請求項１２に定められた血管閉塞コイル配置システム。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の液圧式血管閉塞コイル配置システムの拡大された部分的断面図である。
【図２】コイルの配置以前のコイル配置システムの末端部を示す拡大された部分的断面図である。
【図３】塞栓コイルが解放されるときのコイル配置システムの末端部先端の半径方向拡張の逐次段階を示す。
【図４】塞栓コイルが解放されるときのコイル配置システムの末端部先端の半径方向拡張の逐次段階を示す。
【図５】塞栓コイルの解放後のコイル配置システムの末端部先端を示す。
【符号の説明】
１００ コイル配置システム
１０２ シリンジ
１０４ カテーテル
１０６ コイル
１１０ ピストン
１１４ ハブ
１２２ ヘッドピース
Claims (4)
- 管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるようにカテーテルを通って伸びている内腔を有し、更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときに、カテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成されるカテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置され、ヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し、前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えてカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させ、これにより円柱状ヘッドピースを解放して塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ、
を具備した管閉塞コイル配置システム。 - 管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるようにカテーテルを通って伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が加えられたときに、カテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成されるカテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置され、またヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し、更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔内に気密に組み合って配置されている塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えてカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合されたシリンジ
を具備した管閉塞コイル配置システム。 - 管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
カテーテルを通って伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内部に流体圧力が加えられたときにカテーテルの末端側部分の壁が外向きに広がる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成されるカテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有する柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置され、またヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し、更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させ、これにより塞栓コイルを解放するためにカテーテルの手前側部分結合されたシリンジ、
を具備した管閉塞コイル配置システム。 - 管内の予め選定された部位にコイルを置く際に使用する小直径の管閉塞コイル配置システムであって、
外壁を定めるようにカテーテルを通って伸びている内腔を有し更に手前側部分と末端側部分とを有する長い柔軟なカテーテルであって、カテーテルの内腔に流体圧力が適用されたときにカテーテルの末端側部分の外壁が外向きに広げられる特性を示すジュロメーター硬度を有する材料でカテーテルの前記末端側部分が形成されるカテーテル、
手前側端部と末端側端部とを有し螺旋状に巻かれた柔軟なコイル及び手前側部分と末端側部分とを有する円柱状のヘッドピースを備えた塞栓コイル組立体であって、ヘッドピースの末端側部分はコイルの手前側端部内に配置されまたヘッドピースの手前側部分はコイルの手前側端部より先に外向きに伸び、円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの内腔の直径とほぼ等しい直径を有し更に前記円柱状ヘッドピースの前記手前側部分はカテーテルの末端側部分の内腔と気密に組み合って配置されている塞栓コイル組立体、及び
カテーテルの内部に流体圧力を加えこれによりカテーテルの末端側部分を外向きに拡張させこれにより円柱状ヘッドピースを解放しこれにより塞栓コイル組立体を配置するためにカテーテルの手前側部分に結合された流体圧力発生装置、
を具備した管閉塞コイル配置システム。
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